JPH06218990A - 画像出力装置、画像出力方法および該方法によりプリントされたプリント物 - Google Patents

画像出力装置、画像出力方法および該方法によりプリントされたプリント物

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JPH06218990A
JPH06218990A JP5140927A JP14092793A JPH06218990A JP H06218990 A JPH06218990 A JP H06218990A JP 5140927 A JP5140927 A JP 5140927A JP 14092793 A JP14092793 A JP 14092793A JP H06218990 A JPH06218990 A JP H06218990A
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浩志 遠藤
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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J3/00Typewriters or selective printing or marking mechanisms characterised by the purpose for which they are constructed
    • B41J3/407Typewriters or selective printing or marking mechanisms characterised by the purpose for which they are constructed for marking on special material
    • B41J3/4078Printing on textile

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Character Spaces And Line Spaces In Printers (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Printers Characterized By Their Purpose (AREA)
  • Ink Jet (AREA)
  • Accessory Devices And Overall Control Thereof (AREA)
  • Dot-Matrix Printers And Others (AREA)
  • Color, Gradation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数のプリントヘッドをプリント媒体に対し
所定方向に走査することによりプリントを行う装置にあ
って、プリントのスループットを低下させずに所望の濃
度を確保する。 【構成】 所望の色調のヘッドを適宜の個数搭載可能と
するとともに、搭載しているヘッドの色調および個数な
いし範囲に応じて、色調を再現するための変換データを
展開するテーブルの内容を書換えるとともに、印刷領
域,空吐出領域,ワイピング領域等での走査範囲(L
1,L2)を切換えるようにし、用いる色調の変更や濃
度の変更に柔軟に対応でき、かつ上記領域での処理や高
濃度のプリントが効率よく行われるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、画像データの供給を受
けてプリント媒体上にカラー画像を出力する画像出力装
置および方法に関し、特にプリント媒体に対して所定方
向にプリントヘッドを走査しつつ画像出力を行う所謂シ
リアルスキャンタイプの画像出力装置および方法に関す
るものである。
【0002】
【背景技術】一般に、この種の画像出力装置では、減法
混色系の三原色であるシアン(C),マゼンタ(M)お
よびイエロー(Y)の3色、または黒を鮮明に再現する
ためこれらにブラック(BK)を加えた4色のプリント
剤(カラートナーやカラーインク等)を用いてプリント
を行う場合が多い。
【0003】また、画像出力装置では、これらC,M,
Y,BK以外の色(金属色やコバルトブルーなど、以下
特色と称する)のプリント剤の使用が望まれることもあ
る。これは、C,M,Y,BKでは色表現できない色を
出力画像に必要とされる場合(特に捺染やポスター等の
グラビア印刷の分野ではデザイナが作成したデザインを
忠実に再現することが強く要望されるのでそのような場
合が多い)や、インクやトナー等の発色材料の使用量を
低減させる場合等に行われうる。
【0004】一方、プリント濃度の向上やプリント階調
数の拡大が望まれる場合も多くなってきている。
【0005】また、画像によってはプリント色のすべて
は必要とされない場合もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、画像出力
装置の普及やこれを利用する分野の広がりにつれて、画
像出力装置に対する要求も多様化してきており、これら
に細かく対応でき、かつスループットの低下も生じない
画像出力装置を提供することが強く要望される。例え
ば、インクジェット捺染においてプリント濃度の向上を
図ることを考えた場合、捺染に用いるインクは既に染料
濃度が高いため、その濃度をさらに高めればインクの粘
度が増し、インク吐出に支障をきたすおそれがあるから
である。また、ドット径を大として光学濃度を向上しよ
うとすれば吐出されるインク滴の大きさすなわち質量が
一様でなくなるために着弾位置がずれて画像のつなぎ部
分のすじむらが生じたり、あるいは均一な濃度であるべ
き部分に白すじが生じるおそれがある。さらに、プリン
ト濃度向上のために同一プリント面を複数回にわたって
プリントヘッドを走査させるようなものでは、プリント
速度の低下は免れ得ない。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上の問題点
に鑑みてなされたもので、複数のプリントヘッドをプリ
ント媒体に対し所定方向に走査することにより画像形成
を行う画像出力装置において、画像形成に際して用いら
れるプリントヘッドに応じて前記走査の範囲を切換える
走査範囲切換え手段と、プリントヘッド毎に設けられ、
色を表現するための変換データを格納する手段と、前記
画像形成に際して用いられる色に応じて対応するプリン
トヘッド用の前記格納手段の変換データを切換える変換
データ切換え手段とを具えたことを特徴とする。
【0008】また、本発明では、複数のプリントヘッド
をプリント媒体に対し所定方向に走査することにより画
像形成を行う画像出力装置において、プリントヘッド毎
に設けられ、色を表現するための変換データを格納する
手段と、前記画像形成に際して用いられる色に応じて対
応するプリントヘッド用の前記格納手段の変換データを
切換える変換データ切換え手段と、複数のプリントヘッ
ドを搭載可能で、前記走査を行わせるためのキャリッジ
と、を具え、前記変換データ切換え手段は、前記キャリ
ッジに搭載されているプリントヘッドのプリント色に応
じて、前記変換データの切換えを行うことを特徴とす
る。
【0009】また、本発明では、複数のプリントヘッド
をプリント媒体に対し所定方向に走査することにより画
像形成を行う画像出力方法において、画像形成に際して
用いられるプリントヘッドに応じて前記走査の範囲を切
換える走査範囲切換え工程と、プリントヘッド毎に、色
を表現するための変換データを格納する工程と、前記画
像形成に際して用いられる色に応じて対応するプリント
ヘッド用の前記変換データを切換える変換データ切換え
工程とを具えたことを特徴とする。
【0010】さらに、本発明では、複数のプリントヘッ
ドを搭載可能なキャリッジを具備し、当該搭載された複
数のプリントヘッドをプリント媒体に対し所定方向に走
査することにより画像形成を行う画像出力方法におい
て、プリントヘッド毎に、色を表現するための変換デー
タを格納する工程と、前記画像形成に際して用いられる
色に応じて対応するプリントヘッド用の前記変換データ
を切換える変換データ切換え工程とを具え、前記変換デ
ータ切換え工程では、前記キャリッジに搭載されている
プリントヘッドのプリント色に応じて、前記変換データ
の切換えを行うことを特徴とする。
【0011】
【作用】本発明によれば、所望の色調のインク用のヘッ
ドを適宜の数搭載可能となし、搭載しているヘッドの色
調に応じて、色調を再現するための変換データを展開す
るテーブルの内容を書換え、あるいはさらに搭載してい
るヘッドの個数ないし範囲に応じて印刷領域,空吐出領
域,ワイピング領域等での走査範囲すなわちスタートポ
ジションおよびストップポジションを切換えるようにし
たことにより、用いる色調の変更や濃度の変更あるいは
濃度の確保に柔軟に対応でき、かつ上記領域での処理や
高濃度のプリントを効率よく行ってスループットを向上
することができる。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照して本発明を詳細に説明す
る。
【0013】なお、以下では本発明を捺染装置に適用し
た場合について例示するが、本発明は印刷装置その他種
々の形態を採ることができるのは勿論である。
【0014】(第1実施例)図1は本発明の第1実施例
の捺染装置としてのインクジェットプリンタの構成例
を、図2はその要部の拡大斜視図を示す。本例の捺染装
置(プリンタ)は、大きく分けて捺染用の前処理を施さ
れたロール上の布を送り出す給布部Bと、送られてきた
布を精密に行送りしてインクジェットヘッドでプリント
を行う本体部と、プリントされた布を乾燥させ巻取る巻
取り部Cとからなる。そして、本体部Aはさらにプラテ
ンを含む布の精密送り部A−1とプリントユニットA−
2とからなる。
【0015】前処理されたロール状の布3は給布部の方
に送り出され、本体部Aにステップ送りされる。
【0016】ステップ送りをされてきた布3は、第1の
プリント部11において、プラテン12によってプリン
ト面が平坦に規制され表側からインクジェットヘッド1
