JPH06190490A - フランジ付き中空軸状鍛造品の製造方法 - Google Patents

フランジ付き中空軸状鍛造品の製造方法

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JPH06190490A
JPH06190490A JP34587992A JP34587992A JPH06190490A JP H06190490 A JPH06190490 A JP H06190490A JP 34587992 A JP34587992 A JP 34587992A JP 34587992 A JP34587992 A JP 34587992A JP H06190490 A JPH06190490 A JP H06190490A
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睦生 新庄
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伸二 武田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】軸長寸法の長い軸穴をもつフランジ付き中空軸
状鍛造品(サイドギヤシャフト等)の製造方法を提供す
る。 【構成】軸部50と有底状の初期軸穴52とフランジ部
54とをもつ炭素鋼製の仕上鍛造品5を用いる。初期軸
穴52は熱間状態でパンチ型による後方押出しで形成さ
れている。第1段階目の冷間絞り工程で鍛造品5の軸部
50の外壁面50dの領域D1の外径を、初期軸穴52
と共に絞る。領域D1を構成する肉及び初期軸穴52は
軸方向に延びる。軸部50のうち根元領域D2、先端側
の領域D4は絞らない。この様に絞った部分を第2段階
目の冷間絞り工程で更に絞る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフランジ付き中空軸状鍛
造品の製造方法に関する。この方法は、例えば車両の駆
動系部品、具体的にはサイドギヤシャフト、ディファレ
ンシャルドライブピニオン等に適用できる。
【0002】
【従来の技術】フランジ付き中空軸状鍛造品として、車
両の駆動系のサイドギヤシャフトに使用される鍛造品が
提供されている。この鍛造品を例にとって従来技術を説
明する。この鍛造品は、軸部と、軸部の一端に遠心方向
に延設されたフランジ部とをもつ。この鍛造品では、軽
量化に貢献するために、回転時におけるねじり力が作用
しにくい部位に、つまりその軸線にそって有底状の軸穴
を形成することにしている。この軸穴は、強度に問題の
ない寸法とする必要があるため、細径にすることが要請
される。
【0003】この軸穴は、ドリル刃による切削加工で形
成されたり、あるいは、鍛造パンチ型の押入による鍛造
成形で形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ドリル刃に
よる切削加工で軸穴を形成する場合には、加工に時間が
かかり生産性の点で大きく劣ると共に、ドリル刃の折損
を回避するため、軸長寸法の長い細径の軸穴を形成でき
ない。更に、ドリル刃を用いる関係上、軸穴の穴底面の
コーナが不可避的に鋭くなり、コーナ部が切損し易くな
り、強度確保上、不利である。
【0005】また、鍛造パンチ型で軸穴を鍛造成形する
場合には、軸穴の穴底面のコーナが不可避的に鋭くなる
不具合は解消されるものの、細径の軸穴の加工は、鍛造
パンチ型の強度不足のため、量産が不可能である。本発
明は上記した実情に鑑みなされたものであり、その目的
は、軸長寸法の長い軸穴を形成できるフランジ付き中空
軸状鍛造品の製造方法を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係るフランジ付
き中空軸状鍛造品の製造方法は、軸部と軸部の一端が開
口し他端が閉塞する初期軸穴と軸部の一端に遠心方向に
延設されたフランジ部とをもつ金属製の中間鍛造品を鍛
造する鍛造工程と、中間鍛造品の軸部の外径よりも小さ
な内径を備えた絞り孔をもつ型を用い、中間鍛造品の初
期軸穴を形成する内壁面を非拘束状態としつつ、中間鍛
造品の軸部を型の絞り孔に押入することにより、軸部の
外径を絞ると共に軸部を初期軸穴と共に軸方向にのばす
絞り工程とを順に実施することを特徴とするものであ
る。
【0007】本発明方法で用いる中間鍛造品の軸部は、
後述する実施例の様に、大径部と小径部とを備えた段付
