JPH06213151A - クラッチレス揺動斜板式可変容量圧縮機 - Google Patents

クラッチレス揺動斜板式可変容量圧縮機

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Publication number
JPH06213151A
JPH06213151A JP5004359A JP435993A JPH06213151A JP H06213151 A JPH06213151 A JP H06213151A JP 5004359 A JP5004359 A JP 5004359A JP 435993 A JP435993 A JP 435993A JP H06213151 A JPH06213151 A JP H06213151A
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JP
Japan
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swash plate
spool
chamber
pressure
peripheral surface
Prior art date
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Pending
Application number
JP5004359A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiro Kawaguchi
真広 川口
Masanori Sonobe
正法 園部
Shigeki Kanzaki
繁樹 神崎
Takeshi Mizufuji
健 水藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 斜板を零容量状態から容易に傾斜位置に復帰
させて圧縮動作を開始する。 【構成】 回転軸4に固定された回転支持体9にはヒン
ジ機構K1を介して斜板13を前後方向への往復傾動可
能に装着する。前記斜板13を零度から傾斜位置に復帰
するスプール24を回転軸4上に設ける。圧縮機の起動
時に圧力室26に給油ポンプ27から制御油圧を供給
し、前記スプール24を前進させ、斜板13を支持する
球面12aを有するスリーブ12を回転軸4に沿って移
動させ、斜板13を傾斜位置に復帰し、圧縮運転を開始
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は例えば自動車の空調装
置に使用されるクラッチレス揺動斜板式可変容量圧縮機
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用可変容量圧縮機には、
エンジンの動力を断接する電磁クラッチが装着され、車
室内の温度が高くて空調装置(以下エアコンという)の
スイッチのオンにより前記電磁クラッチが作動される
と、エンジンの回転運動がベルト伝達機構及び電磁クラ
ッチを介して圧縮機に伝達される。このためエアコンス
イッチのオン・オフの度に圧縮機が大容量で起動・停止
され、電磁クラッチの断接の頻繁な繰り返しによりその
耐久性が低下するとともに、圧縮機の起動ショックも発
生し、圧縮機が大型、大重量化し、エンジンルーム内で
の装設スペースの関係で装着が困難である。
【0003】上記問題を解消するため、クラッチレス揺
動斜板式可変容量圧縮機が提案されている。この圧縮機
として、従来特開平3−143725号公報に示された
ものがある。この圧縮機は斜板が収容されたクランク室
と吸入行程のシリンダボア内作動室の差圧を制御するこ
とにより、斜板の傾角を連続的に変化させてピストンの
最大ストロークを可変としている。又、この圧縮機はエ
アコンスイッチのオン信号に応答して、前記斜板を零度
位置から押動して零度よりも大きい傾斜位置に保持する
油圧式のアクチュエータを備えている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の圧縮
機は、油圧式のアクチュエータのアシストプランジャー
が回転軸と一体になって回転するとともに、該アシスト
プランジャーが前進すると、回転駆動板が斜板とともに
零度位置から傾斜位置へ移動されるので、押動動作が円
滑に行われず、容量復帰を速やかに行うことができない
という問題があった。
【0005】又、回転軸上に球面を有するスリーブを相
対回転可能に支持し、該スリーブの球面に斜板を回動可
能に支持する斜板支持構造の圧縮機が提案されている
