JPH06215400A - 光ディスク装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高周波重畳法を使用する光ディスク装置にお
いて、高周波電流による電磁波の輻射を一層減衰させ
る。 【構成】 レーザ光発生手段を支持すると共に、レーザ
をアース電位に接続するレーザ支持手段と、レーザ光発
生手段と高周波発生回路とを囲う導電性カバーとを設
け、導電性カバーを高周波発生回路のアース部とレーザ
支持手段とへ電気的に直接結合する。 【効果】 各ユニットの組み付け具合が多少異なって
も、レーザ光発生手段と高周波発生回路との隙間から電
磁波が漏れることがなく、また、高周波発生回路付近の
構成部品ごとの電位差もなくなるので、シールド効果が
著しく高められる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、高周波重畳法を使用
する光ディスク装置に係り、特に、高周波電流による電
磁波の輻射を一層減衰させた光ディスク装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】光ディスク装置では、回転する記録媒体
上にレーザ光を照射して情報の書き込み（記録）や読み
出し（再生）を行っている。この場合に、レーザ光は、
第１の光路として、ピックアップと呼ばれるレンズや偏
光板、鏡等の集合体を通過し、記録媒体上の記録点に集
光される。

【０００３】そして、記録点で反射された反射光のほと
んどは、先の第１の光路とは別の第２の光路を通って、
光検出器に進むが、一部の光は第１の光路を通ってレー
ザに戻る。このような光路で再びレーザに戻った光は、
戻り光と呼ばれるが、この戻り光は、光源であるレーザ
ダイオードの動作に影響を与え、安定した出力が得られ
なくなる、という問題を生じる。

【０００４】この戻り光による悪影響を除くために、レ
ーザの駆動電流に高周波を重畳して高速度でレーザをオ
ン・オフする駆動方法、いわゆる高周波重畳法が従来か
ら知られている。しかし、この高周波重畳法では、高い
周波数で発振する強力な発振源を使用するので、非常に
強い電磁波が輻射される、という新たな不都合を生じ
る。

【０００５】図４は、従来の高周波重畳法による光ディ
スク装置について、そのレーザ光発生手段周辺の要部構
成の一例を示す機能ブロック図である。図において、１
はフォトダイオード、２は集光レンズ、３はビームスプ
リッタ、４は対物レンズ、５はカップリングレンズ、６
はレーザ光発生手段で、６ａはレーザ、７はレーザ制御
手段で、７ａは電流計、７ｂはフィルタ、８は高周波発
生回路、８ａは高周波発生部、８ｂは高周波増幅部、９
は高周波制御手段、１０と１１はケーブル、１２は記録
媒体を示し、Ｌ１は第１の光路、Ｌ２は第２の光路、Ｉ
はレーザ駆動電流を示す。

【０００６】情報の書き込みもしくは読み出し時に、レ
ーザ６ａを発光させるときは、レーザ光発生手段６内を
流れるレーザ駆動電流Ｉを、レーザ制御手段７によって
制御する。レーザ６ａから発生されたレーザ光は、ま
ず、第１の光路Ｌ１を進み、カップリングレンズ５によ
って平行光にされ、ビームスプリッタ３を通り、対物レ
ンズ４で集光されて、記録媒体１２上に照射される。

【０００７】記録媒体１２からの反射光は、そのほとん
どが第２の光路Ｌ２に沿って、対物レンズ４を通り、ビ
ームスプリッタ３において、先の第１の光路Ｌ１とは別
の方向へ通過し、集光レンズ２で集光されてフォトダイ
オード１へ達して、その光量が検出される。しかし、す
でに述べたように、反射光の一部は第１の光路Ｌ１を戻
り、再びレーザ６ａに戻ってしまう。

【０００８】この戻り光がレーザ６ａの発光動作に悪影
響を与え、安定したレーザ光が得られない、という問題
を生じる。この図４では、戻り光の悪影響を除くため
に、高周波発生回路８で発生させた高周波成分を、レー
ザ駆動電流Ｉを重畳し、レーザ６ａを高速度でオン／オ
フするようにしている。

【０００９】そのために、高周波を重畳するか否かを、
高周波制御手段９によって決定するようにしている。こ
の場合に、従来の光ディスク装置では、高周波重畳法に
よって輻射される電磁波減衰対策として、高周波重畳部
を単体で行う程度の簡単な方法が採用されている（例え
ば、特開平３−２２７５８５号公報）。

