JPH06193601A - ステッピングシリンダのロッド位置制御方法 - Google Patents

ステッピングシリンダのロッド位置制御方法

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JPH06193601A
JPH06193601A JP35746592A JP35746592A JPH06193601A JP H06193601 A JPH06193601 A JP H06193601A JP 35746592 A JP35746592 A JP 35746592A JP 35746592 A JP35746592 A JP 35746592A JP H06193601 A JPH06193601 A JP H06193601A
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JP
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pulse
cylinder
stepping cylinder
rod
control
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JP35746592A
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English (en)
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Masahiko Oka
正彦 岡
Kazuharu Hanazaki
一治 花崎
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ステッピングシリンダのロッド位置制御に際
し、負荷側での摩擦抵抗に起因する出力ロッドの動作遅
れを抑制し、応答性の更なる向上を図る。 【構成】 ステッピングシリンダのシリンダ両側の圧力
1 ,P2 をシリンダ負荷推定器25に与え、両者の差に
関連して得られるシリンダ負荷を求め、この結果に対応
するパルス数を有する補正パルスをパルス発生器28によ
り発生する。現状のロッド位置と目標位置との偏差が生
じたとき、まず、この偏差に応じてパルス発生器23が発
生する駆動パルスに前記補正パルスを加えてステッピン
グシリンダの駆動源となるパルスモータの駆動回路80に
与え、この発信終了後、前記補正パルスのみを駆動回路
80に逆向きに与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、連続鋳造用の
鋳型内部における湯面レベル制御の実施に際し、該鋳型
への注湯量の調節手段として用いられているステッピン
グシリンダのロッド位置を高精度に制御する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】連続鋳造設備の操業に際し、鋳型内部の
湯面レベルを所定の目標レベルに保つべく行われる湯面
レベル制御は、前記鋳型内での溶鋼の冷却,凝固状態を
安定化させ、製品鋳片の品質を向上させると共に、ブレ
ークアウト等、操業の休止を強いる各種の不都合の発生
を未然に防止するために極めて重要なものである。
【0003】この湯面レベル制御は、鋳型への注湯を行
う注湯ノズルに、スライディングノズル、ストッパ装置
等の開閉手段を付設する一方、鋳型内部の湯面レベルを
逐次検出し、これと前記目標レベルとの偏差を解消すべ
く前記開閉手段の開度を調節して、鋳型への注湯量を加
減する手順にて行われる。
【0004】前記開閉手段の開度調節は、従来一般的に
は、油圧サーボシリンダとサーボ弁とを備えた油圧サー
ボ系により行われている。ところがこの場合、鋳型の直
上に位置するサーボシリンダの近くに耐熱性に劣るサー
ボ弁を配し得ないため、両者を接続する長寸の油圧配管
を要し、またサーボシリンダとサーボ弁との間の位置変
動を吸収するため、前記油圧配管としてフレキシブルチ
ューブを用いざるを得ないことから、サーボ弁からの送
給油圧がフレキシブルチューブの拡張及びこれの内部の
滞留油の圧縮に供され、サーボ弁の動作に応じてサーボ
シリンダが動作するまでの間、即ち、湯面の変動が生じ
てから該湯面の調整動作が実際に行われるまでの間のタ
イムラグが大きく、応答性の向上に限界があって、近年
