JPH06219348A - トーイング車両及びトーイング車両システム - Google Patents

トーイング車両及びトーイング車両システム

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JPH06219348A
JPH06219348A JP5027428A JP2742893A JPH06219348A JP H06219348 A JPH06219348 A JP H06219348A JP 5027428 A JP5027428 A JP 5027428A JP 2742893 A JP2742893 A JP 2742893A JP H06219348 A JPH06219348 A JP H06219348A
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JP
Japan
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towing vehicle
vehicle
control
towing
drive
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JP5027428A
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English (en)
Inventor
Shin Takehara
伸 竹原
Shigefumi Hirabayashi
繁文 平林
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G17/00Resilient suspensions having means for adjusting the spring or vibration-damper characteristics, for regulating the distance between a supporting surface and a sprung part of vehicle or for locking suspension during use to meet varying vehicular or surface conditions, e.g. due to speed or load
    • B60G17/015Resilient suspensions having means for adjusting the spring or vibration-damper characteristics, for regulating the distance between a supporting surface and a sprung part of vehicle or for locking suspension during use to meet varying vehicular or surface conditions, e.g. due to speed or load the regulating means comprising electric or electronic elements
    • B60G17/0195Resilient suspensions having means for adjusting the spring or vibration-damper characteristics, for regulating the distance between a supporting surface and a sprung part of vehicle or for locking suspension during use to meet varying vehicular or surface conditions, e.g. due to speed or load the regulating means comprising electric or electronic elements characterised by the regulation being combined with other vehicle control systems
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60LPROPULSION OF ELECTRICALLY-PROPELLED VEHICLES; SUPPLYING ELECTRIC POWER FOR AUXILIARY EQUIPMENT OF ELECTRICALLY-PROPELLED VEHICLES; ELECTRODYNAMIC BRAKE SYSTEMS FOR VEHICLES IN GENERAL; MAGNETIC SUSPENSION OR LEVITATION FOR VEHICLES; MONITORING OPERATING VARIABLES OF ELECTRICALLY-PROPELLED VEHICLES; ELECTRIC SAFETY DEVICES FOR ELECTRICALLY-PROPELLED VEHICLES
    • B60L2200/00Type of vehicles
    • B60L2200/28Trailers

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Automation & Control Theory (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)
  • Vehicle Body Suspensions (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両とこの車両で牽引されるトーイング車両
とからなるトーイング車両システム及びトーイング車両
の駆動性能、制動性、操縦性、旋回性を飛躍的に向上さ
せることである。 【構成】 自動車10に動力取り出し装置22を設け、
トーイング車両70に左右の後輪73を夫々独立に駆動
できる駆動モータ81、動力取り出し装置22で供給さ
れる動力で駆動される発電機86、太陽電池パネル、バ
ッテリ80、油圧ポンプ87、アクティブサスペンショ
ン装置84、後輪操舵装置85、バルブユニット94、
配電ユニット95、コントロールユニット100等を設
けるとともに、自動車10とトーイング車両70とを連
結する連結ヒンジ部31に前後力センサ、上下力セン
サ、ヒンジ角センサを設け、自動車の走行状態に関連す
る種々の信号や、前記センサ類で検出された信号等に基
いて、トーイング車両70の駆動系、懸架系、後輪操舵
系を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トーイング車両及びト
ーイング車両システムに関し、特にトーイング車両の走
行性、制動性、操舵・旋回性、操縦安定性を飛躍的に高
めたものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両に連結されて牽引される
トーイング車両(キャンピングカー等として活用され
る))が実用に供されており、欧米諸国では広く普及し
ている。従来のトーイング車両は、一般に車輪を駆動す
る駆動手段を備えておらず、車両に連結して牽引される
構成である。車両と、その車両に連結して牽引されるト
ーイング車両とからなるトーイング車両システムに関し
て、前記車両としては通常の乗用自動車が適用されるこ
とが多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のトーイング車両
システムでは、牽引する方の車両の特性がトーイング車
両を牽引するように設計されている訳ではないため、ト
ーイング車両を連結すると、燃費が著しく悪化するこ
と、十分な加速性や制動性が得られないこと、制動時や
旋回時等においてトーイング車両が車両に突っ込んでし
まうジャックナイフ現象が発生しやすいこと、旋回走行
(特に、小回り走行)や後退走行の操縦安定性が極端に
低下してしまうこと、等種々の未解決の問題が残されて
いる。本発明の目的は、トーイング車両及び/又はトー
イング車両システムの駆動性能、操縦安定性、制動性、
操舵性、旋回性を飛躍的に向上させることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1のトーイング車
両は、車両に連結して牽引されるトーイング車両におい
て、少なくとも1対の左右の車輪を夫々駆動する独立し
た1対のアクチュエータを設けたものである。
【0005】ここで、前記トーイング車両に、2対の左
右の車輪を夫々駆動する独立した2対のアクチュエータ
を設けた構成(請求項2)、前記アクチュエータが電動
モータからなる構成(請求項3)、前記アクチュエータ
が油圧モータからなる構成(請求項4)、前記モータが
ホイールに一体化させたホイールイン構造にした構成
(請求項5)、等の種々の態様に構成することもでき
る。
【0006】請求項6のトーイング車両システムは、
車両と、その車両に連結して牽引されるトーイング車両
とからなるトーイング車両システムにおいて、前記車両
に、動力発生手段と、この動力発生手段で発生させた動
力をトーイング車両に供給する為のパワーテークオフ手
段とを設け、前記トーイング車両に、パワーテークオフ
手段で供給される動力により、少なくとも1対の左右の
車輪を独立に駆動する駆動システムを設けたものであ
る。
【0007】ここで、前記パワーテークオフ手段は、車
両から回転駆動力を供給するようにした構成(請求項
7)、前記駆動システムは、パワーテークオフ手段によ
り供給される回転駆動力で駆動される発電機と、この発
電機からの電力で車輪を駆動する電動モータとを含む構
成(請求項8)、前記駆動システムは、パワーテークオ
フ手段により供給される回転駆動力で駆動される油圧ポ
ンプと、この油圧ポンプからの油圧で車輪を駆動する油
圧モータとを含む構成(請求項9)、前記パワーテーク
オフ手段は、車両の発電機で発生させた電力を供給する
ようにした構成(請求項10)、前記パワーテークオフ
手段は、車両の油圧ポンプで発生させた油圧を供給する
ようにした構成(請求項11)、等種々の態様に構成す
ることもできる。
【0008】請求項12のトーイング車両システムは、
車両と、その車両に連結して牽引されるトーイング車両
とからなるトーイング車両システムにおいて、前記車両
に、動力発生手段と、この動力発生手段で発生させた動
力をトーイング車両に供給する為のパワーテークオフ手
段であって動力を2段階に切り換え可能なパワーテーク
オフ手段とを設け、前記トーイング車両に、パワーテー
クオフ手段で供給される動力により、4つの車輪を独立
に駆動する駆動システムを設け、前記パワーテークオフ
手段の接続状態に応じて、駆動システムの駆動形態を切
り換え可能に構成したものである。
【0009】請求項13のトーイング車両システムは、
車両と、その車両に連結して牽引されるトーイング車両
とからなるトーイング車両システムにおいて、前記車両
とトーイング車両とを連結する連結ヒンジ部に、前後力
を検出する第1力センサと、上下力を検出する第2力セ
ンサと、ヒンジ角を検出する角度センサとを設けたもの
である。
【0010】請求項14のトーイング車両システムは、
車両と、その車両に連結して牽引されるトーイング車両
とからなるトーイング車両システムにおいて、前記トー
イング車両に、少なくとも1対の左右の車輪を夫々駆動
する独立した1対のアクチュエータを設け、前記車両の
走行状態を検出する走行状態検出手段を設け、この走行
状態検出手段で検出された走行状態に応じてアクチュエ
ータの駆動を制御する制御手段を設けたものである。
【0011】ここで、前記制御手段は、車両とトーイン
グ車両とを連結する連結ヒンジ部に作用する前後力が零
となるようにアクチュエータの駆動を制御するようにし
た構成(請求項15)、前記アクチュエータが電動モー
タからなり、前記トーイング車両の少なくともルーフに
太陽電池を設け、この太陽電池からの電力を電動モータ
に供給可能にした構成(請求項16)、前記トーイング
車両に、前記太陽電池からの電力を蓄電する蓄電手段を
設けた構成(請求項17)、等種々の態様に構成するこ
ともできる。
【0012】更に、前記制御手段は、トーイング車両の
操縦安定性が高まるように左右の車輪への駆動力配分を
制御するようにした構成(請求項18)、前記制御手段
は、直進走行時に、トーイング車両のヨーモーメントが
解消するように左右のアクチュエータを制御するように
した構成(請求項19)、前記制御手段は、旋回走行時
に、トーイング車両が車両の旋回軌跡をトレースするよ
うに左右のアクチュエータを制御するようにした構成
(請求項20)、前記制御手段は、低速走行旋回時に、
小回り走行性能向上の為に、左右のアクチュエータを逆
方向へ駆動するようにアクチュエータの駆動を制御する
ようにした構成(請求項21)、前記制御手段は、後退
走行時には、左右のアクチュエータの駆動力比が、前進
走行時の駆動力比よりも小さくなるように制御するよう
にした構成(請求項22)、等種々の態様に構成するこ
ともできる。
【0013】更に、前記制御手段は、所定の走行状態の
ときだけアクチュエータを駆動させるようにした構成
(請求項23)、前記制御手段は、発進時と加速時にの
みアクチュエータを駆動させるようにした構成(請求項
24)、前記制御手段は、所定の旋回度合い以上の旋回
時には、路面グリップ力向上の為に、アクチュエータの
駆動を規制するようにした構成(請求項25)、前記制
