JPH0621464Y2

JPH0621464Y2 - 吸収性物品

Info

Publication number: JPH0621464Y2
Application number: JP1989148985U
Authority: JP
Inventors: 隆俊小林
Original assignee: Kao Corp
Current assignee: Kao Corp
Priority date: 1989-12-25
Filing date: 1989-12-25
Publication date: 1994-06-08
Anticipated expiration: 2004-06-08
Also published as: JPH0388511U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は、吸収性物品に関し、詳しくは、いかなる生理
の場合でも、着用する下着のいかんにかかわらず、横漏
れ、後ろ漏れを充分に抑制することができる生理用ナプ
キンに関するものである。

〔従来の技術〕

従来から、一般に使用されている吸収性物品（生理ナプ
キン）は、液透過性の表面材と、液不透過性の防水材
と、これら両者間に介在する吸収体を有して構成され、
実質的に縦長に形成されたものである。該生理用ナプキ
ンとしては、吸収性能が良いこと、いかなる状態におい
ても漏れないこと、吸収された経血が戻らず、使用時の
違和感がなく快適なことなどが強く要求されるようにな
ってきた。

そのため、従来の生理用ナプキンとしては、その吸収体
としての液吸収機能及び液保持機能を高めた高吸収性ポ
リマーを用いたもの、あるいは該吸収体の形状を使用者
の体形に近似させて使用感の向上を図り、直接漏れにつ
ながるヨレを効果的に防止するようにしたものなどが提
案されている。具体的には、例えば、パルプ吸収体内に
曲げ抵抗力のある弾性材料を配置させたもの（実開昭５
９−１９０２３５号公報、実開昭６０−５８１３１号公
報等）、あるいは、非吸収体面側に弾性回復性のある発
泡シートを設けるなどして、吸収速度に優れたパルプに
弾性回復性を付与して保型し、使用時における防漏性を
高めるようにしたものが提案されている（実開昭５５−
８９４２３号公報、実開昭５９−１９０２３３号公報
等）。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、上記各公報に記載の生理用ナプキンは、
確かに、使用者が身体に密着した下着を着用する場合
は、身体の動きにより吸収体の幅方向の変形を最小限に
抑えることができ、その結果、吸収体の幅を常に一定に
維持してヨレを効果的に防止することができ、横漏れを
抑制することができるが、その反面、活動による身体の
複雑な形態の変化に追随し得ず、使用時に股間部との間
に隙間を発生することが多く、特に、前後漏れを確実に
防止することができず、また、保型用の弾性体の抵抗力
が身体に加わり使用者に不快感を与えることもあった。

さらに、使用者が身体にルーズな下着を着用した場合
は、変形の方向がランダムなため、生理用ナプキンと身
体の間にすき間が発生しやすく、生理用ナプキンに弾性
回復性があることにより、逆にそのすき間が維持され、
却って漏れを促進してしまうなどの課題があった。

従って、本考案の目的は、いかなる下着を着用する場合
でも、確実に液漏れを防止でき、しかも使用感にすぐれ
た吸収性物品を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、液透過性の表面材、液不透過性の防水材及び
これら両者の間に介在する吸収体を有し、実質的に縦長
に形成された吸収性物品において、上記吸収体の長手方
向両側に凹曲部を設けると共に、基端部が上記吸収体の
表面より下方に位置し且つ先端部が上記吸収体表面より
上方に位置する傾斜フラップを連設してなり、該傾斜フ
ラップは、疎水性の弾性材によって形成されており、上
記吸収体の長手方向の形状に沿って湾曲した形状を有し
且つ上記凹曲部における上記先端部が長手方向両端部に
おける上記先端部より上方に位置していることを特徴と
する吸収性物品を提供することにより、上記目的を達成
してものである。

〔作用〕

本考案の吸収性物品によれば、吸収体がその凹曲部で使
用者の狭い股間部に適合し、該凹曲部の傾斜フラップが
使用者の股間部の形態変化に追随して速やかに応力を吸
収して股間部に密着するため、いかなる下着を着用した
場合でも確実に液漏れが防止される。

〔実施例〕

以下、図面を参照しながら、本発明の実施例を詳細に説
明する。

第１図(a)、(b)、(c)は本考案の吸収性物品の第１の実
施例である生理用ナプキンを示す図で、同図(a)はその
外観斜視図、同図(b)はその平面図、同図(c)は同図(a)
のＡ−Ａ′線方向の断面図である。また、第２図は本考
案の吸収性物品の第２の実施例である生理用ナプキンを
示す横方向の左半分断面図、第３図は本考案の吸収性物
品の第３の実施例である生理用ナプキンを示す第２図相
当図、第４図は本考案の吸収性物品の第４の実施例であ
る生理用ナプキンを示す第１図(b)に相当する平面図で
ある。