き軸部とすることができる。この場合、段付き軸部の大
径部を初期軸穴と共に絞る。一般的には、鍛造工程は熱
間状態で行い、絞り工程は冷間状態で行う。本発明方法
で用いる中間鍛造品の材質は適宜選択できるが、一般的
には鋼系である。
【0008】
【作用】絞り工程において、初期軸穴が、軸部と共に軸
方向に延びるので、内径が小さくて軸長寸法がより長い
軸穴が得られる。
【0009】
【実施例】本発明方法を駆動部品としてのサイドギヤシ
ャフトの製造に適用した実施例について図面を参照して
説明する。なお、鍛造品の断面図においては複雑化を避
けるためハッチングを略した。この例では、先ず、図1
(A)に鎖線で示す軸端面1a、1b及び外壁面1cを
もつ丸棒素材1(材質:中炭素鋼 S45C)を用い、
その丸棒素材1を熱間状態(1100〜1250°C程
度)でその軸方向において強圧して潰し、図1(A)に
実線で示す円盤材2とする。円盤材2は軸端面2a、2
b及び外壁面2cをもつ。次に、図1(B)に鎖線で示
す円盤材2を熱間状態で荒地鍛造し、図1(B)に実線
で示す荒地鍛造品3とする。荒地鍛造品3は、外壁面3
0a、30b、円錐面30c及び軸端面30dで規定さ
れた荒地軸部30と、外壁面32a、円錐面32bで規
定された荒地フランジ部32とをもつ。
【0010】次に、荒地鍛造品3を熱間状態で仕上鍛造
し、図1(C)に実線で示す鍛造品4を得る。鍛造品4
は、段付軸部40と、段付軸部40の一端に形成された
粗形有底穴42と、外バリ部44をもつ遠心方向にのび
るフランジ部46とを備えている。段付軸部40は、外
壁面40a、40b、円錐面40c及び軸端面40d、
40eで規定されている。粗形有底穴42は円錐内壁面
42a及び穴底面42bで規定されている。フランジ部
46は外壁面46a及び内壁面46bで規定されてい
る。鍛造品4の外バリ部44は熱間状態で図略のバリ抜
き型により除去される。
【0011】次に、外バリ部44を除去した鍛造品4を
用いて熱間押出し工程を実施し、中間鍛造品としての図
2に実線で示す鍛造品5を得る。図2に示す様に、鍛造
品5は、段付軸部50と、段付軸部50の一端で開口す
る有底状の初期軸穴52と、段付軸部50の一端から遠
心方向に延設されたフランジ部54とをもつ。この段付
軸部50は、軸端面50a、50bと外壁面50c、5
0dと円錐面50eとで規定されている。初期軸穴52
は、円錐内壁面52aと直状内壁面52bとテーパ内壁
面52cと穴底面52dとで規定されている。フランジ
部54は、外バリ部44を除去した後のフランジ部46
と実質的に同じ形状、寸法である。
【0012】かかる熱間押出し工程を実施するにあた
り、図7に示す熱間押出し型100を用いる。熱間押出
し型100は、下ボルスタ101の保持部102に保持
されたキャビティ103をもつ下型104と、キャビテ
ィ103の下部に装入された軸状のKO型105と、K
O型105を押し上げる押出板106と、上ボルスタ1
10の保持部111に保持されたパンチ型112とを備
えている。ここで、図7の左半分(A)はパンチ型11
2が下死点に移行した状態を示し、図7の右半分(B)
はパンチ型112が上死点に移行した状態を示す。
【0013】そして、熱間状態(1000〜1100℃
程度)の鍛造品4の段付軸部40を下型104のキャビ
ティ103にセットした状態で、上ボルスタ110が降
下し、パンチ型112の先端の押入型部112aが下降
して粗形有底穴42に押入する。これにより粗形有底穴
42の周囲の肉、即ち、段付軸部40を構成する肉を、
パンチ型112の移行方向と逆方向、即ち、図7に示す
矢印A1方向に向けて押出し、以て粗形有底穴42を初
期軸穴52とする。この工程は、パンチ型112の移行
方向と逆方向に肉が押し出される後方押出し法である。
ここで、この工程において、前方押出しでなく、後方押
出しを採用したのは、材料の変形能が大きな熱間状態で
この工程を実施するため、くびれ等の不具合を回避する
ためである。かかる後方押出しの結果、図2に実線で示
す鍛造品5が得られる。なお、初期軸穴52の穴形状は
パンチ型112の押入型部112aの形状と実質的に型
対象をなす。
【0014】次に、図2に実線で示す鍛造品5を用いて
第1段階目の冷間絞り工程を実施し、鍛造品5の段付軸
部50の外壁面50dのうち領域D1の外径を絞り、図
3に実線で示す鍛造品6を得る。図2における領域D1
から理解できる様に、外壁面50dの全長D3のうち、