【００１０】要約すれば、高周波発生回路８を、導電性
支持体と導電性カバーとで挟み込んで、接地パターンへ
電気的に結合する方法が用いられている。ここで、従来
の電磁波減衰対策の一例を説明する。

【００１１】図５は、従来の高周波重畳法を採用した光
ディスク装置について、そのレーザ光発生手段周辺の機
械的な構造の一例を分解した状態で示す略側面図であ
る。図において、２１はレーザダイオード、２２はレー
ザダイオードフィクサ、２３は高周波発生回路、２４は
導電性カバー、２５は導電性支持体、２６はレーザ支持
手段を示し、矢印Ａ〜Ｅは移動方向を示す。

【００１２】従来は、この図５に示すように、レーザダ
イオード２１を、レーザダイオードフィクサ２２によっ
て、レーザ支持手段２６に押えつけるように固定する
（矢印Ｄ，Ｅの方向）。その後、レーザダイオードフィ
クサ２２の上に、導電性支持体２５（矢印Ａの方向）と
導電性カバー２４（矢印Ｂの方向）とで、高周波発生回
路２３を挟み込んだものを組み付ける（矢印Ｃの方向）
構成である。

【００１３】そのため、各ユニットの間に隙間が生じる
可能性があり、高周波の電磁波が漏れる恐れがある。ま
た、高周波発生回路２３を囲う導電性カバー２４と、レ
ーザダイオード２１のアース部として作用するレーザ支
持手段２６とは、電気的には相互に導通しているが、幾
つものユニットが単に機械的に接触しているだけである
から、各ユニット間には電位差が生じやすい、という不
都合もあった。

【００１４】

【発明が解決しようとする課題】この発明では、従来の
光ディスク装置におけるこのような不都合を解決し、高
周波重畳法によって輻射される電磁波を一層減衰させた
光ディスク装置を提供する。具体的にいえば、現行のＶ
ｃｃｉ規格等の不要電磁波輻射に関する規則では、輻射
された電磁波の及ぼす影響が大きく不充分なため、今後
は、さらに高い周波数帯域への取締り規準も強化される
ことが想定されるので、この発明では、このような傾向
に対応できる光ディスク装置を実現することを目的とす
る。

【００１５】

【課題を解決するための手段】この発明では、第１に、
記録媒体にレーザ光を照射して情報の記録／再生を行う
装置であり、上記レーザ光を発生するレーザ光発生手段
と、該レーザ光発生手段を制御するレーザ制御手段と、
高周波発生回路、とを有する光ディスク装置において、
前記レーザ光発生手段を支持すると共に、レーザをアー
ス電位に接続するレーザ支持手段と、前記レーザ光発生
手段と前記高周波発生回路とを囲う導電性カバー、とを
備え、該導電性カバーを前記高周波発生回路のアース部
と前記レーザ支持手段とに電気的に直接結合した構成で
ある。

【００１６】第２に、上記第１の光ディスク装置におい
て、導電性カバーは、角部をなくして丸みを帯びた形状
とされている構成である。

【００１７】第３に、記録媒体にレーザ光を照射して情
報の記録／再生を行う装置であり、上記レーザ光を発生
するレーザ光発生手段と、該レーザ光発生手段を制御す
るレーザ制御手段と、高周波発生回路と、該高周波発生
回路を制御する高周波制御手段、とを有する光ディスク
装置において、前記高周波発生回路と、前記高周波制御
手段または前記レーザ制御手段とのいずれか一方もしく
は両方を電気的に結合するケーブルと、アース電位部と
電気的に結合して前記高周波発生回路を囲う導電性カバ
ー、とを備え、該導電性カバーと電気的に結合している
部材によって前記ケーブルをシールドした構成である。

【００１８】

【作用】この発明の光ディスク装置では、導電性カバー
によって、レーザ光発生手段と高周波発生回路とを囲
い、レーザダイオードのアース部材も兼用するレーザ支
持手段とこの導電性カバーとを電気的に直接結合するこ
とにより、各ユニットの組み付け具合が多少異なって
も、レーザ光発生手段と高周波発生回路との隙間から電
磁波が漏れないようにすると共に、高周波発生回路付近
の構成部品ごとの電位差をなくして、シールド効果を高
めるようにしている（請求項１の発明）。

