JPH0619177A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH0619177A
JPH0619177A JP19612592A JP19612592A JPH0619177A JP H0619177 A JPH0619177 A JP H0619177A JP 19612592 A JP19612592 A JP 19612592A JP 19612592 A JP19612592 A JP 19612592A JP H0619177 A JPH0619177 A JP H0619177A
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JP19612592A
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Shoji Amamiya
昇司 雨宮
Shinya Mayama
進也 間山
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 導電性基体上に電荷輸送層、電荷発生層及び
保護層を順次積層してなる電子写真用感光体において、
保護層が、ポリエチレンテレフタレート樹脂、重合可能
なエポキシ基を有する化合物及び光カチオン重合開始剤
を含有する組成物を塗布、硬化させて形成した層からな
り、かつ電荷発生層が、構造式(I) 【化1】 (式中、R1、R2、R3、R4およびR5は水素原子、フ
ッ素原子またはトリフルオロメチル基を示し、それぞれ
が同一でも異なっていてもよい。但し、R1、R2
3、R4およびR5が同時にすべて水素原子である場合
を除く。)で示される共重合体を結着樹脂として含む電
子写真感光体。 【効果】 保護層の硬度が高く耐久性に優れているとと
もに亀裂がなく、画像欠陥の生じない高品位な画像が得
られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、導電性基体上に電荷輸
送層、電荷発生層及び保護層を順次積層してなる電子写
真感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真用感光体としては、材料
選択の広さ、無公害性あるいは高生産性といった利点を
有することから、有機光導電材料が広く利用されてい
る。これらの電子写真感光体は、感度および機械的特性
の双方を満足するために、電荷発生層と電荷輸送層を積
層した機能分離型感光体として利用される場合が多い。
一方、電子写真感光体として当然のことながら、適用さ
れる電子写真プロセスに応じた所定の感度、電気特性、
更には光学的特性を備えていることが要求される。特に
繰り返し使用可能な電子写真感光体の表面層には、コロ
ナ帯電、トナー現像、紙への転写あるいはクリーニング
処理といった電気的、機械的外力が直接加えられるた
め、それらに対する高い耐久性が要求される。具体的に
は、コロナ帯電時に発生するオゾンによる劣化のため
に、感度低下や電位低下、残留電位増加、あるいは摺擦
による表面の摩耗や傷の発生等に対する耐久性が要求さ
れる。
【0003】電子写真感光体は通常、表面に樹脂層を有
し、現在一般的に使用されている樹脂としては、特に耐
久性等の点から、ポリカーボネート樹脂やポリアクリレ
ート樹脂等に代表されるエンジニアリングプラスチック
が挙げられ、これらの詳細は例えば特開昭61−238
061号公報に記載されている。
【0004】しかしながら、前記の樹脂を用いた電子写
真感光体においては、帯電、露光、現像、転写およびク
リーニングといった機械的作用下での更なる耐久性が望
まれており、これらの表面層に使用される有機高分子材
料として種々の硬化性の組成物、例えばポリウレタン樹
脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂もしくはグアナミン樹
脂等の熱硬化性樹脂類、および種々の光硬化性樹脂類が
用いられている。前述の硬化性樹脂は、確かに機械的強
度は架橋構造によって著しく向上されてはいるが、クリ
ーニングブレードに対する潤滑性の点では更なる改良が
望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、ポリエ
ステル樹脂、重合可能なエポキシ基を有する化合物およ
び光カチオン重合開始剤を含有してなる被膜を活性化学
線照射により硬化して得られた表面層を有する電子写真
感光体は、高分子化合物と、重合可能な化合物を混合後
