JPH06225989A

JPH06225989A - 水中バケット式ドライクリ−ニング装置とその水中バケット式ドライクリ−ニング方法

Info

Publication number: JPH06225989A
Application number: JP5017774A
Authority: JP
Inventors: Kenichi Suzuki; 研一鈴木
Original assignee: Toyo Engineering Corp
Current assignee: Toyo Engineering Corp
Priority date: 1993-02-05
Filing date: 1993-02-05
Publication date: 1994-08-16

Abstract

(57)【要約】【目的】可燃性の石油系やテンペン系の溶剤が用いる
ことができる水中式ドライクリ−ニング装置とその水中
式ドライクリ−ニング方法を提供する。【構成】洗濯衣類を収容した洗濯用バケットを順次大
気中の洗濯衣類仕込み位置、水槽の水面下の溶剤給液位
置、溶剤排出位置、すすぎ溶剤給液位置、、すすぎ溶剤
排出位置、乾燥操作位置、大気中の洗濯衣類取出し位置
に連続的に回転移送するように構成し、不活性ガスの雰
囲気中で洗濯衣類を溶剤給液、洗濯、溶剤排出、すすぎ
溶剤給液、すすぎ、すすぎ溶剤排出、乾燥の諸操作を水
面下で行うことを特徴とする水中式ドライクリ−ニング
装置とその水中式ドライクリ−ニング方法である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば石油系やテルペ
ン系の溶剤ような可燃性、引火性などの危険な洗濯用の
ドライクリ−ニングの溶剤も使用可能であり、しかも爆
発性雰囲気となる危険場所でも使用可能な水中バケット
式ドライクリ−ニング装置とその水中バケット式ドライ
クリ−ニング方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の衣類の洗濯方法には、大別してウ
エットクリ−ニング方法とドライクリ−ニング方法があ
り、ウエットクリ−ニング方法は水に石鹸や洗剤を配合
して汚れを衣類、衣服等から除去する方法である。一
方、ドライクリ−ニング方法は、石油やテトラクロロエ
チレンあるいはフロン等揮発性の高い有機溶剤を使用し
て汚れを除去する方法である。ドライクリ−ニング方法
はウエットクリ−ニング方法に較べて油汚れに対する洗
浄力が高く、廃水の発生が少ない点が大きな特徴であ
り、従来から使用されてきた。

【０００３】また、ドライクリ−ニング方法は、当初石
油系ベンジン等比較的低沸点留分を用いて行つていた
が、近年テトラクロロエチレンや洗浄用フロン（ＣＦＣ
−１１３など）が用いるに至り、石油系溶剤はしばしば
火災事故を起こすことから除々に減少する傾向にあつ
た。しかしながら、オゾン層保護法により洗浄用フロン
（ＣＦＣ−１１３など）やトリクロロエタンは使用が困
難な状況になりつつあり、テトラクロロエチレンも飲料
水中のトリハロメタンの原因物質として健康への影響が
心配されるため厳しい使用規制を受けている。さらに、
代替フロンとして開発されたＨＣＦＣ類は、人体への安
全性が確認されておらず、現在では実用可能な状況では
ない。

【０００４】このような社会情勢の変化を受けて、石油
系溶剤が見直されてきており、ドライクリ−ニング装置
においても可燃性対策を考慮したものが製作されてい
る。その一例をあげると、洗浄槽内に空気が存在すると
引火する危険性があるので、窒素ガス等の不活性ガスを
吹き込み置換する方法を施したドライク−リニング装置
や、或いは有機溶剤の液温を制御することにより、気相
中のガス濃度を燃焼下限以下に下げる方法を施したドラ
イクリ−ニング装置が開発されているのが現状である。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】衣類のドライクリ−ニ
ングの溶剤に求められる特性は、単に洗浄力があるだけ
ではなく、人体への安全性や取扱上の安全性、廃溶剤等
の廃棄物の取扱性、経済性などの種々の観点から総合的
にバランスのとれた溶剤でなければならない。洗浄力も
あまり高すぎてもボタンやファスナ−、或いは接着した
ワッペン類を変質させてしまう恐れがあるので適度な洗
浄力のある溶剤が求められている。石油系溶剤やテルペ
ン系溶剤は、上記評価項目のうち、取扱上の安全性の項
目を除いてはいずれも最適と評価することができる。石
油系溶剤やテルペン系溶剤は、適度な洗浄力があり、人
体にも安全であり、廃溶剤は焼却処分や蒸留回収が可能
であり、最も廉価である。しかし、石油系溶剤やテルペ
ン系溶剤は、可燃性の問題さえ克服すれば比類のないド
ライクリ−ニング装置やドライクリ−ニング方法を得ら
れることができる。

