JPH0618989A - 偏光スクリーン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コントラスト比の向上効果を十分に発揮させ
るための偏光軸調整を容易にすることができる偏光スク
リーンを提供する。 【構成】 出射光がＰ偏光成分からなる液晶投写型表示
装置には、偏光スクリーン１が用いられている。偏光ス
クリーン１は円板状のスクリーン２を有する。スクリー
ン２には偏光板３が貼り合わされ、偏光板３の偏光軸は
Ｐ軸に設定されている。スクリーン２には、偏光軸調整
手段４が取り付けられている。偏光軸調整手段４の取付
板５にはケース８が設けられている。ケース８には駆動
機構（図示せず）が収容され、この駆動機構の駆動力は
軸９に伝達される。軸９はスクリーン２と同軸に伸び、
その一端はスクリーン２の中心に固定されている。軸９
は前記駆動機構からの駆動力によって回転し、軸９の回
転に伴いスクリーン２は回転する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、液晶投写型表示装置に
用いられる偏光スクリーンに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ＣＲＴ式投写型表示装置による表
示画面の大画面化が図られているが、大画面化に伴う大
型化、大重量化などの問題がある。大型化、大重量化の
問題を解消するために、液晶パネルを用いる液晶投写型
表示装置の開発が盛んに行われ、その液晶投写型表示装
置の実用化が図られている。

【０００３】液晶投写型表示装置２０の液晶パネルの入
射面および出射面には、図７に示すように、偏光板がそ
れぞれ貼り合わされ、その出射光はＰ偏光成分からな
る。液晶パネルからの出射光は偏光スクリーン２１に投
写される。

【０００４】偏光スクリーン２１は、表面に偏光板２３
が貼り合わされているスクリーンからなる。偏光板２３
の偏光軸はＰ偏光軸に設定されている。

【０００５】液晶投写型表示装置２０で映像を見ると
き、まず、偏光スクリーン２１が壁面などに設置され、
偏光板２１の偏光軸を鉛直方向に一致させるための調整
作業が行われる。

【０００６】次に、液晶投写型表示装置２０はその出射
光の偏光軸が鉛直方向に一致するように床面などに設置
される。液晶投写型表示装置２０は駆動され、その出射
光は偏光スクリーン２１に投写される。偏光スクリーン
２１には、映像が写し出される。

【０００７】この偏光スクリーン２１を用いることによ
って、この偏光スクリーン２１に入射する外光の内の偏
光軸が偏光板２３の偏光軸に直交する片側の偏光成分は
吸収されるから、外光の影響の程度を約半分に低減する
ことができる。

【０００８】偏光スクリーン２１の投写光の白色輝度を
Ｌpwとし、その投写光の黒色の輝度をＬpbとし、外光の
輝度をＬamとし、ＬpwはＬamより十分に大きいとする
と、コントラスト比Ｃｒは次の（１）式で表される。

【０００９】

【数１】 Ｃｒ＝Ｌpw／（Ｌam／２＋Ｌpb） （１） よって、偏光スクリーン２１の偏光板２３が理想的な偏
光板であれば、外光の影響の程度が約半分に抑えられる
から、コントラスト比を改善することができる。また、
ＬpwはＬamより十分に大きいとすると、コントラスト比
が約２倍になり、明るい部屋においてもコントラスト比
の良い映像が得られる。

【００１０】液晶投写型表示装置２０の設置不良、偏光
スクリーン２１の設置不良によって、液晶投写型表示装
置２０の出射光の偏光軸と偏光スクリーン２１の偏光板
２３の偏光軸との整合性が悪いとき、高いコントラスト
比が得られず、偏光スクリーン２１の効果が十分に発揮
されないことがある。

【００１１】液晶投写型表示装置２０の出射光の偏光軸
と偏光板２３の偏光軸との整合性を良くするために、偏
光スクリーン２１に写し出されている映像を見ながら液
晶投写型表示装置２０の設置状態を微妙に変えることに
よって、または偏光スクリーン２１の設置状態を微妙に
変えることによって、前記出射光の偏光軸と偏光板２３
の偏光軸との整合性が再度取られ、コントラスト比が改
善される。

【００１２】しかし、液晶投写型表示装置２０の設置状
態を微妙に変える、または偏光スクリーン２１の設置状
態を微妙に変えることによる偏光軸の調整作業には手間
が掛かり、かつその調整作業によってコントラスト比の
向上効果を十分に発揮させることは難しい。

【００１３】

【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の偏光スクリーン２１では、液晶投写型表示装置２０の
出射光の偏光軸と偏光スクリーン２１の偏光板２３の偏
光軸との整合性を取るための調整に手間が掛かり、この
調整作業によってコントラスト比の向上効果を十分に発
揮させることが難しい。

