JPH06213282A - 歯付きベルトおよびその製造法 - Google Patents

歯付きベルトおよびその製造法

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JPH06213282A
JPH06213282A JP661893A JP661893A JPH06213282A JP H06213282 A JPH06213282 A JP H06213282A JP 661893 A JP661893 A JP 661893A JP 661893 A JP661893 A JP 661893A JP H06213282 A JPH06213282 A JP H06213282A
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Nobuyuki Yokoyama
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明の歯付きベルトは、ウレタン不浸透性
樹脂層をもつ補強布を、周面軸方向に歯形溝群を設けた
円筒状内金型の回りに巻装し、その表面に抗張体をスパ
イラルに巻着後、同心状に外金型を組み合わせ、両金型
間にポリウレタンエラストマーを注入し硬化させたベル
ト成形体を輪切りにしてなる歯付きベルトであって、前
記ポリウレタンエラストマーを、パラフェニレンジイソ
シアネートと、ポリエステル系ポリオール、ポリエーテ
ル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオールの1種
または2種以上からなるプレポリマーに硬化剤を配合し
てなるものである。 【効果】 本発明の歯付きベルトは、耐熱性および耐寒
性に優れたものとなり、例えば自動車分野におけるタイ
ミングベルト等の高温環境下および低温環境下で使用さ
れる歯付きベルトに適したものとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業の利用分野】本発明は、高温環境下および低温環
境下で使用するのに適した歯付きベルト、およびその製
造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、歯付きベルトは多くの場合、クロ
ロプレンゴムから製造されているが、例えば、自動車分
野においては、自動車を使用する地域により気温差が激
しく耐熱性と耐寒性の両方に優れたベルト材料が求めら
れており、クロロプレンゴムからなるベルトよりもさら
に耐熱性・耐寒性に優れたベルトが求められている。そ
こで、耐熱性が優れた歯付きベルトとして、例えば、特
開昭51−36247号公報や特開昭60−12134
1号公報等に記載されているように近年、背ゴムや歯ゴ
ムにクロロスルフォン化ポリエチレンゴムを用いる歯付
きベルトや、特開昭60−172749号公報に記載さ
れているように水素化ニトリルゴムの含イオウ架橋系組
成物を用いる歯付きベルトや、特開昭64−87937
号公報に記載されているように水素化ニトリルゴムのパ
ーオキサイド架橋系組成物を用いる歯付きベルト等が提
案されている。なお、これらの歯付きベルトは、耐寒性
についてはクロロプレンゴムから製造されたものと比較
しても大差はない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、各種改
良された前記歯付きベルトにおいても、その耐熱性およ
び耐寒性は、なお、充分であるとはいい難く、耐熱性お
よび耐寒性により優れた歯付きベルトの出現が望まれて
いた。そこで、本発明者等は、上記のような状況に鑑み
て鋭意研究を重ねた結果、以下の技術的手段を採用する
ことにより上記課題を解決できることを見出し、本発明
を完成するに至った。
【0004】
【課題を解決するため手段】すなわち、本発明の歯付き
ベルトは、ウレタン不浸透性樹脂層をもつ補強布を、周
面軸方向に歯形溝群を設けた円筒状内金型の回りに巻装
し、その表面に抗張体をスパイラルに巻着後、同心状に
外金型を組み合わせ、両金型間にポリウレタンエラスト
マーを注入し硬化させたベルト成形体を輪切りにしてな
る歯付きベルトであって、前記ポリウレタンエラストマ
ーを、パラフェニレンジイソシアネートと、ポリエステ
ル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリカー
ボネート系ポリオールの1種または2種以上からなるプ
レポリマーに硬化剤を配合してなるものである。
【0005】また、本発明の歯付きベルトの製造法は、
ポリウレタンエラストマーとして、パラフェニレンジイ
ソシアネートと、ポリエステル系ポリオール、ポリエー
テル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオールの1
