JPH06226323A - 形鋼の潤滑圧延法および潤滑装置 - Google Patents

形鋼の潤滑圧延法および潤滑装置

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JPH06226323A
JPH06226323A JP1564493A JP1564493A JPH06226323A JP H06226323 A JPH06226323 A JP H06226323A JP 1564493 A JP1564493 A JP 1564493A JP 1564493 A JP1564493 A JP 1564493A JP H06226323 A JPH06226323 A JP H06226323A
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JP
Japan
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lubricant
roll
rolling
flange
horizontal roll
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JP1564493A
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Taneharu Nishino
胤治 西野
Yosuke Miura
洋介 三浦
Kazuo Watanabe
和夫 渡辺
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Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 H形鋼等のフランジを有する形鋼をユニバー
サル圧延するに際して、製品の高寸法精度を維持したま
ま、最も摩耗が激しいユニバーサル水平ロールの長寿命
化を実現する。 【構成】 H形鋼等のユニバーサル圧延に際し、ユニバ
ーサルミル水平ロール側面内の被圧延材フランジとの接
触領域に、フランジ先端側の約1/2〜1/5の範囲を
転写ローラを介して高粘度潤滑剤で局部集中潤滑し、残
りの領域を無潤滑のまま圧延する。安定した圧延状態を
維持し、製品の寸法精度を高く保持しつつ摩耗量を低減
することができ、ロールの長寿命化を実現する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はユニバーサル圧延機によ
りH形鋼、I形鋼や溝形鋼等のフランジを有する形鋼を
潤滑圧延する方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にH形鋼、I形鋼等のフランジを有
する形鋼は、図8に示すように左右竪ロール2,3およ
び上下水平ロール4,5の軸芯が同一鉛直面上にあるユ
ニバーサル圧延機を用いて圧延造形されている。その場
合の問題点の一つは、図9に示すように、圧延に伴って
水平ロール側面41,51のうち、フランジ先端側から
約1/2の領域(以下、単に「フランジ先端接触領域」
と称する)411,511の摩耗量が、残りの領域のそ
れのほぼ10倍程度も大きく、ロール原単位およびフラ
ンジ厚み精度の律則条件となっていることである。
【0003】次に、水平ロール側面の摩耗パターンが図
9のようになる理由を図10のユニバーサル圧延機によ
るH形鋼圧延の説明図を用いて説明する。図10(a)
の平面図および側面図(b)において、1Aは被圧延材
の圧延前の断面形状、1Bは被圧延材の圧延後の断面形
状である。矢印X方向に走行する被圧延材1Aのフラン
ジ1Dは、水平ロール4(5)の側面と竪ロール2,3
によって、図10(b)の斜線部の領域SF1−EF1
−EF2−SF2の接触領域(以下、単に「接触領域」
と称する)内で圧延されて、フランジ厚さがtF1から
tF2となる。被圧延材1Aのウェブ1Cはこの間に水
平ロール4と5によってSWからEWの間で圧延され
て、ウェブ厚さはtW1からtW2となる。この場合、
