JPH06247782A - 耐酸化性c/c複合材の製造方法 - Google Patents

耐酸化性c/c複合材の製造方法

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JPH06247782A
JPH06247782A JP5055056A JP5505693A JPH06247782A JP H06247782 A JPH06247782 A JP H06247782A JP 5055056 A JP5055056 A JP 5055056A JP 5505693 A JP5505693 A JP 5505693A JP H06247782 A JPH06247782 A JP H06247782A
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coating step
silicon source
sic
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Akihiro Kuroyanagi
聡浩 黒柳
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Tokai Carbon Co Ltd
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
    • C04B41/009After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone characterised by the material treated
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡素化された処理操作により、高度かつ安定
した酸化抵抗性を発揮する耐酸化性C/C複合材(炭素
繊維強化炭素複合材)の製造方法を提供する。 【構成】 C/C複合基材の表面に、珪素源ガスを高温
で接触させて傾斜機能組織のSiC被膜を形成する第1
被覆工程と、珪素源ガスを用いてパルスCVI法でSi
C被膜を形成する第2被覆工程と、B(OC12H2 7)3 および
Si(OC2H5)4をアルコキシド法で加水分解重合させた液を
真空含浸してB2O5−SiO2ガラス被膜を形成する第3被覆
工程とからなるプロセスにおいて、珪素源ガスを第1被
覆工程ではSiCl4 と水素の混合ガス、第2被覆工程では
SiCl4とCH4 の混合ガスとし、かつ第1被覆工程と第2
被覆工程を同一反応系内で順次に施すことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高温酸化雰囲気下にお
いて高度の酸化抵抗性を示す被覆層を備えた耐酸化性C
/C複合材(炭素繊維強化炭素複合材)の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】C/C複合材は、卓越した比強度、比弾
性率を有するうえに優れた耐熱性および化学的安定性を
備えているため、航空宇宙用をはじめ多くの分野で構造
材料として有用されている。ところが、この材料には易
酸化性という炭素材固有の材質的な欠点があり、これが
汎用性を阻害する最大のネックとなっている。このため
C/C複合材の表面に各種セラミック質の耐酸化性被覆
を施して改質化する試みが盛んにおこなわれているが、
最も実用性の高い耐酸化層はSiC被膜である。
【0003】従来、C/C複合基材の表面にSiCの被
覆を形成する方法として、気相反応により生成するSi
Cを直接沈着させるCVD法(化学的気相蒸着法)と、
基材の炭素を反応源に利用して珪素成分と反応させるこ
とによりSiCに転化させるコンバージョン法が知られ
ているが、それぞれに長短がある。すなわち、CVD法
を適用して形成したSiC被覆層は、基材との界面が明
確に分離している関係で熱衝撃を与えると相互の熱膨張
差によって層間剥離現象が起こり易く、高温域での十分
な耐酸化性は望めない。これに対し、コンバージョン法
による場合には基材の表層部が連続的にSiC層に転化
する傾斜機能組織となるため界面剥離を生じることはな
いが、CVD法に比べて緻密性に劣るうえ、反応時、被
覆層に微小なクラックが発生する難点がある。
【0004】このような問題点の解消を図る手段とし
て、C/C複合基材面にSiOガスの接触によるコンバ
ージョン法で第1のSiC被膜を形成し、さらにその表
面をアモルファスSiCが析出するような条件でCVD