種または2種以上からなるプレポリマーに硬化剤を配合
してなるポリウレタンエラストマーを選択し、ウレタン
不浸透性樹脂層をもつ補強布を、周面軸方向に歯形溝群
を設けた円筒状内金型の回りに巻装し、その表面に抗張
体をスパイラルに巻着後、同心状に外金型を組み合わ
せ、両金型間に前記ポリウレタンエラストマーを注入し
硬化させたベルト成形体を輪切りにしたものである。
【0006】
【作用】本発明の歯付きベルト、およびその製造法によ
り製造された歯付きベルトは、ポリウレタンエラストマ
ーとして、パラフェニレンジイソシアネートと、ポリエ
ステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリ
カーボネート系ポリオールの1種または2種以上からな
るプレポリマーに硬化剤を配合してなるポリウレタンエ
ラストマーを選択することにより、耐熱性および耐寒性
に優れたものとなる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の歯付きベルトおよびその製造
法について詳細に説明する。先ず、本発明の歯付きベル
ト1を製造するには、ウレタン不浸透性樹脂層をもつ補
強布2を、熱プレスによる接着または融着などにより筒
状にエンドレス加工し、図1に示すように、外周面軸方
向に歯形溝を設けた円筒状の内金型3に嵌め込んで装着
する。次に、この補強布2の表面に、抗張体4をスパイ
ラルに巻き付ける。内金型3に前記補強布2および抗張
体4の装着が完了すれば、内金型3を円筒状の外金型5
に挿入して、所定の空間6ができるように組み合わせ、
内金型3の両端部は上下蓋7、8で封鎖し固定する。そ
して、内外金型3、5を100°Cに加熱した後、注型
用容器9内のポリウレタンエラストマー10を2Kgf
/cm2 以下の圧力でピストン11により加圧し、注型
用管12を経て前記空間6内にポリウレタンエラストマ
ー10を充填する。空間6内にポリウレタンエラストマ
ー10が充満すると、上蓋7の脱気孔13からポリウレ
タンエラストマー10が流出するので、流出した時点で
脱気孔13に開閉ネジ14を螺着し、脱気孔13を密閉
して、110°C、120分、10〜30Kgf/cm
2 で加圧成形する。そして成形後、上下蓋7、8を取り
外し、内外金型3、5を分離した後、成形品を脱型し、
所定幅のベルトに輪切りすることにより、本発明の歯付
きウレタンベルトが製造される。
【0008】前記ポリウレタンエラストマーとしては、
パラフェニレンジイソシアネートと、ポリエステル系ポ
リオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリカーボネー
ト系ポリオールの1種または2種以上からなるプレポリ
マーに硬化剤を配合してなるポリウレタンエラストマー
を用いた。ポリエステル系ポリオールとしては、例え
ば、ポリカルボン酸と低分子ポリオールとの縮合物で、
分子量500〜10000のものが挙げられる。具体的
には、ポリ(エチレンアジペート)(以下「PEA」と
記す)、ポリ(ジエチレンアジペート)(以下「PD
A」と記す)、ポリ(プロピレンアジペート)(以下
「PPA」と記す)、ポリ(テトラメチレンアジペー
ト)(以下「PBA」と記す)、ポリ(ヘキサメチレン
アジペート)(以下「PHA」と記す)、ポリ(ネオペ
ンチレンアジペート)(以下「PNA」と記す)、ポリ
(ノナンジオールアジペート)、ポリ(ノナンジオール
/メチルオクタンジオールアジペート)、3−メチル−
1,5−ペンタンジオールとアジピン酸からなるポリオ
ール、PEAとPDAのランダム共重合体、PEAとP
PAのランダム共重合体、PEAとPBAのランダム共
重合体、PHAとPNAのランダム共重合体、または、
ε−カプロラクトンを開環重合して得たカプロラクトン
ポリオール、β−メチル−δ−バレロラクトンをエチレ
ングリコールで開環することにより得られたポリオール
など(これらは、いずれも分子量500〜10000で
あることが好ましい)が挙げられ、それぞれ、単独で使
用されたり、または、複数併用されたりする。さらに、
ポリエステル系ポリオールとしては、例えば、下記の酸
の少なくとも1つとグリコールの少なくとも1つとの共
重合体が挙げられる。
【0009】(酸) テレフタル酸、イソフタル酸、無
水フタル酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、ドデカン2酸、ダイマー酸(混合物)、パラ
オキシ安息香酸、無水トリメリット酸、ε−カプロラク
トン、β−メチル−δ−バレロラクトン (グリコール) エチレングリコール、プロピレングリ
コール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリ
コール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレン
グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ペ
ンタエリスリトール、3−メチル−1,5−ペンタンジ
オール ポリエーテル系ポリオールとしては、例えば、アルキレ
ンオキシド(例えば、エチレンオキサイド、プロピレン
オキサイド)を活性水素化合物である多価アルコール
(例えば、ジエチレングリコール)を開始剤として開環
付加重合により与えられるもの、具体的にはポリプロピ
レングリコール(PPG)、ポリエチレングリコール
(PEG)、プロピレンオキサイドとエチレンオキサイ
ドとの共重合体などが挙げられる。また、テトラヒドロ
フランのカチオン重合により与えられ、分子量500〜
5000のものが挙げられる。具体的には、ポリテトラ
メチレンエーテルグリコール(PTMG)であり、ま
た、テトラヒドロフランは他のアルキレンオキシドとの
共重合体があり、具体的には、テトラヒドロフランとプ
ロピレンオキサイドとの共重合体、テトラヒドロフラン
とエチレンオキサイドとの共重合体など(これらはいず
れも分子量500〜10000であることが好ましい)
が挙げられ、それぞれ単独で使用されたり、または、複
数併用されたりする。
【0010】ポリカーボネート系ポリオールとしては、
従来公知のポリオール(多価アルコール)とホスゲン、
クロル蟻酸エステル、ジアルキルカーボネートまたはジ
アリルカーボネートとの縮合によって得られ、種々の分
子量のものが知られている。このようなポリカーボネー
ト系ポリオールとして特に好ましいものは、ポリオール
として、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジ
オール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、または、1,5−ペンタンジオールを使用したも
のであり、その分子量が約500〜10000の範囲の
ものである。例えば、下記一般式化1で表されるポリカ
ーボネートジオール
【0011】
【化1】
【0012】が挙げられる。本発明で用いられるポリカ
ーボネート系ウレタンプレポリマーのポリオール部分の
構造は、上記のようなポリカーボネート系ポリオールを
はじめ、ポリカーボネート系ポリオールとポリカプロラ
クトン系ポリオールのランダム共重合体、ポリカーボネ
ート系ポリオールとポリエステル系ポリオールのランダ
ム共重合体、あるいは、ポリカーボネート系ポリオール
とポリカプロラクトン系ポリオールとポリエステル系ポ
リオールの混合物などが挙げられ、それぞれ、単独で使
用されたり、または、複数併用されたりする。
【0013】前記ポリオールの1種または2種以上をパ
ラフェニレンジイソシアネートと反応させて、ウレタン
プレポリマーを製造するための方法としては、特に限定
されず、例えば、反応温度、反応時間、溶媒の有無等を
含めて公知の方法で行うことができる。本発明に用いる
ウレタンエラストマーを得るためには、上述のようにし
て得られたウレタンプレポリマーと、硬化剤とを混合し
て、ウレタンプレポリマーを硬化させればよい。
【0014】使用できる硬化剤としては、特に限定され
ず、従来、ウレタンプレポリマーを硬化してウレタンエ
ラストマーを生成させる際に一般的に用いられているも
ので構わない。例えば、ポリオール化合物、ポリアミン
化合物等が挙げられる。ポリオール化合物としては、特
に限定されず、1級ポリオール、2級ポリオール、3級
ポリオールのいずれを用いてもよい。具体的には、エチ
レングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−
ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレ
ングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタ
ンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−ペンタ
ンジオール、2,3−ペンタンジオール、2,5−ヘキ
サンジオール、2,4−ヘキサンジオール、2−エチル
−1,3−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオー
ル、2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−
プロパンジオール等が挙げられる。ポリアミン化合物と
しては、ジアミン、トリアミン、テトラアミン等、特に
限定されず、1級アミン、2級アミン、3級アミンのい
