JPH06226290A - し尿及び浄化槽汚泥の処理方法 - Google Patents

し尿及び浄化槽汚泥の処理方法

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JPH06226290A
JPH06226290A JP5018625A JP1862593A JPH06226290A JP H06226290 A JPH06226290 A JP H06226290A JP 5018625 A JP5018625 A JP 5018625A JP 1862593 A JP1862593 A JP 1862593A JP H06226290 A JPH06226290 A JP H06226290A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 浄化槽汚泥を主とするし尿等との混合処理に
より、BOD、COD、窒素、リン、色度などが高度に
除去された処理水を得るための合理的な処理システムを
提供することを目的とする。 【構成】 し尿に、し尿の2倍以上の浄化槽汚泥を混合
した後、無機凝集剤と高分子凝集剤とを添加して脱水
し、得られる脱水分離水を生物学的硝化・脱窒処理す
る。 【効果】 し尿に、し尿の2倍以上の浄化槽汚泥を混合
することにより、無機凝集剤によるリンの不溶化が可能
となり、脱水処理により含有されるリンの90%以上を
不溶化除去することができるようになる。このため、生
物処理後の凝集分離工程を設けることなく、合理的な処
理により、高度にリンが除去された処理水を得ることが
できる。脱水効率の向上、生物処理又はそれ以降の後工
程への負荷軽減といった効果も奏され、低含水率脱水ケ
ーキ及び高水質処理水を効率的に得ることが可能とされ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はし尿及び浄化槽汚泥の処
理方法に係り、特に、し尿と浄化槽汚泥とを混合処理し
てBOD、COD、窒素、リン、色度などが高度に除去
された高水質処理水を効率的に得る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、し尿等と浄化槽汚泥とを混合処理
する場合、通常、し尿の混合比率の方が多いことから、
し尿を主な処理対象とする混合処理システムで処理が行
なわれている。
【0003】図2に従来の一般的な混合処理システムの
フローを示す。この処理フローに基く施設は、膜分離脱
窒素処理施設の名称で多数が稼働中である。
【0004】この従来技術では、浄化槽汚泥が主たる処
理対象の場合であっても、前処理で夾雑物を除去した浄
化槽汚泥やし尿を生物学的脱窒素法によって処理し、膜
を透過させた処理水にはリンが高濃度に含まれるため
に、脱リンやCOD、色度の除去を目的とした凝集分離
装置が必要となる。
【0005】このため、膜を透過させてSSを無くした
液に、無機凝集剤を添加して再びSSを発生させた後、
更に固液分離を行なう必要があり、ここで発生した凝集
汚泥は余剰汚泥と共に脱水する必要も生じる。
【0006】また、余剰汚泥の脱水工程では、膜分離に
より生物処理系内に蓄積した高分子有機物を系外に取り
出す必要があるために、無機凝集剤をポリマーと併用す
ることも多く、無機凝集剤を各々別の目的で2ヵ所で使
用するという無駄もある。
【0007】この例の他に、凝集分離を省略してそのま
ま活性炭処理する方法もあるが(特公平4−42076
号公報)、CODや色度は除去されるもののリンは除去
されないので、何らかの脱リン設備が必要である点では
変わりない。
【0008】また別の例として、し尿系汚水にカチオン
ポリマー等の凝集剤を添加して脱水し、その分離液を生
物学的硝化・脱窒処理した後、膜分離する方法もあるが
(特開昭61−185400号公報)、し尿系汚水の脱
水工程でリンを除去することは考慮されておらず、硝化
・脱窒処理及び膜分離処理の後、やはり脱リン工程を必
要とする。
【0009】なお、従来のようにし尿が主である汚水の