硬化することによって、高分子網目構造が形成され極め
て強固で、クリーニングブレードに対して潤滑性のある
表面層が得られることを見出した。また、この電子写真
感光体は電子写真感光体の他、転写ベルト、ローラーの
表面層等の保護部材に好適である。
【0006】しかし、前記のような光硬化型エポキシ樹
脂を正帯電用電子写真感光体の表面保護層として用いた
場合、感光層上に塗布、光硬化した際に生じる収縮によ
り感光体自体に亀裂が生じやすく、これに起因して画像
欠陥が発生するという現象が問題となっていた。
【0007】本発明は、前述の要求に答える電子写真感
光体を提供しようとするもので、保護層塗工による感光
体の亀裂発生をおさえ、耐久性が高く、かつ画像欠陥の
ない正帯電用電子写真感光体を提供することを目的とし
ている。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記の問題点に対して、
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、保護層がポリエチ
レンテレフタレート樹脂、光重合可能なエポキシ基を有
する化合物及び光カチオン重合開始剤を含有する樹脂を
塗布、硬化した膜であり、かつ電荷発生層に用いるバイ
ンダー樹脂として構造式〔I〕で示される樹脂を用いた
電子写真感光体にすることで、前述の要求に答える電子
写真感光体を提供することができた。
【0009】すなわち本発明の電子写真感光体は、導電
性基体上に電荷輸送層、電荷発生層及び保護層を順次積
層してなる電子写真用感光体において、前記保護層が、
ポリエチレンテレフタレート樹脂、重合可能なエポキシ
基を有する化合物及び光カチオン重合開始剤を含有する
組成物を塗布、硬化させて形成した層からなり、かつ前
記電荷発生層が下記の構造式(I)で示される共重合体
を結着樹脂として含むことを特徴とする。
【0010】
【化2】 (式中、R1、R2、R3、R4およびR5は水素原子、フ
ッ素原子またはトリフルオロメチル基を示し、それぞれ
が同一でも異なっていてもよい。但し、R1、R2
3、R4およびR5が同時にすべて水素原子である場合
を除く。)を特徴とする。
【0011】以下に本発明を詳細に説明する。
【0012】本発明の電子写真感光体は、導電性基体上
に電荷輸送層、電荷発生層、保護層をこの順に積層した
構造を有する電子写真感光体である。以下にまず保護層
について説明する。
【0013】本発明の電子写真感光体において、保護層
は、ポリエステル樹脂、重合可能なエポキシ基を有する
化合物および光カチオン重合開始剤を含有する被膜で感
光層を被覆した後、この被膜を活性化学線の照射により
硬化させて形成される。この照射と同時および(また
は)照射後に加熱エージングを行うこともできる。
【0014】ポリエステル樹脂としては、溶媒に可溶で
あればいかなるものも使用できるが、温湿度による機械
的性質の変動が十分に低く、更にはクリーニングブレー
ドに対する潤滑性が良好であるものが望ましい。従って
ポリエステル樹脂としては、そのTgが40℃以上であ
ることが好ましく、具体的にはテレフタル酸とエチレン
グリコールの重縮合体即ちポリエチレンテレフタレート
樹脂、および、テレフタル酸とブチレングリコールの重
縮合体即ちポリブチレンテレフタレート樹脂等が挙げら
れる。ポリエステル樹脂の分子量は、重量平均分子量で
1000から300,000の範囲であることが好まし
く、溶剤に可溶であること、および溶液の粘度が適当で
あること等を考慮すれば、重量平均分子量で1000か
ら200,000の範囲であることがより好ましい。
【0015】ポリエステル樹脂と重合可能なエポキシ基
を有する化合物(以下「エポキシ樹脂」という)として
は、種々の公知のものが使用でき、具体的にはその中心
骨格として、例えばビスフェノールA、レゾルシン、ビ
スフェノールF、フェノールノボラック樹脂、ポリアル
コール、あるいはポリグリコールを有するものが挙げら
れる。このような化合物の例を以下に挙げる。
【0016】
【表1】 上記の化合物例において、Rはアルキル基をまたはアリ
ール基を示す。
【0017】ポリエステル樹脂とエポキシ樹脂との配合
割合は、潤滑性および耐久性等を考慮して決定され、例
えばポリエチレンテレフタレート樹脂とビスフェノール
A型のエポキシ樹脂とが混合されている場合、ポリエチ
レンテレフタレート樹脂の配合量が20〜95重量%の
範囲、ビスフェノールA型のエポキシ樹脂の配合量が5
〜80重量%の範囲であることが、良好な潤滑性および
