JPH06233249A

JPH06233249A - テレビジョン信号の構成装置

Info

Publication number: JPH06233249A
Application number: JP5015230A
Authority: JP
Inventors: Yasuhiro Hirano; 裕弘平野; Masahiro Kageyama; 昌広影山
Original assignee: Hitachi Ltd
Current assignee: Hitachi Ltd
Priority date: 1993-02-02
Filing date: 1993-02-02
Publication date: 1994-08-19

Abstract

(57)【要約】【構成】横長なアスペクト比の画像撮像部１で撮像した
画像信号ＶＳＰをもとに、走査線の４〜３変換などの信
号処理を行い、レターボックス方式の横長画像部の信号
ＶＭをつくる。又、輝度の垂直高域成分ＶＨ，ＬＤは時
間軸圧縮，時系列変換４，５，エンファシス処理８を行
い垂直補強信号ＶＨＰとして上下の無画部領域に重畳
し、レターボックス方式ＥＤＴＶのテレビジョン信号Ｖ
Ｓを構成する。【効果】伝送系で加わる雑音に伴う画質妨害が少なく、
高画質，高精細なテレビ画像の送受像ができるレターボ
ックス方式ＥＤＴＶのテレビジョン信号を構成できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はテレビジョン信号の構成
装置に係り、特に、現行テレビ方式との両立性を保存し
て画面のワイド化を図るレターボックス方式ＥＤＴＶに
好適なテレビジョン信号の構成方法および装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】現行テレビ方式との両立性を保有して、
画面のワイド化，高精細化，高品質化を図り、より臨場
感のあるテレビ画像を提供するＥＤＴＶの研究開発が進
められている。そして、これを実現するための種々の方
式が考案され、その一つにレターボックス方式ＥＤＴＶ
が知られている。

【０００３】この方式では、アスペクト比が４対３とは
異なる横長なアスペクト比の横長画像を画面の上下に無
画部領域を設けて送像し、画面のワイド化を図る。ま
た、画面の上下の無画部領域などには輝度の垂直周波数
の高域成分などを垂直補強信号として重畳する。さら
に、輝度の水平周波数の高域成分などは水平補強信号と
して画面の上下の無画部領域や横長画像の領域に重畳す
る。受像側ではこれら補強信号から元の輝度の水平，垂
直の高域成分を再生し、高精細，高画質な画像を受像す
る。そして、レターボックス方式で重畳する補強信号類
に関しては、特開平2−107081 号，特開平2−113688
号，特開平3−179986 号，特開平3−187692 号，特開平
3−206788 号公報に記載のものなどの発明が行われてい
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記の従来の技術で
は、送像側では時間圧縮した垂直の高域成分で垂直補強
信号を生成し、受像側では時間伸長の処理で元の高域成
分を再生する。このため、伝送系で垂直補強信号に加わ
った雑音は受像側での時間伸長によって視覚的に目立ち
やすい雑音に変換され、目障りな画質妨害となる。すな
わち、従来の技術によるレターボックス方式ＥＤＴＶの
テレビジョン信号では、伝送系で加わる雑音によって目
障りな画質妨害が発生するため、Ｓ／Ｎ比の悪い信号で
は垂直補強信号を画像再生に使用できないという問題が
ある。この問題は垂直補強信号の重畳レベルを大きくす
ることで改善を図ることが可能になるが、この信号を現
行受像機で受信した場合には妨害が大きくなるために両
立性が損われるという問題が生じる。

【０００５】本発明の目的は、伝送系で加わる雑音に起
因した画質妨害が少なく、また、現行受像機での妨害も
少ないレターボックス方式ＥＤＴＶのテレビジョン信号
の構成装置を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明では、輝度の垂直周波数の高域成分を時間圧
縮して生成した垂直補強信号に対して、その水平周波数
の高域成分の利得をもちあげるエンファシス処理を行っ
た信号を画像の上下の無画部領域に重畳する。

【０００７】また、本発明では、振幅変調による周波数
変換で水平周波数の低域，高域成分をそれぞれ高域，低
域に周波数シフトした垂直補強信号、あるいは、非線形
特性により振幅値を抑圧した垂直補強信号に対してエン
ファシス処理を行った信号を画面の上下の無画部領域に
重畳する。

【０００８】

【作用】本発明によるテレビジョン信号では、受像側で
デエンファシス処理により水平周波数の高域成分の利得
を低下させて正規の信号レベルの垂直補強信号に復調し
て画像再生を行う。このため、伝送系で垂直補強信号に
加わった雑音成分はデエンファシス処理によって成分が
数分の１に抑圧され、これに起因した画質妨害を低減す
ることができる。