【００１４】本発明は、コントラスト比の向上効果を十
分に発揮させるための偏光軸調整を容易にすることがで
きる偏光スクリーンを提供することを目的とする。

【００１５】

【課題を解決するための手段】本発明は、出射光が所定
の方向に偏光されている液晶投写型表示装置に用いられ
る偏光スクリーンであって、表面に偏光板が貼り合わさ
れているスクリーンと、前記偏光板の偏光軸と前記出射
光の偏光軸とを整合させるための偏光軸調整手段とを備
える。

【００１６】

【作 用】本発明の偏光スクリーンでは、前記偏光板の
偏光軸と前記出射光の偏光軸とを整合させるための偏光
軸調整手段が設けられている。

【００１７】前記液晶投写型表示装置の出射光の偏光軸
と前記偏光板の偏光軸との整合性を調整するとき、前記
偏光軸調整手段で前記液晶投写型表示装置の出射光の偏
光軸と前記偏光板の偏光軸との整合性が取られるから、
前記液晶投写型表示装置の設置状態を微妙に変える、ま
たは前記スクリーンの設置状態を微妙に変えることによ
る偏光軸の調整作業をする必要がなく、コントラスト比
の向上効果を十分に発揮させるための偏光軸調整を容易
にすることができる。

【００１８】

【実施例】以下に、本発明の実施例について図面を参照
しながら説明する。

【００１９】図１は本発明の偏光スクリーンの一実施例
を示す正面図、図２は図１の偏光スクリーンの側面図で
ある。

【００２０】入射面および出射面に偏光板がそれぞれ設
けられている液晶パネルを有し、この液晶パネルからの
出射光がＰ偏光成分からなる液晶投写型表示装置には、
図１および図２に示すように、偏光スクリーン１が用い
られている。偏光スクリーン１は、円板状のスクリーン
２を有する。スクリーン２の表面には偏光板３が貼り合
わされ、偏光板３の偏光軸はＰ軸に設定されている。

【００２１】スクリーン２には、偏光軸調整手段４が取
り付けられている。偏光軸調整手段４は取付板５を有
し、取付板５はボルト６で壁面７に固定される。取付板
５にはケース８が設けられている。ケース８には駆動機
構（図示せず）が収容され、この駆動機構の駆動力は軸
９に伝達される。軸９は平面スクリーン２と同軸に伸
び、その一端はスクリーン２の中心に固定されている。
軸９は前記駆動機構からの駆動力によって回転し、軸９
の回転に伴いスクリーン２は回転する。

【００２２】偏光軸調整手段４の駆動機構の駆動は、遠
隔装置（図示せず）からの指示に基づき制御される。こ
の遠隔装置は前記駆動機構の駆動動作を制御するための
制御信号をキー操作によって生成する。

【００２３】次に、偏光スクリーン１の偏光板３の偏光
軸と、液晶投写型表示装置からの出射光の偏光軸との整
合性を取るための調整動作について説明する。

【００２４】液晶投写型表示装置からの出射光が偏光ス
クリーン１に投写され、偏光スクリーン１には映像が写
し出される。

【００２５】偏光スクリーン１に写し出されている映像
のコントラスト比が低下しているとき、このコントラス
ト比の低下の原因として、偏光スクリーン１の偏光板３
の偏光軸と液晶投写型表示装置からの出射光の偏光軸と
の整合性が悪いことが考えられ、この整合性に対する調
整が行われる。

【００２６】まず、利用者は、前記遠隔装置によるキー
操作を行い、このキー操作による指示に基づき偏光スク
リーン１のスクリーン２は偏光板３とともに軸９の周り
に角度的に回転し始める。利用者は、スクリーン２の回
転開始から写し出されている映像を見ながらそのコント
ラスト比の変化状況を確認する。

【００２７】スクリーン２の回転中、スクリーン２とと
もに回転する偏光板３の偏光軸が液晶投写型表示装置の
出射光の偏光軸に対して相対的に移動するから、コント
ラスト比は変化し、偏光板３の偏光軸と液晶投写型表示
装置の出射光の偏光軸とが整合する位置において、コン
トラスト比は最大なる。

【００２８】コントラスト比がほぼ最大になることを観
察した角度位置において、利用者は遠隔装置からスクリ
ーン２の回転停止の指示を前記駆動機構に与え、スクリ
ーン２はコントラスト比がほぼ最大になる位置に保持さ
れる。

【００２９】以上により、偏光軸調整手段４で偏光板３
を回転させることによって、液晶投写型表示装置の出射
光の偏光軸と偏光板３の偏光軸との整合性が取られるか
ら、コントラスト比の向上効果を十分に発揮させるため
の偏光軸調整を容易にすることができる。また、スクリ
ーン２が円板状であるから、スクリーン２の回転のよっ
てスクリーン２の映像領域が欠落することはない。

【００３０】なお、本実施例では、偏光軸調整手段４に
遠隔操作可能な駆動機構を設けているが、この駆動機構
に代えて、手動調整機構を用いることができる。この手
動調整機構は、スクリーンに取り付けられている軸の回
転を一方の方向に許し、予め設定されている複数の角度
位置に前記軸を保持する。