耐久性を得るために好ましい。もちろん、他の型のエポ
キシ樹脂を組み合わせて使用することもでき、その際の
ポリエステル樹脂とエポキシ樹脂との配合割合は、クリ
ーニングブレードに対する潤滑性、耐摩耗性および機械
的強度等を考慮して決められる。
【0018】光カチオン重合開始剤としては、光照射に
よって酸を発生する化合物であれば、いかなるものも使
用できる。このような化合物の例を次に挙げる。
【0019】
【表2】
【0020】
【表3】 重合開始剤の添加量は、開始剤量が多過ぎる場合には、
硬化後であっても開始剤に起因するカチオンが残留する
ため被膜の機械的強度が減少する傾向があり、また逆に
開始剤量が少な過ぎる場合には、硬化の進行が遅くなっ
て表面層の機械的特性が不十分となる傾向があるため、
硬化度および硬化度加速度を考慮して決めることが望ま
しい。
【0021】表面層の形成は、まず支持体の表面に前記
ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂および重合開始剤等を
含有する被膜で被覆することにより行なう。被覆には溶
媒塗布法が好ましく用いられ、溶媒としてはポリエステ
ル樹脂を溶解可能なものであればいかなるものも使用で
きるが、成膜性等を考慮すれば、その沸点が50℃以上
のものが望ましく、具体的には例えばニトロベンゼン;
フェノール、クレゾール、m−クレゾールクロルフェノ
ールもしくはフェノールテトラクロルエタン等のフェノ
ール類;ヘキサフロロイソプロパノール等の多ハロゲン
置換のアルコール類;およびそれらの混合物といった溶
媒が挙げられる。これらの溶媒には、更にアルコールお
よび炭化水素類等の他の第三成分を適宜混合することが
できる。
【0022】次に、このようにして形成された被膜を活
性化学線で照射し、この照射中および(または)照射後
に加熱エージングを行なうことにより、この被膜を硬化
して表面層を形成する。加熱エージングを伴うことによ
って、表面層の硬化がより急速に進行し、特性が安定に
なり、極めて良好な諸特性を有する電子写真感光体が得
られる。反対に、硬化が不十分である場合には、潤滑
性、耐摩耗性、機械的特性、更には長期保存に対する安
定性が著しく低下するので。表面層として使用できな
い。
【0023】照射中および(または)照射後に行う加熱
エージングは30℃〜150℃の温度範囲で行なう。活
性化学線源としては、重合開始剤が吸収し得る波長を放
出するものであればいかなるものでも使用でき、具体的
には、例えば低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、
メタルハライドランプおよびEB照射装置等が挙げられ
る。
【0024】本発明においては、保護層中に、分散性、
接着性、耐候性を向上させる目的でカップリング剤、酸
化防止剤等の添加物を加えてもよい。または他のポリエ
ステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、アクリル樹
脂、シリコーン樹脂、アルキド樹脂、塩ビ−酢ビ共重合
体樹脂等の市販の樹脂と混合して用いても良い。本発明
における保護層の膜厚としては、0.1〜10ミクロ
ン、好ましくは0.5〜7ミクロンが適当である。
【0025】以上に記した処方により、保護層自体とし
ては非常に良好な膜が得られるが、しかしこの膜を通常
の止帯電用感光層上に塗工、光硬化した場合に、前述し
たように感光層または保護層に亀裂が発生するという新
たな問題点が生じることが確認された。この保護層の塗
布、硬化による感光体の亀裂発生の詳細な機構について
は、現在のところ明らかでないが、保護層硬化時の収縮
が一因となっていることは容易に推察でき、また保護層
用樹脂に用いる光硬化型エポキシ系モノマーの構造にも
起因することが判明している。すなわちモノマーの重合
に寄与する1分子当たりの官能基数が多くなればなるほ
ど、すなわち重合されてできるポリマーの構造がより三
次元的になればなるほど亀裂は発生しやすくなる傾向に
ある。またモノマーの単位重量当たりの官能基数とも相
関があり、単位重量当たりの官能基数が多い程、亀裂は
生じやすくなる傾向にある。しかし前述のように保護層
用の塗工液としては、光硬化型エポキシ系モノマーの一
分子当たりの官能基数が多い程、または単位重量当たり
の官能基数が多い程、硬度が高く耐削れ性、耐キズ性は
向上する。つまり、従来は特性を向上するための構造改
質を簡単には行うことができなかった。
【0026】そこで発明者らは、種々の検討の結果、上
記感光体での亀裂発生に対して非常な防止効果のある電