における鋳込速度の高速化の要求に対応し得ないという
難点がある。
【0005】この難点を解消するため近年においては、
前記開度調節をステッピングシリンダにより行うように
した連続鋳造設備が実用化されつつある。ステッピング
シリンダは、油圧シリンダのピストンに制御スプールを
内蔵し、この制御スプールにパルスモータの回転を伝え
て、前記ピストンと同方向に変位させるようになした直
動型のアクチュエータである。図4は、ステッピングシ
リンダの動作説明図である。
【0006】図示の如くステッピングシリンダ7は、シ
リンダハウジング70の内部に軸長方向への摺動自在にピ
ストン71を嵌挿し、該ピストン71の一側に延びる出力ロ
ッド72をシリンダハウジング70の外側に突出させる一
方、前記ピストン71の内部にこれと同軸をなしてスプー
ル室を形成し、このスプール室に軸長方向への摺動自在
に制御スプール73を内嵌して、該制御スプール73の軸心
に螺合するねじ軸74を出力ロッド72と逆方向に延設し、
シリンダハウジング70外側のパルスモータ8の出力端に
連結してなる。
【0007】即ち、前記ピストン71は、これの両側に分
断された圧力室S1 ,S2 の内圧を受圧して軸長方向に
移動し、この移動が、出力ロッド72を介して外部に取り
出されるようになっており、またピストン71内側の制御
スプール73は、パルスモータ8の回転に伴うねじ軸74の
回転に応じて軸長方向に変位し、ピストン71に対する相
対位置の変化により、前記両圧力室S1 ,S2 の内の一
方(図においては右側の圧力室S2 )に連なる連通路75
を、油圧源に接続された高圧ポートP及び油タンクに接
続された低圧ポートTに選択的に連通させ、前記圧力室
2 の内圧を調圧して、他方の圧力室S1 との間に圧力
差を生ぜしめる動作をなす。
【0008】図4(a)は整定状態を示しており、ピス
トン71は、制御スプール73により高圧ポートPと低圧ポ
ートTとが夫々所定量だけ開口せしめられ、圧力室S2
の内圧P2 が圧力室S1 の内圧P1 に対して次式を満た
す位置に停止する。なお、式中のA1 ,A2 は、両圧力
室S1 ,S2 側でのピストン71の受圧面積であり、また
Fは、出力ロッド72を介してピストン71に作用する押し
込み方向の負荷荷重である。 F=P2 ・A2 −P1 ・A1 …(1)
【0009】以上の如き整定状態において負荷荷重Fが
変動した場合、ピストン71の移動により制御スプール73
との相対位置が変化するが、これにより、ポンプポート
P及びタンクポートTの開口バランスが変化し、圧力室
2 の内圧P2 が増減する結果、前記ピストン71は、前
述した停止位置に速やかに復帰し、該位置を保つ。
【0010】出力ロッド72を進退動作させる場合、パル
スモータ8を駆動し、ねじ軸74の回転により制御スプー
ル73を変位させる。図4(b)は、制御スプール73を右
向き(圧力室S2 側)に変位させつつある過渡状態を示
しており、図示の如くこのとき、高圧ポートPへの連通
が遮断されて圧力室S2 の内圧P2 が低下し、他方の圧
力室S1 の内圧P1 が相対的に高くなる結果、ピストン
71は、制御スプール73の変位に追随するように右向きに
移動し、変位終了後の制御スプール73の位置に対し、図
4(a)に示す如き整定状態を新たに形成して停止す
る。
【0011】図4(c)は、制御スプール73を左向き
(圧力室S1 側)に変位させつつある過渡状態を示して
おり、この場合には逆に、低圧ポートTへの連通が遮断
されて圧力室S2 の内圧P2 が上昇し、他方の圧力室S
1 の内圧P1 が相対的に低くなる結果、ピストン71は左
向きに移動し、最終的な制御スプール73の位置に対する
新たな整定状態を形成して停止する。
【0012】以上の如くステッピングシリンダ7におい
ては、ピストン71に連設された出力ロッド72の進退位置
(ロッド位置)は、制御スプール73の変位に追随して変
化する一方、制御スプール73の変位は、その回転位置を
高精度にて制御し得るパルスモータ8の回転に応じて生
じるから、出力ロッド72のロッド位置を高精度にて位置
決めできる。従って、鋳型への注湯量の調節手段として
ステッピングシリンダ7を用いた場合、油圧配管が実質
的に不要となることと加えて、湯面レベル制御の精度及
び応答性の大幅な向上が実現される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】さて、ステッピングシ