【００３１】次に、他の偏光スクリーンについて図面を
参照しながら説明する。図３は本発明の偏光スクリーン
の他の実施例を示す縦断面図、図４は図３の偏光スクリ
ーンが液晶投写型表示装置に取り付けられている状態を
示す図である。

【００３２】偏光スクリーン１０は、図３に示すよう
に、表面に偏光板３が貼り付けれられている矩形状のス
クリーン２と、液晶投写型表示装置２０の投写レンズ２
４に取り付けられている偏光軸調整手段１１とを備え
る。

【００３３】偏光軸調整手段１１は、投写レンズ２４に
取外し可能に取り付けられている枠体１２を有する。枠
体１２には、１対のガラス板１３が取り付けられ、ガラ
ス板１３はそれそれが互いに間隔をおいて対向するよう
に枠体１２内に配置されている。

【００３４】ガラス板１３のそれぞれの間には液晶層１
４が形成され、液晶層１４の厚さ寸法は数十μｍに設定
されている。液晶層１４はそれへの入射光の偏光方向を
９０度の角度方向に変換しかつ出力する偏光特性を有す
る。

【００３５】平面スクリーン２の表面に貼り合わされて
いる偏光板３の偏光軸と、投写レンズ２４からの出射光
の偏光軸との整合性に対する調整が行われるとき、まず
液晶投写型表示装置２０からの出射光が偏光板３を経て
スクリーン２に投写される。

【００３６】次に、偏光軸調整手段１１の枠体１２が投
写レンズ２４に対し回転され、枠体１２の回転に伴い液
晶層１４は回転される。利用者は、液晶層１４の回転開
始から写し出されている映像を見ながらそのコントラス
ト比の変化状況を確認する。

【００３７】偏光軸調整手段１１の回転中、投写レンズ
２４から偏光軸調整手段１１の液晶層１４を経た出射光
の偏光軸はスクリーン２の偏光板３の偏光軸に対して角
度的に回転されるから、コントラスト比は変化し、液晶
層１４を経た出射光の偏光軸と偏光板３の偏光軸とが整
合する位置においてコントラスト比は最大になる。

【００３８】コントラスト比がほぼ最大になることを確
認した回転角度位置において、利用者は偏光軸調整手段
１１に対する回転操作を停止し、スクリーン２において
最大のコントラスト比が得られる。

【００３９】以上により、偏光軸調整手段１１を投写レ
ンズ２４に対し回転させることによって、液晶投写型表
示装置２０の出射光の偏光軸とスクリーン２の偏光板３
の偏光軸との整合性が取れるから、コントラスト比の向
上効果を十分に発揮させるための偏光軸調整を容易にす
ることができる。

【００４０】なお、本実施例では、液晶層１３の偏光特
性が９０度の偏光特性であるが、これに代えて、９０度
の偏光特性を有する液晶層が形成されている偏光軸調整
手段と、４５度の偏光特性を有する液晶層が形成されて
いる偏光軸調整手段とを準備することによって４種類の
軸に対応することができる。すなわち、図６に示すよう
に、Ｐ偏光、Ｓ偏光、および２種類のＰ＋Ｓ偏光に対応
することができる。

【００４１】なお、４５度の偏光特性を有する液晶層の
表面と裏面とを切り替え設置することによって偏光軸の
回転方向を変えることができる。すなわち、図５に示す
ように、互いに直交する２種類のＰ＋Ｓ偏光に対応する
ことができ、出射光の偏光軸がＰ偏光、Ｓ偏光、２種類
のＰ＋Ｓ偏光のいずれかに設定されている液晶投写型表
示装置のそれぞれの機種に対応することができる。

【００４２】

【発明の効果】以上に説明したように、本発明の偏光ス
クリーンによれば、コントラスト比の向上効果を十分に
発揮させるための偏光軸調整を容易にすることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の偏光スクリーンの一実施例を示す正面
図である。

【図２】図１の偏光スクリーンを示す側面図である。

【図３】本発明の偏光スクリーンと液晶投写型表示装置
との関係状態を示す図である。

【図４】図３の偏光スクリーンの偏光軸調整手段を示す
縦断面図である。

【図５】図３の偏光スクリーンが対応可能な偏光軸の一
例を示す図である。

【図６】図３の偏光スクリーンと他の偏光スクリーンと
の組み合わせによって対応することができる偏光軸の他
の例を示す図である。

【図７】従来の偏光スクリーンと液晶投写型表示装置と
の関係状態を示す図である。

【符号の説明】

１，１０ 偏光スクリーン ２ スクリーン ３ 偏光板 ４，１１ 偏光軸調整手段 ５ 設置板 ６ ボルト ８ ケース ９ 軸 １２ 枠体 １３ ガラス体 １４ 液晶層

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】出射光が所定の方向に偏光されている液晶
   投写型表示装置に用いられる偏光スクリーンであって、 表面に偏光板が貼り合わされているスクリーンと、 前記偏光板の偏光軸と前記出射光の偏光軸とを整合させ
   るための偏光軸調整手段とを備えることを特徴とする偏
   光スクリーン。