御手段は、直進の定常走行時には、アクチュエータの駆
動を規制するようにした構成(請求項26)、前記制御
手段は、所定車速以上の走行時には、アクチュエータの
駆動を規制するようにした構成(請求項27)、前記制
御手段は、後退走行時には、トーイング車両が車両を牽
引するように、アクチュエータの駆動力を増大させるよ
うにした構成(請求項28)、等種々の態様に構成する
こともできる。
【0014】請求項29のトーイング車両システムは、
車両と、その車両に連結して牽引されるトーイング車両
とからなるトーイング車両システムにおいて、前記トー
イング車両に、少なくとも1対の左右の車輪を夫々駆動
する独立した1対のアクチュエータを設け、制動時にア
クチュエータが抵抗体として作動するようにアクチュエ
ータの駆動系を切り換えてアクチュエータにより制動力
を発生させる制動制御手段を設けたものである。
【0015】ここで、前記アクチュエータが電動モータ
からなり、前記制動制御手段は、電動モータに逆起電力
を発生させて制動力を発生させるようにした構成(請求
項30)、前記アクチュエータが油圧モータからなり、
前記制動制御手段は、油圧モータを油圧ポンプとして作
動させて制動力を発生させる構成(請求項31)、前記
制動制御手段は、制動時に、車両がトーイング車両を牽
引する牽引力が零より大きくなるような制動力を発生さ
せる構成(請求項32)、前記車両はアンチロックブレ
ーキング手段を備え、前記トーイング車両はアンチロッ
クブレーキング手段を備え、前記トーイング車両のアン
チロックブレーキング手段におけるアンチロック制御の
制御開始しきい値は、前記車両のアンチロックブレーキ
ング手段におけるアンチロック制御の制御開始しきい値
よりも低く設定された構成(請求項33)、等種々の態
様に構成することもできる。
【0016】更に、前記車両の走行状態を検出する走行
状態検出手段を設け、前記制動制御手段は、トーイング
車両の操縦安定性が高まるように、走行状態検出手段で
検出された走行状態に応じて、左右のアクチュエータの
制動力配分を制御するようにした構成(請求項34)、
前記制動制御手段は、直進走行時に、トーイング車両の
ヨーモーメントが解消するように制動力配分を制御する
ようにした構成(請求項35)、前記制動制御手段は、
旋回走行時に、トーイング車両が車両の旋回軌跡をトレ
ースするように制動力配分を制御するようにした構成
(請求項36)、前記制動制御手段は、車両がトーイン
グ車両を牽引する牽引力が一定となるような制動力を発
生させるようにした構成(請求項37)、等種々の態様
に構成することもできる。
【0017】請求項38のトーイング車両システムは、
車両と、その車両に連結して牽引されるトーイング車両
とからなるトーイング車両システムにおいて、前記トー
イング車両に、少なくとも1対の左右の車輪を転舵可能
な操舵手段と、その操舵手段を制御する操舵制御手段と
を設け、前記操舵制御手段は、トーイング車両の操舵制
御を、車両の舵角制御よりも所定時間遅らせるように構
成したものである。
【0018】ここで、前記所定時間は、車速の増加に応
じて短くなるように設定されている構成(請求項3
9)、前記操舵制御手段は、直進時に、車両とトーイン
グ車両とを連結する連結ヒンジ部のヒンジ角が一定とな
るように操舵手段を制御するようにした構成(請求項4
0)、前記操舵制御手段は、旋回半径一定の旋回走行時
に、車両とトーイング車両とを連結する連結ヒンジ部の
ヒンジ角が一定となるように操舵手段を制御するように
した構成(請求項41)、前記操舵制御手段は、車輪の
転舵角が所定値以上とならないように転舵角を規制する
ようにした構成(請求項42)、等種々の態様に構成す
ることもできる。
【0019】請求項43のトーイング車両システムは、
車両と、その車両に連結して牽引されるトーイング車両
とからなるトーイング車両システムにおいて、前記トー
イング車両に、アクティブサスペンション装置と、車両
とトーイング車両とを連結する連結ヒンジ部に上下力が
作用しないように、アクティブサスペンション装置を制
御するアクティブサスペンション制御手段とを設けたも
のである。
【0020】請求項44のトーイング車両システムは、
車両と、その車両に連結して牽引されるトーイング車両
とからなるトーイング車両システムにおいて、前記車両
に、少なくとも駆動系、制動系、後輪操舵系、懸架系
と、これらを夫々制御する車両制御手段とを設け、前記
車両制御手段には、車両とトーイング車両との連結/非
連結に応じて前記各系を制御する制御ゲインを変更する
制御ゲイン変更手段を設けたものである。
【0021】ここで、前記制御ゲイン変更手段は、前記
連結/非連結に応じて、駆動系制御手段の制御ゲインを
パワーアップ側/燃費低減側に変更するようにした構成
(請求項45)、前記制御ゲイン変更手段は、前記連結
/非連結に応じて、制動系制御手段の制御ゲインを制動
力アップ側/制動力ダウン側に変更するようにした構成
(請求項46)、前記制御ゲイン変更手段は、前記連結
/非連結に応じて、後輪操舵系制御手段の制御ゲインを
同相ゲイン増大側/逆相ゲイン増大側に変更するように
した構成(請求項47)、前記制御ゲイン変更手段は、
前記連結/非連結に応じて、懸架系制御手段の制御ゲイ
ンをソフト側/ハード側に変更するようにした構成(請
求項48)、等種々の態様に構成することもできる。
【0022】請求項49のトーイング車両システムは、
車両と、その車両に連結して牽引されるトーイング車両
とからなるトーイング車両システムにおいて、前記車両
側の情報をテレメータ通信によってトーイング車両に伝
達する通信手段を設けたものである。ここで、前記車両
にトーイング車両が連結された連結状態において前記通
信手段が機能しないときに、車両の走行を規制する走行
規制手段を車両に設けた構成(請求項50)とすること
もできる。
【0023】
【発明の作用及び効果】請求項1のトーイング車両で
は、少なくとも1対の左右の車輪を夫々駆動する独立し
た1対のアクチュエータを設けたので、1対のアクチュ
エータを介して、駆動力制御、制動力制御、旋回制御を
自由に行うことができ、トーイング車両の操縦安定性を
高めることができる。請求項2のトーイング車両では、
請求項1と同様の作用・効果が得られる。請求項5のト
ーイング車両では、前記アクチュエータとしてのモータ
をホイールに一体化させたホイールイン構造に構成した
ので、レイアウト性を高めることができる。
【0024】請求項6のトーイング車両システムでは、
車両に設けた動力発生手段で発生させた動力をパワーテ
ークオフ手段を介してトーイング車両に供給でき、トー
イング車両の駆動システムは、パワーテークオフ手段を
介して供給される動力で、少なくとも1対の左右の車輪
を独立に駆動する。そのため、トーイング車両に動力発
生手段を設ける必要がないため、レイアウト性を高める
ことができる。
【0025】請求項12のトーイング車両システムで
は、車両側の動力発生手段で発生させた動力を、2段階
に切り換え可能なパワーテークオフ手段により、トーイ
ング車両に供給でき、トーイング車両の駆動システム
は、パワーテークオフ手段で供給される動力で、4つの
車輪を独立に駆動する。そして、前記パワーテークオフ
手段の接続状態に応じて、駆動システムの駆動形態(前
輪2輪駆動、後輪2輪駆動、4輪駆動)を切り換えるこ
とができる。
【0026】請求項13のトーイング車両システムで
は、前記車両とトーイング車両とを連結する連結ヒンジ
部に、前後力を検出する第1力センサと、上下力を検出
する第2力センサと、ヒンジ角を検出する角度センサと
を設けたので、車両とトーイング車両間に作用する力や
位置関係を検出して、トーイング車両の駆動力制御、制
動制御、操舵や旋回制御、懸架系制御に有効活用するこ
とができる。
【0027】請求項14のトーイング車両システムで
は、トーイング車両に、少なくとも1対の左右の車輪を
夫々駆動する独立した1対のアクチュエータを設け、走
行状態検出手段で検出された車両の走行状態に応じてア
クチュエータの駆動を制御する制御手段を設けたので、
車両の走行状態に応じて、トーイング車両の左右の車輪
の駆動力や制動力を独立に制御できるため、走行性能や
操縦安定性を格段に高めることができる。例えば、車両
とトーイング車両とを連結する連結ヒンジ部に作用する
前後力が零となるようにアクチュエータの駆動を制御す
る(請求項15)こともできる。請求項16のトーイン
グ車両システムでは、前記トーイング車両の少なくとも
ルーフに太陽電池を設け、この太陽電池からの電力で電
動モータ(アクチュエータ)を駆動できるため、燃費低
減を図ることができる。ここで、前記太陽電池からの電
力を蓄電する蓄電手段を設ける場合(請求項17)に
は、蓄電した電力をトーイング車両におけるユーティリ
テイ用の電力として活用できる。
【0028】ここで、前記制御手段により、左右の車輪
への駆動力配分を制御し、トーイング車両の操縦安定性
が高めることができ(請求項18)、また、前記制御手
段により、直進走行時に、トーイング車両のヨーモーメ
ントが解消するように左右のアクチュエータを制御する
こともでき(請求項19)、また、前記制御手段によ
り、旋回走行時に、トーイング車両が車両の旋回軌跡を
トレースするように左右のアクチュエータを制御するこ
ともでき(請求項20)、また、前記制御手段により、
低速走行旋回時に、小回り走行性能向上の為に、左右の
アクチュエータを逆方向へ駆動するようにアクチュエー
タの駆動を制御することもできる(請求項21)。
【0029】前記制御手段により、後退走行時には、左
右のアクチュエータの駆動力比が、前進走行時の駆動力
比よりも小さくなるように制御することで、スピン発生
を抑制でき(請求項22)、また、前記制御手段は、負
荷が最大となる発進時と加速時にのみアクチュエータを
駆動させるので、発進性と加速性を確保でき、車両側の
駆動系が大型化することもない。前記制御手段により、
所定の旋回度合い以上の旋回時には、アクチュエータの
駆動を規制することで、路面グリップ力を高め、旋回性
能を高めることができ(請求項25)、また、前記制御
手段により、直進の定常走行時には、アクチュエータの
駆動を規制(駆動力零を含む)することで、燃費の悪化
を抑制でき(請求項26)、前記制御手段により、後退
走行時には、トーイング車両が車両を牽引するように、
アクチュエータの駆動力を増大させることで、後退走行
の安全性を高めることができる(請求項28)。
【0030】請求項29のトーイング車両システムで
は、前記トーイング車両に、少なくとも1対の左右の車
輪を夫々駆動する独立した1対のアクチュエータを設け
てあり、制動制御手段は、制動時にアクチュエータが抵
抗体として作動するようにアクチュエータの駆動系を切
り換えてアクチュエータにより制動力を発生させる。そ
れ故、トーイング車両のブレーキ装置を省略できるた
め、製造コストの低減を図ることができる。ここで、ア
クチュエータとしての電動モータに逆起電力を発生させ
て制動力を発生させたり(請求項30)、アクチュエー
タとしての油圧モータを油圧ポンプとして作動させて制
動力を発生させたり(請求項31)することができる。
【0031】更に、前記制動制御手段により、制動時
に、車両がトーイング車両を牽引する牽引力が零より大
きくなるような制動力を発生させることで、トーイング
ショックとジャックナイフ現象を防止できる(請求項3
2)。請求項33のトーイング車両システムでは、トー
イング車両のアンチロックブレーキング手段におけるア
ンチロック制御の制御開始しきい値を、前記車両のアン
チロックブレーキング手段におけるアンチロック制御の
制御開始しきい値よりも低く設定することで、トーイン
グ車両のアンチロックブレーキング手段が作動しやすく
設定し、大きな旋回横力に対してタイヤのグリップ力を
確保できる。
【0032】請求項34のトーイング車両システムで
は、前記制動制御手段により、車両の走行状態に応じ
て、左右のアクチュエータの制動力配分を制御すること
により、トーイング車両の操縦安定性を高めることがで
きる。ここで、直進走行時に、トーイング車両のヨーモ
ーメントが解消するように制動力配分を制御したり(請
求項35)、また、旋回走行時に、トーイング車両が車
両の旋回軌跡をトレースするように制動力配分を制御し
たり(請求項36)、また、車両がトーイング車両を牽
引する牽引力が一定となるような制動力を発生させたり
(請求項37)することができる。
【0033】請求項38のトーイング車両システムで
は、トーイング車両に、少なくとも1対の左右の車輪を
転舵可能な操舵手段と、その操舵手段を制御する操舵制
御手段とを設け、この操舵制御手段により、トーイング
車両の操舵制御を、車両の舵角制御よりも所定時間遅ら
せることで、トーイング車両が車両の旋回軌跡をトレー
スするように操舵することができる。尚、前記所定時間
は、車速の増加に応じて短くなるように設定することが
望ましい(請求項39)。ここで、直進時に、車両とト
ーイング車両とを連結する連結ヒンジ部のヒンジ角が一
定(例えば、180度)となるように操舵手段を制御し
たり(請求項40)、また、旋回半径一定の旋回走行時
に、車両とトーイング車両とを連結する連結ヒンジ部の
ヒンジ角が一定となるように操舵手段を制御したり(請
求項41)、また、車輪の転舵角が所定値以上とならな
いように転舵角を規制したり(請求項42)することも
できる。
【0034】請求項43のトーイング車両システムで
は、トーイング車両に、アクティブサスペンション装置
と、車両とトーイング車両とを連結する連結ヒンジ部に
上下力が作用しないようにアクティブサスペンション装
