JPH06246871A - エポキシ樹脂銅張り積層板 - Google Patents

エポキシ樹脂銅張り積層板

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JPH06246871A
JPH06246871A JP3975493A JP3975493A JPH06246871A JP H06246871 A JPH06246871 A JP H06246871A JP 3975493 A JP3975493 A JP 3975493A JP 3975493 A JP3975493 A JP 3975493A JP H06246871 A JPH06246871 A JP H06246871A
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JP
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epoxy resin
group
formula
copper
carbon atoms
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JP3975493A
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Inventor
Yoichi Ueda
陽一 上田
Yasuhiro Endo
康博 遠藤
Mitsuhiro Shibata
充弘 柴田
Shinichiro Kitayama
慎一郎 北山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】耐熱性に優れ、かつ低誘電性であるエポキシ樹
脂組成物を用いて成形した銅張り積層板を提供するこ
と。 【構成】(A)下記一般式(1) 【化1】 (式中、nは平均繰り返し数を示し0.2以上20以下
の数値をとる。M、Qはそれぞれ独立に、ハロゲン原
子;炭素数1〜8のアルキル基、アルケニル基およびア
ルキニル基;炭素数5〜12のシクロアルキル基;炭素
数6〜14のアリール基;炭素数7〜20のアラルキル
基;炭素数1〜8のアルコキシ基、アルケニルオキシ
基、アルキニルオキシ基;ニトロ基;シアノ基の何れか
を表し、iは0以上4以下の整数値をとり、jは0以上
3以下の整数値をとる。)で表されるエポキシ樹脂と、
(B)エポキシ樹脂硬化剤とを必須成分とする樹脂組成
物を有機溶剤に溶解し、基材に含浸させて得られるプリ
プレグと銅箔とを積層成形してなるエポキシ樹脂銅張り
積層板、および上記樹脂組成物に含ハロゲンビスフェノ
ール化合物のグリシジルエーテル化物を含有させたもの
を使って同様にしてつくった積層板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエポキシ樹脂銅張り積層
板に関し、さらに詳しくは低誘電性に優れたエポキシ樹
脂銅張り積層板に関する。
【0002】
【従来の技術】電気・電子用途に用いられるエポキシ樹
脂のうち銅張り積層板(プリント配線基板)の材料とし
ては、従来主としてビスフェノール型エポキシ樹脂とジ
シアンジアミドの組み合わせが用いられている。近年、
銅張積層板の多層化に伴い、主に信号速度向上の目的か
ら樹脂の低誘電性が要求されてきているが、それに対し
て従来のエポキシ樹脂に低誘電性の熱可塑性樹脂を組み
合わせる方法が考案されている。例えば反応性ポリブタ
ジエン樹脂で変性する方法、ポリテトラフルオロエチレ
ン樹脂の粉末を分散させる方法、アラミド繊維を基材に
用いる方法等である。また基材にこれまでのE−ガラス
より誘電率の低いD−ガラスや石英を用いた例も報告さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これら従来の
技術においては、基本となるエポキシ樹脂の誘電率が高
いため望ましい誘電率を達成するには組み合わせる熱可
塑性樹脂の占める割合が大きくなり、エポキシ樹脂の特
長である耐熱性、寸法安定性、耐薬品性等が損なわれて
しまう。また基材にアラミド繊維や石英を使用すると銅
張積層板のドリル穴あけ加工時にドリルの摩耗が激しい
欠点があり、D−ガラスを用いた場合ではドリル加工性
の問題はないがプリント基板の製造コストが高くなる問
題が生じる。そこでそれ自体で低誘電性の銅張り積層板
が得られるような低誘電性のエポキシ樹脂が切望されて
いた。本発明の目的は、耐熱性に優れ、かつ低誘電性で
あるエポキシ樹脂組成物を用いて成形した銅張り積層板
を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、エポキシ
