JPH06191818A - 多結晶シリコンの製造方法 - Google Patents

多結晶シリコンの製造方法

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JPH06191818A
JPH06191818A JP35664392A JP35664392A JPH06191818A JP H06191818 A JPH06191818 A JP H06191818A JP 35664392 A JP35664392 A JP 35664392A JP 35664392 A JP35664392 A JP 35664392A JP H06191818 A JPH06191818 A JP H06191818A
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gas
silicon
reactor
dispersion plate
flow rate
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JP35664392A
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English (en)
Inventor
Yoshinori Komatsu
善徳 小松
Masaaki Ishii
正明 石井
Kazutoshi Takatsuna
和敏 高綱
Yasuhiro Saruwatari
康裕 猿渡
Nobuhiro Ishikawa
延宏 石川
大助 ▲廣▼田
Daisuke Hirota
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tonen Chemical Corp
Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Tonen Sekiyu Kagaku KK
Tonen Chemical Corp
Toagosei Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 反応器内壁へのシリコンの析出や、原料ガス
が通過する分散板オリフィスのシリコン析出による目詰
まりなどが充分に抑制され、長期間安定した操業が可能
で、高品質の製品を安定して得ることのできる多結晶シ
リコンの製造方法を提供する。 【構成】 流動層反応器内でシリコン粒子を流動化させ
ておき、該反応器内にシラン化合物及び希釈ガスを該反
応器の下部に設けたガス分散板を介して供給し、シラン
化合物の熱分解により生成したシリコンを前記シリコン
粒子表面に析出させて粒状の多結晶シリコンを製造する
方法において、前記分散板の中央部下面に対して流量調
節弁を付設した複数のシラン化合物噴出ノズルの各先端
を、及び前記分散板の周縁部下面に対して流量調節弁を
付設した複数の希釈ガス噴出ノズルの各先端を、それぞ
れ対向配置させ、それらの各ノズルを通してシラン化合
物及び希釈ガスを各ノズルに付設した流量調節弁でその
流量を調節しながら前記分散板下面に吹き付けることを
特徴とする多結晶シリコンの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多結晶シリコンの製造
方法に関し、更に詳しくは、流動層反応器を用いるシラ
ン化合物の熱分解による粒状多結晶シリコンの製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】多結晶シリコンは、半導体素子や普及の
目ざましい太陽電池などの原料として用いられており、
その製造は主としてジーメンス法により行なわれてい
る。この方法は、ベルジャー炉内に配置したシリコンロ
ッドを通電加熱し、そこにガス状のクロルシランやモノ
シランを流通させるものであり、炉内に供給されたシラ
ン類は、熱分解によりシリコンを生成し、シリコンロッ
ド上に析出するので、これを任意成長させた後に回収す
るものである。現在、大部分の多結晶シリコンはこの方
法で製造されており、高純度を維持することは比較的容
易であるという特徴を有している。しかしながら、基本
的にバッチ操作であることから、生産効率が悪く、大規
模生産によるスケールメリットはでない。つまり、大規
模生産では、ベルジャーの数を増やす必要があることか
ら設備費用がかさむという欠点があり、また消費エネル
ギーは大部分が熱となって放散されてしまうという欠点
がある。
【0003】このような状況のもと、最近開発が進めら
