JP3401397B2 - 弾性表面波フィルタ装置及びこれに用いる変換器 - Google Patents

弾性表面波フィルタ装置及びこれに用いる変換器

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JP3401397B2 JP05483497A JP5483497A JP3401397B2 JP 3401397 B2 JP3401397 B2 JP 3401397B2 JP 05483497 A JP05483497 A JP 05483497A JP 5483497 A JP5483497 A JP 5483497A JP 3401397 B2 JP3401397 B2 JP 3401397B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は弾性表面波フィルタ
装置、特にCDMA通信方式に好適な弾性表面波フィル
タ装置に関するものである。さらに、本発明は上記フィ
ルタに好適な変換器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】デジタル通信システムの開発に伴い、種
々の通信方式が提案されている。このような通信方法と
しては、例えば、FDMA(周波数分割多元接続)方式
及びTDMA(時分割多元接続)方式がある。FDMA
方式では、周波数帯域を分割してこれらを各無線局に割
り当てており、それに対してTDMA方式では、時間帯
域を分割してこれらを各無線局に割り当てている。
【0003】また、CDMA(符号分割多元接続)方式
が近年提案されている。このCDMA方式では、周波数
及び時間で重畳された信号を利用することによりチャネ
ル数を多数確保することができるため高い有用性があ
り、その開発が強く要請されている。このCDMA方式
に用いられる弾性表面波フィルタ装置については、10
dB以下の挿入損失を満たすことが要求されている。
【0004】かかる要求を満たす弾性表面波フィルタ装
置として、一方向性変換器をトランスバーサル型の弾性
表面波フィルタ装置に適用したものが、例えば特開平5-
34753 号公報で提案されている。一方向性変換器は、電
極指の励振効果と反射効果を適切に利用しているため、
トランスバーサル型の弾性表面波フィルタ装置に適用す
る場合、挿入損失を大幅に低減することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】CDMA方式は、PH
S(パーソナルハンディホンシステム)方式のような従
来の方式に比べて伝送容量が増大するが、伝送容量が増
加するに従って弾性表面波フィルタ装置の必要帯域幅を
増大させる必要があるので、CDMA方式に用いられる
弾性表面波フィルタ装置の必要帯域幅は、従来のPHS
方式に用いられるような弾性表面波フィルタ装置の必要
帯域幅に比べて広くする必要がある。しかしながら、C
DMA方式に適合させるように必要帯域幅を広く設定し
た場合、一方向性変換器を用いて弾性表面波フィルタ装
置を形成しても、電極対数が減少するために、挿入損失
特性が向上するという一方向性変換器特有の効果が小さ
くなる。
【0006】本発明の第1の目的は、弾性表面波フィル
タ装置を構成する場合に所望の挿入損失を満足すること
ができる弾性表面波フィルタ装置用の変換器を提供する
ことである。
【0007】本発明の第2の目的は、圧電性基板上に形
成した入力側変換器と、この入力側変換器で励振された
弾性表面波を変換する出力側変換器とを具える弾性表面
波フィルタ装置において、所望の挿入損失を満足するこ
とができる弾性表面波フィルタ装置を提供することであ
る。
【0008】本発明の第3の目的は、双方向性変換器の
弾性表面波の伝播軸線の両側に第1及び第2の一方向性
変換器をそれぞれ配置した弾性表面波フィルタ装置にお
いて、所望の挿入損失を満足することができる弾性表面
波フィルタ装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による請求項1記
載の変換器は、弾性表面波フィルタ装置用の変換器であ
って、圧電性基板と、この圧電性基板上に形成され、弾
性表面波を励振する励振部と、励振部された弾性表面波
を反射する反射部とを具え、前記励振部が、λを基本弾
性表面波の伝播波長とした場合に、λのピッチで周期的
に形成された複数の電極指を有する正電極と、同様にλ
のピッチで周期的に形成された複数の電極指を有し、各
電極指が前記正電極の電極指とλ/2の中心間距離を以
てそれぞれ位置する負電極と、前記正電極の電極指と負
電極の電極指との間に配置された複数の電極指を有し、
各電極指が、隣接する正電極の電極指と負電極の電極指
との間の中間位置から弾性表面波の伝播方向又はこれと
は反対の方向にλ/12偏位して位置する短絡型浮き電
極とを具え、前記反射部が、λを基本弾性表面波の伝播
波長とした場合に、前記正電極の電極指のピッチと同一
のピッチで周期的に形成された複数の第1電極指と、前
記負電極の電極指のピッチと同一のピッチで周期的に形
成された複数の第2電極指と、前記短絡型浮き電極の電
極指のピッチと同一のピッチで形成した電極指とを具
え、前記第1電極指及び第2電極指を、前記正電極と負
電極のうちのいずれか一方に電気的に結合したことを特
徴とするものである。
【0010】弾性表面波フィルタ装置の中心周波数をf
とし、弾性表面波フィルタ装置の電極の対数をNとし、
弾性表面波フィルタ装置の必要帯域幅をWとすると、
【数1】2f=NW の関係がある。したがって、中心周波数が同一である場
合には、必要帯域幅が広くなるに従って、電極の対数を
少なくする必要がある。例えば、中心周波数を変えるこ
となく必要帯域幅を2倍にすると、電極の対数を半分に
する必要がある。しかしながら、電極の反射効率は対数
に比例するので、電極の対数が半分になると電極の反射
効率も半分になり、これに応じて挿入損失も大幅に劣化
する。
【0011】本発明者は、中心周波数を変えることなく
必要帯域幅を広げながら、挿入損失を大幅に低減すると
いう一方向性変換器の本来の効果を十分に得るために、
変換器に、実際に弾性表面波を励振する励振部に電気的
に結合され、弾性表面波を反射する反射部を設けた。こ
の変換器を二つ組み合わせた弾性表面波フィルタ装置を
用いた場合、弾性表面波の励振が励振部のみで行われ、
弾性表面波の反射が励振部で行われるとともに励振され
た弾性表面波が反射部で反射されて、変換器の一方向性
を向上させる。したがって、このような反射部を設ける
ことにより、必要帯域幅を維持しながら、入力側変換器
及び出力側変換器の励振部の対数と反射部の電極指の数
の半分との和に相当する対数を有する一方向性変換器を
弾性表面波フィルタ装置に用いた場合の挿入損失を達成
することができる。例えば、入力側変換器及び出力側変
換器の反射部の電極指の数及び励振部の電極の対数をそ
れぞれ150対とすると、電極の対数が150対の一方
向性変換器を入力側変換器及び出力側変換器に用いた場
合に得られる必要帯域幅と、電極の対数が300対の一
方向性変換器を入力側変換器及び出力側変換器に用いた
場合に得られる挿入損失を達成することができる。ま
た、反射部の第1及び第2電極指が励振部の正電極と負
電極のうちのいずれか一方に電気的に結合されているの
で、反射波の位相変化もなく、外部に反射器を設けた場
合に比べて著しく反射効率が向上している。
【0012】より詳しく説明すると、励振部において、
正電極の電極指と負電極の電極指とをλ/2のピッチで
交互に周期的に形成する。それに対して、短絡型浮き電
極の電極指は、正電極の電極指とこれに隣接する負電極
の電極指との間の中間位置から、基本弾性表面波の伝播
方向(出力側変換器として用いた場合)又はこれとは反
対の方向(入力側変換器として用いた場合)にλ/12
だけシフトした位置に配置されている。
【0013】この場合浮き電極として短絡型浮き電極を
用いるが、浮き電極として開放型浮き電極を用いる場合
と、短絡型浮き電極を用いる場合とが考えられる。開放
型浮き電極の場合、浮き電極自体にフローティング状態
にあるため基本的には電位分布を強制的に変更させるこ
とができない。一方、短絡型浮き電極の場合、浮き電極
が配置された位置の電位は強制的に零にされるため、そ
の配置すなわち励振電極からの距離を変更することによ
り電位分布を強制的に変化させることができる。本発明
者が種々の解析を行った結果、励振中心を移動させるこ
とができる量は、浮き電極の電極指と負電極の電極指と
の間の中間位置からの偏位量に大きく依存し、浮き電極
をこの中間位置から一方の側にλ/12の距離だけシフ
トした場合最良の結果が得られることを見出した。しか
も、このように短絡型浮き電極を用いることにより、電
界分布の変更を介して励振中心は正電極の中心から弾性
表面波の伝播方向とは反対に偏位する。
【0014】したがって、このような電極指配置によ
り、変換器を弾性表面波フィルタ装置で入力側変換器と
して用いる場合、弾性表面波の伝播方向に向かって反射
する、正電極の電極指による反射波、この正電極に隣接
する負電極の電極指による反射波及びこれら正電極の電
極指と負電極の電極指との間に位置する短絡型浮き電極
の電極指による反射波の合成波は、正電極の電極指とこ
れに隣接する負電極の電極指とで励振される励振波に対
してほぼ同相となる。それに対して、弾性表面波の伝播
方向とは逆に反射する、正電極の電極指による反射波、
この正電極に隣接する負電極の電極指による反射波及び
これら正電極の電極指と負電極の電極指との間に位置す
る短絡型浮き電極の電極指による反射波の合成波は、正
電極の電極指とこれに隣接する負電極の電極指とで励振
される励振波に対してほぼ逆相となる。この結果、ほぼ
理想状態の一方向性となる。
【0015】反射部においては、正電極と負電極のうち
のいずれか一方に電気的に結合した第1及び第2電極指
を、正電極の電極指及び負電極の電極指と同一ピッチで