3によってプリントされる。1行のプリントが終るごと
に、所定量ステップ送りされ、次いで加熱プレート14
による加熱と、温風ダクト15によって給/排される、
表面からの温風によって乾燥される。続いて第2のプリ
ント部11′において、第1のプリント部と同様な方法
で重ねプリントがなされる。
【0017】プリントを終った布は加熱プレートとヒー
タ(もしくは温風)よりなる後乾燥部16で再度乾燥さ
れガイドロール17に導かれて巻取りロール18に巻取
られる。そして、巻取られた布は本装置から取り外さ
れ、バッチ処理で発色,洗浄,乾燥されて製品となる。
【0018】図2において、プリント媒体である布3は
図中上方向にステップ送りされるようになっている。図
中下方の第1プリント部11にはY,M,C,BKや、
特色S1〜S4用のインクジェットヘッドを搭載でき
る、すなわち合計8個のインクジェットヘッドを搭載で
きる第1のキャリッジ24がある(図においてはY,
M,C,BKおよびS1〜S4のヘッドを搭載してい
る)。本例におけるインクジェットヘッド(プリントヘ
ッド)は、インクを吐出するために利用されるエネルギ
として、インクに膜沸騰を生じさせる熱エネルギを発生
する素子を有するものを用いてあり、また400DPI
(ドット/インチ)の密度で256個の吐出口を配列し
たものを用いている。
【0019】第1のプリント部の下流側には背面から加
熱する加熱プレート14と、表側から乾燥させる温風ダ
クト15とからなる乾燥部25が設けられている。加熱
プレート14の熱伝達面は、中空になっている内側に通
してある高温高圧の蒸気によって、背面から強力に加熱
する。加熱プレート面の内側は集熱のためのフィン1
4′が設けられていて熱を効率的に布3の背面に集中で
きるようにしてある。布3と反対側は断熱材26でカバ
ーしてあり、放熱による損失を防いでいる。
【0020】表側では下流側の供給ダクト27から乾燥
温風を吹き付けることによって、乾燥しつつある布に、
より湿度の低い空気を当てて効果を高めるようにしてい
る。そして布の搬送方向とは逆に流れて充分に水分を含
んだ空気は、上流側の吸引ダクト28から、吹き付けの
量よりもはるかに多量の吸引をすることによって、蒸発
水分が漏れて周囲の機械装置に結露しないようにしてあ
る。温風の供給源は図2の奥側にあり、吸引は手前側か
ら行うようになっていて、布に対向している吹き出し口
29と吸引口30との圧力差が長手方向全域にわたって
均一になるようにしてある。空気の吹き付け/吸引部は
背面の加熱プレートの中心に対して下流側にオフセット
されており、充分に加熱された所に空気が当るようにし
てある。これらによって第1のプリント部11が布が受
容した、薄め液も含むインク中の多量の水分を強力に乾
燥させる。
【0021】その下流(上方)には第2のプリント部1
1′があり、第1のキャリッジと同様の構成の第2キャ
リッジ24′で第2のプリント部を形成している。な
お、第1のキャリッジ24と第2のキャリッジ24′と
は予め一体、もしくは適宜の連結部材を介して一体とし
たものとし、これを駆動する駆動源,伝動機構等を共通
化してもよい。
【0022】また、図2には示していないが、インクを
貯留し、ヘッドにインクを必要量供給するためのインク
供給装置が設けられており、インクタンクやインクポン
プなどを有する。その本体とヘッドとはインク供給チュ
ーブ等で接続され、通常は毛細管作用によりヘッドから
吐出される分だけ自動的にヘッドに供給される。また、
ヘッド回復動作のときには、インクポンプを用いて強制
的にインクがヘッドに供給される。そして、ヘッドおよ
びインク供給装置はそれぞれ別体のキャリッジに搭載さ
れ、不図示の駆動装置により図2の矢印で示す方向に往
復移動を行うように構成されている。
【0023】また、図2には示していないが、ヘッドの
インク吐出安定性を維持するためにヘッドのホームポジ
ション(待機位置)においてヘッドに対向し得る位置に
ヘッド回復装置が設けられており、次に述べるような動
作を行う。すなわちまず、非動作時にヘッド9のノズル
内からのインクの蒸発を防ぐためにホームポジションに
おいてヘッドのキャッピングを行う(キャッピング動
作)。あるいは画像記録開始前にノズル内の気泡やゴミ
などを排出するためにインクポンプを用いてヘッド内の
インク流路を加圧してノズルから強制的にインクを排出
するといった動作(加圧回復動作)またはノズルからイ
ンクを強制的に吸引排出する動作(吸引回復動作)を行
う際に排出されたインクを回収するなどの機能を果た
す。
【0024】次に、本装置の制御系の構成を説明する。
図3および図4は実施例のインクジェットプリンタの構
成およびその操作部の構成例を示しており、図5〜図7
は図3のコントロールボード102の内部構成の一例を
データの流れに沿って概念的に示したものである。
【0025】ホストコンピュータHからインターフェー
ス(ここではGPIB)を介し、コントロールボード1
02に印刷用画像データを送るほか、デザイナが選択し
た色を良好に再現するためのY,M,Cあるいは特色の
混合比率を定めるカラーパレットデータ等を送る。これ
については本出願人の出願になる特願平4−20397
3号等に開示されたものを用いることができる。
【0026】画像データを送る装置は特に限定されず、
かつ、転送形態としてはネットワークによる転送、マグ
ネットテープ等を介するオフラインでも良い。コントロ
ールボード102は、CPU102A,各種プログラム
を格納したROM102B,各種レジスタ領域や作業用
領域を有するRAM102Cおよび図5〜図7その他で
示す各部からなり装置全体の制御を行う。103はオペ
レータがプリンタPに対して所要の指示を与えるための
操作部およびオペレータに対してのメッセージ等を表示
するための表示器を有する操作・表示部である。104
はプリント対象である布等のプリント媒体を搬送するた
めのモータ等からなる布搬送機である。105は図9に
示した各種モータ(末尾に“M”を付してある)や各種
ソレノイド(“SOL”で示す)を駆動するためのドラ
イバユニット入出力部である。107は各ヘッドに駆動
信号を供給するとともに、各ヘッドに係る情報(装着の
有無やそのヘッドの提示する色等の情報)を受容してコ
ントロールボード102に供給するための中継ボードで
ある。当該情報はホストコンピュータHに転送されて用
いる色のカラーパレットデータの転送を要求するのに供
されるほか、キャリッジ24,24′へのヘッドの搭載
範囲の認識ないしは走査範囲の設定等に用いられる。ま
た、111はキャリッジ24,24′を走査させるため
のモータ等の駆動部である。
【0027】さて、ホストコンピュータHから印刷する
画像データの情報を受けると、その画像データはGPI
Bインターフェース501,フレームメモリコントロー
ラ504を介し画像メモリ505に蓄積される(図5参
照)。実施例の画像メモリは124Mbyteの容量を
有し、A1サイズを8ビットのパレットデータ構成した
ものである。つまり、1画素につき8ビットが割り当て
られている。503はメモリ転送の高速化のためのDM
Aコントローラである。ホストコンピュータHからの転
送が終了したら、所定の処理後、印刷を開始できる。
【0028】説明が前後するが、実施例の印刷装置に接
続されるホストコンピュータは、画像データをラスタイ
メージとして転送してくる。各プリントヘッドは縦方向
に複数のインク吐出ノズルが並んでいるので、画像デー
タの並びをプリントヘッドに合致するよう変換しなけれ
ばならない。このデータ変換をラスタ@BJ変換コント
ローラ506で行う。そして、このラスタ@BJ変換コ
ントローラ506で変換されたデータは、画像データを
変倍するための次の拡大コントローラ507の拡大機能
を通しパレット変換コントローラ508に供給される。
なお、拡大コントローラ507までのデータはホストコ
ンピュータから送られてきたデータであり、この実施例
では8ビットのパレット信号である。そして、このパレ
ットデータ(8ビット)は各プリントヘッドに対する処
理部(以下に説明する)に共通に渡され、処理される。
【0029】なお、図5〜図7では、イエロー,マゼン
タ,シアン,ブラックの他に特色S1〜S4をプリント
するヘッドが備えられているものとして説明する。
【0030】さて、パレット変換コントローラ508は
ホストコンピュータHから入力されてきたパレットデー
タおよび対応する色の変換テーブルを変換テーブルメモ
リ509に供給する。
【0031】8ビットのパレットの場合、その再現可能
な色種は0〜255までの256通りであり、適宜のテ
ーブルが各色毎に対応するテーブルメモリ509に展開
される。
【0032】8ビットのパレットの場合、その再現可能
な色種は0〜255までの256通りであり、例えば、 0が入力された場合 薄い灰色の印刷 1が入力された場合 特色1のベタ印刷 2が入力された場合 特色2のベタ印刷 3が入力された場合 シアンとマゼンタの混色でブ
ルー系の色の印刷 4が入力された場合 シアンのベタ印刷 5が入力された場合 マゼンタとイエローの混色で
レッド系の色の印刷 254が入力された場合 イエローのベタ印刷 255が入力された場合 何も印刷しない という処理を行う。
【0033】具体的な回路構成としては、パレット変換
テーブルメモリ509は、パレットデータに対するアド
レス位置に変換データを書き込んでおくことでその機能
を果す。つまり、実際にパレットデータがアドレスとし
て供給される場合には読出しモードでメモリをアクセス
する。なお、パレット変換コントローラ508は、パレ
ット変換テーブルメモリ509の管理や、コントロール
ボード102とパレット変換テーブルメモリ509との
インターフェースを行う。また、特色に関して、次段の
HSコントローラ510およびHS変換テーブルメモリ
511からなるHS系との間に、特色混入量を設定する
回路(出力を0〜1倍する回路)を介挿し、その設定量
を可変とすることもできる。
【0034】HS変換コントローラ510およびHS変
換テーブルメモリ511は、適宜の濃度むら補正部を含
むヘッド特性測定機108により測定したデータに基づ
いて、各ヘッドの各吐出口に対応する印刷濃度のバラツ
キの補正を行う。たとえば、濃度の薄い(吐出量の少な