れているのが、流動層法による多結晶シリコンの製造で
ある。これは円筒状の流動層反応器内で、粒状のシリコ
ン粒子を原料として、その表面上にシリコンの析出を行
なうものである。この方法では、通常反応器が外部ヒー
ターにより加熱され、反応器の上方よりシリコン粒子が
供給される。反応器の下方より、原料であるシラン化合
物を含むガスが供給される。供給された粒子は、反応器
内を上昇するガスにより流動化されて流動層を形成す
る。原料ガスは反応器内を通過する間にヒーター及び粒
子により加熱され、熱分解してシリコンを生成し、流動
化しているシリコン粒子の表面にシリコンを析出する。
【0004】この流動層法による多結晶シリコンの製造
は、連続式であり、スケールアップも容易であることか
ら、工業化に適しているのみならず、熱の放散がジーメ
ンス法の1/10以下と省エネルギータイプであり、ま
たシリコン粒子の表面積はロッドに比較して著しく大き
いため、生産性の点でも極めて有利な方法である。更
に、この方法で製造された粒状多結晶シリコンは、ジー
メンス法で製造したシリコンロッドに比較して、運搬、
解砕、梱包等の設備費並びに人件費等が大幅に軽減され
る。その上、流動性を有することから、単結晶シリコン
製造において、坩堝への供給が容易であり、且つ充填密
度が上げられ、連続的に供給することも容易であるなど
種々の利点を有している。
【0005】但し、この方法で多結晶シリコンを製造す
るに当たっては、反応を600〜1200℃で実施し
て、シラン化合物を分解し、シリコンを生成させる必要
がある。この温度の与え方としては、反応器外部からの
加熱が一般に行なわれている。これらの場合は、シリコ
ンを析出させるべき粒子より、反応器壁部の方が高温に
なることは避けられない。この結果として、反応壁部で
のシラン化合物の分解がより多く且つ迅速に促進され、
反応器壁部へのシリコンの析出や堆積シリコンによる反
応器内部の閉塞といった問題が発生する。
【0006】反応器内壁へのシリコン析出や堆積シリコ
ンによる反応器内部の閉塞は、多結晶シリコンの製造を
行なう上で深刻な問題であり、従来からこれを解決する
ために種々の提案がなされている。例えば、特開昭59
−45917号公報には、反応器内を内筒と外筒の2重
にし、内筒の下部の分散板により内筒内のシリコンを流
動化し、ガスの流れとともに上昇した粒子を内筒と外筒
の間を落下させて粒子の循環を作るとともに、外筒の外
側に設けた加熱器により循環粒子に熱を与えて流動層内
全体に伝達し、更に原料ガスを内筒の内側に供給し、内
筒の内側でシリコン析出反応を行なうことにより、反応
器内壁と原料ガスの接触を避け、反応器内壁へのシリコ
ンの析出を防止する方法が提案されている。また、特開
平2−279512号公報には、反応器壁のシリコン含
有ガス濃度を低減させるため、反応器の器壁内面に沿っ
て水素を流通させ、その内側に原料ガスを通過させるこ
とで、シリコン析出を防ぐ方法が提案されている。
【0007】ところが、これらの方法は反応器内壁への
シリコンの析出の一部を減少させることはできるもの
の、以下に述べるような欠点を有している。即ち、特開
昭59−45917号公報記載の方法では、粒子は環状
部を降下するにつれて加熱され、内筒と底板の間を通過
し循環するが、接触する分散板の温度上昇を伴うため、
シラン化合物が分散板近傍で熱分解する。従って、析出
シリコンは分散板に付着し、目詰まりを引き起こす可能
性がある。一方、特開平2−279512号公報記載の
方法では、水素と原料ガスが反応器内で速やかに混合さ
れてしまうので、水素によるシール効果だけで壁への析
出を防止するには充分とはいえない。更に、原料ガスが
流通する分散板オリフィスは、シリコンの析出による目
詰まりなどのトラブルが発生し易く、長期連続運転には
大きな問題がある。
【0008】更に、特開昭57−145021号公報に
は、反応器底部に設けた複数のノズルからクロロシラン
ガスと水素ガスとを反応器内へ送入する方法が提案され
ている。この方法は、クロロシランガスと水素ガスとを
夫々別個に独立した複数のノズルから反応器内に送入
し、シリコン粒子の流動状態に応じて各ノズルからのガ
ス流量を調節するので、常にシリコン粒子を安定な流動
状態に保つことができる上に、最外側のノズルから水素
ガスのみを供給するようにすれば、反応器壁へのシリコ
ン析出を防止でき、長期間の操業が可能となるとしてい
る。しかし、この方法ではノズル先端部が高温に加熱さ
れることから、そのノズル先端部でのクロロシランの熱
分解が起り、長時間連続操作を行うとノズルの閉塞トラ