樹脂の骨格構造と得られる積層板の諸特性について鋭意
研究を続けた結果、特定の組成物が優れた耐熱性と低誘
電性を兼ね備えていることを見出し、本発明を完成させ
るに至った。すなわち、本発明は次のとおりである。
(1)(A)下記一般式(1)
【0005】
【化3】 (式中、nは平均繰り返し数を示し0.2以上20以下
の数値をとる。M、Qはそれぞれ独立に、ハロゲン原
子;炭素数1〜8のアルキル基、アルケニル基およびア
ルキニル基;炭素数5〜12のシクロアルキル基;炭素
数6〜14のアリール基;炭素数7〜20のアラルキル
基;炭素数1〜8のアルコキシ基、アルケニルオキシ
基、アルキニルオキシ基;ニトロ基;シアノ基の何れか
を表し、iは0以上4以下の整数値をとり、jは0以上
3以下の整数値をとる。)で表されるエポキシ樹脂と、
(B)エポキシ樹脂硬化剤とを必須成分とする樹脂組成
物を有機溶剤に溶解し、基材に含浸させて得られるプリ
プレグと銅箔とを積層成形してなるエポキシ樹脂銅張り
積層板。
【0006】(2)(A)上記(1)記載のエポキシ樹
脂と、(B)下記一般式(2)
【化4】 (式中、Rは水素原子あるいはメチル基を表し、2つの
Rは互いに同一であっても異なっていてもよい。Y、
Y’はハロゲン原子であり、両者は互いに同一であって
も異なっていてもよい。r、sはそれぞれ独立に1以上
4以下の整数である。)で表される含ハロゲンビスフェ
ノール化合物のグリシジルエーテル化物と、(C)エポ
キシ樹脂硬化剤とを必須成分とする樹脂組成物を使って
上記(1)と同様にしてつくったエポキシ樹脂銅張り積
層板。
【0007】以下にこれらの発明を詳細に説明する。ま
ず、本発明で用いるエポキシ樹脂の原料となる下記一般
式(3)で表されるジヒドロキシ化合物について説明す
る。
【0008】
【化5】 (式中、n、M、Q、i、jは一般式(1)と同様に定
義される。) 上記一般式(3)中で、nの値としては1 以上20以下の
数値が挙げられるが、化合物の耐熱性と、操作性に関与
する低粘度性とのバランスの上で、1 以上10以下が好ま
しい。一般式(3)のジヒドロキシ化合物の合成法とし
ては、下記一般式(4)
【0009】
【化6】 (式中、M、iは上記一般式(3)と同様に定義され
る。)で表されるフェノール類(イ)と、下記一般式
(5)
【0010】
【化7】 (式中、Q、jは上記一般式(3)と同様に定義され
る。Z1 、Z2 は、
【0011】
【化8】 あるいは、
【0012】
【化9】 のいずれかを表すが、Z1 、Z2 は互いに同じでも異な
っていてもよい。)で表される化合物(ロ)を、適当な
有機溶媒中、酸触媒存在下で、発生する水を除去しなが
ら反応した後、中和、水洗、減圧によって過剰なフェノ
ール類や溶媒を除くことによって得る方法をあげること
ができるが、これに限定されない。
【0013】一般式(4)で表されるフェノール類
(イ)は、フェノール性水酸基を1個有するものであ
り、例示するとフェノール、クレゾール、エチルフェノ
ール、n−プロピルフェノール、イソプロピルフェノー
ル、n−ブチルフェノール、イソブチルフェノール、t
−ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェ
ノール、キシレノール、メチルブチルフェノール、ジ−
t−ブチルフェノール、ジ-t−アミルフェノール等を
代表とするアルキルフェノールの各種o−、m−、p−
異性体;ビニルフェノール、アリルフェノール、プロペ
ニルフェノール、エチニルフェノール等を代表とするア
ルケニルあるいはアルキニルフェノールの各種o−、m
−、p−異性体;メトキシフェノール、エトキシフェノ
ール、アリロキシフェノール、プロパルギロキシフェノ
ール等を代表とするアルコキシ、アルケニルオキシある
いはアルキニルオキシフェノールの各種o−、m−、p
−異性体;シクロぺンチルフェノール、シクロヘキシル
フェノール、シクロヘキシルクレゾール等を代表とする
シクロアルキルフェノール、または、クロロフェノー
ル、ジクロロフェノール、ブロモフェノール、ジブロモ
フェノールに代表されるハロゲン置換フェノール;ニト
ロフェノール、シアノフェノール、アリールフェノー
ル、アラルキルフェノール、等の置換フェノールが挙げ
られるが、好ましくは、2,6−キシレノール、2−t
−ブチル−5−メチルフェノール、2−t−ブチル−4
−メチルフェノール、2,4−ジ(t−ブチル)フェノ
ール、2,4−ジ(t−アミル)フェノール、2−シク
ロヘキシル−5−メチルフェノール、2−t−ブチルフ
ェノール、2−sec−ブチルフェノール、2−(t−