周期的に形成し、それに対して第3電極指を、短絡型浮
き電極の電極指と同一ピッチで周期的に形成している。
同様に考えると、このような電極指配置により、弾性表
面波の伝播方向に向かって反射する、第1及び第2電極
指による反射波及びこれら第1及び第2電極指間に位置
する第3電極指による反射波の合成波は、励振部の正電
極の電極指とこれに隣接する負電極の電極指とで励振さ
れる励振波に対してほぼ同相となる。それに対して、弾
性表面波の伝播方向とは逆に反射する、第1及び第2電
極指による反射波及びこれら第1及び第2電極指間に位
置する第3電極指による反射波の合成波は、励振部の正
電極の電極指とこれに隣接する負電極の電極指とで励振
される励振波に対してほぼ逆相となる。この結果、一方
向性を更に向上させることができる。
【0016】一方、変換器を弾性表面波フィルタ装置で
出力側変換器として用いる場合、同様に考えると、弾性
表面波の伝播方向に向かって反射する、正電極の電極指
による反射波、この正電極に隣接する負電極の電極指に
よる反射波及びこれら正電極の電極指と負電極の電極指
との間に位置する短絡型浮き電極の電極指による反射波
の合成波は、正電極の電極指とこれに隣接する負電極の
電極指とで励振される励振波に対してほぼ逆相となる。
それに対して、弾性表面波の伝播方向とは逆に反射す
る、正電極の電極指による反射波、この正電極に隣接す
る負電極の電極指による反射波及びこれら正電極の電極
指と負電極の電極指との間に位置する短絡型浮き電極の
電極指による反射波の合成波は、正電極の電極指とこれ
に隣接する負電極の電極指とで励振される励振波に対し
てほぼ同相となる。この結果、ほぼ理想状態の一方向性
となる。
【0017】反射部においては、正電極と負電極のうち
のいずれか一方に電気的に結合した第1及び第2電極指
を、正電極の電極指及び負電極の電極指と同一ピッチで
周期的に形成し、それに対して第3電極指を、短絡型浮
き電極の電極指と同一ピッチで形成している。同様に考
えると、このような電極指配置により、弾性表面波の伝
播方向に向かって反射する、第1及び第2電極指による
反射波及びこれら第1及び第2電極指間に位置する第3
電極指による反射波の合成波は、励振部の正電極の電極
指とこれに隣接する負電極の電極指とで励振される励振
波に対してほぼ逆相となる。それに対して、弾性表面波
の伝播方向とは逆に反射する、第1及び第2電極指によ
る反射波及びこれら第1及び第2電極指間に位置する第
3電極指による反射波の合成波は、励振部の正電極の電
極指とこれに隣接する負電極の電極指とで励振される励
振波に対してほぼ同相となる。この結果、一方向性を更
に向上させることができる。
【0018】本発明による請求項2記載の変換器は、前
記圧電性基板を、水晶基板、タンタル酸リチウム基板又
はほう酸リチウム基板としたことを特徴とするものであ
る。
【0019】弾性表面波フィルタ装置の圧電性基板とし
ては、通常、ニオブ酸リチウム基板、水晶基板、タンタ
ル酸リチウム基板、ほう酸リチウム基板等が用いられて
いる。これら基板のうち、ニオブ酸リチウム基板は比較
的大きな電気機械結合係数(K2 )を有するので、良好
な変換特性が得られるという利点がある。しかしなが
ら、温度特性に難点があるため、すなわち温度変化に対
する帯域幅の変化が大きくなるという欠点があり、広帯
域用のフィルタとしてだけ用いられてきた。このため、
従来の狭帯域フィルタとしては共振型のフィルタ装置だ
けが用いられてきた。しかしながら、共振型のフィルタ
は、その構造からGDT(群遅延時間)が大きい不具合
が強く指摘されていた。それに対して、浮き電極型又は
ダート型の変換器を有する弾性表面波フィルタ装置は、
電極の非対称構造を有効に利用しているため、挿入損
失、GDTを大幅に低減することができる。したがっ
て、非対称構造の内部反射型電極構造を温度特性に優れ
た圧電性基板に適用すれば、GDT及び挿入損失に優れ
るとともに、温度変化に対する通常帯域の変化が極めて
小さい弾性表面波フィルタ装置を実現することができ、
したがって、狭帯域フィルタとして構成した場合でも、
極めて良好なフィルタ特性を有する弾性表面波フィルタ
装置を実現することができる。
【0020】このような状況を考慮すると、本発明の弾
性表面波フィルタ装置によれば、周波数に対する温度特
性が極めて小さく、電気機械結合係数がニオブ酸リチウ
ム基板に比べて1桁以上小さく、かつ、電極指による反
射係数が短絡型浮き電極に対して正の反射係数を有する
圧電性基板を用いる。本発明では、このような圧電性基
板として、電気機械結合係数が0.14%の水晶基板、
電気機械結合係数が0.64%のタンタル酸リチウム基
板、又は電気機械結合係数が1.0%のほう酸リチウム
基板を用いる。これら基板は温度変化に対する周波数変
動が微小であるので、圧電性基板としてこれら基板のう
ちのいずれかを用いると、温度特性に対する通過周波数
帯域の変化を微小範囲に維持することができる。しかし
ながら、水晶、タンタル酸リチウム及びほう酸リチウム
は電気機械結合係数が小さいため、既存の変換器をその
まま形成すると、挿入損失の観点から実現することがで
きない。
【0021】本発明者が水晶基板、タンタル酸リチウム
基板及びほう酸リチウム基板における挿入損失について
詳細な検討を行った結果、浮き電極の反射係数の符号が
挿入損失に大きく影響していることが判明した。水晶基
板、タンタル酸リチウム基板及びほう酸リチウム基板の
場合、開放型浮き電極に比べて短絡型浮き電極の方が反
射係数が大きい。したがって、浮き電極として短絡型浮
き電極を用いるのが好適である。このように構成するこ
とにより、電気機械結合係数の小さい水晶基板を用いて
も挿入損失を極めて小さい範囲に抑制することができ、
その結果、温度特性に優れるとともに低損失の広帯域弾
性表面波フィルタ装置を実現することができる。
【0022】本発明による請求項3記載の弾性表面波フ
ィルタ装置は、圧電性基板と、この圧電性基板上に形成
した入力側変換器と、この入力側変換器で励振された弾
性表面波を変換する出力側変換器とを具える弾性表面波
フィルタ装置において、前記入力側変換器と出力側変換
器のうちのいずれか一方を、一方向性変換器で構成し、
この一方向性変換器が、λを弾性表面波の伝播方向とし
た場合に、λのピッチで周期的に形成された複数の電極
指を有する正電極と、同様にλのピッチで周期的に形成
された複数の電極指を有し、各電極指が前記正電極の電
極指とλ/2の中心間距離を以てそれぞれ位置する負電
極と、前記正電極の電極指と負電極の電極指との間に配
置された複数の電極指を有し、各電極指が、隣接する前
記正電極の電極指と負電極の電極指との間の中間位置か
ら、弾性表面波の伝播方向又はこれとは反対の方向にλ
/12偏位して位置する、短絡型浮き電極とを具え、前
記入力側変換器と出力側変換器のうちの他方が、弾性表
面波を励振する励振部と、励振部された弾性表面波を反
射する反射部とを具え、前記励振部が、λを基本弾性表
面波の伝播波長とした場合に、λのピッチで周期的に形
成された複数の電極指を有する正電極と、同様にλのピ
ッチで周期的に形成された複数の電極指を有し、各電極
指が前記正電極の電極指とλ/2の中心間距離を以てそ
れぞれ位置する負電極と、前記正電極の電極指と負電極
の電極指との間に配置された複数の電極指を有し、各電
極指が、隣接する正電極の電極指と負電極の電極指との
間の中間位置から弾性表面波の伝播方向又はこれとは反
対の方向にλ/12偏位して位置する短絡型浮き電極と
を具え、前記反射部が、λを基本弾性表面波の伝播波長
とした場合に、前記正電極の電極指のピッチと同一のピ
ッチで周期的に形成された複数の第1電極指と、前記負
電極の電極指のピッチと同一のピッチで周期的に形成さ
れた複数の第2電極指と、前記短絡型浮き電極の電極指
のピッチと同一のピッチで形成した電極指とを具え、前
記第1電極指及び第2電極指を、前記正電極と負電極の
うちのいずれか一方に電気的に結合したことを特徴とす
るものである。
【0023】上記理由により、入力側変換器又は出力側
変換器のうちの他方にこのような反射部を設けることに
よって、必要帯域幅を維持しながら、入力側変換器及び
出力側変換器の励振部の対数と反射部の電極指の数の半
分との和に相当する対数を有する一方向性変換器を弾性
表面波フィルタ装置に用いた場合の挿入損失を達成する
ことができる。この場合も、反射部の第1及び第2電極
指が励振部の正電極と負電極のうちのいずれか一方に電
気的に結合されているので、外部に反射器を設けた場合
に比べて著しく反射効率が向上している。
【0024】本発明による請求項4記載の弾性表面波フ
ィルタ装置は、前記圧電性基板を、水晶基板、タンタル
酸リチウム基板又はほう酸リチウム基板としたことを特
徴とするものである。
【0025】上記理由により、圧電性基板として、水晶
基板、タンタル酸リチウム基板又はほう酸リチウム基板
を用いることによって、温度特性に優れるとともに、低
損失の弾性表面波フィルタ装置を実現することができ
る。
【0026】本発明による請求項5記載の弾性表面波フ
ィルタ装置は、圧電性基板と、この圧電性基板上に形成
した入力側変換器と、この入力側変換器で励振された弾
性表面波を変換する出力側変換器とを具える弾性表面波
フィルタ装置において、前記入力側変換器及び出力側変
換器がそれぞれ、弾性表面波を励振する励振部と、励振
された弾性表面波を反射する反射部とを具え、前記入力
側変換器及び出力側変換器の励振部が、λを基本弾性表
面波の伝播波長とした場合に、λのピッチで周期的に形
成された複数の電極指を有する正電極と、同様にλのピ
ッチで周期的に形成された複数の電極指を有し、各電極
指が前記正電極の電極指とλ/2の中心間距離を以てそ
れぞれ位置する負電極と、前記正電極の電極指と負電極
の電極指との間に配置された複数の電極指を有し、各電
極指が、隣接する正電極の電極指と負電極の電極指との
間の中間位置から弾性表面波の伝播方向又はこれとは反
