JPH0619527U - 三つ折中留 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面カバーの係合部と裏板の係合受け部との
係合が解除されたことがただちに解り、摺動部材から指
を放しても再び前記係合部と係合受け部とが係合してし
まう虞がなく、取り外しの簡単な三つ折中留を提供する
こと。 【構成】 表面カバー２に中板３の一端を回動自在に枢
着し、中板３の他端に裏板４を回動自在に枢着し、表面
カバー２の裏面に幅方向外方に付勢される摺動部材９を
摺動自在に設け、摺動部材９の外側端部を表面カバー２
の側壁６を通して外方に突出すると共に、摺動部材９の
内側端部に係合部１４を形成し、裏板４の表面に摺動部
材９の係合部１４に係合し、摺動部材９が内方に摺動し
た時係合が解除される係合受け部２６を設け、中板３に
裏面方向に付勢されるバネ２２を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、時計バンドの三つ折中留に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、上箱にピン連結する中間片と、中間片にピン接続する下片とを備え、上 箱内にばね棒またはコイルばねを挟んで２つのスライドパーツを収容した操作箱 を嵌付け、２つのスライドパーツの外端を押しボタン部として上箱の側面より突 出すると共に、スライドパーツの内端のフック部を上箱下に表出し、下片にフッ ク部と掛脱するフック掛けを***形成したワンタッチ三つ折れ金具が実開平３− １０１２１１号として提案されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の目的は、表面カバーの係合部と裏板の係合受け部との係合が解除され たことが一見して解り、摺動部材から指を放しても再び前記係合部と係合受け部 とが係合してしまう虞がなく、取り外しの簡単な三つ折中留を提供することにあ る。 また、本考案の第二の目的は、三つ折中留を幅挾で薄型化して体裁を良くする と共に、孔開け加工を少なくして加工を容易にすることにある。

【０００４】

【課題を考案するための手段】

本考案の三つ折中留は、上記課題を達成するために、表面カバーに中板の一端 を回動自在に枢着し、中板の他端に裏板を回動自在に枢着し、前記表面カバーの 裏面に幅方向外方に付勢される摺動部材を前記幅方向に沿って摺動自在に設け、 該摺動部材の外側端部を前記表面カバーの側壁を通して外方に突出すると共に、 前記摺動部材の内側端部に係合部を形成し、前記裏板の表面に前記摺動部材の係 合部に係合し、前記摺動部材が内方に摺動した時係合が解除される係合受け部を 設け、前記中板に裏面方向に付勢されるバネを設ける。

【０００５】 また、第二の目的を達成するために、係合受け部を裏板の側縁を屈曲すること によりその表面に突出して設け、中板の側縁に切り欠きを形成し、該切り欠きを 通して前記係合受け部を前記表面カバー内に抜挿自在とする。

【０００６】

【作用】

裏板と中板とを折り畳んで表面カバーの裏面に重ね、バネの弾発力に抗して表 面カバーを裏板方向に押し付けると、裏板の係合部が摺動部材の係合受け部を内 方に押しながら進入し、押圧力が消えると摺動部材が外方に復帰して係合部材と 係合受け部とが係合する。 また、取り外し時に、摺動部材を内方に押すと、係合部と係合受け部との係合 が解除されてバネが裏板を押圧し、表面カバーが浮き上がる。

【０００７】 さらに、中板の側縁に切り欠きを形成したことにより孔開け加工を不要とし、 係合受け部を裏板の側縁を屈曲することによりその表面に突出して設け、該切り 欠きを通して係合受け部を表面カバー内に抜挿自在としたことにより、係合部と 係合受け部との係合を表面近くで行い、三つ折中留の厚みを薄くすると共に幅を 挾くする。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。 三つ折中留１は、図１に示すように、時計バンドの一端部にピン接合される表 面カバー２と、一端が表面カバー２の他端部に回動自在に枢着される中板３と、 一端が中板３の他端に回動自在に枢着されると共に、他端が時計バンドの他端に ピン接合される裏板４とを備える。