置を制御するアクティブサスペンション制御手段とを設
けたため、悪路走行時等においてトーイング車両から車
両への影響を小さくすることができる。
【0035】請求項44のトーイング車両システムで
は、車両に、少なくとも駆動系、制動系、後輪操舵系、
懸架系と、これらを夫々制御する車両制御手段とを設け
てあり、この車両制御手段の制御ゲイン変更手段は、車
両とトーイング車両との連結/非連結に応じて前記各系
を制御する制御ゲインを変更する。ここで、前記連結/
非連結に応じて、駆動系制御手段の制御ゲインをパワー
アップ側/燃費低減側に変更したり(請求項45)、ま
た、前記連結/非連結に応じて、制動系制御手段の制御
ゲインを制動力アップ側/制動力ダウン側に変更シタリ
(請求項46)、また、前記連結/非連結に応じて、後
輪操舵系制御手段の制御ゲインを同相ゲイン増大側/逆
相ゲイン増大側に変更したり(請求項47)、また、前
記連結/非連結に応じて、懸架系制御手段の制御ゲイン
をソフト側/ハード側に変更したり(請求項48)する
ことができる。
【0036】請求項49のトーイング車両システムで
は、車両側の情報をテレメータ通信によってトーイング
車両に伝達する通信手段を設けたため、車両とトーイン
グ車両とを接続する信号ケーブルを省略して信号ケーブ
ル損傷により走行不能状態となるのを防止することがで
きる。ここで、前記車両にトーイング車両が連結された
連結状態において前記通信手段が機能しないときに、走
行規制手段により車両の走行を規制するため、通信手段
が機能しないときのフェールセーフを図ることができ
る。
【0037】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
つつ説明する。図1に示すように、トーイング車両シス
テム1は、通常の乗用自動車と略同様の自動車10と、
これに連結して牽引されるトーイング車両70とからな
り、本発明は、トーイング車両システム1の構成及びト
ーイング車両70の構成に特徴を有するものである。
【0038】図2、図3に示すように、自動車10に
は、少なくとも、エンジン11と、トーイング車両70
へエンジン11の動力の一部を分配する動力分配ギヤ装
置12と、エンジン11の出力軸に連結された自動変速
機13と、操舵ハンドル14の操舵をアシストするパワ
ーステアリング装置15と、前輪16と後輪17を制動
する油圧ブレーキ装置18と、左右の前輪16と後輪1
7の位置で車高を独立に可変できるアクティブサスペン
ション装置19と、後輪17を操舵可能な車速感応型の
電動式後輪操舵装置20とが設けられている。尚、車
体、ステアリング機構、サスペンション装置のリンク等
の機械的構成、自動変速機から左右の後輪17へ駆動力
を伝達する駆動力伝達系等については通常の自動車と同
様である。
【0039】自動車10には、更に、図3に示すよう
に、前記動力分配ギヤ装置12と、この動力分配ギヤ装
置12から車体の後端外まで延びる動力取り出しシャフ
ト21とからなる動力取り出し装置22(PTO)と、
トーイング車両70を着脱自在に連結する為に車体の後
端部に設けられた連結部材23とが設けられている。前
記動力分配ギヤ装置12について、図5により説明す
る。エンジン11の出力軸25に固定された駆動ギヤ2
6により、中間ギヤ27を介して可動ギヤ28が駆動さ
れる。この可動ギヤ28は、動力取り出しシャフト21
に軸方向移動可能に付設され、動力取り出しシャフト2
1には従動ギヤ29が固定されている。前記可動ギヤ2
8には、従動ギヤ29に噛合可能な出力ギヤ30が形成
されていて、可動ギヤ28は、図示外の環状油圧シリン
ダにより従動ギヤ29に噛合する噛合位置と、従動ギヤ
29に噛合しない非噛合位置とに、亙って位置切り換え
可能に構成されている。
【0040】更に、自動車10には、エンジン11の燃
料噴射量と点火時期を制御するエンジン制御装置34
(EGI制御装置)と、自動変速機13を制御する自動
変速機制御装置35(EAT制御装置)と、パワーステ
アリング装置15を制御するパワーステアリング制御装
置36(P/S制御装置)と、制動時の車輪のロックを
防止する為に油圧ブレーキ装置18を制御するアンチロ
ックブレーキング制御装置37(ABS制御装置)と、
前後輪16,17のアクティブサスペンション装置19
を制御するアクティブサスペンション制御装置38(A
CS制御装置)と、後輪操舵装置20を制御する4輪操
舵制御装置39(4WS制御装置)とが設けられてい
る。尚、これらの各部制御装置34〜39は、予め設定
されたベース制御ゲインで各制御対象機器を制御する
が、後述のように制御ゲイン補正係数K(Ke,Kt,
Kb,Ka,Kw)に相当する制御信号により変更した
制御ゲインで各制御対象機器を制御することもある。
尚、この自動車10の制御系については、後述する。
【0041】次に、トーイング車両70の機械的構成に
ついて説明する。図3、図4に示すように、トーイング
車両70の車体71は、ワンボックス型の車体であり、
この車体71の下部には、左右の前輪72と後輪73と
が設けられ、トーイング車両70の前端部の下部には、
自動車10の連結部材23の後端部に連結ヒンジ部31
により着脱自在に連結される連結部材74が設けられ、
この連結部材74の後端部に一体的に且つ直交状に連結
された車軸部材76の左右両端部には、左右の前輪72
のホイールサポート77が固着してあり、車軸部材76
の車幅中央部は、車体71に固定の鉛直支軸78に回動
自在に枢着されている。トーイング車両70には、図
1、図4に示すように、ルーフの全面と車体上端部の前
後左右の側面とを覆う太陽電池パネル79が設けられ、
太陽電池パネル79で発電された電力は、バッテリ80
に蓄電される。
【0042】トーイング車両70には、左右の後輪73
を夫々独立に駆動する直流モータからなる左右1対の駆
動モータ81が設けられており、左側の駆動モータ81
は、左側後輪73のホイールサポート82に一体的に固
着されたホイールイン構造に形成され、また、右側の駆
動モータ81は、右側後輪73のホイールサポート82
に一体的に固着されたホイールイン構造に形成されてい
る。更に、左右の前後輪72,73を制動する油圧ブレ
ーキ装置83が設けられ、左右の前後輪72,73を車
体71に連結するアクティブサスペンション装置84が
設けられ、左右の後輪73を操舵する後輪操舵装置85
が設けられている。尚、アクティブサスペンション装置
84の懸架シリンダ105のみ図示し、その他のサスペ
ンションリンク機構等は図示省略してある。
【0043】更に、トーイング車両70の車体71の前
端部の下部には、発電機86と、油圧ポンプ87と、油
圧アキュムレータ88と、油タンク89と、バッテリ8
0とが設けられ、発電機86の入力軸は、自動車10の
動力取り出しシャフト21の後端部に着脱自在に連結さ
れるフレキシブルな動力伝達軸90と、傘歯車機構91
とを介して、動力取り出しシャフト21の後端部に連動
連結され、発電機86は、自動車10のエンジン11か
ら動力取り出し装置22により供給される動力で駆動さ
れる。前記油圧ポンプ87の入力軸に固定された従動ギ
ヤ93は、発電機86の入力軸に固定された駆動ギヤ9
2に噛合しており、自動車10のエンジン11から動力
取り出し装置22により供給される動力で駆動される。
【0044】トーイング車両70には、更に、ブレーキ
装置83の為の複数のコントロールバルブを含むコント
ロールバルブユニットと、アクティブサスペンション装
置84の為の複数のコントロールバルブを含むコントロ
ールバルブユニットとからなるバルブユニット94と、
配電ユニット95と、コントロールユニット100とが
設けられている。前記油圧ポンプ87で発生した油圧
は、バルブユニット94を介して、ブレーキ装置83の
4つのブレーキシリンダ106(図9参照)と、4つの
懸架シリンダ105に供給され、また、発電機86やバ
ッテリ80からの電力は、左右1対の駆動モータ81
と、後輪操舵装置85の駆動モータ(図示略)に供給さ
れる。尚、制御系については後述する。
【0045】次に、前記自動車10の油圧系について簡
単に説明する。図6に示すように、油圧ポンプ40は電
動モータ41で駆動され、発生した油圧は、コントロー
ルバルブ42を介してパワーステアリング装置15のパ
ワーシリンダ43に供給され、また、油圧は、コントロ
ールバルブユニット44を介して、アクティブサスペン
ション装置19の4つの懸架シリンダ45に供給され、
また、油圧は、コントロールバルブユニット46を介し
て、ブレーキ装置18の4つのブレーキシリンダ47に
供給され、油圧の一部は油圧アキュムレータ48に蓄圧
される。但し、前記コントロールバルブ42とコントロ
ールバルブユニット44,46は、自動車10のコント
ロールユニット50からの制御信号で夫々制御される。
【0046】次に、自動車10の制御系について説明す
る。図7に示すように、自動車10のコントロールユニ
ット50には、EGI制御装置34、EAT制御装置3
5、P/S制御装置36、ABS制御装置37、ACS
制御装置38、4WS制御装置39、ポンプ駆動回路3
3と、CPU51とROM52とRAM53とを含むマ
イクロコンピュータと、検出信号をA/D変換する変換
回路や波形整形する整形回路を含む入力インターフェイ
ス54と、アドレスバスとコントロールバスとデータバ
スとを含むバス55と、出力インターフェイス56等が
設けられている。
【0047】前記自動車10には、センサ類として、自
動車10の車速Vを検出する車速センサ56、左右の前
後輪16,17の車輪速Vw1〜Vw4を検出する車輪
速センサ57、4つの懸架シリンダ45の近くに夫々設
けられ車高H1〜H4を検出する車高センサ58、ハン
ドル舵角θhを検出する舵角センサ59、車体に作用す
るヨーレイトψvを検出するヨーレイトセンサ60、車
体に作用する上下加速度Gvを検出する上下加速度セン
サ61、車体に作用する横加速度Ghを検出する横加速
度センサ62、ブレーキ装置18の油圧Pbを検出する
ブレーキ圧センサ63、動力分配ギヤ装置12の出力ギ
ヤ30と従動ギヤ29とが噛合したときにONとなる位
置信号PSを出力する位置検出スイッチ64、連結ヒン
ジ部31に設けられ、トーイング車両70が連結された
ときにONとなる連結信号CSを出力する連結検出スイ
ッチ68、等が設けられ、これらセンサ類やスイッチの
検出信号は、コントロールユニット50に供給されてい
る。
【0048】各部制御装置34〜39は、夫々所定の制
御プログラムが格納されたマイクロコンピュータと駆動
回路とを含むものである。前記ROM52には、センサ
類からの検出信号を読み込む読込み制御、検出信号を処
理する検出信号処理制御、各部制御装置34〜39に夫
々予め設定されたベース制御ゲインを変更する後述の制
御ゲイン変更制御、等の制御プログラムが予め格納さ
れ、RAM53には、それらの制御に必要なメモリ類が
設けられている。前記出力インターフェイス56は、ト
ーイング車両70に種々の信号(図10参照)を供給す
る為のもので、この出力インターフェイス56は信号ケ
ーブルを介して、トーイング車両70のコントロールユ
ニット100の入力インターフェイス121に着脱自在
に接続される。
【0049】EGI制御装置34は、図示外のセンサ類
やスイッチ類からの種々の信号を受けて、自動車の運転
状態に応じてエンジン11の燃料噴射量と点火時期を制
御する制御信号をエンジン11に出力する。EAT制御
装置35は、図示のセンサ類や図示外のセンサ類やスイ
ッチ類からの種々の信号を受けて、自動車の運転状態や
走行状態に応じて自動変速機13を制御する制御信号を
自動変速機13のコントロールバルブユニットに出力す
る。P/S制御装置36は、コントロールバルブ42を
制御し、操舵ハンドル14の操舵力を制御する。
【0050】ABS制御装置37は、制動時に車輪がロ
ックするのを防止する為に、各車輪のスリップ量が制御
目標値以内となるように、コントロールバルブユニット
46内の複数のコントロールバルブを介して、4つのブ
レーキシリンダ47のブレーキ圧を制御する。ACS制
御装置38は、車体のバウンス量を所定値に保持し、且
つピッチ量とロール量を夫々所定値以下とするように、
コントロールバルブユニット44を介して、4つの懸架
シリンダ45への油圧の供給量と排出量を制御する。4
WS制御装置39は、ハンドル舵角θhと車速Vとに応
じて、所定の車速感応型の制御特性で以て後輪操舵装置
20を制御する為に、後輪操舵装置20の駆動モータの
為のモータ駆動回路49に制御信号を出力する。
【0051】但し、前記各部制御装置34〜39で行う
制御の内容は、通常の自動車のものと同様であるのでそ
の説明は省略するが、本実施例における自動車10のコ
ントロールユニット50では、後述するように、トーイ
ング車両70を連結する連結状態に応じて、EGI制御
装置34とEAT制御装置35とABS制御装置37と
ACS制御装置38と4WS制御装置39の各ベース制
御ゲインを変更する制御を行う点で、通常の自動車のコ
ントロールユニットと異なっている。
【0052】次に、トーイング車両70における給電系
について説明する。図8に示すように、発電機86の出
力ラインは、バッテリ80と配電ユニット95に並列接
続され、太陽電池パネル79の出力ラインはバッテリ8
0に接続され、配電ユニット95からモータ駆動ユニッ
ト101を介して左右の後輪73を駆動する1対の駆動
モータ81に独立に電力を供給するように構成され、ま
た、配電ユニット95からモータ駆動回路102を介し
て後輪操舵装置85を駆動する駆動モータ96に電力を
供給するように構成されている。前記発電機86は、例