対の方向にλ/12偏位して位置する短絡型浮き電極と
を具え、前記入力側変換器及び出力側変換器の反射部
が、λを基本弾性表面波の伝播波長とした場合に、前記
正電極の電極指のピッチと同一のピッチで周期的に形成
された複数の第1電極指と、前記負電極の電極指のピッ
チと同一のピッチで周期的に形成された複数の第2電極
指と、前記短絡型浮き電極の電極指のピッチと同一のピ
ッチで形成した電極指とを具え、前記第1電極指及び第
2電極指を、前記正電極と負電極のうちのいずれか一方
に電気的に結合したことを特徴とするものである。
【0027】上記理由により、入力側変換器又は出力側
変換器にそれぞれこのような反射部を設けることによっ
て、必要帯域幅を維持しながら、入力側変換器及び出力
側変換器の励振部の対数と反射部の電極指の数の半分の
和に相当する対数を有する一方向性変換器を弾性表面波
フィルタ装置に用いた場合の挿入損失を達成することが
できる。この場合も、反射部の第1及び第2電極指が励
振部の正電極と負電極のうちのいずれか一方に電気的に
結合されているので、外部に反射器を設けた場合に比べ
て著しく反射効率が向上している。
【0028】本発明による請求項6記載の弾性表面波フ
ィルタ装置は、前記圧電性基板を、水晶基板、タンタル
酸リチウム基板又はほう酸リチウム基板としたことを特
徴とするものである。
【0029】上記理由により、圧電性基板として、水晶
基板、タンタル酸リチウム基板又はほう酸リチウム基板
を用いることによって、温度特性に優れるとともに、低
損失の弾性表面波フィルタ装置を実現することができ
る。
【0030】本発明による請求項7記載の弾性表面波フ
ィルタ装置は、圧電性基板と、この圧電性基板上に形成
した入力側変換器と、この入力側変換器で励振された弾
性表面波を変換する出力側変換器とを具える弾性表面波
フィルタ装置において、前記入力側変換器と出力側変換
器のうちのいずれか一方を、双方向性変換器で構成し、
前記入力側変換器と出力側変換器のうちの他方が、弾性
表面波を励振する励振部と、励振された弾性表面波を反
射する反射部とを具え、前記励振部が、λを基本弾性表
面波の伝播波長とした場合に、λのピッチで周期的に形
成された複数の電極指を有する正電極と、同様にλのピ
ッチで周期的に形成された複数の電極指を有し、各電極
指が前記正電極の電極指とλ/2の中心間距離を以てそ
れぞれ位置する負電極と、前記正電極の電極指と負電極
の電極指との間に配置された複数の電極指を有し、各電
極指が、隣接する正電極の電極指と負電極の電極指との
間の中間位置から弾性表面波の伝播方向又はこれとは反
対の方向にλ/12偏位して位置する短絡型浮き電極と
を具え、前記反射部が、λを基本弾性表面波の伝播波長
とした場合に、前記正電極の電極指のピッチと同一のピ
ッチで周期的に形成された複数の第1電極指と、前記負
電極の電極指のピッチと同一のピッチで周期的に形成さ
れた複数の第2電極指と、前記短絡型浮き電極の電極指
のピッチと同一のピッチで形成した電極指とを具え、前
記第1電極指及び第2電極指を、前記正電極と負電極の
うちのいずれか一方に電気的に結合したことを特徴とす
るものである。
【0031】上記理由により、入力側変換器又は出力側
変換器にそれぞれこのような反射部を設けることによっ
て、必要帯域幅を維持しながら、入力側変換器及び出力
側変換器の励振部の対数と反射部の電極指の数の半分の
和に相当する対数を有する一方向性変換器を弾性表面波
フィルタ装置に用いた場合の挿入損失を達成することが
できる。この場合も、反射部の第1及び第2電極指が励
振部の正電極と負電極のうちのいずれか一方に電気的に
結合されているので、外部に反射器を設けた場合に比べ
て著しく反射効率が向上している。また、歪みのない周
波数特性を有する双方向性変換器を、一方向性の反射部
及び励振部を有する変換器と組み合わすことにより、挿
入損失、周波数特性及びT.T.E.(Triple transit
echo) 減衰レベルについて各変換器が有する固有の欠点
が互いに補完され、この結果優れた特性を有する弾性表
面波フィルタ装置を実現することができる。
【0032】本発明による請求の範囲8記載の弾性表面
波フィルタ装置は、前記双方向性変換器が、λ/4の中
心間距離を以て配置し、2個の電極指の組を、λのピッ
チで周期的に形成した正電極と、同様にλ/4の中心間
距離を以て配置し、2個の電極指の組をλのピッチで周
期的に形成し、各電極指の組が前記正電極の隣接する電
極指の組とλ/2の中心間距離を以てそれぞれ位置する
負電極とを具えることを特徴とするものである。
【0033】このように正電極及び負電極を2本の電極
指対で構成したスプリット型の双方向性変換器の場合、
電極指の面積が広くなるために高い励振効率が得られ
る。また、電極指端縁で発生する反射波は互いに位相が
反転した反射波同士だけであるので、リップルのない極
めて良好な周波数特性が得られる。
【0034】本発明による請求項9記載の弾性表面波フ
ィルタ装置は、前記励振部及び反射部を正規型電極構造
とし、前記双方向性変換器を、重み付けした電極構造と
したことを特徴とするものである。
【0035】この場合、一方向性の励振部及び反射部
は、各電極指の弾性表面波の伝播方向と直交する方向の
寸法が同一に設定され、重み付けされていない電極構造
である正規型電極構造を有し、それに対して、双方向性
変換器は、重み付けした電極構造を有する。帯域外減衰
特性を大きく設定するためには、変換器に重み付けを施
す必要がある。ここで、一方向性の励振部及び反射部の
電極構造に重み付けをすると周波数特性が悪化する。特
に、短絡型浮き電極型の励振部及び反射部を重み付け構
造とすると、短絡型浮き電極の電極指を接続する接続部
が励振領域内に位置するようになり、この部分で不所望
な反射波が生じたり、励起された弾性表面波に伝播速度
差が生じたりするので、強いリップルが生じる。このよ
うな認識に基づいて、一方向性の励振部及び反射部を正
規型の電極構造とするとともに、双方向性変換器に重み
付けを行う。このような構成にすることにより、リップ
ルのない特性を得ることができる。
【0036】本発明による請求項10記載の弾性表面波
フィルタ装置は、前記双方向性変換器の重み付け電極構
造が、各電極指の弾性表面波の伝播方向と直交する方向
の長さが弾性表面波の伝播方向に沿って順次変化するア
ポタイズ法により構成されていることを特徴とするもの
である。
【0037】重み付けの方法として、電極指を所望のピ
ッチで間引く間引き法やバリビッチ法が知られている。
しかしながら、これらの方法では、電極指における反射
波に位相ずれが生じ、これがリップルの原因となる。そ
れに対して、アポタイズ法では、電極指の弾性表面波の
伝播方向と直交する方向の長さを順次変化させているの
で、位相ずれによるリップルの発生を防止し、リップル
のない周波数特性を得ることができる。
【0038】本発明による請求項11記載の弾性表面波
フィルタ装置は、前記圧電性基板を、水晶基板、タンタ
ル酸リチウム基板又はほう酸リチウム基板としたことを
特徴とするものである。
【0039】上記理由により、圧電性基板として、水晶
基板、タンタル酸リチウム基板又はほう酸リチウム基板
を用いることによって、温度特性に優れるとともに、低
損失の弾性表面波フィルタ装置を実現することができ
る。
【0040】本発明による請求項12記載の弾性表面波
フィルタ装置は、圧電性基板と、この圧電性基板上に形
成された双方向性変換器と、この双方向性変換器の弾性
表面波の伝播軸線の両側にそれぞれ配置した第1及び第
2変換器とを具え、前記双方向性変換器を入力側変換器
とした場合に前記第1及び第2変換器を出力側変換器と
し、前記双方向性変換器を出力側変換器とした場合に前
記第1及び第2変換器を入力側変換器とする弾性表面波
フィルタ装置において、前記第1及び第2変換器のうち
のいずれか一方を一方向性変換器で構成し、この一方向
性変換器が、λを弾性表面波の伝播方向とした場合に、
λのピッチで周期的に形成された複数の電極指を有する
正電極と、同様にλのピッチで周期的に形成された複数
の電極指を有し、各電極指が前記正電極の電極指とλ/
2の中心間距離を以てそれぞれ位置する負電極と、前記
正電極の電極指と負電極の電極指との間に配置された複
数の電極指を有し、各電極指が、隣接する前記正電極の
電極指と負電極の電極指との間の中間位置から、弾性表
面波の伝播方向又はこれとは反対の方向にλ/12偏位
して位置する、短絡型浮き電極とを具え、前記第1及び
第2変換器のうちの他方が、弾性表面波を励振する励振
部と、励振された弾性表面波を反射する反射部とを具
え、前記励振部が、λを基本弾性表面波の伝播波長とし
た場合に、λのピッチで周期的に形成された複数の電極
指を有する正電極と、同様にλのピッチで周期的に形成
された複数の電極指を有し、各電極指が前記正電極の電
極指とλ/2の中心間距離を以てそれぞれ位置する負電
極と、前記正電極の電極指と負電極の電極指との間に配
置された複数の電極指を有し、各電極指が、隣接する正
電極の電極指と負電極の電極指との間の中間位置から弾
性表面波の伝播方向又はこれとは反対の方向にλ/12
偏位して位置する短絡型浮き電極とを具え、前記反射部
が、λを基本弾性表面波の伝播波長とした場合に、前記
正電極の電極指のピッチと同一のピッチで周期的に形成
された複数の第1電極指と、前記負電極の電極指のピッ
チと同一のピッチで周期的に形成された複数の第2電極
指と、前記短絡型浮き電極の電極指のピッチと同一のピ
ッチで形成した電極指とを具え、前記第1電極指及び第
2電極指を、前記正電極と負電極のうちのいずれか一方
に電気的に結合したことを特徴とするものである。
【0041】上記理由により、第1及び第2変換器のう
ちの他方にこのような反射部を設けることによって、必
要帯域幅を維持しながら、入力側変換器及び出力側変換
器の励振部の対数と反射部の電極指の数の半分との和に
相当する対数を有する一方向性変換器を弾性表面波フィ