が、この圧縮機のスリーブを前述したアシストプランジ
ャーで押動することはできないので、円滑な容量復帰動
作を行うことができない。
【0006】この発明の目的は上記従来の技術に存する
問題点を解消して、斜板を零容量状態から容易に傾斜位
置に復帰させて圧縮動作を開始することができるクラッ
チレス揺動斜板式可変容量圧縮機を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は上
記目的を達成するため、クラッチレス揺動斜板式可変容
量圧縮機において、外部信号発生器からのオフ信号によ
り前記斜板の傾角を傾斜状態から零度に復帰するための
傾角変更手段と、外部信号発生器からのオン信号により
前記斜板の傾角を零度から傾斜位置に復帰するための流
体圧駆動手段とを備え、上記流体圧駆動手段を、圧縮機
内にある流体を吸入・吐出する流体ポンプと、該流体ポ
ンプから吐出された流体を導く圧力室と、該圧力室に供
給された加圧流体により前進して斜板支持用の前記球面
を有するスリーブを押動し斜板を零度位置から傾斜位置
に復帰するスプールと、前記スプールの作動後に圧力室
からクランク室に油を排出する油排出路とにより構成し
ている。
【0008】又、請求項2記載の発明は、請求項1にお
いて、前記スプールを円筒状に形成し、該スプールを回
転軸の外周面と、回転軸を挿通するシリンダブロックの
中心孔内周面との間に前後方向への往復動可能に嵌合
し、スプールの外周面と中心孔の内周面との間及びスプ
ールの内周面と回転軸の外周面との間に、シールリング
を介在している。
【0009】
【作用】請求項1記載の発明では、圧縮機の停止状態に
おいては傾角変更手段により斜板が零度位置に保持され
ている。この停止状態で圧縮機が起動されると、回転軸
により斜板が回転されるが、斜板の傾角が零度であるた
め、クラッチレス状態の零容量運転が行われる。
【0010】そして、外部信号発生器からオン信号が流
体圧駆動手段に出力されると、流体ポンプにより流体が
クランク室から吸い上げられて圧力室に供給され、スプ
ールが前進してスリーブを押動するので、斜板が零度位
置から傾斜位置に変位される。このため圧縮機は零容量
運転から圧縮運転に移行される。
【0011】又、外部信号発生器からオフ信号が流体圧
駆動手段に出力されると、流体ポンプから圧力室への加
圧流体の供給が停止され、スプールは不作動状態とな
る。これと同期して外部信号発生器からのオフ信号によ
り前記傾角変更手段が動作されて、斜板の傾角が傾斜状
態から零度に復帰され、再びクラッチレス状態の零容量
運転が行われる。
【0012】請求項1記載の発明では斜板を支持するス
リーブをスプールにより押動して斜板を傾斜するように
したので、容量復帰動作を円滑に行い、容量制御特性を
向上することができる。
【0013】又、請求項2記載の発明は、圧力室からク
ランク室への流体の漏洩がシールリングにより抑制され
るので、斜板の傾動動作をより確実に行うことができ
る。
【0014】
【実施例】以下、この発明を具体化した第1実施例を図
1〜図8に基づいて説明する。図2に示すように、複数
のシリンダボア1aを形成したシリンダブロック1のフ
ロント側端面にはクランク室2aを形成するフロントハ
ウジング2が接合固定されている。前記シリンダブロッ
ク1の後端には吸入室3a及び吐出室3bを区画形成す
るリヤハウジング3が接合固定されている。前記シリン
ダブロック1及びフロントハウジング2にはクランク室
2a内に位置するように回転軸4がラジアルベアリング
5,6を介して回転可能に支持されている。前記回転軸
4の外端部にはプーリ7が固定され、エンジンの回転運
動がベルト8により直接伝達される。
【0015】前記回転軸4には回転支持体9が嵌合固定
され、該支持体9とフロントハウジング2の内壁間には
圧縮動作時のスラスト荷重を支持するスラストベアリン
グ10が介在されている。この回転支持体9には挿通孔
11aを有する支持アーム11が一体に形成されてい
る。一方、回転軸4には球面12aを有するスリーブ1
2が該回転軸4の外周面に沿って前後方向への往復動可
能に支持され、このスリーブ12には斜板13が球面1
2aに沿って前後方向へ傾動可能に支持されている。前
記支持アーム11の挿通孔11aには支持ピン14が回
動可能に、かつ図3に示すように回転軸4と直交する方
向へ貫通支持され、該支持ピン14の左右両端部に形成
した案内孔14a,14aには左右一対の案内ピン1
5,16の上端部が案内摺動可能に、かつ互いに平行に
貫通支持されている。さらに、両案内ピン15,16の
下端部は前記斜板13の背面に一体形成した軸受部13