リンダ7を用いた湯面レベル制御は、鋳型内部の湯面レ
ベルの検出値と目標レベルとの偏差を求め、この偏差を
解消すべく前記パルスモータ8を回転駆動し、ステッピ
ングシリンダ7のロッド位置を変更することにより達成
されるが、パルスモータ8の駆動のためには速度型の指
令が必要である。そこで、この種の湯面レベル制御にお
いては、一般的に、ステッピングシリンダ7のロッド位
置を検出し、前記レベル偏差に応じて上位のコントロー
ラから与えられる目標位置(位置型指令)との偏差を求
め、この偏差の大きさに対応するパルス数と、この偏差
の方向(正負)に対応する向きとを有する駆動パルス
(速度型指令)を発するシリンダ制御部を設け、この駆
動パルスをパルスモータ8に与える方法が採用されてい
る。
【0014】図5は、シリンダ制御部が出力する駆動パ
ルスに対するステッピングシリンダの制御スプール73及
び出力ロッド72の挙動を示すタイムチャートである。本
図に明らかな如く、パルスモータ8の出力端に連結され
たねじ軸74の回転により直接的に駆動される制御スプー
ル73は、前記駆動パルスのの発信周期に相当する一定の
速度(傾き)を有して目標位置に速やかに達して速やか
に整定するが、この制御スプール73に追随して動作する
出力ロッド72には、これの出力端に連結された負荷(ス
ライディングノズル、ストッパ装置等)の摩擦抵抗の影
響による遅れが生じる。
【0015】即ち、出力ロッド72は、制御スプール73の
動作開始に応じてその移動を開始するまでの間に、負荷
側での大なる静摩擦抵抗に抗するための所定の時間遅れ
を生じ(図のA領域)、その後は、比較的小さい動摩擦
抵抗に抗して制御スプール73と略等しい速度にて動作す
るようになり(図のB領域)、更に制御スプール73の位
置が整定した後においては、高圧ポートP又は低圧ポー
トTの開口状態の変化が、ピストン71の動作に伴って緩
やかとなることから、除々に速度を減じつつ目標位置に
整定する挙動(図のC領域)を示す。
【0016】制御スプール73は、パルスモータ8と略等
しい50mm/sec〜100mm/sec 程度の高速応答が可能である
一方、湯面レベル制御の実施に必要な開度変更量、即
ち、ステッピングシリンダ7のロッド位置変化量の最大
値は±0.5mm 程度であることから、図5におけるA領域
及びB領域の合計所要時間は 0.005( 0.5/100)〜0.01
(0.5/50)sec となるのに対し、制御スプール73の整定
後に出力ロッド73が目標位置に達するまでの時間、即
ち、前記C領域の所要時間は 0.2〜0.25sec にも達し、
前述の如く行われるロッド位置制御においては、C領域
における所要時間が応答性の向上を阻害する要因となっ
ている。
【0017】図5に明らかな如くC領域における所要時
間は、前記A領域での所要時間を短縮し、制御スプール
73の停止時、即ちB領域からC領域への移行点における
出力ロッド72と制御スプール73との間の位置誤差を小さ
くすることにより短縮できるが、A領域の所要時間は、
前述の如く、負荷側での静摩擦力に抗して出力ロッド73
が動作を開始するまでの時間、即ち負荷側の状態によっ
て定まる時間であり、これを操作することはできない。
【0018】またC領域における時間短縮は、制御スプ
ール73の停止後にピストン71の動作に伴って生じる高圧
ポートP及び低圧ポートTの開口面積の変化量を増し、
前記C領域における傾斜を増すことによっても達成され
る。ところがこの場合、出力ロッド72のわずかな移動に
より圧油室S2 の内圧が急変することから、該出力ロッ
ド72が目標位置の前後にて振動する、所謂ハンチングを
招来し、整定までの所要時間はむしろ増大することにな
る。
【0019】なお以上の難点は、連続鋳造設備における
湯面レベル制御に限らず、位置型の指令に従ってステッ
ピングシリンダのロッド位置制御を行う各種の用途にお
いて全く同様に生じるものである。
【0020】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、出力ロッドが所定の目標位置に整定するまでの
時間を短縮して、位置型の指令に従うステッピングシリ
ンダのロッド位置制御を、可及的に高い応答性にて実現
する制御方法を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明に係るステッピン
