JPH06237139A - 弾性表面波フィルタ装置 - Google Patents

弾性表面波フィルタ装置

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JPH06237139A
JPH06237139A JP2274493A JP2274493A JPH06237139A JP H06237139 A JPH06237139 A JP H06237139A JP 2274493 A JP2274493 A JP 2274493A JP 2274493 A JP2274493 A JP 2274493A JP H06237139 A JPH06237139 A JP H06237139A
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JP
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electrode
floating
surface acoustic
acoustic wave
electrodes
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JP2274493A
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English (en)
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Mitsuhiro Tanaka
光浩 田中
Yasubumi Horio
保文 堀尾
Kazuhiko Yamanouchi
和彦 山之内
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NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低損失でサイドロープ特性が強く抑圧された
弾性表面波フィルタ装置を実現する。 【構成】 変換器として一方向性トランスジューサを用
いると共に、入力側及び出力側変換器に距離重み付け法
を適用する。さらに、入力側変換器の内部及び出力側変
換器内部にダミー電極を配置して弾性表面波の伝播速度
差に起因する不都合を解消する。この結果、低い損失で
しかもサイドロープが一層抑圧されたフィルタ装置を実
現することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、弾性表面波フィルタ装
置、特に低損失及びサイドロープの抑制度を一層改善し
た弾性表面波フィルタ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】圧電性基板上にインタディジタル型の入
力側変換器及び出力側変換器を形成して特定の周波数帯
域の信号を取り出す弾性表面波フィルタ装置が実用化さ
れている。このフィルタ装置では、挿入損失を小さくす
るため入力側及び出力側変換器として一方向性トランス
ジューサが用いられている。しかしながら、一方向性ト
ランスジューサを用いたフィルタ装置でも、サイドロー
プの抑圧度についてさらに一層改善する必要がある。
【0003】サイドロープの特性を改善する方法とし
て、距離重み付け法を利用する方法がある。この距離重
み付け法では、インタディジタル型の正電極と負電極の
弾性表面波の伝播方向において互いに重り合う部分、す
なわち励振部分が入力側変換器と出力側変換器との間で
それぞれトラックを形成するように構成され、これらト
ラックの長さが弾性表面波の伝播方向と直交する方向に
おいて順次変化すると共に、励振部分の長さ(開口長)
も弾性表面波の伝播方向と直交する方向に沿って所定の
関数に従って変化するように構成されている。この距離
重り付け法を一方向性トランスジューサと組み合せるこ
とにより、サイドロープの抑圧度が一層改善され低挿入
損失の弾性表面波フィルタ装置が期待される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者が、一方向性
トランスジューサに距離重み付け法を適用したフィルタ
装置を試作したところ、挿入損失は一層低減されたが、