ウェブの圧延については通常の板圧延に近く、被圧延材
ウェブ面の速度と水平ロール周速度はほぼ等しいため、
ロール面と被圧延材ウェブ面間の相対滑りは小さい。従
って、図9に示すように水平ロールのウェブ面との接触
領域42,52については比較的ロール摩耗量も小さ
い。しかしながら、フランジの圧延については通常の板
圧延とは状況が全く異なる。
【0004】図11(a)はH400×400サイズの
H形鋼のユニバーサル圧延を例に、接触領域内全域で被
圧延材フランジ内面と水平ロール側面が滑っていると仮
定した場合に、接触領域内の各点における水平ロール側
面に対する被圧延材の相対速度(以下、単に「相対速
度」と称する)の分布を矢印の大きさと方向で示してい
る。図11(a)からわかるように、接触領域における
相対速度はその大きさと方向が各点で異なり、特にフラ
ンジ先端部が接触する位置SF2〜EF2間および入口
コーナー部SF1付近では非常に大きな相対速度になっ
ている。
【0005】なお、図11(a)において破線で示した
曲線ABは相対速度の水平方向(図10のX方向)成分
が0となる点を結んで得られた曲線であり、中立線と呼
ばれる。ちなみに、相対速度の垂直成分と水平成分のい
ずれもが0になる(すなわち、水平ロール側面速度と被
圧延材速度が一致する)のは、中立線上のB点のみであ
る。接触領域内では、水平ロール側面と被圧延材フラン
ジ内面はこのような相対速度をもって互いに摩擦し合っ
ているため、水平ロール側面の被圧延材フランジ内面と
の滑り距離は、これを接触領域内の軌跡に沿って積分す
れば得られ、ロール側面上の点が接触領域を一回通過す
る際の滑り距離は図11(b)の破線のようになる。す
なわち、被圧延材フランジ先端付近が接触する部分の滑
り距離が最も大きいことがわかる。実際は、この滑り距
離の影響に接触圧力分布、温度分布等による影響が加わ
って、図9で示した水平ロール側面摩耗パターンが現れ
る。
【0006】さらに、実圧延における摩耗パターンを支
配する要因として固着領域の存在がある。すなわち、被
圧延材フランジ面と水平ロール側面の間の摩擦係数があ
る程度高ければ、接触圧力分布と被圧延材温度分布の関
係から、図11(a)の中立線近傍の斜線で示した領域
では被圧延材フランジの剪断降伏応力がロール面から受
ける摩擦応力よりも低く、かつ相対滑り速度が小さいの
で、被圧延材がロールと同調して変形することから、実
際は滑っておらず固着状態にある。そのため、被圧延材
の圧延状態が全体として安定し、固着領域を通過するロ
ール面の受ける滑り距離は図11(b)の実線のよう
に、破線で示した接触領域全面が滑り状態と仮定した場
合の滑り距離(以下、単に「見掛け滑り距離」と称す
る)より小さくなるため、ほぼフランジ片幅中央部から
コーナー部近傍にかけてのロール摩耗量は見掛け滑り距
離に基づく摩耗量に比べて小さくなり、図9で示したフ
ランジ先端付近の局部摩耗が現われる。さらに先端部、
約1/5の領域は入側材料のフランジ先端が前段階のエ
ッジング圧延でバルジングし局部的に厚肉化しているた
め、当該部分の板厚圧減量の増大に伴い局部摩耗が特に
急峻となる。
【0007】上述のロール局部摩耗に対処するため、本
願出願人は例えば特公昭53−39174号公報のロー
ル表面に固形黒鉛を一定圧力で押圧塗布する手段を提供
したが、固形黒鉛の取替えに手間がかかること、押圧力
を均等に保持することが困難なため均一な潤滑効果が得
られない等の難点があった。そこで、これに替わる手段
として流体潤滑剤の供給方式が周知であり、図12はそ
の一般的な構成例である。同図は、上下左右対称の位置
にノズルを配置し、水平ロール側面41,51の被圧延
材フランジ先端接触領域411,511またはコーナー
R部412,512を中心に潤滑剤を供給し、接触領域
での被圧延材フランジ内面と水平ロール側面間の摩擦係
数を低下せしめ、摩耗量を低減する構成を示している。
【0008】ところが、対称な潤滑状態にすべく、上下
水平ロール側面4カ所の接触領域の摩擦係数を等しく保
