JPH06240277A - 冷凍機油組成物 - Google Patents

冷凍機油組成物

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JPH06240277A
JPH06240277A JP2878593A JP2878593A JPH06240277A JP H06240277 A JPH06240277 A JP H06240277A JP 2878593 A JP2878593 A JP 2878593A JP 2878593 A JP2878593 A JP 2878593A JP H06240277 A JPH06240277 A JP H06240277A
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JP
Japan
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oil
weight
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oil composition
added
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JP2878593A
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Takehisa Sato
剛久 佐藤
Taisei Ueda
大成 上田
Toshiaki Kuribayashi
利明 栗林
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Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
Tonen Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、非塩素系弗素含有冷媒との相溶性
に優れると共に、熱安定性、特に酸化安定性に優れる冷
凍機油組成物の提供を目的とする。 【構成】 本発明の冷凍機油組成物は、40℃における
粘度範囲が10mm2/s〜500mm2/s のポリエーテル油
に、下記一般式(1)で示される芳香族カルボン酸グリ
シジルエステルを0.1重量%〜20重量%添加するも
のである。また、上記グリシジルエステルにかえて、エ
ポキシシクロアルキル基を有する化合物を使用し、ポリ
エーテル油の水酸基価が10mgKOH/g以下の場合
には0.1重量%〜20重量%添加するものである。 【化1】 (式中、Rは炭素数6〜14のアリール基、またはアル
キルアリール基であり、nは1又は2の整数を表わ
す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非塩素系弗素含有冷媒
との相溶性に優れると共に、熱安定性、特に酸化安定性
に優れる冷凍機油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】冷凍機においては、従来、冷媒としてR
11(CCl3F)、R12(CCl2F2)、R123(CF3CHC
l2)、R22(CHClF2)等の塩素含有冷媒が使用されて
いるが、環境問題から代替フロンの開発が緊急化し、最
近、1.1.1.2-テトラフルオロエタン(R134a) 、ジ
フルオロメタン(R32)、1.1.2.2.2-ペンタフルオロ
エタン(R125)等の非塩素系弗素含有冷媒が注目さ
れはじめている。また、冷凍機油として、これらの冷媒
(R134a、R32、R125等)と相溶性のあるポ
リアルキレングリコール油やエステル油が提案されてい
る。これらの冷凍機油において、近年の冷凍機の高効率
化に伴って、冷凍機油の熱安定性が求められ、安定性に
優れるポリアルキレングリコール油やエステル油が用い
られるようになっているが、ポリアルキレングリコール
油やエステル油は系内に少量の水や空気の存在により加
水分解を生じたり、酸化により油中の酸価が上昇し、安
定性は充分とはいえない。そこで、安定性を向上させる
ために、エポキシ化合物を配合することも考えられてい
るが、エポキシの構造により冷媒との相溶性や安定性が
十分ではないといった問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、非塩素系弗
素含有冷媒との相溶性に優れると共に、熱安定性、特に
酸化安定性に優れる冷凍機油組成物の提供を課題とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の冷凍機油
組成物は、40℃における粘度範囲が10mm2/s 〜50
0mm2/s のポリエーテル油に、下記一般式(1)で示さ
れる芳香族カルボン酸グリシジルエステルを0.1重量
%〜20重量%添加することを特徴とする。
【0005】
【化2】
【0006】(式中、Rは炭素数6〜14のアリール
基、またはアルキルアリール基であり、nは1又は2の
整数を表わす。)また、本発明の第2の冷凍機油組成物
は、40℃における粘度範囲が10mm2/s 〜500mm2/
s であって、その水酸基価が10mgKOH/g以下の