【０００６】

【課題を解決するための手段】そこで、本発明者は、燃
焼の三要素である着火源、酸素、適当なガス濃度のうち
酸素を遮断する。すなわち、水中においてドライクリ−
ニングを行うことによる方法を検討して、本発明の水中
バケット式ドライクリ−ニング装置とその水中バケット
式ドライクリ−ニング方法を完成させた。すなわち、本
発明は、洗濯衣類を収容する密閉型の洗濯用バケット
と、この洗濯用バケットを順次大気中の洗濯衣類仕込み
位置、水槽の水面下の溶剤給液位置、前記水面下の溶剤
排出位置、前記水面下のすすぎ溶剤給液位置、前記水面
下のすすぎ溶剤排出位置、前記水面下の乾燥操作位置、
大気中の洗濯衣類取出し位置に連続的に回転移送して各
位置で停止して各位置での諸操作を受けさせるエンドレ
ス形式の搬送コンベヤと、前エンドレス形式の搬送コン
ベヤと、前記洗濯用バケットに取り付けられた給排液ノ
ズルおよび給排気ノズルと、これら給排液ノズルおよび
給排気ノズルの先端に装着された一方の上下の自動接続
継手と、この一方の自動接続継手に水槽の水面下で自動
接続される水槽に配設され前記水面下の各位置に配備さ
れた他方の自動接続継手と、前記一方の自動接続継手と
前記他方の自動接続継手を連結すると洗濯用バケット内
と大気中とを連通させるように構成され、不活性ガス雰
囲気中において洗濯衣類を洗濯用バケット中で溶剤給
液、洗濯、溶剤排出、すすぎ溶剤給液、すすぎ、すすぎ
溶剤排出、乾燥の諸操作を水面下で行うことを特徴とす
る水中バケット式ドライクリ−ニング装置の構成であ
る。

【０００７】さらに、大気中で密閉型の洗濯用バケット
に洗濯衣類を収容する洗濯衣類仕込工程と、前記洗濯衣
類仕込工程を経た洗濯用バケットに水槽の水面下で溶剤
を給液する溶剤給液工程と、前記水面下で洗濯衣類を洗
濯用バケット中で洗濯する洗濯工程と、前記洗濯工程を
経た使用済の溶剤を洗濯用バケットより水面下で不活性
ガスで排出する溶剤排出工程と、さらに前記洗濯用バケ
ットに水槽の水面下ですすぎ溶剤を給液するすすぎ溶剤
給液工程と、前記水面下で洗濯衣類を洗濯用バケット中
ですすぐすすぎ工程と、前記すすぎ工程を経た使用済の
すすぎ溶剤を洗濯用バケットより水面下で不活性ガスで
排出するすすぎ溶剤排出工程と、前記水面下ですすぎ済
の洗濯衣類を洗濯用バケット中で不活性ガスにより乾燥
する乾燥操作工程と、大気中で乾燥操作工程を経た洗濯
済の洗濯衣類を洗濯用バケットより取出す洗濯衣類取出
し工程と、この洗濯衣類取出し工程に続く前記洗濯衣類
仕込工程と、前記洗濯用バケットを前記各工程順に連続
的に回転移送するエンドレス形式の搬送コンベヤとより
なることを特徴とする水中バケット式ドライクリ−ニン
グ方法の構成である。なお、前記不活性ガスは炭酸ガ
ス、窒素ガス等を包含するものであり、特に炭酸ガスは
その物性、経済性並びに入手性から好適である。

【０００８】

【発明の作用】すなわち、本発明は、洗濯衣類を収容す
る密閉型の洗濯用バケットを、この洗濯用バケットを順
次大気中の洗濯衣類仕込み位置、水槽の水面下の溶剤給
液位置、前記水面下の溶剤排出位置、前記水面下のすす
ぎ溶剤給液位置、前記水面下のすすぎ溶剤排出位置、前
記水面下の乾燥操作位置、大気中の洗濯衣類取り出し位
置に連続的に回転移送し各位置で停止して各位置で諸操
作を受けさせるエンドレス形式の搬送コンベヤによつて
搬送する。したがつて、まず大気中で洗濯衣類を密閉型
の洗濯用バケットに収容し、すなわち、洗濯衣類仕込工
程を経てから、次の水槽の水面下の溶剤給液位置に搬送
される。搬送中は常に洗濯用バケットは搬送コンベヤに
よつて回転している。