【０００９】 表面カバー２は、図２に示すように、手首回りに沿って湾曲する表面板５の幅 方向両側に側壁６が裏側に屈曲して形成され、左右の側壁６の一端部には取り付 け孔１９が穿設されると共に、側壁６の他端部にはピン孔２０が穿設され、側壁 ６の中央部の対向する位置にはそれぞれ窓孔７が穿設され、表面板５の裏面には 両側面が窓孔７に臨んで開口する中空箱状の収納部材８が取り付けられ、収納部 材８には左右一対の摺動部材９が幅方向に沿って摺動自在に収納され、摺動部材 ９の外側端部は押しボタン部１０を構成し、窓孔７を通して側壁６の外方に突出 している。 摺動部材９の押しボタン部１０の内方には一側に係合切り欠き部１１が形成さ れて細幅部１２が設けられ、細幅部１２の他側には案内切り欠き１３が形成され 、細幅部１２のさらに内方は幅広く形成され、その外側縁には係合切り欠き部１ １内に突出する係合部１４が摺動部材９と同一平面上に形成され、摺動部材９の 内側端縁の中央部にはバネ当接溝１５が形成されている。

【００１０】 収納部材８の裏面一側には収納部材８の表面から裏面まで貫通する挿入切り欠 き部１６が形成され、他側内面には収納部材８の内部に突出する抜け止め突起１ ７が切り起こして形成されている。 また、一対の摺動部材９は、その押しボタン部１０が収納部材８の両側の開口 部及び表面カバー２の窓孔７を通して外部に突出するように収納部材８内に収納 され、左右の摺動部材９の間にはコイルバネ１８が介在されてその端部がバネ当 接溝１５に嵌合され、摺動部材９は幅方向外方に付勢されている。 この時、収納部材８の抜け止め突起１７は摺動部材９の案内切り欠き１３に係 合されて摺動部材９の脱落を防ぎ、コイルバネ１８の弾発力によって摺動部材９ が外方に押圧されている状態では、係合部１４が収納部材８の挿入切り欠き１６ 内に突出するようになっている。

【００１１】 中板３は手首回りの湾曲に沿って湾曲しており、一端縁は断面略円形に湾曲さ れてピン挿入筒部２１が形成され、他端縁の中央部には同様にピン通し筒部２４ が設けられ、中央部には長手方向に沿って裏側に***する補強リブ３０が形成さ れ、補強リブ３０の中央部には長手方向に沿って板バネ２２が裏面側に切り起こ して形成され、幅方向両側縁には、表面カバー２の裏面に重合した時、収納部材 ８の挿入切り欠き１６と合致する位置に切り欠き２３が形成されている。

【００１２】 裏板４は手首周囲の湾曲に沿って湾曲し、一端両側部には断面略円形に湾曲す るピン通し部２８が形成され、他端両側部には同じく円形に湾曲するバンド取り 付け筒部２５が形成され、幅方向両側縁には、中板３の裏面に重合した時、切り 欠き２３と一致する位置に係合受け部２６がその側縁を屈曲することによって表 面に突出して設けられ、係合受け部２６には摺動部材９の係合部１４が抜挿自在 に嵌入される嵌入孔２７が穿設され、中央部には裏板の補強リブ３０よりやや広 い面積の補強リブ３１が形成されている。

【００１３】 そして、図５に示すように、中板３のピン挿入筒部２１に挿通した取り付けピ ン２９の両端を表面カバー２のピン孔２０に挿入し、中板３のピン通し筒部２４ と裏板４のピン通し部２８とを一線上に並べ、ここに取り付けピン３２を挿通し て三つ折中留１を組み立て、三つ折中留１を表面カバー２の取り付け孔１９及び 裏板４のバンド取り付け筒部２５を介して図示しない時計バンドに取り付け、腕 時計を装着している間は、表面カバー２、中板３及び裏板４が重合され、腕時計 を着脱する時は、これら表面カバー、中板３及び裏板４が一枚に伸びて時計バン ドの全長が長くなるようになっている。

【００１４】 次に、この三つ折中留１の使用方法について説明する。 腕時計を装着する時は、図５乃至図７に示すように、表面カバー２の裏面に中 板３を、さらにその裏面に裏板４を重合し、板バネ２２の押圧力に抗して表面カ バー２を裏側に押し付けると、裏板４の係合受け部２６が中板３の切り欠き２３ 及び収納部材８の挿入切り欠き１６を通って表面カバー２内に進入し、同時に係 合受け部２６がコイルバネ１８の弾発力に抗して摺動部材９の係合部１４を幅方 向内方に押圧し、係合受け部２６の嵌入孔２７が収納部材８内に進入して摺動部 材９の係合切り欠き部１１に一致すると、摺動部材９を押す力が消滅して摺動部 材９が元の位置に復帰し、係合部１４が係合受け部２６の嵌入孔２７に嵌合し、 三つ折中留１が折り畳んだ状態で保持される。この状態では、板バネ２２が裏板 ４を押圧する力の反力によって、常に表面カバー２２を押し上げようとする力が 働いている。