ブルが生じる上、ノズルによるシリコン粒子の汚染の問
題もある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、反応器内壁
へのシリコンの析出や、原料ガスが通過する分散板オリ
フィスのシリコン析出による目詰まりなどが充分に抑制
され、長期間安定した操業が可能で、高品質の製品を安
定して得ることのできる多結晶シリコンの製造方法を提
供することをその課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、分散板下面に対
し、複数の原料シランガスノズルと、複数の稀釈ガスノ
ズルを対向配置し、それらの各ノズルを通して原料ガス
と稀釈ガスを流量調節しながら分散板下面に吹付けると
きには、長期間にわたっての連続操作においても、分散
板の目詰まりを防止でき、原料ガスと稀釈ガスを長時間
にわたって円滑に反応器内へ供給することができ、かつ
流動層状態を長時間にわたって安定に保持することがで
きることを見出した。
【0011】即ち、本発明によれば、流動層反応器内で
シリコン粒子を流動化させておき、該反応器内にシラン
化合物及び希釈ガスを該反応器の下部に設けたガス分散
板を介して供給し、シラン化合物の熱分解により生成し
たシリコンを前記シリコン粒子表面に析出させて粒状の
多結晶シリコンを製造する方法において、前記分散板の
中央部下面に対して流量調節弁を付設した複数のシラン
化合物噴出ノズルの各先端を、及び前記分散板の周縁部
下面に対して流量調節弁を付設した複数の希釈ガス噴出
ノズルの各先端を、それぞれ対向配置させ、それらの各
ノズルを通してシラン化合物及び希釈ガスを各ノズルに
付設した流量調節弁でその流量を調節しながら前記分散
板下面に吹き付けることを特徴とする多結晶シリコンの
製造方法が提供される。
【0012】以下、本発明の多結晶シリコンの製造方法
について詳しく説明する。本発明においては、流動層反
応器を用いて多結晶シリコンを製造する方法において、
分散板の中央部下面に対して、複数の噴出ノズルの先端
を対向させ、これらの噴出ノズル先端から原料シランガ
スをその分散板の中央部下面に吹きつける。この場合、
分散板下面とノズル先端との距離は10〜500mm、
好ましくは50〜100mmである。また、ノズル先端
の噴出孔の直径は、1〜20mm、好ましくは3〜10
mmである。この噴出ノズルの数はできる限り多い方が
好ましいが、通常、分散板のオリフィス(細孔)1〜1
00個当りに1個、好ましくは1〜20個当りに1個の
割合で配設するのがよい。さらに、各噴出ノズルには、
流量調節弁を付設して、各噴出ノズルから噴出させるシ
ラン化合物の流量を独立して調節するのが好ましい。
【0013】また、本発明においては、分散板の周縁部
下面に対して、複数の噴出ノズルの先端を対向させ、こ
れらの噴出ノズル先端から稀釈ガスをその分散板の周縁
部下面に吹きつける。この場合、分散板下面とノズル先
端との距離は5〜100mm、好ましくは10〜50m
mである。また、ノズル先端の噴出孔の直径は、1〜2
0mm、好ましくは3〜10mmである。この噴出ノズ
ルの数はできる限り多い方が好ましいが、通常、分散板
のオリフィス(細孔)1〜100個当りに1個、好まし
くは1〜20個当りに1個の割合で配設するのがよい。
さらに、各噴出ノズルには、流量調節弁を付設して、各
噴出ノズルから噴出させる稀釈ガスの流量を独立して調
節するのが好ましい。
【0014】前記のようにして、原料シランガス及び稀
釈ガスのそれぞれを複数のノズル先端から分散板下面に
流量調節しながら吹付け、分散板のオリフィスを介して
反応器内へ導入させることにより、安定した状態のシリ
コン流動層を反応器内に形成させることができるととも
に、分散板や反応器内壁における局所加熱を防止するこ
とができ、分散板オリフィスのシリコン析出による目詰
まりや、反応器内壁面へのシリコン堆積による反応器閉
塞の問題を効果的に抑制することができる。また、反応
器内における流動化シリコン粒子の凝集を効果的に抑制
することができ、安定した状態で長時間継続して反応を
行うことができる。さらに、分散板オリフィスの一部が
目詰まりを生じた場合でも、原料シランガス及び稀釈ガ
スは複数のノズルから噴出されているので、シリコン粒
子の流動が急速に不安定化されるようなこともない。そ
の上、分散板オリフィスの目詰まりが生じた場合には、
その目詰まりを生じたオリフィスに対応する噴出ノズル
の流量及び流量調節弁のバルブ開度や△Pが変化するの
で、その目詰まりを早期に発見することができるととも
