JPH062024B2 - プロセスチ−ズの製造法 - Google Patents

プロセスチ−ズの製造法

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JPH062024B2
JPH062024B2 JP28580685A JP28580685A JPH062024B2 JP H062024 B2 JPH062024 B2 JP H062024B2 JP 28580685 A JP28580685 A JP 28580685A JP 28580685 A JP28580685 A JP 28580685A JP H062024 B2 JPH062024 B2 JP H062024B2
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JP
Japan
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cheese
natural
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JP28580685A
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茂 相沢
俊次 林
義樹 米田
有 桑田
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Meiji Dairies Corp
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Meiji Milk Products Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、原料であるナチュラルチーズの風味及び物性
の特色を生かした新規なプロセスチーズの製造法に関す
る。
〔従来の技術〕
従来、プロセスチーズの製造は、1種又は2種以上のナ
チュラルチーズを機械的に粉砕、混合し、必要に応じ
て、水、食塩、食用色素、調味料、香辛料、溶融剤など
を添加したのち、加熱溶融して、乳化とともに殺菌を行
ない、包装したのち冷却するという工程によって行なわ
れている。このうち、乳化工程においては、溶融剤とし
て、りん酸塩及び又はくえん酸塩等を添加するのが常で
ある。
もし、チーズを加熱溶融するのに際して、溶融剤を使用
しない場合は乳化が不十分となり、水と脂肪が分離し、
到底製品とはなり得ない。
以上のような工程により製造されるプロセスチーズに
は、ナチュラルチーズに比較して次のような利点があ
る。
加熱によって殺菌及び酵素の失活が行なわれており、
保存性が良い。
原料ナチュラルチーズの配合により、特有の風味に調
整できる。その上、溶融剤の種類と添加量を変えること
で、目的に応じた組織のものを作ることができる。
品質のバラツキが少なく、形状や大きさを任意に決め
られる。
乳化が安定で保存中に脂肪と水の分離が少ない。
しかし、ナチュラルチーズと比較して逆に次のような欠
点も有する。
原料ナチュラルチーズが本来持っている風味が減少
し、単調な風味になる。特有の薬品臭がする場合もあ
る。
チーズトースト等に使用する際の加熱溶融性が悪くな
る。
製品を加熱溶融した際、曳糸性がない。
保存中に砂状組織を呈する場合がある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は、上述のような溶融剤を用いた従来のプロセス
チーズの欠点を解消し、ナチュラルチーズの風味及び加
熱溶融性や曳糸性等の特性を生かしたプロセスチーズを
製造する方法を提供するものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、プロセスチーズの構造において特定のポ
リグリセリン脂肪酸エステルを乳化剤として用いること
により、ナチュラルチーズとプロセスチーズの利点を兼
ね備えたプロセスチーズを製造できることを見出した。
乳化剤のみでプロセスチーズを製造した例はこれまでに
はない。溶融剤の補助的役割を期待して、溶融剤と乳化
剤を併用する場合はあるが、レシチン、モノグリセリン
脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂
肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル等
の乳化剤の使用は、原料チーズの溶融乳化時には、乳化
を促進するよりも、期待に反して効果が全く得られない
ばかりか、むしろ分離を促すことが多い。ポリグリセリ
ン脂肪酸エステルについても、10個以上のグリセリン単
位と炭素数18個以下である脂肪族アシルエステル基1〜
2個とから構成されるもの以外は効果がなく、この範囲
のもののみが乳化に大きな効果があった。ただし脂肪酸
炭素数12個以下のものについては、苦味、刺激味が強く
食品には適用が難しい。実際に使えるものとしては、脂
肪酸炭素数14〜18のものに限られる。そして、後記の試
験例から明らかなように、脂肪酸の炭素数が14〜16のポ
リグリセリン脂肪酸エステルを用いた場合に特に乳化状
態が良好であり、風味のよいプロセスチーズが得られ
る。
溶融剤を使用せず、本発明の乳化剤のみで乳化したプロ
セスチーズは、風味は、原料のナチュラルチーズに近
く、加熱溶融性、曳糸性もナチュラルチーズと同様に近
いものであり、従来のプロセスチーズにはない、プロセ
スチーズとナチュラルチーズの利点を兼ね備えた品質で
あった。
また、この乳化剤と溶融剤を併用することも可能である
が、溶融剤を併用した場合、その添加量が多いと製造さ
れるプロセスチーズの品質は、従来のプロセスチーズに
近づく。
本発明のプロセスチーズにチーズの風味と調和する副原
料としてキャラウエー、セロリー、とうがらし、パプリ
カなどの香辛料、ピメント、しその葉などの野菜類、ア
ーモンドなどの乾果類、鮭の水煮やくん製、ハム、ベー
コンなどの獣肉類を加えることも可能である。
〈試験例−1〉 本発明に従って、溶融剤を使用せずに製造したプロセス
チーズの品質特性を、ナチュラルチーズ及び溶融剤を使
用した通常のプロセスチーズと比較して表−1に示す。
*-1加熱溶融性…チーズを加熱した時にとける性質。
ピザやチーズトーストなどに使用する場合には、必要と
される。ナチュラルチーズは加熱溶融性を示すが、一部
を除いた一般のプロセスチーズにはない。
*-2曳糸性…チーズを加熱溶融して、一定方向に引張
った時に示す糸を引くように伸びる性質。一部を除いた
一般のプロセスチーズには曳糸性はないが、ナチュラル
チーズは曳糸性を示す。ピザやチーズトーストなどチー
ズを加熱して食する時に、曳糸性のある方が好まれるこ
とが多い。
*-3オイルオフ…チーズから脂肪が分離してくる現
象。冷蔵では問題ないが、流通段階で冷蔵が不十分な場
合に見られることがある。高温(例えば30℃)での強制
試験においては、一般にプロセスチーズよりナチュラル
チーズの方がオイルオフの量が多い。
表−1に示す結果より、本発明によるプロセスチーズが
ナチュラルチーズと同様の風味及び加熱溶融性、曳糸性
を有し、なおかつ、従来のプロセスチーズと同様になめ
らかな組織であって、オイルオフの少ないものであるこ
とがわかる。
〈試験例−2〉 ナチュラルチーズに種々の乳化剤を添加、加熱し、溶融
乳化した際の乳化性及び風味を表−2に示す。
表−2の結果から明らかなように、ポリグリセリン脂肪
酸エステル以外の乳化剤では乳化の効果はない。またポ
リグリセリン脂肪酸エステルを使用した場合でも、グリ
セリン単位10個以上と18個以下の炭素原子を有する1〜
2個の脂肪族アシルエステル基とから成るものでは乳化
状態が良好となるが、それ以外のポリグリセリン脂肪酸
エステルでは脂肪又は水の分離がみられる。さらに、脂
肪族アシルエステル基の炭素数が12以下のものでは乳化
状態は良好であるが、風味の点で苦味、刺激味が強く実
用に供し得ない。
従って本発明では、乳化剤として10個以上のグリセリン
単位とそれぞれ14〜18個の炭素原子を有する1〜2個の
脂肪族アシルエステル基とから構成されるポリグリセリ
ン脂肪酸エステルを用いることにより、所期の目的を達
成しうるものである。
本発明で使用しうる乳化剤を例示すると、デカグリセリ
ンモノステアレート、デカグリセリンモノオレート、デ
カグリセリンモノパルミテート、デカグリセリンモノミ
