JPH06197663A - 河川水利用養魚システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 例えば魚の飼育池や養魚池などの水質保持の
ために、養魚池などの沈澱または浮遊している与餌、糞
尿、汚れなどを手を汚さずに、人手をかけることなく、
簡単にしてスピーディに清掃除去し、稚魚の育成向上に
寄与するようにしたことを目的とする。 【構成】 河川水から塩素・アンモニア・酸・アルカリ
・金属などを除去するための河川水汚染除去装置を設置
し、この河川水汚染除去装置で河川水の汚染を除去した
水が供給される稚魚育成床・養魚池を設置し、この稚魚
育成床・養魚池で育成された稚魚を飼育するための飼育
池を設置し、この飼育池の近傍に与餌・糞尿処理装置を
設置したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えばサケ・マスなど
の魚のふ化促進のため、河川水を湧水とほぼ同じ状態に
保ちながら、常時飼育池内を綺麗にして稚魚の育成向上
に寄与することができる河川水利用養魚システムに関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、魚の飼育池や養魚池の水質保持の
ために、例えば魚の飼育池や養魚池の与餌、糞尿汚れな
どを、水と一緒に吸水具により吸い取って清掃し、濾過
機によって与餌、糞尿汚れなどを濾過した水をパイプで
排水するようにするのが一般的であった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、これによる
と魚の飼育池や養魚池内の稚魚までも一緒に吸水具によ
って吸い取られるので、清掃時予めこれらの稚魚を一旦
別の池に入れておき、汚れている魚の飼育池や養魚池内
を清掃してから、再びこれらの稚魚を清掃された池に移
すなどの厄介な手間がかかり、長時間水につかり、人手
と辛い作業を必要とするなどの問題点があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決することを目的とし、河川水汚染除去装置を設置し、
この河川水汚染除去装置で河川水の汚染を除去した水が
供給される稚魚育成床・養魚池を設置し、この稚魚育成
床・養魚池で育成された稚魚を飼育するための飼育池を
設置し、この飼育池の近傍に与餌・糞尿処理装置を設置
したことを特徴とする河川水利用養魚システムである。

【０００５】

【実施例】図１乃至図７は、本発明による河川水利用養
魚システムを説明するための好適な一実施例を示すもの
であり、図１は本発明の河川水利用養魚システムの概略
説明図、図２は同与餌・糞尿処理装置の概略説明図、図
３は同与餌・糞尿処理装置における吸取機の概略説明
図、図４は同吸取機の水槽の断面図、図５は同水槽内の
稚魚収容容器の底面図、図６は同吸取機の一部省略概略
平面図、図７は同吸取機の配管系統図である。

【０００６】図１において、Ａは本発明の河川水利用養
魚システムにおける例えばサケ・マスなどの稚魚の飼育
池であり、Ｂはこの飼育池Ａの近傍に設置した吸取機Ｂ
１と濾過機Ｂ２とからなる与餌・糞尿処理装置で、Ｃは
この与餌・糞尿処理装置Ｂの上流側に設置した面状発熱
体による遠赤外線照射装置を備えた稚魚育成床・養魚池
である。この面状発熱体による遠赤外線照射装置を備え
たのは河川水を湧水と同じ状態に保つためである。Ｄは
一般河川流で、Ｅは前記稚魚育成床・養魚池Ｃの上流側
に設置した一般河川流Ｄの河川水の汚染を除去するため
の河川水汚染除去装置であり、この河川水汚染除去装置
Ｅは、塩素を除去する塩素除去装置Ｅ１とアンモニア・
酸・アルカリなどを除去するアンモニア・酸・アルカリ
除去装置Ｅ２と生体物の死骸・糞尿・その他水流に浮遊
する小粒物などの汚濁物質を除去する汚濁物質除去装置
Ｅ３とより構成されている。

【０００７】前記一般河川流Ｄの上流では、河川水の汚
染を除去するための前記河川水汚染除去装置Ｅに河川水
を入れ、下流では、飼育池Ａに沈澱または浮遊している
与餌、糞尿、汚れなどを前記与餌・糞尿処理装置Ｂの吸
取機Ｂ１で吸い取り、濾過機Ｂ２で濾過された綺麗な水
が前記一般河川流Ｄに排水されるようになっており、前
記稚魚育成床・養魚池Ｃは、前記河川水汚染除去装置Ｅ
と前記飼育池Ａとの間に連設されている。

【０００８】本発明の要部である前記飼育池Ａの近傍に
設置した吸取機Ｂ１と濾過機Ｂ２とからなる与餌・糞尿
処理装置Ｂについて詳述する。図３及び図６において、
１は前記吸取機Ｂ１の筐体で、この筐体１の外側には、
吸引口２と排水口３、３ａと呼水口４と濾過口５とがそ
れぞれ配設されている。またこの筐体１の内部には、水
槽６とこの水槽６に適宜配管７により連設されているポ
ンプ８が装着されている。この水槽６の内部中間には、
図５に示すような底部９ａが網部材からなる稚魚収容容
器９が受部材１０を介して取外し自在に配設されてい
る。１１は前記吸引口２にホース１２を介して接続した
クリーナーヘッドである。