ちつつ、潤滑剤を供給することは極めて難しい。それは
以下の理由による。すなわち、摩耗低減対象部位、例え
ば図12に示す被圧延材フランジ先端接触領域411,
511に潤滑剤を噴射した場合、重力のために上ロール
の411に噴射された潤滑剤についてはコーナーR部4
12の方向に滴り落ち、下ロールの511に噴射された
潤滑剤についてはロール軸中心C5の方向に滴り落ち
る。このため、潤滑剤を上下対称位置411と511に
潤滑剤を等量噴射したとしても、上ロール4の411に
噴射した潤滑剤は上ロール側面41の全体に、下ロール
5の511に噴射した潤滑剤は鉛直下方に流れるため、
下ロールに対しては噴射部分511のみに有効に働くこ
とになり、上ロールの方が相対的に潤滑状態が良好にな
る。また、上ロールに噴射した潤滑剤が下ロールに滴る
ため、下ロールの潤滑状態の予測が不可能になり、その
制御もしにくくなる。
【0009】さらに、ロールには被圧延材の顕熱、加工
熱等によるヒートクラックを防止するためにロール冷却
水が常時噴射されており、これによる潤滑剤の流出によ
り、潤滑状態はなお一層複雑かつ非対称になる。この結
果、ロール面と被圧延材間の摩擦力が低下して図11
(a)の固着領域全域が消滅し圧延接触領域の全面が滑
り領域になるか、あるいは潤滑状態が上下水平ロール側
面4カ所で非対称になるため、圧延が不安定となる。す
なわち被圧延材の噛み込み不良、スリップや出方不良お
よびこれに起因する寸法形状劣化を招くことになる。
【0010】このため、形鋼ロールの耐用度向上や被圧
延材の表面肌向上、焼付防止を図るべく潤滑圧延の適用
の試みはなされつつも、圧延不安定により止むなく圧延
中に潤滑を中止する事態が多々あり、本格的な採用は困
難な状況であった。特に、高粘度複合潤滑剤は、摩耗量
低減、焼付防止等、適用効果は大きいが、摩擦係数が一
般に小さく全面潤滑では通材不良を発生しやすい。また
従来、潤滑油の供給法として汎用されているノズル噴射
方式は、噴射潤滑面が拡散して局部集中潤滑が困難なば
かりでなく、ノズルの目詰まりを起こし非対称潤滑によ
る圧延トラブルを惹起しやすく、形鋼圧延への適用は至
難な状況であった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明はユニバーサル
圧延機によりH形鋼やI形鋼等のフランジを有する形鋼
の潤滑圧延に際して、ユニバーサル水平ロール側面と被
圧延材フランジ内面間の固着領域を残しつつ、潤滑状態
を対称化し、製品寸法を悪化させることなく、安定した
圧延を実現する方法およびその潤滑装置を提供するもの
である。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、次の通
りである。 (1)フランジを有する形鋼をユニバーサル圧延するに
際し、ユニバーサル圧延機水平ロール側面内の被圧延材
フランジとの接触領域のフランジ先端側から少なくとも
ほぼ1/5の範囲もしくはほぼ1/2以内の周面を高粘
度潤滑剤で部分潤滑し、残りの領域を無潤滑のまま圧延
することを特徴とする形鋼の潤滑圧延法。 (2)フランジを有する形鋼のユニバーサル圧延機水平
ロールの潤滑装置であって、前記水平ロールの側面に対
して押圧機構を介し進退自在に設けた回動自在な転写ロ
ーラと、該転写ローラに潤滑剤を供給する潤滑剤供給機
構とを備えたことを特徴とする潤滑装置。
【0013】(3)フランジを有する形鋼のユニバーサ
ル圧延機水平ロールの潤滑装置であって、前記水平ロー
ルの側面に対して押圧機構を介し進退自在に設けた回動
自在な無限軌道ベルトと、該無限軌道ベルトに高粘度潤
滑剤を供給する潤滑剤供給機構とを備えたことを特徴と
する形鋼圧延の潤滑装置。
【0014】(4)フランジを有する形鋼のユニバーサ
ル圧延機水平ロールの潤滑装置であって、前記水平ロー
ルの側面に対して押圧機構を介し進退自在に設けられた
潤滑剤貯蔵槽と、該潤滑剤貯蔵槽の開放底面に前記水平
ロールの側面と摺動する摺動片と、前記潤滑剤貯蔵槽に
高粘度潤滑剤を供給する潤滑剤供給部とを備えたことを