a,13aの取付孔13b,13bに圧入固定されてい
る。この実施例では前記支持アーム11、スリーブ1
2、案内ピン15,16及び軸受部13a,13a等に
より斜板13の前後方向への往復傾動を許容するヒンジ
機構K1を構成している。
【0016】前記斜板13は図2に示すようにシリンダ
ボア1a内に収容した複数個の片側ピストン17の基端
部に形成した凹所内に進入した状態で前後一対のシュー
18,18を介して係留されている。前記回転軸4の外
周には前記斜板13の傾角を零度、つまりスリーブ12
を位置規制してピストン17のストロークを零にするた
めのストッパ19が取り付けられている。なお、斜板1
3の最大傾角は前記軸受部13aが回転支持体9に当接
することにより規制される。
【0017】前記シリンダブロック1のリヤ側端面とリ
ヤハウジング3のフロント側端面との間には、図4に示
すように吸入孔20a、吐出孔20bを形成したバルブ
プレート20が介在されている。又、前記バルブプレー
ト20の前面には吸入弁21aを形成した吸入弁板21
が、後面には吐出弁22aを形成した吐出弁板22が接
合されている。前記吐出弁板22の後面には吐出弁22
aの開放位置を規制するリテーナ23aを有するリテー
ナプレート23が接合されている。
【0018】次に、前記斜板13を傾角零度位置から傾
斜位置に復帰するための斜板傾角復帰油(流体)圧駆動
手段K2について説明する。図1,2に示すように、シ
リンダブロック1の中心孔1b内には回転軸4の外周面
に摺動案内されて前後方向へ往復動される円筒状のスプ
ール24が収容されている。前記リヤ側ラジアルベアリ
ング6とスプール24との間にはリップシール25が設
けられ、該シール25はストップリング34により位置
規制されている。前記スプール24の先端に形成した大
径筒部24aの外周面は、前記中心孔1bの内周面に摺
接され、小径筒部24bの外周面と中心孔1bとの間に
は圧力室26が形成されている。そして、スプール24
の大径筒部24aの先端部を前記スリーブ12のリヤ側
端面に当接した状態で、圧力室26に制御油圧を供給す
ると、スプール24が回転軸4に案内されてスリーブ1
2が前方へ押動されて、斜板13が零度から傾斜位置に
復帰される。
【0019】前記リヤハウジング3の中心部には図2,
4に示すように回転軸4により駆動されるトロコイド型
の給油ポンプ27が収容されている。この給油ポンプ2
7は図5に示すように外側歯体27aと内側歯体27b
とからなる。外側歯体27aが回転軸4により回転され
ると、内側歯体27bが外側歯体27aよりも遅い速度
で同一方向へ回転する。両歯体27a,27b間の空隙
Vは両歯体27a,27bの回転速度差により容積増減
しつつ両歯体27a,27bの回転方向へ移動する。空
隙Vには円弧状の吸入口28aから油が吸入され、空隙
V内へ吸入された油は円弧状の吐出口29aから吐出さ
れる。この給油ポンプ27の吸入口28aには図2に示
すように前記クランク室2aの底部に連通する油吸入通
路28が接続されている。又、給油ポンプ27の吐出口
29aは油吐出通路29により回転軸4の中心に形成し
た油通路30のリヤ側開口に接続されている。そして、
油通路30には複数箇所に分岐油路30aが形成され、
ベアリング5,6、クランク室2a、スリーブ12等に
潤滑油を供給可能である。
【0020】さらに、前記油吐出通路29の途中には図
1,2に示すように第1電磁開閉弁31が設けられ、該
開閉弁31と前記給油ポンプ27との間の油吐出通路2
9は、シリンダブロック1及びリヤハウジング3に形成
した斜板傾角復帰用給油通路32を介して前記圧力室2
6に接続されている。又、該第1電磁開閉弁31により
前記油吐出通路29が閉鎖されると、油通路30への油
の供給が遮断され、かつ前記給油ポンプ27から給油通
路32を通して圧力室26に斜板傾角復帰用の制御油圧
が供給されるようにしている。
【0021】そこで、上記第1電磁開閉弁31の構成を
図6,7に基づいて説明する。図6に示すように、バル
ブケース36には弁室37が形成され、該室37には円
柱状の弁体38が収容されている。前記バルブケース3
6の上部には電磁ソレノイド39が取着され、そのコイ
ル40の内側には固定鉄芯41と可動鉄芯42が収容さ
れている。可動鉄芯42には第1作動ロッド43の基端
部が挿入固定され、その中間部は前記固定鉄芯41の中
心に形成した挿通孔を緩く貫通して前記弁体38に貫通
固定されている。
【0022】従って、前記コイル40の消磁状態では図
6に示すように弁体38が油吐出通路29を開放する位