脱水工程において、生物処理の後で脱リン工程が不要と
なるよう、90%以上のリンを除去する脱水方法が現在
までに実用化されていないのは、し尿が主の場合はリン
除去に必要な無機凝集剤の添加量が膨大である上にし尿
のアルカリ度が高いために、無機凝集剤添加によるpH
の急激な低下が原因によるトラブルを生じる等、多くの
問題があるからである。即ち、し尿は炭酸イオンを含む
ため、無機凝集剤(塩化第2鉄や硫酸バンド)を添加し
てリンを不溶化しようとすると、無機凝集剤の消費量が
多く、また、炭酸ガスが発生して発泡し、処理が困難と
なる。
【0010】なお、浄化槽汚泥については、鉄系凝集剤
を添加して濃縮工程にて分離水と濃縮汚泥とに分離し、
分離水は生物処理し、生物処理で発生する余剰汚泥は前
記浄化槽汚泥と混合して処理する方法が提案されている
(特開昭57−105297号公報)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】近年、し尿等と浄化槽
汚泥との混合処理に供給される浄化槽汚泥の比率が増大
し、し尿との比率が逆転しているケースも珍しくない。
このため、浄化槽汚泥を主な処理対象とする、即ち、浄
化槽汚泥を多く含む混合液の処理に適した合理的な混合
処理システムの開発が望まれているが、上述の如く、従
来のし尿を主たる処理対象としたし尿処理では、生物処
理の後で脱リン工程を設けずに、処理水中のリンを1m
g/l前後の低レベルにまで除去することはできず、浄
化槽汚泥の性状の特徴を考慮した合理的なし尿との混合
処理システムは未だ開発されていないのが実情である。
【0012】本発明は上記従来の実情に鑑みてなされた
ものであって、浄化槽汚泥を主とするし尿等との混合処
理により、BOD、COD、窒素、リン、色度などが高
度に除去された処理水を得るための合理的な処理システ
ムを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のし尿及び浄化槽
汚泥の処理方法は、し尿に浄化槽汚泥を混合した後、無
機凝集剤と高分子凝集剤とを添加して脱水し、得られる
脱水分離水を生物学的硝化・脱窒処理する方法であっ
て、し尿と混合する浄化槽汚泥の量を該し尿の2倍以上
とすることを特徴とする。
【0014】即ち、本発明者らは、搬入される浄化槽汚
泥量が増大し、し尿との比が逆転する例が増えている現
状に着目し、従来、し尿主体の処理では実現できなかっ
た生物処理後の脱リン工程の省略を浄化槽汚泥主体のし
尿処理とすることにより実現可能とした新しいシステム
を見出し、本発明を完成させた。
【0015】なお、本発明において、浄化槽汚泥とし尿
等との混合比率は重量比を示す。
【0016】
【作用】前述の如く、し尿は炭酸イオンを含むため、無
機凝集剤を添加してリンを不溶化するためには、無機凝
集剤使用量が多く、また、炭酸ガスが発生して発泡し、
脱水処理が困難となるが、本発明に従って、し尿に、し
尿の2倍以上の浄化槽汚泥を混合することにより、無機
凝集剤によるリンの不溶化が可能となり、脱水処理によ
り含有されるリンの90%以上を不溶化除去することが
できるようになる。
【0017】このため、生物処理後の凝集分離工程を設
けることなく、合理的な処理により、高度にリンが除去
された処理水を得ることができる。
【0018】また、脱水効率の向上、生物処理又はそれ
以降の後工程への負荷軽減といった効果も奏され、低含
水率脱水ケーキ及び高水質処理水を効率的に得ることが
可能となる。
【0019】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て詳細に説明する。
【0020】図1は本発明のし尿及び浄化槽汚泥の処理
方法の一実施例方法を示す系統図である。図1におい
て、1、2は受入槽、3は前処理工程、4、5、10は
貯留槽、6は反応槽、7は造粒濃縮槽、8は焼却工程、
9は脱水機、11は生物反応槽(生物学的硝化・脱窒処
理工程)、12は膜分離装置、13は活性炭処理装置、