【０００９】洗濯用バケットは、水槽の水面下に沈めて
から溶剤給液位置に至り停止する。すると、すべての移
送中の先行したり後行した洗濯用バケットは図に示すよ
うに対応するそれぞれの諸操作を受ける位置に停止され
る。まず、洗濯用バケットは溶剤給液位置に停止される
と、洗濯用バケットの給排液ノズルおよび給排気ノズル
の先端に装着された一方の上下の自動接続継手は、水槽
の水面下に配備された他方の自動接続継手の図面の矢印
方向の上下動により挟まれて相互に連結される。前記一
方の自動接続継手と前記他方の自動接続継手が連結する
と洗濯用バケット内と大気中とが連通させる。そして、
給排気ノズルより不活性ガスが充填して洗濯用バケット
内の空気を追い出して無酸素状態にする。給排液ノズル
より可燃性の溶剤を無酸素状態の洗濯用バケット内に給
液するとともに給排気ノズルより排気する。すなわち、
溶剤給液工程である。

【００１０】その後、他方の自動接続継手を前述の反対
方向に上下動させ洗濯用バケットの一方の上下の自動接
続継手より離れ連結を解除する。こうして洗濯用バケッ
トは再びフリ−となり、搬送コンベヤにより溶剤給液位
置より次の溶剤排出位置に搬送する。この搬送間に密封
した無酸素状態の洗濯用バケットは回転させられる。こ
の洗濯用バケットの回転によつて洗濯衣類を洗濯用バケ
ットの内壁に当接したり、或いは洗濯衣類同志を当接し
て洗濯衣類への溶剤の浸透を良くし、洗濯衣類と溶剤と
が相互にたたきつけられることによつて洗濯され、洗濯
衣類の汚れを殆んど落とすのである。洗濯用バケットは
溶剤排出位置に至る。この溶剤排出位置において再び洗
濯用バケットの給排液ノズルおよび給排気ノズルの先端
に装着された一方の上下の自動接続継手は、水槽の水面
下に配備された他方の自動接続継手の図面の矢印方向の
上下動により上下より挟まれて連結される。前記一方の
自動接続継手と前記他方の自動接続継手が連結すると洗
濯用バケット内と大気中とが連通する。そして、上方の
給排気ノズルより不活性ガスを給気して洗濯用バケット
中の洗濯に使用された溶剤を下方の給排液ノズルより排
出するので、洗濯用バケット内は無酸素状態である。す
なわち、溶剤排出工程である。

【００１１】そして、この溶剤排出位置からすすぎ溶剤
給液位置に洗濯用バケットを回転しながら搬送コンベヤ
によつて移送する。洗濯用バケットの一方の上下の自動
接続継手は、水槽の水面下に配備された他方の自動接続
継手が上下動して上下より挟まれて連結される。前記一
方の自動接続継手と前記他方の自動接続継手が連結され
ると洗濯用バケット内と大気中とが連通する。そして、
洗濯用バケット中の洗濯衣類のすすぎに使用されるすす
ぎ溶剤を下方の給排液ノズルより給液し上方の給排気ノ
ズルより不活性ガスを排出するのである。勿論、洗濯用
バケット内は無酸素状態を保持している。すなわち、す
すぎ溶剤給液工程である。

【００１２】このすすぎ溶剤給液工程を経た洗濯用バケ
ットは、搬送コンベヤによつて次のすすぎ溶剤排出位置
に回転しながら移送される。この移送間の回転運動によ
つて洗濯衣類は洗濯用バケットの内壁に衝打されたり洗
濯衣類同志を当接してすすぎ溶剤の浸透を良くし、洗濯
衣類とすすぎ溶剤とが相互にたたきつけられることによ
つて行われて、密封した無酸素状態ですすぎ作用を受け
るのである。すなわち、すすぎ工程である。このすす
ぎ工程を施されると洗濯衣類の汚れは落ちる。

【００１３】すすぎ工程を経た洗濯用バケットは次のす
すぎ溶剤排出位置に至る。ここで、前述したように水槽
の水面下に配備された他方の自動接続継手が上下動して
上下より挟まれて洗濯用バケットの一方の上下の自動接
続継手が連結される。前記一方の自動接続継手と前記他
方の自動接続継手が連結されると洗濯用バケット内と大
気中とが連通する。そして、洗濯用バケット中の洗濯衣
類のすすぎに使用済みのすすぎ溶剤を下方の給排液ノズ
ルより排出し上方の給排気ノズルより不活性ガスを給気
するのである。勿論、洗濯用バケット内は依然無酸素状
態を保持している。すなわち、すすぎ溶剤排出工程であ
る。

