JPH0624283A - 自動車のエアバッグ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 インストルメントパネル内に配設された二つ
のエアバッグモジュール作動時におけるエアバッグリッ
ドの同調性を確保する。 【構成】 インストルメントパネル１後方に、運転者、
中央席乗員および助手席乗員が着座する三人掛け可能な
前席シート２,３を備え、インストルメントパネル１に
おける中央席乗員および助手席乗員と対向する位置に形
成された開口部８内方に、中央席用エアバッグモジュー
ル６および助手席用エアバッグモジュール７を装備して
なる自動車のエアバッグ装置において、前記開口部８
に、前記両エアバッグモジュール６,７の作動時に開蓋
される一体型のエアバッグリッド１０を設けている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本願発明は、インストルメントパ
ネル後方に、運転者、中央席乗員および助手席乗員が着
座する三人掛け可能な前席シートを有する自動車のエア
バッグ装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】自動車のエアバッグ装置として、ステア
リングホイールと一体的に設けられて車両の急減速時に
膨張して運転者を保護するものが従来から良く知られて
いる。また、近年においては、車両の急減速時における
助手席乗員の安全性を高めるために、助手席側について
もエアバッグ装置を設けることが試みられている(例え
ば、実開平３ー１０８５６６号公報参照)。

【０００３】ところで、比較的サイズの大きい自動車の
場合、インストルメントパネル後方に、運転者、中央席
乗員および助手席乗員が着座する三人掛け可能な前席シ
ートが設けられることがある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記のようなタイプの
自動車においては、運転者、中央席乗員および助手席乗
員を保護するために、ステアリングホイールに装備した
運転席用エアバッグモジュール、インストルメントパネ
ル内に装備した中央席用エアバッグモジュールおよび助
手席用エアバッグモジュールを設けるのが望ましい。

【０００５】この場合、インストルメントパネルには、
中央席エアバッグモジュールおよび助手席エアバッグモ
ジュール用の二つ開口部が形成され、該開口部には、そ
れぞれのエアバッグモジュールの作動時に開蓋される二
つのエアバッグリッドが設けられることとなる。

【０００６】すると、二つのエアバッグリッド間に隙間
を形成する必要があるところから、エアバッグ装置の車
輻方向寸法が大きくならざるを得ないこととなる。ま
た、インストルメントパネルにおいては、二つの開口部
に個々のエアバッグリッドを配設しなければならないと
ころから構造的に複雑となる。さらに、エアバッグモジ
ュールの作動時においては、エアバッグリッドが個別に
開蓋されることとなるため、両エアバッグリッドの開蓋
に時間的誤差が生ずるおそれがあり、エアバッグの展開
による乗員保護が不十分となるおそれがある。

【０００７】本願発明は、上記の点に鑑みてなされたも
ので、インストルメントパネル内に配設された二つのエ
アバッグモジュール作動時におけるエアバッグリッドの
同調性を確保することを目的とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本願発明では、上記課題
を解決するための手段として、インストルメントパネル
後方に、運転者、中央席乗員および助手席乗員が着座す
る三人掛け可能な前席シートを備え、インストルメント
パネルにおける中央席乗員および助手席乗員と対向する
位置に形成された開口部内方に、中央席用エアバッグモ
ジュールおよび助手席用エアバッグモジュールを装備し
てなる自動車のエアバッグ装置において、前記開口部
に、前記両エアバッグモジュールの作動時に開蓋される
一体型のエアバッグリッドを設けている。

【０００９】

【作用】本願発明では、上記手段によって次のような作
用が得られる。

【００１０】即ち、自動車の衝突時等においては、中央
席用エアバッグモジュールおよび助手席用エアバッグモ
ジュールが同時に作動して二つのエアバッグが同時に展
開するが、その際両エアバッグモジュールに共通のエア
バッグリッドが開蓋されることとなり、エアバッグ展開
の同調性が確保される。