本考案による第１の実施例の生理用ナプキン１は、第１
図(a)、(b)、(c)に示す如く、不織布あるいは開口部を
有するポリエチレン等のフィルムからなる液透過性の表
面材２と、ポリエチレンなど極薄の合成樹脂フィルムあ
るいは該フィルムを紙にラミネートしたシート状物から
なる液不透過性の防水材３と、これら両者２、３の間に
介在する解織パルプあるいは高吸収性ポリマー等からな
る吸収体４とを有し、実質的に縦長に形成されている。

而して、該吸収体４は、その中央部より稍々前方に偏倚
した領域の長手方向の両側それぞれに股間部の形状に則
して設けられた一対の凹曲部４Ａ、４Ａを有しており、
該凹曲部４Ａ、４Ａが、股間に適合し、良好に装着し得
るように形成されている。また、上記吸収体４は、一方
の表面（図中下部表面）から他方の表面の周縁部に亘っ
て上記防水材３によって被覆され、該防水材３によって
周縁部が被覆された上記他方の表面（図中上部表面）全
体には上記表面材２が被覆され、該表面材２を有する面
が経血の吸収面を形成している。また、上記表面材２に
は、上記吸収体４の上記吸収面両側の表面から幅方向外
方に所定幅をもってい突出した一対の突出部２Ａ、２Ａ
が吸収体４の両側面に沿って形成されており、この突出
部２Ａ、２Ａは後述する傾斜フラップ５Ａ、５Ａに接合
され、該傾斜フラップ５Ａ、５Ａと共に液漏れを防止す
る防漏壁の役割を果たすようになされている。

また、上記防水材３の外表面、即ち、上記吸収体４の吸
収面と反対側の外表面には、上記吸収体４の長手方向の
形状に沿って湾曲した形状を有する弾性体シート５が配
され、該吸収体４の前記凹曲部４Ａ、４Ａの領域におい
ては、弾性体からなる上記弾性シート５がその長手方向
の両側縁が幅方向の外方へ突出しており、特に、その幅
方向に突出した両側縁が、第１図(c)に示す如く、折り
返されてその両側縁で一対の傾斜フラップ５Ａ、５Ａを
形成している。即ち、該弾性シート５は、吸収体４の長
手方向の形状に沿って幅方向に突出した長手方向に延び
る両側縁がその突出端から上記吸収体４に被覆された防
水材３の側面下部６に到達するように折り返されて折り
返し部５Ｂを形成し、更に、その側面下部６から再び上
記表面材２の上方向に向けて折り返されて傾斜し、その
先端部が上記吸収体４の表面よりも上方に位置するよう
に形成されている。そして、上記側面下部６から先端部
に亘って形成される弾性シート５の両側縁で前記傾斜フ
ラップ５Ａが形成されている。該弾性シート５は、その
折り返し部５Ｂの重合部が完全に接合され、更に、上記
吸収体４の側面における側面下部６において防水材３に
接着されて上記傾斜フラップ５Ａの基端部が該側面下部
６に固定されている。また、該傾斜フラップ５Ａが、前
述したように表面材２の上記突出部２Ａに接合されて、
上記吸収体４の長手方向の両側面に沿ってポケット部が
形成されている。

上述した傾斜フラップ５Ａは幅方向の外方に突出する程
度を変えながら、吸収体４の長手方向の形状に沿って略
全長に亘って形成されている。また、上記傾斜フラップ
５Ａは、凹曲部４Ａ、４Ａの領域において、その先端部
の高さが長手方向両端部より上方に位置されている。

また、上記弾性シート５は、上述の如く、弾性及び疎水
性を有する材料によって形成されており、このような材
料としては、例えば、ポリオレフィン類、ポリウレタン
類等の発砲体や不織布などが挙げられ、身体に接する柔
らかさを確保する点、安全性等の点を考慮するとポリオ
レフィン類の発泡体及び不織布が好ましく用いられる。

また、該発砲性シートの発砲形態としては、独立気泡、
連続連通孔のいずれであっても良いが、独立気泡がより
好ましい。

また、該弾性シート５の弾性は、弾性回復性に優れたも
のが好ましく、具体的には、その降伏応力が１５〜１０
０ｇ／cm²の範囲にあることが好ましく、２０〜８０ｇ
／cm²の範囲がより好ましい。

