JPH06217597A - ステップモータ制御装置 - Google Patents

ステップモータ制御装置

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JPH06217597A
JPH06217597A JP621593A JP621593A JPH06217597A JP H06217597 A JPH06217597 A JP H06217597A JP 621593 A JP621593 A JP 621593A JP 621593 A JP621593 A JP 621593A JP H06217597 A JPH06217597 A JP H06217597A
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JP
Japan
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step motor
occurrence
coupling
drive shaft
series data
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Application number
JP621593A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Tsutsumi
康裕 堤
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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  • Control Of Stepping Motors (AREA)
  • Steering-Linkage Mechanisms And Four-Wheel Steering (AREA)
  • Control Of Position Or Direction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はステップモータの脱調発生を迅速且
つ正確に予測できるよう構成したステップモータ制御装
置を提供することを目的とする。 【構成】 本発明は、ステップモータ(A1)の負荷を
検出する負荷検出手段(A2)と、ステップモータ(A
1)の駆動軸の作動速度を検出する駆動軸作動速度検出
手段(A3)と、負荷及び作動速度を所定時間間隔の時
系列データとして記憶する記憶手段(A4)と、記憶手
段(A4)に記憶された時系列データを予め学習された
結合度で結合させる結合度学習手段(A5)と、結合度
学習手段(A5)からの出力に基づいて、ステップモー
タ(A1)の脱調発生を予測する脱調発生予測手段(A
6)と、脱調発生予測手段(A6)により前記ステップ
モータ(A1)の脱調発生が予測されたとき、駆動軸の
作動速度を減速するように制御する減速制御手段(A
7)と、よりなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はステップモータ制御装置
に係り、特にステップモータの脱調発生を防止するよう
構成したステップモータ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ステップモータの駆動力により
アクチュエータを駆動させる制御が知られている。例え
ば特開昭60−193770号公報には4輪操舵装置に
おいて、前後輪の転舵比を可変制御するためのアクチュ
エータをステップモータで構成したものがある。
【0003】しかしながら、上記のように使用されるス
テップモータは、駆動負荷が高い場合に脱調(空回り状
態)が発生することがある。これに対し、脱調発生を検
出することが行われており、例えば特開昭63−170
171号公報には、上記特開昭60−193770号公
報に記載の如くの4輪操舵装置にステップモータが用い
られる技術において、実転舵比と目標転舵比とを比較す
ることでステップモータ脱調発生を検出する方法が開示
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなステップモータの脱調発生の検出は、飽くまで脱
調発生したことの検出であって脱調発生することを予測
するものではなく、従って、脱調発生を未然に防止し得
ないという問題があった。
【0005】そこで、本発明は上記課題を鑑み、脱調の
発生原因となるステップモータの負荷及びステップモー
タの駆動軸の作動速度に基づいてステップモータの脱調