置に保持される。このため油吐出通路29により潤滑油
が油通路30に供給され、クランク室2a内部の各摺動
部の潤滑が行われる。反対に、前記コイル40の励磁状
態では、図7に示すように可動鉄芯42が固定鉄芯41
に吸着され、第1作動ロッド43により弁体38が閉鎖
位置に移動される。このため給油ポンプ27から吐出さ
れた制御油圧は回転軸4内の油通路30には供給され
ず、傾角復帰用給油通路32から圧力室26内に供給さ
れるので、スプール24が前方に押動され、スリーブ1
2が同方向に移動されて、斜板13が零度から傾斜位置
に復帰される。
【0023】前記回転軸4には前記圧力室26と油通路
30を連通する油排出路30bが形成され、スプール2
4がストッパ19に当接する前進端に移動された場合
に、該油排出路30bが開放されて給油ポンプ27から
給油通路32により圧力室26に供給された制御油圧
を、前記油排出路30bから油通路30へ導くようにし
ている。
【0024】次に、図2、図6,図7に基づいて斜板1
3が傾斜位置にあって圧縮機の圧縮動作が行われている
途中で、後述する外部制御方式の制御装置57により斜
板13の傾角を零度に復帰するための傾角変更手段K3
について説明する。
【0025】図2に示すようにリヤハウジング3及びシ
リンダブロック1には吐出室3bとクランク室2aを連
通する給気通路44が形成され、クランク室2aと吸入
室3aを連通する抽気通路45が形成されている。そし
て、前記給気通路44の途中には第2電磁開閉弁46が
設けられている。この第2電磁開閉弁46の電磁ソレノ
イドは前記第1電磁開閉弁31の電磁ソノイド39を共
用している。
【0026】前記第2電磁開閉弁46は図6に示すよう
に、バルブケース47に形成した弁室48内に球状の弁
体49を備えている。該弁体49は復帰ばね50により
常には給気通路44を閉鎖する方向に付勢されている。
又、前記電磁ソレノイド39の可動鉄芯42の上端部に
は第2作動ロッド51が同一軸上に連結され、該作動ロ
ッド51の上端は前記弁体49の下面に当接されてい
る。又、電磁ソレノイド39の消磁状態では前記可動鉄
芯42は後述するばね56aを有するベロース56によ
り復帰ばね50の付勢力に抗して弁体49,38を開放
する位置に付勢されている。このようにして斜板13の
傾角変更手段K3が構成されている。
【0027】従って、図7に示すように電磁ソレノイド
39の励磁状態では、可動鉄芯42により第2作動ロッ
ド51が弁体49から離れる方向へ移動され、該弁体4
9は復帰ばね50により給気通路44を閉鎖する位置保
持される。そして、図8に示すように斜板13が傾斜位
置で圧縮機が圧縮運転されている状態で、前記電磁ソレ
ノイド39が消磁されると、図7においてベローズ56
により、弁体38、第1作動ロッド43、可動鉄芯42
及び第2作動ロッド51が上方へ移動され、該作動ロッ
ド51により弁体49が復帰ばね50の付勢力に抗して
給気通路44を開放する位置に移動される。このため、
吐出室3bから給気通路44を通してクランク室2aに
高圧の冷媒ガスが供給され、ピストン17に作用するク
ランク室圧力Pcと吸入圧力Psとの差圧Δp(以下、
単に差圧Δpという)が増大され、斜板13は傾斜位置
から零度位置に強制的に復帰される。
【0028】ところで、圧縮機の圧縮運転中は冷房負荷
に応じて容量可変制御が自動的に行われる。すなわち、
冷房負荷に比例する吸入圧力Psに応じて前記クランク
室2aと吸入室3aとを連通する前記抽気通路45の開
度を調整することによりピストン17に作用する前記差
圧Δpを調整するようになっている。この吐出容量を制
御するための圧力制御弁52を以下に説明する。
【0029】図6に示すように前記バルブケース47内
には前記弁室48の下方に位置するように収容室47a
が形成され、該収容室47aには抽気通路45を開閉す
る有蓋円筒状をなす弁体53が収容されている。この弁
体53は復帰ばね54により常には閉弁方向に付勢され
ている。又、弁体53の頭部上側には感圧室55が形成
され、該室55は弁体53の下流側の抽気通路45を通
して吸入室3a内の吸入圧力Psを感知する。そして、
感圧室55により感知した吸入圧力Psの変動及び復帰
ばね54の付勢力により弁体53による抽気通路45の
開度を調整する。又、この感圧室55は弁体53の頭部
に形成した連通路53aにより弁体53の内周面とベロ
ーズ56との間に形成された室47bと連通されてい
る。前記弁体53には前記第2作動ロッド51を摺動可
能に貫通する挿通孔53bが形成されている。