ルタ装置に用いた場合の挿入損失を達成することができ
る。この場合も、反射部の第1及び第2電極指が励振部
の正電極と負電極のうちのいずれか一方に電気的に結合
されているので、外部に反射器を設けた場合に比べて著
しく反射効率が向上している。また、歪みのない周波数
特性を有する双方向性変換器を、一方向性の反射部及び
励振部を有する変換器と組み合わすことにより、挿入損
失、周波数特性及びT.T.E.減衰レベルについて各
変換器が有する固有の欠点が互いに補完され、この結果
優れた特性を有する弾性表面波フィルタ装置を実現する
ことができる。
【0042】本発明による請求の範囲13記載の弾性表
面波フィルタ装置は、前記双方向性変換器が、λ/4の
中心間距離を以て配置し、2個の電極指の組を、λのピ
ッチで周期的に形成した正電極と、同様にλ/4の中心
間距離を以て配置し、2個の電極指の組をλのピッチで
周期的に形成し、各電極指の組が前記正電極の隣接する
電極指の組とλ/2の中心間距離を以てそれぞれ位置す
る負電極とを具えることを特徴とするものである。
【0043】上記理由により、スプリット型の電極構造
を有する双方向性変換器を組み合わせれば、高い励振効
率が得られるとともに、リップルのない極めて良好な周
波数特性が得られる。
【0044】本発明による請求項14記載の弾性表面波
フィルタ装置は、前記一方向性変換器、励振部及び反射
部を正規型電極構造とし、前記双方向性変換器を、重み
付けした電極構造としたことを特徴とするものである。
【0045】上記理由により、一方向性変換器、励振部
及び反射部を正規型の電極構造とし、双方向性変換器に
重み付けを行うことにより、リップルのない特性を得る
ことができる。
【0046】本発明による請求項15記載の弾性表面波
フィルタ装置は、前記双方向性変換器の重み付け電極構
造が、各電極指の弾性表面波の伝播方向と直交する方向
の長さが弾性表面波の伝播方向に沿って順次変化するア
ポタイズ法により構成されていることを特徴とするもの
である。
【0047】上記理由により、重み付けの方法としてア
ポタイズ法を用いることによって、位相ずれによるリッ
プルの発生を防止し、リップルのない周波数特性を得る
ことができる。
【0048】本発明による請求項16記載の弾性表面波
フィルタ装置は、前記圧電性基板を、水晶基板、タンタ
ル酸リチウム基板又はほう酸リチウム基板としたことを
特徴とするものである。
【0049】上記理由により、圧電性基板として、水晶
基板、タンタル酸リチウム基板又はほう酸リチウム基板
を用いることによって、温度特性に優れるとともに、低
損失の弾性表面波フィルタ装置を実現することができ
る。
【0050】本発明による請求項17記載の弾性表面波
フィルタ装置は、圧電性基板と、この圧電性基板上に形
成された双方向性変換器と、この双方向性変換器の弾性
表面波の伝播軸線の両側にそれぞれ配置した第1及び第
2変換器とを具え、前記双方向性変換器を入力側変換器
とした場合に前記第1及び第2変換器を出力側変換器と
し、前記双方向性変換器を出力側変換器とした場合に前
記第1及び第2変換器を入力側変換器とする弾性表面波
フィルタ装置において、前記第1及び第2変換器がそれ
ぞれ、弾性表面波を励振する励振部と、励振された弾性
表面波を反射する反射部とを具え、前記第1及び第2変
換器の励振部が、λを基本弾性表面波の伝播波長とした
場合に、λのピッチで周期的に形成された複数の電極指
を有する正電極と、同様にλのピッチで周期的に形成さ
れた複数の電極指を有し、各電極指が前記正電極の電極
指とλ/2の中心間距離を以てそれぞれ位置する負電極
と、前記正電極の電極指と負電極の電極指との間に配置
された複数の電極指を有し、各電極指が、隣接する正電
極の電極指と負電極の電極指との間の中間位置から弾性
表面波の伝播方向又はこれとは反対の方向にλ/12偏
位して位置する短絡型浮き電極とを具え、前記第1及び
第2変換器の反射部が、λを基本弾性表面波の伝播波長
とした場合に、前記正電極又は負電極と電気的に結合
し、λ/2のピッチで周期的に形成された複数の電極指
と、これら電極指の間に配置された複数の電極指を有
し、各電極指が、隣接するこれら電極指間の中間位置か
ら弾性表面波の伝播方向又はこれとは反対の方向にλ/
12偏位して位置する短絡型浮き電極とを具えることを
特徴とするものである。
【0051】上記理由により、第1及び第2変換器にそ
れぞれこのような反射部を設けることによって、必要帯
域幅を維持しながら、入力側変換器及び出力側変換器の
励振部の対数と反射部の電極指の数の半分の和に相当す
る対数を有する一方向性変換器を弾性表面波フィルタ装
置に用いた場合の挿入損失を達成することができる。こ
の場合も、反射部の第1及び第2電極指が励振部の正電
極と負電極のうちのいずれか一方に電気的に結合されて
いるので、外部に反射器を設けた場合に比べて著しく反
射効率が向上している。また、歪みのない周波数特性を
有する双方向性変換器を、一方向性の反射部及び励振部
を有する変換器と組み合わすことにより、挿入損失、周
波数特性及びT.T.E.減衰レベルについて各変換器
が有する固有の欠点が互いに補完され、この結果優れた
特性を有する弾性表面波フィルタ装置を実現することが
できる。
【0052】本発明による請求の範囲18記載の弾性表
面波フィルタ装置は、前記双方向性変換器が、λ/4の
中心間距離を以て配置し、2個の電極指の組を、λのピ
ッチで周期的に形成した正電極と、同様にλ/4の中心
間距離を以て配置し、2個の電極指の組をλのピッチで
周期的に形成し、各電極指の組が前記正電極の隣接する
電極指の組とλ/2の中心間距離を以てそれぞれ位置す
る負電極とを具えることを特徴とするものである。
【0053】上記理由により、スプリット型の電極構造
を有する双方向性変換器を組み合わせれば、高い励振効
率が得られるとともに、リップルのない極めて良好な周
波数特性が得られる。
【0054】本発明による請求項19記載の弾性表面波
フィルタ装置は、前記励振部及び反射部を正規型電極構
造とし、前記双方向性変換器を、重み付けした電極構造
としたことを特徴とするものである。
【0055】上記理由により、励振部及び反射部を正規
型の電極構造とするとともに、双方向性変換器に重み付
けを行うことにより、リップルのない特性を得ることが
できる。
【0056】本発明による請求項20記載の弾性表面波
フィルタ装置は、前記双方向性変換器の重み付け電極構
造が、各電極指の弾性表面波の伝播方向と直交する方向
の長さが弾性表面波の伝播方向に沿って順次変化するア
ポタイズ法により構成されていることを特徴とするもの
である。
【0057】上記理由により、重み付けの方法としてア
ポタイズ法を用いることによって、位相ずれによるリッ
プルの発生を防止し、リップルのない周波数特性を得る
ことができる。
【0058】本発明による請求項21記載の弾性表面波
フィルタ装置は、前記圧電性基板を、水晶基板、タンタ
ル酸リチウム基板又はほう酸リチウム基板としたことを
特徴とするものである。
【0059】上記理由により、圧電性基板として、水晶
基板、タンタル酸リチウム基板又はほう酸リチウム基板
を用いることによって、温度特性に優れるとともに、低
損失の弾性表面波フィルタ装置を実現することができ
る。
【0060】
【発明の実施の形態】本発明による弾性表面波フィルタ
装置及びこれに用いる変換器を、図面を参照して詳細に
説明する。図1は、本発明による変換器の第1の実施の
形態を示す図である。本形態では、圧電性基板として矩
形の水晶基板1を用いる。水晶基板は温度変化に対する
帯域幅変化が微小であるので、温度変化による通過周波
数帯域の変化を微小範囲に維持することができる。この
水晶基板1の表面上に、弾性表面波を励振する励振部2
と、励振された弾性表面波を反射する反射部3とを形成
する。この変換器を入力側変換器として用いる場合に
は、弾性表面波は図において左から右に伝播し、出力側
変換器として用いる場合には、弾性表面波は図において
右から左に伝播する。
【0061】励振部2は、一方向性変換器の構成を有
し、正電極4及び負電極5と、これら正電極4の電極指
6(図1では、一つの電極指のみに符号を付すものとす
る。)及び負電極5の電極指7(図1では、一つの電極
指のみに符号を付すものとする。)との間に配置した浮
き電極8とで構成する。本形態では、これら正電極4の
電極指6、負電極5の電極指7及び短絡型浮き電極8の
電極指9の弾性表面波の伝播方向における電極指の幅
を、λ/12に設定する。ここで、λを基本弾性表面波
の伝播波長とする。正電極4の各電極指6及び負電極5
の各電極指7をそれぞれλのピッチで周期的に形成し、
正電極4の電極指6とこれに隣接する負電極5の電極指
7との間の中心間距離をλ/2に設定する。また、短絡
型浮き電極8の電極指9(図1では、一つの電極指のみ
に符号を付すものとする。)を、それに隣接する正電極
4の電極指6と負電極5の電極指7との間の中間位置か
ら、弾性表面波の伝播方向(この変換器を入力側変換器
として用いる場合)又はそれとは反対の方向(この変換
器を出力側変換器として用いる場合)にλ/12だけ偏
位するように配置して非対称構造に基づく一方向性を高
めることにより、挿入損失を小さくしている。本形態で
は、励振部2の電極の対数を150対に設定するが、こ
の対数を、要求されるフィルタ特性に応じて適宜最適条
件に設定することができる。
【0062】反射部3は、負電極5に電気的に結合した
複数の電極指10(図1では、一つの電極指のみに符号
を付すものとする。)と、これら複数の電極指10の間
に配置した浮き電極11とで構成する。これら電極指1
0及び浮き電極11の電極指12(図1では、一つの電
極指のみに符号を付すものとする。)の弾性表面波の伝
播方向における電極指の幅を、励振部の場合と同様にλ
/12に設定する。電極指10をそれぞれλ/2のピッ
チで周期的に形成し、浮き電極11の電極指12(図1
では、一つの電極指のみに符号を付すものとする。)