に、そのノズルからのガス噴出量を調節することによ
り、反応器内に形成される流動層の状態を安定に保持す
ることができる。
【0015】次に、本発明について、図面を参照しなが
ら更に詳細に説明する。図1は本発明を実施するための
流動層反応器の一例を示す概略図である。この図におい
て、1は反応器、2は排ガス排出管、3は種シリコン装
入管、4は底板、5はガス分散板、6は仕切板、7は反
応器底部の中央部、8は反応器底部の周縁部、9は原料
ガス導入管、10は希釈ガス導入管、11は製品抜き出
し管、12はヒーター、13は流動層、14はシランガ
ス流量調節弁、15及び16は希釈ガス流量調節弁をそ
れぞれ示す。
【0016】円筒状の反応器1は、その上部に排ガス排
出管2と、種シリコン粒子を反応器内に装入するための
装入管3とを備えている。反応器の底部は、底板4との
間に間隔をあけて設けられたガス分散板5により、二重
構造に形成され、底板4とガス分散板5との間は、空洞
となっている。底板4に接続された原料ガス導入管9
は、分散板の中央部7の下面に対向する複数のノズルに
接続し、各ノズルにはガス流量調節弁14が付設されて
いる。分散板オリフィス(細孔)の直径は、0.1〜1
0mm、好ましくは1〜3mmであり、その数は10c
2当り、1〜20個、好ましくは1〜10個である。
また、稀釈ガス(水素ガス)管10は、分散板の周縁部
8の下面に対向する複数のノズルに接続し、各ノズルに
はガス流量調節弁15が付設されている。分散板5の中
心部には、底板4を貫通して製品抜き出し管11が接続
されている。また、製品抜き出し管11には希釈ガス流
量調節弁16を介して稀釈ガスの一部が導入され、製品
抜き出し管11を通して稀釈ガスが反応器内に導入され
る。なお、この場合、稀釈ガスは製品抜き出し管内に挿
入した細管を通して反応器内へ導入することもできる。
そして、ガス分散板5より上方には、反応器1を包むよ
うにヒーター12が設けられている。
【0017】反応器1内に所定量の種シリコン粒子を充
填し、この種シリコン粒子を、流量調節弁14を有する
各ノズル先端から分散板5の中央部7下面に吹付けて分
散板オリフィスを介して反応器内に導入される原料シラ
ンガスと、流量調節弁15を有する各ノズル先端から分
散板5の周縁部8下面に吹付けて分散板オリフィスを介
して反応器内に導入される稀釈ガスによって流動化させ
る。そして、この流動化シリコン粒子をヒーター12に
よって反応温度に加熱する。流動層13は、各ノズルに
付設した流量調節弁14、15によって噴出ガス流量を
調節することによって、所定の状態に保持される。ま
た、流量調節弁16を調節して、稀釈ガスの一部を製品
抜き出し管11を介して反応器内へ導入することによ
り、製品抜き出し管11内への微粉シリコンの落下を防
止することができる。このようにしてシラン化合物の熱
分解反応を行うことによって、シラン化合物の熱分解に
より生成したシリコンは流動化シリコン粒子上に析出
し、シリコン粒子の成長が行われる。所定の寸法に成長
した流動化シリコン粒子は、製品抜き出し管11を介し
て抜出されるとともに、装入管3から種シリコン粒子が
反応器内へ供給される。
【0018】図2(a)及び(b)に反応器底板上面に
おける原料ガス導入管(ノズル)と希釈ガス導入管(ノ
ズル)の配置の例を示す底板の模式断面図を示す。図2
(a)において、4は底板、11は製品粒子抜き出し
管、A〜Dは原料シランガス供給ノズル、イ〜チは稀釈
ガス供給ノズルを示す。図2(b)において、20は製
品抜出し管内に挿入された稀釈ガスを反応器内へ供給す
るための稀釈ガス供給管を示す。また、図2(b)にお
いて、図2(a)に示したのと同一符号は、図2(a)
に関して示したのと同一意味を有する。
【0019】本発明で用いられるシラン化合物として
は、テトラクロロシラン、トリクロロシラン、ジクロロ
シラン、モノクロロシラン等のクロロシラン類や、モノ
シラン、ジシランなどがある。また、希釈ガスとして
は、通常水素ガスが使用されるが、アルゴン、ヘリウム
等の不活性ガスを使用することもできる。反応中に供給
される追加種シリコン粒子としては、製品シリコン粒子
の破砕品や分級品などが使用され、その平均粒径が15
0〜300μmの範囲にあるものが好ましい。反応温度
は、原料シラン化合物の種類によって異なるが、クロロ
シラン類の場合は、1000〜1250℃、モノシラン
の場合は600〜800℃である。
【0020】本発明においては、原料ガス及び希釈ガス
の流動層反応器への供給は、それらのガスを複数の流れ