高周波数側におけるサイドロープの抑圧度が、不十分な
結果となった。すなわち、中心周波数よりも低周波数側
においてはサイドロープが強く抑圧され一層良好な特性
が得られたが、中心周波数よりも高周波数側においては
サイドロープが十分に抑圧されず、しかも波形歪みが生
じ、良好な特性が得られなかった。従って、本発明の目
的は、挿入損失を一層小さくできると共にサイドロープ
特性が一層改善された弾性表面波フィルタ装置を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による弾性表面波
フィルタ装置は、圧電性基板と、この圧電性基板上に形
成され、インタディジタル型の正電極及び負電極とこれ
ら正電極と負電極との間に配置した浮き電極とを有する
入力側変換器と、前記圧電性基板上に形成され、インタ
ディジタル型の正電極及び負電極とこれら正電極と負電
極との間に配置した浮き電極とを有する出力側変換器と
を具える弾性表面波フィルタ装置において、前記入力側
変換器及び出力側変換器の正電極、負電極及び浮き電極
を、弾性表面波の伝播方向に沿って互いに平行に延在す
る複数のトラックを形成するように配置し、これらトラ
ックのトラック長が弾性表面波の伝播方向と直交する方
向において順次変化し、前記トラックのトラック幅が弾
性表面波の伝播方向と直交する方向において所定の関数
に従って変化し、前記入力側変換器と出力側変換器との
間の領域に、前記正電極及び負電極の電極指及び浮き電
極の電極指の延長線上に沿って延在する開放型又は矩絡
型のダミー電極を配置し、これらダミー電極の電極長
を、前記正電極又は負電極及び浮き電極の電極指の長さ
に応じて変化させることを特徴とするものである。
【0006】
【作用】本発明者が波形歪み及び高周波側におけるサイ
ドロープ特性の劣化の原因について種々の実験及び解析
を行なった結果、弾性表面波の伝播速度差が特性劣化に
対して強く作用していることが判明した。すなわち、弾
性表面波の伝播速度は、電極が存在する部分と存在しな
い部分とで相異し、電極が形成されていない部分の伝播
速度は電極が形成されている部分の伝播速度より速くな
る。弾性表面波の平均速度は電極の占める割合よって決
まる。ダミー電極のない場合、励振部と励振部間の伝播
部では金属の占める割合が少ないため、平均伝播速度が
速くなる。このため中心周波数のシフトが起こり、この
結果、中心周波数よりも高周波側におけるサイドロープ
が高くなる不都合が生じてしまう。このような認識に基
き、本発明では、入力側変換器の円部及び出力側変換器
の内部にダミー電極を配置し、弾性表面波の伝播速度差
をなくし周波数シフトが生じないようにする。このよう
に構成することにより、距離重み付けしたフィルタ装置
が有するサイドロープの高い抑圧特性を一層有効に利用
することができ、距離重み付け法を一方向性トランスジ
ューサに適用することにより、挿入損失が一層小さくな
ると共にサイドロープも一層抑圧された弾性表面波フィ
ルタ装置を実現することができる。
【0007】
【実施例】図1及び図2は本発明による弾性表面波フィ
ルタ装置の一例の構成を示すものであり、図1は全体構
成をダミー電極を省略して示す平面図、図2は図1の一
部を拡大して示す平面図である。圧電性基板11上に入力
側変換器12及び出力側変換器13を形成する。本発明で
は、これら入力側及び出力側変換器を一方向性トランス
ジューサで構成する。これら入力側及び出力側変換器は
弾性表面波の伝播方向と直交する中心線Lに対して対称
的に配置する。尚、入力側及び出力側変換器12及び13は
同一の電極構造をとるため、電極構造については入力側
変換器を例にして説明する。図2に示すように、入力側
変換器12はインタディジタル型の正電極14及び負電極15
とこれら正電極と負電極との間に配置した矩絡型浮き電
極16とを有する。これら電極の電極幅は、本例ではλ/
12に設定する。ここで、λは基本弾性表面波の波長とす
る。。また、正電極14及び負電極15の各電極指間の中心
間距離はλに設定し、正電極14と負電極15との間の互い
に隣接する電極指間距離はλ/2に設定する。さらに、
矩絡型浮き電極16の各電極指と隣接する正電極14及び負
電極15の電極指との間の電極指間距離はそれぞれλ/6