特徴とする形鋼圧延の潤滑装置。
【0015】
【作用および実施例】本発明は無潤滑の領域を固着状態
に保ちつつ、潤滑圧延効果の高い高粘度潤滑剤を摩耗の
激しい部分にのみ局部集中塗布することにより、圧延の
安定性を確保しつつ、潤滑領域の局部摩耗を低減し、か
つ接触領域全体の摩耗量を均一にするものである。
【0016】以下図面を参照して、本発明の作用および
実施例をさらに詳細に説明する。図9に示す水平ロール
側面摩耗パターンは、図11(b)の実線で示す、中立
線付近の固着領域に着目したロール面の相対滑り距離に
よって説明することができ、摩耗低減には滑り距離の大
きくなるフランジ先端接触領域のフランジ先端側の約1
/2〜1/5を潤滑すればよいことは明らかである。
【0017】ここで、潤滑領域を「フランジ先端側から
少なくともほぼ1/5の範囲もしくはほぼ1/2以内の
周面」と限定した理由は以下のとおりである。図9に示
した水平ロール側面摩耗パターンから明らかなように、
片フランジの幅方向中央部近傍からフランジ先端にかけ
て摩耗量が急激に大きくなっている。特に、先端部約1
/5近傍は単に相対滑り距離が大きいばかりでなく入側
材料の局部的厚肉や低温のため集中的に激しく摩耗す
る。一般にこの摩耗の激しい領域はフランジ先端側の約
1/2〜1/5である。約1/2以上潤滑面を広げると
通材不良や形状寸法不良等の圧延トラブルを頻発する。
約1/5以下に潤滑面を絞ると摩耗低減の成果が得られ
ない。従って、圧延の安定性、圧延サイズ固有の圧延特
性および潤滑剤コストを含めた潤滑圧延適用成果を総合
的に勘案し、フランジ先端側の少なくとも約1/5、最
大で約1/2の範囲内で部分潤滑圧延を行なうのが効果
的である。
【0018】次に、本発明法を実施するための装置例に
ついて図面により説明する。図1(a),(b)は本発
明における各々使用状態を示す正面と側面略図であり、
図9における水平ロールの最大摩耗部位411,511
の摩耗量を低減すべく、潤滑を行なっている状態を示し
ている。図において上下水平ロール4,5と左右竪ロー
ル2,3によりH形鋼1が圧延されており、各ロールは
それぞれ矢印の方向に回転している。
【0019】6は潤滑装置であり、高粘度の例えばグリ
ース系複合潤滑剤を適当な圧力のもとに供給する潤滑剤
供給部15と潤滑剤貯蔵部16を有し、転写ローラ7に
て高粘度の潤滑剤を水平ロール側面20に幅lの範囲で
円周状に塗布する。lは、フランジ接触幅の約1/2〜
1/5とする。転写ローラ7は、軸受を介して軸13で
潤滑剤貯蔵槽8に回動自在に装着されている。潤滑剤貯
蔵槽8は、ホルダー9にロールの半径方向の位置調整可
能に摺動自在に止ピン14と長孔12を介して保定され
ている。ホルダー9は固定版11を介して圧延機に固定
されている。転写ローラ7は潤滑剤貯蔵槽8を介してス
プリング等の押圧機構10により所定圧力で水平ロール
側面に押圧される構造となっている。本発明において潤
滑剤供給機構とは、前記の潤滑剤供給部15、潤滑剤貯
蔵部16および潤滑剤貯蔵槽8とを含めて総称したもの
である。
【0020】潤滑装置6は、図1(a)の如く上下水平
ロールの左右4カ所に設置する。鋼材が図1の方向Xに
圧延される場合、まず、接触領域内の最大摩耗部の領域
を潤滑すべく、潤滑剤供給用転写ローラ7により、水平
ロール側面20に幅lの範囲で円周状に高粘度固体複合
潤滑剤が塗布される。ここで、回動自在な転写ローラ7
は、水平ロール4,5を介して摩擦駆動され、その回転
により潤滑剤貯蔵槽8内の高粘度潤滑剤が転写ローラ7
に付着し、次いで水平ロールの最大摩耗部位411,5
11との接触、押圧により高粘度潤滑剤がロール面へ転
写される。さらに、転写により潤滑剤が除去された転写
ローラ7の表面は、水平ロールとの当接面からの回転力
を受けて潤滑剤貯蔵槽8の潤滑剤貯蔵部16に進入し、
高粘度潤滑剤が再び付着する構造になっている。転写ロ
ーラ7と潤滑剤貯蔵槽8の出側での最小間隙mは、所要
潤滑剤膜厚により決まるもので、通常は0.1mm〜0.