【００１５】 腕時計を外す時は、摺動部材９の押しボタン部１０を指で押さえて内側に押圧 すると、係合部１４が係合受け部２６の嵌入孔２７から抜け出し、表面カバー２ の係留が解けるので、板バネ２２の弾発力により表面カバー２が浮き上がり、表 面カバー２と裏板４との係合が解除される。

【００１６】

【考案の効果】

本考案の三つ折中留は、中板に裏面方向に付勢されるバネを設けたので、中板 の裏面に裏板を重合すると常にバネが裏板を押圧し、摺動部材の係合部と裏板の 係合受け部との係合を解除すると同時に、バネの弾発力によって表面カバーが浮 き上がり、係合が外れたことがただちに解るばかりでなく、摺動部材から指を放 しても再び係合部と係合受け部とが係合することがなく、摺動部材を押しながら 表面カバーを押し上げる必要がないため、取り外しが非常に簡単なものとなる。

【００１７】 また、中板の側縁に切り欠きを形成し、係合受け部を裏板の側縁を屈曲するこ とによってその表面に突出して設け、該切り欠きを通して係合受け部を表面カバ ー内に抜挿するようにすると、中板に係合受け部を挿入するための孔を開ける必 要がなく、加工が容易となり、係合部が摺動部材と同一平面上に形成されている ことによって係合部と係合受け部との係合が裏板と表面カバーとの間の表面近く で行われるため、中留の厚みを薄型化することができると共に、その幅が小さく なり、体裁が良い。 さらに、摺動部材及び係合受け部を左右両側部に設けると、係合部と係合受け 部との係合が確実なものとなり、係合箇所に加わる引張力が分散されて耐久性が 向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の三つ折中留の実施例を示す裏面分解斜
視図

【図２】表面カバーの断面図

【図３】中板の断面図

【図４】裏板の断面図

【図５】本考案の三つ折中留の実施例を示す断面図

【図６】図５のＡ−Ａ線断面図

【図７】図５のＢ−Ｂ線断面図

【符号の説明】

１ 三つ折中留 ２ 表面カバー ３ 中板 ４ 裏板 ５ 表面板 ６ 側壁 ７ 窓孔 ８ 収納部材 ９ 摺動部材 １０ 押しボタン部 １１ 係合切り欠き部 １２ 細幅部 １３ 案内切り欠き １４ 係合部 １５ バネ当接溝 １６ 挿入切り欠き部 １７ 抜け止め突起 １８ コイルバネ １９ 取り付け孔 ２０ ピン孔 ２２ 板バネ ２３ 切り欠き ２４ ピン通し筒部 ２５ バンド取り付け筒部 ２６ 係合受け部 ２７ 嵌入孔 ２８ ピン通し部 ２９，３２ 取り付けピン ３０，３１ 補強リブ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 表面カバーに中板の一端を回動自在に枢
   着し、中板の他端に裏板を回動自在に枢着し、前記表面
   カバーの裏面に幅方向外方に付勢される摺動部材を前記
   幅方向に沿って摺動自在に設け、該摺動部材の外側端部
   を前記表面カバーの側壁を通して外方に突出すると共
   に、前記摺動部材の内側端部に係合部を形成し、前記裏
   板の表面に前記摺動部材の係合部に係合し、前記摺動部
   材が内方に摺動した時係合が解除される係合受け部を設
   け、前記中板に裏面方向に付勢されるバネを設けたこと
   を特徴とする三つ折中留。
2. 【請求項２】 表面カバーに中板の一端を回動自在に枢
   着し、中板の他端に裏板を回動自在に枢着し、前記表面
   カバーの裏面に幅方向外方に付勢される摺動部材を前記
   幅方向に沿って摺動自在に設け、該摺動部材の外側端部
   を前記表面カバーの側壁を通して外方に突出すると共
   に、前記摺動部材の内側端部に係合部を同一平面上に形
   成し、前記裏板の表面に前記摺動部材の係合部に係合
   し、前記摺動部材が内方に摺動した時係合が解除される
   係合受け部を設け、前記係合受け部を裏板の側縁を屈曲
   することによりその表面に突出して設け、前記中板の側
   縁に切り欠きを形成し、該切り欠きを通して前記係合受
   け部を前記表面カバー内に抜挿自在とした請求項１記載
   の三つ折中留。