JPH06241482A - 給湯装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 出湯開始前に予め適温範囲外の湯水を排出す
ることで出湯口から適温の湯水が吐出されるようにした
給湯装置において、本来排水されるべき適温範囲外の湯
水であっても、必要に応じてシャワー装置等の出湯口か
ら優先的に吐出できるようにして、湯水の有効利用が図
れるようにする。 【構成】 出湯準備モードをキャンセルするために操作
される排水キャンセルスイッチ３４を備える一方、この
排水キャンセルスイッチ３４の操作に応じて出湯準備手
段４２による出湯弁２８a〜２８cと排水弁２４の開閉制
御に優先して、排水弁２４を閉じるとともに特定の出湯
弁２８aを開く予備出水手段４４を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、給湯装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の給湯装置には、浴室内に設けられ
たカラン、シャワー等の出湯器具を使用する際に、直ち
に適温の湯が出湯口から吐出されるようにした構成のも
のがある。

【０００３】すなわち、この種の給湯装置では、各出湯
器具に連通する給湯路の途中から排水路を分岐し、この
分岐点から出湯器具の各出湯口までの間の給湯路の途中
には各出湯口に応じて出湯弁を、排水路には排水弁をそ
れぞれ設け、さらに、出湯開始前の出湯準備モードにお
いて各出湯弁と排出弁の開閉を制御する出湯準備手段を
設け、この出湯準備手段によって、給湯路を流れる湯水
の温度が予め設定された適温範囲外にある場合には各出
湯弁を閉じるとともに排水弁を開いて、給湯路の途中に
貯溜する冷水や高温の湯を排水路を経由して排出し、適
温の湯と置換するようにしている。

【０００４】この構成の給湯装置においては、たとえば
シャワー浴を行う場合でも即座に適温の湯が出てきて都
合が良い。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
給湯装置では、出湯開始前には自動的に出湯準備モード
が設定され、しかも、このモード下で給湯路の湯水の温
度が適温範囲外であれば必ず排水弁が開いて適温範囲外
の湯水が排出されるので、適温範囲外の湯水を有効利用
できず、かえって不便を感じることがあった。

【０００６】たとえば、入浴前に浴室内の洗い場や浴槽
を洗浄するようなときには、身体に不適温な湯水を直接
浴びる分けではないので、適温範囲外の湯水であっても
そのまま利用すれば済み、したがって、従来のように適
温範囲外の湯水を全て排出するのは不経済である。

【０００７】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、出湯器具を使用する際に、その出湯口
から直ちに適温の湯水が吐出されるようにした給湯装置
において、本来排水されるべき適温範囲外の湯水であっ
ても、必要に応じて所定の出湯口から優先的に吐出でき
るようにして、湯水の有効利用が図れるようにすること
を課題とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するために、浴室内に設けられたシャワー装置等の
各出湯口に連通する給湯路の途中から排水路を分岐し、
この分岐点から各出湯口までの間の給湯路の途中には各
出湯口に応じた出湯弁を、前記排水路には排水弁をそれ
ぞれ設ける一方、出湯開始前に設定される出湯準備モー
ド下において、給湯路を流れる湯水の温度が予め設定さ
れた適温範囲外にある場合には各出湯弁を閉じるととも
に排水弁を開く出湯準備手段を備えた給湯装置におい
て、次の構成を採る。

【０００９】すなわち、本発明に係る給湯装置は、出湯
準備モードをキャンセルするために操作される排水キャ
ンセルスイッチを備える一方、この排水キャンセルスイ
ッチの操作に応じて出湯準備手段による各出湯弁と排水
弁の開閉制御に優先して、排水弁を閉じるとともに所定
の出湯弁を開く予備出水手段を含んでいる。

【００１０】

【作用】上記構成において、出湯開始前には自動的に出
湯準備モードが設定されているが、入浴前に浴室内を掃
除したり、浴槽を洗浄したりするなど、身体に直接湯水
を浴びる必要のないような場合には、排水キャンセルス
イッチを操作する。すると、この排水キャンセルスイッ
チの操作に応じて、予備出水手段は、出湯準備手段によ
る出湯弁と排水弁の開閉制御に優先して、排水弁を閉じ
るとともに所定の出湯弁を開く。このため、本来排水さ
れるべき適温範囲外の湯水であっても、必要に応じて特
定の出湯口から優先的に流出できるようになり、湯水の
有効利用が図れる。

【００１１】なお、排水キャンセルスイッチを操作しな
ければ、元来の出湯準備モードが維持されており、した
がって、出湯開始前において給湯路の湯水の温度が適温
範囲外であれば排水路を経由してその湯水が排出される
ので、出湯口からは適温の湯水が吐出される。