また、該弾性シート５の厚さは、0.３〜５mmの範囲にあ
ることが好ましく、0.５〜３mmの範囲がより好ましい。

また、凹曲部４Ａ、４Ａの領域における上記傾斜フラッ
プ５Ａの幅Ｗ_１は、３mm以上が好ましく、３〜２０mmの
範囲にあることがより好ましく、５〜１５mmの範囲にあ
ることが特に好ましい。また、表面材２の突出部２Ａの
幅も上記傾斜フラップ５Ａと略同じ位であることが好ま
しい。さらに吸収体４の凹曲部４Ａ、４Ａの最狭部分に
おける傾斜フラップの幅Ｗ_１と凹曲部４Ａ、４Ａの領域
を外れた長手方向の側端部近傍におけるその幅Ｗ′_１と
の間には、Ｗ′_１≦Ｗ_１の関係があると、より装着状態
において快適であるので好ましい。そして、Ｗ′_１とし
ては１２mm以下であることが好ましく、８mm以下である
ことが更に好ましい。

また、生理用ナプキン１を水平にした場合における上記
傾斜フラップ５Ａの先端部の高さは、上記吸収体４の表
面より１mm以上の高さにあることが好ましく、２〜５mm
の範囲にあることがより好ましい。

また、本考案においては、吸収体４の凹曲部４Ａ、４Ａ
の両側部に位置する傾斜フラップ５Ａの先端部の高さ
が、長手方向の両端部の傾斜フラップ５Ａの先端部の高
さ以上である。使用者が生理用ナプキンを着用した場
合、股間部分で密着性が一般的に劣るが、吸収体４の凹
曲部４Ａ、４Ａの両側部に位置する傾斜フラップ５Ａの
先端部の高さと、両端部の上記先端部との高さの差は３
〜５mmにすることが、防漏性が高まり、また装着時の違
和感がないので好ましい。

上記吸収体４の凹曲部４Ａ、４Ａは、その使用時に、そ
の最狭部分が股間部の最狭部分と合致するように形成さ
れている。従って、該凹曲部４Ａ、４Ａの形成される位
置は、上記吸収体４の長さによっても異なるが、その位
置としては、通常の市販生理用ナプキンにおいては、第
１図(b)に示す生理用ナプキン１の前端から凹曲部４
Ａ、４Ａの中心までの距離（Ｌ_１）は、６０〜１００mm
が好ましく、７０〜９０mmがより好ましい。

また、上記吸収体４の凹曲部４Ａ、４Ａの間の幅Ｗ
_２は、２５〜６５mmが好ましく、さらに３０〜５０mmが
より好ましい。

生理用ナプキン１の幅は、生理時に着用される下着のク
ロッチ幅が主として８０〜６５mmであることより、上記
傾斜フラップ５Ａを常に防漏壁として機能させるために
は該クロッチ幅以下であることが必要であるが、幅を小
さくし過ぎるとその吸収体４の吸収容量が不足してしま
う。そのため、生理用ナプキン１の幅Ｗ_３としては、８
０〜６０mmであることが好ましく、７５〜６５mmである
ことが更に好ましい。

また、上記生理用ナプキン１では、下着に固定する粘着
テープを設ける位置も重要である。特に、上記傾斜フラ
ップ５Ａを有効に作用させるためには、吸収体４の凹曲
部４Ａ、４Ａの幅（Ｗ_２）の範囲領域に粘着テープが存
在することが好ましい。その場合に用いる粘着テープの
形としては、Ｗ_２の幅で上記領域の全面に設けても、あ
るいは、凹曲部４Ａ、４Ａに対応する位置のみに粘着テ
ープを設け、中央部には存在しない二本ライン形状であ
ってもよい。

本実施例の生理用ナプキン１は、上述の如く構成されて
いるため、使用時には、第５図に示す如く、上記吸収体
４の凹曲部４Ａ、４Ａが身体８に密着性しており、更
に、身体８に接触する傾斜フラップ５Ａが身体の形態に
追随し、しかも、いかなる下着を着用した場合でも動作
時の身体８の形態変化にも柔軟に追随するため、使用者
には違和感がない。尚、図中７は生理用ショーツであ
る。

また、傾斜フラップ５Ａと吸収体４間に形成されるポケ
ット部内に吸収体４から拡散する経血を傾斜フラップ５
Ａによって確実に封塞することができる。

更に、傾斜フラップ５Ａが、吸収体４の長手方向の形状
に沿って湾曲し、且つ吸収体４の凹曲部４Ａ、４Ａにお
いて長手方向両端部より高く形成されているため、上記
生理用ナプキンは、身体との密着性が更に向上して防漏
性が高くなると同時に、装着時に違和感を与えない。