【００１１】

【発明の効果】本願発明によれば、インストルメントパ
ネル後方に、運転者、中央席乗員および助手席乗員が着
座する三人掛け可能な前席シートを備え、インストルメ
ントパネル内における中央席乗員および助手席乗員と対
向する位置に形成された開口部内方に、中央席用エアバ
ッグモジュールおよび助手席用エアバッグモジュールを
装備してなる自動車のエアバッグ装置において、前記開
口部に、前記両エアバッグモジュールの作動時に開蓋さ
れる一体型のエアバッグリッドを設けて、自動車の衝突
時等においては、中央席用エアバッグモジュールおよび
助手席用エアバッグモジュールが同時に作動して二つの
エアバッグが同時に展開する際に両エアバッグモジュー
ルに共通のエアバッグリッドが開蓋されるようにしたの
で、エアバッグ展開の同調性が確保されることとなり、
中央席乗員および助手席乗員の安全を確実に達成するこ
とができるという優れた効果がある。

【００１２】また、エアバッグリッドの共用一体化によ
りインストルメントパネルの外観見映えが向上するとい
う効果もある。

【００１３】

【実施例】以下、添付の図面を参照して本願発明の幾つ
かの好適な実施例を説明する。

【００１４】実施例１ 図１ないし図４には、本願発明の実施例１にかかる自動
車のエアバッグ装置が示されている。

【００１５】本実施例の自動車は、インストルメントパ
ネル１後方に、運転者および二人の前席同乗者(即ち、
中央席乗員および助手席乗員)が着座する三人掛け可能
な前席シート２,３を備えている(図１参照)。

【００１６】そして、ステアリングホイール４には、運
転席用エアバッグモジュール５が、運転者を指向して展
開するように一体的に内蔵されている。

【００１７】前記運転席用エアバッグモジュール５は、
図２に示すように、ステアリングホイール４のベースプ
レート２０に固定されており、折り畳まれた状態のエア
バッグ５a、該エアバッグ５a内にガスを供給するインフ
レータ５bおよび発火装置であるイグナイタ(図示省略)
とによって構成されている。また、前記エアバッグ５a
の乗員側には、展開可能に覆うエアバッグカバー２１が
設けられている。符号２２はエアバッグカバー２１が展
開する際に破断し易いように形成された脆弱部である。

【００１８】また、前記インストルメントパネル１内に
は、中央席用エアバッグモジュール６および助手席用エ
アバッグモジュール７が後述する手段により配設されて
いる。

【００１９】前記中央席用エアバッグモジュール６およ
び助手席用エアバッグモジュール７は、前記インストル
メントパネル１に形成された共用の開口部８の内方に形
成される収納空間９(図３および図４参照)内に配置され
ており、該開口部８には、エアバッグモジュール作動時
に開蓋される一体共用型のエアバッグリッド１０が設け
られている。これらのエアバッグモジュール６,７は、
図示されていないが、エアバッグ、ガス発生用のインフ
レータ、インフレータ作動用のイグナイタ等が内蔵され
ている。符号１１はエアバッグリッド１０の展開中心と
なるヒンジ、６a,７aは中央席用および助手席用エアバ
ッグモジュール６,７のエアバッグである。

【００２０】前記エアバッグモジュール６,７は、図３
ないし図５に示すように、前記収納空間１２内において
車幅方向に延び、その両端部が車体側に結合されたパイ
プ状のステアリング支持メンバー１２に対してブラケッ
ト１３,１４を介してそれぞれ個々に独立状態で支持さ
れている。

【００２１】なお、前記開口部８の車輻方向中央部に
は、前記両エアバッグモジュール６,７間の間隙と略同
幅のブリッジ部８aが一体に形成されており、このこと
により両エアバッグモジュール６,７に共用とするため
に開口幅が大きくなった開口部８の強度向上が図れるこ
ととなっている。

【００２２】また、本実施例の自動車においては、図７
および図８に示すように、フロントヘッダー１５の中央
部下面にあって、ルームミラー１６を取り付けるべくフ
ロントヘッダー１５に固着されている取付座１７の前端
に、フロントウインドガラス１８の上部下方にまで延び
る延長部１７aを一体形成している。

【００２３】本実施例におけるように、運転席用エアバ
ッグモジュール５と助手席用エアバッグモジュール７と
に加えて中央部用エアバッグモジュール６を設けた場
合、エアバッグ展開時にフロントウインドガラス１８
(特に、フロントウインドガラス１８の接合部位)に作用
するエアバッグ展開力が従来の二つのエアバッグモジュ
ールの場合に比べて大きくなってフロントウインドガラ
ス１８が外れるおそれがあるが、上記したように、ルー
ムミラー取付座１７に延長部１７aを一体形成したこと
により、中央席用エアバッグモジュール６におけるエア
バッグ６aの展開力が車体側に連結された前記延長部１
７aに作用することとなり、フロントウインドガラス１
８の外れが防止できるのである。