及びλ/3並びにλ/3及びλ/6に設定する。すなわ
ち、浮き電極の各電極指を、正電極と負電極の電極指と
の間の中間位置より弾性波の伝播方向と反対方向にλ/
12だけ偏位させ、非対称構造に基く一方向性を有効に利
用する。同様に、出力側変換器13もインタディジタル型
の正電極17及び負電極18とこれら正電極と負電極との間
に配置した矩絡型浮き電極19とを有する。
【0008】図1に示すように、入力側及び出力側変換
器12及び13の正電極、負電極及び浮き電極は距離重み付
け法に基いて配置する。入力側変換器12の正電極14、負
電極15及び浮き電極16が形成されている区域は励振区域
を構成し、この励振領域を複数のトラックT1 ,T2
3 --- Tn-1 及びTn に分割する。これらトラックの
各々において、浮き電極16は隣接する正電極14と負電極
15との間に配置され、各トラックは弾性表面波の伝播方
向に延在させる。同様に、出力側変換器においても正電
極17、負電極18及び浮き電極19が形成されている区域は
受信区域を構成し、この受信領域を複数のトラック
1 ,t2 ,t3 --- tn-1 及びtn に分割する。本明
細書では、入力側変換器12のトラックTiと出力側変換器
13の対応するトラックti との間の距離をトラック長x
i として規定する。この距離xi は、図1に示すよう
に、各トラックの最内側の電極間距離とする。これらト
ラックのトラック長xi は線形に変化させる。すなわ
ち、互いに隣接するトラック長間の差xi −xi-1 (2
≦i≦n)はλ/2の整数倍の定数に設定する。さら
に、弾性表面波の伝播方向と直交する方向におけるトラ
ック幅も規定する。すなわち、トラックT1 ,T2 ---
n 及びt1 ,t2 --- tn のトラック幅をa1 ,a2-
-- an で表わす。本発明では、これらトラック幅
1 ,a2 --- an は所望の関数に基いて規定する。こ
の関数は、カイザ関数、ハミング関数及びハニング関数
のような窓関数とすることができる。
【0009】本例では、トラック長x1 ,x2 --- xn
は、一定の距離λで線形に減少させ、トラック幅a1
2 --- an はカイザ関数に基いて変化させる。従っ
て、トラック幅は中央のトラックにおいて最大に設定さ
れ、トラックアレイの端部に向くに従って除々に減少す
る。
【0010】この距離重み付けされた一方向性トランス
ジューサは送受信間距離と開口長による重みが掛った特
性となるので距離重み付けがされていないトランスジュ
ーサと比較してサイドロープも一層抑圧することができ
る。さらに、入力側のインピーダンスと出力側のインピ
ーダンスとが等しくなる利点が達成されると共に、電極
の対数も一層少なくすることができる大きな利点が達成
される。しかしながら、入力側変換器12の負電極の電極
指だけが形成されている非励振区域A並びに出力側変換
器13の正電極17の電極指だけが形成されている非受信区
域Bが存在し、これら区域A及びBにおいて、電極指の
配列密度が低いため励振区域及び受信区域における平均
伝播速度よりも速くなってしまう。このため中心周波数
のシフトが起こり、周波数特性において中心周波数より
も高周波数側におけるサイドロープが高くなる不具合が
生じてしまう。この不具合を解消するため、本発明で
は、正電極又は負電極の電極指だけが存在する非励振区
域及び非受信区域にダミー電極を配置して弾性表面波の
伝播速度差の発生を回避する。
【0011】図3〜図8は本発明によるダミー電極の種
々の構造を示す線図的平面図である。尚、図面を明瞭に
するため、各電極の対数は実際の対数よりも少なくして
図示し、図1及び図2で用いた部材と同一の部材には同
一符号を付して説明する。図面中、ダミー電極を黒ベタ
で示す。
【0012】図3に示すフィルタ装置では、入力側及び
出力側変換器を、短絡型の浮き電極を有する一方向性ト
ランスジューサで構成する。本例では、ダミー電極とし
て電気的にフローティング状態にある開放型のダミー電
極を用いる。入力側変換器の正電極14の電極指14a, 14b
の延長線上にダミー電極21a, 21bをそれぞれ形成し、並
びに浮き電極の電極指16a, 16b, 16c 及び16d の延長線
上にダミー電極22a, 22b, 22c 及び22d をそれぞれ形成