ずれも用いることができる。具体的には、ヘキサメチレ
ンジアミン等の脂肪族アミン、3,3’−ジメチル−
4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン等の脂環族
アミン、4,4’−メチレンビス−2−クロロアニリ
ン、2,2’,3,3’−テトラクロロ−4,4’−ジ
アミノフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニル
等の芳香族アミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミ
ノメチル)フェノール等が挙げられる。これらの硬化剤
は、1種のみを用いてもよいし、あるいは、複数種を併
用してもよい。
【0015】上記の硬化剤と、前述のようにして得られ
たウレタンプレポリマーとを混合して、同ウレタンプレ
ポリマーを硬化させるための方法としては、特に限定さ
れず、例えば、ウレタンプレポリマーに対する硬化剤の
混合割合、硬化温度、硬化時間等を含めて、通常の方法
で行うことができる。本発明に用いるポリウレタンエラ
ストマーは、添加剤等を含有するものとしてもよい。本
発明に用いうる添加剤は、可塑剤、難燃剤、充填剤、安
定剤、着色剤等である。
【0016】可塑剤としては、例えば、フタル酸ジオク
チル(DOP)、フタル酸ジブチル(DBP)、アジピ
ン酸ジオクチル(DOA)、リン酸トリクレジル(TC
P)、塩素系パラフィンなどが利用できる。難燃剤とし
ては、トリス−(β−クロロプロピルホスフェート、ト
リス−ジクロロプロピルホスフェート、トリスクロロエ
チルホスフェート等の燐酸エステル類、ジブロムネオペ
ンチルグリコール、トリブロムネオペンチルアルコール
等のブロム化合物等が利用できる。
【0017】充填剤は、例えば、ガラス繊維、カーボン
ブラック、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、ゼオラ
イト、硅そう土、パーライト、パーミキュライト、二酸
化チタン、シリコンパウダーおよびシリコンオイル、グ
ラファイト、二硫化モリブデン等が使用できる。安定剤
としては、従来より使用されている酸化防止剤、紫外線
吸収剤、光安定剤、加水分解防止剤等が利用できる。
【0018】酸化防止剤は、ラジカル連鎖禁止剤・過酸
化物分解剤などとして作用し、前者には立体障害を持っ
たフェノール類や芳香族アミン類がある。ラジカル連鎖
禁止剤として、ブチル化ヒドロキシトルエン、テトラキ
ス〔メチレン・3・(3’・5’−ジ・tブチル−4ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、n・オク
タデシル−βー(4’・ヒドロキシ−3’−5’・ジ・
tブチルフェニル)プロピオネート、1,3,5トリス
(4・tブチル・3ヒドロキシ・2,6ジメチルベンジ
ル)イソシアヌル酸、トリエチレングリコールビス3
(2−tブチル・4ヒドロキシ5・メチルフェニル)プ
ロピオネート等が使用可能である。
【0019】過酸化物分解剤として、4,4’チオビス
(6−t−ブチル・m・クレゾール、ジラウリル・チオ
ジプロピオネート、ジステアリルチオ・ジプロピオネー
ト、チオフェニルホスファイト等が使用可能である。紫
外線吸収剤として、サリチル酸系のフェニルサリシレー
ト、P−t−ブチルフェニルサリシレート、ベンゾフェ
ノン系の2,4−ジ−ヒドロキシベンゾフェノン、2−
ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロ
キシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、ベンゾトリ
アゾール系の2(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール、2(2’−ヒドロキシ−
3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロ
ルベンゾトリアゾール、2(2’−ヒドロキシ−3’,
5’−ジ−t−アミノフェニル)ベンゾトリアゾール、
シアレアクリレート系のエチル−2−シアノ−3,5−
ジフェニルアクリレート、2(2’−ヒドロキシ−5’
−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール等が使用
可能である。
【0020】UVスクリーンとして、カーボンブラック
・亜鉛華などの顔料等が使用可能である。光安定剤とし
て、ヒンダードアミンがある。ヒンダードアミンとして
は、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベ
ンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル、コハク酸ジメ
チル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ
−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、
ポリ〔〔6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)
イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル〕
〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
イミノ〕ヘキサメチレン〔〔2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)イミノ〕〕、2−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブ
チルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル
−4−ピペリジル)などが使用可能である。
【0021】加水分解防止剤として、カルボジイミド系
のスタバクゾール・1,PCD(バイエル社)、ヘキサ
メチレンテトラアミン、アゾジカーボンアミド、4−t
−ブチルカテコール等が使用可能である。前記ヒドロキ
シル基末端ポリオールとパラフェニレンジイソシアネー
トとを反応させてウレタンプレポリマーを製造するため
の方法としては、特に限定されず、例えば、反応温度、
反応時間、溶媒の有無等を含めて公知の方法で行うこと
もできる。
【0022】このようにして得られるプレポリマーのイ
ソシアネート基含有量は1重量%〜20重量%になるよ
うに有機ポリイソシアネートと活性水素含有化合物と反
応せしめる必要がある。得られるプレポリマーのイソシ
アネート基含有量が20重量%を越えて大になると遊離
のパラフェニレンジイソシアネートが多くなり、ウレタ
ンプレポリマーの貯蔵安定性が劣るようになる。1重量
%よりも小さくなると、ウレタンプレポリマーとしては
イソシアネート基含有量が低くポットライフが長くなり
すぎるため生産性が悪くなる。
【0023】また、本発明の歯付きベルトは、抗張体4
としては、例えばガラス繊維、スチール繊維、アラミド
繊維よりなるコードが用いられるが、これら例示したも
のに限定されるものではない。本実施例では、「ケブラ
ー」(デュポン社製アラミド繊維)を用いた。次に、本
発明の製造法により製造した歯付きベルト具体例につい
て、本発明品および比較品の耐熱性を調べるため、以下
に示す条件下で走行試験を行った。本発明品1〜4 本発明の歯付きベルトを、以下に示すようにして作製し
た。
【0024】ポリウレタンエラストマーは、次のような
手順により得た。先ず、ポリオール成分(以下、(1) に
示す)にポリイソシアネート成分(以下、(2) に示す)
を加え、窒素気流下において85℃で1時間反応させて
末端イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを
得る。得られたウレタンプレポリマーのイソシアネート
基(NCO)含有量(以下、に示す)、および、80
℃における粘度(以下、に示す)を測定した。プレポ
リマーの粘度は、ハーケ回転粘度計・ロトビスコRV−
12を用いて求めた。
【0025】上記のようにして得たウレタンプレポリマ
ー100重量部を80℃に保温し、硬化剤(以下、(3)
に示す)を加え、110℃で120分間、加熱して硬化
反応を完結させた。 (本発明品1) (1) ポリオール成分 平均分子量(数平均分子量を指す。以下同様)が2,0
44のポリカーボネートとカプロラクトンとの共重合体
ポリオール(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名
ニッポラン982R)を100重量部用いた。 (2) ポリイソシアネート成分 パラフェニレンジイソシアネート(=PPDI、デュポ
ン社製)を15.6重量部用いた。 (3) 硬化剤 2,2’,3,3’−テトラクロロ−4,4’−ジアミ
ノジフェニルメタン(=TCDAM、イハラケミカル工
業株式会社製)を12.9重量部用いた。
【0026】各測定結果 イソシアネート基(NCO)含有量…3.59%(理
論値3.60%) 80℃における粘度…14,680cps 上記組成についてシート状成形物を同様の方法で得たと
きの硬さ(JIS A)は、89であった。 (本発明品2) (1) ポリオール成分 平均分子量が1,908のポリカーボネートポリオール
(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名ニッポラン