を、それに隣接する電極指10間の中間位置から、弾性
表面波の伝播方向(この変換器を出力側変換器として用
いる場合)又はそれとは反対の方向(この変換器を入力
側変換器として用いる場合)にλ/12だけ偏位するよ
うに配置して非対称構造に基づく一方向性を高めること
により、挿入損失を小さくしている。本形態では、反射
部3の電極指の数を、300本に設定するが、この数
を、要求されるフィルタ特性に応じて適宜最適条件に設
定することができる。
【0063】この変換器を入力側変換器として用いた場
合、濾波されるべき信号が端子13及び14に入力され
ると、励振部2で励振された弾性表面波はほとんど一方
向に、すなわち、この変換器と同一又はこれ以外の他の
変換器によって構成された出力側変換器の方向(図1に
おいて、左から右)に伝播される。
【0064】この変換器を出力側変換器として用いた場
合、この変換器と同一又はこれ以外の他の変換器によっ
て構成された入力側変換器から伝播(図1において、右
から左)された弾性表面波が励振部2で電気信号に変換
され、端子13及び14から濾波された信号が出力され
る。
【0065】本形態では、励振部2において浮き電極と
して短絡型浮き電極8を用いる。開放型浮き電極の場
合、浮き電極自体にフローティング状態にあるため基本
的には電位分布を強制的に変更させることができない
が、短絡型浮き電極の場合、浮き電極が配置された位置
の電位は強制的に零にされるため、その配置すなわち励
振電極からの距離を変更することにより電位分布を強制
的に変化させることができる。このように短絡型浮き電
極8を用いることにより、電界分布の変更を介して励振
中心は正電極の中心から弾性表面波の伝播方向とは反対
に偏位する。
【0066】本実施の形態の動作を説明する。この変換
器を弾性表面波フィルタ装置の入力側変換器として用い
る場合、励振部2では、弾性表面波の伝播方向(図1の
左から右)に向かって反射する、正電極4の電極指6に
よる反射波、この正電極4の電極指6に隣接する負電極
5の電極指7による反射波及びこれら正電極4の電極指
6と負電極5の電極指7との間に位置する短絡型浮き電
極8の電極指9による反射波の合成波は、正電極4の電
極指6とこれに隣接する負電極5の電極指7とで励振さ
れる励振波に対してほぼ同相となる。それに対して、弾
性表面波の伝播方向とは逆に反射する、正電極4の電極
指6による反射波、この正電極4の電極指6に隣接する
負電極5の電極指7による反射波及びこれら正電極4の
電極指6と負電極5の電極指7との間に位置する短絡型
浮き電極8の電極指9による反射波の合成波は、正電極
4の電極指6とこれに隣接する負電極5の電極指7とで
励振される励振波に対してほぼ逆相となる。この結果、
ほぼ理想状態の一方向性となる。
【0067】反射部3では、弾性表面波の伝播方向に向
かって反射する、負電極5に電気的に結合した電極指1
0による反射波及びこれら電極指10間に位置する浮き
電極11の電極指12による反射波の合成波は、励振部
2の正電極4の電極指6とこれに隣接する負電極5の電
極指7とで励振される励振波に対してほぼ同相となる。
それに対して、弾性表面波の伝播方向とは逆に反射す
る、負電極5に電気的に結合した電極指7による反射波
及びこれら電極指7間に位置する浮き電極11の電極指
12による反射波の合成波は、励振部2の正電極4の電
極指6とこれに隣接する負電極5の電極指7とで励振さ
れる励振波に対してほぼ逆相となる。この結果、一方向
性を更に向上させることができる。
【0068】この変換器を弾性表面波フィルタ装置の出
力側変換器として用いる場合、励振部2では、弾性表面
波の伝播方向(図1の右から左)に向かって反射する、
正電極4の電極指6による反射波、この正電極4の電極
指6に隣接する負電極5の電極指7による反射波及びこ
れら正電極4の電極指6と負電極5の電極指7との間に
位置する短絡型浮き電極8の電極指9による反射波の合
成波は、正電極4の電極指6とこれに隣接する負電極5
の電極指7とで励振される励振波に対してほぼ逆相とな
る。それに対して、弾性表面波の伝播方向とは逆に反射
する、正電極4の電極指6による反射波、この正電極4
の電極指6に隣接する負電極5の電極指7による反射波
及びこれら正電極4の電極指6と負電極5の電極指7と
の間に位置する短絡型浮き電極8の電極指9による反射
波の合成波は、正電極4の電極指6とこれに隣接する負
電極5の電極指7とで励振される励振波に対してほぼ同
相となる。この結果、ほぼ理想状態の一方向性となる。
【0069】反射部3では、弾性表面波の伝播方向に向
かって反射する、負電極5に電気的に結合した電極指1
0による反射波及びこれら電極指10間に位置する浮き
電極11の電極指12による反射波の合成波は、励振部
2の正電極4の電極指6とこれに隣接する負電極5の電
極指7とで励振される励振波に対してほぼ逆相となる。
それに対して、弾性表面波の伝播方向とは逆に反射す
る、負電極5に電気的に結合した電極指7による反射波
及びこれら電極指7間に位置する浮き電極11の電極指
12による反射波の合成波は、励振部2の正電極4の電
極指6とこれに隣接する負電極5の電極指7とで励振さ
れる励振波に対してほぼ同相となる。この結果、一方向
性を更に向上させることができる。
【0070】したがって、本実施の形態では、実際に弾
性表面波を励振する励振部2から漏れた弾性表面波を反
射する反射部3を設けることにより、必要帯域幅を維持
しながら、入力側変換器及び出力側変換器の励振部の対
数と反射部の電極指の数の半分との和に相当する対数を
有する一方向性変換器を弾性表面波フィルタ装置に用い
た場合の挿入損失を達成することができる。この場合、
励振部の電極の対数を150対とし、反射部の電極指の
数を300本としているので、電極の対数が150対の
一方向性変換器を入力側変換器及び出力側変換器に用い
た場合に得られる必要帯域幅と、電極の対数が300対
の一方向性変換器を入力側変換器及び出力側変換器に用
いた場合に得られる挿入損失を達成することができる。
また、反射部3の電極指10が励振部2の負電極5に電
気的に結合されているので、外部に反射器を設けた場合
に比べて著しく反射効率が向上している。
【0071】図2は、本発明による変換器の第2の実施
の形態を示す図である。本形態でも、圧電性基板として
矩形の水晶基板21を用いる。この水晶基板21の表面
上に、弾性表面波を励振する励振部22と、この励振部
22から漏れた弾性表面波を反射する反射部23とを形
成する。この変換器を入力側変換器として用いる場合に
は、弾性表面波は図において右から左に伝播し、出力側
変換器として用いる場合には、弾性表面波は図において
左から右に伝播する。
【0072】励振部22は、一方向性変換器の構成を有
し、正電極24及び負電極25と、これら正電極24の
電極指26(図2では、一つの電極指のみに符号を付す
ものとする。)及び負電極25の電極指27(図2で
は、一つの電極指のみに符号を付すものとする。)との
間に配置した短絡型浮き電極28とで構成する。本形態
でも、これら正電極24の電極指26、負電極25の電
極指27及び短絡型浮き電極28の電極指29の弾性表
面波の伝播方向における電極指の幅を、λ/12に設定
する。ここで、λを基本弾性表面波の伝播波長とする。
正電極24の各電極指26及び負電極25の各電極指2
7をそれぞれλのピッチで周期的に形成し、正電極24
の電極指26とこれに隣接する負電極25の電極指26
との間の中心間距離をλ/2に設定する。また、短絡型
浮き電極28の電極指29(図2では、一つの電極指の
みに符号を付すものとする。)を、それに隣接する正電
極24の電極指26と負電極25の電極指27との間の
中間位置から、弾性表面波の伝播方向(この変換器を出
力側変換器として用いる場合)又はそれとは反対の方向
(この変換器を入力側変換器として用いる場合)にλ/
12だけ偏位するように配置して非対称構造に基づく一
方向性を高めることにより、挿入損失を小さくしてい
る。本形態でも、励振部22の電極の対数を150対に
設定するが、この対数を、要求されるフィルタ特性に応
じて適宜最適条件に設定することができる。
【0073】反射部23は、正電極24に電気的に結合
した複数の電極指30(図1では、一つの電極指のみに
符号を付すものとする。)と、これら複数の電極指30
の間に配置した浮き電極31とで構成する。これら電極
指30及び浮き電極31の電極指32(図2では、一つ
の電極指のみに符号を付すものとする。)の弾性表面波
の伝播方向における電極指の幅を、励振部の場合と同様
にλ/12に設定する。電極指30をそれぞれλ/2の
ピッチで周期的に形成し、浮き電極31の電極指32
(図2では、一つの電極指のみに符号を付すものとす
る。)を、それに隣接する電極指30間の中間位置か
ら、弾性表面波の伝播方向(この変換器を入力側変換器
として用いる場合)又はそれとは反対の方向(この変換
器を出力側変換器として用いる場合)にλ/12だけ偏
位するように配置して非対称構造に基づく一方向性を高
めることにより、挿入損失を小さくしている。本形態で
は、反射部23の電極指の数を300本に設定するが、
この数を、要求されるフィルタ特性に応じて適宜最適条
件に設定することができる。
【0074】この変換器を入力側変換器として用いた場
合、濾波されるべき信号が端子33及び34に入力され
ると、励振部22で励振された弾性表面波はほとんど一
方向に、すなわち、この変換器と同一又はこれ以外の他
の変換器によって構成された出力側変換器の方向(図2
において、左から右)に伝播される。
【0075】この変換器を出力側変換器として用いた場
合、この変換器と同一又はこれ以外の他の変換器によっ
て構成された入力側変換器から伝播(図2において、右
から左)された弾性表面波が励振部2で電気信号に変換
され、端子33及び44から濾波された信号が出力され
る。
【0076】本実施の形態でも、実際に弾性表面波を励
