JPH06230409A - 光変調素子 - Google Patents

光変調素子

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JPH06230409A
JPH06230409A JP3271093A JP3271093A JPH06230409A JP H06230409 A JPH06230409 A JP H06230409A JP 3271093 A JP3271093 A JP 3271093A JP 3271093 A JP3271093 A JP 3271093A JP H06230409 A JPH06230409 A JP H06230409A
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JP3271093A
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English (en)
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Toshiyasu Eguchi
稔康 江口
Shigeo Shimizu
滋雄 清水
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Victor Company of Japan Ltd
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Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 極めて優れた高速応答特性を有する光変調素
子を提供する。 【構成】 基板2aには透明電極3a,液晶分子配向層
6aが積層され、基板2bには透明電極3b,光導電層
4,光反射層5,液晶配向層6bが積層され、基板2
a,2bの間にはスペーサ8a,8bによって液晶層7
が封入されている。液晶層7は、厚さd(μm)と屈折
率異方性Δnとの積Δn・dが0.45μm〜0.75
μmの範囲内であり、液晶分子配向層6a上の液晶分子
のティルト角が0度〜10度の範囲内であり、かつ液晶
配向層6b上の液晶分子のティルト角が80度〜90度
の範囲内にあるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、投写型表示装置等に用
いられる応答特性の極めて優れた光変調素子に関する。
【0002】
【従来の技術】表示装置には直視型の装置と投写型の装
置とがあり、投写型の装置としては液晶を使った光変調
素子を用いるものが既に実用化されている。図7は光変
調素子を用いた投写型表示装置の原理図である。図7に
おいて、光変調素子10には書込み光学系から発せられ
る書込み光11によって像が書込まれる。一方、光源1
3より発せられた光はコンデンサレンズ14により平行
光とされた後、偏光ビームスプリッタ15に入射し、そ
の入射光の内のS偏光成分は進行方向が接合面で反射し
直角に曲げられることにより、読出し光12として光変
調素子10に入射する。
【0003】ここで、光変調素子10の液晶層に像が描
かれていると、光変調素子10で反射された反射光中に
は液晶層の像の濃淡に応じて変調を受け、P偏光成分が
含まれるようになる。この反射光中のP偏光成分は偏光
ビームスプリッタ15をそのまま通過し、投写レンズ1
6を介してスクリーン17上に像が投写される。従っ
て、光変調素子10に書込まれている像がスクリーン1
7へ投写されることになる。
【0004】図8はこの投写型表示装置に用いられる従
来の光変調素子10の一例の構造を示す図である。図8
において、液晶層9の周りにはスペーサ8a,8bが配
され、液晶層9の両面には液晶配向層6a,6bが設け
られている。液晶配向層6bの外側には誘電体からなる
光反射層5が積層され、この光反射層5の外側には例え
ば非晶質水素化シリコン(a−Si:H)からなる光導
電層4が積層されている。そして、液晶配向層6a及び