21〜25、27〜34および36〜41の各符号は配
管を示す。26、35はコンベアを示す。
【0021】図示の方法は、し尿浄化槽汚泥とし尿との
比が2:1以上にし尿浄化槽汚泥が多い条件の混合液に
無機凝集剤と両性ポリマーとを添加して脱水処理し、分
離液ないし濾液を生物反応槽で生物学的硝化・脱窒処理
し、その処理液を膜分離装置で透過液と濃縮液とに分離
し、濃縮液の一部は生物反応槽に返送すると共に、透過
液を活性炭処理するものである。
【0022】し尿は配管21、受入槽1及び配管23を
経て、前処理工程3において夾雑物が除去された後、配
管25を経て貯留槽4に貯留される。し尿浄化槽汚泥は
配管22、受入槽2及び配管24を経て、前処理工程3
において夾雑物が除去された後、配管27を経て貯留槽
5に貯留される。この貯留槽5には配管28より、貯留
槽4内のし尿が所定の比率で導入され混合される。な
お、前処理工程3で除去された夾雑物(し渣)はコンベ
ア26より焼却工程8に送給される。
【0023】貯留槽5においてし尿とし尿浄化槽汚泥と
が所定比率で混合された混合液(本実施例では、更に、
後述の生物反応槽11の余剰汚泥が混合される。)は、
配管29より反応槽6に導入し、配管30からの無機凝
集剤の添加により改質し、浄化槽汚泥やし尿に含まれる
リンや高分子有機物などを不溶化する。ここで、無機凝
集剤は、混合液中のリンの90%以上が不溶化されるよ
うに添加するのが好ましい。この反応槽6の不溶化処理
液は、配管31より造粒濃縮槽7に導入し、配管32か
らの両性ポリマーの添加により造粒濃縮処理して強固な
フロックを形成させる。このフロック化ないし造粒化し
た液は、配管33より脱水機9に導き、脱水処理する。
この脱水処理に当り、被脱水処理液中には強固なフロッ
クが形成されており、また、浄化槽汚泥やし尿中には繊
維分が多く含まれること等から、低含水率の脱水ケーキ
を得ることができる。
【0024】この脱水処理により、通常の場合、浄化槽
汚泥とし尿中のSSの95%以上、リンの90%以上、
BODやCOD、有機性窒素の60〜70%以上が脱水
ケーキとして系外に排出される。一方、分離液ないし濾
液中のBODやCODは生物処理が容易な低分子物質が
主体となり、リンもわずかしか含まれないものとなる。
【0025】脱水処理により得られた脱水ケーキは、コ
ンベア35より焼却工程8に送給され、一方、分離液な
いし濾液は、配管34、貯留槽10及び配管36を経て
生物反応槽11に送給される。
【0026】この生物反応槽11においては、生物学的
硝化・脱窒処理により、分離液ないし濾液中のBODの
みならず窒素の除去を行なう。
【0027】なお、この生物学的硝化・脱窒処理にあた
り、浄化槽汚泥とし尿中の有機物の多くは前段の脱水工
程で除去され、生物反応槽に導入される液の性状は、被
処理混合液を希釈したものと同様の性状となるため、生
物処理の負荷は軽くなり、反応槽容量や必要酸素量は小
さくて済む。特に、硝化槽の容量は窒素の負荷だけでな
く必要な汚泥量を確保できる容量として決められるが、
SS性物質の流入が少ないと、余剰汚泥引き抜き量も少
なくて済むために汚泥量の確保が容易となり、安定した
硝化が行なわれる。
【0028】この生物反応槽11で発生する余剰汚泥は
配管37より貯留槽5に返送し、し尿及びし尿浄化槽汚
泥と共に処理することができる。
【0029】生物反応槽11で得られた微生物を含む生
物処理水は、次いで、配管38より膜分離装置12に送
給して膜分離処理し、透過液と濃縮液とに分離する。濃
縮液は、生物反応槽11内の汚泥濃度の維持のために、
その一部を返送汚泥として配管40より生物反応槽11
に返送する。この膜分離処理の採用により、生物反応槽
11内には高濃度の活性汚泥が維持されるので、安定し
た硝化・脱窒処理が行なわれる。
【0030】膜分離処理により得られる膜透過液にはS
Sは全く含まれず、窒素やリンも高度に除去されたもの
となる。また、浄化槽汚泥やし尿を脱水処理してSS性
やコロイド性の有機物を取り除いた分離液ないし濾液を
生物処理したものを膜分離処理するので、浄化槽汚泥や
