JPH06190420A - 棒・線材の熱間圧延方法 - Google Patents

棒・線材の熱間圧延方法

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JPH06190420A
JPH06190420A JP4358157A JP35815792A JPH06190420A JP H06190420 A JPH06190420 A JP H06190420A JP 4358157 A JP4358157 A JP 4358157A JP 35815792 A JP35815792 A JP 35815792A JP H06190420 A JPH06190420 A JP H06190420A
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JP
Japan
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rolling
rolled
hot rolling
bar
surface temperature
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Pending
Application number
JP4358157A
Other languages
English (en)
Inventor
Chihiro Kasamatsu
千尋 笠松
Masafumi Matsushita
雅史 松下
Yoshiki Yokoo
佳樹 横尾
Tsukasa Ejima
司 江島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aichi Steel Corp
Original Assignee
Aichi Steel Corp
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Publication date
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  • Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)
  • Metal Rolling (AREA)
  • Control Of Metal Rolling (AREA)
  • Control Of Heat Treatment Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 炭素鋼及び低合金鋼の棒・線材の熱間圧延に
おいて、内部組織が整粒であり、かつ、寸法精度に優れ
た棒・線材を得るための熱間圧延方法を提供する。 【構成】 炭素鋼又は低合金鋼の熱間圧延の最終圧延パ
スにおいて、a)被圧延材を圧延直前に、表面温度で65
0℃以下であり、かつ、いかなる部分においてもMs点
以上となるように冷却し、b)断面減少率15%以下で圧
延し、c)圧延後の復熱による被圧延材の表面温度の最高
値を830℃以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭素鋼、クロム鋼、ク
ロムモリブデン鋼などの低合金鋼の棒・線材の熱間圧延
において、仕上圧延の圧下量が15%以下である場合に
発生する局部的な結晶粒の粗大化の発生(すなわち、全
体として見れば、不均一組織の発生)を抑制・防止する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱間加工において、仕上圧延の圧下量を
少なくすると局部的な結晶粒の粗大化、すなわち不均一
組織が発生することが知られており、従来より、仕上圧
延では断面減少率で少なくとも20%弱程度の加工を施
すことが一般的となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、特殊鋼の圧延材
に対してますます厳しい寸法精度(断面形状・寸法及び
曲がり等を含む)が要求されるようになってきており、
製造側ではこれに対応するため、圧延の最終パスとして
軽圧下のスキンパス圧延を導入せざるを得なくなってい
る。しかし前述の通り、熱間圧延の最終段階での軽圧下
加工は、局部的な結晶粒の粗大化の発生(すなわち、不
均一組織の発生)を引き起こす。このような不均一組織
は、圧延材に対して引抜等の冷間加工を施す際、曲がり
の原因となる等の不具合を生ずることがある。
【0004】本発明はこのような課題を解決するために
成されたものであり、その目的とするところは、炭素鋼
及び低合金鋼の棒・線材の熱間圧延において、内部組織
が整粒であり、かつ、寸法精度に優れた棒・線材を得る
ための熱間圧延方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に成された本発明に係る棒・線材の熱間圧延方法は、炭
素鋼又は低合金鋼の熱間圧延の最終圧延パスにおいて、 a)被圧延材を圧延直前に、表面温度で650℃以下であ
り、かつ、いかなる部分においてもMs点以上となるよ