の発生を予測できるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】図1は本発明になるステ
ップモータ制御装置の原理図である。
【0007】同図中、本発明は、ステップモータ(A
1)と、該ステップモータ(A1)の負荷を検出する負
荷検出手段(A2)と、前記ステップモータ(A1)の
駆動軸の作動速度を検出する駆動軸作動速度検出手段
(A3)と、前記負荷検出手段(A2)により検出され
た負荷及び駆動軸作動速度検出手段(A3)により検出
された作動速度を所定時間間隔の時系列データとして記
憶する記憶手段(A4)と、該記憶手段(A4)に記憶
された前記時系列データを予め学習された結合度で結合
させる結合度学習手段(A5)と、該結合度学習手段
(A5)により得られた結合値に基づいて、前記ステッ
プモータ(A1)の脱調発生を予測する脱調発生予測手
段(A6)と、該脱調発生予測手段(A6)により前記
ステップモータ(A1)の脱調発生が予測されたとき、
前記駆動軸の作動速度を減速するように制御する減速制
御手段(A7)と、よりなることを特徴とする。
【0008】
【作用】本発明によれば、記憶手段(A4)に、負荷検
出手段(A2)により検出されたステップモータ(A
1)の負荷の時系列データ及び駆動軸作動速度検出手段
(A3)により検出されたステップモータ(A1)の駆
動軸の作動速度の時系列データが記憶され、その記憶さ
れた各時系列データを結合度学習手段(A5)により結
合して得られた結合値に基づいて脱調発生予測手段(A
6)によってステップモータ(A1)の脱調発生が予測
される。ステップモータ(A1)の脱調発生が予測され
ると、減速制御手段(A7)によってステップモータ
(A1)の駆動軸の作動速度が減速される。
【0009】
【実施例】図2及び図3に本発明になるステップモータ
制御装置の一実施例が適用された4輪操舵装置を示す。
【0010】両図中、4輪操舵装置は、左右前輪FW
1,FW2を操舵する前輪操舵機構Aと、左右後輪RW
1,RW2を操舵する後輪操舵機構Bと、後輪操舵機構
Bを電気的に制御する制御回路Cとを備えてなる。
【0011】前輪操舵機構Aは操舵ハンドル11を有し
ており、この操舵ハンドル11は操舵軸12を介してピ
ニオンギヤ13に接続されている。このピニオンギヤ1
3はラックバー14と噛合し、操舵ハンドル11の回転
運動をラックバー14の往復運動に変換して伝達するも
のである。ラックバー14の両端には左右タイロッド1
5a,15b及び左右ナックルアーム16a,16bを
介して左右前輪FW1,FW2が操舵可能に連結されて
いる。
【0012】又、ラックバー14は操舵ハンドル11の
回動による軸方向の変位に応じて左右前輪FW1,FW
2を操舵する。操舵軸12の中間には四方弁からなる制
御バルブ17が組み付けられている。制御バルブ17
は、操舵軸12に作用する操舵トルクに応じて、エンジ
ン18により駆動される油圧ポンプ21からの作動油を
パワーシリンダ22の一方の油室へ供給するとともに、
パワーシリンダ22の他方の油室内の作動油をリザーバ
23へ排出するように機能する。
【0013】パワーシリンダ22は、作動油の吸排に応
じてラックバー14を軸方向に駆動することにより、左
右前輪FW1,FW2の操舵を助勢する。
【0014】後輪操舵機構Bは、ラックバー14と同様
に軸方向に変位して左右後輪RW1,RW2を操舵する
リレーロッド31を有する。リレーロッド31の両端に
は、前記前輪操舵機構Aの場合と同様に、左右タイロッ
ド32a,32b及び左右ナックルアーム33a,33
bを介して左右後輪RW1,RW2が操舵可能に連結さ
れている。
【0015】リレーロッド31は車体に支持されたハウ
ジング34により軸方向に変位可能に支持され、ハウジ
ング34内にはパワーシリンダ35が形成されている。
パワーシリンダ35は作動油の吸排に応じてリレーロッ
ド31を軸方向へ駆動するものであり、リレーロッド3
1に固定されたピストン35aにより左右油室35b,
35cに区画されている。これらの左右油室35b,3
5c内にはスプリング36a,36bがプレロードを付
与された状態でリレーロッド31を貫通させるようにし
て組み込まれており、スプリング36a,36bはそれ
らの弾発力によりリレーロッド31を中立位置に附勢し
ている。
【0016】又、ハウジング34内には、パワーシリン
ダ35とともに油圧倣い機構を構成するスプールバルブ
37が組み込まれている。このスプールバルブ37はハ
ウジング34内に軸方向に液密的且つ摺動可能に収容さ
れたバルブスリーブ37aと、ハウジング34に固定さ
れたバルブスリーブ37bと、からなり、バルブスリー
ブ37aの左方向への変位に応じて、エンジン18によ