する。さらに、出力側変換器においても同様に、負電極
18の電極指18a, 18bの延長線上にダミー電極23a, 23bを
それぞれ配置し、浮き電極の電極指19a, 19b, 19c 及び
19d の延長線上にダミー電極24a, 24b,24c 及び24d を
それぞれ配置する。これらダミー電極の電極幅は、正電
極及び負電極並びに浮き電極の電極指の幅と同一、すな
わちλ/12に設定する。このようにダミー電極を配置す
れば入力側変換器と出力側変換器との間の弾性表面波の
伝播路に沿って電極指が均一の密度で形成されることに
なる。さらに本例では、入力側変換器12及び出力側変換
器13の互いに対向する例とは反対側にも反射器として作
用するダミー電極25, 26及び27, 28をそれぞれ形成す
る。入力側変換器12で発生する弾性表面波の大部分は出
力側変換器13に向けて伝播するが、出力側変換器と反対
の方向にも一部の弾性表面波が伝播する。従って、入力
側変換器12で発生した弾性表面波のうち反対方向に伝播
する弾性表面波は反射器として作用するダミー電極25,
26によって励振部に向けて反射され、励振部で生ずる弾
性表面波の位相と同相になるので、損失の低減を図るこ
とができる。
【0013】図4に示す実施例では、浮き電極として短
絡型の浮き電極を用い、ダミー電極として短絡型ダミー
電極を用いる。入力側変換器12にダミー電極31a, 31b及
び32a, 32b, 32c を配置する。同様に、出力側変換器13
にも同様なダミー電極を配置する。これらダミー電極は
負電極15と電気的に接続し(負電極15と一体化された電
極として形成する)、負電極15を介して各電極指を電極
的に接続する。尚、ダミー電極32a は、そのまま延在さ
せると正電極14の電極指14a と直接隣接し電極指14a と
の間で励振が生じてしまう。このため、本例では、ダミ
ー電極32a を正電極の電極指14a と弾性表面波の伝播方
向に見て互いに重り合わないように設定する。
【0014】図5は、浮き電極として開放型の浮き電極
を用い、ダミー電極も開放型として実施例を示す。
【0015】図6は、浮き電極として開放型の浮き電極
を用い、ダミー電極として短絡型のダミー電極を用いた
実施例を示す。この場合でも、短絡型ダミー電極のうち
反対極性の正電極又は負電極の電極指と直接隣接すダミ
ー電極は、弾性表面波の伝播方向に見て直接隣接する電
極指と重り合わないように短く設定する。尚、この場
合、短絡型ダミー電極のうち反対極性の電極指と直接隣
接するダミー電極だけを開放型のダミー電極とし、短絡
型のダミー電極と開放型のダミー電極とを混在させても
良好な特性を得ることができる。
【0016】図7及び図8は浮き電極として開放型浮き
電極及び短絡型浮き電極の両方を用い、ダミー電極とし
て開放型ダミー電極を用いた例(図7)並びに短絡型ダ
ミー電極を用いた例(図8)を示す。本例では、各電極
指の電極幅はλ/12に設定する。各開放型浮き電極は正
電極又は負電極の電極指とλ/6の中心間距離を以って
隣接し、短絡型浮き電極の各電極指は正電極又は負電極
の電極指とλ/6の中心間距離を以って隣接し、短絡型
浮き電極の各電極指は開放型浮き電極とλ/6の中心間
距離を以って隣接する。このような構造の一方向性トラ
ンスジューサを用いる場合でも、開放型ダミー電極及び
短絡型ダミー電極の両方を用いることができる。
【0017】次に、シュミレーション結果について説明
する。水晶基板上に電極が 300対の入力側及び出力側変
換器を形成して中心周波数が150MHzの弾性表面波フィル
タ装置についてシュミレーションした。尚、トラック長
はカイザ関数に基いて設定した。このシュミレーション
結果を図9に示す。図9において、破線はダミー電極が
ない場合の周波数特性を示し、実線はダミー電極がある
場合の周波数特性を示す。図9から明らかなように、ダ
ミー電極がない場合中心周波数よりも高周波数側におい
てサイドロープが高くなってしまう。これに対し、ダミ
ー電極を設けることにより、高周波数のガイドロープは
良好に抑制され、良好な周波数特性が得られた。
【0018】次に、基板材料と入力側及び出力側変換器
の構造形態との関係について説明する。圧電性基板材料