し尿をそのまま生物処理したものを膜分離処理する場合
よりも、膜透過液のCODや色度などは低濃度となり、
後段の活性炭処理槽への負荷は大幅に軽減される。
【0031】この膜分離処理で得られる膜透過液にはま
だ着色があり、CODも満足できるレベルではない場合
が多いので、次いで、配管39より活性炭処理装置13
に通液して残留した色度やCODを除去し、無色透明の
最終処理水を得、配管41より放流する。この活性炭処
理にあたり、膜透過液にはSSが含まれないので、活性
炭吸着塔の目詰まりの心配はなく、逆洗もほとんど不要
となる。
【0032】本発明において、し尿と浄化槽汚泥との混
合比率は、浄化槽汚泥がし尿の2倍以上となるようにす
るが、浄化槽汚泥の比率にとくに上限はない。
【0033】また、本発明においては、浄化槽汚泥とし
尿等に更に必要に応じて生物学的硝化・脱窒処理工程か
ら排出される余剰汚泥を混合しても良く、この場合、余
剰汚泥の性状は浄化槽汚泥の方に近い性状なので、浄化
槽汚泥と余剰汚泥とを合わせた量がし尿の2倍以上とな
るようにすると、合理的なし尿との混合処理を行なうこ
とができる。
【0034】余剰汚泥を混合した場合には、余剰汚泥中
の高分子有機物も脱水工程で同時にフロック化できるの
で、膜分離処理により生物処理系内に蓄積した高分子有
機物を系外に取り出すこともでき、極めて有利である。
【0035】本発明においては、まず、浄化槽汚泥、し
尿等及び必要に応じて上記余剰汚泥を混合した混合液
に、無機凝集剤を添加するが、この無機凝集剤として
は、塩化第二鉄、ポリ硫酸鉄等を用いることができ、こ
のような無機凝集剤の添加量は、混合液中のリンの90
%以上を不溶化することができる量とするのが好まし
い。
【0036】この無機凝集剤の添加量は鉄等の金属が浄
化槽汚泥やし尿中のリンと反応してリン酸鉄などを生成
させるに十分量であることが必要であり、通常は、混合
液中のリンに対して、鉄のモル比で1.0〜1.5以上
となるように用いることが必要である。
【0037】また、両性ポリマーとしては、通常、1分
子中に、(A)カチオン性構成単位、(B)アニオン性
構成単位及び場合により(C)ノニオン性構成単位を含
有する共重合体から成るものが用いられる。
【0038】該(A)カチオン性構成単位を形成するカ
チオン性モノマーとしては、例えばジメチルアミノメチ
ルアクリレート又はメタクリレート、ジメチルアミノエ
チルアクリレート又はメタクリレート、ジメチルアミノ
プロピルアクリレート又はメタクリレート、ジメチルア
ミノ−2−ヒドロキシプロピルアクリレート又はメタク
リレート、ジエチルアミノメチルアクリレート又はメタ
クリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート又はメ
タクリレート、ジエチルアミノプロピルアクリレート又
はメタクリレート、ジエチルアミノ−2−ヒドロキシア
クリレート又はメタクリレート、ジメチルアミノメチル
アクリルアミド又はメタクリルアミド、ジメチルアミノ
エチルアクリルアミド又はメタクリルアミド、ジメチル
アミノプロピルアクリルアミド又はメタクリルアミド、
ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロピルアクリルアミ
ド又はメタクリルアミド、ジエチルアミノメチルアクリ
ルアミド又はメタクリルアミド、ジエチルアミノエチル
アクリルアミド又はメタクリルアミド、ジエチルアミノ
プロピルアクリルアミド又はメタクリルアミド、ジエチ
ルアミノ−2−ヒドロキシプロピルアクリルアミド又は
メタクリルアミドなどの第三級塩や四級化物などが挙げ
られる。第三級塩に用いられる酸としては、例えば塩
酸、硫酸、硝酸、ギ酸、酢酸などが挙げられ、一方、四
級化剤としては、例えば塩化メチル、ヨウ化メチル、塩
化ベンジル、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、塩化エチ
ル、ヨウ化エチルなどが挙げられる。前記カチオン性モ
