JPH06227940A - 化粧料 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 植物抽出物と亜硫酸またはその塩類を含有す
る化粧料。 【効果】本発明の化粧料は植物抽出物の配合による初期
着色および経時的変色がなく、化粧料として外観的にも
好ましいものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、植物抽出物を配合した
化粧料において植物抽出物による初期着色を軽減し、か
つ植物抽出物を配合したことによる経時的変色を防止し
た化粧料に関する。

【０００２】

【従来の技術】植物抽出物は皮膚に対して皮膚保護作
用、保湿、細胞賦活などの優れた効果を有する。しか
し、化粧料に高濃度配合した場合は植物抽出物による初
期着色および経時的変色により化粧料の外観が著しく劣
化する、という欠点を有していた。そこで、この着色お
よび変色防止剤としてアスコルビン酸またはその塩、エ
リトルビン酸塩、ポリアミドなどが用いられてきたが、
これらは何れも着色および変色防止剤としての効果が小
さく、その持続性も低かった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、植物抽出物を化粧料の基剤に配合した場合、得られ
る化粧料が植物抽出物による生薬由来の色に着色し、時
間を経るとともにその色が変化することを防ぎ、商品価
値が低下しない化粧料を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは化粧品の植物抽出物による着色および経時的
変色を防止でき、かつ皮膚等に悪影響を及ぼすことのな
い添加剤を鋭意探索した結果、亜硫酸またはその塩類に
優れた着色および変色抑制効果があることを見出し、本
発明を完成した。すなわち、本発明は植物抽出物と亜硫
酸塩またはその塩を含有することを特徴とする化粧料で
ある。

【０００５】本発明に用いられる植物抽出物としてはア
ロエ、カッコン、チョウジ、シソ、リョクチャ、オウゴ
ン、ソウハクヒ、カンゾウなどの植物からの抽出液が挙
げられる。これらの植物抽出物は、例えば前記植物から
水、エタノール、メタノール、１，３−ブチレングリコ
ールおよびこれらの混合液により１５〜８０℃の温度で
抽出することにより調製することができる。

【０００６】かかる植物抽出物の配合量は、乾燥重量で
組成物全体に対して０．００１〜１０重量％、特に０．
０１〜５重量％が好ましい。

【０００７】本発明に用いられる亜硫酸塩としては亜硫
酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸カリウ
ム、亜硫酸カルシウムなどが挙げられる。また、これら
の配合量は植物抽出物に対して０．１〜１００重量％が
好ましく、１〜１０重量％が特に好ましい。０．１重量
％未満では植物抽出物による初期着色および経時的変色
を充分に防止することができず、１００重量％を超える
と化粧料自体の不安定化を生ずることがある。

【０００８】本発明の化粧料においては前記必須成分の
他に、化粧料一般に用いられる各種成分、すなわち、水
性成分、粉末成分、界面活性剤、保湿成分、増粘剤、油
剤、ｐＨ調整剤、香料などを本発明の効果を損なわない
範囲内で配合することができる。

【０００９】ここで水性成分としてはエデト酸２ナトリ
ウム、エタノールなどが；粉末成分としてはタルク、セ
リサイト、マイカ、カオリン、シリカ、ベントナイト、
バーミキュライト、亜鉛華、雲母、雲母チタン、酸化マ
グネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、ベンガ
ラ、酸化鉄、群青などが；界面活性剤としてはポリオキ
シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪
酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エス
テル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪
酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エス
テル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエ
チレンソルビトール脂肪酸エステルなどの非イオン界面
活性剤が；保湿成分としてはソルビトール、キシリトー
ル、グリセリン、マルチトール、プロピレングリコー
ル、１，３−ブチレングリコール、１，４−ブチレング
リコール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳
酸ナトリウム、ポリオキシプロピレン脂肪酸エステル、
ポリエチレングリコールなどが；増粘剤としてはカルボ
キシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、ポ
リビニルアルコール、カラギーナン、ゼラチンなどの水
溶性高分子や塩化ナトリウム、塩化カリウムなどの電解
質などが；油剤としては流動パラフィン、ワセリン、パ
ラフィンワックス、スクワラン、ミツロウ、カルナウバ
ロウ、オリーブ油、ラノリン、高級アルコールと脂肪酸
の合成エステル油、シリコーン油などが；ｐＨ調整剤と
しては乳酸−乳酸ナトリウム、クエン酸−クエン酸ナト
リウムなどが挙げられる。