に分割し、分散板の複数の個所から反応器内へ導入する
ことを特徴とするが、上記両ガスの総量に基づく流動層
のガス空塔速度は、使用する種シリコン粒子及び得られ
る製品粒子の粒径によって決定される。即ち、ガス空塔
速度は、種シリコン粒子の終末速度以下であって、且つ
製品粒子の最低流動化速度以上である範囲で選択され
る。ガス空塔速度が大きすぎると、微粉の生成量が急激
に増加するし、逆に小さすぎると、粒子同士の固着が起
り易くなる。一般的には、ガス空塔速度は、0.4〜
0.8m/sec程度とするのが好ましい。
【0021】本発明においては、前記した原料シランガ
スの供給量及び稀釈ガス供給量は、各ノズルに付設した
流量調節弁14、15により調節し、流動層の状態を一
定に保持する。分散板オリフィスにおいて、シランガス
の通過部は目詰まりを生じやすい部分であり、反応を長
時間にわたって行うと、この部分を通るガスの圧力損失
が次第に大きくなって行く。しかし、本発明では、シラ
ンガスの供給量は、反応時間の経過に応じ、そのノズル
に付設した流量調節弁で調節されるため、急激な目詰ま
りによる流動化の停止には至らない。また、稀釈ガスの
供給量は、そのノズルに付設した流量調節弁を調節する
ことにより、反応器内壁及び分散板上へのシリコンの析
出具合を反応器壁温によって知り、その程度によって分
散板周縁部下面の希釈ガス噴出量を増減させて流動層の
長期安定化が図れる。
【0022】製品シリコン粒子は、半導体製造用として
使用される場合、単結晶を引き上げる工程において、ハ
ンドリング上粒径が大きい方が使用し易く、粒径1mm
以上のものが望まれている。また、汚染防止の観点から
は、微粉が少ないことが好ましい。従って、製品として
は粒径がなるべく大きい物を得たい訳であるが、当然の
ことながら粒径が大きくなる程流動層内の粒子は動きに
くくなるため、粒子同士の固着が発生し易くなる。その
ため、通常、平均粒径1000〜2000μmの製品シ
リコンを得るようにするのが好ましい。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。
【0024】実施例1 図1に示す装置系を用いて、下記条件で多結晶シリコン
を製造した。内径は100mm、高さ2,000mmの
石英製外筒の内部に、内径80mm、高さ1,800m
mの石英製内筒を付帯した流動層反応器を用いた。な
お、反応器底板上面における原料ガス導入管9と希釈ガ
ス導入管10の配置は図2−(a)で示されるものであ
る。また、分散板には、直径1mmのオリフィスを10
cm2当り、10個有するものである。加熱ヒーターは
分散板水平面より200mm〜1,000mm高い位置
に設置した。分散板の中央部からはシラン濃度100%
のガスを供給し、分散板の周縁部からは希釈ガスとして
水素のみを供給した。両側のガスを合計した供給ガス中
のシラン濃度は20%volである。
【0025】粒子径範囲300〜2,000μmの粒子
で平均粒子径750μmのシリコン粒子を、塔径に対し
て流動層高の比を1:4となるように充填した。反応温
度を700℃、供給ガスの流速を0.5m/secとし
て反応させた。なお、この場合、原料ガスの流量は分散
板オリフィス8個単位で制御し、水素ガス流量は分散板
オリフィス16個単位で制御した。450時間継続した
後も反応継続にはなんら障害が生じなかった。450時
間で反応停止後、石英製内筒及び分散板の付着物を点検
したが、シリコンの析出は最大で2mmの厚さであり、
分散板のオリフィスの詰まりも全く見られず、単位面積
当たりのオリフィス毎のガス流量制御の優位性が認めら
れた。なお、前記したモノシランガス流量は、そのノズ
ルに付設した流量調節弁により、分散板の単位面積当り
のガス量を正確に制御することにより、分散板オリフィ
ス周辺へのシリコン析出を防止した。また、前記した水
素ガスの流量は、そのノズルに付設した流量調節弁によ
り、分散板周縁へのシリコン析出が防止されるように制
御した。
【0026】実施例2 反応温度を750℃とし、供給ガスの流速を0.6m/
secとした以外は、実施例1と同様にして反応を行っ
たところ、330時間継続した後も反応継続にはなんら
障害が生じなかった。330時間で反応停止後、石英製
内筒及び分散板の付着物を点検したが、シリコンの析出
は最大で2mmの厚さであり、分散板のオリフィスの詰
まりも全く見られず、安定運転の確証となった。
【0027】比較例1 実施例1と同様の装置を用いて、同様の運転条件で反応
を行った。ただし、この場合、反応中の分散板の各オリ