【０００９】また、本発明によるテレビジョン信号で
は、振幅変調による周波数シフト、あるいは非線形特性
による振幅値抑圧などを行った垂直補強信号を重畳す
る。このため、現行受像機で受信した場合には、垂直補
強信号の主要な成分は色信号として再生、あるいは低輝
度の信号として再生され、現行受像機への妨害を低減す
ることができる。

【００１０】

【実施例】以下、垂直補強信号を画面の上下の無画部領
域，水平補強信号を横長画像部の領域に重畳するレター
ボックス方式ＥＤＴＶのテレビジョン信号の場合を例
に、本発明による実施例について説明する。

【００１１】図１は、本発明の第一の実施例のブロック
図を示し、順次走査の形態の画像撮像部で撮像した画像
信号に好適なものである。

【００１２】順次撮像部１では、例えば、アスペクト比
１６対９，走査形態がＮＴＳＣ方式の二倍の動作速度の
走査線数５２５本，６０フレーム／秒，１：１の順次走
査の形態で画像信号ＶＳＰ（例えば三原色Ｒ，Ｇ，Ｂ）
を撮像する。

【００１３】Ａ／Ｄ変換部２では、色副搬送波ｆ_scの、
例えば、八倍の周波数で標本化を行い、ディジタルの信
号Ｖ１に変換する。そして、ＹＩＱ変換部３では所定の
マトリクス演算処理により三原色系から輝度，色差Ｉ，
Ｑ系への変換を行い、有効画素走査線数４８０本，１：
１の順次走査（以後４８０Ｐ系と略称）の信号Ｖ２（輝
度信号Ｙ２，色差信号Ｉ２，Ｑ２）を生成する。

【００１４】走査線４〜３変換部４では、四本の走査線
の信号より三本の走査線の信号を生成する走査線数の４
〜３変換処理を行い、有効画素走査線数３６０本，１：
１の順次走査（以後３６０Ｐと略称）の信号Ｖ３（輝度
信号Ｙ３，色差信号Ｉ３，Ｑ３）、および、この変換処
理で失なわれる輝度の垂直高域成分ＶＨを生成する。

【００１５】インタレース走査変換部５では、１：１の
順次走査の信号から２：１のインタレース走査の信号へ
の順次〜インタレース走査変換処理を行い、有効画素走
査線数３６０本，２：１のインタレース走査（以後３６
０Ｉと略称）の信号Ｖ４（輝度信号Ｙ４，色差信号Ｉ
４，Ｑ４）、および、この変換処理で失なわれる輝度の
垂直高域成分ＬＤを生成する。

【００１６】画信号エンコーダ部６では、輝度信号Ｙ４
の水平高域成分ＹＨ(４.２ＭＨｚ以上）を２〜４ＭＨｚ
帯に周波数シフトした水平補強信号ＨＨの生成，輝度信
号Ｙ４の水平低域成分ＹＬ(４.２ＭＨｚ以下）に色差信
号Ｉ４，Ｑ４を色副搬送波ｆ_scで直交振幅変調して得ら
れる色信号Ｃを多重した画信号ＶＭの生成を行い、画信
号に水平補強信号を重畳して横長画像部に対応する３６
０Ｉ系の信号ＶＭ，ＨＨを生成する。

【００１７】垂直高域前処理部７では、サブサンプリン
グ，時間圧縮による情報量の反縮，時系列変換，時分割
多重の処理を行い、画面の上下の無画部領域の期間の垂
直補強信号ＶＰを生成する。

【００１８】エンファシス部８では、信号ＶＰの水平周
波数の高域成分の利得をもちあげるエンファシス処理を
行い、エンファシス処理した垂直補強信号ＶＨＰを生成
する。

【００１９】プロセス部９では、画面の上下の無画部領
域の期間は信号ＶＨＰ，横長画像部の領域の期間は信号
ＶＭ，ＨＨを選択し、所定の同期信号，バースト信号，
識別信号の付加を行う。そして、Ｄ／Ａ変換部１０でア
ナログの信号に変換し、レターボックス方式ＥＤＴＶの
テレビジョン信号ＶＳを生成する。

【００２０】以下、本実施例の各ブロック部について説
明する。なお、Ａ／Ｄ変換部２，ＹＩＱ変換部３，プロ
セス部９，Ｄ／Ａ変換部１０は従来の技術で容易に構成
できるので説明は省略する。