【0030】従って、冷房負荷が大きくて吸入圧力Ps
が大きい場合には、感圧室55の圧力が大きくて、弁体
53が開放されるので、クランク室2aから抽気通路4
5を通して吸入室3aへ流れるガスが多く、このためピ
ストン17に作用する前記差圧Δpが減少してピストン
17のストロークが増大され、圧縮機は大容量で運転さ
れる。反対に、冷房負荷が低下して吸入圧力Psが下が
ると、感圧室55の圧力も下がり、弁体53が抽気通路
45の開度を減少するので、前記差圧Δpが増大してピ
ストン17のストロークが減少し、圧縮機は小容量で運
転される。
【0031】図2に示すようにシリンダブロック1とバ
ルブプレート20にはクランク室2aと吸入室3aを連
通する固定絞りを有する抽気通路45Aが設けられ、ピ
ストン17の圧縮行程時にシリンダボア1a内周面とピ
ストン外周面の隙間を通してクランク室2aにブローバ
イされる冷媒ガスを吸入室3aに還流するようになって
いる。
【0032】図6に示すように、前記電磁ソレノイド3
9のコイル40にはマイクロコンピュータを具備する制
御装置57が接続されている。又、この制御装置57に
は外部信号発生器としてのエアコンスイッチ58が接続
されている。さらに、この制御装置57には図示しない
が吐出温度検出器、車室内温度検出器、吸入圧力検出器
及び吐出圧力検出器等の各種の指令、検出信号が入力さ
れるようにしている。
【0033】次に、前記のように構成した可変容量圧縮
機について、その作用を説明する。圧縮機が停止した状
態では図2に示すようにクランク室内の圧力Pc、吸入
室3a内の圧力Ps及び吐出室3b内の圧力Pdが共に
同圧力のため、スプール24が後退してスリーブ12が
後方に移動され、斜板13が零度位置に停止保持されて
いる。又、前記油圧駆動手段K2が停止され、第2電磁
開閉弁46の弁体49が給気通路44を開放する位置に
保持されている。
【0034】この状態でエンジン(図示略)が起動され
ると、ベルト8及びプーリ7を介してエンジンの回転が
回転軸4に直接伝達され、回転支持体9の支持アーム1
1が回転軸4の回りで公転される。このためヒンジ機構
K1により斜板13が零度位置で回転され、クラッチレ
ス状態の零容量運転が開始される。
【0035】次に、車室内の温度が上昇して冷房負荷が
増大し、エアコンスイッチ58がオンされると、制御装
置57から出力された動作信号により電磁ソレノイド3
9が励磁される。このため図7に示すように弁体38が
油吐出通路29を閉鎖するので、給油ポンプ27による
油通路30への潤滑油の供給が停止されるとともに、傾
角復帰用給油通路32から圧力室26に圧油が供給され
る。このため図8に示すようにスプール24が前進して
斜板13が零度位置から傾斜位置に変位され、圧縮動作
が開始される。そして、ピストン17がシリンダボア1
a内で往復動され、吸入室3aからシリンダボア1a内
に吸入した冷媒ガスは圧縮された後、吐出室3bへ吐出
される。
【0036】又、前記電磁ソレノイド39の励磁により
可動鉄芯42とともに第2作動ロッド51が図6におい
て下方に移動されて、図7に示すように第2電磁開閉弁
46の弁体49が復帰ばね50により給気通路44を閉
鎖する位置に移動され、吐出室3bからクランク室2a
への冷媒ガスの供給が停止される。
【0037】前記圧力室26への制御油圧の供給により
スプール24は前記ストッパ19により停止されるが、
その後は制御油圧は回転軸4に設けた油排出路30bが
スプール24の前進により開放されるので、クランク室
2aに還流される。
【0038】ところで、圧縮動作中において車室内の温
度が低く冷房負荷が小さい場合には、吸入圧力Psが低
いので、図7に示す圧力制御弁52の弁体53により抽
気通路45の開度が減少され、このためピストン17に
作用する差圧Δpが大きく保たれ、斜板13は小容量運
転を行う小傾角に保持される。反対に、冷房負荷が大き
い場合には吸入圧力Psが大きいので、圧力制御弁52
の弁体53により抽気通路45の開度が増大され、この
ため前記差圧Δpが小さくなり、斜板13はスプール2
4から離隔して最大傾角へ移行する。このように定常運
転中は圧力制御弁52により抽気通路45の開度が冷房
負荷に比例する吸入圧力Psの変動に応じて調整され、
ピストン17に作用する差圧Δpが調整され、冷房負荷
に応じて斜板13の傾角が変更されて吐出容量が調整さ
れる。
【0039】そして、冷房負荷の低減によりエアコンス
イッチ58がオフされると、図7において電磁ソレノイ
ド39が消磁され、図6に示すように第1電磁開閉弁3
1の弁体38が吐出通路29を開放するので、圧力室2