フィスを通るガスの流量調整は行なわずに、分散板の性
能に任せた。225時間後、流動層の△p(圧力損失)
の振れが少し大きくなったので、装置を解放点検したと
ころ、分散板オリフィスにもシリコンの析出がみられ、
一部は閉塞気味であった。また、分散板上部周辺の壁及
び反応器上部の内壁にシリコンの析出が見られ、更に分
散板上約5〜6cmに3〜5mm厚のシリコン析出が見
られ、反応域も狭められて、シラン転化率も低下した。
【0028】比較例2 実施例2と同様の装置を用いて、同様の運転条件で反応
を行った。ただし、この場合、分散板オリフィスを通る
ガスの流量調整は行なわずに、分散板の性能に任せた。
208時間後、流動層の△pの振れが少し大きくなりシ
ラン反応率も低下したので運転を停止し、装置を分解点
検したところ、分散板オリフィスにもシリコンの析出が
みられ、一部は閉塞していた。分散板上約5cmに3〜
5mm厚のシリコン析出が見られ、シラン転化率も低下
した。
【0029】
【発明の効果】本発明方法においては、原料シラン化合
物及び希釈ガスの供給量が、反応器入口で、特定数の分
散板オリフィス毎に、確実にコントロールされることか
ら、分散板上及びその周辺の局部加熱が避けられ、分散
板オリフィスへのシリコン析出も抑制され、分散板の目
詰まりによるトラブルも回避される。また、例え分散板
オリフィスへのシリコン析出が進行した場合において
も、流量調節弁により、各分散板オリフィスへの流量バ
ランスが調整できるので、急激な粒子運動の減速等が防
止され、流動層の安定化が図れる。更に、ガス流量調節
弁の開度や△p等から、分散板の目詰まりや、流動層下
部の異常などの早期発見が可能になる。このようなこと
から、本発明によると、シリコンの析出による反応器内
壁や分散板上へのシリコン析出の抑制、製品の品質安定
化並びに流動化粒子の凝集防止等が可能となり、長期間
安定した流動層の運転が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するための流動層反応器の一例を
示す概略図である。
【図2】本発明を実施するための流動層反応器の底板に
おける原料ガス導入管、希釈ガス導入管等の配置を示す
底板の模式横断面図である。(a)はその1つの実施例
を示し、(b)はその変更例を示す。
【符号の説明】
1 反応器 2 排ガス排出管 3 種シリコン装入管 4 底板 5 ガス分散板 6 仕切板 7 中央部 8 周縁部 9 原料ガス導入管 10 希釈ガス導入管 11 製品抜き出し管 12 ヒーター 13 流動層 14 シランガス流量調節弁 15 希釈ガス流量調節弁 16 希釈ガス流量調節弁 20 希釈ガス供給管 A〜D 原料ガス導入管断面 イ〜チ 希釈ガス導入管断面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高綱 和敏 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3番1号 東 燃化学株式会社技術開発センター内 (72)発明者 猿渡 康裕 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3番1号 東 燃化学株式会社技術開発センター内 (72)発明者 石川 延宏 愛知県名古屋市港区船見町一番地の1 東 亞合成化学工業株式会社名古屋総合研究所 内 (72)発明者 ▲廣▼田 大助 愛知県名古屋市港区昭和町17番地の23 東 亞合成化学工業株式会社名古屋工場内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流動層反応器内でシリコン粒子を流動化
    させておき、該反応器内にシラン化合物及び希釈ガスを
    該反応器の下部に設けたガス分散板を介して供給し、シ
    ラン化合物の熱分解により生成したシリコンを前記シリ
    コン粒子表面に析出させて粒状の多結晶シリコンを製造
    する方法において、前記分散板の中央部下面に対して流
    量調節弁を付設した複数のシラン化合物噴出ノズルの各
    先端を、及び前記分散板の周縁部下面に対して流量調節
    弁を付設した複数の希釈ガス噴出ノズルの各先端を夫々
    対向配置させ、それらの各ノズルを通してシラン化合物
    及び希釈ガスを各ノズルに付設した流量調節弁でその流
    量を調節しながら前記分散板下面に吹き付けることを特
    徴とする多結晶シリコンの製造方法。
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