【００２１】図２は走査線４〜３変換部４における信号
処理の概要、図３はその一実施例を示す。図２に示す様
に、４８０Ｐ系の走査線Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄの四本の信号を
もとに、３６０Ｐ系の走査線Ｘ，Ｙ，Ｚの三本の信号を
生成し、走査線の４〜３変換を実現する。この変換に使
用する変換行列の一例を同図に示す。これは、走査線
Ｘ，Ｙ，Ｚの信号を直線補間の特性で生成するものであ
り、輝度信号に対しては変換行列１，色差信号に対して
は変換行列２による演算で３６０Ｐ系の走査線の信号、
および輝度の垂直高域成分ＶＨをつくる。なお、受像側
では、この変換行列の逆行列による演算で走査線の３〜
４変換をを行い、３６０Ｐ系から４８０Ｐ系の信号を再
生する。

【００２２】図３はこの走査線４〜３変換部４の一実施
例で、（ａ）に構成、（ｂ）にメモリ部の動作を示す。
４８０Ｐ系の信号Ｖ２の輝度信号Ｙ２，色差信号Ｉ２，
Ｑ２はそれぞれ変換行列演算部１１，１２に入力する。
変換行列演算部１１では変換行列１による演算を行い、
走査線Ｘ，Ｙ，Ｚの信号および輝度の垂直高域成分ＶＨ
を生成する。一方、変換行列演算部１２では変換行列２
による演算を行い、走査線Ｘ，Ｙ，Ｚの信号を生成す
る。メモリ部１３では、同図（ｂ）に示す様に、順次、
走査１フレーム期間を周期とするＷＴ動作で走査線Ｘ，
Ｙ，Ｚの信号をメモリに書き込む。一方、読み出しは横
長画像部領域の３６０走査線の期間のＲＤ動作で行い、
３６０Ｐ系の信号Ｖ３の輝度信号Ｙ３，色差信号Ｉ３，
Ｑ３を生成する。

【００２３】つぎに、図４，図５によりインタレース走
査変換部５を説明する。この信号処理の概要を図４に示
す。３６０Ｐ系の走査線Ａ，Ｂの信号をもとに３６０Ｉ
系の走査線Ｘの信号を生成し、順次〜インタレース走査
変換を実現する。この変換に使用する変換行列の一例を
同図に示す。これは、走査線Ａ，Ｂの信号の平均値で走
査線Ｘの信号を生成するものである。そして、輝度信号
に対しては変換行列３，色差信号に対しては変換行列４
による演算を行い、３６０Ｉ系の走査線の信号、および
輝度の垂直高域成分ＬＤを生成する。

【００２４】図５はこのインタレース走査変換部５の一
実施例図で、（ａ）は構成、（ｂ）はメモリ部の動作を
示す。３６０Ｐ系の信号Ｖ３の輝度信号Ｙ３，色差信号
Ｉ３，Ｑ３は、それぞれ変換行列演算部１４，１５に入
力する。変換行列演算部１４では変換行列３による演算
を行い、走査線Ｘの信号および輝度の垂直高域成分ＬＤ
を生成する。一方、変換行列演算部１５では変換行列４
による演算で走査線Ｘの信号を生成する。メモリ部１６
では、同図（ｂ）に示す様に、順次走査の２ライン期間
を周期に１ライン期間のＷＴ動作で走査線Ｘの信号をメ
モリに書き込む。一方、メモリからはインタレース走査
の１ライン期間を周期とするＲＤ動作で走査線Ｘの信号
を読み出し、３６０Ｉ系の信号Ｖ４の輝度信号Ｙ４，色
差信号Ｉ４，Ｑ４を生成する。

【００２５】つぎに、図６，図７により画信号エンコー
ダ部６を説明する。図６はこの一実施例である。３６０
Ｉ系の信号Ｖ４の輝度信号Ｙ４，色差信号Ｉ４，Ｑ４
は、それぞれプリコーミング部１７，１８，１９，２０
に入力する。プリコーミング部は、水平，垂直，時間の
三次元フィルタで、水平周波数μ（ＭＨｚ），垂直周波
数ν(cph），時間周波数ｆ（Ｈｚ）の三次元周波数領域
での特性が、例えば、図７に示すものである。そして、
プリコーミング部１７では、μ＜４.２ＭＨｚ以下、か
つ、２ＭＨｚ＜μ＜４.２ＭＨｚの成分はｆ−ν周波数
領域の斜線部領域が阻止域となる特性で、後述する色信
号Ｃ，水平補強信号ＨＨへの漏話になる成分を除去した
輝度低域信号ＹＬを抽出する。また、プリコーミング部
１８では、μ＞４.２ＭＨｚ、かつ、ｆ−ν周波数領域
の原点の周りの四角部領域が通過域の特性で、輝度高域
信ＹＨを抽出する。一方、プリコーミング部１９では、
μ＜１.５ＭＨｚかつ、ｆ−ν周波数領域の原点の周り
の四角部領域が通過域の特性で、色差信号Ｉを抽出す
る。また、プリコーミング部２０では、μ＜０.５MHz、
かつ、ｆ−ν周波数領域の原点の周りの四角部領域が通
過域の特性で、色差信号Ｑを抽出する。