えば出力約30〜50KWのオルタネータ(半導体整流
方式の三相交流発電機)であって、直流電力を出力す
る。この発電機86の電圧レギュレータ97は、図9に
示すコントロールユニット100で制御される。
【0053】配電ユニット95は、モータ駆動ユニット
101とモータ駆動回路102に電力を供給するととも
に、トーイング車両70内の照明機器、冷蔵庫107、
調理器具、テレビ108、オーディオ機器109等の為
のユーティリテイ用電力を供給する。配電ユニット95
もコントロールユニット100により制御される。前記
1対の駆動モータ81は直流モータからなり、各駆動モ
ータ81には、ブレーキング作用の為の負荷抵抗98が
並列接続されている。制動時に、モータ駆動ユニット1
01内においてモータ駆動ラインを開ループにすると、
駆動モータ81が後輪73で回転駆動されて発電し、そ
の電力が負荷抵抗98で消費されるため、駆動モータ8
1でブレーキング作用が得られることになる。
【0054】次に、トーイング車両70における油圧系
について説明する。図9に示すように、油圧ポンプ87
は、動力取り出し装置22(PTO)から供給される動
力で駆動され、発生した油圧は、コントロールバルブユ
ニット104を介して、アクティブサスペンション装置
82の4つの懸架シリンダ105に供給され、また、油
圧は、コントロールバルブユニット103を介して、ブ
レーキ装置83の4つのブレーキシリンダ106に供給
され、油圧の一部は油圧アキュムレータ88に蓄圧され
る。但し、コントロールバルブユニット103,104
はトーイング車両70のコントロールユニット100か
らの制御信号で夫々制御される。
【0055】次に、トーイング車両70の制御系につい
て説明する。コントロールユニット100には、駆動モ
ータ制御装置110、ABS制御装置111、ACS制
御装置112、RWS制御装置113、発電機コントロ
ーラ114、配電コントローラ115、CPU116と
ROM117とRAM118とを含むマイクロコンピュ
ータと、センサ類からの検出信号をA/D変換する変換
回路や波形整形する整形回路を含む入力インターフェイ
ス119と、アドレスバスとコントロールバスとデータ
バスとを含むバス120と、自動車10のコントロール
ユニット50から供給される種々の信号を入力する為の
入力インターフェイス121等が設けられている。
【0056】センサ類として、自動車10とトーイング
車両70とを連結する連結ヒンジ部31に作用する前後
力Fhを検出する前後力センサ122、この連結ヒンジ
部31に作用する上下力Fvを検出する上下力センサ1
23、この連結ヒンジ部31のヒンジ角α(図18参
照)を検出するヒンジ角センサ124、4つの懸架シリ
ンダ105の近くに夫々設けられ車高Ht1〜Ht4を
検出する車高センサ125、後輪73の転舵角θtrを
検出する転舵角センサ126、油圧ポンプ87で発生さ
せた油圧Ptを検出する圧力センサ127、バッテリ8
0の電圧Dを検出する電圧センサ128、4つの車輪の
車輪速Vwt1〜Vwt4を検出する車輪速センサ12
9、等が設けられ、これらセンサ類からの検出信号は、
コントロールユニット100に供給されている。
【0057】各部制御装置110〜113は、夫々所定
の制御プログラムが格納されたマイクロコンピュータと
駆動回路とを含むものである。前記ROM117には、
センサ類からの検出信号を読み込む読込み制御、検出信
号を処理する検出信号処理制御、図14に示す各部制御
装置110〜113の制御実行と制御中止を設定する作
動設定制御、等の制御プログラムが予め格納され、RA
M118には、それらの制御に必要なメモリ類が設けら
れている。前記入力インターフェイス121は、自動車
10から種々の信号(イグニションスイッチ信号Ig、
位置信号PS、連結信号CS、セレクトレバーのレンジ
信号RS、車速V、舵角θh、ブレーキ圧Pb、車輪速
Vw1〜Vw4、等)を受ける為のもので、この入力イ
ンターフェイス121は信号ケーブルを介して、自動車
10のコントロールユニット50の出力インターフェイ
ス56に接続される。
【0058】駆動モータ制御装置110は、モータ駆動
ユニット101を介して、後述の制御特性で1対の駆動
モータ81を制御し、ABS制御装置111は、制動時
に車輪がロックするのを防止する為に、各車輪のスリッ
プ量が制御目標値以内となるように、コントロールバル
ブユニット103内の複数のコントロールバルブを介し
て、4つのブレーキシリンダ106のブレーキ圧を制御
する。ACS制御装置112は、車体のバウンス量を所
定値に保持し、且つピッチ量とロール量を夫々所定値以
下とするように、コントロールバルブユニット104を
介して、4つの懸架シリンダ105への油圧の供給量と
排出量を制御する。RWS制御装置113は、後述の制
御特性で以て後輪操舵装置85を制御する為に、後輪操
舵装置85を駆動する駆動モータ96の為のモータ駆動
回路102に制御信号を出力する。
【0059】次に、前記前後力センサ122と、上下力
センサ123と、ヒンジ角センサ124について説明す
る。図11、図12に示すように、自動車10に固定さ
れた連結部材23の後端部には、コ字断面のヒンジ部材
24が設けられ、トーイング車両70に固定された連結
部材74の前端部には、ヒンジ部材24に嵌まるヒンジ
部材75が形成され、連結ヒンジ部31において両ヒン
ジ部材24,75に鉛直向きの鍔付きピン部材65を上
方より嵌め、ピン部材65の下端部に割りピン66を装
着することにより、両連結部材23,74が回動自在に
連結される。
【0060】前記連結部材74のうちのヒンジ部材75
の近くの所定長さ部分には、金属(例えば、ステンレ
ス)製の偏平な直方体状の検出部材130が介設され、
検出部材130の前後両端部のネジ部131,132を
連結部材74に螺合することで連結部材74は、十分な
牽引力と上下方向の曲げ荷重に耐えるように構成されて
いる。前記検出部材130の上下両面と左右両側面に
は、歪みゲージ133(合計4つ)が貼付され、左右の
2つの歪みゲージ133(又は、4つの歪みゲージ13
3)の検出信号から、連結ヒンジ部31に作用する前方
向き又は後方向きの前後力を検出でき、また、上下両面
の2つの歪みゲージ133の検出信号から、連結ヒンジ
部31に作用する上方向き又は下方向きの上下力を検出
することができる。尚、検出部材130の外面はゴム部
材134で覆われている。つまり、前後力センサ122
は、検出部材130と左右の2つの歪みゲージ133
(又は、4つの歪みゲージ133)で構成され、また、
上下力センサ123は、検出部材130と上下両面の2
つの歪みゲージ133で構成され、前後力センサ122
の歪みゲージ133の検出信号、及び上下力センサ12
3の歪みゲージ133の検出信号は、コントロールユニ
ット100に供給されている。
【0061】更に、ヒンジ角αを検出する為、連結部材
74の上面には、左右1対の変位検出器135が配設さ
れ、各検出本体136の後端部は、連結部材74に鉛直
のピン138で回動自在に連結され、各検出ロッド13
7の前端部の連結金具139は、ヒンジ部材24のブラ
ケット67に鉛直のボルト140にて回動自在に連結さ
れている。連結部材23に対して連結部材74が回動
し、ヒンジ角αが生じると、両変位検出器135のロッ
ド137のストロークが異なる態様で変化するため、そ
の検出信号からヒンジ角αと、回転方向とを検出するこ
とができる。つまり、ヒンジ角センサ124は、左右1
対の変位検出器135で構成され、その検出信号がコン
トロールユニット100に供給されている。尚、図中、
符号141は、前記センサを保護する為のラバーブーツ
である。尚、前記前後力センサ122と上下力センサ1
23とヒンジ角センサ124は、一例を示すものに過ぎ
ず、その他種々の構成のものでもよい。
【0062】次に、自動車10のコントロールユニット
50で行う制御ゲイン変更制御について、図13のフロ
ーチャートに基いて説明する。尚、図中、Si(i=
1,2,・・・)は各ステップを示す。この制御は、自
動車10へのトーイング車両70の連結状態と、PTO
22の接続状態に応じて、各部制御装置34〜39(但
し、P/S制御装置36を除く)の制御ゲインを変更す
る制御であり、これら各部制御装置のベース制御ゲイン
は、トーイング車両70を連結しない状態で適正な特性
となるように設定されているため、トーイング車両70
を連結し、PTO22を接続したときには、基本的にエ
ンジン11や自動変速機13の出力を増大させる必要が
あるし、ABS制御、ACS制御、4WS制御について
も、トーイング車両70の連結に応じて適切に制御ゲイ
ンを補正することが望ましい。
【0063】イグニションスイッチの投入とともに制御
が開始されると、各種信号(位置信号PS、連結信号C
S、等)が読み込まれ(S1)、次にトーイング車両7
0が連結されているか否かについてい連結信号CSに基
いて判定され(S2)、連結してないときには、S6へ
移行し、また、連結しているときには、S3へ移行す
る。次に、位置検出信号PSに基いて、PTO22が接
続されているか否か判定される(S3)。
【0064】次に、PTO22が接続されているときに
は、S4において、制御ゲイン補正係数Kが設定され
る。即ち、エンジンを出力増大側の特性とする為にEG
I制御装置34の制御ゲイン補正係数Keが1.2 に設定
され、また、自動変速機13を出力増大側の特性とする
為にEAT制御装置35の制御ゲイン補正係数Ktが1.
2 に設定され、また、ブレーキシリンダ47の制動圧を
増大側の特性とする為にABS制御装置37の制御ゲイ
ン補正係数Kbが1.1に設定され、また、アクティブサ
スペンション装置19をソフト側の特性とする為にAC
S制御装置38の制御ゲイン補正係数Kaが0.9 に設定
され、また、後輪操舵装置20を操縦安定性アップ側の
特性とする為に4WS制御装置39の制御ゲイン補正係
数Kwが1.1に設定される。S4における制御ゲイン補
正係数Kの設定後には、S7において、前記5つの制御
ゲイン補正係数Ke,Kt,Kb,Ka,Kwに夫々相
当する制御信号が、対応する制御装置へ出力され、その
後S1へ戻り、S1以降が微小時間おきに実行される。
【0065】トーイング車両70が連結されているが、
PTO22が接続されていないときは、走行駆動力は減
少しないが、発電機86での駆動力ロスや油圧ポンプ8
7における負荷が減少するため、エンジン11の負荷が
少なくなり、また、トーイング車両70のブレーキ装置
83が作動しなくなることに鑑みて、S5において、制
御ゲイン補正係数Ke,Kt,Kb,Ka,Kwが、夫
々、1.1, 1.1, 1.2, 0.9, 1.2 に設定される。つまり、
エンジン出力を多少増大する特性に、また、自動変速機
13を多少出力増大側の特性に、また、ブレーキシリン
ダ47の制動圧を一層増大側の特性に、また、アクティ
ブサスペンション装置19をソフト側の特性に、また、
後輪操舵装置20を一層操縦安定性アップ側の特性に、
夫々、する為に、制御ゲイン補正係数Ke,Kt,K
b,Ka,Kwが、夫々、前記のように設定され、その
制御ゲイン補正係数Kの設定後には、S7において、前
記と同様に、夫々の制御信号が、対応する制御装置へ出
力される。
【0066】S2の判定の結果、トーイング車両70が
連結されていないときには、制御ゲインを変更する必要
がないため、S6において、制御ゲイン補正係数Ke,
Kt,Kb,Ka,Kwが、全て1.0 に設定され、その
制御信号が、夫々対応する制御装置へ出力される。この
場合、各部制御装置34〜39では、ベース制御ゲイン
による制御が実行される。
【0067】次に、トーイング車両70のコントロール
ユニット100のマイクロコンピュータで実行される制
御であって、各部制御装置110〜113の制御実行と
制御中止を設定する作動設定制御について、図14のフ
ローチャートに基いて説明する。 自動車10から供給
されるイグニションスイッチ信号Igに基いて、イグニ
ションスイッチの投入とともに制御が開始されると、各
種信号(位置信号PS、連結信号CS、バッテリ80の
電圧信号D、油圧ポンプ87の油圧Pt、等)が読み込
まれ(S11)、次に、S2において、位置信号PSに
基いてPTO22が接続か否か且つ連結信号CSがON
(連結ヒンジ部が連結)か否か判定され、S13におい
て電圧Dが所定値D0以上か否か判定され、S14にお
いて油圧Ptが所定値P0以上か否か判定される。
【0068】PTO22が接続され、電圧Dが所定値D
0以上で、油圧Pが所定値P0以上であることを条件と
して、フラグFgがセットされ(S15)、次に、S1
6において、駆動モータ制御装置110、ACS制御装
置112、ABS制御装置111、RWS制御装置11
3の制御実行を許可する為のフラグFgセットを示すフ
ラグ信号が各部制御装置110〜113へ出力され、そ
の後S10へリターンする。前記S12、S13、S1
4の何れかのステップの判定がNoのときには、駆動モ
ータ81の駆動制御、ABS制御、ACS制御、RWS
制御を所期の特性で実行できないため、S17において
フラグFgがリセットされ、次にS18において、駆動
モータ制御装置110、ACS制御装置112、ABS
制御装置111、RWS制御装置113の制御中止を設
定する為のフラグFgリセットを示すフラグ信号が各部
制御装置110〜113へ出力され、その後S10へリ
ターンする。
【0069】次に、トーイング車両70の駆動モータ制
御装置110で実行される駆動モータ81に対する駆動
制御であって、直進走行及び旋回走行時の駆動制御につ