【００１４】このすすぎ溶剤を排出してから、前述した
ように水槽の水面下に配備された他方の自動接続継手が
上下動して離れ、前記一方の自動接続継手と前記他方の
自動接続継手の連結が解除される。そして、洗濯用バケ
ットは洗濯衣類を収容したまま乾燥操作位置に至る。こ
こで、前述したように水槽の水面下に配備された他方の
自動接続継手が上下動して上下より挟まれて洗濯用バケ
ットの一方の上下の自動接続継手が連結される。前記一
方の自動接続継手と前記他方の自動接続継手が連結され
ると洗濯用バケット内とエアフィンヒ−タ内が連通し、
下方の給気ノズルより高温の乾燥不活性ガスが前記洗濯
用バケット内を通過して上方の排気ノズルより排気され
て、この間に洗濯衣類に浸透しているすすぎ溶剤液を蒸
発させて洗濯衣類を乾燥させるのである。洗濯用バケッ
ト内は当然無酸素状態を保持している。すなわち、乾燥
操作工程である。

【００１５】その後、洗濯用バケットは前記乾燥操作
位置より大気中の洗濯衣類取出し位置に移送される。こ
こで洗濯衣類の洗濯状態を検査されて洗濯されたものは
洗濯用バケット内より外部に取り出される。空の洗濯用
バケットは搬送コンベヤよつて元の大気中の洗濯衣類仕
込み位置に移送され、大気中の洗濯衣類仕込み工程より
始まる水中式ドライクリ−ニングの諸操作を受けるので
ある。また、洗濯の不完全な洗濯衣類は洗濯用バケット
に収容されたまま再度水中式ドライクリ−ニング操作を
受けるようにする。

【００１６】

【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例をより
詳細に説明すると、図１は、本発明の水中式ドライクリ
−ニング方法の全体ブロツク概要図を示している。図２
と図３に符号１で示された洗濯用バケットは、その主体
部は六角柱となつており、その一面に洗濯衣類仕込み、
取り出し用の蓋が配設されており、蓋を閉じると内部は
密閉状態になる。なお、主体部は八角形、円形等の断面
形を採用してもよい。洗濯用バケット１はＳＵＳ３０４
などの耐溶剤性、耐久性に優れたステンレスなどで構成
され、ガスケット類には耐溶剤性に優れたバイトン（商
品名）を用いる。

【００１７】そして、この洗濯用バケット１を使用した
本発明の水中式ドライクリ−ニング装置の一実施例は、
洗濯衣類を収容する密閉型の洗濯用バケット１と、この
洗濯用バケット１を順次大気中の洗濯衣類仕込み位置
Ｊ、水槽の水面下の溶剤給液位置Ａ、前記水面下の溶剤
排出位置Ｃ、前記水面下のすすぎ溶剤給液位置Ｄ、前記
水面下のすすぎ溶剤排出位置Ｆ、前記水面下の乾燥操作
位置Ｇ、大気中の洗濯衣類取出し位置Ｈに連続的に回転
移送して各位置で停止して各位置での諸操作を受けさせ
るエンドレス形式の搬送コンベヤＩと、前記洗濯用バケ
ット１に取り付けられた給排液ノズル７および給排気ノ
ズル８と、これら給排液ノズル７および給排気ノズル８
の先端に装着された一方の上下の自動接続継手１０、９
と、この一方の自動接続継手１０、９に水槽２の水面下
で自動接続される水槽２に配設され前記水面下の各位置
に配備された他方の自動接続継手６、５と、前記一方の
自動接続継手１０、９と前記他方の自動接続継手６、５
を連結すると洗濯用バケット１内と大気中とを連通させ
るように構成され、炭酸ガス雰囲気中で洗濯衣類を洗濯
用バケット１中で溶剤給液、洗濯、溶剤排出、すすぎ溶
剤給液、すすぎ、すすぎ溶剤排出、乾燥の諸操作を水面
下で行うことを特徴とする構成をもつている。