根元領域D2は絞られていない。更に、軸先端側の外壁
面50cの領域D4も絞られていない。
【0015】かかる冷間絞り工程では、鍛造品5の段付
軸部50の領域D1を構成する肉は、初期軸穴52と共
に、軸方向つまり矢印A2方向に延ばされる。図3に示
す様に、冷間絞り工程後の鍛造品6は、段付軸部60
と、段付軸部60の一端で開口する有底状の第1次軸穴
62と、段付軸部60の一端から遠心方向に延設された
フランジ部64とをもつ。この段付軸部60は、軸端面
60a、60bと、外壁面60c、60d、60eと、
円錐面60f、60hとで規定されている。
【0016】図3に示す様に、第1次軸穴62は、円錐
内壁面62aと直状内壁面62bと円錐内壁面62cと
直状内壁面62dと穴底面62eとアール面62fで規
定されている。図3から理解できる様に、アール面62
fは、直状内壁面62dと穴底面62eとの境界域のエ
ッジ化を抑えるものであり、直状内壁面62dの下端か
ら穴底面62eの外周に向かうにつれて内径が次第に小
さくなる様にされている。フランジ部64は、外バリ部
44を除去したフランジ部46と実質的に同じ形状、寸
法である。
【0017】かかる第1段階目の冷間絞り工程では、図
7に示す第1段階用の絞り装置200を用いる。絞り装
置200は、下ボルスタ201側に保持された型202
a〜202fと、KOピン203と、上ボルスタ210
側に保持されたパンチ型211と、連動ロッド212と
を備えている。型202f、202eは絞り孔206を
形成している。
【0018】ここで、図8の左半分(A)はパンチ型2
11が下死点に移行した状態を示し、図8の右半分
(B)はパンチ型211が上死点に移行した状態を示
す。連動ロッド212の一方の係止部212aは下ボル
スタ201側の押出板207に装備された筒部208に
係止しており、連動ロッド212の他方の係止部212
bは上ボルスタ210側の保持部214に係止してい
る。また、図8の右半分(B)に示す様に、パンチ型2
11は、平坦面211a及び円錐面211bで規定され
た押圧突部211cと、リング状の平坦面で形成された
肩部211dとを備えている。
【0019】かかる第1段階目の冷間絞り工程では、絞
り装置200の絞り孔206に鍛造品5の段付軸部50
の下部を挿入した状態で、上ボルスタ210がパンチ型
211と共に下降する。これに伴い、パンチ型211の
平坦面211aで鍛造品5の段付軸部50の軸端面50
bを強圧する。これにより鍛造品5の段付軸部50が絞
り孔206に強制的に押入され、前述した様に、段付軸
部50の外壁面50dの領域D1が初期軸穴52と共に
絞られる。
【0020】かかる第1段階目の冷間絞り工程において
は、パンチ型211の平坦面211aは軸端面50bを
押圧するものの、パンチ型211は初期軸穴52には挿
入されないので、初期軸穴52を形成する内壁面は非拘
束状態である。また、図8の右半分(B)から理解でき
る様に、パンチ型211が上死点に上昇する際には、上
ボルスタ210が上昇し、上ボルスタ210側の保持部
214が連動ロッド212の係止部212bを持ち上げ
るので、連動ロッド212の係止部212aが筒部20
8、押出板207を持ち上げ、押出板207によりKO
ピン203が持ち上げられ、KOピン203の上端面で
鍛造品6の段付軸部60の軸端面60aが押し上げら
れ、以て離型が行なわれる。
【0021】次に、図3に実線で示す鍛造品6を用い第
2段階目の冷間絞り工程を実施し、鍛造品6の段付軸部
60の外壁面60dの領域D1’の外径を絞り、図4に
実線で示す鍛造品7を得る。第2段階目の冷間絞り工程
の結果、鍛造品6の段付軸部60の領域D4を構成する
肉は、第1次軸穴62と共に軸方向つまり矢印A2方向
に延ばされる。
【0022】かかる第2段階目の冷間絞り工程において
も、根元領域D2は絞らない。同様に、軸先端側の外周
面60eの領域D4も絞らない。図4に示す様に鍛造品
7は、段付軸部70と、段付軸部70の一端で開口する
有底状の第2次軸穴72と、段付軸部70の一端から遠
心方向に延設されたフランジ部74とをもつ。この段付
軸部70は、軸端面70a、70bと外壁面70c、7
0d、70eと円錐面70f、70hとで規定されてい
る。第2次軸穴72は、円錐内壁面72aと内壁面72
cと穴底面72eとアール面72fとで規定されてい
る。図4から理解できる様に、アール面72fは、内壁
