JPH06212406A - アーク放電真空蒸着装置 - Google Patents

アーク放電真空蒸着装置

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JPH06212406A
JPH06212406A JP658893A JP658893A JPH06212406A JP H06212406 A JPH06212406 A JP H06212406A JP 658893 A JP658893 A JP 658893A JP 658893 A JP658893 A JP 658893A JP H06212406 A JPH06212406 A JP H06212406A
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JP
Japan
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film
arc
forming
metal
opening
Prior art date
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Pending
Application number
JP658893A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhiro Kibi
康浩 吉備
Takashi Murata
隆 村田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissin Electric Co Ltd
Original Assignee
Nissin Electric Co Ltd
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Publication date
Application filed by Nissin Electric Co Ltd filed Critical Nissin Electric Co Ltd
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Publication of JPH06212406A publication Critical patent/JPH06212406A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 アーク放電を生じる負電極2のアーク発生面
2aから負電極2を構成する成膜金属を蒸発させて被膜
を形成する際に、アーク発生面2aに対する飛び出し角
度が垂直に近づく程、小径化した金属粒子が発生する。
負電極2の周囲には、アーク発生面2aに対向して形成
された開口部6aを有するカバー6が設けられている。 【効果】 アーク発生面2aとカバー6の開口部6aの
周縁との成す角度よりも大きな飛び出し角度でもって飛
び出した金属粒子のみが開口部6aを介してカバー6の
外部に飛散し、この外部に飛散した金属粒子が成膜対象
物3に付着することになる。従って、小さな径のドロッ
プレットのみが成膜対象物3に発生することになり、結
果として成膜対象物3の面粗度が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成膜対象物の表面の改
質等に適用されるアーク放電真空蒸着装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】例えばドリルやエンドミル等の切削工具
は、金属等の加工対象物よりも大きな硬度を有する必要
があるため、通常、表面に硬質金属等からなる被膜が形
成されるようになっている。この被膜の形成には、アー
ク放電真空蒸着装置が多用されており、従来のアーク放
電真空蒸着装置は、図2に示すように、プロセスガスを
導入可能であると共に真空排気が可能な真空容器31内
に、硬質金属等の成膜金属からなる負電極32と切削工
具等の成膜対象物33とを配設し、真空容器31および
負電極32にアーク電圧を印加させるようになってい
る。
【0003】これにより、従来のアーク放電真空蒸着装
置は、真空容器31と負電極32との間にアーク放電を
生じさせることにより負電極32を構成する成膜金属を
蒸発させ、この蒸発した成膜金属をバイアス電圧が印加
された成膜対象物33に付着させることによって、成膜
金属の被膜を形成させるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、成膜対象物
33は、例えば切削工具により切削された加工対象物の
切削面が平滑である程、仕上げ等の後工程を簡単化でき
ると共に製品の品質を向上させることができるため、被
膜の面粗度を向上させることが望まれている。
【0005】しかしながら、負電極32である成膜金属
が蒸発すると、この蒸発と共に、蒸発した成膜金属の集
合体である金属粒子が負電極32から飛散し、この金属
粒子が成膜対象物33に付着して面粗度に関係するドロ
ップレットを発生させることになる。このドロップレッ
トの径は、金属粒子の粒子径により決定されるものであ
り、金属粒子の粒子径は、負電極32から蒸発する際の
飛び出し角度に応じて異なることが知られている。即
ち、例えば図3に示すように、金属粒子は、負電極32
のアーク発生面に対する飛び出し角度が垂直に近づく
程、小径化することが知られている。
【0006】従って、上記従来のアーク放電真空蒸着装
置では、負電極32から様々な粒子径でもって金属粒子
が飛散し、大きな粒子径の金属粒子が成膜対象物33に