いて、図15のフローチャートに基いて説明する。この
駆動モータ81に対する駆動制御においては、トーイン
グ車両70の駆動モータ81の駆動力を適切に制御する
ことで、前記前後力Fhを極く小さな値に維持し、トー
イング車両70をあたかも牽引していないかの状態で走
行できるように制御するものである。イグニションスイ
ッチがONの間は常時フラグ信号の読込みがなされて、
フラグFgがセットか否か判定され(S20)、フラグ
Fgがセットされると、各種信号(舵角θh、車速V、
前後力Fh、ヒンジ角α、等の信号)が読み込まれ(S
21)、次に、前後力Fhの絶対値が予め設定された小
さな所定値C1(例えば、C1は、0〜5Kgw程度の
値である)以下か否か判定される(S22)。駆動モー
タ81が適切に駆動制御されているとか、緩い下り坂走
行とかで、前後力Fhの絶対値が所定値C1未満のとき
には、その制御状態を維持するため、S20へ戻る。
【0070】尚、前後力Fh>0は、自動車10がトー
イング車両70を牽引する状態、前後力Fh<0は、自
動車10がトーイング車両70で前方へ押動される状
態、前後力Fh=0は、連結ヒンジ部31に前後力が作
用しない状態である。S22の判定結果がNoになる
と、車速Vと舵角θhとに基いて、トーイング車両70
の内外輪の平均目標回転数Nmが所定の演算式で演算さ
れ(S23)、次に、舵角θhを図16のマップに適用
することで、目標ヒンジ角αTが演算される(S2
4)。図16のマップは、舵角θhと車速Vをパラメー
タとして目標ヒンジ角αTを設定したもので、舵角θh
の増大に応じて目標ヒンジ角αTが増大し、また、舵角
θhが同一のときには、車速Vの増大に応じて目標ヒン
ジ角αTが減少する特性に設定してあり、この目標ヒン
ジ角αTは、トーイング車両70が自動車10の走行軌
跡をトレースように設定してある。
【0071】次に、S25において、ヒンジ角差Δαが
Δα=(αT−α)として演算され、次に、ヒンジ角差
Δαを、図17のマップに適用することで、内外輪回転
数補正係数Kioが演算される。前記ヒンジ角αは、図
18に示すように、連結部材23に対する連結部材74
のなす角度のことであり、図18のマップにおいて、ヒ
ンジ角差Δα>0のときには、旋回不足故に、外側後輪
の補正係数KioがKio>1.0 に、また、内側後輪の
補正係数KioがKio<1.0 に、夫々設定してある。
尚、ヒンジ角差Δα<0のときには、旋回過剰故に、前
記とは反対の特性に設定してある。
【0072】次に、S27において、内側後輪の目標回
転数NiがNi=Nm×内側後輪の補正係数Kio、外
側後輪の目標回転数NoがNo=Nm×外側後輪の補正
係数Kio、に演算され、S28において、内側後輪と
外側後輪の駆動モータ81の回転数を、夫々目標回転数
Ni、Noとする為の制御信号が、モータ駆動ユニット
101に出力され、その後S20へ戻り、S20以降が
微小時間おきに実行される。従って、以上の駆動制御に
より、直進走行時にも、旋回走行時にも、連結ヒンジ部
31に作用する前後力Fhが、常に小さな所定値C1以
下に維持されることになるので、自動車10は、トーイ
ング車両70の影響を殆ど受けることなく、トーイング
車両70を牽引していないかのような走行フィーリング
で走行できることになり、トーイング車両システム1の
走行安定性、操縦安定性が著しく向上することになる。
【0073】前記駆動モータ81に対する駆動制御にお
いて、フローチャートに図示していないが、次のような
種々の制御態様となるように制御することもある。 1)トーイング車両70にヨーレイトセンサを設け、そ
のヨーレイトを用いて、直進走行時にヨーレイトが解消
するように制御する。 2)低速旋回走行時に、小回り性向上の為に、前後力F
hの制約を解除して、左右の駆動モータ81を互いに逆
方向へ駆動する。 3)前記駆動制御には、後退走行について記載していな
いが、自動車10のギヤがリバースに切り換えられた状
態では、前後力センサ122で検出した前後力Fhを用
いて、トーイング車両70が自動車10を所定以上の力
で牽引するように駆動モータ81の駆動力を増加させる
ように構成する。
【0074】そして、旋回しつつ後退する場合には、自
動車10がトーイング車両70に突っ込むジャックナイ
フ現象を防止する為に、左右の駆動モータ81の駆動力
比(又は回転数比)を旋回前進走行時の駆動力比(又は
回転数比)よりも小さくするように制御する。そして、
直進の定常走行時には、駆動モータ81の駆動を規制又
は制限又は中止するように構成する。 4)前記実施例では、フラグFgがセットされているこ
とを条件として駆動制御を実行するように構成したが、
所定の走行状態(例えば、発進時や加速時)のときの
み、駆動モータ81を駆動制御するように構成する。 5)自動車10の横加速度センサ62で検出される旋回
時の横加速度Ghが所定値以上のときには、路面に対す
るグリップ力向上の為に、駆動モータ81の駆動を規制
又は制限するように構成する。
【0075】次に、トーイング車両70の駆動モータ制
御装置110で実行される駆動モータ81に対する駆動
制御であって、制動時に駆動モータ81を介して制動す
るときの駆動制御について、図19のフローチャートに
基いて説明する。この制動時の駆動制御においては、基
本的に、連結ヒンジ部31に作用する前後力を負(つま
り、トーイング車両70が自動車10を引っ張る状態)
に制御しすることで、トーイング車両70が自動車10
に突っ込むジャックナイフ現象となるのを防止する。ま
た、所定の制動状態のときに先ず駆動モータ81をOF
Fとし、負荷抵抗98の抵抗作用で所定時間制動し、更
に制動の必要のあるときには駆動モータ81を逆駆動す
ることで、強力な制動力を発生させる。
【0076】イグニションスイッチがONの間は常時フ
ラグ信号の読込みがなされて、フラグFgがセットか否
か判定され(S30)、フラグFgがセットされると、
各種信号(車速V、前後力Fh、自動車10側のブレー
キ圧Pb、等の信号)が読み込まれる(S31)。S3
2において車速Vが所定値V0(例えば、20Km/
h)以上(S32、Yes)で、ブレーキ圧Pbが所定
値Pb0以上(S33、Yes)で、前後力Fhが所定
値C2(但し、C2は、零以上であればよいが、ある程
度大きな値が望ましい)以下(S34、Yes)である
場合に、ジャックナイフ現象を防止する為に、トーイン
グ車両70側でも制動することが望ましいので、S35
へ移行する。
【0077】S35では、フラグFmがリセットか否か
判定し、最初のうちはフラグFmがリセットなので、駆
動モータ81がOFFに制御され(S36)、次に、フ
ラグFmがセットされ(S37)、次に、タイマTMが
スタートされ(S38)、その後S30へ戻り、S30
以降が微小時間おきに繰り返し実行される。前記のよう
に、駆動モータ81をOFFにし、モータ駆動ユニット
101内において2つの駆動モータ81への給電ライン
を開ループにして、駆動モータ81で発電させ、その電
力を負荷抵抗98で消費させるので、駆動モータ81の
抵抗で制動作用が得られることになる。
【0078】駆動モータ81をOFFに切り換え後、最
初はS30〜S35を経てS39へ移行し、S39にお
いてタイマTMのカウント値TMが所定時間t0(例え
ば、2秒)以上か否か判定され、Noのときは、S30
へ戻り、S30〜S35、S39、S40が繰り返され
る。そして、駆動モータ81のOFFから所定時間t0
経過後には、S39からS40へ移行し、S40におい
て2つの駆動モータ81が逆転駆動され、その後S30
へ戻り、S30以降を繰り返す。このように、駆動モー
タ81を逆転駆動させることにより、強力な制動力が発
生するため、トーイング車両70の制動力が急増して前
方向きの前後力Fhが増加し、トーイング車両70が自
動車10で所定値C2以上に引っ張られる状態になり、
S34の判定がNoとなると、S41において、フラグ
FmとタイマTMがリセットされ、S30へ戻る。この
ように、制動時には、駆動モータ81の負荷抵抗98に
よる制動作用と逆回転駆動による制動作用を介して、自
動車の牽引力を所定値以上とし、トーイング車両70が
自動車10で引っ張られる状態にして、ジャックナイフ
現象を防止し、制動時の走行安定性と安全性を格段に高
めることができる。
【0079】前記制動制御において、フローチャートに
図示していないが、次のような種々の制御態様となるよ
うに制御することもある。 1)制動時に、前後力Fhが所定値C2以下となるよう
に、図15のS23〜S28のステップを繰り返し実行
し、左右の駆動モータ81への駆動力配分を制御し、操
縦安定性を向上させる。そして、更に、旋回走行の制動
時にも、トーイング車両70が自動車10の走行軌跡を
トレースするように構成する。 2)トーイング車両70にヨーレイトセンサを設け、検
出ヨーレイトを用いて、直進走行の制動時に、トーイン
グ車両70のヨーレイトが解消するように駆動モータ8
1の駆動力を制御する。
【0080】次に、トーイング車両70の駆動モータ制
御装置34で実行される車速零制御について、図20の
フローチャートに基いて説明する。この車速零制御は、
駐車または停車中に車速Vが零となるように駆動モータ
81を制御する制御である。イグニションスイッチがO
Nの間は常時フラグ信号の読込みがなされて、フラグF
gがセットか否か判定され(S50)、フラグFgがセ
ットされると、各種信号(車速V、EAT制御装置35
からのレンジ信号RS、等の信号)が読み込まれる(S
51)。
【0081】次に、S52において、NレンジまたはP
レンジか否かの判定がなされ、S53において車速Vの
絶対値が正か否か判定され、S52またはS53の判定
がNoのときはS50へ戻り、また、NレンジまたはP
レンジで、かつ、車速Vの絶対値が正のときには、S5
4において、車速Vに相当する4輪共通の目標車輪回転
数NTが演算される。次に、S55において、目標車輪
回転数NTに相当する制御信号であって車速Vと逆方向
(車速Vを零にする方向)の制御信号が演算されて、モ
ータ駆動ユニット101に出力され、その後S50へ戻
り、S50以降が微小時間おきに繰り返し実行される。
このように、停車または駐車時に、車速Vが零となるよ
うに制御することで、停車力や駐車力を高めることがで
きる。
【0082】次に、トーイング車両70のABS制御装
置111で実行されるABS制御開始判定制御につい
て、図21のフローチャートに基いて説明する。イグニ
ションスイッチがONの間は常時フラグ信号の読込みが
なされて、フラグFgがセットか否か判定され(S6
0)、フラグFgがセットされると、各種信号(自動車
の車輪速Vw1〜Vw4、トーイング車両の車輪速Vw
t1〜Vwt4、等の信号)が読み込まれる(S6
1)。次に、S62において、自動車10の従動輪(前
輪)の車輪速Vw1,Vw2を、所定の演算式に適用し
て、自動車10の推定車体速Vsが演算され、次に、S
63において、自動車10の従動輪(前輪)の車輪速V
w1,Vw2の平均値から自動車10の実車体速Vaが
演算されるとともに、トーイング車両70の従動輪(前
輪)の車輪速Vwt1,Vwt2の平均値からトーイン
グ車両70の実車体速Vatが演算される。
【0083】次に、S64において、推定車体速Vsと
実車体速Vaの差(Vs−Va)が所定値Vα以上か否
か判定され、その判定結果がYesのときはS65にお
いて、推定車体速Vsと実車体速Vatの差(Vs−V
at)が所定値Vβ(但し、Vα>Vβ)以上か否か判
定される。その判定結果がYesのときには、S66に
おいて、ABS制御の開始や実行を設定する為のABS
制御フラグFabsがセットされ、次に、S76におい
てABS制御が実行され、S67からS60へ戻り、S
60以降が微小時間おきに繰り返し実行される。
【0084】S64の判定でNoまたはS65の判定で
Noの場合には、S68に移行してABS制御フラグF
absがリセットされ、その後S60へ戻る。前記(V
s−Va)は、自動車10の車輪のスリップ量を表し、
(Vs−Vat)は、トーイング車両70の車輪のスリ
ップ量を表すものであり、前記VαとVβは、ABS制
御を開始する開始しきい値に相当するものである。前記
のように、Vα>Vβに設定することで、トーイング車
両70のABS制御を自動車10のABS制御よりも早
期に開始させて、トーイング車両70が自動車10に突
っ込むジャックナイフ現象を防止することができる。
尚、ABS制御の制御内容自体は、通常の自動車のAB
S制御と同様であるので、その詳細な説明は省略した。
【0085】次に、トーイング車両70のACS制御装
置112で実行されるアクティブサスペンション制御
(ACS制御)について、図22のフローチャートに基
いて説明する。このACS制御では、連結ヒンジ部31
に作用する上下力Fvが極力零となるバウンス量となる
ように、かつ、ピッチ量とロール量とが夫々所定値以下
となるように、懸架シリンダ105の油量を制御して4
つの車輪の位置の車高を制御するものであり、このAC
S制御は、上下力センサ123で検出される上下力Fv
を用いて目標バウンス量を設定する点で通常の自動車の
ACS制御と異なるのみであり、それ以外の点について
は、通常の自動車のACS制御と同様なので簡単に説明
する。
【0086】イグニションスイッチがONの間は常時フ
ラグ信号の読込みがなされて、フラグFgがセットか否
か判定され(S70)、フラグFgがセットされると、
各種信号(上下力Fv、車高Ht1〜Ht4、等の信
号)が読み込まれる(S71)。次に、上下力センサ1
23で検出した上下力Fvを、図23のマップに適用す