光導電層4の外側には酸化スズ(SnO2 )や酸化イン
ジウム(In2 3 )からなる透明電極3a,3bが配
され、透明基板2a,2bによって封止された構造とな
っている。
【0005】このような構造の光変調素子10におい
て、透明電極3a,3b間には交流駆動電圧が印加さ
れ、書込み側から書込み光11が照射されていない状態
での光導電層4の内部インピーダンスを液晶層9のそれ
よりも十分大きい値に設定しておくことにより、駆動電
圧は主に光導電層4に印加されることになる。そして、
書込み光11が照射され、その書込み光11によって光
導電層4上に像を描くときには、光導電層4の内部イン
ピーダンスが像の濃淡に応じて局部的に低下するため、
その低下部分に隣接する液晶層9には透明電極3a,3
b間の駆動電圧が像の濃淡に応じて空間変調されて印加
されるようになって像が書込まれることになる。
【0006】ここで、従来の光変調素子10に用いられ
る液晶層9の液晶分子の配列方向,読出し光の偏光方向
について、45度ツイスト配向の液晶層によるハイブリ
ッド電界効果モードを用いた光変調素子や、ECB(el
ectrically controlled birefringence )効果を利用し
た初期の液晶分子配向が垂直配向あるいは水平配向の光
変調素子が知られている。水平配向の液晶層9の液晶分
子はその分子長軸が基板2a,2bにわずかなプレティ
ルト角を有し、略平行になるよう配列している。さら
に、液晶層9の液晶分子は液晶配向層6a,6b上でそ
れぞれが平行に配向されている。
【0007】このような水平配向の液晶層9を有する光
変調素子10を図7に示す投写型表示装置に用い、光変
調素子10と読出し光源13との間の偏光ビームスプリ
ッタ15の偏光軸を入射側の液晶層9の液晶分子軸と4
5度をなすように配置すると、直線偏光された入射光は
液晶層9を通過することにより生じる異常光と常光との
間のリタデーション(位相遅れ)Rならびに位相差δ
は、液晶分子の屈折率異方性をΔn、液晶層厚をd、入
射光の波長をλとすると、R=Δn・d、δ=2πR/
λで表され、光反射層5により反射して再び液晶層9を
通過する際に再びリタデーションRならびに位相差δを
生じる。偏光ビームスプリッタ15を透過する透過光強
度Jは、数1となる。この条件で透過光強度Jが小さく
なる状態に光変調素子10は作成される。
【0008】
【数1】
【0009】これに対し、光変調素子10の透明電極3
a,3b間に電界を印加していくと、正の誘電率異方性
を持つ液晶分子は基板2a,2bに垂直に近づくような
傾斜した配列になる。このように、液晶分子は基板2
a,2bに対して分子軸方向が変化すると共に実効的な
屈折率異方性は変化するので、リタデーションRが変化
する。このことにより、電界によって液晶層9の複屈折
率が変化し、光のP偏光成分とS偏光成分との比を制御
できるので、電界の印加により偏光ビームスプリッタ1
5を透過する光の強度が変化し、スクリーン17上に像
が投写されることとなる。
【0010】上述した従来の光変調素子10の一例の条
件を表1に示す。
【0011】
【表1】
【0012】表1に示す条件の従来の光変調素子10に
電界を印加した際の応答特性を図9に示す。図9におい
て、横軸は電界印加後の経過時間、縦軸は入射光量(図
7中の偏光ビームスプリッタ15に入射する光)と出射
光量(図7中の偏光ビームスプリッタ15を出射する
光)との比である出射光量/入射光量を示している。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、光変調
素子10に電界を印加すると、液晶層9の液晶分子は基
板2a,2bとのなす角を増大してある傾斜に達する
が、電界の印加からコントラスト比を最大にとれる所望
の傾斜に至る時間、即ち書込み時間が図9に示すように
53ms程度かかり、動画等を表示させる場合に追従で
きなくなるという問題点があった。そこで本発明はこの
ような問題点に鑑み、従来の光変調素子とは異なった液