【０００９】なお、前記稚魚収容容器９の網部材は、稚
魚や小魚が刺さらない程度の細かい網目とすること勿論
である。前記排水口３は、水槽６に後記バルブ１８を介
して接続されており、前記排水口３ａは、ポンプ８に後
記バルブ１７を介して接続されている。

【００１０】１３は前記筐体１の上部に取り付けたバル
ブで、飼育池Ａなどの水を水槽６へ供給する時、また、
前記吸引口２から水槽６に池の水を吸い上げる時に適宜
ゆるめておく。そして、前記バルブ１３を調整すること
により水圧を弱め、攪乱状態を防止し稚魚や小魚を保護
することができるものである。また１４、１５、１６、
１７、１８、１９は、それぞれ必要に応じて使用するバ
ルブである。２０は前記筐体１の底部に取り付けたキャ
スターであり、所望の場所に移動させて、自由に清掃す
ることができるものである。

【００１１】前記吸取機Ｂ１の筐体１に取り付けられて
いる前記濾過口５には、吸い取った水を巻回し取り付け
られているきめ細かな濾過布２１で濾過する濾過機Ｂ２
がホース２２を介して接続されており、この濾過機Ｂ２
で濾過された綺麗な水は、下水管２３に流されて一般河
川流Ｄに適宜流されるので、河川汚染の心配はない。な
お、必要とすればこの綺麗な水を、一般河川流Ｄに流さ
ず、再び飼育池Ａに流すようにして循環させても良い。

【００１２】次に、本発明の河川水利用養魚システムの
作用について各図に基づき説明する。一般河川流Ｄの河
川水は、塩素除去装置Ｅ１で塩素が除去され、アンモニ
ア・酸・アルカリ除去装置Ｅ２でアンモニア・酸・アル
カリが除去され、汚濁物質除去装置Ｅ３で生体物の死骸
・糞尿・その他水流に浮遊する小粒物などの汚濁物質が
除去される。このように前記塩素除去装置Ｅ１とアンモ
ニア・酸・アルカリ除去装置Ｅ２と汚濁物質除去装置Ｅ
３とからなる河川水汚染除去装置Ｅで、河川水から塩素
・アンモニア・酸・アルカリや生体物の死骸・糞尿・そ
の他水流に浮遊する小粒物などの汚濁物質が除去された
河川水は、面状発熱体による遠赤外線照射装置を備えた
稚魚育成床・養魚池Ｃに供給される。この稚魚育成床・
養魚池Ｃでは、河川水は湧水と同じ状態に保っているの
で、稚魚は十分に育成される。なお、上記面状発熱体
は、従来の床暖房その他に一般的に使用されている周知
の発熱体である

【００１３】この稚魚育成床・養魚池Ｃで育成された稚
魚は、例えばサケ・マスなどの稚魚の飼育池Ａに移さ
れ、餌が与えられる。この飼育池Ａでは稚魚の健全な育
成のためには、水質保持が欠かせないので、こまめに清
掃する必要がある。本発明では前記飼育池Ａの近傍に、
吸取機Ｂ１と濾過機Ｂ２とからなる与餌・糞尿処理装置
Ｂを設置して飼育池Ａに沈澱または浮遊している与餌、
糞尿、汚れなどを清掃することができるようにしたもの
である。

【００１４】まず、前記与餌・糞尿処理装置Ｂで清掃す
るに際しては、この飼育池Ａの近傍に設置した吸取機Ｂ
１に濾過機Ｂ２を接続し、バルブ１３、１４、１５、１
６をそれぞれゆるめて開き、バルブ１７、１８、１９を
それぞれ閉めておく。次に呼水口４にホースを接続して
飼育池Ａなどの水を、ポンプ８の作動によって矢印方向
ａに示すごとく水槽６へ供給しておく。しかる後、前記
バルブ１６、１７、１８をそれぞれ閉め、バルブ１４、
１５、１９をそれぞれ開けておく。

【００１５】この状態において、前記クリーナーヘッド
１１を前記飼育池Ａに入れてポンプ８を作動させると、
このクリーナーヘッド１１によって飼育池Ａに沈澱また
は浮遊している与餌、糞尿、汚れなどは、このポンプ８
の強力な吸引力によって水と共に、吸い取られ、濾過口
５側に到来する。このように水と共に吸い取られた与
餌、糞尿、汚れなどは、前記濾過口５に接続された濾過
機Ｂ２によって濾過されて除外され、綺麗になった池の
水は一般河川流Ｄに流される。