グシリンダのロッド位置制御方法は、パルスモータの回
転に伴う内蔵スプールの変位によりピストンの両側に生
じる圧力差に応動するステッピングシリンダのロッド位
置を所定の目標位置に一致せしめるべく、両位置間の偏
差に対応するパルス数を有する駆動パルスに発信して、
前記パルスモータを回転駆動するステッピングシリンダ
のロッド位置制御方法において、前記ピストン両側の圧
力差を検出し、この検出結果に対応するパルス数を有す
る補正パルスを前記駆動パルスに同向きに加えて発信
し、これらの発信を終了した後に、前記補正パルスを逆
向きに発信することを特徴とする。
【0022】
【作用】本発明においては、ステッピングシリンダの現
状のロッド位置と目標位置との偏差が生じたとき、この
偏差に対応するパルス数を有する駆動パルスに補正パル
スを加えて発信し、ステッピングシリンダの制御スプー
ルを、本来の目標位置を所定量だけ行き過ぎた位置に整
定させ、制御スプールの停止時における出力ロッドの動
作位置を本来の目標位置に近づけておき、出力ロッドが
目標位置の前後に達したタイミングにて、前記補正パル
スを逆向きに発して制御スプールを目標位置に戻し、出
力ロッドをこの目標位置に整定させる。
【0023】更に、前記補正パルスのパルス数を、ピス
トン両側の圧力差により推定される負荷側の状態に応じ
て決定し、制御スプールの初期の行き過ぎ量を動作開始
時における負荷側の状態、即ち、出力ロッドの負荷荷重
に適応させて定め、負荷側の状態の如何に拘わらず出力
ロッドが整定するまでの所要時間を短縮して、更なる応
答性の向上を図る。
【0024】
【実施例】以下本発明をその実施例を示す図面に基づい
て詳述する。図1は本発明に係るステッピングシリンダ
のロッド位置制御方法(以下本発明方法という)の連続
鋳造設備の湯面レベル制御における実施状態を示す模式
図である。
【0025】図中Tは、その内部に溶鋼3を貯留するタ
ンディッシュである。該タンディッシュTの下方に適長
離隔した位置には筒形をなす鋳型Mが配してあり、該鋳
型Mの内部には、タンディッシュTの底面にその基端を
開口させた浸漬ノズル4が延設されている。而して、タ
ンディッシュT内の溶鋼3は、浸漬ノズル4を介して鋳
型Mに注入され、該鋳型Mの内壁との接触により冷却さ
れて外側を凝固シェル50にて被覆された鋳片5となり、
鋳型Mの下方に連続的に引抜かれる。そしてこの引抜き
の間に更に冷却されて、内側にまで凝固が進行した後に
適宜の寸法に切断され、圧延等の後工程における素材と
なる製品鋳片が得られる。
【0026】浸漬ノズル4の中途には、これの長手方向
と略直交する面内でのゲート板60の摺動により該浸漬ノ
ズル4を開閉して、鋳型Mへの注湯量を調節するスライ
ディングノズル6が固設してある。スライディングノズ
ル6のゲート板60は、前述の如く構成されたステッピン
グシリンダ7の出力ロッド72の先端に連結され、該出力
ロッド72の進退動作に伴うゲート板60の摺動によりスラ
イディングノズル6の開度調節がなされ、鋳型Mへの注
湯量が加減されるようになしてある。また図中9は、鋳
型M内に滞留する溶鋼3の表面に臨ませて配され、該鋳
型M内部の湯面レベルを検出するレベル検出器9であ
る。
【0027】以上の如き構成の連続鋳造設備における湯
面レベル制御は、レベル検出器9による湯面レベルの検
出結果に基づいてパルスモータ8の駆動回路80に駆動指
令を与え、ステッピングシリンダ7の出力ロッド72の進
退位置(ロッド位置)を制御することにより行われる。
この制御を行うための制御装置は、上位の位置型コント
ローラである開度制御部1と、下位の速度型コントロー
ラであり、本発明方法に従った動作をなすシリンダ制御
部2とを備えてなる。
【0028】上位の開度制御部1には、レベル検出器9
により検出された鋳型M内の現状の湯面レベルと、予め
設定された目標レベルとの偏差が逐次与えられており、
開度制御部1は、この偏差を用いたPID演算を実施
し、前記偏差を解消するために必要な目標開度を求め、
この結果を開度指令としてシリンダ制御部2に出力する
動作をなす。
【0029】シリンダ制御部2は、開度制御部1から与
えられた位置型の開度指令を用い、これを実現するため
に必要なパルスモータ8の回転方向及び回転量を決定
し、この結果をパルスモータ8の駆動回路80に、速度型