5mm程度に設定する。mが0.1mmより小さいと高粘度
複合潤滑剤中の固体添加物類により目詰まりを生じたり
油膜切れを起こしやすい。一方、mが0.5mmより大き
いと一般に油漏れが増し潤滑剤の効率が低下する。
【0021】従来の低粘度の液体潤滑剤は、ロール面に
付着後重力、ロール冷却水等に加え、ロール回転に伴う
遠心力の影響により液膜となって、ロール側面を滴り、
潤滑の不要な領域に侵入することになり、このため圧延
が不安定となる。しかし、本発明では付着性が高くロー
ル表面で拡散しにくい高粘度固体複合潤滑剤を用いてお
り、しかも、転写ローラ7を被圧延材とロールとの圧延
接触領域へ物理的に可能な限り近接して配置しているの
で、従来のような問題は生じない。ここで、潤滑剤とし
て紫外線硬化タイプを適用すると、転写直後に紫外線を
照射することにより瞬時に硬化し、強固な付着性、耐拡
散性および耐摩擦性が得られるのでさらに効果的であ
る。また、転写前に、高圧蒸気、高圧空気あるいはゴ
ム、フェルト等の水切板により水平ロール側面20の転
写面を水切りすることも有効であり、事前に転写面を清
浄化するほど潤滑効果は大きくなる。
【0022】ここで、本発明装置における転写ローラ7
は図2(a)〜(f)のような各種の構造形式を採用で
きる。(a)は図1と同じく単ローラ型であり、転写式
潤滑剤供給装置の基本型である。(b)は双ローラ型で
転写ローラ7はバックアップロール23により支持され
押付器10にて水平ロールの最大摩耗部位411,51
1に押圧されており、基本型に比べて剛性が高く潤滑剤
の転写ローラ7への付着性が良い。(c)は転写ローラ
7を直列に複数配置とし、より丁寧な塗布を指向してい
る。(d)は2個の転写ローラ7を1個のバックアップ
ロール23で支持するもので、(b)と(d)の長所を
併せ持たせたものである。(e)は1個の転写ローラ7
を2個のバックアップロール23で支持するもので転写
ローラ7の保持剛性を高めている。(f)はバックアッ
プロール23の周囲に転写ローラ7を遊星配置したもの
で、径小の転写ローラ7の剛性と耐用性を高めたもので
ある。
【0023】次に、本発明の潤滑装置としては、図1及
び図2に示すローラ転写手段に限らず、図3或いは図6
に示すベルト転写手段或いはヘラ押圧手段を採用して
も、ほぼ同様の作用効果が期待できる。即ち、図3の例
は、図1における転写ロール7の代わりに無限軌道ベル
ト17を用いたもので、該軌道ベルト17にて高粘度の
潤滑剤を水平ロール側面20に幅lの範囲で円周状に塗
布する。無限軌道ベルト17は、ワークローラ18とバ
ックアップロール19を介して潤滑剤貯蔵槽8に回転自
在に装着されていると共に、スプリング等の押付器10
で所定圧力にて水平ロール側面に押圧される。この無限
軌道ベルト17の働きは図1の転写ローラと全く同一で
あり、ベルト17と潤滑剤貯蔵槽8の出側での最小間隙
mの範囲についても同様である。
【0024】また、無限軌道ベルト17としては、図4
(a),(b)に示すような構造形式がある。(a)は
図3と同じく単ワークローラ型であり、無限軌道ベルト
式転写法による潤滑剤供給装置の基本型である。(b)
は双ワークローラ型で無限軌道ベルト17は2個のワー
クローラ18間で保持され、押付器10にて水平ロール
の最大摩耗部位411或いは511に押圧されており、
基本型に比べて無限軌道ベルト17による塗布接触長さ
を長くできるので、潤滑剤の塗布がより確実となる。
【0025】図5(a),(b)に無限軌道ベルト17
と水平ロールの最大摩耗部位411、511との接触状
態を示す。図5(a)は図4(a)に対応するもので、
ベルト17には回転方向と直角なスリット溝が一定間隔
で多条設けられており、潤滑剤貯蔵層8とベルト17と
の間隔が最小(m)となる出口近傍ではベルト17がワ
ークローラ18と接触して円弧状となりスリット溝が開
口するので、潤滑剤の捕捉性が高まる。転写時には、ス
リット溝が水平ロール411、511に押圧されて弾性
変形し閉口するので捕捉した潤滑剤はロール面に確実に
放出される。図5(b)は図4(b)に対応するもの
で、ベルト17のスリット溝は水平ロール411、51