【００１６】しかして、前記クリーナーヘッド１１によ
って飼育池Ａなどを清掃した時、吸い取った水の中に稚
魚や小魚が入っていても、これら稚魚や小魚は、前記水
槽６の内部中間に配置されている網部材からなる稚魚収
容容器９の中に入れられ、この稚魚収容容器９の中で自
由に泳ぐことができる。また、与餌、糞尿、汚れなど
は、吸い取られた池の水と共に、網部材からなる稚魚収
容容器９の細かい網目から下方に除外され、配管７内を
矢印方向ｂに示すごとく流されて前記濾過口５側に到来
する。

【００１７】次に、清掃が終了した後は、バルブ１３、
１４、１５、１９をそれぞれ閉めると共に、バルブ１
７、１８をそれぞれ開け、前記水槽６及び配管７、ポン
プ８内に残っている池の水を前記排水口３及び排水口３
ａから適宜排水させる。しかる後、前記水槽６内の稚魚
収容容器９に残った稚魚や小魚を、飼育池Ａに戻すよう
にする。

【００１８】

【発明の効果】以上説明したように本発明の河川水利用
養魚システムによれば、河川水から塩素・アンモニア・
酸・アルカリ・金属などを除去するための河川水汚染除
去装置を設置し、この河川水汚染除去装置で河川水の汚
染を除去した水が供給される稚魚育成床・養魚池を設置
し、この稚魚育成床・養魚池で育成された稚魚を飼育す
るための飼育池を設置し、この飼育池の近傍に与餌・糞
尿処理装置を設置したものであるから、飼育池に沈澱ま
たは浮遊している与餌、糞尿、汚れなどを、手を汚すこ
となく、しかも稚魚を別の池に移動させることなく、人
手をかけることなく、簡単にしてスピーディに清掃除去
することができ、常時魚の飼育池や養魚池内を綺麗にし
て稚魚の育成向上に寄与することができるなどの効果を
有し、また吸取機により吸い取った水を濾過して綺麗な
水を排水するため河川汚染などもなくなる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の河川水利用養魚システムの一実施例を
示す概略説明図である。

【図２】同養魚システムの与餌・糞尿処理装置における
概略説明図である。

【図３】同与餌・糞尿処理装置における吸取機の概略説
明図である。

【図４】同吸取機の水槽の断面図である。

【図５】同水槽内の稚魚収容容器の底面図である。

【図６】同吸取機の一部省略概略平面図である。

【図７】同吸取機の配管系統図である。

【符号の説明】

１ 筐体、２ 吸引口、３、３ａ 排水口、４ 呼水
口、５ 濾過口、６ 水槽、７ 配管、８ ポンプ、９
稚魚収容容器、９ａ 底部、１０ 受部材、１１ ク
リーナーヘッド、１２、２２ ホース、１３、１４、１
５、１６、１７、１８、１９ バルブ、２０ キャスタ
ー、２１ 濾過布、２３ 下水管、Ａ 飼育池、Ｂ 与
餌・糞尿処理装置、Ｂ１ 吸取機、Ｂ２ 濾過機、Ｃ稚
魚育成床・養魚池、Ｄ 一般河川流、Ｅ 河川水汚染除
去装置、Ｅ１ 塩素除去装置、Ｅ２ アンモニア・酸・
アルカリ除去装置、Ｅ３ 汚濁物質除去装置。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 河川水汚染除去装置を設置し、この河川
   水汚染除去装置で河川水の汚染を除去した水が供給され
   る稚魚育成床・養魚池を設置し、この稚魚育成床・養魚
   池で育成された稚魚を飼育するための飼育池を設置し、
   この飼育池の近傍に与餌・糞尿処理装置を設置したこと
   を特徴とする河川水利用養魚システム。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の前記河川水汚染除去装
   置は、河川水から塩素・アンモニア・酸・アルカリやそ
   の他生体物の死骸・糞尿などの汚濁などを除去するよう
   にしたことを特徴とする河川水利用養魚システム。
3. 【請求項３】 請求項１に記載の前記与餌・糞尿処理装
   置は、網部材からなる稚魚収容容器を内部中間に配設し
   た水槽内に、予め前記飼育池などの水を供給し、前記飼
   育池に沈澱または浮遊している与餌、糞尿、汚れなど
   を、前記水槽に接続したクリーナーヘッドにより前記飼
   育池の水と共に吸い取るようにした吸取機と、この吸取
   機に接続したこの吸取機により吸い取った水を濾過して
   綺麗な水にするための濾過機とより構成したことを特徴
   とする河川水利用養魚システム。
4. 【請求項４】 請求項１に記載の前記稚魚育成床・養魚
   池には、面状発熱体による遠赤外線照射装置を備えてな
   る河川水利用養魚システム。