ポリエーテル油に、分子内にエポキシシクロアルキル基
を有する化合物を0.1重量%〜20重量%添加してな
ることを特徴とする。
【0007】本発明の第1の冷凍機油組成物について説
明する。基油として用いるポリエーテル油は、1〜6価
のアルコールにアルキレン基の炭素数が2〜5、好まし
くは2〜3の直鎖状又は分枝状アルキレンオキサイドの
開環重合体又は開環共重合体である。アルキレンオキサ
イドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサ
イド、ブチレンオキサイド、或いはそれらの混合物、好
ましくはプロピレンオキサイドであるアルキレンオキシ
ドを所定量付加した化合物の末端水酸基を置換した化合
物であり、40℃における粘度範囲が10mm2/s 〜50
0mm2/s のものである。
【0008】ポリエーテル油としては、例えばポリオキ
シプロピレングリコール、ポリオキシエチレングリコー
ル、ポリオキシ−1,2−ブチレングリコール、ポリオ
キシ−2,3−ブチレングリコール、ポリオキシエチレ
ンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレ
ンポリオキシテトラメチレングリコール等の末端水酸基
をメチル基、エチル基、n−,iso−プロピル基、n
−,iso−,t−ブチル基等で置換したものである。
また、その水酸基価は好ましくは20mgKOH/g以
下、更に好ましくは10mgKOH/g以下、特に好ま
しくは6mgKOH/g以下のものである。
【0009】ポリエーテル油における水酸基価は、後述
するエポキシ化合物の添加とも関係があり、水酸基価が
高いとエポキシ化合物の添加作用を阻害したり、冷媒と
の相溶性不良による析出物の生成といった問題を生じる
ので、水酸基価は或る値より低い方がよい。
【0010】好ましいポリエーテル油としては、分子量
が700〜1300のポリプロピレングリコールジメチ
ルエーテル、ポリプロピレングリコールジエチルエーテ
ル、ポリプロピレングリコールジプロピルエーテル、ポ
リプロピレングリコールジブチルエーテル等が挙げられ
る。
【0011】基油としては、ポリエーテル油単独、また
はポリエーテル油と鉱油の混合油、ポリエーテル油と他
の合成冷凍機油との混合油を使用してもよい。混合油に
あってはポリエーテル油の割合は10重量%〜100重
量%の範囲とするとよい。ポリエーテル油の割合が低く
なると、冷媒との相溶性が悪化する。
【0012】次に、エポキシ化合物である上記一般式
(1)で示される芳香族カルボン酸グリシジルエステル
について説明する。芳香族カルボン酸グリシジルエステ
ルは、冷凍機油組成物において酸化安定性を目的として
添加され、式中のRがアリール基の場合はフェニル基、
ナフチル基等が挙げられ、また、アルキルアリール基と
しては、アルキル化フェニル基、アルキル化ナフチル基
等が挙げられる。これらの芳香族カルボン酸グリシジル
エステルにおける塩素量は0.5重量%以下が好まし
い。塩素量が0.5重量%を越えると沈澱の発生が生じ
るといった問題がある。
【0013】具体的には、安息香酸グリシジルエステ
ル、テレフタル酸グリシジルエステル、オルトフタル酸
グリシジルエステル、アルキル化安息香酸グリシジルエ
ステルを特に好ましく使用できる。これらの芳香族カル
ボン酸グリシジルエステルは非塩素系弗素含有冷媒との
相溶性に優れ、またポリエーテル油に残存する水酸基の
熱酸化により生成する酸との反応性が、例えば脂肪族カ
ルボン酸グリシジルエステルやグリシジルエーテルに比
して高く、冷凍機油組成物への添加剤として優れること
が判明した。
【0014】芳香族カルボン酸グリシジルエステルの添
加量は、ポリエーテル油に対して0.1重量%〜20重
量%の割合で添加するとよく、更に、好ましくは0.5
重量%〜5重量%であり、添加量が20重量%を越える
と引火点の低下や相溶性の悪化等の問題を生じる。
【0015】次に、本発明の第2の冷凍機油組成物につ
いて説明する。本発明の第2の冷凍機油組成物は、ポリ
エーテル油にエポキシ化合物として分子内にエポキシシ
クロアルキル基を有する化合物を使用することを特徴と
するが、ポリエーテル油の水酸基が10mgKOH/g
以上のものを基油として使用すると、低温域において、
その詳細な理由は不明であるがエポキシ化合物との反応
による高分子化により析出物が発生し、冷媒である非塩
素系弗素含有冷媒との相溶性が悪化し、また冷凍機の凝
縮機等における電熱面に析出物が付着し、熱伝達効率が
悪化するという問題が生じることが見出された。
【0016】そのため、本発明の第2の冷凍機油組成物
は、40℃における粘度範囲が10mm2/s 〜500mm2/
s であって、その水酸基価が10mgKOH/g以下の
ポリエーテル油に、分子内にエポキシシクロアルキル基
を有する化合物を0.1重量%〜20重量%、好ましく
は0.5重量%〜5重量%添加する。添加量が20重量
%を越えると引火点の低下や相溶性の悪化等の問題を生
じる。
【0017】本発明の第2の冷凍機油組成物における添
加剤である分子内にエポキシシクロアルキル基を有する
化合物としては、例えば3,4−エポキシシクロヘキシ
ルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシ
レート、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、2−
(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−
3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタジオキサン、
ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペ
ート、シクロヘキケンオキサイド、シクロペンタジエン
モノオキサイド、4−ビニルシクロヘキセン−1,2−
オキサイド、ビス(メチルシクロヘキセニル)ジオキサ
イド、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、ビス
(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、蓚酸ビ
ス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エステ
ル、4,10−ジオキサテトラシクロ〔5,4,O,O
5,6 ,O9,11〕ウンデカン等が挙げられる。これら分子
内にエポキシシクロアルキル基を有する化合物の塩素量
は0.5重量%以下が好ましい。塩素量が0.5重量%
を越えると沈澱の発生が生じるといった問題がある。
【0018】本発明の第1及び第2の冷凍機油組成物
は、基本的にはポリエーテル油とエポキシ化合物とから
なり、冷媒との優れた相溶性、酸化安定性を示すもので
あるが、必要に応じて燐系添加剤、及び下記一般式で示
される含窒素化合物を添加することができる。燐系添加
剤は冷凍機油組成物の耐摩耗性の向上を目的として添加
されるものであり、下記式(a)〜(c)で示されるも
のが挙げられる。
【0019】
【化3】
【0020】上記式中、Rはアルキル基、アラルキル
基、アリール基から選ばれ、置換基を有していてもよ
く、同一でも異なっていてもよい。置換基としてはヒド
ロキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アシル基、グ
リシジロキシカルボニル基が挙げられる。燐系添加剤と
しては、上記式(c)で示されるタイプが好ましい。こ
れらの燐系添加剤は単独でも、また混合して使用しても
よく、ポリエーテル油に対して0.05重量%〜5重量
%の割合で使用される。添加量が5重量%を越えると金
属の腐食等の問題が生じる。
【0021】また、含窒素化合物としては、下記一般式
で示される化合物である。
【0022】
【化4】
【0023】(式中R1 は炭素数1〜6のアルキル基ま
たはアリール基、R2 は炭素数1〜6のアルキレン基ま
たはアリーレン基、R3 、R4 は炭素数1〜12のアル
キル基、アリール基、アルキルアリール基であり、
3 、R4 は一緒になって複素環を形成していてもよ
い。nは0または1の整数を表わす。)式中のR1 、R
2 はメチル基、エチル基、フェニル基等が挙げられる。
2 はメチレン基、エチレン基、フェニレン基等が挙げ
られる。またR3 、R4 はメチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基
フェニル基等であり、またR3 、R4 が一緒になってピ
ロリジン環、ピペリジン環等を形成していてもよい。具
体的には、1−ジオクチルアミノメチル−4−メチルベ
ンゾトリアゾール、1−ジオクチルアミノメチル−5−
メチルベンゾトリアゾール等が特に好ましい。含窒素化
合物は、ポリエーテル油に対して0.01重量%〜5重
量%の割合で添加されるが、添加量が5重量%を越える
とカラーの悪化等の問題を生じる。
【0024】以上の燐系添加剤及び含窒素化合物の添加
目的は、次の観点からである。即ち、冷凍機装置に使用
されている金属、例えばアルミニウム材、鉄材等に対し
耐摩耗性の向上の観点から燐系添加剤を配合してもよ
い。しかしながら、時としてエポキシ化合物と燐系添加
剤の両者が反応して酸性燐酸エステル等の副生物を生じ
て沈澱し、冷凍機における管部の詰まり等を引き起こす
ことがある。このため、上記一般式で示される含窒素化
合物は、このような副反応を防止すること、更には冷凍
機装置に使用されている金属、例えば銅等の変色抑制と
いった金属不活性化作用を目的として添加され、より安
定な冷凍機油組成物とできる。
【0025】本発明の第1及び第2の冷凍機油組成物に
は、更に酸化防止剤を添加してもよい。この種の酸化防
止剤としては、例えばジ(アルキルフェニル)アミン
(アルキル基は炭素数4〜20)、フェニル−α−ナフ
チルアミン、アルキルジフェニルアミン(アルキル基は
炭素数4〜20)、N−ニトロソジフェニルアミン、フ
ェノチアジン、N,N’−ジナフチル−p−フェニレン
ジアミン、アクリジン、N−メチルフェノチアジン、N
−エチルフェノチアジン、ジピリジルアミン、ジフェニ
ルアミン、フェノールアミン、2,6−ジ−t−ブチル
−α−ジメチルアミノパラクレゾール等のアミン系酸化
防止剤、2.6−ジ−t−ブチルパラクレゾ−ル、4.