晶分子の配列方向をとることによって極めて優れた高速
応答特性を有する光変調素子を提供することを目的とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した従来
の技術の課題を解決するため、第1及び第2の液晶配向
層に挟装された液晶層と前記第2の液晶配向層上に光反
射層を介して積層された光導電層とを対向する1対の透
明電極間に挟装してなり、前記光導電層側より書込み光
を照射して像を書込み、前記第1の液晶配向層側より読
出し光を照射して前記書込まれた像を読出す光変調素子
において、前記液晶層は、前記読出し光の偏光方向が前
記液晶層における前記第1の液晶配向層上の液晶分子の
配列方向に対して30度〜60度の範囲内の角度にある
とき、ネマティック液晶が前記液晶層の厚さd(μm)
と屈折率異方性Δnとの積Δn・dが0.45μm〜
0.75μmの範囲内にあるものであり、前記液晶層に
おける前記第1及び第2の液晶配向層の内の一方の液晶
配向層上の液晶分子のティルト角が0度〜10度の範囲
内であり、かつ他方の液晶配向層上の液晶分子のティル
ト角が80度〜90度の範囲内であることを特徴とする
光変調素子を提供するものである。
【0015】
【実施例】以下、本発明の光変調素子について、添付図
面を参照して説明する。図1は本発明の光変調素子の一
実施例の構造を示す図、図2は本発明の光変調素子にお
ける液晶分子の配列方向を説明するための図、図3は液
晶分子のティルト角と出射光量/入射光量との関係を示
す図、図4は読出し光の偏光方向に対する読出し光が入
射される側の液晶配向層上の液晶分子の配列方向と出射
光量/入射光量との関係を示す図、図5は液晶層の厚さ
dと屈折率異方性Δnとの積Δn・dと出射光量/入射
光量との関係を示す図、図6は本発明の光変調素子の応
答特性を示す図である。なお、図1において、図8と同
一部分には同一符号が付してある。
【0016】本発明の光変調素子1は従来の光変調素子
10と基本的構造は同一であるが、液晶層における液晶
分子の配列方向が異なっている。液晶分子の配列方向に
ついては後に詳述することとする。本発明の光変調素子
1は、図1に示すように、透明な基板2a,2bが略均
等な間隔で平行に対向しており、この基板2aの基板2
bに対向する側には透明電極3aが、基板2bの基板2
aに対向する側には透明電極3bが設けられている。そ
して、この透明電極3b上には、書込み光11の光強度
で比抵抗が変化する光導電層4が積層形成され、さら
に、光導電層4上には光反射層5が積層形成されてい
る。また、透明電極3a上には液晶配向層6aが、光反
射層5上には液晶配向層6bが積層して設けられてい
る。このように、基板2aには透明電極3a,液晶分子
配向層6aが積層して設けられ、基板2bには透明電極
3b,光導電層4,光反射層5,液晶配向層6bが積層
して設けられ、これら基板2a,2bの間には、従来の
液晶層9とは異なる液晶分子の配列方向を有する液晶層
7が挟装されている。なお、8a及び8bは上記と同
様、基板2a,2bの間に所定間隔を保って液晶を封入
させるためのスペーサである。
【0017】ここで、基板2a,2bは本実施例では例
えば透明なガラス板を用いているが、透明な樹脂板を用
いることもできる。また、透明電極3a,3bは、一般
に酸化インジウム膜または酸化スズ膜等で形成する。透
明電極3b上に形成される光導電層4は、非晶質水素化
シリコン,セレン化カドミウム(CdSe),硫化鉛
(PbS)等の各種の光導電物質を単独に、または複合
化して用いることができる。光導電層4上に積層される
光反射層5は硫化亜鉛(ZnS):フッ化マグネシウム
(MgF2 )多層膜,酸化ケイ素(SiO):二酸化ケ
イ素(SiO2 )多層膜等の誘電体多層膜を用いる。
【0018】さらに、液晶配向層6a,6bは、これま
でに知られている液晶表示素子の液晶配向層を用いるこ
とができ、どのような液晶分子をどのように配列させる
かにより適宜選択して用いればよく、本実施例では上側
基板2aの液晶配向層6aには液晶分子が水平配列にな