い)吐出口に対して濃いめにデータ変換し、濃度の濃い
(吐出量の多い)吐出口に対しては薄めにデータ変換
し、中くらいの吐出口に対してはそのまま流すという処
理を行う。この処理については後述する。
【0035】次のγ変換コントローラ512およびγ変
換テーブルメモリ513は色毎に、全体の濃度を濃くし
たり薄くしたりするためのテーブル変換である。例え
ば、何もしない場合には、リニアなテーブルで、 0入力には0出力 100入力には100出力 210入力には210出力 255出力には255出力 ということである。
【0036】次段の2値化コントローラ514は、疑似
階調機能を持つものであり、8ビットの階調データを入
力し、2値化された1ビットの疑似階調データを出力す
るものである。多値データを2値データに変換するもの
には、ディザマトリクスによるもの、誤差拡散法等があ
るが、実施例でもこれらを採用するものとし、その詳述
は割愛するが、いずれにせよ、単位面積あたりのドット
の数で階調表現するものであればよい。
【0037】ここで2値化されたデータはつなぎメモリ
515に格納されたのち、各プリントヘッド駆動用とし
て使用される。そして、各つなぎメモリから出力された
2値データは、C,M,Y,BK,S1〜S4として出
力される。各色の2値化信号は同様な処理が実施される
ので、ここでは2値データCに注目して図7を用いて説
明する。なお、同図はプリント色シアンに対する構成で
あって、各色毎に同様の構成を有するものである。な
お、図7は図5,図6に示すつなぎメモリ515よりも
後段の回路構成を示すブロック図である。
【0038】2値化された信号Cはシーケンシャルマル
チスキャンジェネレータ(以下SMSジェネレータ)5
22に向けて出力されるが、パターンジェネレータ51
7,518により装置単体のテスト印刷を実施する場合
もあるので、当該データは、セレクタ519に供給され
る。勿論、この切り換えはコントロールボード102の
CPUによって制御されており、操作者が操作部103
(図3参照)に対して所定の操作を行った場合には、テ
スト印字をすべく2値パターンコントローラ517から
のデータを選択する。従って、通常は、2値コントロー
ラ514(つなぎメモリ516)からのデータを選択す
るようになっている。520はセレクタ520とSMS
ジェネレータ522との間に介挿したロゴ入力部であ
り、捺染の場合布の端部にメーカ,デザイナのブランド
等のロゴマークを入れることが多いので、これに対応し
たものである。その構成は例えばロゴデータを格納する
メモリや、プリント位置等を管理するコントローラ等か
らなるものとすることができる。
【0039】なお、SMSジェネレータ522は、ノズ
ル毎の吐出量変化による画像の濃度ムラを防止するもの
である。マルチスキャンは例えば特願平4−79858
号として提案されている。マルチスキャンを行って、す
なわち1画素に対して複数の吐出口からインク吐出を行
うようにして画質を優先するか、あるいはそのようなマ
ルチスキャンを行わずに高速性を優先するかは、適宜の
入力手段、例えば操作表示部103やホストコンピュー
タHで指定することができる。
【0040】つなぎメモリ524は、ヘッドの物理的な
位置、すなわち図2における上下プリント部間の位置
や、各ヘッド間の位置の補正をするバッファメモリであ
り、画像データを一旦ここに入力し、ヘッドの物理的な
位置に応じたタイミングで出力する。従って、このつな
ぎメモリ524は各プリント色毎にその容量は異なる。
【0041】以上のようなデータ処理を実施した後、ヘ
ッド中継ボード107を介しヘッドにデータが送られ
る。
【0042】以上の構成のもと、本実施例の主要部を図
8〜図11を用いて説明する。
【0043】図8は、図1,図2に示したヘッドに対し
吐出状態を良好にするための処理を行ういわゆる回復手
段を模式的に示したものである。キャッピング部材51
は、ヘッドの吐出面の乾燥防止等の機能をもち、非プリ
ント中やスタンバイ中にはここでヘッドの吐出面をキャ
ッピングすることにより覆うものである。また、ヘッド
の吐出口内方の増粘したインク吐出する先が空吐出箱5
3であり、キャリッジ24または24′はシャフト55
に沿って移動しながらS4ヘッドから次々にCヘッドま
で空吐出箱にインクを吐出していく。ワイピング部材5
7は、ヘッドの吐出面に付着した異物を除去するための
弾性部材または多孔質部材であり、キャリッジ24また
は24′の移動の過程でS4ヘッドから次々にCヘッド
までそれぞれの吐出面に係合し、払拭を行ってゆく。
【0044】捺染の場合、印刷の基本色であるシアン,
マゼンタ,イエロー,ブラックの4原色の他に、これら
の混色で表現しにくい色を特色という形で追加する。例
えば、鮮やかなコバルトブルーとか、金色,銀色等であ
る。どの色を特色として追加するかはデザイン原画が要
求するところによるので、印刷柄によりその都度特色が
変わるといえる。しかし、装置としては、最大使用する
特色が4色あればほぼ全てのデザインに対応できると考
えて、本例では特色ヘッドを搭載するスペースを4エリ
ア確保している。
【0045】図9では、印刷の基本色に加えて特色用の
ヘッド4個搭載した場合(i)の空吐出箱に対する吐出
動作に関して要求されるキャリッジ移動範囲と特色を使
わずシアンヘッドを2個ヘッド搭載した場合(ii)の
キャリッジの移動範囲とを示す説明図である。この図か
ら明らかなように、搭載しているヘッドの数ないしは搭
載範囲を認識してキャリッジの移動距離を切換えること
が印刷速度を向上する上で好ましいこと、すなわち8個
を搭載した場合に要する移動距離L1が、5個搭載の場
合はL2で済むことがわかる。
【0046】これは、空吐出動作に限らず、ワイピング
動作,プリント動作にも適用できるのは言うまでもな
い。
【0047】水着やスキーウエア等のための捺染では、
大変濃い印刷が要求されることがある。このような場合
は、同一印刷面を複数回スキャンして重ね印刷を行い、
濃度の向上を図ることも考えられるが、これでは印刷速
度の低下は免れない。そこで図9の例では、キャリッジ
上の特色のヘッド搭載エリアを使い、濃く印刷したい色
に対応したヘッドを複数個搭載している。
【0048】この場合、図5〜図7に示した画像処理系
では以下のように対応するようにすればよい。すなわ
ち、図6のパレット変換テーブル508について、C変
換テーブルはそのままとし、M変換テーブルをC変換テ
ーブルに、Y変換テーブルをM変換テーブルに、K変換
テーブルをY変換テーブルに、S1変換テーブルをK変
換テーブルにそれぞれ置換えるとともに、S2からS4
変換テーブルは、“00”をセットして出力が生じない
ようにすればよい。また次段以降のHS変換テーブル,
γ変換テーブルについてもそれぞれ同様に置換えを行え
ばよい。
【0049】以上の処理を施すことにより、図6の2値
出力516は、C,C,M,Y,Kとなる。ここで、シ
アンだけが2倍の濃度になりもう少し濃度を下げたいと
いう場合は、シアンのγ変換テーブルの傾きを少し所望
の濃度低下が得られるだけ小とすればよい。
【0050】このように特色エリアに濃度アップを図り
たいヘッドを配置することによって、その色の濃度向上
を図ることができる。なお、本例の場合プリントヘッド
の順番すなわち混色時の順番は変更していないので色あ
いの変化はない。図10は上段キャリッジにマゼンタヘ
ッドを2個搭載し、下段キャリッジに特色ヘッドS1を
2個搭載した例を示す。画像処理系のテーブルは、この
ように上下キャリッジで搭載するヘッドが異なる場合で
あっても、適宜切換えを行えばよい。
【0051】図11はキャリッジに搭載しているヘッド
に応じて変換テーブルの内容および走査範囲を設定する
ための処理手順の一例を示す。
【0052】まず、ステップS1では、キャリッジに搭
載しているヘッドについての認識、すなわちその色や個
数ないしは搭載範囲の認識を行う。例えば、搭載してい
るヘッドの個数ないしは範囲を認識する手段としては、
図3の中継ボードとヘッドとの間の信号線から、ヘッド
のあるライン間のインピーダンスを測定してCPU10
2Aが判断するものや、キャリッジ上のヘッド装着位置
に配設したスイッチのオン/オフにより判断を行うもの
とすることができる。また、プリンタのプリントヘッド
が自己の情報を提示する手段(パターンカッテイング)
を有し、プリンタ本体側でその手段より当該情報を認識
できるようにした、本出願人の提案になる特開平2−1
87343号等に開示された発明を利用することもでき
る。当該情報を提示する手段としては、EPROMやD
IPスイッチ等を用いたものでもよい。本例に適用する
には、当該情報をそのプリントヘッドが用いるインク色
とすればよく、プリンタでその情報を読取ることによ
り、色の他、個数ないし範囲を認識することができる。
さらに、操作者が操作表示部103等を用いてそれら情
報を入力するようにしてもよい。
【0053】このような認識結果に基づいて、コントロ
ールボード102ではホストコンピュータHに所要の通
知を行い、これに応じて送信されてくる変換用データを
変換テーブル509,511,513に展開する処理を
行い(ステップS3)、さらにヘッドの搭載個数ないし
範囲に応じて、図9,図10について説明したように空
吐出,ワイピング,印刷領域での走査範囲を設定する処
理を行う(ステップS5)。
【0054】なお、本発明はキャリッジ上でプリントヘ
ッドのすべてもしくは一部が着脱可能なものであって
も、またはすべてが容易な着脱を前提としない固定的な
ものであってもよい。着脱可能である場合においてヘッ
ドの個数の情報のみで走査範囲を設定可能とするために
は、キャリッジ上のヘッド装着部分に空きを生じさせる
ことのないように並置するようにすればよい。また、ヘ
ッドのすべてが固定的である場合または装着されている
ヘッドの一部のみを印刷に用いる場合には、使用するヘ
ッドの情報を入力し、またはホストコンピュータHにお
いて原画の色の分析を行って使用するヘッドの情報を認
識し、これに応じて走査範囲の設定等を行うようにする
こともできる。
【0055】(第2実施例)次に、特にプリント濃度の
向上に着目した実施例について説明する。本実施例にお
いても上述した第1実施例と同様の装置構成,処理手順