4’−メチレンビス(2.6−ジ−t−ブチルフェノ−
ル)、2.6−ジ−t−ブチル−4−N,N−ジメチル
アミノメチルフェノール、2.6−ジ−t−ブチルフェ
ノ−ル等のフェノ−ル系酸化防止剤、また鉄オクトエ−
ト、フェロセン、鉄ナフトエ−ト等の有機鉄塩、セリウ
ムナフトエ−ト、セリウムトルエ−ト等の有機セリウム
塩、ジルコニウムオクトエ−ト等の有機ジルコニウム塩
等の有機金属化合物系酸化防止剤、更にトリジ−t−ブ
チルフェニルフォスファイト、トリオクチルフォスファ
イト等のフォスファイト類を使用するとよい。また上記
の酸化防止剤は単独で使用してもよいが、二種以上組み
合わせて使用することにより相乗効果を奏するようにし
て使用することもできる。酸化防止剤の使用割合は、基
油に対して0.001〜5重量%、好ましくは0.01
〜2重量%を使用するとよい。
【0026】更に、本発明の第1及び第2の冷凍機油組
成物には、腐食防止剤、摩耗防止剤、消泡剤、金属不活
性化剤、防錆剤等が添加されるとよい。
【0027】腐食防止剤としては、イソステアレート、
n−オクタデシルアンモニウムステアレート、デュオミ
ンT・デオレート、ナフテン酸鉛、ソルビタンオレー
ト、ペンタエリスリット・オレート、オレイルザルコシ
ン、アルキルコハク酸、アルケニルコハク酸及びこれら
の誘導体等があり、その使用割合は基油に対して0.0
01〜1.0重量%、好ましくは0.01〜0.5重量
%使用するとよい。消泡剤としては、シリコーンを使用
するとよく、その使用割合は基油に対して0.0001
〜0.003重量%、好ましくは0.0001〜0.0
01重量%使用するとよい。金属不活性化剤としては、
本発明におけるベンゾトリアゾール誘導体のほかに、例
えばベンゾトリアゾール、チアジアゾール、チアジアゾ
ール誘導体、トリアゾール、トリアゾール誘導体、ジチ
オカルバメート等を使用してもよく、その使用割合は、
基油に対して0.01重量%〜10重量%、好ましくは
0.01重量%〜1.0重量%を使用するとよい。防錆
剤として、例えばコハク酸、コハク酸エステル、オレイ
ン酸牛脂アミド、バリウムスルホネート、カルシウムス
ルホネート等を使用するとよく、その使用割合は基油に
対して0.01重量%〜10重量%、好ましくは0.0
1重量%〜1.0重量%を使用するとよい。
【0028】次に、本発明の第1及び第2の冷凍機油組
成物の粘度範囲について説明する。本発明の冷凍機油組
成物の粘度範囲は、40℃において10〜500mm2/s
、好ましくは20〜480mm2/s である。冷凍機油、
例えば冷蔵庫用としては40℃における粘度が10mm2/
s 〜40mm2/s 、好ましくは15mm2/s 〜35mm2/s の
ものであり、又、カーエアコンにおける冷凍機用冷凍機
油としては40mm2/s 〜500mm2/s のものを使用する
とよく、カーエアコンにおいてもレシプロタイプのコン
プレッサーにおいては40mm2/s 〜120mm2/s 、好ま
しくは80mm2/s 〜100mm2/s 、ロータリータイプの
コンプレッサーにおいては80mm2/s 〜500mm2/s 、
好ましくは100mm2/s 〜450mm2/s の粘度範囲のも
のが好適に使用される。
【0029】粘度範囲が10mm2/s 未満であると高温で
の冷媒との相溶性は高いにしても粘度が低くすぎ、潤滑
性、シール特性が悪く使用できず、更に熱安定性も低い
ので好ましくなく、また500mm2/s を越えると冷媒と
の相溶性が低下するので好ましくない。又、この範囲内
であっても上記のように使用機種によりその使用粘度範
囲が相違し、冷蔵庫用にあっては40mm2/s を越えると
摺動部における摩擦損失が大となる問題がある。更に、
レシプロタイプのカーエアコンにおいては40mm2/s 未
満であると潤滑性の問題があり、120mm2/s を越える
と摺動部における摩擦損失が大きいという問題が生じ、
又、ロータリータイプのエアコンにおいては80mm2/s
未満であるとシール特性の問題があり、500mm2/s を
越えると冷媒との相溶性の問題がある。
【0030】
【作用及び発明の効果】本発明者等は、塩素原子を含有
しない弗素系脂肪族炭化水素を冷媒として使用する冷凍
機油組成物であって、ポリエーテル油に特定のエポキシ
化合物を添加して調整することにより、冷媒との相溶
性、特に低温域での相溶性に優れ、また高温域において
も酸と反応性に優れるので、優れた冷凍機油組成物とす
ることができる。以下、本発明を実施例により説明す
る。尚、実施例において使用するポリエーテル油の水酸
基価はJIS K−1525に準拠して測定されるもの
である。
【0031】