振する励振部22から漏れた弾性表面波を反射する反射
部23を設けることにより、必要帯域幅を維持しなが
ら、入力側変換器及び出力側変換器の励振部の対数と反
射部の電極指の数の半分との和に相当する対数を有する
一方向性変換器を弾性表面波フィルタ装置に用いた場合
の挿入損失を達成することができる。この場合も、励振
部の電極の対数を150対にし、反射部の電極の数を3
00本としているので、電極の対数が150対の一方向
性変換器を入力側変換器及び出力側変換器に用いた場合
に得られる必要帯域幅と、電極の対数が300対の一方
向性変換器を入力側変換器及び出力側変換器に用いた場
合に得られる挿入損失を達成することができる。また、
反射部23の電極指30が励振部22の正電極24に電
気的に結合されているので、外部に反射器を設けた場合
に比べて著しく反射効率が向上している。
【0077】図3は、本発明による弾性表面波フィルタ
装置の第1の実施の形態を示す図である。本実施の形態
でも、圧電性基板として矩形の水晶基板41を用いる。
この水晶基板41の表面上に入力側変換器42と、シー
ルド電極43と、出力側変換器44とを弾性表面波の伝
播軸線方向に沿って形成する。入力側変換器42を、図
1の変換器と同一のものとし、出力側変換器44を、こ
の出力側変換器44と入力側変換器42とがシールド電
極43に対して線対称となるような構造の変換器とす
る。
【0078】本実施の形態でも、入力側変換器及び出力
側変換器に、実際に弾性表面波を励振する励振部から漏
れた弾性表面波を反射する反射部を設けることにより、
必要帯域幅を維持しながら、入力側変換器及び出力側変
換器の励振部の対数と反射部の電極指の数の半分との和
に相当する対数を有する一方向性変換器を弾性表面波フ
ィルタ装置に用いた場合の挿入損失を達成することがで
きる。この場合も、反射部の電極指が励振部の正電極と
負電極のうちのいずれか一方に電気的に結合されている
ので、反射波の位相変化もなく、外部に反射器を設けた
場合に比べて著しく反射効率が向上している。
【0079】図4は、本発明による弾性表面波フィルタ
装置の第2の実施の形態を示す図である。本実施の形態
でも、圧電性基板として矩形の水晶基板51を用いる。
この水晶基板51の表面上に入力側変換器52と、シー
ルド電極53と、出力側変換器54とを弾性表面波の伝
播軸線方向に沿って形成する。入力側変換器52を、図
2の変換器と同一のものとし、出力側変換器54を、こ
の出力側変換器54と入力側変換器52とがシールド電
極53に対して線対称となるような構造の変換器とす
る。
【0080】本実施の形態でも、入力側変換器及び出力
側変換器に、実際に弾性表面波を励振する励振部から漏
れた弾性表面波を反射する反射部を設けることにより、
必要帯域幅を維持しながら、入力側変換器及び出力側変
換器の励振部の対数と反射部の電極指の数の半分との和
に相当する対数を有する一方向性変換器を弾性表面波フ
ィルタ装置に用いた場合の挿入損失を達成することがで
きる。この場合も、反射部の電極指が励振部の正電極と
負電極のうちのいずれか一方に電気的に結合されている
ので、外部に反射器を設けた場合に比べて著しく反射効
率が向上している。
【0081】図5は、本発明による弾性表面波フィルタ
装置の第3の実施の形態を示す図である。本実施の形態
でも水晶基板61を用いる。この水晶基板61の表面上
に、入力側変換器62と、シールド電極63と、出力側
変換器64とを弾性表面波の伝播軸線方向に沿って形成
する。入力側変換器62は、図1の変換器と同一の構成
を有する。
【0082】出力側変換器64は、正電極65及び負電
極66をλ/4の中心間距離を以て配置した二つの電極
指の組をλのピッチで周期的に複数形成したスプリット
電極構造の双方向性変換器で構成し、正電極65の各電
極指の組が負電極66の各電極指の組とλ/2の中心間
距離を以てそれぞれ位置するように設定する。本実施の
形態では、これら正電極65及び負電極66の電極指の
幅をλ/8に設定する。このように構成することによ
り、互いに隣接する電極指間の間隔が全てλ/8に設定
されることになる。本形態では、出力側変換器64の電
極の対数を300対にする。
【0083】また、出力側変換器64にはアポタイズ法
による重み付けが行われており、正電極65の電極指と
負電極66の電極指との交叉幅すなわち開口長を弾性表
面波の伝播方向に沿って変化させている。
【0084】本実施の形態でも、入力側変換器に、実際
に弾性表面波を励振する励振部から漏れた弾性表面波を
反射する反射部を設けることにより、必要帯域幅を維持
しながら、入力側変換器及び出力側変換器の励振部の対
数と反射部の電極指の数の半分との和に相当する対数を
有する一方向性変換器を弾性表面波フィルタ装置に用い
た場合の挿入損失を達成することができる。この場合
も、反射部の電極指が励振部の正電極と負電極のうちの
いずれか一方に電気的に結合されているので、外部に反
射器を設けた場合に比べて著しく反射効率が向上してい
る。さらに、励振部及び反射部を有する一方向性変換器
と双方向性変換器とを組み合わせた弾性表面波フィルタ
装置となるので、挿入損失、周波数特性及びT.T.
E.減衰レベルについて各変換器が有する固有の欠点が
互いに補完され、この結果優れた特性を有する弾性表面
波フィルタ装置を実現することができる。
【0085】図6は、本発明による弾性表面波フィルタ
装置の第4の実施の形態を示す図である。本実施の形態
でも水晶基板71を用いる。この水晶基板71の表面上
に、入力側変換器72と、シールド電極73と、出力側
変換器74とを弾性表面波の伝播軸線方向に沿って形成
する。入力側変換器72は、図1の変換器と同一の構造
を有し、出力側変換器74は、図5の出力側変換器64
と同一の構造を有する。
【0086】本実施の形態でも、第3の実施の形態と同
様に、入力側変換器に、実際に弾性表面波を励振する励
振部から漏れた弾性表面波を反射する反射部を設けるこ
とにより、必要帯域幅を維持しながら、入力側変換器及
び出力側変換器の励振部の対数と反射部の電極指の数の
半分との和に相当する対数を有する一方向性変換器を弾
性表面波フィルタ装置に用いた場合の挿入損失を達成す
ることができる。この場合も、反射部の電極指が励振部
の正電極と負電極のうちのいずれか一方に電気的に結合
されているので、外部に反射器を設けた場合に比べて著
しく反射効率が向上している。さらに、励振部及び反射
部を有する一方向性変換器と双方向性変換器とを組み合
わせた弾性表面波フィルタ装置となるので、挿入損失、
周波数特性及びT.T.E.減衰レベルについて各変換
器が有する固有の欠点が互いに補完され、この結果優れ
た特性を有する弾性表面波フィルタ装置を実現すること
ができる。
【0087】図6は、本発明による弾性表面波フィルタ
装置の第5の実施の形態を示す図である。本実施の形態
では、水晶基板81の中央部に入力側変換器82を配置
し、その両側に第1及び第2の出力側変換器83及び8
4をそれぞれ配置する。入力側変換器62は、図5の出
力側変換器66と同一の構造で正電極と負電極とを逆に
したものとする。また、第1の出力側変換器63を、図
3の入力側変換器42と同一の構造で正電極と負電極と
を逆にしたものとし、第2の出力側変換器64を、図3
の出力側変換器44と同一の構造のものとする。
【0088】本実施の形態のように双方向性変換器の弾
性表面波の伝播軸線の両側に第1及び第2の一方向性変
換器をそれぞれ配置した弾性表面波フィルタ装置の場合
でも、入力側変換器又は出力側変換器に、実際に弾性表
面波を励振する励振部から漏れた弾性表面波を反射する
反射部を設けることにより、必要帯域幅を維持しなが
ら、入力側変換器又は出力側変換器の励振部の対数と反
射部の電極指の数の半分との和に相当する対数を有する
一方向性変換器を弾性表面波フィルタ装置に用いた場合
の挿入損失を達成することができる。この場合も、反射
部の電極指が励振部の正電極と負電極のうちのいずれか
一方に電気的に結合されているので、外部に反射器を設
けた場合に比べて著しく反射効率が向上している。さら
に、励振部及び反射部を有する一方向性変換器と双方向
性変換器とを組み合わせた弾性表面波フィルタ装置とな
るので、挿入損失、周波数特性及びT.T.E.減衰レ
ベルについて各変換器が有する固有の欠点が互いに補完
され、この結果優れた特性を有する弾性表面波フィルタ
装置を実現することができる。
【0089】図8は、本発明による弾性表面波フィルタ
装置の第6の実施の形態を示す図である。本実施の形態
では、水晶基板91の中央部に入力側変換器92を配置
し、その両側に第1及び第2の出力側変換器93及び9
4をそれぞれ配置する。入力側変換器92は、図7の入
力側変換器92と同一構造の変換器とする。また、第1
の出力側変換器93を、図4の入力側変換器52と同一
の構造で正電極と負電極とを逆にしたものとし、第2の
出力側変換器94を、図4の出力側変換器54と同一の
構造のものとする。
【0090】本実施の形態の場合でも、第5の実施の形
態と同様に、入力側変換器又は出力側変換器に、実際に
弾性表面波を励振する励振部から漏れた弾性表面波を反
射する反射部を設けることにより、必要帯域幅を維持し
ながら、入力側変換器又は出力側変換器の励振部の対数
と反射部の電極指の数の半分との和に相当する対数を有
する一方向性変換器を弾性表面波フィルタ装置に用いた
場合の挿入損失を達成することができる。この場合も、
反射部の電極指を正電極と負電極のうちのいずれか一方
に電気的に結合されているので、反射波の位相変化もな
く、外部に反射器を設けた場合に比べて著しく反射効率
が向上している。さらに、励振部及び反射部を有する一
方向性変換器と双方向性変換器とを組み合わせた弾性表
面波フィルタ装置となるので、挿入損失、周波数特性及
びT.T.E.減衰レベルについて各変換器が有する固
有の欠点が互いに補完され、この結果優れた特性を有す
る弾性表面波フィルタ装置を実現することができる。