面72cと穴底面72eとの境界域のエッジ化を抑える
ものであり、内壁面72cの下端から穴底面72eの外
周に向かうにつれて内径が次第に小さくなる様にされて
いる。
【0023】上記した第2段階目の冷間絞りの結果、第
2次軸穴72の穴径は第1次軸穴62の穴径よりも小さ
くされている。なお、フランジ部74は、フランジ部4
6と実質的に同じ形状、寸法である。かかる第2段階目
の冷間絞り工程を行うにあたり、前記した第1段階用の
絞り装置と基本的に同様の構造の絞り装置を用いる。但
し、この絞り装置は、鍛造品6の段付軸部60の外壁面
60dの外径よりも小さな径をもつ絞り孔を備えてい
る。そして第2段階目の冷間絞り工程においても、第1
段階目の冷間絞り工程と同様に、パンチ型が下降して鍛
造品6の段付軸部60の軸端面60bを強圧する。
【0024】かかる第2段階目の冷間絞り工程において
も、第1段階目の冷間絞り工程と同様に、パンチ型は軸
端面60bを押圧するものの、パンチ型は第1次軸穴6
2には挿入されないので、第1次軸穴62を形成する内
壁面は非拘束状態である。上記した様に初期軸穴52の
内径を順次絞る第1段階目の絞り工程、第2段階目の絞
り工程は共に冷間状態で実施されるので、仕上鍛造工程
で得た鍛造品4のフランジ部46の形状は、第1段階目
の絞り工程、第2段階目の絞り工程においても実質的に
変形しないものである。
【0025】本実施例ではドリル刃による加工を用いる
ことなく、第2次軸穴72を形成しているので、鍛造フ
ロー(流線)の切断もなく、強度確保上有利である。こ
の様にして製造された鍛造品7は、焼入れ焼戻し処理、
ブラスト処理、塗装処理を経て、スプライン加工、ボル
ト孔加工され、サイドギヤシャフトとなる。ここで、図
5、図6はサイドギヤシャフト8を示す。即ち、基本的
には、第2段階目の冷間絞り工程を経た鍛造品7の段付
軸部70の外壁面70eにスプライン80が形成される
と共に、鍛造品7のフランジ部74にボルト孔82が形
成されている。図6に示す様に、段付軸部70の外壁面
70cには軸受90が嵌め込まれる。
【0026】なお図6から理解できる様に、スプライン
80は、軸穴72が形成されてる領域F1を避けて領域
F2に設けられているものである。 (他の例)上記した実施例における熱間状態を温間状態
にすることもできる。図9(A)〜(D)は本発明方法
に係る他の例を模式的に示す。この例は本発明方法を駆
動部品としてのディファレンシャルドライブピニオンの
鍛造品に適用した場合である。
【0027】この例では、図9(A)に示す荒地鍛造品
400(材質:Cr−Mo肌焼鋼)を用いる。この荒地
鍛造品400は、丸棒状素材から成形したものであり、
荒地軸部410と荒地傘部440とをもつ。荒地段付軸
部400は外壁面400a、400b、円錐面400c
及び軸端面400d、400eで規定されている。荒地
傘部440は外壁面440a、端面440cで規定され
ている。
【0028】次に、荒地鍛造品400にパンチ型を押入
し、中間鍛造品としての図9(B)に示す鍛造品500
を得る。鍛造品500は、段付軸部510と、段付軸部
510の一端で開口する有底状の初期軸穴520と、段
付軸部510の一端から延設されたフランジ部としての
傘部540とをもつ。この段付軸部510は、軸端面5
10aと外壁面510b、510cと円錐面510dと
で規定されている。初期軸穴520は、内壁面520a
と穴底面520eとで規定されている。傘部540は、
バリ部を除去した後の傘部440と実質的に同じ形状、
寸法である。
【0029】次に、かかる鍛造品500を用いて第1段
階目の冷間絞り工程を実施し、鍛造品500の段付軸部
510の外壁面510bの領域K1の外径を絞り、図9
(C)に示す鍛造品600を得る。かかる絞り工程にお
いて、段付軸部510の領域K1を構成する肉は、初期
軸穴520と共に、軸方向つまり矢印A2方向に延ばさ
れる。このとき、段付軸部510の根元領域K2、軸先
端側の外壁面510cの領域K3は絞られていない。
【0030】図9(C)に示す様に、この鍛造品600
は、段付軸部610と、段付軸部610の一端で開口す
る有底状の第1次軸穴620と、段付軸部610の一端
から遠心方向に延設された傘部640とをもつ。この段
付軸部610は、軸端面610aと外壁面610b、6
10c、610dと円錐面610e、610fとで規定
されている。第1次軸穴620は段付き穴であり、内壁