アミル)フェノール、2−シクロヘキシルフェノール等
が挙げられる。
【0014】一般式(5)で表される化合物(ロ)を具
体的に例示すれば、ジイソプロペニルベンゼン、ビス
(α−ヒドロキシイソプロピル)ベンゼン、1−イソプ
ロペニル−3−α−ヒドロキシイソプロピルベンゼン、
1−イソプロペニル−2−α−ヒドロキシイソプロピル
ベンゼン、1−イソプロペニル−4−α−ヒドロキシイ
ソプロピルベンゼンおよびそれらの芳香核置換誘導体に
代表される化合物が挙げられるが、経済性の点からは、
m−ジイソプロペニルベンゼン、p−ジイソプロペニル
ベンゼン、m−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ベ
ンゼン、p−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ベン
ゼンが好ましく用いられる。
【0015】一般式(3)のジヒドロキシ化合物を合成
するのに用いられる酸触媒としては公知のものが用いら
れる。例示すれば、塩酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸な
どの無機酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン
酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、チオグリコール酸等の有
機酸、BF3 エーテル錯体、BF3 フェノール錯体、塩
化アルミニウム、塩化亜鉛などのルイス酸、酸性白土、
シリカアルミナ、ゼオライトなどの固体酸、ヘテロポリ
塩酸、酸性イオン交換樹脂などが挙げられるが、トルエ
ンスルホン酸、酸性白土、酸性イオン交換樹脂が好まし
い。
【0016】一般式(3)のジヒドロキシ化合物の合成
条件としては、化合物(ロ)に対するフェノール類
(イ)のモル比は、0.1 〜10.0の範囲が挙げられるが、
好ましい繰り返し単位数nを得るためには、0.5 〜5.0
が好ましい。また用いられる酸触媒量は、フェノール類
(イ)と化合物(ロ)の重量和の0.1 〜50重量%から選
べるが、反応速度を制御し、かつ反応時間が長時間にな
らないためには、5〜20重量%が好ましい。反応温度
は、0 ℃から300 ℃の範囲で行うことができるが、副反
応を抑制し、反応時間を適切にするためには、50〜200
℃が好ましい。反応時間は、反応温度にも依存するが、
短時間では反応が完結せず、長時間では生成物の分解反
応も起こる可能性があるため、1〜100時間の範囲、
好ましくは、2〜50時間で行うことが好ましい。ま
た、反応を円滑に進行させるために減圧下で行うことも
できる。
【0017】また、ジヒドロキシ化合物合成の際には、
共沸脱水溶媒として、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプ
タン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素溶
媒、塩化メチレン、クロロホルム、1、2−ジクロロエ
タン、クロルベンゼン、ジクロルベンゼン、クロロトル
エン等のハロゲン化炭化水素溶媒、ニトロベンゼン、ジ
ニトロベンゼン等のニトロ化炭化水素溶媒、ジエチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレング
リコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメ
チルエーテル、ジフェニルエーテル等のエーテル類、ア
セトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン
等のケトン類等から選ぶことができ、さらにこれらの混
合溶媒も用いることが出来るが、好ましくは、トルエ
ン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン、メチルイソブチ
ルケトンを用いることができるが、この限りではない。
【0018】また、上記の他の溶媒を併用することが可
能であり、ジメチルスルフォキシド、N−メチルピロリ
ドンなどの非プロトン性極性溶媒、ジメチルフォルムア
ミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、
ブチルアルコール等のアルコール類などが挙げられる
が、これらに限定されない。
【0019】本発明で使用するエポキシ樹脂は、苛性ソ
ーダ、苛性カリ、トリエチルアミン等の塩基性化合物存
在下、上記一般式(3)のジヒドロキシ化合物とエピハ
