JPH0620186B2 - 携帯形無線機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ダイバシティ受信技術を適用したものであ
り、移動使用に適用する携帯形無線機に関する。

〔従来の技術〕

従来の携帯形無線では、中波・中短波を除き、一般にロ
ッドアンテナを用いており、ＶＨＦ帯・ＵＨＦ帯では１
メートル以下の短いアンテナで効率よく動作するため、
携帯用通信機ではＳＷ帯よりもＶＨＦ帯・ＵＨＦ帯を専
ら使用しており、また、ＦＭ放送はＶＨＦ帯が、ＴＶ放
送はＶＨＦ帯とＵＨＦ帯がそれぞれ使われている。

また、電波には光と同じく直進する性質と反射する性質
があり、この性質は周波数が高くなるほど顕著となって
来て直接波と反射波とが干渉し、強弱の差が生じるため
に受信機の位置を移動したり、ロッドアンテナの方向を
変えたりして良好な受信状態を求めることが行われてい
るが、移動中の受信において、強度のフェーディングと
なることは避けられない現象であり、この対策として固
定受信には指向性アンテナを用いて反射波の影響を除く
ようにしたり、また、特開梢58−182927号に開示されて
いるようにダイバシティ受信方式では、２台の受信機に
よる信号比較において包絡線検出特性のばらつきを補正
するため包絡線検出器出力を時分割的に使用して判定し
受信機系統を切換えている。また移動無線用としては特
開昭58−184837号には一台の受信機と２つのアンテナを
用い、主アンテナは合成部を通して受信部に接続し、副
アンテナは制御部の制御で一定周期で変動させる変調器
を通して前記合成部に供給する受信電界の変動マージン
を補償するもの等がある。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明は携帯移動時における周囲の状況からの反射波に
よる電波干渉を生じやすいVHF帯・UHF帯の携帯形無線機
において、特別にダイバシティ用アンテナの付設や２組
の受信回路を設けることなくダイバシティ効果を得るこ
とを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

マイクコードから高周波コイルを介して送信部への接続
および結合コンデンサを介してダイバシティ切換器へ接
続するマイクコードによるアンテナ手段と、クロック発
生器、該クロック発生器出力と受信回路のスケルチ信号
を一致検出するアンド回路、該アンド回路の出力を分周
するフリップフロップの出力を前記ダイバシティ切換器
に出力する回路からなるダイバシティ切換信号発生手段
とを備え、該ダイバシティ切換信号発生手段は受信入力
が減衰してスケルチ動作時は前記フリップフロップの出
力周期で前記ダイバシティ気換器を駆動して主アンテナ
と前記第２アンテナとを交互に切換えて両アンテナの受
信状態を検知し、受信入力がありスケルチ動作を停止す
る時のアンテナ状態をダイバシティ切換器が保持する構
成である。

〔実施例〕

本発明の携帯用無線機を図面に基づいて説明すると、第
１図において送信時および通常受信時は、無線機本体１
の主アンテナ２を使用し、反射波との干渉により受信電
界強度が低下した場合は、ダイバシティ受信用のアンテ
ナに自動機換を行うものであり、本発明ではこの主アン
テナにマイクコード３またはイアホンコード４（以下、
必要によりこれらを第２アンテナと称す）を第２アンテ
ナとして使用するものである。

そして、ダイバシティ受信方式には周波数ダイバシティ
方式とスペースダイバシティ方式とがあり、周波数ダイ
バシティ方式は同一通信内容を周波数の異なる電波で同
時に送信するものであるから、重要な業務用の回線およ
び一部の放送波等を除き本発明のような携帯形無線機等
には不更である。そこで本発明では複数のアンテナを切
換えて使用するスペースダイバシティ方式を採用してい
る。

次に第２図において、無線機本体１に本発明を適用した
実施構成例を示し、かつ受信する場合、該無線機本体１
の主アンテナ２に電波が誘起され、この電波はＴＲ切換
スイッチ１１をとおり、ダイバシティ切換器１２を経て
受信部１４の入力回路に接続される。なお、ＴＲ切換ス
イッチ１１、ダイバシティ切換器１２はメカニカルリレ
ーでもダイオード等による電子スイッチでもよい。そし
て、ダイバシティ切換器１２は受信電波の強度が下りス
ケルチ出力スケルチ設定レベル以下に低下すると、受信
部１４より発生するダイバシティ切換信号１５により前
記ダイバシティ切換器１２を動作させ、主アンテナ２か
らマイクコードの第２アンテナに切換わるように、受信
部１４の入力は結合コンデンサ１６を経てマイクコード
３に接続され、受信アンテナとして動作する。