【００１９】この場合に、導電性カバーを、角部のない
丸みを帯びた形状とすることによって、導電性カバーの
角部からの電磁波の放出を防止する（請求項２の発
明）。さらに、アース電位と電気的に結合して高周波発
生回路を囲っている導電性カバーと電気的に結合してい
る部材によって、高周波発生回路から引き出されている
ケーブルをシールドすることにより、ケーブルからの電
磁波の放出を防止するようにしている（請求項３の発
明）。

【００２０】

【実施例１】次に、この発明の光ディスク装置につい
て、図面を参照しながら、その実施例を詳細に説明す
る。この実施例は、主として、請求項１の発明に対応す
るが、請求項２の発明にも関連している。

【００２１】図１は、この発明の光ディスク装置につい
て、そのレーザ光発生手段周辺の機械的な構造の一実施
例を示す略側面図である。図における符号は図５と同様
であり、また、２７はネジを示す。

【００２２】この図１を、従来例として示した先の図５
と比較すれば明らかなように、この図１では、導電性カ
バー２４がアース部材をも兼用しているので、その寸法
が大であり、高周波発生回路２３とレーザダイオード２
１とレーザダイオードフィクサ２２とを囲っている。ま
た、高周波発生回路２３が、直接レーザダイオードフィ
クサ２２に取り付けられる構成である。

【００２３】組み付け時には、レーザダイオード２１
を、レーザダイオードフィクサ２２によって、レーザ支
持手段２６に押えつけるようにして固定する（矢印Ｄ，
Ｅの方向）。次に、その上から高周波発生回路２３を組
み付け（矢印Ｃの方向）、導電性カバー２４によって、
高周波発生回路２３とレーザ発生手段、すなわち、レー
ザダイオード２１とレーザダイオードフィクサ２２とを
囲うようにし、レーザダイオード２１をアース電位へ接
続する接続部材をも兼用しているレーザ支持手段２６
と、ネジ２７によって電気的に接続する。

【００２４】このように構成することによって、ユニッ
トの隙間から電磁波が漏れることがなく、また、レーザ
支持手段２６と導電性カバー２４との間に電位差が生じ
ることもない。したがって、従来の方法に比べて、シー
ルド効果を著しく高くすることができる。

【００２５】

【実施例２】次に、この発明の光ディスク装置につい
て、第２の実施例を説明する。ところで、導電性カバー
２４は、高周波発生源である高周波発生回路２３に最も
近いシールド部材であり、高周波発生回路２３のアース
電位にも電気的に結合されているので、高周波電流が流
れ込んでいる。

【００２６】そのため、導電性カバー２４のような導電
体に角部があると、電荷が溜りやすくなり、この角部が
アンテナとして作用し、電磁波が輻射される、という可
能性を生じる。この関係を図面で説明する。

【００２７】図２は、導電性カバーの形状の違いによる
電磁波の輻射状態を説明する略側断面図で、(1) は角部
を有する場合、(2) は角部がない場合を示す。図におい
て、３１は導電性カバーで、３２と３３はその角部、３
４は輻射される電磁波、３５は高周波電流を示す。

【００２８】図２(1) に示すように、導電性カバー３１
が、角部３２と３３を有する場合には、それぞれの角部
３２，３３から、電磁波３４が輻射される。他方、図２
(2) に示すように、導電性カバー３１が、丸みを帯びた
形状のときは、その主要部からの電磁波３４の輻射はな
い。

【００２９】このように、第２の実施例によれば、導電
性カバー３１から電磁波３４が輻射することはなく、高
周波電流３５をアースへ流すことができる。したがっ
て、導電性カバー３１の角部３２，３３からの電磁波３
４の放射が防止される。

【００３０】

【実施例３】次に、この発明の光ディスク装置につい
て、第３の実施例を説明する。この実施例は、請求項３
の発明に対応する。先の図４の光ディスク装置で、高周
波発生回路８と、高周波制御手段９またはレーザ制御手
段７のいずれか一方または両方と接続されるケーブル１
０，１１には、高周波発生回路８の近傍に配線される部
分が生じるため、高周波電流が少なからず重畳されてい
る。