ることにより、目標バウンス量BTが演算される(S7
2)。図23のマップは、上下力Fvをパラメータとし
て、目標バウンス量BTを設定したものであり、上下力
Fv>0は、自動車側の連結部材23がトーイング車両
側の連結部材74を上方へ引き上げる状態、上下力Fv
<0は、連結部材23が連結部材74を下方へ引き下げ
る状態、上下力Fv=0は、連結部材23と連結部材7
4間に上下力Fvが作用しない状態である。
【0087】次に、S73において、車高センサ125
で検出された車高Ht1〜Ht4に基いて、実際のバウ
ンス量Ba、ピッチ量Pi、ロール量Roが演算され、
次に、バウンス量の差(BT−Ba)から、4つの車輪
に対応する懸架シリンダ105に共通の制御油量Qbが
演算される(S74)。次に、ピッチ量Piから、前輪
72に対応する懸架シリンダ105の制御油量Qfと、
後輪73に対応する懸架シリンダ105の制御油量Qr
とが演算される(S75)。次に、ロール量Roから、
左側車輪に対応する懸架シリンダ105の制御油量Qp
と、右側車輪に対応する懸架シリンダ105の制御油量
Qsとが演算される(S76)。
【0088】次に、S77において、以上の制御油量Q
b,Qf,Qr,Qp,Qsから、4輪の各々に対応す
る懸架シリンダ105の制御油量が演算され(S7
7)、その各輪の制御油量に相当する制御信号がコント
ロールバルブユニット104に出力され(S78)、4
つの懸架シリンダ105の油量が制御され、その後S7
0へ戻り、S70以降が微小時間おきに繰り返し実行さ
れることになる。このように、上下力Fvを図23のマ
ップに適用して、目標バウンス量BTを設定して4輪の
位置の車高を制御することにより、上下力Fvが略零ま
たは極めて小さな力となるように制御することができ
る。その結果、自動車10に対するトーイング車両70
の影響が小さくなり、自動車10は、トーイング車両7
0を牽引していないかのような走行フィーリングで走行
することができ、走行性と操縦性とが格段に向上するこ
とになる。
【0089】次に、トーイング車両70のRWS制御装
置113で実行される後輪操舵制御について、図24の
フローチャートに基いて説明する。イグニションスイッ
チがONの間は常時フラグ信号の読込みがなされて、フ
ラグFgがセットか否か判定され(S80)、フラグF
gがセットされると、各種信号(車速V、舵角θh、ヒ
ンジ角α、後輪転舵角θtr、等の信号)が読み込まれ
る(S81)。次に、車速Vと舵角θhとヒンジ角α
を、図25のマップに適用して、目標後輪転舵角θTが
演算される(S82)。図25のマップは、舵角θhの
増大に応じて目標後輪転舵角θTが増大し、また、舵角
θhが同一のときには、車速Vの増大に応じて目標後輪
転舵角θTが減少し、また、ヒンジ角αの増大に応じて
目標後輪転舵角θTが減少する3次元マップに設定して
ある。尚、目標後輪転舵角θTは、常に舵角θhに対し
て逆方向、つまり、舵角θhが右回り方向のときは目標
後輪転舵角θTは左回り方向、舵角θhが左回り方向の
ときは目標後輪転舵角θTは右回り方向となる。
【0090】次に、転舵角差ΔθがΔθ=(θT−θt
r)として演算され(S83)、次に、転舵角差Δθ
を、図26のマップに適用して、転舵量δが演算され
(S84)、その転舵量δに相当する制御信号が後輪操
舵装置85を駆動する駆動モータ96の為のモータ駆動
回路102に出力され、その後S80へ戻り、S80以
降が微小時間おきに繰り返し実行される。このように、
車速V、舵角θh、ヒンジ角αとをパラメータとして、
目標後輪転舵角θTを求め、転舵角差Δθに基いて後輪
転舵量δを制御することで、トーイング車両70が、自
動車10の旋回軌跡をトレースするように後輪操舵制御
を行うことができる。
【0091】1)前記後輪操舵制御においては、舵角θ
hとして、リアルタイムの舵角を用いたが、後輪操舵制
御を舵角よりも所定時間(これは、車速Vの増大に応じ
て短くなるような所定時間である)遅らせて制御するこ
ともできる。この場合、例えば、図25のマップの特性
を変更し、且つ、車速Vの増大に応じて短くなるような
所定時間前の検出舵角θhを用いて制御すればよい。 2)直進走行時には一般的には後輪操舵は必要ないが、
悪路等を直進走行する場合に、ヒンジ角αが零となるよ
うに制御することで、ヨー運動を解消できる。更に、旋
回半径一定の旋回走行時には、ヒンジ角センサ124で
検出されるヒンジ角αが一定となるように後輪操舵制御
することも考えられる。 3)後輪転舵角が過大になると、走行安定性が低下する
ことに鑑み、後輪転舵角が所定値以上とならないように
規制するように構成する。
【0092】次に、トーイング車両システムの別実施例
について説明する。この実施例は、トーイング車両70
Aの左右の後輪1RL,1RRを左右1対の油圧モータで駆
動する駆動するようにした場合の例である。図27に示
すように、トーイング車両70Aには、左右の前輪1F
L,1FRと、左右の後輪1RL,1RRとが設けられ、左右
の後輪1RL,1RRを夫々独立に駆動する1対の油圧モー
タML,MRが設けられ、左後輪1RLは、左駆動シャフ
ト11Lを介して油圧モータMLで駆動され、また、右
後輪1RRは、右駆動シャフト11Rを介して油圧モータ
MRで駆動される。左右の駆動シャフト11L,11R
は、油圧クラッチ12で断続可能に構成してある。
【0093】モータML(MR)は、タービン式油圧モ
ータで、第1接続口La(Ra)と、第2接続口Lb
(Rb)とを有し、第1接続口La(Ra)から第2接
続口Lb(Rb)に油圧がながれると前進方向の回転と
なり、これと逆に流れると後端方向の回転となる。油圧
ポンプPは、可変容量型のポンプであり、前記実施例の
油圧ポンプ87と同様に、自動車から動力取り出し装置
を介して供給される動力で駆動される。油圧ポンプP
は、オイルタンク16から吸入して油圧を発生させ、そ
の高圧の油圧を、チェック弁17を有する高圧ライン1
8へ吐出する。前記高圧ライン18からは、チェック弁
10,32が接続された互いに並列な第1、第2油圧供
給ライン31A,31Bが導出され、また、オイルタン
ク16からは開放ライン23が導出されている。また、
油圧モータML(MR)の各接続口La,Lb(Ra,
Rb)からは、互いに並列なライン20L,21L(2
0R,21R)が導出されている。
【0094】左側油圧モータMLのライン20Lと21
Lとが、切換弁VVA、互いに並列なライン19,19
Lとライン22,22Lおよび切換弁VVB・L,VV
E・Lを介して、第1供給ライン31Aと開放ライン2
3に対して選択的に接続可能に構成してある。同様に、
右側油圧モータMRのライン20Rと21Rとが、切換
弁VVA、互いに並列なライン19,19Rとライン2
2,22Rおよび切換弁VVB・R,VVE・Rを介し
て、第1供給ライン31Aと開放ライン23に対して選
択的に接続可能に構成してある。
【0095】前記第2供給ライン31Bには、チェック
弁32の下流側において切換弁VVIが、更に下流側に
おいて分流弁34が接続されている。切換弁VVIによ
り2本に分岐された一方の分岐切換弁33Lが、ライン
19Lに連なり、他方の分岐切換弁ライン33Rがライ
ン19Rに連なっている。高圧ライン18には、高圧の
油圧を蓄圧するアキュムレータ41が接続され、高圧ラ
イン18には、ライン20L(20R)が、通路42L
(42R)により接続されている。通路42L(42
R)には、チェック弁43L(43R)、切換弁VVF
・L(VVF・R)が接続されている。通路42Lと4
2Rとは、互いに並列で、前記各弁VVA、VVB・L
(VVB・R)、VVE・L(VVE・R)、VVI、
分流弁34等をバイパスしている。
【0096】ライン20L(20R)とライン21L
(21R)とが、連通路51L(51R)によって連通
され、この連通路51L(51R)には、可変オリフィ
スVVC・L(VVC・R)が接続されている。更に、
クラッチ12を断続するアクチュエータ61が設けら
れ、このアクチュエータ61用の供給ライン62が、高
圧ライン18に対して、また排出ライン63が開放ライ
ン23に対して、切換弁VVJを介して選択的に接続可
能とされ、切換弁VVJによって両ライン62と63と
が共に遮断された状態をとり得るように構成してある。
【0097】左右の油圧モータML,MRを接続する連
通路71には、開閉弁VVDが設けられている。前記開
放ライン23は、高圧ライン18に対して、チェック弁
17よりも上流側(ポンプ側)においてロード・アンロ
ード弁VVHを介して接続されるとともに、チェック弁
17よりも下流側において安全弁VVGを介して接続さ
れている。
【0098】制御モードの説明 本実施例においては、後述のように合計8種類の制御モ
ードを有し、これら制御モードにおける弁類の作動状態
が、表1に整理して記載してある。尚、表1に記載して
ないロード・アンロード弁VVHは、高圧ライン18の
圧力が下限値と上限値との間で所定範囲となるように開
閉制御されるものである。
【0099】
【表1】
【0100】前記表1に記載の制御モードにおいて、主
要な作用を果たす弁の作動状態を具体的に説明すると、
以下の通りである。 (1)統合モード この統合モードは、左右の後輪1RL, 1RRとが同一回転
数となるように油圧モードML,MRを駆動制御するモ
ードであり、正駆動と逆駆動の2種類ある。この統合モ
ードにおいては、クラッチ12が締結され(切換弁VV
Jがライン62を開きライン63を閉じた状態)、切換
弁VVB・L(VVB・R)、VVE・L(VVE・
R)およびVVIの作動態様は、図27に示す状態とな
る。この状態で、切換弁VVAを制御して、正駆動又は
逆駆動に応じた油圧供給方向の切換(モータML,MR
の正転、逆転の方向の設定)と、モータML,MRに対
する供給流量が制御される(第1供給ライン31Aを介
しての油圧供給)。尚、逆駆動においては、後述の油圧
ロックモードよりも大きい減速を得るものであるが、当
然のことながら、後輪1RL, 1RRがトーイング車両70
Aの進行方向に対して逆方向に回転するような大きな駆
動力を与えるものではない。
【0101】(2)独立モード 独立モードは、左右の後輪1RL, 1RRが夫々独立に設定
される目標回転数となるように油圧モータML,MRの
駆動制御を行うモードであり、統合モードの場合と同様
に正駆動と逆駆動の2種類ある。この独立モードにおい
ては、クラッチ12が締結解除される(切換弁VVJが
ライン62を閉じライン63を開いた状態)。切換弁V
VE・L(VVE・R)の作動態様は、図27に示す通
りであるが、切換弁VVAは、中央切換位置とされて第
1供給ライン31Aが遮断される。切換弁VVIは、開
位置とされて、第2供給ライン31Bを利用した油圧供
給態様となる。この状態で、切換弁VVB・L(VVB
・R)を制御して、正駆動又は逆駆動に応じた油圧供給
方向の切換(モータML,MRの正転、逆転の方向の設
定)と、モータML,MRに対する切換弁流量が制御さ
れる。
【0102】(3)LSDモード LSDモードは、作動制限機能を得るもので、切換弁V
VB・LおよびVVB・Rは、ライン20L、21L
(20R、21R)を共に閉じて、モータML,MRに
対する油圧の給排を完全に遮断した状態とされる。そし
て、開閉弁VVDが開かれて、モータMLとMRとの各
閉じられた左右の油圧経路内同士を連通して、モータM
LとMRとの間で大きな回転差を生じてしまうのを防止
する。このLSDモードでは、可変オリフィスVVC・
L(VVC・R)は全閉とされる。
【0103】(4)油圧ロックモード 油圧ロックモードは、通路抵抗つまり可変オリフィスV
VC・L(VVC・R)の絞り抵抗を利用した減速力を
得るモードである。この油圧ロックモードでは、切換弁
VVB・L、VVB・Rが中央切換位置にあって、ライ
ン20L、21L、20R、21Rが遮断され、かつ開
閉弁VVDが閉じられ、可変オリフィスVVC・L、V
VC・Rが開かれる。この状態では、油は、モータML
(MR)の回転に応じて、可変オリフィスVVC・L
(VVC・R)を含んで形成される閉じられた閉油圧回
路を循環することになるが、循環中に油が通過する可変
オリフィスVVC・L(VVC・R)の絞り抵抗が、ト
ーイング車両70Aへの減速力を与えることになる。前
記可変オリフィスVVC・L、VVC・Rの開度は、ト
ーイング車両70Aの減速度が大きい程小さくなるよう
に制御される。尚、クラッチ12は、締結状態でも締結
解除状態の何れでもよい。
【0104】蓄圧モード 蓄圧モードは、走行中に、後輪1RL, 1RRによって駆動
されるモードML,MRをポンプとして機能させて、ア
キュムレータ41に蓄圧させるモードである。この蓄圧
モードでは、ライン21L(21R)が油タンク16に
連通される一方、開閉弁VVF・L(VVF・R)が開
となって、油タンク16内の油がモータML(MR)に
より吸入されてアキュムレータ41に蓄圧される。
【0105】(6)停車モード 停車モードは、パーキングブレーキが作動していない状
態において、トーイング車両70Aを停止させるように
モータML,MRを駆動制御するモードである(車速が
目標車速「0」となるようにモータML,MRの駆動を
制御する)。この場合、油圧供給のラインは、第2供給
ライン31Bが利用され、油圧の給排は、切換弁VVB
・L(VVB・R)を利用して行われる。
【0106】(7)駐車モード 駐車モードは、パーキングブレーキが作動した状態にお
いて、駐車状態を維持しようとする作用を高める為のモ
ードである。この駐車モードでは、切換弁VVB・L
(VVB・R)が中央切換位置の閉位置とされて油圧の