るポリイミド,ポリアミドやポリビニル等の高分子膜を
用い、下側基板2bの液晶配向層6bには予めSiO,
SiO2 の斜方蒸着やスパッタによりプレティルト角を
付与した後、液晶分子が垂直配列となる長鎖アルコール
やシランカップリング剤やクロム錯体等を用いて形成し
ている。
【0019】次に、本発明の光変調素子1における液晶
層7について詳細に説明する。液晶層7の液晶材料は、
正または負の誘電率異方性を有するネマティック液晶を
用いる。これは、フッソ系,シッフ系,アゾ系,アゾキ
シ系,エステル系,ビフェニル系,ターフェニル系,シ
クロヘキサン系,ピリミジン系,ジオキサン系等の各種
の液晶物質を単独に、または混合して用いることができ
る。
【0020】さらに、液晶層7における液晶分子の配列
方向について図2を用いて説明する。図2(A)におい
て、液晶層7における液晶配向層6aに接した部分の液
晶分子を液晶配向層6a上の液晶分子7aと表現し、液
晶層7における液晶配向層6bに接した部分の液晶分子
を液晶配向層6b上の液晶分子7bと表現すると、液晶
配向層6a上の液晶分子7aの長軸と基板2a(液晶配
向層6a)の基板面とがなすティルト角θ1は0度〜1
0度の範囲内で配列しており、液晶配向層6b上の液晶
分子7bの長軸と基板2b(液晶配向層6b)の基板面
とがなすティルト角θ2は80度〜90度の範囲内で配
列し、液晶分子7a,7bは液晶配向層6a,6b上で
それぞれが平行に配向されている。なお、図2中のXは
偏光ビームスプリッタ15の偏光軸(または偏光軸と直
交する軸)方向、Yは偏光ビームスプリッタ15の偏光
軸と直交する軸(または偏光軸)方向である。
【0021】図3(A)はティルト角θ1と前述の出射
光量/入射光量との関係を、図3(B)はティルト角θ
2と前述の出射光量/入射光量との関係を、それぞれ電
界を印加したとき(オン)と印加していないとき(オ
フ)について示している。これより、一方の基板面に対
するティルト角θ1は0度〜10度の範囲内で、他方の
基板面に対するティルト角θ2は80度〜90度の範囲
内であるとき、コントラスト比を十分大きくとれること
が分かる。なお、ティルト角θ1が80度〜90度の範
囲内で、ティルト角θ2が0度〜10度の範囲内として
も同様の結果が得られる。また、一方の基板面に対する
ティルト角θ1が0度に近付くほど、他方の基板面に対
するティルト角θ2が90度に近付くほどコントラスト
比は大きくなるが、応答速度の低下や、液晶分子の配列
のディスクリネーション(反転)が生じやすくなるのと
いう問題点がある。
【0022】図2(B)には、液晶配向層6a上の液晶
分子7aと液晶配向層6b上の液晶分子7bとの捩れ角
φを示している。なお、液晶分子の捩れ角φは0度に近
付く(平行)ほど光学特性に優れている。
【0023】また、本発明の光変調素子1に入射する光
の偏光軸方向は、読出し光12が入射する上側基板2a
側の液晶配向層6a上の液晶分子7aに対し、コントラ
スト比等を考慮すると、45度であることが望ましく、
30度〜60度の範囲内に設定する。図4には読出し光
12の偏光方向に対する液晶配向層6a上の液晶分子7
aの配列方向と前述の出射光量/入射光量との関係を電
界がオンとオフの場合について示している。なお、本明
細書中で用いている偏光方向とは、電界方向及び磁界方
向両方を言う。この図4より、光変調素子1に入射する
読出し光12の偏光方向に対する液晶配向層6a上の液
晶分子7aの配列方向は30度〜60度の範囲内でコン
トラスト比を大きくとれることが分かる。さらに、図5
には液晶層7の厚さd(μm)と屈折率異方性Δnとの
積Δn・dと、前述の出射光量/入射光量との関係を電
界がオンとオフの場合について示している。この図5よ
り、本発明の光変調素子1は液晶層7の厚さd(μm)
と屈折率異方性Δnとの積Δn・dに顕著な依存性を示
しており、コントラスト比,明るさの点から、0.45
μm〜0.75μmの範囲内で良好な結果を示すことが
分かる。