の指令、具体的にはパルスモータ8を正転方向又は逆転
方向に駆動するための駆動パルスとして出力する動作を
なす。シリンダ制御部2にはまた、ステッピングシリン
ダ7の圧力室S1 ,S2に付設された圧力検出器76,77
から、夫々の内圧P1 ,P2 の検出結果が与えられてい
る。
【0030】図2は、シリンダ制御部2の内部構成を示
すブロック図である。本図に示す如くシリンダ制御部2
は、加算器20,21、除算器22、第1のパルス発生器23、
及び積算カウンタ24を備えた駆動パルス発生部2aと、シ
リンダ負荷推定器25、増幅器26、除算器27、及びパルス
発生器28とを備えた補正パルス発生部2bとを備えてな
る。
【0031】開度制御部1から与えられる開度指令は、
積算カウンタ25の出力として後述の如く得られる現状の
ロッド位置のフィードバック信号と共に、駆動パルス発
生部2aの加算器20に与えられており、該加算器20は両者
の偏差Xを求め、この結果を加算器21に与える。前記偏
差Xは、前述した開度指令を実現するために必要なスラ
イディングノズル6の開度変更量、即ちステッピングシ
リンダ7におけるロッド位置変更量であり、加算器21
は、この位置変更量Xに後述の如く発生する端数X″を
加算し、得られた補正変更量X′を除算器22に出力す
る。
【0032】除算器22には、一回のパルス出力に応じた
パルスモータ8の単位回転により生じるステッピングシ
リンダ7のロッド位置の変化量、即ち、ステッピングシ
リンダ7の分解能nが設定されており、除算器22は、加
算器21から与えられる補正変更量X′を前記分解能nに
て除算し、得られた商Nを、パルス発生器23及び補正パ
ルス発生部2bにおけるパルス発生器28に出力すると共
に、除算の結果として生じた端数X″を加算器21にフィ
ードバックする。
【0033】以上の過程において、除算器22が出力する
商Nの絶対値は、補正変更量X′を得るためにパルスモ
ータ8に与えるべきパルス数を、前記商Nの正負は、パ
ルスモータ8の回転方向を示している。パルス発生器23
は、前記商Nの絶対値に対応するパルス数と、前記商N
の正負により定まるパルスモータ8の回転方向に対応す
る向きとを有する駆動パルスを発生し、加算器29を経て
パルスモータ8の駆動回路80に出力する動作をなす。
【0034】一方、前記圧力検出器76,77により検出さ
れた圧力室S1 ,S2 の内圧P1 ,P2 は、補正パルス
発生部2bのシリンダ負荷推定器25に与えられている。シ
リンダ負荷推定器25は、ステッピングシリンダ7の出力
ロッド72の負荷荷重を推定演算し、結果を出力するもの
であり、この演算は、例えば、前記内圧P1 ,P2 の検
出値を(1)式に代入することにより行われる。なお、
出力ロッド72の負荷荷重を厳密に求める必要はないこと
から、前記シリンダ負荷推定器25は、検出された内圧P
1 ,P2 間の差を求める等、より単純な演算器であって
もよい。
【0035】シリンダ負荷推定器25の出力は、増幅器26
により所定のゲインKを乗じられ、補正量X0 として除
算器27に与えられている。除算器27には、駆動パルス発
生部2aの除算器22と同様、ステッピングシリンダ7の分
解能nが設定されており、除算器27は、増幅器26から与
えられる補正量X0 を分解能nにより除算し、得られた
商N0 をパルス発生器28に出力する。パルス発生器28に
はまた、駆動パルス発生部2aにおける除算器22の出力N
と、パルス発生器23における駆動パルスの発生の有無を
示す信号とが与えられている。
【0036】以上の過程において、除算器27の出力N0
は、現状のシリンダ負荷に対応する値であり、パルス発
生器28は、まず、前記出力N0 に対応するパルス数を有
し、除算器22からの入力Nの正負により定まるパルスモ
ータ8の回転方向に対応する向きとを有する補正パルス
を発生し、またパルス発生器23の出力が終了し、後述す
る所定の遅延時間Δtが経過した後に、同数のパルスを
有し逆向きの補正パルスを発生する動作をなし、前者の
補正パルスは、前記加算器29により駆動パルスに加算さ
れた後、後者の補正パルスは、直接的に、パルスモータ
8の駆動回路80に与えられる。
【0037】なお、パルス発生器23,28の出力パルス
は、積算カウンタ25にて逐次積算され、ステッピングシ
リンダ7の現状のロッド位置、即ち、スライディングノ
ズル6の現状の開度を示す信号として前記加算器20にフ