【００１８】なお、上記一方の自動接続継手１０、９は
ワンタッチ式クイックカプリングの雄側継手にすると好
適であり、これに対応して他方の自動接続継手６、５は
ワンタッチ式クイックカプリングの雌側継手にすると好
適である。両者が連結されると洗濯用バケット１中と大
気中とが連通されるものである。他方の自動接続継手６
は水槽２の水面上まで伸びた給排気ノズル４、排気ノズ
ル４１、給気ノズル４４と連通し大気中と通じている。
また、同じように他方の自動接続継手５は水槽２の下方
の給液ノズル３、排液ノズル３３、乾燥操作用の給気ノ
ズル４４に連通されている。

【００１９】また、本発明の水中式ドライクリ−ニング
方法の一実施例は、大気中で密閉型の洗濯用バケット１
に洗濯衣類を収容する洗濯衣類仕込工程Ｊと、前記洗濯
衣類仕込工程Ｊを経た洗濯用バケット１に水槽２の水面
下で炭酸ガスを充填してから溶剤を給液する溶剤給液工
程Ａと、前記水面下で洗濯衣類を洗濯用バケット１中で
洗濯する洗濯工程Ｂと、前記洗濯工程Ｂを経た使用済の
溶剤を洗濯用バケット１より水面下で炭酸ガスで排出す
る溶剤排出工程Ｃと、さらに前記洗濯用バケット１に水
槽２の水面下ですすぎ溶剤を給液するすすぎ溶剤給液工
程Ｄと、前記水面下で洗濯衣類を洗濯用バケット１中で
すすぐすすぎ工程Ｅと、前記すすぎ工程Ｅを経た使用済
のすすぎ溶剤を洗濯用バケットより水面下で炭酸ガスで
排出するすすぎ溶剤排出工程Ｆと、前記水面下ですすぎ
済の洗濯衣類を洗濯用バケット１中で高温の炭酸ガスに
より乾燥する乾燥操作工程Ｇと、大気中で乾燥操作工程
Ｇを経た洗濯済の洗濯衣類を洗濯用バケット１より取出
す洗濯衣類取出し工程Ｈと、この洗濯衣類取出し工程Ｈ
に続く前記洗濯衣類仕込工程Ｊと、前記洗濯用バケット
１を前記各工程順に連続的に回転移送するエンドレス形
式の搬送コンベヤＩとよりなることを特徴とする構成を
もつている。なお、前記搬送コンベヤ１は、チ−エンコ
ンベヤやロ−プコンベヤが考えられるが、特にロ−プコ
ンベヤにすると好適である。

【００２０】すなわち、本発明の、水中バケット式ドラ
イクリ−ニング装置とその水中バケット式ドライクリ−
ニング方法の実施例は上記のような構成であるから、洗
濯衣類を収容する密閉型の洗濯用バケット１を、この洗
濯用バケット１を順次大気中の洗濯衣類仕込み位置、水
槽の水面下の溶剤給液位置、前記水面下の溶剤排出位
置、前記水面下のすすぎ溶剤給液位置、前記水面下のす
すぎ溶剤排出位置、前記水面下の乾燥操作位置、大気中
の洗濯衣類取り出し位置に連続的に６０ｒｐｍないし１
００ｒｐｍで回転移送し各位置で停止して各位置で諸操
作を受けさせるエンドレス形式の搬送コンベヤＩによつ
て搬送する。この場合、洗濯用バケット１には一ケ所に
バランスウエイトが取り付けられおり、洗濯用バケット
１の停止状態では必ず定位置では一方の自動接続継手１
０、９が他方の自動接続継手６、５がそれぞれ図２、図
３に示すように接触するようになつている。洗濯用バケ
ット１が自重で水槽２中に沈むと一方の自動接続継手１
０、９が他方の自動接続継手６、５が自動的に連結さ
れ、連通状態になる。

【００２１】したがつて、まず大気中で洗濯衣類を密閉
型の洗濯用バケット１に収容し、すなわち、洗濯衣類仕
込工程を経てから、次の水槽２の水面下の溶剤給液位置
に搬送される。搬送中は常に洗濯用バケット１は搬送コ
ンベヤＩによつて回転している。

【００２２】洗濯用バケット１は、水槽２の水面下に沈
めてから溶剤給液位置に至り停止する。すると、すべて
の移送中の先行したり後行した洗濯用バケット１は図
２、図３に示すように対応するそれぞれの諸操作を受け
る位置に停止される。まず、洗濯用バケット１は溶剤給
液位置に停止されると、洗濯用バケット１の給排液ノズ
ル７および給排気ノズル８の先端に装着された一方の上
下の自動接続継手９、１０は、水槽２の水面下に配備さ
れた他方の自動接続継手５、６の図面の矢印方向の上下
動により挟まれて相互に連結される。前記一方の自動接
続継手９、１０と前記他方の自動接続継手５、６が連結
すると洗濯用バケット１内と大気中とが連通させる。そ
して、給排気ノズル４より炭酸ガスが充填して洗濯用バ
ケット内の空気を追い出して無酸素状態にする。実際に
は１００リットル／分の流速で約２０ｓｅｃパ−ジす
る。給排液ノズル４より洗浄用溶剤を無酸素状態の洗濯
用バケット１内に１０リットル給液するとともに給排気
ノズル４より排気する。すなわち、溶剤給液工程Ａであ
る。