ロヒドリン類との脱ハロゲン化水素によるジグリシジル
エーテル化反応といった公知の方法によって得ることが
できる。エピハロヒドリン類としてはエピクロロヒドリ
ン、エピブロモヒドリン等が挙げられるが経済性の面か
らエピクロロヒドリンが好ましく用いられる。
【0020】本発明で使用する前記一般式(2)で表さ
れる含ハロゲンビスフェノール化合物のグリシジルエー
テル化物の具体例としては、テトラブロモビスフェノー
ルA、テトラクロロビスフェノールA、テトラヨードビ
スフェノールA、テトラブロモビスフェノールF、テト
ラクロロビスフェノールF、トリブロモビスフェノール
A、2,2’−ジブロモビスフェノールA等をそれぞれ
グリシジルエーテル化したものが挙げられるが、経済性
および効率的な難燃性付与の点からテトラブロモビスフ
ェノールAのグリシジルエーテルが好ましく用いられ
る。
【0021】本発明で使用する樹脂組成物における含ハ
ロゲンビスフェノール化合物のグリシジルエーテル化物
の使用割合は、含まれるハロゲン原子の量的割合が積層
板のUL規格難燃性評価でV−0を達成できる様な範囲
に調製することが望ましい。例えば臭素原子の場合、エ
ポキシ樹脂組成物中に臭素原子が15〜30重量%含ま
れるようにこの成分の使用割合を決めるのが望ましい。
【0022】本発明で使用するエポキシ樹脂硬化剤とし
ては、公知の硬化剤を用いることができる。例えば、フ
ェノールノボラック、クレゾールノボラック、1,1,
1−トリスヒドロキシフェニルエタン、フェノール類と
芳香族アルデヒド類との重縮合物、フェノール類と不飽
和脂環式化合物との付加物オリゴマー、フェノール類の
キシリレン結合オリゴマー、ポリヒドロキシスチレン、
ポリヒドロキシブロモスチレン等の多価フェノール類、
芳香族アミン、脂肪族アミン等のアミン系硬化剤、酸無
水物、ジシアンジアミド、ヒドラジド化合物、ルイス酸
錯体等が挙げられる。好ましくは、ジシアンジアミドあ
るいは多価フェノール類である。またその配合量につい
てはエポキシ樹脂中のエポキシ基に対して0.3 〜1.2 当
量が好ましい。
【0023】また、本発明の効果を損なわない程度に、
従来公知の二官能エポキシ樹脂、多官能エポキシ樹脂、
他の熱硬化性樹脂あるいは官能基を有する熱可塑性樹脂
等を併用することも可能である。具体的には、ビスフェ
ノールAのグリシジルエーテル、フェノールノボラック
のグリシジルエーテル、クレゾールノボラックのグリシ
ジルエーテル、ブロモ化フェノールノボラックのグリシ
ジルエーテル、不飽和ポリエステル樹脂、シアネート樹
脂、マレイミド樹脂、グリシジル修飾ポリブタジエン、
無水マレイン酸修飾ポリエチレン等である。これらの樹
脂は本発明で使用するエポキシ樹脂組成物中に混合され
て、あるいは本発明で使用するエポキシ樹脂と予め反応
させて用いることができる。
【0024】本発明では、目的に応じて組成物中に硬化
促進剤、難燃剤、表面処理剤等の公知の添加剤を加えて
も良い。硬化促進剤としてはイミダゾール類、三級アミ
ン類、リン系化合物を、難燃剤としては三酸化アンチモ
ン、水酸化アルミ、赤リン等を、表面処理剤としてはシ
ランカップリング剤を挙げることができる。
【0025】本発明の銅張り積層板の作成は公知の方法
に従って行うことができる。すなわち、本発明のエポキ
シ樹脂組成物を有機溶剤に溶解した樹脂ワニスを基材に
含浸させ、熱処理してプリプレグとした後にプリプレグ
と銅箔とを積層加熱成形して銅張り積層板とする方法で
ある。使用される有機溶剤はアセトン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン、エチレングリコールモ
ノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエ
ーテル、トルエン、キシレン、N,N-ジメチルホルムアミ
ド、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の単独あるいは
二種以上の混合物から選択される。樹脂ワニスを含浸さ
せる基材はガラス繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド
繊維等の無機繊維、有機繊維からなる織布、もしくは不
織布またはマット、紙等でありこれらを単独あるいは組
み合わせて用いられる。
【0026】プリプレグの熱処理条件は使用する溶剤、
添加触媒、各種添加剤の種類や使用量に応じて適宜選択
されるが通常80℃〜220 ℃の温度で3 分〜30分といった
条件で行われる。加熱成形条件は150 ℃〜300 ℃の温度
で10kg/cm2〜100kg/cm2 の成形圧で20分〜300 分の熱プ