付着することによる大きな径のドロップレットの発生に
よって、被膜の面粗度を向上させるという要望に応える
ことができないという問題がある。
【0007】従って、本発明においては、成膜対象物3
3に形成された被膜の面粗度を向上させることができる
アーク放電真空蒸着装置を提供することを目的としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のアーク放電真空
蒸着装置は、上記課題を解決するために、アーク放電を
生じる成膜金属のアーク発生面から上記成膜金属を蒸発
させて成膜対象物に被膜を形成させる際に、上記アーク
発生面に対する飛び出し角度が垂直に近づく程、小径化
する上記成膜金属の金属粒子が成膜対象物に付着するも
のであり、下記の特徴を有している。
【0009】即ち、上記成膜金属の周囲には、アーク発
生面に対向して形成された開口部を有するカバー手段が
設けられていることを特徴としている。
【0010】
【作用】上記の構成によれば、アーク発生面とカバー手
段の開口部の周縁との成す角度よりも大きな飛び出し角
度でもって飛び出した金属粒子が開口部を介してカバー
手段の外部に飛散することになる。この際、金属粒子の
飛び出し角度がアーク発生面に対して垂直に近づく程、
金属粒子が小径化したものになっている。従って、カバ
ー手段の外部に飛散する金属粒子は、カバー手段の開口
部によって所定の粒子径以下のものに限定されることに
なり、この金属粒子が付着した成膜対象物は、小さな径
のドロップレットのみが発生するため、被膜の面粗度が
向上することになる。
【0011】
【実施例】本発明の一実施例を図1に基づいて説明すれ
ば、以下の通りである。
【0012】本実施例に係るアーク放電真空蒸着装置
は、図1に示すように、真空排気が可能な真空容器1を
有しており、N2 ガス等のプロセスガスが導入されるよ
うになっている。真空容器1内には、成膜対象物3・3
の被膜の形成に用いられる成膜金属からなる負電極2が
設けられている。尚、この成膜金属には、例えばTiや
Cr等の硬質金属が挙げられる。上記の負電極2には、
アーク電源4の負極側が接続されており、アーク電源4
の正極側は、上述の真空容器1に接続されていると共
に、アーク放電を開始させるトリガ電極5に接続されて
いる。
【0013】上記のトリガ電極5は、負電極2における
アーク発生面2aの前方に設けられており、負電極2へ
の接触が可能になっている。また、トリガ電極5および
負電極2の周囲には、導電性を有したカバー6(カバー
手段)が設けられている。そして、カバー6は、トリガ
電極5によりアーク放電が開始された後、負電極2のア
ーク発生面2aとでアーク放電を生じさせることによっ
て、アーク発生面2aから負電極2を構成する金属を蒸
発させるようになっている。
【0014】上記のアーク発生面2aに対向する位置関
係にあるカバー6の頂部には、開口部6aが形成されて
いる。この開口部6aは、負電極2から飛び出した金属
粒子をカバー6の外部に飛散させるようになっている。
この開口部6aの位置および大きさは、開口部6aの周
縁Bと負電極2のアーク発生面2aにおける中心点Aと
を結ぶ直線がアーク発生面2aに対して所定角度θでも
って交錯するように設定されている。これにより、開口
部6aからカバー6の外部に飛散する金属粒子は、アー
ク発生面2aから飛び出す際の飛び出し角度が略所定角
度θよりも大きなものに限定されるようになっている。
【0015】尚、上記の所定角度θは、45度であるこ
とが望ましい。また、開口部6aの位置および大きさ
は、開口部6aの周縁Bと負電極2のアーク発生面2a
における中心点Aとを結ぶ直線がアーク発生面2aに対
して所定角度θでもって交錯するように設定されている
が、これに限定されるものではない。但し、このように
設定することによって、カバー6の外部に飛散する金属
粒子の粒子径を考慮したカバー6の設計が容易になると
いう利点がある。
【0016】上記のカバー6の外部に位置する真空容器
1内には、切削工具等の複数の成膜対象物3・3が設け
られるようになっている。これらの成膜対象物3・3
は、矢符方向に回転可能な取り付け具7に固設されるよ
うになっており、取り付け具7は、洗浄工程時や成膜工
程時に成膜対象物3・3を旋回させるようになってい
る。また、取り付け具7には、バイアス電源8の負極側
が接続されており、バイアス電源8は、取り付け具7を
介して成膜対象物3・3に負のバイアス電圧を印加する
ようになっている。
【0017】上記の構成において、アーク放電真空蒸着
装置の動作について説明する。
【0018】先ず、成膜対象物3・3が真空容器1内に
搬入され、取り付け具7に装着されることになる。そし
て、真空容器1内が図示しない真空ポンプにより10-5
〜10-6 Torr 程度に真空排気された後、必要に応じて
所望の洗浄ガスが真空容器1内に導入されることにな
る。
【0019】次いで、バイアス電源8からのバイアス電
圧(−1000V程度)が取り付け具7を介して成膜対
象物3・3に印加されることになり、成膜対象物3・3
の表面が真空容器1内に存在する洗浄ガスのイオンとの
衝突により洗浄されることになる。この後、真空容器1
内に導入された洗浄ガスが真空排気により外部に排出さ
れ、真空容器1内の真空度が10-5〜10-6 Torr 程度
に達したときに、N2ガス等のプロセスガスが導入され
ることになる。
【0020】次に、バイアス電源8からのバイアス電圧
が−200V程度に調整された後、トリガ電極5が負電
極2のアーク発生面2aに接触されることになると共
に、アーク電源4からアーク電圧がトリガ電極5および