6への圧油の供給が停止され、スプール24はフリー状
態となる。又、前記第2作動ロッド51が第2電磁開閉
弁46の弁体49を復帰ばね50の付勢力に抗して開弁
し、給気通路44を開放するので、吐出室3bからクラ
ンク室2a内に高圧の冷媒ガスが供給され、斜板13は
ピストン17に作用する差圧Δpの増大により零度位置
に強制復帰され、圧縮機は零容量運転に切り換えられ
る。
【0040】さらに、エンジンが停止されると、圧縮機
も停止される。この停止状態では圧縮機内の各室が同圧
力となるので、図1に示すように斜板13は零度位置に
保持される。なお、圧縮機が再起動された場合には、斜
板13が零度位置で回転するので、この回転による遠心
力により斜板13が傾斜しないように重心の位置が設定
されている。
【0041】さて、この第1実施例では前述したように
球面12aを有するスリーブ12を回転軸4に嵌合した
スプール24により押動して斜板13を零度位置から傾
斜位置に復帰するようにしたので、スリーブ12の押動
動作が円滑に行われ、斜板13の零度位置から傾斜位置
への切換を円滑に行い、容量制御特性を向上することが
できる。
【0042】この発明の第2実施例を図9に基づいて説
明する。この実施例ではスプール24の外周面と内周面
に環状のシール溝を形成し、両シール溝にシールリング
35,35Aを係合している。そして、圧力室26内の
シール性を向上し、給油ポンプ27から圧力室26に制
御油圧が供給された場合に、スプール24の前進動作を
より確実に行うことができるようにしている。なお、そ
の他の構造及び作用は前記第1実施例と同様である。
【0043】なお、この実施例では圧縮機を零容量状態
にするため斜板13を零度に規制するようにしている
が、圧縮仕事をしない範囲内で斜板13を若干傾斜する
位置に規制するようにしてもよく、特許請求の範囲にお
いて斜板の零度はこの趣旨を含むものとする。
【0044】又、この発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、次のように具体化することもできる。 (1)図10に示すようにシリンダブロック1に形成し
た例えば円筒状あるいは円弧状のスプール収容室1c内
にスプール24を収容し、該スプール24によりスリー
ブ12の端面を押動するようにすること。なお、24c
はスプール24が前進端まで移動した場合に、前記スト
ッパ19に係止されてスプール収容室1cからの離脱を
防止する係止片である。
【0045】(2)前記傾角変更手段K3を図示しない
が電磁ソレノドにより構成すること。 (3)前記実施例で給油ポンプ27を使用したが、クラ
ンク室2a内あるいは吸入室3a内の冷媒ガスを圧力室
に供給する流体ポンプを使用すること。
【0046】(4)前記実施例では回転軸4により給油
ポンプ27を駆動するようにしたが、給油ポンプ27を
回転軸4から分離し、エアコンスイッチ58がオンされ
た場合のみ、給油ポンプ27を例えば電動モータ(図示
略)で駆動して潤滑油を圧力室26へ供給するようにす
ること。この場合には、クランク室2a内の各摺動部の
潤滑は別機構で行う。
【0047】(5)スプール24が前進端まで移動して
圧力室26の圧力が設定値を超えた場合に、第1電磁開
閉弁31の弁体38が油吐出通路29を開放して、油通
路30へ潤滑油を供給するように構成すること。
【0048】(6)油排出路としてスプール24周りと
シリンダブロック1との間のクリアランスを利用するこ
と。
【0049】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明は圧縮機
内にある流体を吸入・吐出する流体ポンプと、該流体ポ
ンプから吐出された流体を導く圧力室と、該圧力室に供
給された加圧流体により前進して斜板支持用の前記球面
を有するスリーブを押動し斜板を零度位置から傾斜位置
に復帰するスプールとにより構成したので、斜板を零容
量状態から容易に傾斜位置に復帰させて圧縮動作を開始
することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を斜板式可変容量圧縮機に具体化した
第1実施例を示す要部の縦断面図である。
【図2】斜板式可変容量圧縮機全体を示す零容量状態の
縦断面図である。
【図3】ヒンジ機構付近の横断面図である。
【図4】図2のA−A線断面図である。
【図5】給油ポンプの断面図である。
【図6】電磁開閉弁、電磁開閉弁及び圧力制御弁を示す
縦断面図である。
【図7】電磁開閉弁、電磁開閉弁及び圧力制御弁を示す
縦断面図である。