等を採用できるが、特に本実施例は布帛にプリントを行
う場合について所望のプリント濃度を確保するのに好適
な実施例である。
【0056】図12は布へのインク打ち込み量と染色濃
度の関係を示す。この図において、横軸はインク打ち込
み量であり、単位面積当たりの最大打ち込み量を100
とした値である。縦軸は、布に印刷後、発色処理,洗浄
工程を終えた後の染色物の反射率Rの関数であり、
【0057】
【数1】K/S=(1−R)2 /2R で表されるK/S(ケーバーエス)値(K:吸収係数、
S:散乱係数)と呼ばれる視覚での染色濃度を定量化し
たものである。
【0058】同図では、シアンの最大値を100とし、
他の値を正規化して表現しており、値が大きいほど濃い
といえる。そして同図では、標準色であるイエロー,マ
ゼンタ,シアン,ブラックと特色であるブルーの計5色
の特性を示している。
【0059】この図から明らかなように、同じ打ち込み
量をもってもイエロー,マゼンタ,シアンに比べブラッ
クと特色であるブルーは約半分の濃度しか得られないこ
とがわかる。
【0060】しかるに、水着やスキーウエア等のための
捺染では、大変濃い印刷が要求されることがある。この
ような場合において、デザイン上濃度を確保しにくいブ
ラックやブルーなどの特色の使用が要求される場合、前
述したようにそのような色の染料濃度を高めること、ま
たはインク滴の大きさを制御すること、または同一印刷
面を複数回スキャンして重ね印刷を行うことによって、
濃度の向上を図ることも考えられるが、これでは吐出に
支障をきたし、またはすじ発生によるプリント品位を低
下させ、または印刷速度の低下は免れない。
【0061】そこで本実施例では、図13に示すよう
に、キャリッジ上のヘッド搭載エリアに、濃く印刷した
い色に対応したヘッドを複数個、すなわちブラックとブ
ルーとをそれぞれ2個搭載している。
【0062】この場合、図5〜図7に示した画像処理系
では以下のように対応するようにすればよい。すなわ
ち、図6のパレット変換テーブル508について、C,
M,Y,K変換テーブルはそのままとし、S1変換テー
ブルをK変換テーブルに、S2,S3の変換テーブルを
BL(ブルー)変換テーブルに、それぞれ置換えるとと
もに、S4変換テーブルは、“00”をセットして出力
が生じないようにすればよい。また次段以降のHS変換
テーブル,γ変換テーブルについてもそれぞれ同様に置
換えを行えばよい。
【0063】以上の処理を施すことにより、図6の2値
出力516は、C,M,Y,K,K,BL,BLとな
る。ここで、ブラックとブルーだけが2倍の濃度になり
もう少し濃度を下げたいという場合は、ブラックとブル
ーのγ変換テーブルの傾きを少し所望の濃度低下が得ら
れるだけ小とすればよい。
【0064】図14は、図12に対し、ブラックとブル
ーヘッドを2個搭載した場合の濃度を表わす。ブラッ
ク,ブルーが他の3色と同程度の濃度を表現できること
が明らかにわかる。
【0065】このように特色エリアに濃度アップを図り
たいヘッドを配置することによって、その色の濃度向上
を図ることができる。なお、本例の場合プリントヘッド
の順番すなわち混色時の順番は変更していないので色あ
いの変化はない。
【0066】本例においても、第1の実施例と同様、図
11に示したような処理手順を用いてキャリッジに搭載
しているヘッドに応じた変換テーブルの内容等の設定を
行うことができる。
【0067】すなわちまず、ステップS1では、キャリ
ッジに搭載しているヘッドについての認識、すなわちそ
の色や個数ないしは搭載範囲の認識を行い、このような
認識結果に基づいて、コントロールボード102ではホ
ストコンピュータHに所要の通知を行い、これに応じて
送信されてくる変換用データを変換テーブル509,5
11,513に展開する処理を行えばよい(ステップS
3)。さらにヘッドの搭載個数ないし範囲に応じて、図
9,図10について説明したように空吐出,ワイピン
グ,印刷領域での走査範囲を設定する処理を行う場合に
はステップS5の処理を実行し、行わない場合にはこれ
を削除またはスキップすればよい。
【0068】なお、本実施例においては所望の濃度を得
るべくブラックとブルーについてプリントヘッドを2個
搭載した場合について説明したが、デザインに応じて、
また濃度に応じて適宜の色のヘッドを適宜の数搭載で
き、さらにこれに応じて画像処理系に適宜の設定を行え
ばよいのは勿論である。
【0069】(インクの実施例)次に、上記実施例1お
よび実施例2で述べたような捺染装置に用いて好適なイ
ンクについて述べる。
【0070】従来の捺染装置としては代表的なものとし
て、シルクスクリーン版を用いて布帛等に直接印刷する
スクリーン捺染法がある。スクリーン捺染法は、印刷す
べき原画像に対しその原画像に使われている色毎にスク
リーン版を作成しシルクの目を通してインクを直接布帛
に染色する方法である。
【0071】しかしながら、このようなスクリーン捺染
法においては、スクリーン版を作成するに当たり多大な
工数と日数を要するほか、印刷に要する各色のインクの
調合、スクリーン版の位置合わせ等の作業も要する。さ
らに装置も大きく、使用する色の数に比例して大型化し
設置スペースを要するほか、上記スクリーン版の保存ス
ペースも必要である。
【0072】そこで、プリンタ,複写機,ファクシミリ
等の機能を有する記録装置、あるいはコンピュータやワ
ードプロセツサ等を含む複号型電子機器やワークステー
ションの出力機器として用いられる記録装置として、イ
ンクジェット式の記録装置が実用化されていることか
ら、このようなインクジェット式の記録装置を捺染に利
用し、直接布帛上にインクを吐出して記録を行うシステ
ム、すなわち上記実施例1,2で述べたようなシステム
が有効である。すなわち、そのようなシステムによれ
ば、スクリーン捺染に用いられるような版を必要とせ
ず、布帛に印刷するまでの行程、日数が大幅に短縮でき
るほか、装置の小型化もできるからである。また、当然
のことではあるが、印刷のための画像情報もテープ,フ
ロッピーディスク,光ディスク等の媒体に保存できるた
めその保管性,保存性についてもすぐれている。さら
に、原画像に対する配色変え、レイアウト変更,拡大・
縮小等の加工が容易に行える。
【0073】特に、熱エネルギーを利用してインクを吐
出するインクジェット式の記録手段(記録ヘッド)は、
エッチング,蒸着,スパッタリング等の半導体製造プロ
セスを経て、基板上に製膜された電気熱変換体,電極,
液路壁,天板等を形成することにより、高密度の液路配
置(吐出口配置)を有するものを容易に製造することが
でき、一層のコンパクト化が可能であり、さらに、記録
速度の高速化,画質の高精細化を図ることもでき、イン
クジェット捺染方法として、有望である。
【0074】このようなインクジェット捺染方法に用い
られるインクは、従来の紙等の被記録材へのインクジェ
ット記録で用いられているインクよりも、 ・発色に十分な濃度を与えること、 ・ヘッドのインク吐出口やインク通路などの目詰まりを
生じさせないこと、 ・布帛上で不規則なにじみが少ないこと、 ・長期にわたる耐久性においても吐出特性に変化のない
こと、特に熱エネルギーを利用してインクを吐出させる
方式の場合には熱エネルギーを与えるヒータ上に異物の
沈着がなく、また消泡時のキャビテーションによるヒー
タ破壊を起こさないこと、等の要求を満足するために、
厳しい条件が求められ、特公昭62−57750号公
報、特開昭61−179269号公報のようなインクが
提案されている。
【0075】しかし、これらの技術では、個々の性能を
ある程度満足させることはできるが、これらの性能を同
時に満足させることができるインクジェット捺染方法は
今までのところ知られていないのが現状である。
【0076】さらに、インクジェット捺染方法の実用化
を試みるに際し、後述するような新たな問題が生まれて
きた。
【0077】インクジェット記録に用いる装置として
は、被記録材の搬送方向(副走査方向)と交差する方向
に主走査するシリアルスキャン方式を採るシリアルタイ
プの記録装置がある。この装置においては、被記録材に
沿って主走査方向に移動するキャリッジ上に搭載した記
録手段によって画像を記録し、1行分の記録を終了した
後に副走査方向に所定量の紙送り(ピッチ搬送)を行
い、その後に再び停止した被記録材に対して、次の行の
画像を記録するという動作を繰り返すことにより、被記
録材全体の記録が行われる。
【0078】このインクジェット記録装置を捺染に用い
る装置として実用化するためには、生産速度、および衣
服等、最終製品形態からの要求により、通常、プリンタ
等で用いられてきたインクジェット記録装置に比べて、
連続印字長(スキャン長)を非常に長くしなければなら
ない(約0.5m以上)。このため、駆動信号の印加に
よってヘッドの発熱素子に発生する熱エネルギーにより
前記ヘッドがインクを吐出するインクジェット記録方法
で、1回の走査が長いことからヘッドの温度の上昇が大
きく、これによりインクの粘度が大きく変化するため
に、1回の主走査中に安定吐出を維持することが困難で
ある。その結果、不吐出が生じやすい。
【0079】さらには、インク吐出時に発生してしまう
ヘッドオリフィス面へのインクミストの堆積量が1回の
走査が長いことから非常に多くなってしまい、ノズルオ
リフィス面を塞ぎ、不吐出(濡れ不吐)の原因となる。
さらに、ノズル近傍にたい積したインクミストまでも
が、布帛表面に存在するケバ、糸屑等の繊維との接触に
より、ノズル口まで引きずられ、ヘッドのノズル口を塞
ぎ、インクの不吐出を招く。また、前述の糸屑自体も、
ノズル口に接触付着する機会が増え、ノズル口を塞ぎイ
ンクの不吐出を招く、等の新たな問題が発生した。これ
は、ヘッドのノズルの少なくとも1つが、1回の走査中
に5×10-3回以上の駆動信号の印加によってインクを
吐出するような印字長が長い記録装置で顕著な問題であ
る。
【0080】従って、印字長が長いインクジェット捺染
記録において、不吐出などが生じない安定した吐出が行
え、画像欠陥のない優れた捺染物を得ることができるよ
うにし、さらに、本発明の目的は、上述したインクジェ
ット捺染の問題を満足する、即ち、にじみのない高濃度