真空容器1と負電極2とに印加されることになる。そし
て、トリガ電極5がアーク発生面2aから離反されるこ
とによりアーク放電が開始されることによって、アーク
放電がアーク発生面2aとカバー6の内面および真空容
器1の隔壁との間において持続されることになる。
【0021】上記のアーク放電は、アーク発生面2aか
ら負電極2を構成する成膜金属を蒸発させることにな
り、この蒸発した成膜金属は、プロセスガスとによって
例えばTiN等の被膜を成膜対象物3・3に形成させる
ことになる。
【0022】また、上記のアーク放電は、成膜金属を蒸
発させると共に、アーク発生面に対する飛び出し角度が
垂直に近づく程、小径化する金属粒子を生成させること
になる。この際、金属粒子が飛び出す方向には、開口部
6aが形成されたカバー6が設けられており、このカバ
ー6の開口部6aの位置および大きさは、開口部6aの
周縁Bと負電極2のアーク発生面2aにおける中心点A
とを結ぶ直線がアーク発生面2aに対して所定角度θで
もって交錯するように設定されている。
【0023】従って、アーク発生面2aに対する金属粒
子の飛び出し角度が略所定角度θ以下の場合には、金属
粒子がカバー6の内壁に衝突することによりカバー6の
外部に飛散することがない。一方、アーク発生面2aに
対する金属粒子の飛び出し角度が略所定角度θよりも大
きい場合には、金属粒子がカバー6の開口部6aからカ
バー6の外部に飛散することになる。これにより、成膜
対象物3・3には、アーク発生面2aに対する飛び出し
角度が略所定角度θよりも大きい金属粒子の粒子径以下
の金属粒子のみが付着することになる。
【0024】このように、本実施例のアーク放電真空蒸
着装置は、負電極2のアーク発生面2aに対向する開口
部6aが形成されたカバー6を負電極2の周囲に設ける
ようになっている。これにより、アーク発生面2aと開
口部6aの周縁との成す角度よりも大きな飛び出し角度
でもって飛び出した金属粒子が開口部6aを介してカバ
ー6の外部に飛散することになり、この外部に飛散した
金属粒子によりドロップレットが形成されることにな
る。従って、金属粒子の飛び出し角度がアーク発生面2
aに対して垂直に近づく程、金属粒子が小径化するた
め、成膜対象物3・3には、小さな径のドロップレット
のみが発生することになり、結果として面粗度の向上し
た被膜が形成されることになる。
【0025】
【発明の効果】本発明のアーク放電真空蒸着装置は、以
上のように、アーク放電を生じる成膜金属のアーク発生
面から上記成膜金属を蒸発させて成膜対象物に被膜を形
成させる際に、上記アーク発生面に対する飛び出し角度
が垂直に近づく程、小径化する上記成膜金属の金属粒子
が成膜対象物に付着するものである。そして、上記成膜
金属の周囲には、アーク発生面に対向して形成された開
口部を有するカバー手段が設けられている構成である。
【0026】これにより、アーク発生面とカバー手段の
開口部の周縁との成す角度よりも大きな飛び出し角度で
もって飛び出した金属粒子が開口部を介してカバー手段
の外部に飛散し、この外部に飛散した金属粒子のみが成
膜対象物に付着するため、小さな径のドロップレットの
みが成膜対象物に発生することになり、結果として成膜
対象物の面粗度が向上するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を示すものであり、アーク放電真空蒸着
装置の概略図である。
【図2】従来例を示すものであり、アーク放電真空蒸着
装置の概略図である。
【図3】飛び出し角度とドロップレットの最大径との関
係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 真空容器 2 負電極 2a アーク発生面 3 成膜対象物 4 アーク電源 5 トリガ電極 6 カバー(カバー手段) 6a 開口部 7 取り付け具 8 バイアス電源

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アーク放電を生じる成膜金属のアーク発生
    面から上記成膜金属を蒸発させて成膜対象物に被膜を形
    成させる際に、上記アーク発生面に対する飛び出し角度
    が垂直に近づく程、小径化する上記成膜金属の金属粒子
    が成膜対象物に付着するアーク放電真空蒸着装置におい
    て、 上記成膜金属の周囲には、アーク発生面に対向して形成
    された開口部を有するカバー手段が設けられていること
    を特徴とするアーク放電真空蒸着装置。
JP658893A 1993-01-19 1993-01-19 アーク放電真空蒸着装置 Pending JPH06212406A (ja)

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JP658893A JPH06212406A (ja) 1993-01-19 1993-01-19 アーク放電真空蒸着装置

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE4341559A1 (de) * 1992-12-28 1994-06-30 Hyundai Motor Co Ltd Anti-Roll-System für Fahrzeuge
JP2016528391A (ja) * 2013-08-20 2016-09-15 エムディーエス コーティング テクノロジーズ コーポレーション マクロ粒子を含む皮膜及びその皮膜を形成する陰極アークプロセス

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