リステート、ドデカグリセリンモノステアレート、ドデ
カグリセリンモノオレート、ドデカグリセリンモノパル
ミテート、ドデカグリセリンモノミリステート、ウルト
ラポリグリセリンモノステアレート、ウルトラポリグリ
セリンモノオレート、ウルトラポリグリセリンモノパル
ミテート、ウルトラポリグリセリンモノミリステート、
デカグリセリンジステアレート、デカグリセリンジオレ
ート、デカグリセリンジパルミテート、デカグリセリン
ジミリステート等がある。
なお、上記乳化剤におけるウルトラポリグリセリンとは
グリセリン単位が12個以上のポリグリセリンの混合物で
ある。
また、乳化性が特にすぐれ、製品の風味も良好であるの
は、表2に示されるように脂肪族アシルエステル基の炭
素数が14〜16のポリグリセリン脂肪酸エステル例えばデ
カグリセリンモノパルミテート、デカグリセリンモノミ
リステートを用いた場合である。
〔実施例〕
以下に本発明の実施例を示す。
〈実施例−1〉 エダムチーズ1.5kgとゴーダチーズ1.5kgを粉砕して、チ
ーズ乳化釜に入れ、水200gとドデカグリセリンモノパル
ミテート16gを加え、150rpmでかくはんしながら85℃ま
で加熱した。これを充てん包装機でカルトン詰めし、冷
却した。このプロセスチーズは、原料のナチュラルチー
ズと同様の風味を有し、組織はなめらかであり、加熱溶
融性、曳糸性とも良好であった。対照として上記配合の
うち、ドデカグリセリンモノパルミテートを添加せずに
実施したところ乳化工程時に水が著しく分離した。
〈実施例−2〉 チェダーチーズ2kgとゴーダチーズ1kgを粉砕してチー
ズ乳化釜に入れ、水200gとデカグリセリンモノミリステ
ート10gを加え、実施例−1と同様の操作を行なったと
ころ、原料ナチュラルチーズと同様の風味を有し、なめ
らかな組織の、加熱溶融性、曳糸性とも良好なチーズが
得られた。
〈実施例−3〉 サムソーチーズ1.5kgとエメンタールチーズ1.5kgを粉砕
してチーズ乳化釜に入れ、水200gとデカグリセリンモノ
ステアレート8gを加え、実施例−1と同様の操作を行
なった。得られたプロセスチーズは、原料ナチュラルチ
ーズと同様の風味を有し、組織、加熱溶融性、曳糸性と
も良好であった。
〈実施例−4〉 チェダーチーズ1.5kgとサムソーチーズ1.5kgを粉砕し
て、チーズ乳化釜に入れ、水200gとデカグリセリンモノ
パルミテート12g、くえん酸ナトリウム20gを加え、実施
例−1と同様の操作を行った。得られたプロセスチーズ
の風味は原料チーズに近く組織はなめらかであり、加熱
溶融性、曳糸性とも十分有していた。
〈実施例−5〉 ゴーダチーズ3kgを粉砕して、チーズ乳化釜に入れ、水
200gとウルトラポリグリセリンモノミリステート10g、
ポリリン酸ナトリウム20gを加え、実施例−1と同様の
操作を行なったところ、原料チーズに近い風味を有す
る、組織のなめらかな、加熱溶融性及び曳糸性の十分あ
るプロセスチーズが得られた。
〔発明の効果〕
本発明の製造法により、ナチュラルチーズの風味を有
し、加熱溶融性、曳糸性のナチュラルチーズの特性をも
ちながら、オイルオフが少ない等のプロセスチーズの利
点をも兼ね備えたプロセスチーズを得ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ナチュラルチーズに、10個以上のグリセリ
    ン単位とそれぞれ14〜18個の炭素原子を有する1〜2個
    の脂肪族アシルエステル基とから構成されるポリグリセ
    リン脂肪酸エステルを添加して加熱乳化せしめ、これを
    包装材に充填したのち、冷却固化させることを特徴とす
    るプロセスチーズの製造法。
JP28580685A 1985-12-20 1985-12-20 プロセスチ−ズの製造法 Expired - Lifetime JPH062024B2 (ja)

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JPS62146556A JPS62146556A (ja) 1987-06-30
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