【0024】このように、入射光(読出し光12)の偏
光方向が液晶層7における液晶配向層6a上の液晶分子
7aの配列方向に対して30度〜60度の範囲内の角度
にあるとき、ネマティック液晶が液晶層7の厚さd(μ
m)と屈折率異方性Δnとの積Δn・dが0.45μm
〜0.75μmの範囲内であり、液晶層7における液晶
配向層6a,6bの内の一方の液晶配向層上の液晶分子
7a(7b)のティルト角θ1が0度〜10度の範囲内
であり、かつ他方の液晶配向層上の液晶分子7b(7
a)のティルト角θ2が80度〜90度の範囲内である
液晶層7を備えた本発明の光変調素子1は、図7に示す
ような投写型表示装置の画像作成要素として利用され
る。
【0025】この投写型表示装置においては、例えばC
RT画面から発せられる光を書込み光11として光変調
素子1に入射し画像を書き込む。一方、光源13より発
せられた光はコンデンサレンズ14により平行光とされ
た後、偏光ビームスプリッタ15を介して光変調素子1
に照射される。光変調素子1の光反射層5で反射される
空間変調された光は偏光ビームスプリッタ15を透過
し、投写レンズ16を介してスクリーン17上に結像す
る。ここで、光変調素子1は、電界を印加し、液晶分子
の全体が一様に傾いた状態で、上側基板2a側の液晶配
向層6a上の液晶分子7aの軸方向に対し偏光ビームス
プリッタ15の偏光軸とのなす角を30度〜60度の範
囲内になるように配置される。
【0026】さらに、本発明の光変調素子1の動作につ
いて説明する。図1において、透明電極3a,3b間に
は図示せぬ外部電源が接続され、最適に設定された交流
駆動電圧が印加される。ここで、書込み側から書込み光
11が照射されていない状態での光導電層4の内部イン
ピーダンスは液晶層7のそれよりも十分大きい値に設定
してあるので、駆動電圧は主に光導電層4に印加される
ことになる。そして、書込み光11が照射され、その書
込み光11によって光導電層4上に像を描くときには、
光導電層4の内部インピーダンスが像の濃淡に応じて局
部的に低下するため、その低下部分に隣接する液晶層7
には透明電極3a,3b間の駆動電圧が像の濃淡に応じ
て空間変調されて印加され、液晶層7における印加され
る電圧が増大した部分の液晶分子は配列状態を変える。
【0027】印加される電圧が増大すると、正の誘電率
異方性を有する液晶分子の長軸方向は、基板2a,2b
に垂直に近付くような傾斜した配列となる。即ち、液晶
配向層6a上の液晶分子7aの長軸方向は予め与えられ
たティルト角θ1が0度〜10度と小さいので電圧が印
加されたときのティルト角θ1の変化は大きいが、液晶
配向層6b上の液晶分子7bの長軸方向は予め与えられ
たティルト角θ2が80度〜90度と大きいので、電圧
が印加されたときのティルト角θ2の変化は小さい。こ
のような状態での光変調素子1は、液晶分子の軸方向が
変化すると共に実効的な屈折率異方性は変化するので複
屈折率は変化し、光反射層5で反射して再び液晶層7を
透過した後に出射する光は、もはや偏光ビームスプリッ
タ15で進行方向が直角に曲げられて液晶層7に入射す
るときの直線偏光にはならず、偏光ビームスプリッタ1
5を透過する光が得られるようになる。
【0028】そして、この光変調素子1は、入射される
書込み光11による光導電層4の内部インピーダンスの
変化に対応して液晶層7の液晶分子の配列状態が可逆的
に遷移することを利用しているため、書込み光11が照
射されなくなれば自動的に初期の配向状態に戻ることか
ら、蓄積された像は時間遅れを伴って消去される。
【0029】表1には従来の光変調素子10の一例の条
件と併せて、本発明の光変調素子1の条件(実施例〜
)を示している。そして、表1に示す条件(実施例
)の本発明の光変調素子1に電界を印加した際の応答
特性を図6に示す。図6は図9と同様、横軸は電界印加
後の経過時間、縦軸は出射光量/入射光量である。この
図6より、電界の印加からコントラスト比を最大にとれ
る所望の傾斜に至る時間、即ち書込み時間は10ms程
度であり、本発明の光変調素子1は著しく高速の応答特