り駆動される油圧ポンプ38からの作動油をパワーシリ
ンダ35の左油室35bへ供給するとともに、パワーシ
リンダ35の右油室35c内の作動油をリザーバ23へ
排出する。又、バルブスリーブ37aが右方向へ変位す
ると、スプールバルブ37は油圧ポンプ38からの作動
油をパワーシリンダ35の右油室35cへ供給するとと
もに、パワーシリンダ35の左油室35b内の作動油を
リザーバ23へ排出する。
【0017】バルブスリーブ37aの右端部には、貫通
孔37a1 が設けられており、貫通孔37a1 にはレバ
ー41が貫通されている。レバー41の中間部分には球
型の節状***部41aが設けられ、レバー41は節状隆
起部41aの外周面にて貫通孔37a1 の内周面に傾動
且つ摺動可能に係合している。又、レバー41の下端部
はピストン35aの外周上に設けた環状溝35a1 内に
回動可能且つ上下方向に摺動可能に嵌合され、レバー4
1の上端部はピン42に回動可能に接続されている。
【0018】ピン42の両端部は、ハウジング34に設
けた支持孔34a,34b内に進退可能且つ回転不能に
侵入している。又、ピン42の外周上にはラック歯42
aが形成され、ラック歯42aにはステップモータ43
の回転軸に固定されたウォーム44が噛合している。こ
の場合、ステップモータ43が右回転又は左回転すると
ピン42は右方向又は左方向に変位するようになってい
る。
【0019】制御回路Cは、後輪操舵機構Bを制御する
ためにハンドル操舵角センサ51、車速センサ52、ヨ
ーレートセンサ53及び後輪操舵角センサ54を備え、
且つステップモータ43の作動速度を検出する回転速度
検出センサ(駆動軸作動速度検出手段)61、後述する
ように上記ステップモータ43の脱調(空回り状態)を
予測する際のデータとなる負荷を得るため負荷検出手段
として機能する気温又は作動油の温度を計測する温度セ
ンサ62、ステップモータ43の軸力(駆動トルク)を
検出する力センサ63を備えている。
【0020】ハンドル操舵角センサ51は操舵軸12の
回転角を測定することによってハンドル操舵角θを検出
して、操舵角θを表す検出信号を出力する。車速センサ
52は変速機(図示せず)の出力軸の回転速度を測定す
ることにより車速Vを検出して、車速Vを表す検出信号
を出力する。
【0021】ヨーレートセンサ53は車体の垂直軸回り
の回転角速度即ち、ヨーレートωyを検出して、ヨーレ
ートωyを表す検出信号を出力する。後輪操舵角センサ
54はステップモータ43の回転軸の回転角を測定する
ことにより後輪操舵角θrを検出して、後輪操舵角θr
を表す検出信号を出力する。尚、ハンドル操舵角θ、ヨ
ーレートωy及び後輪操舵角θrはそれぞれ右回転方向
を正とし、左方向を負とする。
【0022】回転速度検出センサ61は、ステップモー
タ43のロータ又は軸の回転速度を検出し、その回転速
度に比例した信号を出力する。従って、回転速度検出セ
ンサ61からの出力信号より、ステップモータ43が脱
調発生限界値に対しどの位の回転速度で駆動されている
のか判定することができる。
【0023】温度センサ62は、上記油圧回路の作動油
の温度又は気温を計測し、その信号を出力する。これ
は、上記ハウジング34内にパワーシリンダ35ととも
に油圧倣い機構を構成するスプールバルブ37が組み込
まれており、温度によって作動油の粘度が変化して抵抗
が変化するからである。即ち、温度が下がると、作動油
の粘性抵抗が高くなり、ステップモータ43の負荷が増
大して脱調発生に繋がる。逆に、温度が上がると作動油
の粘性抵抗が低くなり、ステップモータ43にかかる負
荷が変動する。
【0024】力センサ63は、例えば圧電素子などから
なり、ステップモータ43の駆動軸にかかる軸力(駆動
トルク)を検出し、その検出信号を出力する。
【0025】これらの各センサ51〜54,61〜63
はマイクロコンピュータ55に接続されており、マイク
ロコンピュータ55はバス55aに夫々接続されたRO
M55b,CPU55c,RAM(記憶手段)55d及
びI/O55e(入出力インターフェース)からなる。
ROM55bは係数K1 ,K2 ,K3 をテーブルの形で
記憶している。係数K1 は図4に示すように、車速Vが
所定車速(約20km/h)以下のとき零であるとともに、
車速Vがそれ以上大きくなるにしたがって徐々に増加
し、所定車速(約120km/h)以上で一定(例えば
「0.07」)となるものである。
【0026】係数K2 は図5に示すように、操舵ハンド
ル11の操舵速度dθ/dtの絶対値|dθ/dt|が
所定値(約0.5度/秒)以下のとき一定比率(例えば
「1.0」に維持されるとともに、|dθ/dt|がそ