【００２６】振幅変調部２２では、信号ＹＨを副搬送波
μ₀（μ₀＝１６ｆ_sc／７）で搬送波抑圧振幅変調し、そ
の２〜４ＭＨｚ帯の成分を抽出して水平補強信号ＨＨを
生成する。なお、μ₀の位相は、ライン周期毎、フレー
ム周期毎に極性が反転し、同一位相の点がフィールド毎
に降下する関係をもたせ、図７のｆ−ν周波数領域の第
一，第三象限の斜線部領域に信号ＨＨの成分を配置す
る。一方、振幅変調部２３では、ＮＴＳＣテレビジョン
方式と同様に、色差信号Ｉ，Ｑを副搬送波ｆ_scで直交変
調して色信号Ｃを生成する。なお、色信号Ｃの成分は、
ｆ−ν周波数領域では第二，第四象限の斜線部領域に存
在する。

【００２７】加算部２４では、遅延部２１で時間遅延を
調整した輝度低域信号に、水平補強信号，色信号を加算
して、横長画像部の領域に対応する信号ＶＭ，ＨＨを生
成する。なお、水平補強信号ＨＨの重畳を行わない場合
には、プリコーミング部１８，振幅変調部２２を省略し
た形態で画信号エンコーダ部を構成すればよい。

【００２８】つぎに、垂直高域前処理部７の一実施例を
図８により説明する。同図の（ａ）は構成、（ｂ）はメ
モリ部の動作を示す。輝度の垂直高域成分ＶＨ，ＬＤ
は、プリフィルタ部２５，サブサンプリング部２６で情
報量の圧縮を行う。すなわち、プリフィルタ部２５で
は、標本点の間引き処理に伴う折り返し成分の混入を避
けるため、所定の周波数帯域制限を行い、前もって混入
成分を除去する。そして、サブサンプリング部２６で
は、標本点の、例えば、３対１，４対１など所定の間引
き処理を行い、情報量を１／３，１／４に圧縮した信号
系列を生成する。メモリ部２７では、時間圧縮，時系列
変換の処理を行う。すなわち、同図（ｂ）に示す様なＷ
Ｔ動作により、間引きした標本点の信号をメモリに書き
込む。一方、メモリからは画面の上部，下部の無画部領
域の期間でのＲＤ動作によって信号の読み出しを行い、
時間圧縮，時系列変換の処理を行った信号を生成する。
マルチプレクス部２８では、両者の信号を所定の手順で
時分割に多重して、垂直補強信号ＶＰを生成する。

【００２９】つぎに、図９，図１０によりエンファシス
部８を説明する。図９はこの第一の実施例図である。垂
直補強信号ＶＰは、ＨＰＦ部２９、および遅延部３１に
入力する。ＨＰＦ部２９では信号ＶＰの水平周波数の高
域成分ＶＰＨを抽出する。係数加重部３０では定数αを
乗算する処理を行い、信号α・ＶＰＨを生成する。そし
て、加算部３２では遅延部３１で時間遅延を調整した信
号に加算して、同図（ｂ）の実線で示す様に高域成分の
利得がもちあがった特性でエンファシス処理した垂直補
強信号ＶＨＰを生成する。なお、受像側では、信号ＶＨ
Ｐに対して点線で示す特性のデエンファシス処理を行
い、元の垂直補強信号ＶＰを再生する。

【００３０】図１０は、この第二の実施例図で、垂直補
強信号ＶＰの水平周波数の低域成分を高域，高域成分を
低域に周波数シフトさせた信号にエンファシス処理を行
うに好適なものである。振幅変調部３３では、信号ＶＰ
を、例えば、副搬送波μ₀／２（８ｆ_sc／７）で振幅変
調し、その４.２ＭＨｚ以下の成分を抽出して周波数シ
フトした信号ＶＰＳを生成する。そして、この信号に対
して図９の実施例と同様に、ＨＰＦ部２９でその高域成
分ＶＰＨを抽出し、係数加重部３０で定数αを乗算し、
加算部３２でこの信号に遅延部３１で時間遅延を調整し
た信号を加算し、エンファシス処理した垂直補強信号Ｖ
ＨＰを生成する。