給排ラインが遮断されるとともに、クラッチ12が締結
される。
【0107】(8)F/Sモード F/Sモードは、フェールセーフモードであり、何らか
の異常があったとき、例えば、高圧ライン18が異常に
高圧となったとき、モータML,MRが正常に駆動され
なくなったとき、ある弁が固着してしまったとき、油温
が所定温度以上に高くなったとき等の場合には、安全弁
VVGが開かれて、高圧ライン18の油圧が開放され
る。
【0108】制御系については、基本的には、マイクロ
コンピュータを主体としたコントロールユニットが設け
られ、このコンピュータユニットにより、油圧モータ駆
動制御と、ABS制御と、トラクション制御、ACS制
御、後輪操舵制御、等の制御が実行される。トーイング
車両に設けられたセンサやスイッチ類から、前記実施例
と同様の検出信号が供給されるとともに、自動車のコン
トロールユニットからこのコントロールユニットに対し
て、自動車のインストルメントパネルに設けられたモー
ド設定用マニュアルスイッチの信号(「AUTO」、
「統合」、「独立」、「OFF」の信号)、自動変速機
のギヤ位置信号、エンジン回転数信号、アクセル開度信
号、ブレーキペダル踏込み量信号、パーキングブレーキ
スイッチ信号、等の各種信号が供給される。
【0109】コントロールユニットのマイクロコンピュ
ータのROMには、以下に説明する制御モードを判定す
る制御モード判定制御の制御プログラムや、前記8種類
のモードにおける種々の制御を実行する制御プログラム
(これについての説明は省略する)等が予め入力格納さ
れている。以下、前記制御モード判定制御について、図
28〜図32に基いて簡単に説明する。尚、図中、各ス
テップには、D、E等の符号を付してある。D0におい
て各種信号の入力後、イグニションスイッチがOFFの
ときには、安全弁VVGが開かれて、高圧ライン18の
油圧が開放状態とされ(D3)、また、イグニションス
イッチがONのときには、安全弁VVGが閉じられて
(D4)、高圧ライン18の油圧が供給される状態とな
る。車速Vが略零で、自動変速機のギヤがニュートラル
位置でパーキングブレーキ作動のときは、駐車モードが
実行され(D5〜D8)、また、パーキングブレーキ作
動でないときは、停車モードが実行される(D5〜D
7,D9)。
【0110】一方、車速Vが略零でなく、ギヤ位置がリ
バースでないときは、D11においてスタックか否か判
定される。この判定は、車速Vが略零で、自動車の後輪
(駆動輪)の回転速度が車速Vに対して十分に高いとき
にスタックであると判定される。そして、スタックのと
きには、独立・正駆動モードで油圧モータの駆動が実行
される(D14)。一方、D11の判定の結果、スタッ
クでないときには、D12において、制御モードの判
定、つまり、駐車モードと停車モード以外の他の制御モ
ードを行う条件が満足したか否かの判定がなされ、次
に、D13において、制御モードの実行/非実行が判定
される。また、ギヤ位置がリバースのときには、独立・
逆駆動のモータ駆動が実行される(D15)。D1の判
定により、イグニションスイッチのOFF時には、自動
車側におけるクラッチ締結と締結保持の後、安全弁VV
Gが開かれる。
【0111】次に、前記D11の詳細について、図29
〜図32に基いて説明する。トラクション制御中でな
く、低μ路でなく、直進でないとき(E24〜E26)
には、E27において急加速か否か判定され、急加速で
あるときには、統合・正駆動が実行される(E24〜E
28)。また、急加速でないときには、高速でなく、急
減速のときには蓄圧モードが実行され(E29,E3
0,E32,E33)、また、緩減速のときには油圧ロ
ックモードが実行される(E31)。これに対して、高
速走行時に、急減速のときには、統合・逆駆動モードが
実行され(E29、E34,E35)、また、高速走行
時に、緩減速のときには油圧ロックバルブVVCの開度
がマップに基いて設定される(E36)。また、高速走
行の定常時には、蓄圧モードが実行される(E38、E
39)。
【0112】次に、低μ路走行の場合には、E25か
ら、図30のE41に移行し、急加速であれば、特立・
正駆動モードによる油圧モータ駆動が実行され(E4
1、E42)、また、急加速でなく、減速のときは独立
・逆駆動モードによる油圧モータ駆動が実行される(E
43、E44)。そして、急加速でなく、減速でないと
きには、LSDモードによる差動制限が実行される(E
43、E45)。
【0113】次に、図29のE25の判定結果がNoの
とき、つまり、低μ路走行の場合、図31のE51に移
行する。直進走行か否かの判定がなされ(E51)、旋
回走行のときには、E52に移行し、また、直進走行で
ないときには、図32のE61に移行する。図31にお
いて、直進走行かつ高速走行であって、減速時には、油
圧ロックモードが実行され(E53、E54)、高速走
行であって減速でないときには、独立・正駆動モードに
よる油圧モータ駆動が実行される(E55)。一方、高
速走行でなく、急加速のときには、独立・正駆動モード
による油圧モータ駆動が実行され(E57)、また、急
加速でなく、減速でないとき、つまり、定常走行時には
LSDモードによる差動制限が実行され(E58、E5
9)、また、急加速でなく、減速のときにはそのまま終
了する。
【0114】図32は、低μ路の旋回走行の場合であ
り、この場合、急加速のときには、独立・正駆動モード
による油圧モータ駆動が実行される(E61、E6
2)。急加速でない場合、高速走行で、減速時には、油
圧ロックモードが実行され(E63〜E65)、また、
高速走行でないときや高速走行であっても減速でないと
きには、LSDモードによる差動制限が実行される(E
66)。
【0115】尚、図28のD13における制御実行判定
は、モード設定用マニュアルスイッチからの信号や上下
加速度センサの検出信号に基いて判定される悪路状態等
に応じて各モードの制御を実行するか否か判定する制御
であるが、その詳細については省略するものとし、ま
た、トラクション制御や、ABS制御についても、説明
を省略する。また、油圧モータの実際の駆動制御につい
ては、前記実施例において説明したような方法で行うこ
とができるため、その説明も省略する。
【0116】ここで、前記実施例及び別実施例の構成以
外に次のように構成することもあり得る。 1〕トーイング車両の左右の前輪をも夫々独立に駆動す
る駆動モータ(電動モータ又は油圧モータ)を設け、走
行抵抗が大きい場合には4輪駆動とし、走行抵抗が大き
くない場合には前輪又は後輪の2輪駆動とする。 2〕自動車に発電機を設け、その発電機で発生させた電
力を、動力取り出し装置を介してトーイング車両に供給
する。或いは、自動車にエンジンで駆動される油圧ポン
プを設け、その油圧ポンプで発生させた油圧を、動力取
り出し装置を介してトーイング車両に供給する。
【0117】3〕動力分配キヤ装置12を、大きな動力
と、小さな動力を択一的に供給可能な2段切換式の装置
に構成し、トーイング車両には、4つの車輪を夫々独立
に駆動する駆動モータを設け、4輪駆動時には大きな動
力を供給し、また、2輪駆動時には小さな動力を供給す
るように構成する。 4〕前記自動車からトーイング車両にデータや信号を供
給する方式として、前記実施例では、信号ケーブルを接
続してデータや信号を供給する構成としたが、その方式
の代わりに、自動車にデータや信号を電波で送信するテ
レメータ送信手段を設け、また、トーイング車両に自動
車から送信された電波を受信するテレメータ受信手段を
設け、このテレメータ送信手段とテレメータ受信手段か
らなるテレメータ通信装置により、データや信号を自動
車からトーイング車両間に供給するように構成してもよ
い。
【0118】5〕更に、自動車にトーイング車両を連結
した状態において、自動車からトーイング車両にデータ
や信号を供給する前記信号ケーブルやテレメータ通信装
置が正常に作動しないときには、自動車の走行を規制
(車速を所定値以下に制御したり、停車させたり、等)
するように構成することが望ましい。尚、その他、本発
明に係るトーイング車両及びトーイング車両システムの
主旨を逸脱しない範囲で種々の変形や改良を加えて実施
することもあり得ることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のトーイング車両システムの側面図であ
る。
【図2】前記システムの自動車の概略構成図である。
【図3】前記トーイング車両システムの装置類のレイア
ウト図である。
【図4】前記システムのトーイング車両の概略縦断側面
図である。
【図5】前記システムの自動車の動力分配ギヤ装置の構
成図である。
【図6】前記自動車の油圧系の構成図である。
【図7】前記自動車の制御系の構成図である。
【図8】前記トーイング車両の配電系の構成図である。
【図9】前記トーイング車両の油圧系の構成図である。
【図10】前記トーイング車両の制御系の構成図であ
る。
【図11】前記自動車とトーイング車両との連結ヒンジ
部の拡大平面図である。
【図12】前記連結ヒンジ部の拡大側面図である。
【図13】前記自動車側で行う制御ゲイン変更制御のフ
ローチャートである。
【図14】前記トーイング車両側で行う作動設定制御の
フローチャートである。
【図15】前記トーイング車両における駆動モータ駆動
制御のフローチャートである。
【図16】目標ヒンジ角設定用のマップの線図である。
【図17】補正係数設定用のマップの線図である。
【図18】ヒンジ角の説明図である。
【図19】前記トーイング車両における制動制御のフロ
ーチャートである。
【図20】前記トーイング車両における車速零制御のフ
ローチャートである。
【図21】前記トーイング車両におけるABS制御開始
判定制御のフローチャートである。
【図22】前記トーイング車両におけるACS制御のフ
ローチャートである。
【図23】目標バウンス量設定用のマップの線図であ
る。
【図24】前記トーイング車両における後輪操舵制御の
フローチャートである。
【図25】目標後輪転舵角設定用のマップの線図であ
る。
【図26】転舵量設定用のマップの線図である。
【図27】別実施例のトーイング車両システムのトーイ
ング車両の油圧系の構成図である。
【図28】図27のトーイング車両における制御モード
判定制御のフローチャートである。
【図29】図28のフローチャートの制御モード判定の
フローチャートの一部である。
【図30】図28のフローチャートの制御モード判定の
フローチャートの一部である。
【図31】図28のフローチャートの制御モード判定の
フローチャートの一部である。
【図32】図28のフローチャートの制御モード判定の
フローチャートの一部である。
【符号の説明】
1 トーイング車両システム 10 自動車 12 動力分配ギヤ装置 21 動力取り出しシャフト 22 動力取り出し装置(PTO) 23 連結部材 31 連結ヒンジ部 50 コントロールユニット 74 連結部材 81 駆動モータ 86 発電機 87 油圧ポンプ 90 動力伝達軸 100 コントロールユニット 122 前後力センサ 123 上下力センサ 124 ヒンジ角センサ ML,MR 油圧モータ VVA 切換弁(統合モード) VVB・L 切換弁(独立モード) VVB・R 切換弁(独立モード)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B62D 13/00 8211−3D

Claims (50)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に連結して牽引されるトーイング車
    両において、 少なくとも1対の左右の車輪を夫々駆動する独立した1
    対のアクチュエータを設けたことを特徴とするトーイン
    グ車両。
  2. 【請求項2】 前記トーイング車両に、2対の左右の車
    輪を夫々駆動する独立した2対のアクチュエータを設け
    たことを特徴とする請求項1に記載のトーイング車両。
  3. 【請求項3】 前記アクチュエータが電動モータからな
    ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のトー
    イング車両。
  4. 【請求項4】 前記アクチュエータが油圧モータからな
    ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のトー
    イング車両。
  5. 【請求項5】 前記モータがホイールに一体化させたホ
    イールイン構造に構成されたことを特徴とする請求項3
    又は請求項4に記載のトーイング車両。
  6. 【請求項6】 車両と、その車両に連結して牽引される
    トーイング車両とからなるトーイング車両システムにお
    いて、 前記車両に、動力発生手段と、この動力発生手段で発生
    させた動力をトーイング車両に供給する為のパワーテー
    クオフ手段とを設け、 前記トーイング車両に、パワーテークオフ手段で供給さ
    れる動力により、少なくとも1対の左右の車輪を独立に
    駆動する駆動システムを設けたことを特徴とするトーイ
    ング車両システム。
  7. 【請求項7】 前記パワーテークオフ手段は、車両から
    回転駆動力を供給するように構成されたことを特徴とす
    るトーイング車両システム。
  8. 【請求項8】 前記駆動システムは、パワーテークオフ
    手段により供給される回転駆動力で駆動される発電機
    と、この発電機からの電力で車輪を駆動する電動モータ
    とを含むことを特徴とする請求項7に記載のトーイング
    車両システム。