の捺染物を得ることができ、ヘッドの目詰まり等が生じ
ず、長期にわたって耐久性や吐出特性を良好にする上
で、適切なインクを用いることが重要である。
【0081】このような課題は、以下のような構成によ
って解決される。
【0082】すなわち、駆動信号の印加によって記録ヘ
ッドの発熱素子に発生する熱エネルギーにより、前記記
録ヘッドがインクを布帛上に吐出して捺染を行なうイン
クジェット捺染にあって、前記記録ヘッドが前記布帛に
対し相対的に走査し、前記記録ヘッドに含まれるノズル
の少なくとも1つが、1回の走査中に、5×10-3回以
上の駆動信号の印加によって前記インクを吐出し、か
つ、前記インクが染料を前記インク全重量中2重量%以
上30重量%以下含有し、粘度を1.5cp以上4cp
以下、表面張力が35dyn/cm以上65dyn/c
m以下とすることである。
【0083】さらに、少なくとも、ブラック、マゼン
タ、シアンおよびイエローのインク、あるいは所要の特
色のインクを用いて、駆動信号の印加によって記録ヘッ
ドの発熱素子に発生する熱エネルギーにより、前記記録
ヘッドが前記インクを布帛上に吐出して捺染を行なうカ
ラーインクジェット捺染にあって、前記記録ヘッドが前
記布帛に対し相対的に走査し、前記記録ヘッドに含まれ
るノズルの少なくとも1つが、1回の走査中に、5×1
-3回以上の駆動信号の印加によって前記インクを吐出
し、かつ、前記インクが何れも、染料を前記インク全重
量中2重量%以上30重量%以下含有し、粘度を1.5
cp以上4cp以下、表面張力が35dyn/cm以上
65dyn/cm以下とすることである。
【0084】本発明者らは、前述したようなインクジェ
ット捺染装置を用いてインクジェット捺染記録を行う際
に、前述の如き種々の問題を同時に満足させる捺染方法
について検討を行った結果、用いるインクが染料を前記
インク全重量中2重量%以上30重量%以下含有し、粘
度が1.5cp以上4cp以下、表面張力が35dyn
/cm以上65dyn/cm以下であると、不吐出等が
生じない安定した吐出が行え、かつにじみ等のない高濃
度の捺染物を得ることができることを見出したのであ
る。
【0085】次に、好ましい実施態様を挙げて、実施例
1,2で述べたようなインクジェット記録装置に用いる
ことのできるインクについてさらに詳しく説明する。
【0086】本例において使用するインクは、色素,
水,有機溶剤,添加剤等からなる。色素としては、染料
が好ましく、布帛に対して染色可能であれば良い。酸性
染料,カチオン染料,反応染料,分散染料,建染染料等
を用いることができる。これらの染料は、インク中に1
種以上含有され、色相の異なったものと併用することも
可能であり、その使用量は、布帛上で十分な発色を得る
ためには、一般的にインク全量に対して合計で2重量%
以上30重量%以下、好ましくは4重量%以上25重量
%以下、特にブラックインクは好ましくは6重量%以上
20重量%以下の範囲である。
【0087】インクの主成分として好ましい水について
は、インク全量に対して10〜93重量%、好ましくは
25〜87重量%、より好ましくは30〜80重量%の
範囲である。
【0088】有機溶剤については、例えば、アセトン,
ジアセトンアルコールなどのケトンまたはケトアルコー
ル類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル
類;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、
トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール等のオキシエチレンまたはオ
キシプロピレン付加重合体;エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、トリメチレングリコール、ブチレン
グリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、ヘキシ
レングリコール等のアルキレン基が2ないし6個の炭素
原子を含むアルキレングリコール類;チオジグリコー
ル;グリセリン;エチレングリコールモノメチル(また
はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル
(またはエチル)エーテル、トリエチレングリコールモ
ノメチル(またはエチル)エーテル等の多価アルコール
の低級アルキルエーテル類;トリエチレングリコールジ
メチル(またはエチル)エーテル、テトラエチレングリ
コールジメチル(またはエチル)エーテル等の多価アル
コールの低級ジアルキルエーテル類;スルホラン、N−
メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミ
ダゾリノジン等が挙げられる。
【0089】上記水溶性有機溶剤の含有量は、一般には
インクの全重量に対して重量%で5〜60%、好ましく
は5〜50%の範囲である。
【0090】上記の如き媒体を併用する場合は単独でも
混合物としても使用できるが、もっとも好ましい液媒体
組成は、該溶剤が少なくとも1種の多価アルコールを含
有するものである。中でも、チオジグリコール単独もし
くはジエチレングリコール、チオジグリコール混合系は
特に良好なものである。
【0091】使用するインクの主要成分は上記の通りで
あるが、その他公知の各種の分散剤,界面活性剤,粘度
調整剤,表面張力調整剤,蛍光増白剤等を必要に応じて
添加することができる。
【0092】例えば、ポリビニルアルコール,セルロー
ス類,水溶性樹脂等の粘度調整剤;カチオンあるいはノ
ニオン形の各種界面活性剤;ジエタノールアミン,トリ
エタノールアミン等の表面張力調整剤;緩衡液によるp
H調整剤,防カビ剤等を挙げることができる。
【0093】本例のようなインクジェット捺染方法にお
いて特に重要な事は、前記インクの粘度を1.5cp以
上4cp以下、好ましくは2.0cp〜3.8cp、表
面張力を35dyn/cm以上65dyn/cm以下の
範囲に調整することである。かかる範囲とすることによ
り、良好なインクジェット捺染が実現できる。
【0094】すなわち、上例のインクジェット捺染方法
のように、印字長の長いインクジェット捺染記録を行う
ためには、従来の記録で用いていたインクよりも、より
厳密な条件でインク物性を管理しなければならない。
【0095】ここに、インクの粘度を4cp以上とする
と急激に走査中の不吐出が増加する。これは、吐出力が
弱いため、吐出口近傍にたまったインク糸屑等により安
定した吐出を行う力が不足するからである(濡れ不吐
等)。また1.5cp以下とすると、画像ににじみが生
じやすくかつ吐出が不安定となる(スプラッシュによる
サテライト等の発生)。
【0096】またインクの粘度のみを上述の範囲として
も、表面張力が35dyn/cm以下だと、不吐出した
際の不吐出の長さ(布帛上にできる白抜けの長さ)が数
10cmにわたってしまう。すなわち、不吐出後の回復
がスムーズに行かない。この様な数10cmにわたる不
吐出が1つでもあれば、その布帛は使用できなくなり、
好ましくない。
【0097】反対に表面張力を65dyn/cm以上と
すると、周波数応答性が低下し、吐出が不安定となる。
【0098】従って、印字長の長いインクジェット捺染
記録における効果は、粘度と表面張力の両方を本発明の
範囲にすることにより得られるものであり、どちらか一
方でも、この範囲を外れると所望の効果は得られない。
【0099】用いるインクの粘度と表面張力の調整は、
用いる染料、および有機溶剤の種類や量を適宜選択して
組合わせたり、各種添加剤を添加する等により、当業者
が容易に行うことができる。
【0100】インクジェット捺染において使用する布帛
を構成する素材として、綿,絹,ナイロン,ポリエステ
ル等の天然繊維、再生繊維、半合成繊維、合成繊維等が
挙げられるが、中でも綿、絹等の天然繊維が好ましい。
上記繊維は織物,編物,不織布等いずれの形態でも使用
できる。
【0101】より良好な捺染物を得るためには、上記布
帛に従来の前処理を施すことが好ましい。特に、布帛に
0.01〜5重量%のアルカリ性物質を含有させたも
の、または、水溶性金属塩、水溶性高分子、尿素、およ
びチオ尿素の群から選ばれる物質を、0.01〜20重
量%含有させたものがより好ましい。
【0102】アルカリ性物質としては、例えば、水酸化
ナトリウム,水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属、
モノ,ジ,トリエタノールアミン等のアミン類、炭酸ナ
トリウム,炭酸カリウム,炭酸水素ナトリウム等の炭酸
もしくは炭酸水素アルカリ金属等が挙げられる。酢酸カ
ルシウム,酢酸バリウム等の有機酸金属塩やアンモニア
およびアンモニア化合物等がある。また、スチーミング
および乾熱下でアルカリ物質となるトリクロロ酢酸ナト
リウム等も用い得る。特に好ましいアルカリ性物質とし
ては、反応性染料の染色に用いられる炭酸ナトリウムお
よび重炭酸ナトリウムである。
【0103】また、水溶性高分子の例としては、トウモ
ロコシ,小麦等のデンプン物質、カルボキシメチルセル
ロース,メチルセルロース,ヒドロキシエチルセルロー
ス等のセルロース系物質、アルギン酸ナトリウム,アラ
ビヤゴム,ローカスイトビーンガム,トラガントガム,
グアーガム,タマリンド種子等の多糖類、ゼラチン,カ
ゼイン等の蛋白質物質、タンニン系物質,リグニン系物
質等の天然水溶性高分子が挙げられる。
【0104】また、合成高分子としては、例えば、ポリ
ビニルアルコール系化合物,ポリエチレンオキサイド系
化合物,アクリル酸系水溶性高分子,無水マレイン酸系
水溶性高分子等が挙げられる。これらの中でも多糖類系
高分子やセルロース系高分子が好ましい。
【0105】水溶性金属塩類としては、例えば、アルカ
リ金属、アルカリ土類金属のハロゲン化物の様に、典型
的なイオン結晶を作るものであって、pH4〜10であ
る化合物が挙げられる。かかる化合物の代表的な例とし
ては、例えば、アルカリ金属では、NaCl,Na2
4 ,KCL,CH3 COONa等が挙げられ、また、
アルカリ土類金属としては、CaCl2 ,MgCl2
が挙げられる。中でもNa,K,Caの塩類が好まし
い。