【００１２】

【実施例】図１は本発明の実施例に係る給湯装置の構成
図である。

【００１３】同図において、符号１は給湯装置の全体を
示し、２は浴室機構部、４は操作部、６はコントローラ
部である。

【００１４】浴室機構部２は、浴室内に設けられたカラ
ン８とシャワー装置１０にそれぞれ接続された給湯路１
２を備え、この給湯路１２の他端は瞬間湯沸かし器１４
に接続されている。また、この給湯路１２は、その途中
に湯水を混合するための混合弁１６、電動弁１８、およ
びサーミスタ等からなる温度センサ２０が順次配置され
るとともに、この温度センサ２０よりも出湯側の位置に
おいて排水路２２が分岐され、この排水路２２の途中に
電磁式の排水弁２４が設けられている。

【００１５】一方、シャワー装置１０は、本例ではハン
ドシャワー用の出湯口２６a、打たせ湯用の出湯口２６
b、ミストシャワー用の出湯口２６cをそれぞれ備えると
ともに、各出湯口２６a〜２６cに対応してそれぞれ電磁
式の出湯弁２８a〜２８cが設けられている。

【００１６】操作部４は、電源スイッチ３０、出湯温度
を設定するための温度設定スイッチ３２、出湯準備モー
ドをキャンセルするための排水キャンセルスイッチ３
４、電源スイッチ３０がオンされていることを知らせる
電源ランプ３６、出湯開始前において出湯準備モード下
にあることを知らせる出湯準備表示ランプ３８、排水キ
ャンセルスイッチ３４がオンされていることを知らせる
排水キャンセル表示ランプ４０がそれぞれ設けられてい
る。

【００１７】コントローラ部６は、本例ではマイクロコ
ンピュータで構成されており、出湯開始前に設定される
出湯準備モード下において、給湯路１２を流れる湯水の
温度が予め設定された適温範囲外にある場合には弁制御
信号を出力することにより、シャワー装置１０の各出湯
弁２８a〜２８cを全て閉じるとともに排水弁２４を開く
出湯準備手段４２と、排水キャンセルスイッチ３４の操
作に応じて出湯準備手段４２による出湯弁２８a〜２８c
と排水弁２４の開閉制御に優先して、排水弁２４を閉じ
るとともにハンドシャワー用の出湯弁２８aのみを開く
予備出水手段４４とを含んでいる。

【００１８】なお、４２は水量センサである。

【００１９】次に、上記構成の給湯装置１の動作につい
て、図２に示すフローチャートを参照して説明する。

【００２０】操作部４の電源スイッチ３０をオンにする
と、電源ランプ３６が点灯するとともに、コントローラ
部６が起動される。そして、温度設定スイッチ３２を操
作して出湯温度Ｔ₀を設定したり、所望の出湯モード(た
とえば、打たせ湯出湯モード)を指定するなどの準備操
作を行う(ステップ１)。

【００２１】ここで、出湯開始前の状態で排水キャンセ
ルスイッチ３４が何等操作されない場合には、コントロ
ーラ部６は自動的に出湯準備モードを選択するので、こ
れに応じて出湯準備表示ランプ３８が点灯するととも
に、出湯準備手段４２が排水動作を実行する(ステップ
３)。

【００２２】この排水動作においては、まず、出湯準備
手段４２がシャワー装置１０の各出湯弁２８a〜２８cを
全て閉じるとともに排水弁２４を開き、続いて、電動弁
１８を次第に開く。これにより、給湯路１２内にある湯
水が排水路２２を経由して排出され始める。このとき、
瞬間湯沸かし器１４に流れる水量が出湯作動水量Ｑsh以
上になるので、瞬間湯沸かし器１４のバーナが点火され
て給湯路１２に湯が供給され始める。そこで、次に、出
湯準備手段４２は、混合弁１６を操作して、湯水の混合
割合を変えることで出湯温度を調整する。すなわち、給
湯路１２を流れる湯水の温度Ｔは、温度センサ２０で検
出され、この検出出力がコントローラ部６に取り込まれ
るので、出湯準備手段４２は、給湯路１２を流れる湯水
の温度Ｔが、適温範囲(Ｔ₀−Δ₁≦Ｔ≦Ｔ₀＋Δ₂)(ここ
に、Δ₁，Δ₂は設定温度Ｔ₀を中心とした上限と下限の
各許容変動値)に入っているか否かを判別する(ステップ
４)。出湯温度Ｔが適温範囲に入っていない場合には、
ステップ３〜ステップ４が繰り返し継続されるため、適
温範囲外の湯水は排水路２２から排水され続ける。

【００２３】そして、給湯路１２を流れる湯水の温度Ｔ
が適温範囲内になれば、出湯準備手段４２は、出湯準備
が完了したものと判断して、予めステップ１で指定され
た指定出湯モードに移行する(ステップ５)。

【００２４】この指定出湯モードが、たとえば、打たせ
湯出湯モードであるならば、コントローラ部６は、ま
ず、打たせ湯用の出湯弁２８bを開く。その際、給湯路
１２を流れる湯水の温度Ｔは既に適温範囲内となってい
るので、直ちに適温の湯水が出てくることになる。そし
て、これに並行して、コントローラ部６は、排水弁２４
を閉じて、いわゆるウオータハンマーが起きるのを防
ぐ。そして、排水弁２４が閉じたときに、出湯準備表示
ランプ３６も消灯する。