1との接触長さが図5(a)に比べて長くなり、かつ、
水平ロール411、511の湾曲面にて押し込まれて、
更にスリット溝が閉口するので、低押圧力でも潤滑剤の
確実な転写が可能となる。
【0026】この無限軌道ベルト17を用いる装置にお
いては、油膜厚さは、基本的には押付器10の押付け圧
力でコントロールする。従って、低圧力でも確実な転写
が可能であることが望ましい。なお、上記の例では、ベ
ルト17の材質は硬質ゴムであるが、植毛加工やフェル
ト系の材質とすれば図4(a)の構造でも、低押圧力で
の転写は充分可能である。
【0027】また、更に本発明では図6に示す押付ヘラ
構造の塗布装置を採用することもできる。即ち、図示す
るように、潤滑剤を水平ロール側面20に幅lの範囲で
円周状に押圧塗布するために、摺動片27を潤滑剤貯蔵
部16の出側に設ける。該摺動片27は、いわゆるヘラ
状の塗付け用の突片であり、貯蔵槽8に対して出し入れ
自在に構成し、摺動片27の摩耗に応じて必要な長さだ
け繰り出せるようにしている。22は前記摺動片27の
後方に設けた押付ヘラであって、潤滑剤の流出を防止す
るためのものであり、潤滑剤貯蔵槽8の側面方向のロー
ル面との間隙を覆っている。高粘度潤滑剤の貯蔵槽8の
開放底面は押付ヘラ22と摺動片27を介してユニバー
サルミル水平ロール側面内の被圧延材フランジとの接触
領域411或いは511に相当する水平ロール側面20
へ摺動自在に押圧されている。なお、押付ヘラ22は、
潤滑剤流出防止のシール機能と併せて潤滑剤塗布面の事
前ワイピングの機能も有している。摺動片27は貯蔵槽
8を介してスプリングなどの押付器10により所定圧力
で水平ロール側面に押圧される。
【0028】図7に摺動片27の構造例を示す。図7
(a)は、図6と同じく単ブレード型であり、塗付ヘラ
式塗布法による潤滑剤供給装置の基本型である。図7
(b)は、多段ブレード型で摺動片27は複数個設置さ
れ押付器10にて水平ロールの最大摩耗部位411、5
11に押圧されており、基本型に比べて摺動片27によ
る塗布を複数回行うので、潤滑剤の塗布がより確実とな
る。
【0029】図6の装置において、油膜厚さは、基本的
には押付器10の押付け圧力でコントロールする。摺動
片27及びヘラ22の材質は、硬質ゴムを基本とする
が、植毛加工やフェルト系の材質或いは刷毛の形式とす
れば塗布面は膜切れ等がなく良好である。
【0030】ところで、図1、図3及び図6の実施例は
仕上ロールや連続圧延ロール等の一方向圧延のみのロー
ルへ適用する場合であるが、往復パスを行なうリバース
圧延ロールへ適用する場合は、潤滑装置6を上下水平ロ
ール4,5の圧延方向両側に設置する。但し、潤滑剤と
して極めて付着性と耐用性が強く圧延後も図1の21の
ようにロールに残留するものを使用する場合は、片側の
みに設置しても充分な効果が得られるので、この限りで
はない。ここで、被圧延材が通材中のみ入側の潤滑剤供
給部分15からの潤滑剤供給を行ない、通材していない
間および出側は潤滑剤の供給を停止するというオン・オ
フ制御をすれば潤滑剤の使用量を節減できる。
【0031】また、リバース圧延においては、固定板1
1を水平ロールのチョックに装着することにより、ロー
ルの開閉と連動して潤滑装置6が水平ロールと共に移動
できるので、各パスごとに所定の水平ロール側面20の
部位に転写ローラ7、無限軌道ベルト或いは摺動片が保
持され確実な塗布が可能となる。なお、潤滑装置6はロ
ール半径方向およびロール周面と対向する方向に位置調
整可能としているので、被圧延材のサイズに応じて、最
適な部位への転写が可能である。なお、水平ロールの被
圧延材ウェブ面との接触領域42,52についても、同
様の潤滑法が適用できるが、実操業では、当該領域のロ
ール摩耗量は水平ロール側面のそれに比べて問題になっ
ていないので、不要である。
【0032】
【発明の効果】本発明の潤滑圧延法によると、潤滑圧延
の対称性を維持しながら確実に安定して局部集中潤滑が
可能となるので、従来の潤滑剤供給方式の欠点であった
圧延の不安定化を解消して、製品の寸法精度を高く保
持、かつミル調整のための圧延休止時間を発生させるこ
となく、最も摩耗の激しくなるユニバーサル水平ロール