【0106】次にインクの実施例および比較例を揚げて
さらに具体的な説明を行う。なお文中「部」および
「%」とあるのは重量基準である。
【0107】1.インク調製 それぞれ下記成分を混合し、混合液を水酸化ナトリウム
にてpH8.4に調整し、2時間攪拌した後、フロロポ
アフィルターFP−100(商品名、住友電工製)にて
濾過し水性インクA〜Hを得た。
【0108】各インクの粘度および表面張力は図1に示
す。
【0109】 インクA: C.I.Reactive Black39 15.0部 チオジグリコール 15.0部 ジエチレングリコール 10.0部 水 60部 インクB: C.I.Reactive Red24 11.0部 チオジグリコール 10.0部 ジエチレングリコール 20.0部 水 59.0部 インクC: C.I.Reactive Blue72 8.0部 チオジグリコール 20.0部 ジエチレングリコール 10.0部 水 62.0部 インクD: C.I.Reactive Yellow95 11.0部 チオジグリコール 25.0部 ジエチレングリコール 10.0部 水 54.0部 インクE: C.I.Reactive Black39 15.0部 チオジグリコール 15.0部 ジエチレングリコール 15.0部 水 55.0部 インクF: C.I.Reactive Black39 15.0部 チオジグリコール 10.0部 水 75.0部 インクG: C.I.Reactive Red24 11.0部 イソプロピルアルコール 10.0部 チオジグリコール 10.0部 ジエチレングリコール 20.0部 水 49.0部 インクH: C.I.Reactive Red24 11.0部 グリセリン 10.0部 水 79.0部 下記成分を混合し、混合液を酢酸にてpH4.8に調整
し、2時間攪拌した後、フロロポアフィルターFP−1
00(商品名、住友電工製)にて濾過し、水性インク
I,Jを得た。
【0110】 インクI: C.I.Acid Blue40 4.0部 ジエチレングリコール 36.0部 水 60.0部 インクJ: C.I.Acid Black26 6.0部 ジエチレングリコール 36.0部 水 58.0部 2.インクジェット捺染装置 図1または図2に示した装置を以下のような記録条件で
用いた(捺染装置a)。
【0111】・ヘッド:400dpi、256ノズル、
オリフィス(22μm×33μm) ・駆動電圧:24.0V ・ヘッド温度:25〜60℃ ・駆動パルス幅:10μs ・駆動周波数:1.5KHz〜4.0KHz ・ノズルと布帛の距離:1mm ・インク吐出量:20pl〜50pl/ドット ・印字長(1スキャンの長さ):1.6m さらに、印字長が310mmと短い以外は全て上記条件
である捺染装置bも用いた。
【0112】3.布帛 下記の2種の布帛を用い、aは10%水酸化ナトリウム
水溶液、bは15%尿素水溶液の液に浸漬後、乾燥し
た。
【0113】a.平地細布(綿100%) b.羽二重8匁付(絹100%) 4.操作 実施例1〜6、比較例1〜4 上記の各インクA〜Jを上記布帛に、前記のインクジェ
ット捺染装置を用いて、30スキャン連続印字でベタプ
リントを行い(捺染装置はベタ印字のとき、1スキャン
で1.8×10-4パルス/ノズル、捺染装置bは4.0
×103 パルス/ノズル)、不吐出の発生頻度、および
不吐出の平均長を調べた。さらに、プリント物をスチー
ミング(104℃、10分)処理により定着し、その後
中性洗剤で洗浄、乾燥後、捺染物のにじみ性について評
価した。また、記録後のヘッドオリフィス面も観察し
た。これらの結果を表1に示す。
【0114】
【表1】
【0115】 *1 不吐出の平均長さ:Σl/n(cm) l:不吐出の長さ n:不吐出の数 *2 ベタ部のエッジの直線部分の不規則な乱れを肉眼
で観察し判定した。
【0116】〇:乱れが全くない △:乱れが少しある ×:乱れが多い *3 吐出性、およびヘッドオリフィス面を観察した。
【0117】×:インク滴が多数付着しており吐出が困
難。
【0118】△:インク滴は付着しているが、吐出には
問題がない。
【0119】〇:インク滴は全く付着していない。
【0120】実施例7 上記インクA〜Dを用いてフルカラー記録を行ったとこ
ろ、安定に吐出されにじみのない、発色性の良好な記録
物が得られた。
【0121】以上のように本例のインクを用いれば、印
字長が長いインクジェット捺染において、不吐出等が生
じない安定した吐出が行え、さらににじみのない高濃度
捺染物を得ることができることがわかる。
【0122】(その他)なお、本発明は、インクジェッ
トプリント方式に限らず種々のプリント方式を採ること
ができるが、インクジェットプリント方式を採用する場
合には、その中でも、インク吐出を行わせるために利用
されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段(例え
ば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギ
によりインクの状態変化を生起させる方式のプリントヘ
ッド、プリント装置において優れた効果をもたらすもの
である。かかる方式によればプリントの高密度化,高精
細化が達成できるからである。
【0123】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、プリント情報に対応していて核沸騰を越え
る急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を
印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発
生せしめ、プリントヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさ
せて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体
(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この
気泡の成長,収縮により吐出用開口を介して液体(イン
ク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。こ
の駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成
長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(イン
ク)の吐出が達成でき、より好ましい。このパルス形状
の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細
書,同第4345262号明細書に記載されているよう
なものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率
に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記
載されている条件を採用すると、さらに優れたプリント
を行うことができる。
【0124】プリントヘッドの構成としては、上述の各
明細書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変
換体の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の
他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開
示する米国特許第4558333号明細書,米国特許第
4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれ
るものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、
共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を
開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギ
の圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開
示する特開昭59−138461号公報に基いた構成と
しても本発明の効果は有効である。すなわち、プリント
ヘッドの形態がどのようなものであっても、本発明によ
ればプリントを確実に効率よく行うことができるように
なるからである。
【0125】加えて、上例のようなシリアルタイプのプ
リントヘッドとしては、装置本体に固定されたプリント
ヘッド、あるいは装置本体に装着されることで装置本体
との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能
になる交換自在のチップタイプのプリントヘッド、ある
いはプリントヘッド自体に一体的にインクタンクが設け
られたカートリッジタイプのプリントヘッドを用いた場
合にも本発明は有効である。
【0126】また、本発明のプリント装置の構成とし
て、プリントヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段
等を付加することは本発明の効果を一層安定できるの
で、好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、
プリントヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニ
ング手段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれと
は別の加熱素子或はこれらの組み合わせを用いて加熱を
行う予備加熱手段、プリントとは別の吐出を行なう予備
吐出手段を挙げることができる。
【0127】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用プ
リント信号付与時にインクが液状をなすものを用いても
よい。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形