【００２５】こうして、所定の出湯モードの実行が終了
すれば(ステップ６)、コントローラ部６によって電動弁
１８が徐々に閉じられて(ステップ７)、出湯が停止され
る。

【００２６】一方、入浴前に浴室内の洗い場や浴槽を洗
浄するような場合には、ステップ１において操作部４の
排水キャンセルスイッチ３４を操作する。すると、この
排水キャンセルスイッチ３４の操作に応じて、排水キャ
ンセル表示ランプ４０が点灯するとともに、予備出水手
段４４が起動され(ステップ２)、出湯準備手段４２によ
る出湯弁２８a〜２８cと排水弁２４の開閉制御に優先し
て、予備出水動作を実行する(ステップ９)。

【００２７】この予備出水動作においては、まず、排水
弁２４を閉じるとともにハンドシャワー用の出湯弁２８
aのみを開き、続いて、電動弁１８を所定の開度だけ開
く。これにより、給湯路１２内にある湯水が出湯弁２８
aを介してハンドシャワー用の出湯口２６aから流出す
る。また、この流出に応じて瞬間湯沸かし器１４のバー
ナが点火されて湯が給湯路１２に供給される。そして、
排水キャンセルスイッチ３４がオン状態に設定されてい
る限り、ステップ９，１０が繰り返されて予備出水動作
が継続されるので、給湯路１２を流れる湯水が適温範囲
内にあるか否かにかかわらず、ハンドシャワー用の出湯
口２６aから湯水が流出し、これによって洗い場や浴槽
の洗浄等を行うことができる。

【００２８】予備出水動作を停止させるには、再度、排
水キャンセルスイッチ３４を操作する。これに伴い、排
水キャンセル表示ランプ４０が消灯するとともに、ステ
ップ４に移行する。

【００２９】すなわち、ステップ９における予備出水動
作が早期に打ち切られた場合には、給湯路１２の湯水の
温度が未だ適温範囲内になっていない場合があるので、
このときには、前述したステップ３，４を繰り返す。ま
た、ステップ９における予備出水動作が比較的長い時間
行われて、給湯路１２の湯水の温度が十分に適温範囲内
に含まれるようになっている場合には、直ちにステップ
５に移行して指定された出湯モードを実行する。

【００３０】なお、上記の実施例では、予備出水手段４
４は、排水キャンセルスイッチ３４がオフされない限
り、予備出水動作を継続するようにしているが、排水キ
ャンセルスイッチ３４を操作しなくても、ステップ９に
引き続いて適温範囲の有無を判別するステップを挿入
し、ハンドシャワー用の出湯口２６aから出る湯水が適
温範囲内になれば、ステップ５に移行して自動的に指定
出湯モードを実効するようなシーケンスとすることも可
能である。

【００３１】

【発明の効果】本発明によれば、出湯準備モードが維持
されておれば、適温範囲外の湯水が排出されるので、出
湯口からは常に適温の湯水が吐出される。これに加え
て、必要に応じて出湯準備モードをキャンセルして予備
出水手段を動作させれば、本来排水されるべき適温範囲
外の湯水であっても、この湯水を出湯口から優先的に吐
出できるので、湯水の有効利用を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係る給湯装置の構成図であ
る。

【図２】図１の給湯装置の動作説明に供するフローチャ
ートである。

【符号の説明】

１…給湯装置、４…操作部、６…コントローラ部、１０
…シャワー装置、１２…給湯路、２２…排水路、２４…
排水弁、２６a〜２６c…出湯口、２８a〜２８c…出湯
弁、３４…排水キャンセルスイッチ、４２…出湯準備手
段、４４…予備出水手段。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浜中 康子 兵庫県神戸市中央区明石町32番地 株式会 社ノーリツ内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 浴室内に設けられたシャワー装置等の各
   出湯口に連通する給湯路の途中から排水路を分岐し、こ
   の分岐点から各出湯口までの間の給湯路の途中には各出
   湯口に応じて出湯弁を、前記排水路には排水弁をそれぞ
   れ設ける一方、出湯開始前に設定される出湯準備モード
   下において、給湯路を流れる湯水の温度が予め設定され
   た適温範囲外にある場合には各出湯弁を閉じるとともに
   排水弁を開く出湯準備手段を備えた給湯装置において、 前記出湯準備モードをキャンセルするために操作される
   排水キャンセルスイッチを備える一方、この排水キャン
   セルスイッチの操作に応じて前記出湯準備手段による出
   湯弁と排水弁の開閉制御に優先して、排水弁を閉じると
   ともに所定の出湯弁を開く予備出水手段を含むことを特
   徴とする給湯装置。