【図8】傾斜位置にある斜板付近の断面図である。
【図9】この発明の第2実施例を示す斜板付近の断面図
である。
【図10】この発明の別例を示す斜板付近の断面図であ
る。
【符号の説明】
1…シリンダブロック、1a…シリンダボア、2…フロ
ントハウジング、2a…クランク室、3…リヤハウジン
グ、3a…吸入室、3b…吐出室、4…回転軸、9…回
転支持体、11…支持アーム、12…スリーブ、12a
…球面、13…斜板、13a…軸受部、14…支持ピ
ン、17…ピストン、24…スプール、26…圧力室、
27…給油ポンプ、31…第1電磁開閉弁、32…傾角
復帰用給油通路、39…電磁ソレノイド、44…給気通
路、46…第2電磁開閉弁、K1…ヒンジ機構、K2…
油圧(流体圧)駆動手段、K3…傾角変更手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水藤 健 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジング内に片側ピストンを収容する
    ための複数のシリンダボアを互いに平行に形成したシリ
    ンダブロックを設け、前記ハウジングの一方にクランク
    室を設けて回転軸を支持し、該回転軸には回転支持体を
    固定するとともに球面を有するスリーブを前後方向の往
    復動可能に支持し、該スリーブの球面には斜板を回動可
    能に支持し、前記回転支持体にはヒンジ機構を介して前
    記斜板を前後方向への往復傾動可能に装着し、前記回転
    軸の回転により前記斜板を前後に揺動させて前記片側ピ
    ストンをシリンダボア内で往復動させ、吸入室から吸入
    した冷媒ガスをシリンダボア内で圧縮して吐出室へ吐出
    するようになし、さらに前記ピストンの背面に作用する
    クランク室圧力と前面に作用する吸入圧力との差圧によ
    り斜板の傾角を変更してピストンの往復動ストロークを
    変更することにより、吐出容量を調整するように構成し
    たクラッチレス揺動斜板式可変容量圧縮機において、 外部信号発生器からのオフ信号により前記斜板の傾角を
    傾斜状態から零度に復帰するための傾角変更手段と、 外部信号発生器からのオン信号により前記斜板の傾角を
    零度から傾斜位置に復帰するための流体圧駆動手段とを
    備え、 上記流体圧駆動手段は、圧縮機内にある流体を吸入・吐
    出する流体ポンプと、該流体ポンプから吐出された流体
    を導く圧力室と、該圧力室に供給された加圧流体により
    前進して斜板支持用の前記球面を有するスリーブを押動
    し斜板を零度位置から傾斜位置に復帰するスプールと、 前記スプールの作動後に圧力室からクランク室に油を排
    出する油排出路とにより構成されているクラッチレス揺
    動斜板式可変容量圧縮機。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記スプールは円筒
    状に形成され、該スプールは回転軸の外周面と回転軸を
    挿通するシリンダブロックの中心孔内周面との間に前後
    方向への往復動可能に嵌合され、スプールの外周面と中
    心孔の内周面との間及びスプールの内周面と回転軸の外
    周面との間には、シールリングが介在されているクラッ
    チレス揺動斜板式可変容量圧縮機。
JP5004359A 1993-01-13 1993-01-13 クラッチレス揺動斜板式可変容量圧縮機 Pending JPH06213151A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000337736A (ja) * 1999-05-28 2000-12-08 Saginomiya Seisakusho Inc 感圧制御弁
US6638026B2 (en) 2001-01-12 2003-10-28 Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki Control valve for variable displacement compressor
WO2023189943A1 (ja) * 2022-03-31 2023-10-05 川崎重工業株式会社 回転斜板式液圧ポンプ
WO2023189944A1 (ja) * 2022-03-31 2023-10-05 川崎重工業株式会社 回転斜板式液圧ポンプ

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