状態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せ
しめることで積極的に防止するため、またはインクの蒸
発を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化
するインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギ
のプリント信号に応じた付与によってインクが液化し、
液状インクが吐出されるものや、プリント媒体に到達す
る時点ではすでに固化し始めるもの等のような、熱エネ
ルギの付与によって初めて液化する性質のインクを使用
する場合も本発明は適用可能である。このような場合の
インクは、特開昭54−56847号公報あるいは特開
昭60−71260号公報に記載されるような、多孔質
シート凹部または貫通孔に液状又は固形物として保持さ
れた状態で、電気熱変換体に対して対向するような形態
としてもよい。本発明においては、上述した各インクに
対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行す
るものである。
【0128】さらに加えて、本発明の形態としては、コ
ンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末として用い
られるものの他、リーダ等と組合せた複写装置、さらに
は送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を採るも
の等であってもよい。
【0129】次に、インクジェット捺染用布帛として
は、(1)インクを十分な濃度に発色させ得ること、
(2)インクの染着率が高いこと、(3)インクが布帛
上で速やかに乾燥すること、(4)布帛上での不規則な
インクの滲みの発生が少ないこと、(5)装置内での搬
送性に優れていること、等の性能が要求される。これら
の要求性能を満足させるために、本発明において、必要
に応じて布帛に対し、あらかじめ前処理を施しておくこ
とができる。例えば、特開昭62−53492号公報に
おいてはインク受容層を有する布帛類が開示され、ま
た、特公平3−46589号公報においては還元防止剤
やアルカリ性物質を含有させた布帛の提案がなされてい
る。このような前処理の例としては、布帛に、アルカリ
性物質、水溶性高分子、合成高分子、水溶性金属塩、尿
素およびチオ尿素から選ばれる物質を含有させる処理を
挙げることができる。
【0130】アルカリ性物質としては、例えば、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属、
モノ,ジ,トリエタノールアミン等のアミン類、炭酸ナ
トリウム,炭酸カリウム,重炭酸ナトリウム等の炭酸も
しくは重炭酸アルカリ金属塩等が挙げられる。さらに酢
酸カルシウム、酢酸バリウム等の有機酸金属塩やアンモ
ニアおよびアンモニア化合物等がある。また、スチーミ
ングおよび乾熱下でアルカリ物質となるトリクロロ酢酸
ナトリウム等も用い得る。特に好ましいアルカリ性物質
としては、反応性染料の染色に用いられる炭酸ナトリウ
ムおよび重炭酸ナトリウムがある。
【0131】水溶性高分子としては、トウモロコシ,小
麦等のデンプン物質、カルボキシメチルセルロース,メ
チルセルロース,ヒドロキシエチルセルロース等のセル
ロース系物質、アルギン酸ナトリウム,アラビアゴム,
ローカスイトビーンガム,トラガントガム,グアガム,
タマリンド種子等の多糖類、ゼラチン,カゼイン等の蛋
白質物質、タンニン系物質,リグニン系物質等の天然水
溶性高分子が挙げられる。
【0132】また、合成高分子としては、例えば、ポリ
ビニルアルコール系化合物,ポリエチレンオキサイド系
化合物,アクリル酸系水溶性高分子,無水マレイン酸系
水溶性高分子等が挙げられる。これらの中でも多糖類系
高分子やセルロース系高分子が好ましい。
【0133】水溶性金属塩としては、例えば、アルカリ
金属、アルカリ土類金属のハロゲン化物のように、典型
的なイオン結晶を作るものであって、pH4〜10であ
る化合物が挙げられる。かかる化合物の代表的な例とし
ては、例えば、アルカリ金属では、NaCl,Na2
4 ,KClおよびCH3 COONa等が挙げられ、ま
た、アルカリ土類金属としては、CaCl2 およびMg
Cl2 等が挙げられる。中でもNa,KおよびCaの塩
類が好ましい。
【0134】前処理において上記物質等を布帛に含有さ
せる方法は、特に制限されないが、通常行われる浸漬
法、パッド法、コーティング法、スプレー法などを挙げ
ることができる。
【0135】さらに、インクジェット捺染用布帛に付与
される捺染インクは、布帛上に付与した状態では単に付
着しているに過ぎないので、引き続き繊維への染料等イ
ンク中の色素の定着工程を施すのが好ましい。このよう
な定着工程は、従来公知の方法でよく、例えば、スチー
ミング法、HTスチーミング法、サーモフィックス法、
あらかじめアルカリ処理した布帛を用いない場合は、ア
ルカリパッドスチーム法、アルカリブロッチスチーム
法、アルカリショック法、アルカリコールドフィックス
法等が挙げられる。また、定着工程は、染料によって反
応過程を含むものと含まないものとがあり、後者の例と
しては繊維に含浸させて物理的に離脱しないようなもの
がある。また、インクとしては所要の色素を有するもの
であれば適宜のものを用いることができ、染料に限られ
ず顔料を含むものでもよい。
【0136】さらに未反応の染料の除去および前処理に
用いた物質の除去は、上記反応定着工程の後に従来公知
の方法に準じ、洗浄により行うことができる。なお、こ
の洗浄の際に従来のフィックス処理を併用することが好
ましい。
【0137】以上述べた後処理工程が施されたプリント
物は、その後所望の大きさに切り離され、切り離された
片は、縫着,接着,溶着等、最終的な加工品を得るため
の工程が施され、ワンピース,ドレイ,ネクタイ,水着
等の衣類や布団カバー,ソファカバー,ハンカチ,カー
テン等が得られる。布帛を縫製等により加工して衣類や
その他の日用品とする方法は、例えば「最新ニット縫製
マニュアル」(センイジャーナル社発行)や月刊誌「装
苑」(文化出版局発行)等、公知の書籍に多数記載され
ている。
【0138】なお、プリント媒体としては、布帛,壁
布,刺しゅうに用いられる糸、壁紙、紙、OHP用フィ
ルム等が挙げられ、布帛とは、素材,織り方,編み方を
問わず、あらゆる織物,不織布およびその他の布地を含
む。
【0139】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
所望の色調のインク用のヘッドを適宜の数搭載可能とな
し、搭載しているヘッドの色調に応じて、色調を再現す
るための変換データを展開するテーブルの内容を書換
え、あるいはさらに搭載しているヘッドの個数ないし範
囲に応じて印刷領域,空吐出領域,ワイピング領域等で
の走査範囲すなわちスタートポジションおよびストップ
ポジションを切換えるようにしたことにより、用いる色
調の変更や濃度の変更あるいは濃度の確保に柔軟に対応
でき、かつ上記領域での処理や高濃度のプリントを効率
よく行ってスループットを向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に適用されるプリンタの機械的構成の概
略を示す側断面図である。
【図2】そのプリントヘッド周辺の構成例を示す斜視図
である。
【図3】図1に示すプリンタの電気的な概略構成を示す
ブロック図である。
【図4】同じくブロック図である。
【図5】図3におけるコントロールボードの内部構成の
一部をデータの流れを中心として示すブロック図であ
る。
【図6】同じくブロック図である。
【図7】同じくブロック図である。
【図8】図1に示したヘッドに対する回復手段を模式的
に示した説明図である。
【図9】キャリッジ上に、印刷の基本色に加えて、特色
用のヘッドをすべて搭載した場合と特色用のヘッドを1
つのみ搭載した場合とのキャリッジの移動範囲を説明す
るための説明図である。
【図10】上下キャリッジで搭載ヘッドを異ならせた場
合の説明図である。
【図11】搭載ヘッドに応じた各種設定処理手順の一例
を示すフローチャートである。
【図12】各色インクをプリントしたときの濃度を説明
するための説明図である。
【図13】キャリッジ上に、印刷の基本色に加え、濃度
を高くしたい色のヘッドを複数搭載した場合の説明図で
ある。
【図14】図12に対し、図13のようなヘッド搭載条
件で各色インクをプリントしたときの濃度の説明図であ
る。
【符号の説明】
H ホストコンピュータ 3 プリント媒体(布) 24,24′ キャリッジ 51 キャッピング部材 53 空吐出箱 57 ワイピング部材 102 コントロールボード 102A CPU 102B ROM 102C RAM 104 布送り機 108 ヘッド特性測定機 501 GPIBインターフェース 504 フレームメモリ(FM)コントローラ 505 画像メモリ 509 パレット変換テーブルメモリ 511 HS変換テーブルメモリ 513 γ変換テーブルメモリ 515 つなぎメモリ 717 むら補正RAM
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41J 3/54 19/18 G 9212−2C 29/00 B41M 5/00 E 8808−2H 8306−2C B41J 3/04 101 Z 9113−2C 29/00 G 9113−2C H (72)発明者 高木 英一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 遠藤 浩志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 小池 祥司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 宮下 佳子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のプリントヘッドをプリント媒体に
    対し所定方向に走査することにより画像形成を行う画像
    出力装置において、 画像形成に際して用いられるプリントヘッドに応じて前