【００３１】本発明では、垂直高域前処理部７，エンフ
ァシス部８を縦続に接続した形態で垂直補強信号エンコ
ーダ部を構成するが、さらに非線形処理を組み合せるこ
ともできる。この一実施例を図１１に示す。同図（ａ）
はそのブロック図で、前述した垂直高域前処理部７とエ
ンファシス部８の間に非線形処理部３４を設ける。そし
て、垂直高域前処理部７の出力の信号ＶＰに対して、同
図（ｂ）の実線で示す様な入出力特性で小レベルの信号
は振幅値を大きく、高レベルの信号は振幅値を抑圧する
非線形処理を行った信号ＶＰＮを生成する。この信号に
対して、図９あるいは図１０で構成されるエンファシス
部８でエンファシス処理を行い、最終的な垂直補強信号
ＶＨＰを生成する。なお、非線形処理部３４における非
線形処理は、例えばＲＯＭによるテーブルルックアップ
などで簡単に実現できる。

【００３２】この様に、本実施例によれば伝送系で垂直
補強信号に加わる雑音に起因する目障りな画質妨害が少
なく、また、現行受像機での妨害の少ないレターボック
ス方式ＥＤＴＶのテレビジョン信号を生成する装置を実
現することができる。

【００３３】つぎに、本発明の第二の実施例を図１２に
示すブロック図により説明する。これは、ＨＤＴＶの画
像撮像部で撮像した画像信号でレターボックス方式ＥＤ
ＴＶのテレビジョン信号を生成するに好適なものであ
る。

【００３４】ＨＤＴＶ撮像部３５では、アスペクト比１
６対９，走査線数１１２５本，３０フレーム／秒，２：
１のインタレース走査の形態で画像信号ＶＳＨ（例え
ば、三原色Ｒ，Ｇ，Ｂ）を撮像する。そして、方式変換
部３６では、走査形態がNTSC方式の二倍の動作速度の走
査線数５２５本，６０フレーム／秒，１：１の順次走査
の画像信号ＶＳＰに変換する。

【００３５】Ａ／Ｄ変換部２では、色副搬送波ｆ_scの、
例えば、八倍の周波数で標本化を行い、ディジタルの信
号Ｖ１に変換する。そして、ＹＩＱ変換部３では所定の
マトリクス演算の処理で三原色系から輝度，色差Ｉ，Ｑ
系への変換を行い、４８０Ｐ系の信号Ｖ２（輝度信号Ｙ
２，色差信号Ｉ２，Ｑ２）を生成する。

【００３６】走査線４〜３変換部４では、四本の走査線
の信号から三本の走査線の信号を生成する走査線数の４
〜３変換の処理を行い、３６０Ｐ系の信号Ｖ３（輝度信
号Ｙ３，色差信号Ｉ３，Ｑ３）および輝度の垂直高域成
分ＶＨを生成する。

【００３７】インタレース走査変換部５では、順次走査
から２：１のインタレース走査の信号への走査変換の処
理を行い、３６０Ｉ系の信号Ｖ４（輝度信号Ｙ４，色差
信号Ｉ４，Ｑ４）、および輝度の垂直高域成分ＬＤを生
成する。

【００３８】画信号エンコーダ部６では、輝度信号の水
平高域成分(４.２ＭＨｚ以上）を抽出して２〜４ＭＨｚ
の周波数帯にシフトする処理を行い、水平補強信号ＨＨ
を生成する。また、輝度信号の水平低域成分(４.２ＭＨ
ｚ以下）に色差信号を色副搬送波ｆ_scで直交振幅変調し
て得られる色信号を重畳し、横長画像部の画信号ＶＭを
生成する。そして、両者の信号を加算して、横長画像部
に水平補強信号が重畳した３６０Ｉ系の信号ＶＭ，ＨＨ
を生成する。

【００３９】垂直高域前処理部７では、サブサンプリン
グ処理による情報量の圧縮、および時間圧縮，時系列変
換，時分割多重の処理を行い、画面の上下の無画部領域
の期間の垂直補強信号ＶＰを生成する。

【００４０】エンファシス部８では、信号ＶＰの水平周
波数の高域成分の利得をもちあげるエンファシス処理を
行い、垂直補強信号ＶＨＰを生成する。

【００４１】プロセス部９では、画面の上下の無画部領
域の期間は信号ＶＨＰ，横長画像部の領域の期間は信号
ＶＭ，ＨＨを選択し、さらに所定の位置に同期信号，バ
ースト信号，識別信号の付加を行う。そして、Ｄ／Ａ変
換部１０ではアナログの信号への変換を行い、レターボ
ックス方式ＥＤＴＶのテレビジョン信号ＶＳを生成す
る。