【００１０】本発明の化粧料の製造法はその形態によっ
て異なるが、通常、前記成分を必要により加熱して混合
すればよい。また、本発明化粧料のｐＨは５〜７に調整
するのが好ましい。ｐＨがこの範囲、すなわち弱酸性の
場合は、特に初期着色および経時的変色防止効果が優れ
ている。

【００１１】また、本発明化粧料の形態としてはクリー
ム、乳液、美容液、軟膏状、ローション状などが挙げら
れる。

【００１２】

【発明の効果】本発明の化粧料は植物抽出物の配合によ
る初期着色および経時的変色がないため、外観による品
質低下がなく、植物抽出物の作用を有効に発揮させるこ
とができるものである。

【００１３】

【実施例】次に実施例、試験例により本発明を説明する
が、本発明はこれらによって何ら限定されるものではな
い。

【００１４】実施例１〜６、比較例１〜１２の化粧用ク
リームの製法：表１〜６の油相成分（Ａ）を８０℃まで
加熱溶解したものに、攪拌しながら加熱した水相成分
（Ｂ）を加えて乳化した後、攪拌しながら室温まで冷却
して化粧用クリームを製した。

【００１５】実施例１〜３：クリーム

【００１６】

【表１】

【００１７】実施例４〜６：クリーム

【００１８】

【表２】

【００１９】比較例１〜３：クリーム

【００２０】

【表３】

【００２１】比較例４〜６：クリーム

【００２２】

【表４】

【００２３】比較例７〜９：クリーム

【００２４】

【表５】

【００２５】比較例１０〜１２：クリーム

【００２６】

【表６】

【００２７】試験例 実施例１〜６、および比較例１〜１２で得られた化粧用
クリームをガラス容器に入れ、初期着色（淡黄色の着色
の有無）並びに温度４０℃で２ヶ月保存後の変色（褐色
への変化）を目視観察により、以下の基準で評価した。

【００２８】

【表７】着色抑制効果 効果あり：○ やや効果あり：△ 効果なし：×変色抑制効果 変色なし：１ わずかに変色あり：２ 変色あり：３ 著しい変色あり：４

【００２９】表８に示された結果より、本発明化粧料は
着色および変色抑制効果に極めて効果があることが判明
した。

【００３０】

【表８】

【００３１】実施例７〜１２の化粧用乳液の製法：表
９、１０の油相成分（Ａ）を８０℃まで加熱溶解したも
のに、攪拌しながら加熱した水相成分（Ｂ）を加えて乳
化した後、攪拌しながら室温まで冷却して化粧用乳液を
製した。

【００３２】実施例７〜９：乳液

【００３３】

【表９】

【００３４】実施例１０〜１２：乳液

【００３５】

【表１０】

【００３６】実施例１３〜１５の化粧用美容液の製法：
表１１の（Ａ）成分を攪拌分散した後、これに（Ｄ）の
６５部加え（Ｆ）とする。一方で（Ｂ）、（Ｅ）成分を
攪拌溶解した後、残りの（Ｄ）を加え（Ｇ）とする。次
に（Ｆ）を攪拌しながら（Ｇ）を加えて均一にした後、
（Ｃ）成分を加え攪拌溶解して化粧用美容液を製した。

【００３７】実施例１３〜１５：美容液

【００３８】

【表１１】

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】植物抽出物と亜硫酸またはその塩類を含有
   することを特徴とする化粧料。