    記走査の範囲を切換える走査範囲切換え手段と、 プリントヘッド毎に設けられ、色を表現するための変換
    データを格納する手段と、 前記画像形成に際して用いられる色に応じて対応するプ
    リントヘッド用の前記格納手段の変換データを切換える
    変換データ切換え手段とを具えたことを特徴とする画像
    出力装置。
  2. 【請求項2】 複数のプリントヘッドを搭載可能で、前
    記走査を行わせるためのキャリッジを具え、前記変換デ
    ータ切換え手段および前記走査範囲切換え手段は、前記
    キャリッジに搭載されているプリントヘッドのプリント
    色、および個数もしくは前記キャリッジ上での配列範囲
    に応じて、それぞれ、前記変換データおよび前記走査範
    囲の切換えを行うことを特徴とする請求項1に記載の画
    像出力装置。
  3. 【請求項3】 複数のプリントヘッドをプリント媒体に
    対し所定方向に走査することにより画像形成を行う画像
    出力装置において、 プリントヘッド毎に設けられ、色を表現するための変換
    データを格納する手段と、 前記画像形成に際して用いられる色に応じて対応するプ
    リントヘッド用の前記格納手段の変換データを切換える
    変換データ切換え手段と、 複数のプリントヘッドを搭載可能で、前記走査を行わせ
    るためのキャリッジと、 を具え、前記変換データ切換え手段は、前記キャリッジ
    に搭載されているプリントヘッドのプリント色に応じ
    て、前記変換データの切換えを行うことを特徴とする画
    像出力装置。
  4. 【請求項4】 前記キャリッジに搭載されているプリン
    トヘッドの個数もしくは前記キャリッジ上での配列範囲
    に応じて前記走査の範囲を切換える走査範囲切換え手段
    をさらに具えたことを特徴とする請求項3に記載の画像
    出力装置。
  5. 【請求項5】 前記プリントヘッドは、前記プリント剤
    としてインクを用い、該インクを吐出するインクジェッ
    トプリントヘッドであることを特徴とする請求項1ない
    し4のいずれかに記載の画像出力装置。
  6. 【請求項6】 前記インクジェットプリントヘッドは、
    インクを吐出するために利用されるエネルギとしてイン
    クに膜沸騰を生じさせる熱エネルギを発生する素子を有
    することを特徴とする請求項5に記載の画像出力装置。
  7. 【請求項7】 前記素子は、前記プリントヘッドが前記
    プリント媒体に対し相対的に走査し、前記プリントヘッ
    ドに含まれる前記素子の少なくとも1つが、1回の走査
    中に、5×103 回以上の駆動信号の印加によって前記
    インクを吐出し、かつ、前記インクが何れも、染料を前
    記インク全重量中2重量%以上30重量%以下含有し、
    粘度が1.5cp以上4cp以下、表面張力が35dy
    n/cm以上65dyn/cm以下であることを特徴と
    する請求項6に記載の画像出力装置。
  8. 【請求項8】 前記インクの粘度が、2.0cp以上
    3.8cp以下であることを特徴とする請求項7に記載
    の画像出力装置。
  9. 【請求項9】 前記インクの表面張力が、35dyn/
    cm以上60dyn/cm以下であることを特徴とする
    請求項7に記載の画像出力装置。
  10. 【請求項10】 前記駆動信号がパルス形状であること
    を特徴とする請求項7に記載の画像出力装置。
  11. 【請求項11】 前記プリントヘッドが移動する過程で
    前記プリントヘッドに対向し、前記インクの吐出状態を
    良好に保つための回復処理に供される回復手段を具備
    し、前記切換え手段は前記回復手段に対する走査範囲を
    切換え可能であることを特徴とする請求項5ないし10
    のいずれかに記載の画像出力装置。
  12. 【請求項12】 プリント媒体として布を用いることを
    特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の画像
    出力装置。
  13. 【請求項13】 複数のプリントヘッドをプリント媒体
    に対し所定方向に走査することにより画像形成を行う画
    像出力方法において、 画像形成に際して用いられるプリントヘッドに応じて前
    記走査の範囲を切換える走査範囲切換え工程と、 プリントヘッド毎に、色を表現するための変換データを
    格納する工程と、 前記画像形成に際して用いられる色に応じて対応するプ
    リントヘッド用の前記変換データを切換える変換データ
    切換え工程とを具えたことを特徴とする画像出力方法。
  14. 【請求項14】 複数のプリントヘッドを搭載可能で、
    前記走査を行わせるためのキャリッジを具え、前記変換
    データ切換え工程および前記走査範囲切換え工程では、
    前記キャリッジに搭載されているプリントヘッドのプリ
    ント色、および個数もしくは前記キャリッジ上での配列
    範囲に応じて、それぞれ、前記変換データおよび前記走
    査範囲の切換えを行うことを特徴とする請求項13に記
    載の画像出力方法。
  15. 【請求項15】 複数のプリントヘッドを搭載可能なキ
    ャリッジを具備し、当該搭載された複数のプリントヘッ
    ドをプリント媒体に対し所定方向に走査することにより
    画像形成を行う画像出力方法において、 プリントヘッド毎に、色を表現するための変換データを
    格納する工程と、 前記画像形成に際して用いられる色に応じて対応するプ
    リントヘッド用の前記変換データを切換える変換データ
    切換え工程とを具え、前記変換データ切換え工程では、
    前記キャリッジに搭載されているプリントヘッドのプリ
    ント色に応じて、前記変換データの切換えを行うことを
    特徴とする画像出力方法。
  16. 【請求項16】 前記キャリッジに搭載されているプリ
    ントヘッドの個数もしくは前記キャリッジ上での配列範
    囲に応じて前記走査の範囲を切換える走査範囲切換え工
    程をさらに具えたことを特徴とする請求項15に記載の
    画像出力方法。
  17. 【請求項17】 前記プリントヘッドは、前記プリント
    剤としてインクを用い、該インクを吐出するインクジェ
    ットプリントヘッドであることを特徴とする請求項13
    ないし16のいずれかに記載の画像出力方法。
  18. 【請求項18】 前記インクジェットプリントヘッド
    は、インクを吐出するために利用されるエネルギとして
    インクに膜沸騰を生じさせる熱エネルギを発生する素子
    を有することを特徴とする請求項17に記載の画像出力
    方法。
  19. 【請求項19】 前記素子は、前記プリントヘッドが前
    記プリント媒体に対し相対的に走査し、前記プリントヘ
    ッドに含まれる前記素子の少なくとも1つが、1回の走
    査中に、5×103 回以上の駆動信号の印加によって前
    記インクを吐出し、かつ、前記インクが何れも、染料を
    前記インク全重量中2重量%以上30重量%以下含有
    し、粘度が1.5cp以上4cp以下、表面張力が35
    dyn/cm以上65dyn/cm以下であることを特
    徴とする請求項18に記載の画像出力方法。
  20. 【請求項20】 前記インクの粘度が、2.0cp以上
    3.8cp以下であることを特徴とする請求項19に記
    載の画像出力方法。
  21. 【請求項21】 前記インクの表面張力が、35dyn
    /cm以上60dyn/cm以下であることを特徴とす
    る請求項19に記載の画像出力方法。
  22. 【請求項22】 前記駆動信号がパルス形状であること
    を特徴とする請求項19に記載の画像出力方法。
  23. 【請求項23】 前記プリントヘッドが移動する過程で
    前記プリントヘッドに対向し、前記インクの吐出状態を
    良好に保つための回復処理に供される回復手段を具備
    し、前記切換え工程で前記回復手段に対する走査範囲を
    切換え可能であることを特徴とする請求項17ないし2
    2のいずれかに記載の画像出力方法。
  24. 【請求項24】 プリント媒体として布を用いることを
    特徴とする請求項13ないし23のいずれかに記載の画
    像出力方法。
  25. 【請求項25】 前記プリント媒体へインクを付与して
    プリントを行った後にインクを前記プリント媒体に定着
    させる工程をさらに具えたことを特徴とする請求項17
    ないし24のいずれかに記載の画像出力方法。
  26. 【請求項26】 前記インクを定着させる工程の後に、
    プリントを行ったプリント媒体を洗浄処理する工程をさ
    らに具えたことを特徴とする請求項25に記載の画像出
    力方法。
  27. 【請求項27】 前記プリントヘッドからのインクの吐
    出によるプリント前に前記プリント媒体に前処理剤を含
    有させる前処理工程をさらに具えたことを特徴とする請
    求項17ないし26のいずれかに記載の画像出力方法。
  28. 【請求項28】 請求項13ないし27のいずれかに記
    載の画像出力方法によりプリントされたプリント物。
  29. 【請求項29】 請求項28に記載のプリント物をさら
    に加工して得られたことを特徴とする加工品。
  30. 【請求項30】 前記加工品は、前記プリント物を所望
    の大きさに切り離し、切り離された片に対して最終的な
    加工品を得るための工程を施して得られたものであるこ
    とを特徴とする請求項29に記載の加工品。
  31. 【請求項31】 前記最終的な加工品を得るための工程
    は縫製であることを特徴とする請求項30に記載の加工
    品。
  32. 【請求項32】 前記加工品は衣類であることを特徴と
    する請求項29に記載の加工品。
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