980R)80重量部と、平均分子量が2,087のポ
リエステル系ポリオール(クラレ株式会社製、商品名ク
ラポールL2010)20重量部とをブレンドして用い
た。 (2) ポリイソシアネート成分 PPDIを16.5重量部用いた。 (3) 硬化剤 TCDAMを12.7重量部用いた。
【0027】各測定結果 イソシアネート基(NCO)含有量…3.53%(理
論値3.71%) 80℃における粘度…22,930cps 上記組成についてシート状成形物を同様の方法で得たと
きの硬さ(JIS A)は、90であった。 (本発明品3) (1) ポリオール成分 平均分子量が1,908のポリカーボネートポリオール
(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名ニッポラン
980R)80重量部と、平均分子量が1,950のポ
リエステル系ポリオール(クラレ株式会社製、商品名ク
ラポールP2010)20重量部とをブレンドして用い
た。 (2) ポリイソシアネート成分 PPDIを16.7重量部用いた。 (3) 硬化剤 TCDAMを13.3重量部用いた。
【0028】各測定結果 イソシアネート基(NCO)含有量…3.68%(理
論値3.75%) 80℃における粘度…15,080cps 上記組成についてシート状成形物を同様の方法で得たと
きの硬さ(JIS A)は、88であった。 (本発明品4) (1) ポリオール成分 平均分子量が1,996のポリカーボネートポリオール
(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名ニッポラン
980R)80重量部と、平均分子量が1,986のポ
リテトラメチレンエーテルグリコール(保土ヶ谷化学工
業株式会社製、商品名PTG2000)20重量部とを
ブレンドして用いた。 (2) ポリイソシアネート成分 PPDIを16.1重量部用いた。 (3) 硬化剤 TCDAMを13.0重量部用いた。
【0029】各測定結果 イソシアネート基(NCO)含有量…3.60%(理
論値3.63%) 80℃における粘度…23,190cps 上記組成についてシート状成形物を同様の方法で得たと
きの硬さ(JIS A)は、82であった。
【0030】前記各ポリウレタンエラストマーを背部お
よび歯形部に用いて、図2に示すような構成の歯付きベ
ルト1を作製した。この歯付きベルト1は、背部20、
歯形部21、これら両者の間に介在させた抗張体4、お
よび歯形部21に被着した補強布2からなるものとして
おり、RU型で、歯のピッチ9.525mm、歯数92、
長さ34.5インチ、幅0.75インチとした。比較品1 水素化ニトリルゴムの含イオウ架橋系組成物を用いた歯
付きベルトを、以下に示すようにして作製した。
【0031】水素化ニトリルゴム組成物は、水素化ニト
リルゴム(ゼットポール:日本ゼオン製)100重量
部、カーボンブラック40重量部、可塑剤10重量部、
亜鉛華5重量部、ステアリン酸1重量部、老化防止剤2
重量部、加硫促進剤2.5重量部、イオウ0.5重量
部、を配合し、バンバリーミキサー、ロール等を用い適
宜、公知の手段、方法により混練しゴムシートとした。
【0032】補強布は、上記ゴム組成物を、その2〜
3.5倍の溶剤に溶解し、次いでフェノールレジンをゴ
ム組成物の20〜30%添加溶解し、ゴム糊を作製し、
ナイロン布を浸漬後乾燥させた、接着処理ナイロン布を
用いた。なお、抗張体には、前記と同様にケブラーを用
いた。前記水素化ニトリルゴム組成物を背部および歯形
部に用いて、従来より知られている通常の方法により、
歯付きベルトを作製した。
【0033】そこで、前記本発明品および比較品を、図
3に示したような装置を用いて、高温環境(150℃)
下で走行試験を行った。図3中、31はRU型(歯数=
20)の駆動プーリ、32はRU型(歯数=40)の非
駆動プーリである。そして、これら駆動プーリ31と非
駆動プーリ32の間に掛け渡した歯付きベルト1の初張
力をφ52mmのテンショナープーリ33により15Kgf
に調整し、駆動プーリ31を回転数6000rpm で回転
させ、歯付きベルト1を走行させた。走行開始後、歯付
きベルト1の背部にクラックが生ずるまでの走行時間を
測定した。結果を表1に示す。
【0034】表1から明らかなように、比較品1に示し
た水素化ニトリルゴム組成物を用いた歯付きベルトは、
短時間で背部にクラックが生じ、耐熱性に劣るものとな
っているが、本発明品1〜4に示した前記ポリウレタン
エラストマーを用いた歯付きベルトは、短時間で背部に
クラックが生じることなく、耐熱性に優れたものとな
る。
【0035】
【表1】
【0036】次に、前記本発明品および比較品を、図3
に示したような装置を用いて、新品、熱老化品(140