さらに、マイクロホン回路と送信部１３の接続は、高周
波チョークコイル１７をとおすことにより高周波電位を
保持し、かつ送信時の電波の廻り込みを防止している。

またダイバシティ切換アンテナとしてマイクコードを使
用しないハンディトランシーバやラジオ受信機等では、
イアホンコード４を使用することにより、同様の効果が
得られるものである。

次に、第３図はダイバシティ切換信号１５を得るための
回路であって、検波器５より出力するスケルチ制御電圧
５１は、正常に受信しているときはＬレベルであり、ス
ケルチゲート６は開いているが、検波器５の入力が所定
値以下に低下するとスケルチ制御電圧５１はＨレベルと
なり、スケルチゲート６は閉じて受信できなくなるの
で、その時点において主アンテナ２を第２アンテナに切
換えるものである。そのために、スケルチ制御出力５１
とクロック発振器７の出力ＣＬＫをＡＮＤゲート８に加
え、その出力は出力とＤ入力を直結したフリップフロ
ップ（ＦＦ）９のＣＬＫ入力15に加えて、Ｑ出力よりダ
イバシティ切換信号１５を得ている。そして、その動作
のタイミングチャートは第４図に示したように、受信電
波の強度が正常でスケルチ制御出力（ＳＱ）５１がＬレ
ベルであれば、フリップフロップＦＦ９はそのままの状
態を保持しているが、受信電波の強度が低下してスケル
チゲートが閉じ、該ＳＱ５１がＨレベルになると、フリ
ップフロップＦＦ９のＱ出力（すなわち、ダイバシティ
切換信号１５）は反転して主アンテナを第２アンテナに
切換える。さらに、この第２アンテナの入力が十分であ
れば、該ＳＱ５１はＬレベルとなり、フリップフロップ
ＦＦ９のＱ出力はそのまま保持されるが、第２アンテナ
でも入力強度が低く、ＳＱ５１がＨレベルであると、フ
リップフロップＦＦ９はＣＬＫ（周期１ms〜１０ms程
度）にしたがって反転をくり返し、主アンテナ２と第２
アンテナとを交互に切換える。そしてスケルチ設定レベ
ルを越える入感があれば、そのアンテナを接続した状態
でフリップフロップＦＦ９は保持され、二つのアンテナ
によるスペースダイバシティ動作の自動化を行うもので
ある。なお、スケルチゲート６にはスレショールド動作
点付近の不安定動作を除くためにＲ・Ｃの保持時定数回
路が設けてあるが、本回路の動作には保持時定数を従来
回路より小さくして、音声出力６１の停止時間を短かく
している。

〔発明の効果〕

本発明は主アンテナとマイクコードによる第２アンテナ
によって一台の受信部によるダイバシティ受信方式と
し、ダイバシティの切換はスケルチ動作時の信号により
クロックパルスの２倍の周期で交互に切換えて受信状態
を確認し、スケルチが開状態となった時のアンテナ側を
保持するよう構成してあるため移動運用中の電波干渉等
に素早い対応が自動的に出来る効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施態様を示す外観図、第２図は本発
明の内部構成図、第３図は受信部におけるダイバシティ
切換信号を発生するための回路図、第４図は第３図の動
作タイミング図である。１ ……無線機本体、２……主アンテナ、３……マイクコ
ード、４……イアホンコード、５……検波器、５１……
スケルチ制御出力、６……スケルチゲート、６１……音
声出力、７……クロック発振器、８……ＡＮＤゲート、
９……フリップフロップ、１１……ＴＲ切換スイッチ、
１２……ダイバシティ切換器、１３……送信部、１４…
…受信部、１５……ダイバシティ切換信号、１６……結
合コンデンサ、１７……高周波チョークコイル。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】マイクコードから高周波コイルを介して送
   信部への接続および結合コンデンサを介してダイバシテ
   ィ切換器へ接続するマイクコードによる第２アンテナ手
   段と、クロック発生器、該クロック発生器出力と受信回
   路のスケルチ信号を一致検出するアンド回路、該アンド
   回路の出力を分周するフリップフロップからなり、該フ
   リップフロップの出力を前記ダイバシティ切換器に供給
   して切換えるダイバシティ切換信号発生手段とを備え、
   受信入力が弱くスケルチ動作状態では前記フリップフロ
   ップから一致検出信号を出力して前記ダイバシティ切換
   器を断続的に駆動して主アンテナと前記第２アンテナと
   を交互に切換えて両アンテナの受信状態を検知し、受信
   信号がありスケルチ動作が停止するとその時のアンテナ
   状態を前記ダイバシティ切換器が保持することを特徴と
   する携帯形無線器。