性を有していることが分かる。
【0030】以上説明した本実施例では、液晶層7にお
ける初期の液晶分子配向を液晶層7の厚さ方向に水平配
向として説明したが、これに限定されるものではなく、
液晶層7の厚さ方向に捩れ角を有する螺旋構造の配向で
あってもよく、さらに、負の誘電率異方性を有するネマ
ティック液晶であっても全く同じ効果が得られることは
勿論であり、本発明の思想をいささかも変更するもので
はない。このように、本発明の光変調素子1は本発明の
要旨を逸脱しない範囲において実施態様を種々適宜に変
更可能である。
【0031】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の光
変調素子は、入射光(読出し光)の偏光方向が液晶層に
おける液晶配向層上の液晶分子の配列方向に対して30
度〜60度の範囲内の角度にあるとき、ネマティック液
晶が液晶層の厚さd(μm)と屈折率異方性Δnとの積
Δn・dが0.45μm〜0.75μmの範囲内であ
り、液晶層における液晶配向層の内の一方の液晶配向層
上の液晶分子のティルト角が0度〜10度の範囲内であ
り、かつ他方の液晶配向層上の液晶分子のティルト角が
80度〜90度の範囲内である液晶層を備えて構成した
ので、極めて優れた高速応答特性を有し、これにより像
の書込み時間を短くすることができるので動画等を表示
する際に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光変調素子の一実施例の構造を示す図
である。
【図2】本発明の光変調素子における液晶分子の配列方
向を説明するための図である。
【図3】液晶分子のティルト角と出射光量/入射光量と
の関係を示す図である。
【図4】読出し光の偏光方向に対する読出し光が入射さ
れる側の液晶配向層上の液晶分子の配列方向と出射光量
/入射光量との関係を示す図である。
【図5】液晶層の厚さdと屈折率異方性Δnとの積Δn
・dと出射光量/入射光量との関係を示す図である。
【図6】本発明の光変調素子の応答特性を示す図であ
る。
【図7】光変調素子を用いた投写型表示装置の原理図で
ある。
【図8】従来の光変調素子の一例の構造を示す図であ
る。
【図9】従来の光変調素子の応答特性を示す図である。
【符号の説明】
1,10 光変調素子 2a,2b 基板 3a,3b 透明電極 4 光導電層 5 光反射層 6a,6b 液晶配向層 7 液晶層 8a,8b スペーサ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1及び第2の液晶配向層に挟装された液
    晶層と前記第2の液晶配向層上に光反射層を介して積層
    された光導電層とを対向する1対の透明電極間に挟装し
    てなり、前記光導電層側より書込み光を照射して像を書
    込み、前記第1の液晶配向層側より読出し光を照射して
    前記書込まれた像を読出す光変調素子において、 前記液晶層は、前記読出し光の偏光方向が前記液晶層に
    おける前記第1の液晶配向層上の液晶分子の配列方向に
    対して30度〜60度の範囲内の角度にあるとき、ネマ
    ティック液晶が前記液晶層の厚さd(μm)と屈折率異
    方性Δnとの積Δn・dが0.45μm〜0.75μm
    の範囲内にあるものであり、 前記液晶層における前記第1及び第2の液晶配向層の内
    の一方の液晶配向層上の液晶分子のティルト角が0度〜
    10度の範囲内であり、かつ他方の液晶配向層上の液晶
    分子のティルト角が80度〜90度の範囲内であること
    を特徴とする光変調素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006243760A (ja) * 2006-06-12 2006-09-14 Hamamatsu Photonics Kk 空間光変調装置
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