レス成形が例示される。
【0027】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。例中、エポキシ当量と
は、エポキシ基1個あたりのエポキシ樹脂の分子量で定
義される。OH当量は、OH基1個あたりのOH化合物の分子
量で定義される。また、加水分解性塩素とは、エポキシ
樹脂をジオキサンに溶解し、水酸化カリウムのアルコー
ル溶液を加え、還流状態で30分加熱した時に脱離する
塩素イオンを硝酸銀水溶液で逆滴定し、該化合物中の重
量百分率で表したものである。
【0028】合成例1 本合成例は、本発明のエポキシ樹脂の原料であるジヒド
ロキシ化合物の製法に関するものである。温度計、攪拌
装置、還流冷却装置の付いた水抜き管を取り付けた2リ
ットル4つ口丸底フラスコに、2,6-キシレノール549.0g
(4.5 mol)、m−ビス(α- ヒドロキシイソプロピル)
ベンゼン291.0g (1.5 mol)、トルエン840g、酸性白土84
g を仕込み、110 ℃に昇温して水を共沸により除去しな
がら8 時間保持する。減圧下で濃縮することにより、樹
脂状固体308gが得られた。軟化点は85℃、OH当量は381g
/eq であった。赤外吸収スペクトル測定により、インダ
ン構造由来の吸収(2960,1485,1460,1440,740cm-1) と、
OH基の吸収(3600-3200cm--1)が確認された。さらに質
量分析、核磁気共鳴スペクトル測定により、目的物であ
ることを確認した。この化合物は、一般式(3)におい
て、Mがメチル基、i=2、j=0、n=2.3である
化合物である。
【0029】合成例2 本合成例は、合成例1で得られたジヒドロキシ化合物か
らの本発明で用いるエポキシ樹脂の製法に関するもので
ある。合成例1で得られたジヒドロキシ化合物60.0g
(0.157moleq)、エピクロロヒドリン102.0g (1.1 mol)、
ジメチルスルホキシド51.0g を、温度計、攪拌装置、分
離管付きコンデンサーを付けた1リットル4つ口平底フ
ラスコに仕込み、51℃42torrの条件下で48.6%
苛性ソーダ水溶液13.0 g(0.148 mol)を5 時間かけて滴
下する。この間、温度は51℃に保ちながら、共沸するエ
ピクロロヒドリンと水を冷却液化し、有機層を反応系内
に戻しながら反応させた。反応終了後は、未反応のエピ
クロロヒドリンを減圧濃縮により除去し、副生塩とジメ
チルスルホキシドを含むエポキシ化物をメチルイソブチ
ルケトンに溶解させ、副生塩とジメチルスルホキシドを
温水洗浄により除去した。減圧下で溶媒を除くことによ
りにより、エポキシ化合物59.6gを得た。このよう
にして得られたエポキシ化合物のエポキシ当量および加
水分解性塩素は、それぞれ495 g/eq、160ppmであった。
赤外吸収スペクトル測定の結果、フェノール性OHの吸収
3200-3500cm -1は消失し、エポキシドの吸収1220、910c
m -1の吸収を有することが確認された。
【0030】実施例1 合成例2で得られたエポキシ樹脂とテトラブロモビスフ
ェノールA のジグリシジルエーテル(商品名スミエポキ
シESB-400 、住友化学工業(株)製、エポキシ当量403g
/eq )およびジシアンジアミド、2-エチル-4- メチルイ
ミダゾールを表1に示す割合で配合しメチルエチルケト
ンとエチレングリコールモノメチルエーテルの混合溶媒
に溶解して均一な樹脂ワニスとした。該ワニスをガラス
クロス(商品名KS-1600S962LP,鐘紡(株)製)に含浸
し、150 ℃の熱風乾燥器で5 〜10分処理してプリプレグ
を得た。プリプレグ5枚と銅箔(TSTO処理 35 μ厚、古
河サーキットホイル(株)製)を重ね合わせ、170 ℃×
50kg/cm2×120 分熱プレス成形して1mm厚の銅張り積層
板を得た。 積層板の銅箔引き剥し強さ、半田耐熱性は
JIS-C-6481に準じて測定した。ガラス転移温度(Tg)は
島津製作所製熱分析装置DT-30 を用いて熱膨張曲線の変
曲点から求めた。室温の1MHzにおける誘電率および
誘電正接は横河ヒューレットパッカード社(株)製、42
75A Multi-Frequency LCR meterを用い、誘電率の値
はサンプルの静電容量から算出した。測定結果を表1に
示す。
【0031】実施例2 実施例1のジシアンジアミドの代わりにフェノールノボ
ラック樹脂(商品名タマノル758、荒川化学工業
(株)製)を表1に示す割合で配合し、溶媒にメチルエ
チルケトンのみを使う以外は実施例1と全く同様の操作
で1mm厚の銅張り積層板を得た。またその積層板物性も