【００２３】その後、他方の自動接続継手５、６を前述
の反対方向に上下動させ洗濯用バケット１の一方の上下
の自動接続継手９、１０より離れ連結を解除する。こう
して洗濯用バケット１は再びフリ−となり、搬送コンベ
ヤＩにより溶剤給液位置より次の溶剤排出位置に搬送す
る。この搬送間に密封した無酸素状態の洗濯用バケット
１は回転させられる。この洗濯用バケット１の回転によ
つて洗濯衣類を洗濯用バケット１の内壁に当接したり、
或いは洗濯衣類同志を当接して洗濯衣類への溶剤の浸透
を良くして洗濯衣類と溶剤とが相互にたたきつけられる
ことによつておこなわれる。標準の洗浄時間と洗浄温度
は５分間×５０度Ｃであるが、必要に応じて設定条件は
変更可能である。洗浄温度は水槽２の水温で一定に管理
することができるので温度変化が少ないことも安全性を
高めている要因のひとつになつている。

【００２４】溶剤による洗濯が終わると、洗濯用バケッ
ト１は溶剤排出位置に至る。この溶剤排出位置において
再び洗濯用バケット１の給排液ノズル７および給排気ノ
ズル８の先端に装着された一方の自動接続継手９、１０
は、水槽２の水面下に配備された他方の自動接続継手
５、６の図面の矢印方向の上下動により上下より挟まれ
て連結される。前記一方の自動接続継手９、１０と前記
他方の自動接続継手５、６が連結すると洗濯用バケット
１内と大気中とが連通する。そして、上方の給排気ノズ
ル８より炭酸ガスを給気して洗濯用バケット１中の洗濯
に使用された溶剤を下方の給排液ノズル７より排出する
ので、洗濯用バケット１内は無酸素状態である。すなわ
ち、溶剤排出工程Ｃである。

【００２５】そして、この溶剤排出位置からすすぎ溶剤
給液位置に洗濯用バケット１を回転しながら搬送コンベ
ヤＩによつて移送する。洗濯用バケット１の一方の自動
接続継手９、１０は、水槽２の水面下に配備された他方
の自動接続継手５、６が上下動して上下より挟まれて連
結される。前記一方の自動接続継手９、１０と前記他方
の自動接続継手５、６が連結されると洗濯用バケット１
内と大気中とが連通する。そして、洗濯用バケット１中
の洗濯衣類のすすぎに使用されるすすぎ溶剤（洗濯用の
溶剤と同一すると便利）を下方の給排液ノズル７より給
液し上方の給排気ノズル８より炭酸ガスを排出するので
ある。勿論、洗濯用バケット１内は無酸素状態を保持し
ている。すなわち、すすぎ溶剤給液工程Ｄである。

【００２６】このすすぎ溶剤給液工程Ｄを経た洗濯用バ
ケット１は、搬送コンベヤＩによつて次のすすぎ溶剤排
出位置に回転しながら移送される。この移送間の回転運
動によつて洗濯衣類は洗濯用バケット１の内壁に衝打さ
れたり洗濯衣類同志を当接してすすぎ溶剤の浸透を良く
して、洗濯衣類とすすぎ溶剤とが相互にたたきつけられ
ることによつて行われる。密封した無酸素状態ですすぎ
作用を受けるのである。すなわち、すすぎ工程Ｅであ
る。このすすぎ工程Ｅを施されると洗濯衣類の汚れは落
ちる。

【００２７】すすぎ工程Ｅを経た洗濯用バケット１は次
のすすぎ溶剤排出位置に至る。ここで、前述したように
水槽２の水面下に配備された他方の自動接続継手５、６
が上下動して上下より挟まれて洗濯用バケットの一方の
自動接続継手９、１０が連結される。前記一方の自動接
続継手９、１０と前記他方の自動接続継手５、６が連結
されると洗濯用バケット１内と大気中とが連通する。そ
して、洗濯用バケット１中の洗濯衣類のすすぎに使用済
みのすすぎ溶剤を下方の給排液ノズル７より排出し上方
の給排気ノズル８より炭酸ガスを給気するのである。勿
論、洗濯用バケット１内は依然無酸素状態を保持してい
る。すなわち、すすぎ溶剤排出工程Ｆである。