  9. 【請求項9】 前記駆動システムは、パワーテークオフ
    手段により供給される回転駆動力で駆動される油圧ポン
    プと、この油圧ポンプからの油圧で車輪を駆動する油圧
    モータとを含むことを特徴とする請求項7に記載のトー
    イング車両システム。
  10. 【請求項10】 前記パワーテークオフ手段は、車両の
    発電機で発生させた電力を供給するように構成されたこ
    とを特徴とする請求項6に記載のトーイング車両。
  11. 【請求項11】 前記パワーテークオフ手段は、車両の
    油圧ポンプで発生させた油圧を供給するように構成され
    たことを特徴とする請求項6に記載のトーイング車両。
  12. 【請求項12】 車両と、その車両に連結して牽引され
    るトーイング車両とからなるトーイング車両システムに
    おいて、 前記車両に、動力発生手段と、この動力発生手段で発生
    させた動力をトーイング車両に供給する為のパワーテー
    クオフ手段であって動力を2段階に切り換え可能なパワ
    ーテークオフ手段とを設け、 前記トーイング車両に、パワーテークオフ手段で供給さ
    れる動力により、4つの車輪を独立に駆動する駆動シス
    テムを設け、 前記パワーテークオフ手段の接続状態に応じて、駆動シ
    ステムの駆動形態を切り換え可能に構成したことを特徴
    とするトーイング車両システム。
  13. 【請求項13】 車両と、その車両に連結して牽引され
    るトーイング車両とからなるトーイング車両システムに
    おいて、 前記車両とトーイング車両とを連結する連結ヒンジ部
    に、前後力を検出する第1力センサと、上下力を検出す
    る第2力センサと、ヒンジ角を検出する角度センサとを
    設けたことを特徴とするトーイング車両システム。
  14. 【請求項14】 車両と、その車両に連結して牽引され
    るトーイング車両とからなるトーイング車両システムに
    おいて、 前記トーイング車両に、少なくとも1対の左右の車輪を
    夫々駆動する独立した1対のアクチュエータを設け、前
    記車両の走行状態を検出する走行状態検出手段を設け、
    この走行状態検出手段で検出された走行状態に応じてア
    クチュエータの駆動を制御する制御手段を設けたことを
    特徴とするトーイング車両システム。
  15. 【請求項15】 前記制御手段は、車両とトーイング車
    両とを連結する連結ヒンジ部に作用する前後力が零とな
    るようにアクチュエータの駆動を制御するように構成さ
    れたことを特徴とする請求項14に記載のトーイング車
    両システム。
  16. 【請求項16】 前記アクチュエータが電動モータから
    なり、前記トーイング車両の少なくともルーフに太陽電
    池を設け、この太陽電池からの電力を電動モータに供給
    可能に構成したことを特徴とする請求項15に記載のト
    ーイング車両システム。
  17. 【請求項17】 前記トーイング車両に、前記太陽電池
    からの電力を蓄電する蓄電手段を設けたことを特徴とす
    る請求項16に記載のトーイング車両システム。
  18. 【請求項18】 前記制御手段は、トーイング車両の操
    縦安定性が高まるように左右の車輪への駆動力配分を制
    御するように構成されたことを特徴とする請求項14に
    記載のトーイング車両システム。
  19. 【請求項19】 前記制御手段は、直進走行時に、トー
    イング車両のヨーモーメントが解消するように左右のア
    クチュエータを制御するように構成されたことを特徴と
    する請求項18に記載のトーイング車両システム。
  20. 【請求項20】 前記制御手段は、旋回走行時に、トー
    イング車両が車両の旋回軌跡をトレースするように左右
    のアクチュエータを制御するように構成されたことを特
    徴とする請求項18に記載のトーイング車両システム。
  21. 【請求項21】 前記制御手段は、低速走行旋回時に、
    小回り走行性能向上の為に、左右のアクチュエータを逆
    方向へ駆動するようにアクチュエータの駆動を制御する
    ように構成されたことを特徴とする請求項18に記載の
    トーイング車両システム。
  22. 【請求項22】 前記制御手段は、後退走行時には、左
    右のアクチュエータの駆動力比が、前進走行時の駆動力
    比よりも小さくなるように制御するように構成されたこ
    とを特徴とする請求項18に記載のトーイング車両シス
    テム。
  23. 【請求項23】 前記制御手段は、所定の走行状態のと
    きだけアクチュエータを駆動させるように構成されたこ
    とを特徴とする請求項18に記載のトーイング車両シス
    テム。
  24. 【請求項24】 前記制御手段は、発進時と加速時にの
    みアクチュエータを駆動させるように構成されたことを
    特徴とする請求項23に記載のトーイング車両システ
    ム。
  25. 【請求項25】 前記制御手段は、所定の旋回度合い以
    上の旋回時には、路面グリップ力向上の為に、アクチュ
    エータの駆動を規制するように構成されたことを特徴と
    する請求項18に記載のトーイング車両システム。
  26. 【請求項26】 前記制御手段は、直進の定常走行時に
    は、アクチュエータの駆動を規制するように構成された
    ことを特徴とする請求項23に記載のトーイング車両シ
    ステム。
  27. 【請求項27】 前記制御手段は、所定車速以上の走行
    時には、アクチュエータの駆動を規制するように構成さ
    れたことを特徴とする請求項23に記載のトーイング車
    両システム。
  28. 【請求項28】 前記制御手段は、後退走行時には、ト
    ーイング車両が車両を牽引するように、アクチュエータ
    の駆動力を増大させるように構成されたことを特徴とす
    る請求項18に記載のトーイング車両システム。
  29. 【請求項29】 車両と、その車両に連結して牽引され
    るトーイング車両とからなるトーイング車両システムに
    おいて、 前記トーイング車両に、少なくとも1対の左右の車輪を
    夫々駆動する独立した1対のアクチュエータを設け、制
    動時にアクチュエータが抵抗体として作動するようにア
    クチュエータの駆動系を切り換えてアクチュエータによ
    り制動力を発生させる制動制御手段を設けたことを特徴
    とするトーイング車両システム。
  30. 【請求項30】 前記アクチュエータが電動モータから
    なり、前記制動制御手段は、電動モータに逆起電力を発
    生させて制動力を発生させるように構成されたことを特
    徴とする請求項29に記載のトーイング車両システム。
  31. 【請求項31】 前記アクチュエータが油圧モータから
    なり、前記制動制御手段は、油圧モータを油圧ポンプと
    して作動させて制動力を発生させることを特徴とする請
    求項29に記載のトーイング車両システム。
  32. 【請求項32】 前記制動制御手段は、制動時に、車両
    がトーイング車両を牽引する牽引力が零より大きくなる
    ような制動力を発生させるように構成されたことを特徴
    とする請求項29に記載のトーイング車両システム。
  33. 【請求項33】 前記車両はアンチロックブレーキング
    手段を備え、前記トーイング車両はアンチロックブレー
    キング手段を備え、 前記トーイング車両のアンチロックブレーキング手段に
    おけるアンチロック制御の制御開始しきい値は、前記車
    両のアンチロックブレーキング手段におけるアンチロッ
    ク制御の制御開始しきい値よりも低く設定されたことを
    特徴とする請求項29に記載のトーイング車両システ
    ム。
  34. 【請求項34】 前記車両の走行状態を検出する走行状
    態検出手段を設け、前記制動制御手段は、トーイング車
    両の操縦安定性が高まるように、走行状態検出手段で検
    出された走行状態に応じて、左右のアクチュエータの制
    動力配分を制御するように構成されたことを特徴とする
    請求項29に記載のトーイング車両システム。
  35. 【請求項35】 前記制動制御手段は、直進走行時に、
    トーイング車両のヨーモーメントが解消するように制動
    力配分を制御するように構成されたことを特徴とする請
    求項34に記載のトーイング車両システム。
  36. 【請求項36】 前記制動制御手段は、旋回走行時に、
    トーイング車両が車両の旋回軌跡をトレースするように
    制動力配分を制御するように構成されたことを特徴とす
    る請求項34に記載のトーイング車両システム。
  37. 【請求項37】 前記制動制御手段は、車両がトーイン
    グ車両を牽引する牽引力が一定となるような制動力を発
    生させるように構成されたことを特徴とする請求項29
    に記載のトーイング車両システム。
  38. 【請求項38】 車両と、その車両に連結して牽引され
    るトーイング車両とからなるトーイング車両システムに
    おいて、 前記トーイング車両に、少なくとも1対の左右の車輪を
    転舵可能な操舵手段と、その操舵手段を制御する操舵制
    御手段とを設け、 前記操舵制御手段は、トーイング車両の操舵制御を、車
    両の舵角制御よりも所定時間遅らせるように構成された
    ことを特徴とするトーイング車両システム。
  39. 【請求項39】 前記所定時間は、車速の増加に応じて
    短くなるように設定されていることを特徴とする請求項
    38に記載のトーイング車両システム。
  40. 【請求項40】 前記操舵制御手段は、直進時に、車両
    とトーイング車両とを連結する連結ヒンジ部のヒンジ角
    が一定となるように操舵手段を制御するように構成され
    たことを特徴とする請求項38に記載のトーイング車両
    システム。
  41. 【請求項41】 前記操舵制御手段は、旋回半径一定の
    旋回走行時に、車両とトーイング車両とを連結する連結
    ヒンジ部のヒンジ角が一定となるように操舵手段を制御
    するように構成されたことを特徴とする請求項38に記
    載のトーイング車両システム。
  42. 【請求項42】 前記操舵制御手段は、車輪の転舵角が
    所定値以上とならないように転舵角を規制するように構
    成されたことを特徴とする請求項38に記載のトーイン
    グ車両システム。
  43. 【請求項43】 車両と、その車両に連結して牽引され
    るトーイング車両とからなるトーイング車両システムに
    おいて、 前記トーイング車両に、アクティブサスペンション装置
    と、車両とトーイング車両とを連結する連結ヒンジ部に
    上下力が作用しないように、アクティブサスペンション
    装置を制御するアクティブサスペンション制御手段とを
    設けたことを特徴とするトーイング車両システム。
  44. 【請求項44】 車両と、その車両に連結して牽引され
    るトーイング車両とからなるトーイング車両システムに
    おいて、 前記車両に、少なくとも駆動系、制動系、後輪操舵系、
    懸架系と、これらを夫々制御する車両制御手段とを設
    け、 前記車両制御手段には、車両とトーイング車両との連結
    /非連結に応じて前記各系を制御する制御ゲインを変更
    する制御ゲイン変更手段を設けたことを特徴とするトー
    イング車両システム。
  45. 【請求項45】 前記制御ゲイン変更手段は、前記連結
    /非連結に応じて、駆動系制御手段の制御ゲインをパワ
    ーアップ側/燃費低減側に変更するように構成されたこ
    とを特徴とする請求項44に記載のトーイング車両シス
    テム。
  46. 【請求項46】 前記制御ゲイン変更手段は、前記連結
    /非連結に応じて、制動系制御手段の制御ゲインを制動
    力アップ側/制動力ダウン側に変更するように構成され
    たことを特徴とする請求項44に記載のトーイング車両
    システム。
  47. 【請求項47】 前記制御ゲイン変更手段は、前記連結
    /非連結に応じて、後輪操舵系制御手段の制御ゲインを
    同相ゲイン増大側/逆相ゲイン増大側に変更するように
    構成されたことを特徴とする請求項44に記載のトーイ
    ング車両システム。
  48. 【請求項48】 前記制御ゲイン変更手段は、前記連結
    /非連結に応じて、懸架系制御手段の制御ゲインをソフ
    ト側/ハード側に変更するように構成されたことを特徴
    とする請求項44に記載のトーイング車両システム。
  49. 【請求項49】 車両と、その車両に連結して牽引され
    るトーイング車両とからなるトーイング車両システムに
    おいて、 前記車両側の情報をテレメータ通信によってトーイング
    車両に伝達する通信手段を設けたことを特徴とするトー
    イング車両システム。
  50. 【請求項50】 前記車両にトーイング車両が連結され
    た連結状態において前記通信手段が機能しないときに、
    車両の走行を規制する走行規制手段を車両に設けたこと
    を特徴とする請求項49に記載のトーイング車両システ
    ム。
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