実施例1と同様に測定した。測定結果を表1に示す。
【0032】実施例3 実施例1のジシアンジアミドの代わりにフェノール付加
ポリブタジエン樹脂(商品名 PP-700-300、日本石油
(株)製)を表1に示す割合で配合し、溶媒にメチルエ
チルケトンのみを使う以外は実施例1と全く同様の操作
で1mm厚の銅張り積層板を得た。またその積層板物性も
実施例1と同様に測定した。測定結果を表1に示す。
【0033】実施例4 実施例1のジシアンジアミドの代わりにフェノール−ジ
シクロペンタジエン樹脂(商品名 DPP-600M、日本石油
(株)製)を表1に示す割合で配合し、溶媒にメチルエ
チルケトンのみを使う以外は実施例1と全く同様の操作
で1mm厚の銅張り積層板を得た。またその積層板物性も
実施例1と同様に測定した。測定結果を表1に示す。
【0034】実施例5 合成例2のエポキシ樹脂とブロモ化ポリヒドロキシスチ
レン(商品名 マルカカリンカーMB、丸善石油化学
(株)製)を表1に示す割合で配合し、溶媒にメチルエ
チルケトンのみを使う以外は実施例1と全く同様の操作
で1mm厚の銅張り積層板を得た。またその積層板物性も
実施例1と同様に測定した。測定結果を表1に示す。
【0035】比較例1 エポキシ樹脂にブロモ化エポキシ樹脂(住友化学工業
(株)製 商品名スミエポキシ ESB-500、エポキシ当量
472g/eq)およびクレゾールノボラック型エポキシ樹脂
(住友化学工業(株)製 商品名スミエポキシESCN-22
0、エポキシ当量 215g/eq)を用いジシアンジアミドお
よび2−エチル−4−メチルイミダゾールを表1に示す
割合で配合しメチルエチルケトンとエチレングリコール
モノメチルエーテルの混合溶媒に溶解して均一な樹脂ワ
ニスとした。該ワニスをガラスクロス(商品名KS-1600S
962LP,鐘紡(株)製)に含浸し、150 ℃の熱風乾燥器で
5 〜10分処理してプリプレグを得た。プリプレグ5枚と
銅箔(TSTO処理 35 μ厚、古河サーキットホイル(株)
製)を重ね合わせ、160 ℃×50kg/cm2×90分熱プレス成
形して1mm厚の銅張り積層板を得た。積層板の物性を実
施例1と同様に測定し結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化樹脂
は耐熱性に優れ、かつ低誘電率でありこれを用いて成形
した銅張り積層板はこれらの優れた物性のため高速演算
処理用の多層プリント配線板に好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北山 慎一郎 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株式 会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)下記一般式(1) 【化1】 (式中、nは平均繰り返し数を示し0.2以上20以下
    の数値をとる。M、Qはそれぞれ独立に、ハロゲン原
    子;炭素数1〜8のアルキル基、アルケニル基およびア
    ルキニル基;炭素数5〜12のシクロアルキル基;炭素
    数6〜14のアリール基;炭素数7〜20のアラルキル
    基;炭素数1〜8のアルコキシ基、アルケニルオキシ
    基、アルキニルオキシ基;ニトロ基;シアノ基の何れか
    を表し、iは0以上4以下の整数値をとり、jは0以上
    3以下の整数値をとる。)で表されるエポキシ樹脂と、
    (B)エポキシ樹脂硬化剤とを必須成分とする樹脂組成
    物を有機溶剤に溶解し、基材に含浸させて得られるプリ
    プレグと銅箔とを積層成形してなるエポキシ樹脂銅張り
    積層板。
  2. 【請求項2】(A)請求項1記載のエポキシ樹脂と、
    (B)下記一般式(2) 【化2】 (式中、Rは水素原子あるいはメチル基を表し、2つの
    Rは互いに同一であっても異なっていてもよい。Y、
    Y’はハロゲン原子であり、両者は互いに同一であって
    も異なっていてもよい。r、sはそれぞれ独立に1以上
    4以下の整数である。)で表される含ハロゲンビスフェ
    ノール化合物のグリシジルエーテル化物と、(C)エポ
    キシ樹脂硬化剤とを必須成分とする樹脂組成物を有機溶
    剤に溶解し、基材に含浸させて得られるプリプレグと銅
    箔とを積層成形してなるエポキシ樹脂銅張り積層板。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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