°Cで3日間、7日間、14日間、28日間それぞれ熱
老化させたもの)について耐寒走行試験を行った。図3
中、駆動プーリ31と非駆動プーリ32の間に掛け渡し
た歯付きベルト1の初張力をφ52mmのテンショナープ
ーリ33により15Kgf に調整し、設定温度に3時間放
置後駆動プーリ31を回転数300rpm で回転させ、歯
付きベルト1を1分間走行させた後10分間停止させ
る。これを50サイクル繰り返した後背部のクラック発
生の有無を調べ、ベルトの使用限界温度を測定した。結
果を表2に示す。
【0037】表2から明らかなように、比較品1に示し
た水素化ニトリルゴム組成物を用いた歯付きベルトは、
140°Cで14日間熱老化させたものから低温特性が
急に落ち、耐寒性に劣るものとなっているが、本発明品
1〜4に示した前記ポリウレタンエラストマーを用いた
歯付きベルトは、140°Cで28日間熱老化させたも
のも低温特性が落ちず、耐寒保持特性に優れたものとな
る。
【0038】
【表2】
【0039】
【発明の効果】本発明は、前述のような技術的手段を講
じたものであり、上記構成要件を採用したことにより、
次のような効果を有する。すなわち、本発明の歯付きベ
ルト、およびその製造法により製造された歯付きベルト
は、耐熱性および耐寒性に優れたものとなり、例えば自
動車分野におけるタイミングベルト等の高温環境下およ
び低温環境下で使用される歯付きベルトに適したものと
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の歯付きベルトの製造工程において、内
外金型間にできる空間内に液状ウレタンエラストマーを
充填している状態を示す断面図である。
【図2】本発明の歯付きベルトの構成を示す説明図であ
る。
【図3】本発明の歯付きベルトの走行試験を行う装置の
説明図である。
【符号の説明】 1 歯付きベルト 2 補強布 3 内金型 4 抗張体 5 外金型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河原 伸一郎 奈良県大和郡山市池沢町172 ニッタ株式 会社奈良工場内 (72)発明者 横山 伸幸 奈良県大和郡山市池沢町172 ユニッタ株 式会社奈良工場内 (72)発明者 中根 聡司 奈良県大和郡山市池沢町172 ユニッタ株 式会社奈良工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウレタン不浸透性樹脂層をもつ補強布
    を、周面軸方向に歯形溝群を設けた円筒状内金型の回り
    に巻装し、その表面に抗張体をスパイラルに巻着後、同
    心状に外金型を組み合わせ、両金型間にポリウレタンエ
    ラストマーを注入し硬化させたベルト成形体を輪切りに
    してなる歯付きベルトであって、前記ポリウレタンエラ
    ストマーを、パラフェニレンジイソシアネートと、ポリ
    エステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポ
    リカーボネート系ポリオールの1種または2種以上から
    なるプレポリマーに硬化剤を配合してなるものとしたこ
    とを特徴とする歯付きベルト。
  2. 【請求項2】 ポリウレタンエラストマーとして、パラ
    フェニレンジイソシアネートと、ポリエステル系ポリオ
    ール、ポリエーテル系ポリオール、ポリカーボネート系
    ポリオールの1種または2種以上からなるプレポリマー
    に硬化剤を配合してなるポリウレタンエラストマーを選
    択し、ウレタン不浸透性樹脂層をもつ補強布を、周面軸
    方向に歯形溝群を設けた円筒状内金型の回りに巻装し、
    その表面に抗張体をスパイラルに巻着後、同心状に外金
    型を組み合わせ、両金型間に前記ポリウレタンエラスト
    マーを注入し硬化させたベルト成形体を輪切りにしたこ
    とを特徴とする歯付きベルトの製造法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP7406050B1 (ja) * 2022-07-05 2023-12-26 バンドー化学株式会社 歯付ベルト
WO2024009664A1 (ja) * 2022-07-05 2024-01-11 バンドー化学株式会社 歯付ベルト

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JPS63214537A (ja) * 1987-02-27 1988-09-07 Nitta Kk 液状注型エラストマー材料から成る伝動用無端ベルトとその製造方法

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