【実施例1】ポリプロピレングリコールジメチルエーテ
ル(40mm2/s 、40℃、水酸基価5mgKOH/g)
に対して、安息香酸グリシジルエステル(塩素量0.1
重量%)を2.0重量%添加して試料油1を調製した。
【0032】
【実施例2】試料油1における安息香酸グリシジルエス
テルにかえて、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル
−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート
(塩素量0.3重量%)を同量添加して、実施例1同様
に試料油2を調製した。
【0033】
【実施例3】試料油1におけるポリプロピレングリコー
ルジメチルエーテルにかえて、その水酸基価が15mg
KOH/gのものを使用して、安息香酸グリシジルエス
テル(塩素量0.1重量%)を5.0重量%添加して試
料油3を調製した。
【0034】
【実施例4】ポリプロピレングリコールジブチルエーテ
ル(20mm2/s 、40℃、水酸基価5mgKOH/g)
に対して、安息香酸グリシジルエステル(塩素量0.1
重量%)を2.0重量%添加して試料油4を調製した。
【0035】
【比較例1】ポリプロピレングリコールジメチルエーテ
ル(40mm2/s 、40℃、水酸基価15mgKOH/
g)に対して、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル
−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート
(塩素量0.3重量%)を2.0重量%として、比較油
1を調製した。
【0036】
【比較例2】試料油2におけるポリプロピレングリコー
ルジメチルエーテルにかえて、その水酸基価が15mg
KOH/gのものを使用し、3,4−エポキシシクロヘ
キシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボ
キシレート(塩素量0.6重量%)を2.0重量%添加
して、実施例2同様にして比較油2を調製した。
【0037】
【比較例3】試料油1における安息香酸グリシジルエス
テルの添加量を25重量%として、比較油3を調製し
た。
【0038】
【比較例4】試料油1における安息香酸グリシジルエス
テルのかわりに、フェニルグリシジルエーテルを2.0
重量%添加して、比較油4を調製した。
【0039】(酸化安定性)内容積350 mlの鉄製容
器に、上述の試料油または比較油を250 ml、触媒と
して銅、アルミニウム、鉄線(内径8mm、長さ30m
m)を各1本、更に、水1000ppm 、冷媒としてフロ
ン134aを40g、空気100 mlをそれぞれ入れ、
175℃で20日間加熱した後、油を取り出し、JIS K
2501の中和価試験方法により全酸価(mgKOH/g)
を測定した。また、その油中の浮遊物を目視で確認し、
沈澱の有無を判定した。
【0040】(相溶性試験方法)ガラス管に試料油また
は比較油と冷媒(1.1.1.2-テトラフルオロエタン)を、
試料油または比較油が11.7重量%で、合計2 mlに
なるように採取して混合する。加熱装置、及び冷却装置
を有する恒温槽にガラス管を入れ、試料油と冷媒の分離
温度を測定する。
【0041】
【表1】
【0042】表からわかるように、本発明の試料油は、
安定性に優れると共に非塩素系弗素含有冷媒に対し優れ
た相溶性を示し、冷凍機油組成物として優れていること
がわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 30:10 40:30

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 40℃における粘度範囲が10mm2/s 〜
    500mm2/s のポリエーテル油に、下記一般式(1)で
    示される芳香族カルボン酸グリシジルエステルを0.1
    重量%〜20重量%添加してなる冷凍機油組成物。 【化1】 (式中、Rは炭素数6〜14のアリール基、またはアル
    キルアリール基であり、nは1又は2の整数を表わ
    す。)
  2. 【請求項2】 40℃における粘度範囲が10mm2/s 〜
    500mm2/s であって、その水酸基価が10mgKOH
    /g以下のポリエーテル油に、分子内にエポキシシクロ
    アルキル基を有する化合物を0.1重量%〜20重量%
    添加してなる冷凍機油組成物。
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