うに冷却し、 b)断面減少率15%以下で圧延し、 c)圧延後の復熱による被圧延材の表面温度の最高値を8
30℃以下とすることを特徴とする。
【0006】
【作用】圧延を塑性加工学的に見ると、微視的加工度は
被圧延材の断面内で均一ではなく、ロールとの接触部分
に対する位置や表面(ロールとの接触部分)からの深さ
等により異なっている。
【0007】一般に、鋼を熱間(オーステナイト状態)
で加工する場合、加工度が或る値(限界加工度)を超え
ると、オーステナイトの再結晶が生じる。この場合、再
結晶により生成される結晶粒の大きさは、そのときに受
けた加工度及びそのときの温度に依存し、加工度に関し
ては、限界加工度を超える加工度が小さいほど、再結晶
粒が速やかに成長するという特徴がある。従って、微細
な結晶粒を有する鋼材を小さい加工度で加工した場合
に、断面内の或る部分においては限界加工度を超えず、
別の部分では限界加工度を僅かに超えるいうことがある
と、元のままの部分では微細なままで残り、再結晶した
部分では結晶粒が大きく成長するという現象が生じる。
これが不均一組織である。
【0008】このため本発明者は、熱間加工試験機を用
い、各種炭素鋼・低合金鋼について、微視的加工度及び
加工温度を種々に変化させた場合のオーステナイトの再
結晶挙動について研究を重ねた。その結果、加工温度が
830℃以下になると、通常の圧延の冷却速度では再結
晶粒の異常成長は発生せず、不均一組織は発生しないこ
とを見いだした。そこで、このような知見を実際の圧延
工程に応用し、特に、仕上がり寸法精度を重視した圧延
を行なう場合に適用した結果、上記圧延条件を確定した
ものである。
【0009】まずb)の条件は、被圧延材の仕上がり寸法
精度を向上させるために必要なものであり、一般的には
小さい断面減少率で圧延するほど、形状及び寸法精度の
良い圧延を行なうことができる。しかし、熱間圧延の最
終パスでこのような軽圧下圧延を行なうと、上記の通
り、断面内の不均一な再結晶の生成が生じる。c)の条件
は、このような軽圧下加工により発生したオーステナイ
ト再結晶粒が大きく成長するのを防止するために必要な
ものであり、この条件により、圧延後は特別に冷却を施
さなくとも不均一組織の発生が防止される。a)の条件の
うち、表面温度を650℃以下にするという部分は圧延
後の復熱による被圧延材の表面温度の最高値を830℃
以下にするために設けたものである。また、いかなる部
分においてもMs点以上とするという部分は、圧延機に
対する負荷を軽減すると共に、圧延後の組織を通常のフ
ェライト−パーライト又はベイナイト(或いはそれらの
混合組織)とするために設けられたものである。
【0010】
【実施例】本発明の一実施例を説明する。本実施例で
は、炭素鋼としてS45Cを、低合金鋼としてクロムモ
リブデン鋼SCM420を使用した。実験に用いた両鋼
の供試材の主要化学成分を図2に示す。
【0011】まず、熱間加工試験機(商品名「サーメッ
クマスターZ」)を用いて、両鋼の試験片の加工温度及
び微視的加工度と結晶粒粗大化との関係を調査した。試
験方法は次の通りである。直径8mm、高さ12mmの
円柱状の試験片をA3点以上に加熱してオーステナイト
化した後、T=950、900、850、800、75
0℃の各種温度に急冷し、その温度で直ちに、高さが1
0.2mmとなるまで圧縮加工を施した(圧縮率=15
%、平均歪速度=10/秒)。そして、加工後直ちに、
通常の圧延工程における圧延材の圧延後の冷却速度に近
い0.5℃/秒の速度で室温まで冷却した。
【0012】円柱状の鋼材を圧縮加工した場合、その断
面内の微視的加工度の分布は予め計算で求めることがで
きる。本実施例の試験片を加工した後の、中心を通る縦
断面内における微視的加工度εの分布を図4に示す。な
おここでは、微視的加工度として次の式で定義される相
当歪εを用いた。 ε={(ε1 2+ε2 2+ε3 2)・2/3}1/2 ただし、ε1、ε2、ε3は主方向の対数歪(主歪)であ
る。試験片の圧縮率を15%とした場合、縦断面内にお
ける試験片内部の相当歪εは0〜0.20の範囲にわた
る。
【0013】上記各試験片は、その中心を通る面で縦に
切断し、顕微鏡により結晶粒度の測定を行なった。この
とき、図4の断面微視的加工度分布と突き合わせること
により、微視的加工度が0〜0.20である各部分にお
ける結晶粒度を測定するようにした。SCM420試験
片における加工温度、微視的歪(相当歪)、及び、結晶
粒度の関係を図1に示す。図1の立体グラフのベース
(床)面に点線で描かれているように、加工温度が83
0度以上となると、相当歪が0.05〜0.15のとき
に再結晶が生じ、結晶粒が非常に大きくなる場合があ
る。この場合に、図5に示すような不均一組織が発生す
るのである(図5はS45Cの組織である)。一方、図
1より逆に、加工温度が830度以下の場合には、相当
歪を0.15以下としても結晶粒の粗大化は生じないと
いうことがわかる。
【0014】次に、S45Cについて、本発明の方法及
び従来の方法により実際に丸棒材の圧延を行ない、不均