【００２８】このすすぎ溶剤を排出してから、前述した
ように水槽２の水面下に配備された他方の自動接続継手
５、６が上下動して離れ、前記一方の自動接続継手９、
１０と前記他方の自動接続継手５、６の連結が解除され
る。そして、洗濯用バケット１は洗濯衣類を収容したま
ま乾燥操作位置に至る。ここで、前述したように水槽２
の水面下に配備された他方の自動接続継手５、６が上下
動して上下より挟まれて洗濯用バケット１の一方の自動
接続継手９、１０とが連結される。前記一方の自動接続
継手９、１０と前記他方の自動接続継手５、６が連結さ
れると洗濯用バケット１内とエアフィンヒ−タ１１内が
連通し、下方の給気ノズル４４より高温、すなわち、６
０度Ｃないし７０度Ｃの乾燥炭酸ガスが前記洗濯用バケ
ット１中に供給される。風量は５Ｎｍ³／分ないし１５
Ｎｍ³／分である。この炭酸ガスは前記洗濯用バケット
１内を通過して上方の排気ノズル４１よりブロワ−１４
により排気される。洗濯用バケット１内で洗濯衣類に残
存するすすぎ溶剤を加熱蒸発した前記炭酸ガスはブロア
−１４により排風され、コンデンサ１２を通過する際に
炭酸ガスに含有され気化されたすすぎ溶剤は凝縮液化し
てドレンライン１３を介して溶剤タンクへ回収される。

【００２９】そして、この溶剤は再びドライクリ−ニン
グに利用される。コンデンサ１２を通過した炭酸ガスは
再び前記エアフィンヒ−タ１１で加熱され、給気ノズル
４４から洗濯用バケット１内へ送風され再循環する。か
くして、洗濯衣類に浸透しているすすぎ溶剤を蒸発させ
て洗濯衣類を乾燥させるのである。乾燥時間は、乾燥温
度６０度Ｃで運転した場合約５分間である。洗濯用バケ
ット１内は当然無酸素状態を保持している。すなわち、
乾燥操作工程Ｇである。

【００３０】その後、洗濯用バケット１は前記乾燥操作
位置より大気中の洗濯衣類取出し位置に移送される。こ
こで洗濯衣類の洗濯状態を検査されて洗濯されたものは
洗濯用バケット１内より外部に取り出される。空の洗濯
用バケット１は搬送コンベヤＩよつて元の大気中の洗濯
衣類仕込み位置に移送され、大気中の洗濯衣類仕込み工
程Ｊより始まる水中式ドライクリ−ニングの諸操作を受
けるのである。また、洗濯の不完全な洗濯衣類は洗濯用
バケット１に収容されたまま再度水中式ドライクリ−ニ
ング操作を受けさせるのである。

【００３１】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の水中バケ
ット式ドライクリ−ニング装置とその水中バケット式ド
ライクリ−ニング方法は上記のように構成されているか
ら、洗濯用バケット中に洗濯衣類と溶剤、すすぎ溶剤と
が収容されている時は常に不活性ガスが共存しており無
酸素状態であるから洗濯衣類が着火燃焼する恐れがな
く、また水槽の水面下で溶剤の給液や排液、不活性ガス
の排気、給気を行うことで空気の混入する機会を完全に
無くしたから洗濯衣類の着火燃焼からの安全性をより高
めている。さらに、洗濯用バケットの破損を簡単に見分
けることができる。洗濯温度やすすぎ温度は、水槽の水
温を一定に簡単に保持することができるので温度変化が
少なく安全性を高めている。

【００３２】また、本発明の水中バケット式ドライクリ
−ニング装置とその水中バケット式ドライクリ−ニング
方法は上記のように構成されているから、主コンピュタ
−の採用によりドライクリ−ニングの自動化、無人化が
可能でありドライクリ−ニング諸操作を効率良く全体的
に制御することができる。石油系やテルペン系の溶剤は
適度な洗濯力、人体への安全性、廃溶剤の処理処分の容
易さ、溶剤コストが安いことなど多くの優れた特性をも
つているにもかかわらず、可燃性であるため火災事故を
おこすことがしばしばあつたが、本発明の水中バケット
式ドライクリ−ニング装置とその水中バケット式ドライ
クリ−ニング方法の採用により、石油系やテルペン系の
可燃性の溶剤を安全に用いることが可能となつたので極
めて経済的である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の水中バケット式ドライクリ−ニング方
法の一実施例の工程の概要を示すブロック図である。

