JPH0622012Y2 - スタツドの取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、建築現場等においてボードを取り付ける際に
使用するスタッドの取付構造に関し、特に壁高の狂いを
吸収できるようにしたスタッドの取付構造に関する。

〔従来技術〕

従来、建築現場等において、ボードを取り付けるための
スタッド取り付けに際しては、床スラブや天井スラブに
レベルの狂い（不陸）がある場合には、その建築現場に
おいて、床スラブと天井スラブとの間の寸法を予め測定
し、その寸法よりも長いスタッドを搬入して、床スラブ
及び天井スラブの面のレベルの狂いに合わせて、現場で
そのスタッドを切り落として合わせている。

しかし、この方法によれば、同一壁面を構成するために
も、その何箇所にもわたって壁高を測定し、搬入された
全てのスタッドを現場のスラブ面の狂いに対処して切り
合わせる必要があり、手間が煩雑となり材料ロスも生じ
るという欠点がある。

〔考案の目的〕 本考案の目的は、上記したような現場での煩雑な手間や
材料ロスが生じないようにし、しかも新な問題も生じな
いようにしたスタッドの取付構造を提供することであ
る。

〔考案の構成〕

このために本考案では、縦方向に設置される長尺の略筒
状のスタッドと、該スタッド内に任意長だけ嵌入され該
嵌入部がそこにネジ止め固定されるジョイント部材と、
該ジョイント部材の上記嵌入側と反対側の端部が直接的
に、又は継ぎスタッドを介して嵌合される断面コ字形状
のランナーとを有し、上記ジョイント部材の上記端部
に、曲折自在な平板の舌片を連続して形成すると共に、
上記ジョイント部材の側面に外方向に突出する突起を形
成して構成した。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例について説明する。第１図はその
一実施例を示す図であり、１は天井側に取り付けられる
底板とこの底板の両側縁より曲折され互いに対向する折
曲板とを有して下向きに開口する断面ほぼコ字状の天井
側ランナーである。また、これと同様のランナーが床面
にも設けられる（図示せず）。２は下端が床側のランナ
ーの上向きの開口部に嵌合される断面口形状のスタッド
で、上方向に延長している。３は断面ほぼコ字形状でス
タッド２内に嵌合摺動可能な大きさでなるジョイント部
材であり、その一方の側壁３ａの上部には外側に突出す
る突起３ｂが形成され、また上端にはその側壁３ａに連
続するように舌片３ｃが形成されている。４は上記した
スタッド２と同様の形状の継ぎスタッドである。

さて、組み込みに際しては、ジョイント部材３を継ぎス
タッド４の下端に舌片３ｃ側から嵌入させると共に、そ
のジョイント部材３における舌片３ｃと反対側の下端を
床面から延長するスタッド２の上端内に嵌入する。

これにより、ジョイント部材３の突起３ｂは継ぎスタッ
ド４の下端に係止し、また下部はスタッド２内で摺動可
能となる。よって、ジョイント部材３を十分上方向に押
し上げて、継ぎスタッド４の上端を天井側のランナー１
の開口部内に押し当ててから、ネジ５を使用して、その
ジョイント部材３をスタッド２に対して固定する。

以上により、スタッドを、天井側ランナー１と床側ラン
ナーとの間の寸法に応じて、伸縮自在に壁面の高さに対
応させることができる。

この場合、天井高が低いほど、ジョイント部材３におけ
るスタッド２内に挿入される長さＬ_１が深くなり、露出
する部分、つまり調整長さＬ_２が短くなる。

なお、より低い天井に対しては継ぎスタッド４を省略す
ることができる。第３図はこの例を示したもので、予め
第４図に示すようにジョイント部材３の舌片３ｃを裏面
側に折り返しておいてから、そのジョイント部材３をラ
ンナー１の開口部内に嵌合すればよい。ランナー１の開
口部の大きさ（内幅）はスタッド４が嵌まり込む寸法に
設計されているので、そのスタッド４の中に嵌合するジ
ョイント部材３を直接ランナー１の開口部に嵌め込むと
そこに隙間が発生してガタツキを生じるが、このよう
に、舌片３ｃを折り返せば、ランナー１の開口部内での
ガタツキを効果的に防止することができる。

なお、以上の例ではスタッド２や継ぎスタッド４等を断
面口字形状とした場合について説明したが、これは断面
コ字形状であっても良い。

〔考案の効果〕

以上から本考案によれば、ジョイント部材を継ぎたして
スタッドの実質的な全長を調整するようにしているの
で、現場に搬入するスタッドの長さを、設計図面記入の
壁高さ或いは一部のみ現場計測した壁高さよりも、短か
目に“統一した長さ”とすることができる。

また、より高い壁面が部分的に存在する場合には、継ぎ
スタッドを追加して併用すれば、その不陸に対応するこ
とができる。

よって、必要な壁高より長いスタッドを搬入して切り合
わせするという手間が不要となり、材料ロスも避けるこ
とができる。更に、何種類もの長さのスタッドを製造す
る必要もなく、統一された長さのスタッドの量産で済む
ので、そのスタッドの製造コストの低減を図ることもで
きる。

また、上記のようにして実質的に長さ調整を行うジョイ
ント部材は、その端部に舌片を設けているので、このジ
ョイント部材の使用によって発生する不便や不都合（ジ
ョイント部材を継ぎスタッドに挿入する際の作業性、ジ
ョイント部材をランナーに嵌合する際のガタツキ発生）
が効果的に解消されるようになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例のスタッドの取付構造を示す
図、第２図は分解斜視図、第３図は別の実施例のスタッ
ドの取付構造を示す図、第４図は第３図の構造に使用す
るジョイント部材の前加工説明図である。 １…天井側のランナー、２…床面から延長するスタッ
ド、３…ジョイント部材、３ｂ…突起、３ｃ…舌片、４
…継ぎスタッド、５…ネジ。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭51−38349（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭57−15836（ＪＰ，Ｕ) 実公 昭49−39132（ＪＰ，Ｙ２)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】縦方向に設置される長尺の略筒状のスタッ
   ドと、該スタッド内に任意長だけ嵌入され該嵌入部がそ
   こにネジ止め固定されるジョイント部材と、該ジョイン
   ト部材の上記嵌入側と反対側の端部が直接的に、又は継
   ぎスタッドを介して嵌合される断面コ字形状のランナー
   とを有し、 上記ジョイント部材の上記端部に、曲折自在な平板の舌
   片を連続して形成すると共に、上記ジョイント部材の側
   面に外方向に突出する突起を形成したことを特徴とする
   スタッドの取付構造。