法による第2のSiC被覆層を形成する耐酸化処理法
(特開平4−12078 号公報) 、更にこれを改良して第2
のSiC被覆層を減圧加熱下でハロゲン化有機珪素化合
物を基材組織に間欠的に充填して還元熱分解させるパル
スCVI法を用いて形成する耐酸化処理法(特開平4−
42878 号公報) 、被覆層をSiC被覆層、SiO2 微粒
被覆層、SiO2 ガラス被覆層またはB2 3 もしくは
2 3 −SiO2 ガラス被覆層が3層状に形成された
耐酸化性C/C材(特開平4−42883 号公報) 等が本出
願人によって開発されている。
【0005】更に本発明者らは、これらの技術を一層発
展させた耐酸化性C/C材として、炭素繊維強化炭素材
の基材面に、傾斜機能を有する多結晶質のSiC被膜か
らなる第1被覆層、アモルファス質または微細多結晶質
のSiC被膜からなる第2被覆層、およびB2 3 −S
iO2 ガラス被膜からなる第3被覆層を積層形成した多
層被覆構造(特開平4−243989号公報) を開発し、この
多層被膜構造を有する耐酸化性C/C複合材の製造手段
として、炭素繊維をマトリックス樹脂と共に複合成形し
硬化および焼成炭化処理して得られる炭素繊維強化炭素
複合材を基材とし、該基材の表面に反応温度1800〜
2000℃でSiOガスを接触させてコンバージョン法
により傾斜機能組織のSiC被膜を形成する第1被覆工
程、ハロゲン化有機珪素化合物と水素との混合ガスを用
いてパルスCVI法により900〜1000℃の加熱温
度でアモルファス質のSiC被膜を形成する第1段階操
作と1200〜1400℃の加熱温度で微細多結晶質の
SiC被膜を形成する第2段階操作を順次に施す第2被
覆工程、ついでB(OC12273 およびSi(OC2
5 4 をアルコキシド法により加水分解・重合させた
ガラス前駆体液を真空含浸してB2 3 −SiO2 ガラ
ス被膜からなる表面層を形成する第3被覆工程からなる
方法を提案した(特願平4−221976号)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記した特願平4−2
21976号の発明によれば、苛酷な高温酸化雰囲気に
対しても十分安定な耐酸化性C/C複合材を得ることが
できるが、反面、製造工程が煩雑となり、特にSiC被
覆層を形成する第1被覆工程と第2被覆工程を別々の装
置による反応系を用いておこなわねばならないために処
理の工数ならびに所要時間が増大する工業生産上の問題
点があった。この理由は、主に両工程で用いる珪素源ガ
スの相違に起因するものである。すなわち、第1被覆工
程における傾斜機能組織のSiC被膜化にはSiO2
末をSiまたはC粉末で加熱還元して生成されるSiO
ガスを珪素源ガスとし、また第2被覆工程ではハロゲン
化有機珪素化合物と水素との混合ガスを珪素源ガスとし
ているため、これら両工程を同一反応系内でおこなうこ
とができないからである。
【0007】本発明の目的は、特願平4−221976
号の発明に改良を加え、第1被覆工程と第2被覆工程で
用いる珪素源を共にSiCl4 とすることにより、簡素
な処理工程と短縮された処理時間を介して苛酷な高温酸
化性雰囲気において高度かつ安定した酸化抵抗性を発揮
する耐酸化性C/C複合材の工業的な製造方法を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明による耐酸化性C/C複合材の製造方法は、炭
素繊維をマトリックス樹脂と共に複合成形し硬化および
焼成炭化処理して得られる炭素繊維強化炭素複合材を基
材とし、該基材の表面に珪素源ガスを高温で接触させて
コンバージョン法により傾斜機能組織のSiC被覆を形
成する第1被覆工程と、珪素源ガスを用いてパルスCV
I法によりSiC被覆を形成する第2被覆工程と、B
(OC1227)3およびSi (OC2 5)4 をアルコキシ
ド法により加水分解・重合させたガラス前駆体液を真空
含浸して熱処理することによりB23 −SiO2 ガラ
ス被膜からなる表面層を形成する第3被覆工程とからな
る製造プロセスにおいて、第1被覆工程の珪素源ガスと
してSiCl4 と水素の混合ガス、第2被覆工程の珪素
源ガスとしてSiCl4 と炭化水素の混合ガスをそれぞ
れ使用し、かつ第1被覆工程と第2被覆工程を同一反応
系内において順次に施すことを構成上の特徴とする。
【0009】本発明の基材となるC/C複合材は、炭素
繊維の織布、フエルト、トウなどの強化繊維に炭化残留
率の高いマトリックス樹脂液を含浸または塗布してプリ