【００２４】なお、図９に示すように、前記取付座延長
部１７aの先端部をフロントウインドガラス１８側に変
形させて接着すると、フロントウインドガラス１８の外
れに対する強度が増大することとなる。

【００２５】また、フロントヘッダー中央部を前方に向
けて張り出してフロントウインドガラスの保持を行うと
ともに、ルームミラー取付座を兼ねる構造としてもよ
い。

【００２６】上記のように構成したことにより、本実施
例の自動車のエアバッグ装置では次のような作用が得ら
れる。

【００２７】自動車衝突時には、３個のエアバッグモジ
ュール５,６,７が同時に作動して、エアバッグがそれぞ
れ運転手、中央席乗員および助手席乗員を指向して展開
されるが、その際中央席用および助手席用エアバッグモ
ジュール６,７に共通のエアバッグリッド１０が開蓋さ
れることとなり、エアバッグ展開の同調性が確保され
る。従って、中央席乗員および助手席乗員の安全を確実
に達成することができることとなるのである。また、エ
アバッグリッド１０の共用一体化によりインストルメン
トパネル１の外観見映えが向上することとなる。

【００２８】実施例２ 図１０には、本願発明の実施例２にかかる自動車のエア
バッグ装置が示されている。

【００２９】本実施例の場合、中央席用エアバッグモジ
ュール６と助手席用エアバッグモジュール７とが一体に
結合され、共用タイプのブラケット１９を介してステア
リング支持メンバー１２に取り付けられている。本実施
例の場合、開口部８のブリッジ部８aは省略される。こ
のようにすると、エアバッグ装置のコンパクト化が図れ
ることとなる。その他の構成および作用効果は実施例１
と同様である。

【００３０】本願発明は、上記各実施例の構成に限定さ
れるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲におい
て適宜設計変更可能なことは勿論である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願発明の実施例１にかかるエアバッグ装置を
備えた自動車の前部概略斜視図である。

【図２】本願発明の実施例１にかかる自動車のエアバッ
グ装置における運転席用エアバッグモジュールの取付状
態を示す拡大断面図である。

【図３】本願発明の実施例１にかかる自動車のエアバッ
グ装置における中央席用エアバッグモジュールの取付状
態を示す拡大縦断面図である。

【図４】本願発明の実施例１にかかる自動車のエアバッ
グ装置における助手席用エアバッグモジュールの取付状
態を示す拡大断面図である。

【図５】本願発明の実施例１にかかる自動車のエアバッ
グ装置におけるエアバッグモジュールとステアリング支
持メンバーとの取付状態を示す分解斜視図である。

【図６】本願発明の実施例１にかかる自動車のエアバッ
グ装置におけるインストルメントパネル開口部の正面図
である。

【図７】本願発明の実施例１にかかるエアバッグ装置を
備えた自動車のフロントヘッダー部を示す概略斜視図で
ある。

【図８】図５のＶＩＩＩ−ＶＩＩＩ断面図である。

【図９】本願発明の実施例１にかかるエアバッグ装置を
備えた自動車のフロントヘッダー部変形例を示す断面図
(図８相当図)である。

【図１０】本願発明の実施例２にかかる自動車のエアバ
ッグ装置の要部を示す斜視図である。

【符号の説明】

１はインストルメントパネル、２,３は前席シート、４
はステアリングホイール、５は運転席用エアバッグモジ
ュール、６は中央席用エアバッグモジュール、７は助手
席用エアバッグモジュール、８は開口部、１０はエアバ
ッグリッド。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 インストルメントパネル後方に、運転
   者、中央席乗員および助手席乗員が着座する三人掛け可
   能な前席シートを備え、インストルメントパネル内にお
   ける中央席乗員および助手席乗員と対向する位置に形成
   された開口部内方に、中央席用エアバッグモジュールお
   よび助手席用エアバッグモジュールを装備してなる自動
   車のエアバッグ装置であって、前記開口部には、前記両
   エアバッグモジュールの作動時に開蓋される一体型のエ
   アバッグリッドが設けられていることを特徴とする自動
   車のエアバッグ装置。