面620a、620bと円錐内壁面620cと穴底面6
20eとアール面620fとで規定されている。傘部6
40は、傘部440と実質的に同じ形状、寸法である。
【0031】次に、鍛造品600を用いて第2段階目の
冷間絞り工程を実施し、鍛造品600の段付軸部610
の外壁面610cの領域K5の外径を絞り、絞り領域K
6とし、図9(D)に示す鍛造品700を得る。このと
き、外壁面610cの領域K5を構成する肉は、第1次
軸穴620と共に、軸方向つまり矢印A2方向に延ばさ
れる。
【0032】第2段階目の冷間絞り工程を経た鍛造品7
00は、図9(D)に示す様に、段付軸部710と、段
付軸部710の一端で開口する有底状の第2次軸穴72
0と、段付軸部710の一端から遠心方向に延設された
傘部740とをもつ。この段付軸部710は、軸端面7
10aと外壁面710b、710c、710d、710
eと円錐面710f、710h、710iとで規定され
ている。第2次軸穴720は段付き穴であり、内壁面7
20a、720b、720cと円錐内壁面720e、7
20fと穴底面720h、アール面720iとで規定さ
れている。上記した絞りの結果、第2次軸穴720の穴
径は第1次軸穴620の穴径よりも小さくされている。
なお、傘部740は、傘部440と実質的に同じ形状、
寸法である。
【0033】上記した絞り工程において、初期軸穴52
0、第1次軸穴620にパンチ型は挿入されないので、
前記した実施例と同様に、初期軸穴520を形成する内
壁面、第1次軸穴620を形成する内壁面は非拘束状態
である。上記の様にして製造された鍛造品700は、焼
ならし処理、ブラスト処理、塗装処理を経て、傘部74
0の外壁面740aには歯切り加工によりギヤが形成さ
れ、軸部710の外周面710dに歯切り加工によりス
プラインが形成され、ディファレンシャルドライブピニ
オンとなる。
【0034】なお、上記した各例はサイドギヤシャフ
ト、ディファレンシャルドライブピニオンに適用した場
合であるが、これに限定されるものでなく、他のフラン
ジ付き中空軸状鍛造品にも適用できるものである。
【0035】
【発明の効果】本発明方法によれば、初期軸穴が軸部と
共に軸方向に延び、奥深い軸穴が得られるので、軸長寸
法の長い軸穴をもつフランジ付き中空軸状鍛造品を製造
できる。また、ドリル刃の加工の場合のような穴底面の
コーナ部の応力集中に起因する強度低下の問題がないた
め、強度面での問題がなく、軽量化を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(C)は丸棒から仕上鍛造した仕上鍛
造品を得るまでの工程を示す断面図である。
【図2】熱間後方押出し工程を実施し、初期軸穴を形成
した鍛造品を示す断面図である。
【図3】第1段階目の冷間絞り工程を実施し、第1次軸
穴を形成した鍛造品を示す断面図である。
【図4】第2段階目の冷間絞り工程を実施し、第2次軸
穴を形成した鍛造品を示す断面図である。
【図5】サイドギヤシャフトの平面図である。
【図6】図5のN−N線にそうサイドギヤシャフトの断
面図である。
【図7】熱間後方押出し工程を実施する装置を示す断面
図である。
【図8】冷間前方押出し工程を実施する装置を示す断面
図である。
【図9】(A)〜(D)は他の例に係り、各工程におけ
る鍛造品を示す断面図である。
【符号の説明】
図中、200は絞り装置、206は絞り孔、3は荒地鍛
造品、4は鍛造品、5は鍛造品(中間鍛造品)、50は
段付き軸部、52は初期軸穴、54はフランジ部、6は
鍛造品、62は第1次軸穴、72は第2次軸穴を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軸部と該軸部の一端が開口し他端が閉塞す
    る初期軸穴と該軸部の一端に遠心方向に延設されたフラ
    ンジ部とをもつ金属製の中間鍛造品を鍛造する鍛造工程
    と、 該中間鍛造品の軸部の外径よりも小さな内径を備えた絞
    り孔をもつ型を用い、 該中間鍛造品の初期軸穴を形成する内壁面を非拘束状態
    としつつ、該中間鍛造品の軸部を該型の絞り孔に押入す
    ることにより、該軸部の外径を絞ると共に該軸部を該初
    期軸穴と共に軸方向にのばす絞り工程とを順に実施する
    ことを特徴とする、フランジ付き中空軸状鍛造品の製造
    方法。
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