プレグを形成し、これを積層成形したのち硬化および焼
成炭化処理する常用の方法で製造される。この際の使用
材料には特に限定はなく、通常、強化材の炭素繊維には
ポリアクリロニトリル系、レーヨン系、ピッチ系など各
種のものが、またマトリックス樹脂としてはフェノール
系、フラン系その他炭化性の良好な液状熱硬化性樹脂類
を用いることができる。製造されたC/C複合基材に
は、必要に応じてマトリックス樹脂を含浸、硬化、炭化
する処理を反復して組織の緻密化が図られる。
【0010】コンバージョン法により傾斜機能組織のS
iC被膜を形成する第1被覆工程は、SiCl4 を水素
ガスにより同伴させながら反応装置内で加熱されたC/
C複合基材面に接触させることによりおこなわれる。珪
素源ガスとなるSiCl4 と水素の混合ガスは、加熱さ
れたC/C被覆基材面に接触する段階でSiCl4 が水
素で還元されて一旦Siとして沈積し、ついで基材表面
部分の炭素と界面反応を生じてSiCに転化する。この
過程で、沈積したSiの一部はC/C基材の表層組織内
部に浸透して前記の界面反応が進行するため、表層部に
向かってSiCの形成度合が連続的に増大する傾斜機能
組織のSiC被覆層として形成される。工程条件として
は、導入するSiCl4 と水素のモル比を5:100程
度に設定し、1400〜1600℃に加熱されたC/C
複合基材を保持する減圧反応系内に適度の流量で供給す
ることが好ましい。該第1被覆工程で形成される好適な
SiC被覆層の膜厚は、100〜300μm である。
【0011】第2被覆工程は、第1被覆工程と同一装置
を用いて反応系内に導入する珪素源ガスをSiCl4
炭化水素の混合ガスに切り換え、水素をキャリアーガス
としてC/C複合基材にガス接触させる操作を短周期で
間欠的に反復するパルスCVI工程によっておこなわれ
る。珪素源ガスの組成は、炭化水素にメタンを用い、S
iCl4 :CH4 :H2 のモル比を5:5:100にな
るように調整することが好ましく、この混合ガスを減圧
状態の反応系内に秒間隔で間欠的な導入・保持・減圧の
周期を繰り返す操作で処理を進行させる。この際、C/
C複合基材の加熱温度は特に変動させる必要はなく、第
1被覆工程と同じ1400〜1600℃の範囲に保持す
ればよい。この工程により、第1被覆工程で形成された
SiC被膜面に新たなSiC被膜が密着形成されるが、
この積層被膜の適切な形成膜厚は10〜60μm であ
る。
【0012】第3被覆工程におけるB2 3 −SiO2
ガラス被膜は、B(OC1227)3およびSi(OC2
5)4 をアルコキシド法によって加水分解・重合させてガ
ラス前駆体液を作製し、この液を第2被覆工程を施した
C/C複合基材に真空含浸したのち500℃以上の温度
で加熱処理する方法で形成される。この際、B2 3
ラスはB(OC1227)3を直接に真空含浸することによ
り形成することができるが、SiO2 ガラスはSi(O
2 5)4 を予めpH1〜2に調整して加水分解重合し
てから真空含浸することが好ましい。また、被覆順序と
して最初にSiO2 ガラスを被覆してからB2 3 ガラ
スを被覆することが好結果を与える。
【0013】
【作用】上記のように本発明の方法ではC/C複合基材
面に3工程の被覆処理を施して耐酸化性被膜が形成され
る。このうち、第1被覆工程で形成されるSiC被膜は
傾斜機能組織を備える緻密で密着性の高い被膜として形
成される。この工程によるSiC被覆層は、SiCl4
の水素還元により生成したSiと基材炭素との界面反応
によって形成され、SiOガスを珪素源とする場合にC
/C複合基材面がCOガスとなって離脱して形成被膜を
疎密化するような現象を生じることがないから、より緻
密な層形成が可能となる。第2被覆工程で被覆されるS
iC被膜は、第1被覆工程によるSiC被覆層の微小な
空隙(ピンホール)やクラック等を充填封止するが、第
1被覆工程によるSiC被膜の緻密性が良好であるため
特に複雑な条件操作を必要としない。第3被覆工程で形
成するB2 3 −SiO2 ガラス被膜は、第2被覆Si
C層に発生した微細なクラックを目詰めして被覆層の無
孔構造化を確実なものとする。
【0014】本発明の方法で特筆すべきことは、前記3
工程のうち第1被覆工程と第2被覆工程を同一の珪素源
(SiCl4)を用いて、同一の反応温度ならびに反応装
置系内でおこなうことができる点で、この機能により工
程操作の簡素化と処理時間の大幅な短縮を図ることがで
きる。したがって、高性能の耐酸化性C/C複合材を工