れ以上大きくなるにしたがって徐々に減少し、所定値
(約2.0度/秒)以上のとき前記より小さな一定比率
(例えば「0.5」)に維持されるものである。
【0027】係数K3 は図6に示すように、ヨーレート
ωyの絶対値|ωy|が所定値(約15度/秒)以下で
一定比率(例えば「1.0」に維持されるとともに、|
ωy|がそれ以上大きくなるにしたがって徐々に増加
し、所定値(約20度/秒)以上で前記より大きな一定
比率(例えば「1.5」)に維持されるものである。
【0028】CPU55cは、イグニッションスイッチ
(図示せず)の閉成から開成まで、前記プログラムを繰
り返し実行するもので、RAM55dは後述するプログ
ラムの実行に必要な変数データ及び各センサ51〜5
4,61〜63からの検出信号を記憶するものである。
【0029】I/O55eは外部回路との信号の授受を
行うもので、I/O55eには各センサ51〜54が接
続されるとともに、駆動回路56が接続されている。駆
動回路56は、マイクロコンピュータ55からの回転制
御信号に応じたステップ数だけステップモータ43を回
転させるとともに、その後、ステップモータ43を回転
後の位置に維持するように制御するものである。
【0030】本発明の要部を構成するステップモータ制
御装置は、大略、ステップモータ43と、ステップモー
タ43の負荷を検出するための温度センサ62、力セン
サ63と、ステップモータ43の駆動軸の作動速度を検
出する回転検出センサ61と、上記温度センサ62、力
センサ63により検出された負荷及び回転検出センサ6
1により検出された作動速度を所定時間間隔の時系列デ
ータとして記憶するRAM55dと、RAM55dに記
憶された時系列データを予め学習された結合度で結合さ
せ、その結合値に基づいて、前記ステップモータの脱調
発生を予測するニューラルネット演算処理部(結合度学
習手段,脱調発生予測手段)64と、ステップモータ4
3の脱調発生が予測されたとき、ステップモータ43の
駆動軸の作動速度を減速するように駆動回路56に指令
を出力する減速制御手段と、よりなる。尚、減速制御手
段としては、予めROM55bに記憶された制御プログ
ラムにより実行される。
【0031】次に上記構成とされた4輪操舵装置の動作
について説明する。
【0032】イグニッションスイッチ(図示せず)が閉
成されると、CPU55cが図3のプログラムの実行を
開始して、ステップS1〜S5(以下「ステップ」を省
略する)からなる循環処理を実行する。この循環処理に
おいては、S1にて上記センサ51〜54からハンドル
操舵角θ、車速V,ヨーレートωy及び後輪操舵角θr
を夫々表す検出信号が読み込まれ、S2にてハンドル操
舵角θを微分することにより操舵ハンドル11の操舵速
度dθ/dtが計算される。次に、S3にて車速V、操
舵速度dθ/dtの絶対値|dθ/dt|及びヨーレー
トωyの絶対値|ωy|に基づいてROM55b内のテ
ーブルが参照されて、車速V及び両絶対値|dθ/dt
|,|ωy|に対応した各係数K1 ,K2 ,K3 が導出
され、S4にて次式の演算の実行により目標後輪操舵角
θr*が計算される。
【0033】 θr*=K3 ・K2 ・K1 ・ωy … (1) この目標後輪操舵角θr*の算出後、S5にて目標後輪
操舵角θr*から現在の後輪操舵角θrを減算すること
により、左右後輪RW1,RW2の操舵されるべき操舵
量θr*−θrが計算され、この操舵量θr*−θrに
対応したステップモータ43に対する回転制御信号がI
/O55eを介して駆動回路56へ出力される。
【0034】駆動回路56は回転制御信号に応じた駆動
パルスをステップモータ43に供給し、ステップモータ
43は駆動パルス数に対応した量だけウォーム44を回
転させる。この場合、後輪操舵量θr*−θrに対応し
た回転制御信号が正であれば、ステップモータ43は左
回転し、ピン42は右方向に変位して、レバー41の上
端部をその下端部を支点として右方向に変位させる。
【0035】これにより、バルブスリーブ37aは右方
向に変位して、油圧ポンプ38からの作動油はパワーシ
リンダ35の右油室35cに供給されるとともに、パワ
ーシリンダ35の左油室35b内の作動油はリザーバ2
3に排出されるようになるので、リレーロッド31が左
方向へ変位して左右後輪RW1,RW2は右方向へ操舵
される。
【0036】一方、リレーロッド31の左方向への変位
により、レバー41の下端部がその上端部を支点として
左方向に変位し、バルブスリーブ37aは左方向へ変位
するようになる。そして、バルブスリーブ37aが基準
位置に復帰すると、作動油の吸排が停止し、リレーロッ
ド31の左方向への変位も停止するので、左右後輪RW