ノマーは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて
用いてもよい。
【0039】また、(B)アニオン性構成単位を形成す
るアニオン性ポリマーとしては、例えばアクリル酸、メ
タクリル酸、エタクリル酸など不飽和カルボン酸及びそ
れらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、更
にはビニルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチ
ルプロパンスルホン酸及びそのナトリウム塩、カリウム
塩、アンモニウム塩などが挙げられる。これらのアニオ
ン性ポリマーは1種用いてもよいし、2種以上を組み合
わせて用いてもよい。
【0040】更に、場合により導入される(C)ノニオ
ン性構成単位を形成するモノマーとしては、例えばアク
リルアミド、メタクリルアミド、ジメチルアクリルアミ
ド、ジメチルメタクリルアミドなどのビニル基含有アミ
ド類、アクリロニトリルやメタクリロニトリルなどのシ
アン化ビニル系化合物、アクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなど
の(メタ)アクリル酸のアルキルエステル類、酢酸ビニ
ルなどのカルボン酸のビニルエステル類、スチレン、α
−メチルスチレン、p−メチルスチレンなどの芳香族ビ
ニル化合物などが挙げられる。これらのモノマーは1種
用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
【0041】このような両性ポリマーの添加量は混合液
の性状等に応じて適宜決定されるが、通常の場合、固形
物に対して0.5〜2.0重量%程度とされる。
【0042】なお、本発明においては、高分子凝集剤と
して上述の両性ポリマーを用いるのが最も好ましく、両
性ポリマーの使用により、造粒濃縮槽で効率的な造粒及
び濃縮を行なうことができ、また、脱水機の脱水能力を
大きく引き出すことができるという利点が得られるが、
高分子凝集剤としては、両性ポリマーに限定されるもの
ではなく、カチオンポリマーなど他の種類のポリマーを
使用することもできる。
【0043】また、生物学的硝化・脱窒処理後の膜分離
処理の膜としては、限外濾過膜が一般的であるが、精密
濾過膜など他の種類の膜を使用することもできる。
【0044】以下に具体的な実施例及び比較例を挙げて
本発明をより詳細に説明する。
【0045】実施例1 図1に示す本発明の方法に従って、処理を行なった。浄
化槽汚泥、し尿及び後工程の硝化・脱窒処理の余剰汚泥
を2:1:1の比率で混合して、SS:10500mg
/l、BOD:3700mg/l、COD:3700m
g/l、T−N:810mg/l、PO4 −P:140
mg/lの混合液を得た。
【0046】この混合液に塩化第二鉄(38%水溶液)
を3000mg/l、両性ポリマーを130mg/l添
加して調質・造粒し、ベルトプレス脱水機で脱水したと
ころ、含水率73.2%と低含水率の脱水ケーキが得ら
れた。なお、両性ポリマーとしてはジメチルアミノエチ
ルアクリレート、アクリルアミド、アクリル酸からなる
コポリマーを用いた。
【0047】ここで、塩化第二鉄3000mg/l中の
鉄は、混合液中のPO4 −Pに対してモル比で1.55
倍に相当し、脱水濾液(洗浄水含まず)中のPO4 −P
は3.3mg/lと低濃度になった。また、SSは13
0mg/l、BODは1480mg/l、CODは10
20mg/l、T−Nは615mg/lとなった。
【0048】この脱水濾液を原水として生物学的硝化・
脱窒処理を行ない、その処理液を限外濾過膜によって固
液分離したところ、得られた透過水の性状は、SS:検
出せず、BOD:3mg/l、COD:60mg/l、
T−N:12mg/l、PO4 −P:0.5mg/l、
色度:200度であった。
【0049】更に、この透過水を活性炭処理することに
より、BOD:2.5mg/l、COD:20mg/