【００４２】なお、本実施例における各ブロック部は第
一の実施例と同様に構成することができるので説明は省
略する。

【００４３】この様に、本実施例によれば伝送系で垂直
補強信号に加わる雑音に起因する目障りな画質妨害が少
なく、また、現行受像機での妨害の少ないレターボック
ス方式ＥＤＴＶのテレビジョン信号を生成する構成装置
が実現できる。

【００４４】つぎに、本発明の第三の実施例を図１３に
示すブロック図により説明する。これは、ＮＴＳＣテレ
ビジョン方式と同一の走査形態の画像撮像部で撮像した
画像信号でレターボックス方式ＥＤＴＶのテレビジョン
信号を生成するに好適なものである。

【００４５】インタレース撮像部３７では、アスペクト
比１６対９，走査形態がＮＴＳＣテレビジョン方式と同
一の走査線数５２５本，３０フレーム／秒，２：１のイ
ンタレース走査で画像信号ＶＳＩ（例えば三原色Ｒ，
Ｇ，Ｂ）を撮像する。

【００４６】Ａ／Ｄ変換部２では、色副搬送波ｆ_scの、
例えば四倍の周波数で標本化を行い、ディジタルの信号
Ｖ５に変換する。そして、ＹＩＱ変換部３では所定のマ
トリクス演算の処理で三原色系から輝度，色差Ｉ，Ｑ系
への変換を行い、有効画素走査線数４８０本，２：１の
インタレース走査（以後４８０Ｉ系と略称）の信号Ｖ６
（輝度信号Ｙ６，色差信号Ｉ６，Ｑ６）を生成する。

【００４７】インタレース走査線４〜３変換部３８で
は、四本の走査線の信号から三本の走査線の信号を生成
する走査線数の４〜３変換の処理を行い、３６０Ｉ系の
信号Ｖ４（輝度信号Ｙ４，色差信号Ｉ４，Ｑ４）および
輝度の垂直高域成分ＶＨを生成する。

【００４８】画信号エンコーダ部６では、輝度信号の水
平高域成分ＹＨ(４.２ＭＨｚ以上）を抽出して２〜４Ｍ
Ｈｚの周波数帯にシフトする処理を行い、水平補強信号
ＨＨの生成する。また、輝度信号の水平低域成分(４.２
ＭＨｚ以下）に色差信号を色副搬送波ｆ_scで直交振幅変
調して得られる色信号を重畳し、横長画像部の画信号Ｖ
Ｍを生成する。そして、両者の信号を加算して、横長画
像部に水平補強信号が重畳した３６０Ｉ系の信号ＶＭ，
ＨＨを生成する。

【００４９】垂直高域前処理部７では、サブサンプリン
グ処理による情報量の圧縮、および時間圧縮，時系列変
換，時分割多重の処理を行い、画面の上下の無画部領域
の期間の垂直補強信号ＶＰを生成する。そして、エンフ
ァシス部８では、信号ＶＰの水平周波数の高域成分の利
得をもちあげるエンファシス処理を行った垂直補強信号
ＶＨＰを生成する。

【００５０】プロセス部９では、画面の上下の無画部領
域の期間は信号ＶＨＰ，横長画像部の領域の期間は信号
ＶＭ，ＨＨを選択し、所定の位置に同期信号，バースト
信号，識別信号の付加を行う。そして、Ｄ／Ａ変換部１
０でアナログの信号への変換を行い、レターボックス方
式ＥＤＴＶのテレビジョン信号ＶＳを生成する。

【００５１】図１４は、この実施例におけるインタレー
ス走査線４〜３変換部３８での信号処理の概要を示す。
４８０Ｉ系の走査線Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄの四本の走査線の信
号をもとに、３６０Ｉ系の走査線Ｘ，Ｙ，Ｚの三本の信
号を生成する。これを直線補間の特性で生成する場合に
使用する変換行列の一例を同図に示す。輝度信号に対し
ては、第一フィールドの期間は変換行列１，第二フィー
ルドの期間は変換行列１′による演算で３６０Ｉ系の走
査線Ｘ，Ｙ，Ｚ、および垂直高域成分ＶＨの信号を生成
する。一方、色差信号に対しては、第一，第二フィール
ドの期間でそれぞれ変換行列２，変換行列２′による演
算で３６０Ｉ系の走査線Ｘ，Ｙ，Ｚの信号を生成する。
なお、第一，第二のフィールドで係数値の異なる変換行
列を使用するのは、３６０Ｐ系の信号で２：１のインタ
レース走査の関係を満足させるためである。この信号処
理は図３と同様な構成で実現できるため、実施例につい
ての説明は省略する。