1,RW2は過去の状態から後輪操舵量θr*−θrに
対応した量だけ右方向へ操舵され、その操舵角θrは目
標後輪操舵角θr*に等しくなる。
【0037】又、後輪操舵量θr*−θrに対応した回
転制御信号が負であれば、ステップモータ43は右回転
し、ピン42は左方向に変位するので、前記の場合とは
逆に左右後輪RW1,RW2は過去の状態から後輪操舵
量θr*−θrに対応した量だけ左方向へ操舵され、こ
の場合も、その操舵角θrは目標後輪操舵角θr*に等
しくなる。
【0038】このように左右後輪RW1,RW2が目標
後輪操舵角θr*(=K3 ・K2 ・K1 ・ωy)に操舵
制御される結果、車体は右(又は左)回り即ち、正(又
は負)のヨーレートωyが発生すると、各係数K1 ,K
2 ,K3 は常に零又は正であるので、左右後輪RW1,
RW2は中立状態に保たれるか、ヨーレートωyを抑制
する方向に操舵され、その操舵角θrの大きさはヨーレ
ートωyの大きさに比例したものになる。このことは、
左右後輪RW1,RW2の操舵がヨーレートωyに応じ
てフィードバック制御されるとともに、フィードバック
ゲインが係数K 1 ,K2 ,K3 により決定されることを
意味する。
【0039】今、車両が中高速で走行中、操舵ハンドル
11がそれほど大きくない速度で操舵されて車体にそれ
ほど大きくないヨーレートωyが発生すると、この場
合、係数K2 ,K3 は共に「1.0」であるので、左右
後輪RW1,RW2の操舵は係数K1 のみにより決定さ
れるゲインでヨーレートωyに応じてフィードバック制
御される。
【0040】一方、このフィードバックゲインとしての
係数K1 は車速Vの増加にしたがって徐々に増加する正
の値であるので、ヨーレートωyの大きさに比例する後
輪操舵角θrは車速Vの増加にしたがって大きくなり、
車体に発生するヨーレートがより大きく抑制され、中高
速走行時、特に高速走行時における車両の走行安定性が
良好になる。
【0041】又、走行時において、ニューラルネット演
算処理部64は上記センサ61〜63から出力された検
出信号及び回路の抵抗値に基づいて上記ステップモータ
43の脱調発生を予測する。そして、ニューラルネット
演算処理部64によりステップモータ43の脱調発生が
予測されたときは、CPU55cから駆動回路56に減
速指令信号が出力される。
【0042】ここで、作動油の温度、ステップモータ4
3の軸力、ステップモータ43の作動速度、回路の抵抗
値のデータに基づいてステップモータ43の脱調発生の
予測を行うのは、これらの条件が脱調発生要因のなかで
も非常に影響度の大きい項目であるからである。
【0043】しかるに、上記ステップモータ43の脱調
発生は複数の条件が重なっておきるので、単純に一つの
センサ出力に基づいて脱調発生を予測しようとすると予
測精度が落ちる。そのため、本実施例では、脱調発生の
予測精度を高めるため、図7,図8に示すニューラルネ
ット演算処理部64の神経網(ニューラルネットワー
ク)65を利用する。
【0044】神経網65は、上記回転検出センサ61、
温度センサ62、力センサ63からの各検出信号がデー
タ処理部66を介して入力される。
【0045】先ず、図7を参照して各センサ61〜63
及び回路の抵抗値のデータの処理と神経網の構成につい
て説明する。
【0046】上記回転検出センサ61、温度センサ6
2、力センサ63からの検出信号は、データ取り込み部
SDi (i=1,2,…)において所定の時間間隔毎に
読み込まれ、時系列データ展開部TSDi (i=1,
2,…)において所定時間間隔の時系列データに展開さ
れる。この時系列データ展開部TSDi は、単位時間毎
にデータをシフトする構成により、データに単位時間デ
ィレイを付与して、時系列データを生成する。
【0047】神経網65は、階層系のものであり、図8
に示すように時系列に展開された各データの夫々に対応
して設けられた入力ユニットLmからなる入力層67
と、中間ユニットMnからなる中間層68と、認識すべ
きステップモータ43の脱調度合いの種別数に対応する
数だけ設けられた出力ユニットOpからなる出力層69
とから構成される。
【0048】各入力層67と中間層68との間の結合及
び中間層68と出力層69との間の結合は、バックプロ
バケーション等の手法により学習されている。このバッ
クプロバケーションによる学習とは、神経網65への入
力に対し、それに対応する出力ユニットOpの出力値が
値「1」で、それ以外の出力ユニットOpの出力値が値
「0」となるように結合量Wを学習させるものである。
【0049】この手法は公知のものなので、ここでは詳