荷発生層用の結着樹脂を見出し、これを用いて硬度、耐
久性の高い感光体を、亀裂が発生することなく作成する
ことに成功した。この亀裂の発生防止に効果のある電荷
発生層用の結着樹脂は、下記構造式〔I〕に示されるも
のであり、本発明においてはこれを用いて感光層を形成
する。
【0027】
【化3】 (式中、R1、R2、R3、R4およびR5は水素原子、フ
ッ素原子またはトリフルオロメチル基を示し、それぞれ
が同一でも異なっていてもよい。但し、R1、R2
3、R4およびR5がすべて水素原子である場合を除
く。)以下に感光層の各層について説明する。
【0028】本発明で用いる基体は,導電性を有するも
のであればどのようなものでも良く、例えばアルミニウ
ム、クロム、ニッケル、ステンレス、銅、亜鉛などの金
属をドラムまたはシート状に成型したもの;アルミニウ
ムや銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネー
トしたもの;アルミニウム、酸化インジウム、酸化スズ
などをプラスチックフィルムに蒸着したもの;あるい
は、導電性物質を単独または適当なバインダー樹脂とと
もに塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィル
ム、紙などがあげられる。
【0029】この導電層に用いられる導電性物質として
は、アルミニウム、銅、ニッケル銀などの金属粉体、金
属箔および金属繊維、酸化アンチモン、酸化インジウ
ム、酸化スズなどの導電性金属酸化物、ポリピロール、
ポリアニリン、高分子電解質などの高分子導電材、カー
ボンブラック、グラファイト粉体、有機および無機の電
解質、またはこれらの導電性物質で表面を被覆した導電
性粉体などが挙げられる。
【0030】本発明で用いる積層型正帯電用感光体の電
荷輸送層は、主鎖または側鎖にビフェニレン、アントラ
セン、ピレン、フェナントレンなどの多環芳香族化合
物、インドール、カルバゾール、オキサジアゾール、ピ
ラゾリンなどの含窒素環式化合物、ヒドラゾン化合物、
スチリル化合物などの電荷輸送性物質を、ポリアミド、
ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリカー
ボネート、ポリエーテルなどの縮合系樹脂並びにポリス
チレン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ
N−ビニルカルバゾール、ポリビニルブチラール、スチ
レン−ブタジエン共重合などの重合体および共重合体な
どの樹脂へ配合して用いられる。電荷輸送層の厚さは5
〜40ミクロン、好ましくは10〜30ミクロンであ
る。
【0031】電荷発生層は、スーダンレッド、ダイアン
ブルーなどのアゾ顔料、ピレンキノン、アントアントロ
ンなどのキノン顔料、キノシアニン顔料、ペリレン顔
料、インジゴ、チオインジゴなどのインジゴ顔料、アズ
レニウム塩顔料、銅フタロシアニン、チタニルフタロシ
アニンなどのフタロシニアン顔料などの電荷発生物質を
本発明の構造式〔I〕で表されるバインダー樹脂を含有
する樹脂に溶解させた塗工液を用いて形成される。本発
明に用いられる構造式〔I〕で示される構造を有するポ
リビニルアセタール樹脂は重量平均分子量が10,00
0〜1,000,000であることが好ましく、特に
は、100,000〜500,000であることが好ま
しい。またアセタール化度は50モル%以上が好まし
く、特には70〜90モル%が好ましい。更に前記ポリ
ビニルアセタール樹脂の原料としてポリビニルアルコー
ルを用いるのが好ましく、このポリビニルアルコールの
ケン化度は85%以上であることが好ましい。
【0032】以下に本発明で使用されるポリビニルアセ
タール樹脂の代表例を、そのアセタール構造部分につい
て表4,5に例示する。
【0033】
【表4】
【0034】
【表5】 本発明に用いられるポリビニルアセタール樹脂は、電荷
発生層の構成成分に対して10〜90重量%含有されて
いることが好ましく、特には、20〜50重量%含有さ
れていることが好ましい。また電荷発生層の膜厚は5μ
m以下が好ましく、特には0.01〜1μmが好まし
い。
【0035】本発明においては、導電性支持体と感光層
の中間にバリヤー機能と接着機能を持つ下引層を設ける
こともできる。
【0036】下引層はカゼイン、ポリビニルアルコー
ル、ニトロセルロース、ポリアミド(ナイロン6、ナイ
ロン66、ナイロン610、共重合ナイロン、アルコキ
シメチル化ナイロンなど)、ポリウレタン、酸化アルミ