業的に有利に製造することが可能となる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して説
明する。
【0016】実施例1〜3 C/C複合基材の作製;ポリアクリロニトリル系高弾性
タイプの平織炭素繊維布をフェノール樹脂初期縮合物か
らなるマトリックス樹脂液に浸漬して含浸処理したの
ち、14枚積層してモールドに入れ、加熱温度110
℃、適用圧力20kg/cm2の条件で複合成形した。成形体
を250℃の温度に加熱して完全に硬化したのち、窒素
雰囲気に保持された焼成炉に移し、5℃/hr の昇温速度
で2000℃まで上昇し5時間保持して焼成炭化した。
ついで、得られたC/C材にフェノール樹脂液を真空加
圧下に含浸し、前記と同様の2000℃焼成処理を3回
反復して厚さ4mmの二次元配向型C/C複合基材を作製
した。
【0017】第1被覆工程;上記のC/C複合基材を幅
30mm、長さ50mmのサイズに裁断してパルスCVI装
置の反応チャンバー内にセットし、系内を400Torrの
真空度に保持しながら1400〜1600℃範囲の温度
に加熱した。ついで、モル比5:100のSiCl4
2 の混合ガスを珪素源ガスとし、反応チャンバーを引
き続き400Torrの真空度を保持しながら5l/min の流
量で導入して膜厚200μm の傾斜機能組織SiC被覆
層が形成されるまで反応を継続した。
【0018】第2被覆工程;第1被覆工程が終了した
ら、引き続き珪素源ガスをSiCl4 、CH4 、H2
混合ガス(モル比5:5:100)に切り換え、第1被
覆工程の加熱温度範囲に保持されたパルスCVI装置の
反応チャンバーに、1秒間で系内が720Torrになるよ
うに導入して1秒間保持したのち、2秒間で2Torrに減
圧するパルス操作を反復した。このパルスCVI処理
を、形成されるSiC被膜の膜厚が50μm になるまで
継続した。
【0019】第3被覆工程;第2被覆工程後のC/C複
合基材を真空デシケータに入れ、真空ポンプで1Torr以
下に減圧したのち、Si(OC2 5)4 1モルに対し7
モル量のエタノールを加え、11モルの水と0.03モ
ルのHClを混合してpH1.5で加水分解重合させた
ガラス前駆体液を2Torrの減圧下に流入し、C/C複合
基材が完全に浸漬するまで液を満たして1時間保持し
た。ついで、C/C複合基材をデシケータから取り出
し、大気雰囲気の電気炉に移して10℃/min. の昇温速
度で500℃まで加熱し、この温度に30分間保持して
SiO2 ガラスの被膜を形成した。
【0020】SiO2 ガラス被覆を形成したC/C複合
基材を真空デシケータに入れ、1Torr以下に減圧したの
ち、B(OC1227)3を2Torr以下の減圧下に注入しC
/C複合基材が浸漬した状態で1時間保持した。処理後
のC/C複合基材をデシケータから取り出し、室温空気
中で2時間風乾したのち、大気雰囲気に保持された電気
炉に移し500℃で30分間加熱してB2 3 ガラスの
被膜を形成した。その結果、全面に膜厚10μm のB2
3 −SiO2 ガラスの被膜が形成された。
【0021】耐酸化性の評価;上記の3段階被覆工程に
より製造した各耐酸化性C/C複合基材を大気雰囲気に
保持された電気炉に入れ、1500℃の温度に100分
間保持したのち炉出して常温まで自然冷却した。この工
程を10回繰り返し、最終的なC/C複合材の酸化によ
る重量減少率を測定した。得られた結果を適用条件と対
比させて表1に示した。
【0022】被覆処理時間の比較;実施例1の条件によ
る第1被覆工程および第2被覆工程に要した処理時間を
100とした場合の各例の処理時間を、指数として表1
に示した。
【0023】比較例1〜3 実施例と同一のC/C複合基材を用い、下記の第1被覆
工程および第2被覆工程によりSiC被膜を形成し、第
3被覆工程は実施例と同一条件により耐酸化性C/C複
合材を製造した。得られた各耐酸化性C/C複合材につ
き、実施例と同様に耐酸化性の評価と処理時間の比較を
おこない、結果を表1に併載した。
【0024】第1被覆工程;SiO2 粉末とSi粉末を
2:1(重量比)の配合比率になるように混合し、混合
粉末を黒鉛ルツボに入れ上部にC/C複合基材をセット
した。この黒鉛ルツボを電気炉に移し、内部をArガス
で十分に置換したのち50℃/hr の速度で1850℃ま
で昇温させ、2時間保持してC/C複合基材の表層部に
傾斜機能組織を有するSiC被覆層を形成した。形成さ
れたSiC被覆層の厚さは200μmであった。
【0025】第2被覆工程;第1被覆工程後のC/C複