細な説明は省略するが基本的には、各出力ユニットOp
の実際の出力と理想的な出力(教師データ)との誤差が
最小になるように各ユニット間の結合の強さ(重み付け
データ)Wを学習するものであり、最小2乗誤差法が用
いられる。
【0050】又、中間層68と出力層69については、
教師データに相当するものを決定することが事実上困難
なので、出力側の層の誤差値δに重み付けデータWを乗
算した累積値をその層の誤差値とし、これが最小になる
ように学習を行う。
【0051】こうした学習を繰り返し行って色々な入力
パターンに対して各層の結合の強さを学習しておけば、
学習した走行パターン以外のパターンが入力されても、
これに一番近い出力の連想(出力の計算)がなされる。
【0052】上記時系列データ展開部TSDi によって
展開された時系列データは、神経網65の入力層67の
各入力ユニットLmに入力される。この時系列データ
は、単位時間毎の最も古いデータが一つ消去され、最新
のデータが一つ付け加えられて更新される。
【0053】以上の処理を簡単にまとめると、このステ
ップモータ43の脱調発生予測を行うニューラルネット
演算処理部64において、先ず神経網65の各階層の結
合の強さをバックプロバケーションの手法により学習
し、学習後には、走行中の上記各センサ61〜63から
の検出信号の一定時間の時系列データを入力して、出力
の計算を行ってステップモータ43の脱調発生を認識す
るものである。本実施例では、学習された結合の強さを
重み付けデータWとして予めROM55bに記憶し、こ
れを用いた演算を行う。
【0054】次に、図9に示すフローチャートを参照し
てニューラルネット演算処理部64が実行する処理につ
き説明する。
【0055】先ず、ステップS11(以下「ステップ」
を省略する)でデータDi を取り込む。
【0056】次に、S12でデータDi のアナログ信号
をデジタル信号に変換し終えたかどうかをチェックし、
このA/D変換が終了すると,次のS13に進む。S1
3では、データDi の取り込みが完了した後、それまで
に入力したRAM55dの所定の領域に記憶した全入力
時系列的データTDmをシフトする。この結果、全入力
時系列的データTDmは単位時間だけディレイされるこ
とになり、各最新データをロードする処理を行うことに
より、全入力時系列的データTDmを更新する。
【0057】次のS14では、入力層の各ユニットLm
の出力値LDmを演算する。この演算処理は、各入力デ
ータDi の全入力時系列的データTDmに予め決定した
重み付けデータWmを乗算して次式(2)により累積値
NETmを求め、次式(3)により累積値NETmのシ
グモイド関数として出力値LDmを求める。 NETm=Wm・TDm … (2) LDm=1/(1+e-(NETm+Sm)) … (3) 尚、上式(3)のシグモイド関数は、累積値NETm=
0で関数値が0、累積値NETmが最大値になったとこ
ろで関数値が0.5となるように位相Smが決められて
いる。
【0058】又、上記Wは、各階層間の結合の強さを表
す重み付けデータ、Wmは入力データとこれに対応した
入力ユニットLm間の重み付けデータ、Wnmは入力ユ
ニットLmと中間ユニットMn間の重み付けデータ、W
pnは中間ユニットMnと出力ユニットOp間の重み付
けデータである。
【0059】これらの重み付けデータは、バックプロバ
ケーションの手法により学習され、決定されてROM5
5bに記憶される。
【0060】次のS15では、中間層15の各ユニット
Mnの出力値MDnを演算する。この出力値MDnの演
算は、上記入力ユニットLmの出力値LDmの演算と同
様に次式(4)(5)により行う。
【0061】
【数1】
【0062】次のS16では、出力層の各ユニットOp
の出力値ODpを算出する。この出力値ODpの演算
は、上記中間ユニットMnの出力値MDnの演算と同様
に次式(6)(7)により行う。
【0063】
【数2】
【0064】以上の演算処理終了後、S17で出力層の
各ユニットOpの出力値ODpを出力回路を介して出力
する。この出力値ODpは、神経網65による認識であ
り、学習時のパターン若しくはこれに類似するパターン
が入力されれば、対応する出力値ODpが近似的に
「1」に、他の出力値ODpが近似的に「0」になる。
【0065】従って、この出力値ODpがそのままステ
ップモータ43の脱調発生予測の認識結果になり、脱調
発生の度合いが大きいことに対応する出力値が大きいと
き、脱調発生と予測するため、上記神経網65により迅
速且つ正確に脱調発生を予測することができる。
【0066】尚、脱調発生認識が予測されると、CPU
55cより駆動回路56にステップモータ43を減速さ