l、T−N:8.5mg/l、PO4 −P:0.4mg
/l、色度:30度の高水質の最終処理水を得ることが
できた。
【0050】この結果から、本発明の方法によれば、従
来技術のような脱リンを目的とする凝集分離設備を生物
処理の後工程として用いることなく、BOD、COD、
窒素、リン、色度を高度に除去した処理水を得ることが
できることが明らかである。
【0051】比較例1 浄化槽汚泥、し尿及び硝化・脱窒処理の余剰汚泥の混合
比率を1:2:1としてし尿の比を高くし、SS:11
800mg/l、BOD:7900mg/l、COD:
4800mg/l、T−N:2150mg/l、PO4
−P:270mg/lの混合液を得、この混合液につい
て実施例1と同様にして処理を行なった。
【0052】その結果、混合液の調質には、塩化第二鉄
(38%水溶液)を6000mg/l、両性ポリマーを
280mg/lと、実施例1の場合の約2倍も必要と
し、しかも、塩化第二鉄を注入して混合する工程での発
泡がひどく、気泡が汚泥に付着して脱水性が阻害され
た。
【0053】この結果から、し尿主体の場合には、無機
凝集剤とポリマーによる脱水でリンを90%近く除去す
ることは困難であることがわかる。
【0054】比較例2 実施例1において、無機凝集剤及び両性ポリマーの添加
を行なわず、浄化槽汚泥、し尿及び余剰汚泥を2:1:
1の比率で混合して得た混合液を、図2に示す従来法に
より硝化・脱窒処理後、限外濾過膜分離したところ、得
られた透過水の水質は、BOD:4mg/l、T−N:
15mg/lと実施例1の場合の透過水とさして差はな
かったものの、PO4 −Pは85mg/lと高く、脱リ
ン設備が必要であった。また、CODは105mg/
l、色度は440度と実施例1の場合の約2倍の濃度
で、活性炭処理への負担が大きいため、経済性を考慮す
るならば脱リンの目的も兼ねた凝集分離設備が不可欠で
あることが確認された。
【0055】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明のし尿及び浄
化槽汚泥の処理方法によれば、し尿と浄化槽汚泥との混
合液に、無機凝集剤と高分子凝集剤とを添加して脱水す
ることにより、多量の凝集剤を用いることなく、また、
発泡などの脱水阻害をひき起こすことなく、高度にリン
を除去することが可能となる。このため、 生物処理後に凝集分離工程を設けることなく、リン
が高度に除去された処理水が得られる。 生物処理後に凝集分離工程がなくても、その後の活
性炭処理の負荷は過大とならず、CODや色度も高度に
除去された最終処理水が得られる。 脱水に供される凝集液は、脱水特性に優れているの
で、脱水機に高い汚泥処理能力を発揮させ、低含水率の
脱水ケーキを得ることができる。 生物学的脱窒処理の負荷が軽減されるので、反応槽
容量や必要酸素量を小さくしても窒素が高度に除去され
た処理水が得られる。 といった効果が奏され、BOD、COD、窒素、リン、
色度などが高度に除去された高水質処理水を、効率的に
得ることが可能とされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のし尿及び浄化槽汚泥の処理方法の一実
施例方法を示す系統図である。
【図2】従来の処理法を示す系統図である。
【符号の説明】
1,2 受入槽 3 前処理工程 4,5,10 貯留槽 6 反応槽 7 造粒濃縮槽 8 焼却工程 9 脱水機 11 生物反応槽 12 膜分離装置 13 活性炭処理装置

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 し尿に浄化槽汚泥を混合した後、無機凝
    集剤と高分子凝集剤とを添加して脱水し、得られる脱水
    分離水を生物学的硝化・脱窒処理する方法であって、し
    尿と混合する浄化槽汚泥の量を該し尿の2倍以上とする
    ことを特徴とするし尿及び浄化槽汚泥の処理方法。
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