【００５２】本実施例によれば伝送系で垂直補強信号に
加わる雑音に起因する目障りな画質妨害が少なく、ま
た、現行受像機での妨害の少ないレターボックス方式Ｅ
ＤＴＶのテレビジョン信号を生成する構成装置を実現す
ることができる。

【００５３】つぎに、本発明の第四の実施例を図１５に
示すブロック図により説明する。これは、ＮＴＳＣテレ
ビジョン方式と同一の走査形態で撮像した画像信号をも
とにレターボックス方式ＥＤＴＶのテレビジョン信号を
生成するに好適なものである。

【００５４】インタレース撮像部７では、アスペクト比
が１６対９，走査形態がＮＴＳＣテレビジョン方式と同
一の走査線数５２５本，３０フレーム／秒，２：１のイ
ンタレース走査で画像信号ＶＳＩ（例えば、三原色Ｒ，
Ｇ，Ｂ）を撮像する。

【００５５】Ａ／Ｄ変換部２では、色副搬送波ｆ_scの例
えば四倍の周波数で標本化を行い、ディジタルの信号Ｖ
５に変換する。そして、ＹＩＱ変換部３では所定のマト
リクス演算の処理で三原色系から輝度，色差Ｉ，Ｑ系へ
の変換を行い、４８０Ｉ系の信号Ｖ６（輝度信号Ｙ６，
色差信号Ｉ６，Ｑ６）を生成する。

【００５６】順次変換部３９では、インタレース走査で
抜けた走査線の信号を前後のフィールドの走査線，同一
フィールドの上下の走査線の信号から補間して順次走査
の信号に変換するインタレース〜順次の走査変換を行
う。そして、４８０Ｐ系の信号Ｖ２（輝度信号Ｙ２，色
差信号Ｉ２，Ｑ２）を生成する。なお、この補間は、静
止部に適した補間走査線の信号と動画部に適した補間走
査線の信号を動きに応じてその混合比を変化して補間走
査線の信号を生成する動き適応型の信号処理が望まし
い。

【００５７】走査線４〜３変換部４では、四本の走査線
の信号より三本の走査線の信号を生成する走査線数の４
〜３変換の処理を行い、３６０Ｐ系の信号Ｖ３（輝度信
号Ｙ３，色差信号Ｉ３，Ｑ３）および輝度の垂直高域成
分ＶＨを生成する。

【００５８】インタレース走査変換部５では、順次走査
から２：１のインタレース走査の信号への走査変換の処
理を行い、３６０Ｉ系の信号Ｖ４（輝度信号Ｙ４，色差
信号Ｉ４，Ｑ４）、および輝度の垂直高域成分ＬＤを生
成する。

【００５９】画信号エンコーダ部６では、輝度信号の水
平高域成分(４.２ＭＨｚ以上）を抽出して２〜４ＭＨｚ
の周波数帯にシフトする処理で水平補強信号ＨＨを生成
する。また、輝度信号の水平低域成分(４.２ＭＨｚ以
下）に色差信号を色副搬送波ｆ_scで直交振幅変調して得
られる色信号を重畳して横長画像部の画信号ＶＭを生成
する。そして、両者の信号を加算して、横長画像部に水
平補強信号が重畳した３６０Ｉ系の信号ＶＭ，ＨＨを生
成する。

【００６０】垂直高域前処理部７では、サブサンプリン
グ処理による情報量の圧縮、および時間圧縮，時系列変
換，時分割多重の処理を行い、画面の上下の無画部領域
の期間の垂直補強信号ＶＰを生成する。そして、エンフ
ァシス部８では、信号ＶＰの水平周波数の高域成分の利
得をもちあげるエンファシス処理を行った垂直補強信号
ＶＨＰを生成する。

【００６１】プロセス部９では、画面の上下の無画部領
域の期間は信号ＶＨＰ，横長画像部の領域の期間は信号
ＶＭ，ＨＨを選択し、さらに、所定の位置に同期信号，
バースト信号，識別信号を付加する。そして、Ｄ／Ａ変
換部１０でアナログの信号への変換を行い、レターボッ
クス方式ＥＤＴＶのテレビジョン信号ＶＳを生成する。

【００６２】なお、本実施例における各ブロック部は第
一の実施例と同様に実現すればよいので説明は省略す
る。

【００６３】この様に、本実施例によれば、伝送系で垂
直補強信号に加わる雑音に起因する目障りな画質妨害が
少なく、また、現行受像機での妨害の少ないレターボッ
クス方式ＥＤＴＶのテレビジョン信号を生成する構成装
置が実現できる。