せる制御信号が出力され、脱調発生が未然に防止され
る。
【0067】これにより、急激に左右後輪RW1,RW
2を操舵するようにステップモータ43を駆動させるよ
う制御されても左右後輪RW1,RW2は脱調発生の限
界を越えることなく操舵され、操安性が低下することが
防止される。
【0068】従って、本実施例では、上記神経網65に
よりステップモータ43の脱調発生を迅速且つ正確に予
測することができるので、脱調発生の直前までステップ
モータ43の性能を引き出すことができ、上記後輪操舵
機構Bを駆動させるのに必要な容量のステップモータに
小型化することができ、あるいはステップモータ43の
持つ性能を効率よく使用することができる。
【0069】尚、上記実施例では、上記神経網65によ
り脱調発生予測が認識されると、駆動回路56を制御し
てステップモータ43を減速させるように制御したが、
これに限らず、例えばステップモータ43のロータにブ
レーキを掛けるようにしても良い。
【0070】又、上記実施例では、4輪操舵装置の後輪
操舵機構Bを駆動するステップモータを一例として挙げ
たが、本発明はこれ以外のステップモータにも適用でき
るのは勿論である。
【0071】
【発明の効果】上述の如く、本発明になるステップモー
タ制御装置は、脱調発生予測手段が結合度学習手段によ
り得られた結合値に基づいてステップモータの脱調発生
を正確且つ迅速に予測して減速制御手段がステップモー
タの駆動軸の作動速度を減速させるため、ステップモー
タの脱調を未然に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理図である。
【図2】本発明のステップモータ制御装置の一実施例が
適用された4輪操舵装置を説明するための概略構成図で
ある。
【図3】図2のマイクロコンピュータが実行する処理の
フローチャートである。
【図4】係数K1 の変化特性グラフである。
【図5】係数K2 の変化特性グラフである。
【図6】係数K3 の変化特性グラフである。
【図7】ニューラルネットワークの階層構造を説明する
ための模式図である。
【図8】神経網の処理動作を説明するための模式図であ
る。
【図9】ニューラルネット演算処理部で実行される処理
を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
11 操舵ハンドル 21 油圧ポンプ 22 パワーシリンダ 23 リザーバ 31 リレーロッド 32a,32b 左右タイロッド 35 パワーシリンダ 37 スプールバルブ 38 油圧ポンプ 41 レバー 51 ハンドル操舵角センサ 52 車速センサ 53 ヨーレートセンサ 54 後輪操舵角センサ 61 回転速度検出センサ 62 温度センサ 63 力センサ 64 ニューラルネット演算処理部 65 神経網 67 入力層 68 中間層 69 出力層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステップモータと、 該ステップモータの負荷を検出する負荷検出手段と、 前記ステップモータの駆動軸の作動速度を検出する駆動
    軸作動速度検出手段と、 前記負荷検出手段により検出された負荷及び駆動軸作動
    速度検出手段により検出された作動速度を所定時間間隔
    の時系列データとして記憶する記憶手段と、 該記憶手段に記憶された前記時系列データを予め学習さ
    れた結合度で結合させる結合度学習手段と、 該結合度学習手段により得られた結合値に基づいて、前
    記ステップモータの脱調発生を予測する脱調発生予測手
    段と、 該脱調発生予測手段により前記ステップモータの脱調発
    生が予測されたとき、前記駆動軸の作動速度を減速する
    ように制御する減速制御手段と、 よりなることを特徴とするステップモータ制御装置。
JP621593A 1993-01-18 1993-01-18 ステップモータ制御装置 Pending JPH06217597A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007526735A (ja) * 2004-03-02 2007-09-13 ブローゼ・ファールツォイクタイレ・ゲーエムベーハー・ウント・コンパニ・コマンディットゲゼルシャフト・コーブルク 駆動デバイスによって駆動されるコンポーネントの調整動作を監視するための方法
WO2022049957A1 (ja) * 2020-09-03 2022-03-10 国立大学法人群馬大学 モータ制御装置

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