上記生理用ナプキンの効果について更に詳しく説明する
と、生理用ナプキン１を着用した場合、第５図に示す如
く吸収体４が身体８に密着する形態を有しているため
に、該ナプキン１の両端部の傾斜フラップ５Ａが常に身
体側に向きいて防漏壁として機能する。この傾斜フラッ
プ５Ａは弾性回復性があるため、いかなる下着、例えば
ルーズな下着を着用しても傾斜フラップ５Ａは身体と密
着することができ、上記防漏壁としての機能を確実に発
揮する。

また、本考案の第２の実施例の生理用ナプキン１は、第
２図に示す如く、防水材３が吸収体４の裏面及び側面を
被覆し、表面材２が吸収体４の表面、防水材３で被覆さ
れた側面及び吸収体４の裏面の周縁部を包み込むように
被覆して構成されている点が第１の実施例の場合と相違
しているが、弾性シート５は、長手方向の側部等が第１
の実施例に準じて形成され、また、該弾性シート５の傾
斜フラップ５Ａの基端部は、吸収体４の長手方向の側面
を被覆する表面材２に接着されて吸収体４の側面下部６
に固定されている。上記構成以外は実質的に前記第１の
実施例と同一である。従って、本実施例の生理用ナプキ
ン１によれば、第１の実施例の生理用ナプキンと同様の
作用、効果を期することができる。

また、本考案の第３の実施例の生理用ナプキン１は、第
３図に示す如く、その吸収体４の凹曲部４Ａ、４Ａに断
面略Ｖ字状に細長く折曲形成された弾性シート５が、そ
の一方の面を上記吸収体４の平面に揃えて設けられてお
り、その他方の面で傾斜フラップ５Ａを形成しており、
その折曲部で上記吸収体４の側面下部６に接着固定され
ている。

また、上記凹曲部４Ａ、４Ａに設けられた上記弾性シー
ト５と上記吸収体４とは、防水シート３によって吸収面
を除き一体的に被覆され、上記吸収体４、上記弾性シー
ト５及び上記防水シート３の全表面が表面材２によって
完全に被覆されており、その他は全て上記各実施例に準
じて構成されている。従って、本実施例の生理用ナプキ
ン１によれば、第１、第２の実施例と同様の作用、効果
を期することができる。

更に、本考案の第４の実施例の生理用ナプキン１は、第
４図に示す如く、傾斜フラップ５Ａの側端形状を、吸収
体４の凹曲部４Ａ、４Ａの形状に沿って凹曲形状にした
以外は、実質的に第１の実施例と同一である。従って、
同図におけるＡ−Ａ′の断面図は実施例１の生理用ナプ
キンと略同一である。上記第４の実施例の生理用ナプキ
ンは、傾斜フラップ５Ａを上記形状にしたことにより、
装着感が一段と快適になった。

〔考案の効果〕

本考案の吸収性物品は、上述の如く構成されているた
め、特に、疎水性の弾性材によって上述の如く形成され
た傾斜フラップを有しているため、いかなる下着を着用
する場合でも、確実に液漏れを防止することができ、し
かも使用感に優れている。

【図面の簡単な説明】

第１図(a)は本考案の第１の実施例である生理用ナプキ
ンを示す外観斜視図、同図(b)はその平面図、同図(c)は
同図(a)のＡ−Ａ′線方向の断面図、第２図は本考案の
第２の実施例である生理用ナプキンを示す横方向の左半
分断面図、第３図は本考案の第３の実施例である生理用
ナプキンを示す第２図に相当する断面図、第４図は本考
案の第４の実施例である生理用ナプキンを示す第１図
(b)に相当する平面図、第５図は本考案の生理用ナプキ
ンの装着状態の概略を示す股間部の横断面図である。１：生理用ナプキン（吸収性物品）２：表面材、３：防水材４：吸収体、４Ａ：凹曲部５Ａ：傾斜フラップ７：生理用ショーツ、８：身体

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】液透過性の表面材、液不透過性の防水材及
びこれら両者の間に介在する吸収体を有し、実質的に縦
長に形成された吸収性物品において、上記吸収体の長手
方向両側に凹曲部を設けると共に、基端部が上記吸収体
の表面より下方に位置し且つ先端部が上記吸収体表面よ
り上方に位置する傾斜フラップを連設してなり、該傾斜
フラップは、疎水性の弾性材によって形成されており、
上記吸収体の長手方向の形状に沿って湾曲した形状を有
し且つ上記凹曲部における上記先端部が長手方向両端部
における上記先端部より上方に位置していることを特徴
とする吸収性物品。
【請求項２】前記凹曲部を吸収体長手方向中央より稍々
前方に偏倚させたことを特徴とする実用新案登録請求の
範囲第(1)項記載の吸収性物品。