ィードバックされている。またパルス発生器23,28が夫
々発生する駆動パルス及び補正パルスの周波数は、パル
スモータ8を可及的に大きい速度にて駆動して応答性を
向上せしめるべく、該パルスモータ8の自起動周波数が
採用されている。
【0038】また前記除算器22での除算は、加算器20の
出力である位置変更量Xに前回の除算により生じた端数
X″を加算した補正変更量X′に対して行われるから、
各制御機会において発生する端数X″が切捨てられるこ
とがなく、開度制御部1から順次与えられる開度指令が
精度良く実現される。
【0039】シリンダ制御部2の以上の動作によりパル
スモータ8は、まず、現状のロッド位置と目標値との偏
差に対応する数のパルスを有する駆動パルスに、現状の
シリンダ負荷の大小に対応する数のパルスを有する補正
パルスを加算してなる第1のパルス列により駆動され、
次いで前記遅延時間Δtが経過した後に、前記補正パル
スからなる第2のパルス列により逆向きに駆動される。
【0040】図3は、以上の如くパルスモータ8を駆動
した場合、即ち本発明方法を実施した場合におけるステ
ッピングシリンダ7の制御スプール及び出力ロッドの挙
動を示すタイムチャートである。本図に明らかな如く、
パルスモータ8の回転により直接的に駆動される制御ス
プール73は、第1のパルス列の出力開始と共に速やかに
移動を開始し、現状位置から前記補正変更量S′だけ離
れた位置にある正規の目標位置を所定の行き過ぎ量δだ
け超えた仮の目標位置に達し、該位置にΔtの間停止し
た後、第2のパルス列の作用により逆向きに移動して、
正規の目標位置に整定する。
【0041】一方、ステッピングシリンダ7の出力ロッ
ド72は、これに連結された負荷側の摩擦抵抗、具体的に
は、スライディングノズル6のゲート板60における静摩
擦抵抗の影響により、前述した制御スプール73の移動に
遅れを有して追随する。即ち、第1のパルス列に応じた
制御スプールの動作開始に伴って出力ロッド72が動作を
開始するまでの間に、ゲート板60の静摩擦抵抗に抗する
ための時間遅れを生じ(図のA領域)、その後は、ゲー
ト板60の動摩擦抵抗に抗して制御スプールと略等しい速
度にて動作し(図のB領域)、更に、制御スプール72が
停止した後においては、該制御スプール72に対するピス
トン71の相対移動に応じて該ピストン71の推進力が弱化
することから、その速度を減じつつ制御スプール73の停
止位置に漸近(図のC領域)する。
【0042】前述の如く、第1のパルス列の発信停止に
伴う制御スプールの停止位置は、正規の目標位置をδだ
け行き過ぎた位置であるから、図3に明らかな如く、制
御スプール73の停止時、即ち、前記B領域からC領域へ
の移行時における出力ロッド72の位置は正規の目標位置
に近く、その後、C領域内での出力ロッド72の動作中に
制御スプール73が第2のパルス列の作用により逆向きに
変位し、正規の目標位置に近付くから、出力ロッド72も
またこれに追随して移動し、図中に2点鎖線にて示す仮
の目標位置への漸近線から外れ、正規の目標位置に漸近
して該目標位置に整定する。
【0043】このとき、第1のパルス列による動作後に
おける制御スプール73の行き過ぎ量δは、B領域からC
領域への移行時におけるロッド位置を決定するが、この
行き過ぎ量δは、前記補正パルスの加算により得られる
ものであり、この補正パルスは、動作開始時における出
力ロッド72の負荷荷重の大小に対応する数のパルス数、
換言すれば、出力ロッド72の動作開始までの遅れ領域
(A領域)の幅に対応するパルス数を有する。従って、
動作開始時における負荷側の状態に常に適応した行き過
ぎ量δが自動的に得られ、B領域からC領域への移行時
におけるロッド位置が正規の目標位置をやや下回るよう
になり、この後所定の遅れ時間Δt後に生じる制御スプ
ール73の逆向きの移動により、ステッピングシリンダ7
の出力ロッド72が目標位置に整定するまでの時間が大幅
に短縮できる。
【0044】なお、行き過ぎ量δの最適化は、補正パル
ス発生部2bにおける増幅器26のゲイン調節により、また
遅延時間Δtの最適化は、同じくパルス発生器28に内蔵
された遅延タイマの設定変更により、鋳込スタート前に
冷間にて夫々行えばよく、このように選定された最適値
を用いて本発明方法を実施した場合、図3と図5との比
較により明らかな如く、制御スプールの動作開始時点か
