JPH0619396Y2 - パワーシート装置におけるネジ棒支持構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は自動車用パワーシート装置で、可動レールを移
動調整するネジ棒の支持構造に関する。

［従来技術及び考案が解決しようとする問題点］ 従来、自動車のシートレールをモータによって駆動し、
シートを移動調整するパワーシート装置が種々考案され
ている。従来のこの種の装置としては、ネジ棒がシート
レールと略平行に配設されると共に、可動側または固定
側の一方のレールにネジ棒の端部が片持ちで支持された
構成が一般的であった。

ところが、上記従来のネジ棒を片持ちで支持した構造に
おいては部品および組付け誤差等によってネジ棒の遊端
が大きく変位し、作動時に振動或いはネジ棒とシート部
材との接触による打音を生じてフィーリングが悪化した
り、また、ネジ棒の遊端が大きく変位して座屈が生じた
り、円滑な作動が行えない等の問題があった。また、片
持ち支持による不安定、強度不足を解消するため、複雑
な構成となる不都合があった。

［問題を解決するための手段］ 本考案は上記の問題、不都合を解消することを目的とす
るもので、ダンパー部材を介してカップ状の保持部材に
ネジ棒の一端を片持ち支持するようになし、また、ネジ
棒の遊端を遊嵌支持するよう構成したことを特徴とする
ものである。

［実施例］ 次に本考案に係るパワーシート装置におけるネジ棒支持
構造の一実施例を図面に基いて具体的に説明する。

１は 状断面の固定レールで、その両端には床に固定す
るブラケット２，２′が取付け固着されている。

３は固定レール１に、ローラ、球等を遊嵌して可動に摺
嵌した可動レールで、図示しないシート、リクライニン
グ装置等を載せるようにしてある。また可動レール３の
先端側の上面には、一端を取付け固定して内側に向けて
張出させたブラケット４を有し、該ブラケット４は先端
部分は下向に湾曲させて後記するカップ状保持部材５を
位置させ可動レール３からの支片６と共に包着固定して
ある。

前記カップ状保持部材５は底板５ａに角孔７を穿って、
該角孔７には、後記するネジ棒８の小径ネジ部８ａが嵌
まるカラー９ａを中央に配した一体のダンパー部材９に
設けた外周の溝９ｂを嵌着係止させる。

前記ネジ棒８は、ねじ部を螺設すると共に、両端に小径
ネジ部８ａ，８ｂを設け、一方の小径ネジ部８ａにはダ
ンパー１１を備えたストッパー板１０を大径部と小径部
の段部ａに当接するまで挿込み、この先端を前記ダンパ
ー部材９のカラー９ａを通してカップ状保持部材５内に
挿込む。

また保持部材５内の小径ネジ部８ａには座板１２をダン
パー部材９の当る位置まで挿込み、また小径ネジ部８ａ
にはナット１３をねじ込んで座板１２とストッパー板１
０により間に介装するダンパー部材９を押圧しネジ棒８
を保持部材５によりダンパー部材９を介して片持固定、
ネジ棒８を可動レール３と略平行に配設する。

ネジ棒８の他方自由端側の小径ネジ部８ｂにはダンパー
１１を備えたストッパー板１０を嵌め、該ストッパー板
１０を段部ａまで挿込んでナット１４で固定し、更に端
部は可動レール３からのブラケット１５に取付けた弾性
材より成るキャップ１６に嵌めてネジ棒８の変位を規制
するようにしてある。

ネジ棒８は、モータ１７に連結して駆動する減速機構部
１８のウォームギヤの内周を噛合せ、減速して回転する
ウォームギヤでネジ棒８により可動レール３を移動調整
する。

［作用］ 本考案は前記の構成で、ネジ棒８の一端は、可動レール
３の上面に一端を固定したブラケット４の先端に包着さ
れ、しかも底板５ａに角孔７を穿ち、この角孔７に嵌着
係止されたダンパー部材９を有したカップ状保持部材５
の前記ダンパー部材９内のカラー９ａに向けて、ダンパ
ー１１を備えたストッパー板１０をネジ棒８の小径ネジ
部８ａに挿込んだ状態のまま先端から挿込み、更に座板
１２を嵌めてナット１３でねじ込み座板１２を締付ける
と、ストッパー板１０はネジ棒８の段部ａで押され、ス
トッパー板１０と座板１２によってダンパー部材９を両
面から押圧し、ネジ棒８は片持固着される。

またネジ棒８の他方の小径ネジ部８ｂに可動レール３か
らのブラケット１５に設けたキャップ１６に嵌まり片持
ネジ棒８の変位を規制している。

［効果］ 以上の説明から明らかなように、本考案においては、一
方のレールの端部に保持部材が固定されており、また、
保持部材に設けられた孔にはネジ棒に嵌まるカラーが一
体に設けられたダンパー部材が嵌着されており、前記ネ
ジ棒の端部がダンパー部材を介在して保持部材に圧着片
持支持された構成となっているため、前記のカラーとダ
ンパー部材との協働によってネジ棒が安全かつ適度な弾
性をもって支持固定され、作動に伴う振動が吸収されて
フィーリングを損うことが防止される。

また、ネジ棒の遊端がブラケット或いはブラケットに嵌
装されたキャップによって遊嵌支持されるため、ネジ棒
の遊端が大きく変位してネジ棒とシート部材とが接触し
て打音が発生したり、ネジ棒が座屈を生じることがな
く、更に、ブラケットにキャップを嵌装する場合には遊
嵌ブラケットに異物が侵入することも防止できると共
に、美観の向上にも効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るネジ棒の支持構造の一実施例を示し
たもので、第１図は平面図、第２図は側面図、第３図は
正面図、第４図は支持構造を示した拡大断面図である。 １……固定レール、２，２′……ブラケット、３……可
動レール、４……ブラケット、５……保持部材、５ａ…
…底板、６……支片、７……角孔、８……ネジ棒、８
ａ，８ｂ……小径ねじ部、９……ダンパー部材、９ａ…
…カラー、９ｂ……溝、１０……ストッパー板、１１…
…ダンパー、１２……座板、１３，１４……ナット、１
５……ブラケット、１６……キャップ、１７……モー
タ、１８……減速機構部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 紀藤 昇政 愛知県犬山市字柿畑１番地 株式会社今仙 電機製作所内 (56)参考文献 実開 昭61−51235（ＪＰ，Ｕ)

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】固定レールに可動レールが摺嵌され、一方
   のレールにはネジ棒が略平行に配置して取付けられ、他
   方のレールには前記のネジ棒と噛合う減速機構部が取付
   けられた自動車用パワーシート装置におけるネジ棒支持
   構造において、前記の一方のレール端部には保持部材が
   固定されており、また、保持部材に設けられた孔にはネ
   ジ棒に嵌まるカラーが一体に設けられたダンパー部材が
   嵌着されており、前記ネジ棒の端部がダンパー部材を介
   在して保持部材に圧着片持支持固定された構成を特徴と
   するパワーシート装置におけるネジ棒支持構造。
2. 【請求項２】ネジ棒の他端は、ネジ棒の一端が取付けら
   れた一方のレールに固定されたブラケットによって遊嵌
   支持された構成を特徴とする実用新案登録請求の範囲第
   １項記載のパワーシート装置におけるネジ棒支持構造。
3. 【請求項３】一方のレールに固定されたブラケットに
   は、弾性材より成るキャップが嵌装されており、キャッ
   プを介してネジ棒の他端が遊嵌支持されたことを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第１項および第２項のパワ
   ーシート装置におけるネジ棒支持構造。