一組織がどの程度発生するかを調査した。圧延材の仕上
寸法はφ34mmとφ42mmの2種類とし、仕上寸法
を高精度に仕上げるための最終パス圧延は2段式3方ロ
ールで行ない、減面率が4.8と8.3%の2種類にな
るようにした。
【0015】また、最終パス圧延機の前で被圧延材の水
冷を行なう場合と行なわない場合を設け、水冷を行なわ
ない場合には被圧延材の炉からの抽出温度を変えること
により、水冷を行なう場合には冷却水の使用量を変化さ
せることにより、圧延時の被圧延材の温度を600℃以
下〜945℃の間で変化させた。圧延後は、全ての試験
材について何等積極的な冷却を行なわず、空冷により室
温まで冷却した。
【0016】一般に、圧延前に被圧延材を水冷しても、
表面部分では温度が大きく下がるが、内部の温度はさほ
ど低下しない。従って、圧延後、被圧延材は内部に持っ
ている熱により、表面温度が再度上昇する(これを復熱
という)。本実施例では、各試験材の復熱による最高到
達温度(表面温度)を測定した。その結果を図3に示
す。
【0017】冷却後、各試験材を切断し、断面の中で結
晶粒が粗大化した部分の面積率を測定したところ、その
結果は図3の通りであった。図3に示される通り、本発
明の方法で仕上圧延した丸棒材は不均一組織が全く発生
しないか、発生しても10%程度であるのに対し、本発
明の条件を外れた方法で圧延した丸棒材では、断面の4
0〜70%もの部分で不均一組織が発生していた。
【0018】
【発明の効果】本発明に係る棒・線材の熱間圧延方法で
は、圧延材の仕上寸法精度を向上させるために圧延の最
終パスで断面減少率15%以下の軽圧下を行なう場合に
おいて、圧延後の被圧延材の表面温度を830℃以下と
することにより、軽圧下加工時に発生する再結晶オース
テナイトの成長を抑えて不均一組織の生成を防止する。
また、被圧延材の冷却を圧延前に行なうため、圧延後に
冷却する場合と比較して曲がりが発生しにくく、より良
好な真直性を有する圧延材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 SCM420試験片の加工温度、微視的歪
(相当歪)、及び、結晶粒度の関係の立体グラフ。
【図2】 本発明の実施例で用いた試験材の主要化学成
分量を示す図。
【図3】 実施例の試験材の不均一組織発生状況を示す
図。
【図4】 円柱状試験片を熱間で軸方向に圧縮加工した
場合の微視的加工度の分布を表わすグラフ。
【図5】 S45Cの不均一組織を示す顕微鏡写真。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年2月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C21D 11/00 101 (72)発明者 江島 司 愛知県東海市荒尾町ワノ割1番地 愛知製 鋼株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素鋼又は低合金鋼の熱間圧延の最終圧
    延パスにおいて、 a)被圧延材を圧延直前に、表面温度で650℃以下であ
    り、かつ、いかなる部分においてもMs点以上となるよ
    うに冷却し、 b)断面減少率15%以下で圧延し、 c)圧延後の復熱による被圧延材の表面温度の最高値を8
    30℃以下とすることを特徴とする棒・線材の熱間圧延
    方法。
JP4358157A 1992-12-26 1992-12-26 棒・線材の熱間圧延方法 Pending JPH06190420A (ja)

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JP4358157A JPH06190420A (ja) 1992-12-26 1992-12-26 棒・線材の熱間圧延方法

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102896159A (zh) * 2011-07-29 2013-01-30 宝钢集团新疆八一钢铁有限公司 减少拉丝用低碳钢盘条氧化铁皮的轧制冷却工艺
CN103736744A (zh) * 2013-12-28 2014-04-23 首钢总公司 一种控制低碳钢盘条三次渗碳体的热轧方法

Cited By (4)

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CN102896159A (zh) * 2011-07-29 2013-01-30 宝钢集团新疆八一钢铁有限公司 减少拉丝用低碳钢盘条氧化铁皮的轧制冷却工艺
CN102896159B (zh) * 2011-07-29 2015-09-23 宝钢集团新疆八一钢铁有限公司 减少拉丝用低碳钢盘条氧化铁皮的轧制冷却工艺
CN103736744A (zh) * 2013-12-28 2014-04-23 首钢总公司 一种控制低碳钢盘条三次渗碳体的热轧方法
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