【0091】本発明は、上記実施の形態に限定されるも
のではなく、幾多の変更及び変形が可能である。例え
ば、上記弾性表面波フィルタ装置の第1〜6の実施の形
態及び変換器の第1及び第2の実施の形態で、圧電性基
板として水晶基板を用いたが、水晶基板の他に、水晶基
板とほぼ同等の電気機械結合係数及び反射特性を有する
タンタル酸リチウム基板及びほう酸リチウム基板を用い
ることもできる。
【0092】また、上記弾性表面波フィルタ装置の第1
〜6の実施の形態において、入力側変換器を出力側変換
器として用いるとともに、出力側変換器を入力側変換器
として用いることもできる。さらに、上記変換器の第1
及び第2の実施の形態並びに上記弾性表面波フィルタ装
置の第1〜第6の実施の形態において、正電極を負電極
として用いるとともに負電極を正電極として用いること
もできる。
【0093】さらに、上記弾性表面波フィルタ装置の第
1及び第2の実施の形態において、入力側変換器及び出
力側変換器を本発明による変換器としたが、入力側変換
器及び出力側変換器のうちのいずれか一方を、反射部を
有しない通常の一方向性変換器としても、同様な効果を
得ることができる。また、上記弾性表面波フィルタ装置
の第5及び第6の実施の形態において、第1及び第2の
出力側変換器を本発明による変換器としたが、第1及び
第2の出力側変換器のうちのいずれか一方を、反射部を
有しない通常の一方向性変換器とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による変換器の第1の実施の形態を示す
図である。
【図2】本発明による変換器の第2の実施の形態を示す
図である。
【図3】本発明による弾性表面波フィルタ装置の第1の
実施の形態を示す図である。
【図4】本発明による弾性表面波フィルタ装置の第2の
実施の形態を示す図である。
【図5】本発明による弾性表面波フィルタ装置の第3の
実施の形態を示す図である。
【図6】本発明による弾性表面波フィルタ装置の第4の
実施の形態を示す図である。
【図7】本発明による弾性表面波フィルタ装置の第5の
実施の形態を示す図である。
【図8】本発明による弾性表面波フィルタ装置の第6の
実施の形態を示す図である。
【符号の説明】 1,21,41,61,71,81,91 水晶基板
2,22 励振部 3,23 反射部 4,24,65
正電極 5,25,66 負電極 6,7,9,1
0,12,26,27,29,30,32 電極指
8,28 短絡型浮き電極 11,31 浮き電極 1
3,14,33,34 端子 42,62,72,8
2,92 入力側変換器 43,63,73 シールド
電極 44,64,74,83,84,93,94 出
力側変換器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−309005(JP,A) 特開 平4−275710(JP,A) 特開 平8−65087(JP,A) 特開 平8−213870(JP,A) 特開 平10−135765(JP,A) 特開 平8−162896(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 9/145 H03H 9/25

Claims (21)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】弾性表面波フィルタ装置用の変換器であっ
    て、圧電性基板と、この圧電性基板上に形成され、弾性
    表面波を励振する励振部と、励振された弾性表面波を反
    射する反射部とを具え、前記励振部が、λを基本弾性表
    面波の伝播波長とした場合に、λのピッチで周期的に形
    成された複数の電極指を有する正電極と、同様にλのピ
    ッチで周期的に形成された複数の電極指を有し、各電極
    指が前記正電極の電極指とλ/2の中心間距離を以てそ
    れぞれ位置する負電極と、前記正電極の電極指と負電極
    の電極指との間に配置された複数の電極指を有し、各電
    極指が、隣接する正電極の電極指と負電極の電極指との
    間の中間位置から弾性表面波の伝播方向又はこれとは反
    対の方向にλ/12偏位して位置する短絡型浮き電極と
    を具え、前記反射部が、λを基本弾性表面波の伝播波長
    とした場合に、前記正電極の電極指のピッチと同一のピ
    ッチで周期的に形成された複数の第1電極指と、前記負
    電極の電極指のピッチと同一のピッチで周期的に形成さ
    れた複数の第2電極指と、前記短絡型浮き電極の電極指
    のピッチと同一のピッチで形成した電極指とを具え、前
    記第1電極指及び第2電極指を、前記正電極と負電極の
    うちのいずれか一方に電気的に結合したことを特徴とす
    る変換器。
  2. 【請求項2】前記圧電性基板を、水晶基板、タンタル酸
    リチウム基板又はほう酸リチウム基板としたことを特徴
    とする請求項1記載の変換器。
  3. 【請求項3】圧電性基板と、この圧電性基板上に形成し
    た入力側変換器と、この入力側変換器で励振された弾性
    表面波を変換する出力側変換器とを具える弾性表面波フ
    ィルタ装置において、前記入力側変換器と出力側変換器
    のうちのいずれか一方を、一方向性変換器で構成し、こ
    の一方向性変換器が、λを弾性表面波の伝播波長とした
    場合に、λのピッチで周期的に形成された複数の電極指
    を有する正電極と、同様にλのピッチで周期的に形成さ
    れた複数の電極指を有し、各電極指が前記正電極の電極
    指とλ/2の中心間距離を以てそれぞれ位置する負電極
    と、前記正電極の電極指と負電極の電極指との間に配置
    された複数の電極指を有し、各電極指が、隣接する前記
    正電極の電極指と負電極の電極指との間の中間位置か
    ら、弾性表面波の伝播方向又はこれとは反対の方向にλ
    /12偏位して位置する、短絡型浮き電極とを具え、前
    記入力側変換器と出力側変換器のうちの他方が、弾性表
    面波を励振する励振部と、励振された弾性表面波を反射
    する反射部とを具え、前記励振部が、λを基本弾性表面
    波の伝播波長とした場合に、λのピッチで周期的に形成
    された複数の電極指を有する正電極と、同様にλのピッ
    チで周期的に形成された複数の電極指を有し、各電極指
    が前記正電極の電極指とλ/2の中心間距離を以てそれ
    ぞれ位置する負電極と、前記正電極の電極指と負電極の
    電極指との間に配置された複数の電極指を有し、各電極
    指が、隣接する正電極の電極指と負電極の電極指との間
    の中間位置から弾性表面波の伝播方向又はこれとは反対
    の方向にλ/12偏位して位置する短絡型浮き電極とを
    具え、前記反射部が、λを基本弾性表面波の伝播波長と
    した場合に、前記正電極の電極指のピッチと同一のピッ
    チで周期的に形成された複数の第1電極指と、前記負電
    極の電極指のピッチと同一のピッチで周期的に形成され
    た複数の第2電極指と、前記短絡型浮き電極の電極指の
    ピッチと同一のピッチで形成した電極指とを具え、前記
    第1電極指及び第2電極指を、前記正電極と負電極のう
    ちのいずれか一方に電気的に結合したことを特徴とする
    弾性表面波フィルタ装置。
  4. 【請求項4】前記圧電性基板を、水晶基板、タンタル酸
    リチウム基板又はほう酸リチウム基板としたことを特徴
    とする請求項3記載の弾性表面波フィルタ装置。
  5. 【請求項5】圧電性基板と、この圧電性基板上に形成し
    た入力側変換器と、この入力側変換器で励振された弾性
    表面波を変換する出力側変換器とを具える弾性表面波フ
    ィルタ装置において、前記入力側変換器及び出力側変換
    器がそれぞれ、弾性表面波を励振する励振部と、励振さ
    れた弾性表面波を反射する反射部とを具え、前記入力側
    変換器及び出力側変換器の励振部が、λを基本弾性表面
    波の伝播波長とした場合に、λのピッチで周期的に形成
    された複数の電極指を有する正電極と、同様にλのピッ
    チで周期的に形成された複数の電極指を有し、各電極指
    が前記正電極の電極指とλ/2の中心間距離を以てそれ
    ぞれ位置する負電極と、前記正電極の電極指と負電極の
    電極指との間に配置された複数の電極指を有し、各電極
    指が、隣接する正電極の電極指と負電極の電極指との間
    の中間位置から弾性表面波の伝播方向又はこれとは反対
    の方向にλ/12偏位して位置する短絡型浮き電極とを
    具え、前記入力側変換器及び出力側変換器の反射部が、
    λを基本弾性表面波の伝播波長とした場合に、前記正電
    極の電極指のピッチと同一のピッチで周期的に形成され
    た複数の第1電極指と、前記負電極の電極指のピッチと
    同一のピッチで周期的に形成された複数の第2電極指
    と、前記短絡型浮き電極の電極指のピッチと同一のピッ
    チで形成した電極指とを具え、前記第1電極指及び第2
    電極指を、前記正電極と負電極のうちのいずれか一方に
    電気的に結合したことを特徴とする弾性表面波フィルタ
    装置。
  6. 【請求項6】前記圧電性基板を、水晶基板、タンタル酸
    リチウム基板又はほう酸リチウム基板としたことを特徴
    とする請求項5記載の弾性表面波フィルタ装置。
  7. 【請求項7】圧電性基板と、この圧電性基板上に形成し
    た入力側変換器と、この入力側変換器で励振された弾性
    表面波を変換する出力側変換器とを具える弾性表面波フ
    ィルタ装置において、前記入力側変換器と出力側変換器
    のうちのいずれか一方を、双方向性変換器で構成し、前
    記入力側変換器と出力側変換器のうちの他方が、弾性表