としてLiNbO3のような電気機械結合係数の大きな基板材
料と、水晶やLi2B4O7 のような電気機械結合係数の小さ
い基板材料とがある。LiNbO3基板の場合、浮き電極の反
射係数の符号が短絡型と開放型とでは互いに反対となる
ため、図7及び図8に示すように、短絡型浮き電極と開
放型浮き電極とをλ/6離間して配置することにより、
入力側変換器から出力側変換器に向く方向においてこれ
ら浮き電極によに反射波の位相が互いに一致し、相乗的
に強め合い、一方、出力変換器側から入力変換器側に向
く方向においては浮き電極による反射波の位相は互いに
打ち消し合い、この結果変換器の一方向性が一層高まる
ことになる。従って、基板材料としてLiNbO3を用いる場
合、図7及び図8に示すように、入力側及び出力側変換
器が短絡型及び開放型の両方の浮き電極を有し、これら
浮き電極をλ/6の中心間距離を以って配置することが
好ましい。これに対して水晶基板の場合、短絡型浮き電
極の反射係数の符号と開放型浮き電極の反射係数の符号
とが互いに等しいため、開放型浮き電極と短絡型浮き電
極の両方を用いた場合これら浮き電極による反射波が入
力側から出力側に向く方向において互いに打ち消し合っ
てしまい、損失が一層大きくなってしまう。このため、
水晶基板を用いる場合短絡型浮き電極又は開放型浮き電
極のいずれか一方だけを用いる。この際、水晶基板で
は、短絡型浮き電極の反射係数が開放型浮き電極の反射
係数よりも大きいため、短絡型浮き電極を用いる法が損
失を低減できる。尚、水晶基板の場合、電気機械結合係
数が小さいため、浮き電極における非対称性が一層強く
なるように設定する必要がある。すなわち、例えば各電
極の電極幅をλ/8に設定して浮き電極の配置位置を正
電極と負電極との間の中間位置から偏位させる構造で
は、浮き電極を正電極と負電極との間の中間位置から偏
位させることのできる許容範囲が狭すぎ、非構造性を有
効に発揮できず挿入損失を低減することができない。こ
れに対して、各電極指の電極幅を約λ/12前後に設定す
れば、浮き電極の配置位置を弾性波の振動の節点として
作用する正電極と負電極との間の中間位置から十分に偏
位させることができ非対称構造に基く一方向性を一層高
めることができる。この偏位量は、基板材料として水晶
を用いる場合、浮き電極の弾性波の伝播方向側の端縁が
正電極と負電極との間の中間位置よりも弾性表面波の伝
播方向とは反対側に位置させるように設定する必要があ
る。さらに、水晶基板の周波数に対する温度係数(TC
F)はLiNbO3の温度係数に比べてはるかに小さいため、
基板材料として水晶を用いることにより温度変化による
通過帯域変化量の極めて小さいフィルタ装置を実現する
ことができる。従って、基板材料として水晶を用い、変
換器の構造を上述したように設定することにより、温度
変化に対して高い安定性を有すると共に挿入損失が極め
て小さく、しかもサイドロープが十分に抑圧され良好な
周波数特性を有する弾性表面波フィルタ装置を実現する
ことができる。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、一
方向性トランスジューサに距離重み付け法を適用すると
共に、さらに入力側変換器と出力側変換との間にダミー
電極を設けているから、弾性表面波の伝播速度差に起因
する不都合が解消され、この結果挿入損失が小さく、し
かもサイドロープが強く抑圧された特性の弾性表面波フ
ィルタ装置を実現することができる。また、基板材料と
して水晶基板を用い、浮き電極の配置位置を正電極と負
電極との間の中間位置よりも大幅に偏位させて非対称構
造に基く効果を一層強く利用し浮き電極による機械的反
射を一層有効に利用しているので、温度変化による影響
を受けにくいと共に低い挿入損失で、しかも、サイドロ
ープ特性が一層抑圧された弾性表面波フィルタ装置を実
現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による表面弾性波フィルタ装置のダミー
電極を除いて示す平面図である。
【図2】図1の一部を拡大して示す平面図である。
【図3】ダミー電極の配置形態を示す線図的平面図であ
る。
【図4】ダミー電極の配置形態を示す線図的平面図であ
る。
【図5】ダミー電極の配置形態を示す線図的平面図であ