ニウムなどによって形成できる。
【0037】下引層の膜厚は5μm以下が好ましく、特
には、0.1〜3μmが好ましい。本発明の電子写真感
光体は、複写機、レーザープリンター、LEDプリンタ
ー、液晶シャッター式プリンターなどの電子写真装置一
般を応用したディスプレー、記録、軽印刷、製版、ファ
クシミリなどの装置にも幅広く適応し得るものである。
【0038】以下に、具体的実施例を挙げて、本発明を
さらに詳しく説明する。
【0039】
【実施例】
(実施例1)10%の酸化アンチモンを含有する酸化ス
ズで被覆した導電性酸化チタン粉体50重量部、フェノ
ール樹脂25重量部、メチルセロソルブ20重量部、メ
タノール5重量部及びシリコーンオイル(ポリジメチル
シロキサンポリオキシアルキレン共重合体、数平均分子
量3000)0.002重量部をφ1mmガラスビーズ
を用いたサンドミル装置で、2時間分散して導電用塗料
を調整した。
【0040】アルミシリンダー(φ30mm×260m
m)上に、上記塗料をディッピング塗工し、140℃で
30分間乾燥させ、膜厚20μmの導電層を形成した。
【0041】次に、メトキシメチル化ナイロン樹脂(数
平均分子量32000)30重量部とアルコール可溶性
共重合ナイロン樹脂(数平均分子量29000)10重
量部をメタノール260重量部、ブタノール40重量部
の混合溶媒中に溶解した液を上記、導電層上にディッピ
ング塗工機で塗布し、乾燥後の膜厚が1μmの下引層を
設けた。
【0042】次に下記構造式〔II〕
【0043】
【化4】 で示されるスチリル化合物10重量部とポリカーボネー
ト樹脂(数平均分子量55000)10重量部をモノク
ロルベンゼン40重量部とジクロルメタン20重量部の
混合溶媒に溶解し、これを下引層の上にディッピング塗
工機で塗布、乾燥して、20μmの電荷輸送層を形成し
た。
【0044】次に下記構造式〔III〕のビスアゾ顔料
【0045】
【化5】 5重量部にシクロヘキサノン90重量部を加えてサンド
ミルで20時間分散した。更にこの液に表4−No.1
のポリビニルアセタール樹脂2重量部をシクロヘキサノ
ン20重量部に溶かした液を加え更に2時間分散した。
【0046】この分散液にメチルエチルケトン590重
量部を加えて希釈し先に形成した電荷輸送層の上に乾燥
膜厚が0.2μmとなるようにスプレー塗工機で塗布し
電荷発生層を形成した。
【0047】更に、電荷発生層上に次の組成を有する表
面層形成用溶液をディッピング塗工機で塗布した後、1
60℃で60分乾燥し、高圧水銀灯(80W)を用いて
200mW/cm2(220nm〜390nmの波長域
の光量)の光強度で20秒間光硬化を行い、その後80
℃で加熱エージングを行なって膜厚2μmの表面層を形
成した。
【0048】 ポリエチレンテレフタレート樹脂 80部 エポキシ樹脂 20部 ジフェニルヨードニウム6フッ化リン塩 1.1部 メタクレゾール 900部 このようにして製造した電子写真用感光体の電荷輸送
層、電荷発生層、保護層の面にはクラック、亀裂は生じ
ていなかった。この感光体を帯電−露光−現像−転写−
クリーニングのプロセスを1.5秒サイクルで繰り返す
複写機に取り付け、常温常湿下で電子写真特性の評価を
行い、更に繰返し画像出し耐久を10000回行い、耐
久中及び耐久前後の画像の評価を行なった。その結果、
耐久前後において画像欠陥のない画像を得ることができ
た。
【0049】(実施例2)実施例1と同様の方法でアル
ミシリンダー上に導電層および下引層を設けた。次に下
記構造式〔IV〕
【0050】
【化6】 の電荷輸送材10重量部およびポリカーボネート(数平
均分子量25000)10重量部をジクロルメタン20
重量部、モノクロルベンゼン40重量部の混合溶媒中に
溶解し、この液を前記下引き層上にディッピング塗工し
120℃で60分間乾燥させ、膜厚9μmの電荷輸送層
を形成した。
【0051】次に構造式〔V〕
【0052】
【化7】 のジスアゾ顔料4重量部、表4−No.7のポリビニル
アセタール樹脂2重量部、及びシクロヘキサノン30重
量部をφ1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で
20時間分散した後、メチルエチルケトン60重量部を
加えて電荷発生層より分散液を調整した。この分散液を
上記電荷輸送層上にスプレー塗布し80℃で15分間乾
燥させ、膜厚0.10μmの電荷発生層を形成した。
【0053】次に、前記の実施例1と同様の処方の調合
液を用いて先の電荷発生層上にディッピング塗工し、成