ら出力ロッドが目標位置に整定するまでの時間、即ち、
前記A,B,C領域全体の所要時間が大幅に短縮され、
ステッピングシリンダ7のロッド位置制御の応答性を大
幅に向上し得ることとなる。
【0045】なお本実施例においては、連続鋳造設備に
おける鋳型内の湯面レベル制御における本発明装置の適
用例について説明したが、本発明装置の適用範囲はこれ
に限るものではなく、位置型の指令に従ってステッピン
グシリンダを制御することが要求されるあらゆる用途に
適用可能なことは言うまでもない。
【0046】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明方法において
は、ステッピングシリンダの現状のロッド位置と目標位
置との偏差が生じた場合、ステッピングシリンダの駆動
源となるパルスモータを、前記偏差に対応するパルス数
を有する駆動パルスに補正パルスを加えたパルス列によ
り駆動し、ステッピングシリンダの制御スプールを、本
来の目標位置を所定量だけ行き過ぎた位置に整定させ、
制御スプールの停止時における出力ロッドの動作位置を
本来の目標位置に近づけておき、その後、補正パルスの
みにより逆向きに駆動し、制御スプールを目標位置に戻
すから、出力ロッドが目標位置に整定するまでの時間を
大幅に短縮でき、更に、前記補正パルスのパルス数をピ
ストン両側の圧力差により推定される負荷側の状態に応
じて決定しているから、制御スプールの初期の行き過ぎ
量が動作開始時における負荷側の状態に適応した量とな
り、負荷側の状態に応じた最適な制御が行われ、位置型
の制御指令に従うステッピングシリンダのロッド位置制
御を高い応答性にて実現し得る等、本発明は優れた効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】連続鋳造設備の湯面レベル制御における本発明
方法の実施状態を示す模式図である。
【図2】本発明方法に従った動作をなすシリンダ制御部
の内部構成を示すブロック図である。
【図3】本発明方法の実施時における制御スプール及び
出力ロッドの挙動を示すタイムチャートである。
【図4】ステッピングシリンダの動作説明図である。
【図5】従来のロッド位置制御方法の実施時における制
御スプール及び出力ロッドの挙動を示すタイムチャート
である。
【符号の説明】
1 開度制御部 2 シリンダ制御部 2a 駆動パルス発生部 2b 補正パルス発生部 6 スライディングノズル 7 ステッピングシリンダ 8 パルスモータ 9 レベル検出器 23 パルス発生器 25 シリンダ負荷推定器 28 パルス発生器 71 ピストン 72 出力ロッド 73 制御スプール M 鋳型 T タンディッシュ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルスモータの回転に伴う内蔵スプール
    の変位によりピストンの両側に生じる圧力差に応動する
    ステッピングシリンダのロッド位置を所定の目標位置に
    一致せしめるべく、両位置間の偏差に対応するパルス数
    を有する駆動パルスに発信して、前記パルスモータを回
    転駆動するステッピングシリンダのロッド位置制御方法
    において、前記ピストン両側の圧力差を検出し、この検
    出結果に対応するパルス数を有する補正パルスを前記駆
    動パルスに同向きに加えて発信し、これらの発信を終了
    した後に、前記補正パルスを逆向きに発信することを特
    徴とするステッピングシリンダのロッド位置制御方法。
JP35746592A 1992-12-23 1992-12-23 ステッピングシリンダのロッド位置制御方法 Pending JPH06193601A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015062917A (ja) * 2013-09-24 2015-04-09 新日鐵住金株式会社 連続鋳造機の湯面レベル制御装置、連続鋳造機の湯面レベル制御方法およびコンピュータプログラム
KR20220058711A (ko) * 2020-10-29 2022-05-10 한국수력원자력 주식회사 유량 제어용 서보 밸브의 제어 장치 및 그 제어 방법

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