【００６４】なお、実施例の説明ではいずれも画面の上
下の無画部領域に垂直補強信号，横長画像部に水平補強
信号を重畳した形態のレターボックス方式ＥＤＴＶのテ
レビジョン信号を例に述べたが、これ以外の重畳形態に
ついても本発明が有効なことは明らかである。

【００６５】また、実施例では変換行列により生成され
る輝度の垂直高域成分ＶＨ，ＬＤを垂直補強信号として
用いる例で述べたが、これとは異なる垂直高域成分を垂
直補強信号に使用する場合にも本発明を適用することが
できる。

【００６６】

【発明の効果】本発明によれば、伝送系で加わる雑音な
どに起因した目障りな画質劣化がなく、また、現行受像
機で受信した場合にも妨害の少ないレターボックス方式
EDTVのテレビジョン信号の構成方法ならびに装置が実現
でき、テレビ画像の高画質化，高精細化に効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例のブロック図。

【図２】走査線４〜３変換の信号処理の説明図。

【図３】走査線４〜３変換部の一実施例の説明図。

【図４】インタレース走査変換の信号処理の説明図。

【図５】インタレース走査変換部の一実施例の説明図。

【図６】画信号エンコーダ部の一実施例のブロック図。

【図７】プリコーミング部の周波数特性例の説明図。

【図８】垂直高域前処理部の一実施例の説明図。

【図９】エンファシス部の第一の実施例の説明図。

【図１０】エンファシス部の第二の実施例のブロック
図。

【図１１】垂直補強信号エンコーダ部の他の実施例の説
明図。

【図１２】本発明の第二の実施例のブロック図。

【図１３】本発明の第三の実施例のブロック図。

【図１４】インタレース走査線４〜３変換の信号処理の
説明図。

【図１５】本発明の第四の一実施例のブロック図。

【符号の説明】

１…順次撮像部、２…Ａ／Ｄ変換部、３…ＹＩＱ変換
部、４…走査線４〜３変換部、５…インタレース走査変
換部、６…画信号エンコーダ部、７…垂直高域前処理
部、８…エンファシス部、９…プロセス部、１０…Ｄ／
Ａ変換部。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】アスペクト比が４対３とは異なる横長なア
スペクト比の横長画像を画面の上下に無画部領域を設け
て送像するレターボックス方式ＥＤＴＶのテレビジョン
信号の構成方法および装置において、前記横長画像の信
号を横長なアスペクト比の画像撮像部で撮像した画像信
号より生成する信号処理の手段、前記横長画像の信号の
生成で失なわれる輝度の垂直周波数の高域成分を前記画
面の上下の無画部領域に情報量を圧縮した垂直補強信号
として重畳する信号処理の手段と、前記垂直補強信号の
水平周波数の高域成分の利得をもち上げるエンファシス
処理を行う手段とからなることを特徴とするテレビジョ
ン信号の構成装置。
【請求項２】請求項１に記載の前記エンファシス処理
は、振幅変調処理で水平周波数の低域成分，高域成分を
それぞれ水平周波数の高域，低域成分に周波数変換する
周波数シフトを行った垂直補強信号に対して適用するテ
レビジョン信号の構成装置。
【請求項３】請求項１または２において、垂直補強信号
に対して非線形特性により振幅値を抑圧する信号処理を
行うテレビジョン信号の構成装置。
【請求項４】請求項１，２または３において、横長なア
スペクト比の画像撮像部とは、アスペクト比が１６対
９，走査形態がＮＴＳＣ方式と同一の走査線数５２５
本，３０フレーム／秒，２：１のインタレース走査で構
成するテレビジョン信号の構成装置。
【請求項５】請求項１，２または３において、横長なア
スペクト比の画像撮像部とは、アスペクト比が１６対
９，走査形態がＮＴＳＣ方式の二倍の動作速度の走査線
数525本，６０フレーム／秒、１：１の順次走査で構成
するテレビジョン信号の構成装置。
【請求項６】請求項１，２または３において、横長なア
スペクト比の画像撮像部とは、アスペクト比が１６対
９，走査形態が走査線数１１２５本，３０フレーム／
秒、２：１のインタレース走査で構成するテレビジョン
信号の構成装置。
【請求項７】請求項１，２，３，４，５，６または７に
おいて、横長画像部の輝度の水平周波数の高域成分を振
幅変調処理で低域成分に周波数変換する周波数シフトで
生成し、水平補強信号として横長画像部の領域に重畳す
るテレビジョン信号の構成装置。