膜、乾燥し、溶媒を除去した後、高圧水銀灯にて200
mW/cm2(220nm〜390nmの波長域の光
量)の光強度で20秒間光硬化を行った。このとき形成
した保護層の膜厚は2.0μmであった。
【0054】このように製造した電子写真感光体は実施
例2と同様の方法で目視評価、複写機画像出し評価を行
った。評価結果は表7に示す。
【0055】(実施例3)実施例3において電荷輸送層
中の電荷輸送物質が下記構造式〔VI〕
【0056】
【化8】 であり電荷輸送層の膜厚が5μmである他は、実施例3
と同様の方法で感光体を作成し評価を行った。評価結果
は表7に示す。
【0057】(比較例1,2,3,4)実施例1で用い
たポリビニルアセタール樹脂の代わりに下記構造式〔VI
I〕
【0058】
【化9】 (式中、Xは水素原子、ニトロ基、メチル基および塩素
原子を示す。)で示される構造を有するポリビニルアセ
タール樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして電子写
真感光体を作成し、実施例3と同様の方法で評価を行っ
た。評価結果は表7に示す。
【0059】
【表6】 (比較例5)実施例1で用いた電荷発生層中のバインダ
ーを下記構造式〔VIII〕
【0060】
【化10】 で示される構造を有する樹脂を用いた以外は実施例1と
同様にして電子写真感光体を作成し、実施例3と同様の
方法で評価を行った。評価結果は表7に示す。
【0061】(比較例6)実施例1で用いた電荷発生層
中のバインダーを下記構造式〔IX〕
【0062】
【化11】 で示される構造を有する樹脂を用いた以外は実施例1と
同様にして電子写真感光体を作成し、実施例3と同様の
方法で評価を行った。評価結果は表7に示す。
【0063】
【表7】 (注) CGL:電荷発生層 CTL:電荷輸送層 OCL:保護層。
【0064】 (評価基準) クラック 画像 ○ :ドラム全面にわたって全くない 画像上全く出ていない △ :細かい(1〜2mm)ものが10箇所以下 2箇所以下の欠陥 △×:細かい(1〜2mm)ものが10箇所以上 10箇所以下の欠陥 × :大きなクラックが少し入っている −− ××:全面に大きなクラックが入っている 10箇所以上の欠陥
【0065】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の電子写
真感光体において、保護層は、その硬度は高く耐久性に
優れ、しかもこの保護層の塗布、光硬化による亀裂発生
が全くなく、したがって画像欠陥の生じない高品位な画
像が得られる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体上に電荷輸送層、電荷発生層
    及び保護層を順次積層してなる電子写真用感光体におい
    て、前記保護層が、ポリエチレンテレフタレート樹脂、
    重合可能なエポキシ基を有する化合物及び光カチオン重
    合開始剤を含有する組成物を塗布、硬化させて形成した
    層からなり、かつ前記電荷発生層が下記の構造式(I)
    で示される共重合体を結着樹脂として含むことを特徴と
    する電子写真感光体。 【化1】 (式中、R1、R2、R3、R4およびR5は水素原子、フ
    ッ素原子またはトリフルオロメチル基を示し、それぞれ
    が同一でも異なっていてもよい。但し、R1、R2
    3、R4およびR5が同時にすべて水素原子である場合
    を除く。)
  2. 【請求項2】 前記保護層が、活性化学線の照射により
    硬化されたものであることを特徴とする請求項1記載の
    電子写真用感光体。
  3. 【請求項3】 前記保護層が、光硬化型エポキシ樹脂を
    5重量%から80重量%、ポリエチレンテレフタレート
    樹脂を20重量%から95重量%の割合で含有している
    ことを特徴とする請求項1記載の電子写真用感光体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5593103A (en) * 1993-05-18 1997-01-14 Tdk Corporation Reel spring for tape cassette and method for preparing it

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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