る。
【図6】ダミー電極の配置形態を示す線図的平面図であ
る。
【図7】ダミー電極の配置形態を示す線図的平面図であ
る。
【図8】ダミー電極の配置形態を示す線図的平面図であ
る。
【図9】ダミー電極がある場合とない場合のシュミレー
ション結果を示すグラフである。
【符号の説明】
11 圧電性基板 12 入力側変換器 13 出力側変換器 14, 17 正電極(負電極) 15, 18 負電極(正電極) 16, 19 浮き電極

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電性基板と、この圧電性基板上に形成
    され、インタディジタル型の正電極及び負電極とこれら
    正電極と負電極との間に配置した浮き電極とを有する入
    力側変換器と、前記圧電性基板上に形成され、インタデ
    ィジタル型の正電極及び負電極とこれら正電極と負電極
    との間に配置した浮き電極とを有する出力側変換器とを
    具える弾性表面波フィルタ装置において、 前記入力側変換器及び出力側変換器の正電極、負電極及
    び浮き電極を、弾性表面波の伝播方向に沿って互いに平
    行に延在する複数のトラックを形成するように配置し、 これらトラックのトラック長が弾性表面波の伝播方向と
    直交する方向において順次変化し、 前記トラックのトラック幅が弾性表面波の伝播方向と直
    交する方向において所定の関数に従って変化し、 前記入力側変換器と出力側変換器との間の領域に、前記
    正電極及び負電極の電極指及び浮き電極の電極指の延長
    線上に沿って延在する開放型及び/又は矩絡型のダミー
    電極を配置し、 これらダミー電極の電極長を、前記正電極又は負電極及
    び浮き電極の電極指の長さに応じて変化させたことを特
    徴とする弾性表面波フィルタ装置。
  2. 【請求項2】 λを基本弾性表面波の波長とした場合
    に、前記入力側変換器及び出力側変換器の正電極、負電
    極及び浮き電極の電極指の電極幅並びに前記ダミー電極
    の電極幅をほぼλ/12に設定したことを特徴とする請求
    項1に記載の弾性表面波フィルタ装置。
  3. 【請求項3】 前記圧電性基板を水晶又は水晶と同程度
    の電気機械結合係数を有する圧電性材料で構成し、前記
    入力側変換器及び出力側変換器の浮き電極を矩絡型浮き
    電極とし、これら矩絡型浮き電極の各電極指を、これら
    電極指と隣接する正電極の電極指と負電極の電極指との
    間の中間位置から弾性表面波の伝播方向と反対側にほぼ
    λ/12の距離だけ離間させたことを特徴とする請求項2
    に記載の弾性表面波フィルタ装置。
  4. 【請求項4】 前記圧電性基板をLiNbO3又はこれと同程
    度の電気機械結合係数を有する圧電性材料で構成し、前
    入力側変換器及び出力側変換器の浮き電極が開放型浮き
    電極及び矩絡型の浮電極を有し、前記正電極の電極指と
    開放型浮き電極の電極指との間の中心間距離、この開放
    型浮き電極の電極指と矩絡型浮き電極の電極指との間の
    中心間距離、及びこの矩絡型浮き電極の電極指と負電極
    の電極指との間の中心間距離をそれぞれλ/6に設定し
    たことを特徴とする請求項2に記載の弾性表面波フィル
    タ装置。
  5. 【請求項5】 前記ダミー電極を正電極又は負電極と電
    気的に接続された矩絡型ダミー電極とし、これらダミー
    電極の電極指のうち反対極性の負電極又は正電極の電極
    指と直接隣接する電極指を、弾性表面波の伝播方向に見
    て前記直接隣接する電極指と重なりあ合わないように設
    定したことを特徴とする請求項1から4までのいずれか
    1項に記載の弾性表面波フィルタ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112653413A (zh) * 2020-12-16 2021-04-13 武汉大学 调节超高频体声波谐振器有效机电耦合系数的***及方法

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