    面波を励振する励振部と、励振された弾性表面波を反射
    する反射部とを具え、前記励振部が、λを基本弾性表面
    波の伝播波長とした場合に、λのピッチで周期的に形成
    された複数の電極指を有する正電極と、同様にλのピッ
    チで周期的に形成された複数の電極指を有し、各電極指
    が前記正電極の電極指とλ/2の中心間距離を以てそれ
    ぞれ位置する負電極と、前記正電極の電極指と負電極の
    電極指との間に配置された複数の電極指を有し、各電極
    指が、隣接する正電極の電極指と負電極の電極指との間
    の中間位置から弾性表面波の伝播方向又はこれとは反対
    の方向にλ/12偏位して位置する短絡型浮き電極とを
    具え、前記反射部が、λを基本弾性表面波の伝播波長と
    した場合に、前記正電極の電極指のピッチと同一のピッ
    チで周期的に形成された複数の第1電極指と、前記負電
    極の電極指のピッチと同一のピッチで周期的に形成され
    た複数の第2電極指と、前記短絡型浮き電極の電極指の
    ピッチと同一のピッチで形成した電極指とを具え、前記
    第1電極指及び第2電極指を、前記正電極と負電極のう
    ちのいずれか一方に電気的に結合したことを特徴とする
    弾性表面波フィルタ装置。
  8. 【請求項8】前記双方向性変換器が、λ/4の中心間距
    離を以て配置し、2個の電極指の組を、λのピッチで周
    期的に形成した正電極と、同様にλ/4の中心間距離を
    以て配置し、2個の電極指の組をλのピッチで周期的に
    形成し、各電極指の組が前記正電極の隣接する電極指の
    組とλ/2の中心間距離を以てそれぞれ位置する負電極
    とを具えることを特徴とする請求項7記載の弾性表面波
    フィルタ装置。
  9. 【請求項9】前記励振部及び反射部を正規型電極構造と
    し、前記双方向性変換器を、重み付けした電極構造とし
    たことを特徴とする請求項8記載の弾性表面波フィルタ
    装置。
  10. 【請求項10】前記双方向性変換器の重み付け電極構造
    が、各電極指の弾性表面波の伝播方向と直交する方向の
    長さが弾性表面波の伝播方向に沿って順次変化するアポ
    タイズ法により構成されていることを特徴とする請求項
    9記載の弾性表面波フィルタ装置。
  11. 【請求項11】前記圧電性基板を、水晶基板、タンタル
    酸リチウム基板又はほう酸リチウム基板としたことを特
    徴とする請求項7から10のうちのいずれかに記載の弾
    性表面波フィルタ装置。
  12. 【請求項12】圧電性基板と、この圧電性基板上に形成
    された双方向性変換器と、この双方向性変換器の弾性表
    面波の伝播軸線の両側にそれぞれ配置した第1及び第2
    変換器とを具え、前記双方向性変換器を入力側変換器と
    した場合に前記第1及び第2変換器を出力側変換器と
    し、前記双方向性変換器を出力側変換器とした場合に前
    記第1及び第2変換器を入力側変換器とする弾性表面波
    フィルタ装置において、前記第1及び第2変換器のうち
    のいずれか一方を一方向性変換器で構成し、この一方向
    性変換器が、λを弾性表面波の伝播方向とした場合に、
    λのピッチで周期的に形成された複数の電極指を有する
    正電極と、同様にλのピッチで周期的に形成された複数
    の電極指を有し、各電極指が前記正電極の電極指とλ/
    2の中心間距離を以てそれぞれ位置する負電極と、前記
    正電極の電極指と負電極の電極指との間に配置された複
    数の電極指を有し、各電極指が、隣接する前記正電極の
    電極指と負電極の電極指との間の中間位置から、弾性表
    面波の伝播方向又はこれとは反対の方向にλ/12偏位
    して位置する、短絡型浮き電極とを具え、前記第1及び
    第2変換器のうちの他方が、弾性表面波を励振する励振
    部と、この励振部から漏れた弾性表面波を反射する反射
    部とを具え、前記励振部が、λを基本弾性表面波の伝播
    波長とした場合に、λのピッチで周期的に形成された複
    数の電極指を有する正電極と、同様にλのピッチで周期
    的に形成された複数の電極指を有し、各電極指が前記正
    電極の電極指とλ/2の中心間距離を以てそれぞれ位置
    する負電極と、前記正電極の電極指と負電極の電極指と
    の間に配置された複数の電極指を有し、各電極指が、隣
    接する正電極の電極指と負電極の電極指との間の中間位
    置から弾性表面波の伝播方向又はこれとは反対の方向に
    λ/12偏位して位置する短絡型浮き電極とを具え、前
    記反射部が、λを基本弾性表面波の伝播波長とした場合
    に、前記正電極の電極指のピッチと同一のピッチで周期
    的に形成された複数の第1電極指と、前記負電極の電極
    指のピッチと同一のピッチで周期的に形成された複数の
    第2電極指と、前記短絡型浮き電極の電極指のピッチと
    同一のピッチで形成した電極指とを具え、前記第1電極
    指及び第2電極指を、前記正電極と負電極のうちのいず
    れか一方に電気的に結合したことを特徴とする弾性表面
    波フィルタ装置。
  13. 【請求項13】前記双方向性変換器が、λ/4の中心間
    距離を以て配置し、2個の電極指の組を、λのピッチで
    周期的に形成した正電極と、同様にλ/4の中心間距離
    を以て配置し、2個の電極指の組をλのピッチで周期的
    に形成し、各電極指の組が前記正電極の隣接する電極指
    の組とλ/2の中心間距離を以てそれぞれ位置する負電
    極とを具えることを特徴とする請求項12記載の弾性表
    面波フィルタ装置。
  14. 【請求項14】前記一方向性変換器、励振部及び反射部
    を正規型電極構造とし、前記双方向性変換器を、重み付
    けした電極構造としたことを特徴とする請求項13記載
    の弾性表面波フィルタ装置。
  15. 【請求項15】前記双方向性変換器の重み付け電極構造
    が、各電極指の弾性表面波の伝播方向と直交する方向の
    長さが弾性表面波の伝播方向に沿って順次変化するアポ
    タイズ法により構成されていることを特徴とする請求項
    14記載の弾性表面波フィルタ装置。
  16. 【請求項16】前記圧電性基板を、水晶基板、タンタル
    酸リチウム基板又はほう酸リチウム基板としたことを特
    徴とする請求項12から15のうちのいずれかに記載の
    弾性表面波フィルタ装置。
  17. 【請求項17】圧電性基板と、この圧電性基板上に形成
    された双方向性変換器と、この双方向性変換器の弾性表
    面波の伝播軸線の両側にそれぞれ配置した第1及び第2
    変換器とを具え、前記双方向性変換器を入力側変換器と
    した場合に前記第1及び第2変換器を出力側変換器と
    し、前記双方向性変換器を出力側変換器とした場合に前
    記第1及び第2変換器を入力側変換器とする弾性表面波
    フィルタ装置において、前記第1及び第2変換器がそれ
    ぞれ、弾性表面波を励振する励振部と、励振部された弾
    性表面波を反射する反射部とを具え、前記第1及び第2
    変換器の励振部が、λを基本弾性表面波の伝播波長とし
    た場合に、λのピッチで周期的に形成された複数の電極
    指を有する正電極と、同様にλのピッチで周期的に形成
    された複数の電極指を有し、各電極指が前記正電極の電
    極指とλ/2の中心間距離を以てそれぞれ位置する負電
    極と、前記正電極の電極指と負電極の電極指との間に配
    置された複数の電極指を有し、各電極指が、隣接する正
    電極の電極指と負電極の電極指との間の中間位置から弾
    性表面波の伝播方向又はこれとは反対の方向にλ/12
    偏位して位置する短絡型浮き電極とを具え、前記第1及
    び第2変換器の反射部が、λを基本弾性表面波の伝播波
    長とした場合に、前記正電極又は負電極と電気的に結合
    し、λ/2のピッチで周期的に形成された複数の電極指
    と、これら電極指の間に配置された複数の電極指を有
    し、各電極指が、隣接するこれら電極指間の中間位置か
    ら弾性表面波の伝播方向又はこれとは反対の方向にλ/
    12偏位して位置する短絡型浮き電極とを具えることを
    特徴とする弾性表面波フィルタ装置。
  18. 【請求項18】前記双方向性変換器が、λ/4の中心間
    距離を以て配置し、2個の電極指の組を、λのピッチで
    周期的に形成した正電極と、同様にλ/4の中心間距離
    を以て配置し、2個の電極指の組をλのピッチで周期的
    に形成し、各電極指の組が前記正電極の隣接する電極指
    の組とλ/2の中心間距離を以てそれぞれ位置する負電
    極とを具えることを特徴とする請求項17記載の弾性表
    面波フィルタ装置。
  19. 【請求項19】前記励振部及び反射部を正規型電極構造
    とし、前記双方向性変換器を、重み付けした電極構造と
    したことを特徴とする請求項18記載の弾性表面波フィ
    ルタ装置。
  20. 【請求項20】前記双方向性変換器の重み付け電極構造
    が、各電極指の弾性表面波の伝播方向と直交する方向の
    長さが弾性表面波の伝播方向に沿って順次変化するアポ
    タイズ法により構成されていることを特徴とする請求項
    19記載の弾性表面波フィルタ装置。
  21. 【請求項21】前記圧電性基板を、水晶基板、タンタル
    酸リチウム基板又はほう酸リチウム基板としたことを特
    徴とする請求項17から20のうちのいずれかに記載の
    弾性表面波フィルタ装置。
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