【００３１】したがって、これらのケーブル１０，１１
がアンテナとして機能することにより、電磁波を輻射す
る可能性がある。そこで、この第３の実施例では、これ
らのケーブル１０，１１をシールドすることによって、
電磁波が輻射しないようにしている。

【００３２】図３は、この発明の光ディスク装置につい
て、第３の実施例の要部構成を示す斜視図である。図に
おいて、１０はケーブル、２４は導電性カバー、２８は
ケーブルシールド手段を示す。

【００３３】この図３に示すように、ケーブルシールド
手段２８を、導電性カバー２４から引き出して、ケーブ
ル１０をシールドすれば、高いシールド効果を得ること
ができる。したがって、図３の高周波発生回路８に接続
されているケーブル１０（１１）が、より完全にシール
ドされ、電磁波の放射が防止される。

【００３４】

【発明の効果】請求項１の光ディスク装置では、導電性
カバーが、レーザ光発生手段と高周波発生回路とを囲う
と共に、レーザダイオードの接地部材でもあるレーザ支
持手段と電気的に直接結合している。したがって、各ユ
ニットの組み付け具合が多少異なっても、レーザ光発生
手段と高周波発生回路との隙間から電磁波が漏れること
がなく、また、高周波発生回路付近の構成部品ごとの電
位差もなくなるので、シールド効果が著しく高められ
る。

【００３５】請求項２の光ディスク装置では、導電性カ
バーの形状が、角部をなくして丸みを帯びた形状とされ
ている。したがって、導電性カバーの角部からの電磁波
の放射が防止される。

【００３６】請求項３の光ディスク装置では、アース電
位部と電気的に結合して高周波発生回路を囲っている導
電性カバーと電気的に結合している部材によって、高周
波発生回路から引き出されたケーブルをシールドしてい
る。したがって、ケーブルが、より完全にシールドさ
れ、電磁波の放射が防止される。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の光ディスク装置について、そのレー
ザ光発生手段周辺の機械的な構造の一実施例を示す略側
面図である。

【図２】導電性カバーの形状の違いによる電磁波の輻射
状態を説明する略側断面図である。

【図３】この発明の光ディスク装置について、第３の実
施例の要部構成を示す斜視図である。

【図４】従来の高周波重畳法による光ディスク装置につ
いて、そのレーザ光発生手段周辺の要部構成の一例を示
す機能ブロック図である。

【図５】従来の高周波重畳法を採用した光ディスク装置
について、そのレーザ光発生手段周辺の機械的な構造の
一例を分解した状態で示す略側面図である。

【符号の説明】

２１ レーザダイオード ２２ レーザダイオードフィクサ ２３ 高周波発生回路 ２４ 導電性カバー ２６ レーザ支持手段 ２７ ネジ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 記録媒体にレーザ光を照射して情報の記
   録／再生を行う装置であり、 上記レーザ光を発生するレーザ光発生手段と、 該レーザ光発生手段を制御するレーザ制御手段と、 高周波発生回路、とを有する光ディスク装置において、 前記レーザ光発生手段を支持すると共に、レーザをアー
   ス電位に接続するレーザ支持手段と、 前記レーザ光発生手段と前記高周波発生回路とを囲う導
   電性カバー、とを備え、 該導電性カバーを前記高周波発生回路のアース部と前記
   レーザ支持手段とに電気的に直接結合したことを特徴と
   する光ディスク装置。
2. 【請求項２】 請求項１の光ディスク装置において、 導電性カバーは、角部をなくして丸みを帯びた形状とさ
   れていること特徴とする光ディスク装置。
3. 【請求項３】 記録媒体にレーザ光を照射して情報の記
   録／再生を行う装置であり、 上記レーザ光を発生するレーザ光発生手段と、 該レーザ光発生手段を制御するレーザ制御手段と、 高周波発生回路と、 該高周波発生回路を制御する高周波制御手段、とを有す
   る光ディスク装置において、 前記高周波発生回路と、前記高周波制御手段または前記
   レーザ制御手段とのいずれか一方もしくは両方を電気的
   に結合するケーブルと、 アース電位部と電気的に結合して前記高周波発生回路を
   囲う導電性カバー、とを備え、 該導電性カバーと電気的に結合している部材によって前
   記ケーブルをシールドしたことを特徴とする光ディスク
   装置。