合基材をパルスCVI装置の反応チャンバー内にセット
し、系内をArガスで十分に置換したのちC/C基材を
1000〜1300℃範囲の温度に加熱した。ついで、
系内に1秒間でトリクロロメチルシラン(CH3SiCl3)とH
2 の混合ガス(モル比5:100)を750Torrとなる
ように導入し1秒間保持したのち、2秒間で2Torrに減
圧するパルス操作を反復して、膜厚50μm のSiC被
膜を形成した。
【0026】比較例4〜5 第2被覆工程を下記の条件でおこない、その他は全て比
較例1と同一の方法を用いて耐酸化性C/C複合基材を
製造した。得られた各耐酸化性C/C複合基材につき、
実施例と同様に耐酸化性の評価および処置時間の比較を
おこない、結果を表1に併載した。
【0027】第2被覆工程;第1被覆層を形成したC/
C複合基材をパルスCVI装置の反応チャンバー内にセ
ットし、系内をArガスで十分に置換したのちC/C複
合基材を1000℃に加熱した。ついで、系内にトリク
ロロメチルシラン(CH3SiCl3)とH2 の混合ガス(モル比
5:100)を1秒間で720Torrになるように導入し
1秒間保持したのち、2秒間で2Torrに減圧するパルス
操作を反復して、膜厚20μm のSiC被膜を形成し
た。引き続き、C/C複合基材の加熱温度を1200〜
1400℃範囲の温度に上昇してパルス操作を継続し、
膜厚約30μm のSiC被膜を積層形成した。
【0028】
【表1】
【0029】表1の結果から、本発明の製造方法(実施
例)によれば第1被覆工程および第2被覆工程の処理時
間が比較例法に比べて1/5〜1/7に短縮され、工程
操作も極めて簡素化される。耐酸化性の評価について
は、実施例1〜3による耐酸化性C/C複合材は比較例
4、5より劣るものの、比較例1〜3と同等の優れた耐
酸化性能を示し、実用性の面で問題ないことが認められ
た。
【0030】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によればC/C複
合基材の表層部に形成された傾斜機能組織のSiC被膜
面に特定条件のパルスCVI法を用いてSiC被膜を形
成し、ついで全面にB2 3 −SiO2 ガラス被膜を積
層形成する3段階工程の製造プロセスにおいて、第1お
よび第2のSiC被覆工程に共通の珪素源ガスを用いて
同一反応系内で被覆処置を施すことにより、簡素化され
た操作および短縮された処理時間内に高度の耐酸化性と
安定した耐久性を備えるC/C複合材を効率よく製造す
ることができる。したがって、高温酸化雰囲気の過酷な
条件に晒される構造部材用の耐酸化性C/C複合材の工
業的な生産技術として極めて有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素繊維をマトリックス樹脂と共に複合
    成形し硬化および焼成炭化処理して得られる炭素繊維強
    化炭素複合材を基材とし、該基材の表面に珪素源ガスを
    高温で接触させてコンバージョン法により傾斜機能組織
    のSiC被膜を形成する第1被覆工程と、珪素源ガスを
    用いてパルスCVI法によりSiC被膜を形成する第2
    被覆工程と、B (OC1227)3およびSi (OC2 5)
    4 をアルコキシド法により加水分解・重合させたガラス
    前駆体液を真空含浸して熱処理することによりB2 3
    −SiO2 ガラス被膜からなる表面層を形成する第3被
    覆工程とからなる製造プロセスにおいて、第1被覆工程
    の珪素源ガスとしてSiCl4 と水素の混合ガス、第2
    被覆工程の珪素源ガスとしてSiCl4 と炭化水素の混
    合ガスをそれぞれ使用し、かつ第1被覆工程と第2被覆
    工程を同一反応系内において順次に施すことを特徴とす
    る耐酸化性C/C複合材の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100624094B1 (ko) * 2004-05-28 2006-09-19 주식회사 데크 탄소섬유 강화 세라믹 복합체 제조방법

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KR100624094B1 (ko) * 2004-05-28 2006-09-19 주식회사 데크 탄소섬유 강화 세라믹 복합체 제조방법

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