【図２】本発明の水中バケット式ドライクリ−ニング装
置とその水中バケット式ドライクリ−ニング方法の一実
施例の前半の諸操作を行う装置と方法を示す概要説明図
である。

【図３】本発明の水中バケット式ドライクリ−ニング装
置とその水中バケット式ドライクリ−ニング方法の一実
施例の後半の諸操作を行う装置と方法を示す概要説明図
である。

【符号の説明】

１・・・洗濯用バケット２・・・水槽３・・・給液ノズル３３・・・排液ノズル４・・・給排気ノズル４１・・・排気ノズル４４・・・給気ノズル５、６・・・他方の自動接続継手７・・・給排液ノズル８・・・給排気ノズル９、１０・・・一方の自動接続継手１１・・・エアフィンヒ−タ１２・・・コンデンサ１３・・・ドレンライン１４・・・ブロア− Ａ・・・溶剤給液工程Ｂ・・・洗濯工程Ｃ・・・溶剤排出工程Ｄ・・・すすぎ溶剤給液工程Ｅ・・・すすぎ工程Ｆ・・・すすぎ溶剤排出工程Ｇ・・・乾燥操作工程Ｈ・・・洗濯衣類取出し工程Ｉ・・・搬送コンベヤＪ・・・洗濯衣類仕込み工程Ｋ・・・滑車

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】洗濯衣類を収容する密閉型の洗濯用バケ
ットと、この洗濯用バケットを順次大気中の洗濯衣類仕
込み位置、水槽の水面下の溶剤給液位置、前記水面下の
溶剤排出位置、前記水面下のすすぎ溶剤給液位置、前記
水面下のすすぎ溶剤排出位置、前記水面下の乾燥操作位
置、大気中の洗濯衣類取出し位置に連続的に回転移送し
て各位置で停止して各位置での諸操作を受けさせるエン
ドレス形式の搬送コンベヤと、前記洗濯用バケットに取
り付けられた給排液ノズルおよび給排気ノズルと、これ
ら給排液ノズルおよび給排気ノズルの先端に装着された
一方の上下の自動接続継手と、この一方の自動接続継手
に水槽の水面下で自動接続される水槽に配設され前記水
面下の各位置に配備された他方の自動接続継手と、前記
一方の自動接続継手と前記他方の自動接続継手を連結す
ると洗濯用バケット内と大気中とを連通させるように構
成され、不活性ガス雰囲気中において洗濯衣類を洗濯用
バケット中で溶剤給液、洗濯、溶剤排出、すすぎ溶剤給
液、すすぎ、すすぎ溶剤排出、乾燥の諸操作を水面下で
行うことを特徴とする水中バケット式ドライクリ−ニン
グ装置。
【請求項２】大気中で密閉型の洗濯用バケットに洗濯
衣類を収容する洗濯衣類仕込工程と、前記洗濯衣類仕込
工程を経た洗濯用バケットに水槽の水面下で不活性ガス
を充填してから溶剤を給液する溶剤給液工程と、前記水
面下で洗濯衣類を洗濯用バケット中で洗濯する洗濯工程
と、前記洗濯工程を経た使用済の溶剤を洗濯用バケット
より水面下で不活性ガスで排出する溶剤排出工程と、さ
らに前記洗濯用バケットに水槽の水面下ですすぎ溶剤を
給液するすすぎ溶剤給液工程と、前記水面下で洗濯衣類
を洗濯用バケット中ですすぐすすぎ工程と、前記すすぎ
工程を経た使用済のすすぎ溶剤を洗濯用バケットより水
面下で不活性ガスで排出するすすぎ溶剤排出工程と、前
記水面下ですすぎ済の洗濯衣類を洗濯用バケット中で高
温不活性ガスにより乾燥する乾燥操作工程と、大気中で
乾燥操作工程を経た洗濯済の洗濯衣類を洗濯用バケット
より取出す洗濯衣類取出し工程と、この洗濯衣類取出し
工程に続く前記洗濯衣類仕込工程と、前記洗濯用バケッ
トを前記各工程順に連続的に回転移送するエンドレス形
式の搬送コンベヤとよりなることを特徴とする水中バケ
ット式ドライクリ−ニング方法。