の側面部の摩耗量を低減することができ、ロールの長寿
命化を実現することができる。また、本発明に係る潤滑
装置は、上記の潤滑圧延法を好適な状態で実施し得るも
のであって、しかも合理的な構造をもち非常に実用性も
高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置および潤滑圧延状況の説明図。
【図2】本発明の転写ローラ構成類型の説明図。
【図3】本発明の潤滑手段の他の例を示す説明図。
【図4】図3における無限軌道ベルトベルトの類型例の
説明図。
【図5】本発明における無限軌道ベルトによる潤滑転写
状況の説明図。
【図6】本発明の潤滑手段のさらに他の例を示す説明
図。
【図7】図6におけるヘラ押付け手段の構成類型を示す
説明図。
【図8】H形鋼のユニバーサル圧延状況を示す図。
【図9】水平ロール摩耗パターン説明図。
【図10】ユニバーサル圧延機によるH形鋼圧延の説明
図。
【図11】水平ロール側面接触領域におけるロール・被
圧延材間の相対速度分布と滑り距離を示す図。
【図12】水平ロール側面への従来潤滑剤供給パターン
を示す図。
【符号の説明】
1A 圧延前の被圧延材 1B 圧延後の被圧延材 2,3 ユニバーサル竪ロール 4,5 ユニバーサル水平ロール 6 潤滑装置 7 転写ローラ 8 潤滑剤貯蔵槽 9 ホルダー 10 押付器 11 固定板 12 長孔 13 軸 14 止ピン 15 潤滑剤供給部 16 潤滑剤貯蔵部 17 無限軌道ベルト 18 ワークローラ 22 押付ヘラ 23 バックアップロール 27 摺動片

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フランジを有する形鋼をユニバーサル圧
    延するに際し、ユニバーサル圧延機水平ロール側面内の
    被圧延材フランジとの接触領域のフランジ先端側から少
    なくともほぼ1/5の範囲もしくはほぼ1/2以内の周
    面を高粘度潤滑剤で部分潤滑し、残りの領域を無潤滑の
    まま圧延することを特徴とする形鋼の潤滑圧延法。
  2. 【請求項2】 フランジを有する形鋼のユニバーサル圧
    延機水平ロールの潤滑装置であって、前記水平ロールの
    側面に対して押圧機構を介し進退自在に設けた回動自在
    な転写ローラと、該転写ローラに潤滑剤を供給する潤滑
    剤供給機構とを備えたことを特徴とする潤滑装置。
  3. 【請求項3】 フランジを有する形鋼のユニバーサル圧
    延機水平ロールの潤滑装置であって、前記水平ロールの
    側面に対して押圧機構を介し進退自在に設けた回動自在
    な無限軌道ベルトと、該無限軌道ベルトに高粘度潤滑剤
    を供給する潤滑剤供給機構とを備えたことを特徴とする
    形鋼圧延の潤滑装置。
  4. 【請求項4】 フランジを有する形鋼のユニバーサル圧
    延機水平ロールの潤滑装置であって、前記水平ロールの
    側面に対して押圧機構を介し進退自在に設けられた潤滑
    剤貯蔵槽と、該潤滑剤貯蔵槽の開放底面に前記水平ロー
    ルの側面と摺動する摺動片と、前記潤滑剤貯蔵槽に高粘
    度潤滑剤を供給する潤滑剤供給部とを備えたことを特徴
    とする形鋼圧延の潤滑装置。
JP1564493A 1993-02-02 1993-02-02 形鋼の潤滑圧延法および潤滑装置 Withdrawn JPH06226323A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003020451A1 (de) * 2001-09-04 2003-03-13 Sms Demag Aktiengesellschaft Vorrichtung zum auftragen von schmierstoffen auf die umfangsfläche von walzen in walzgerüsten
JP2010247196A (ja) * 2009-04-17 2010-11-04 Nippon Steel Corp 形鋼の潤滑圧延方法および潤滑装置

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