JPH06188693A - デジタル制御発振装置 - Google Patents

デジタル制御発振装置

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JPH06188693A
JPH06188693A JP4337505A JP33750592A JPH06188693A JP H06188693 A JPH06188693 A JP H06188693A JP 4337505 A JP4337505 A JP 4337505A JP 33750592 A JP33750592 A JP 33750592A JP H06188693 A JPH06188693 A JP H06188693A
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JP
Japan
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pulse
circuit
signal
output
control
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Application number
JP4337505A
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English (en)
Inventor
Shigenori Yamauchi
重徳 山内
Takamoto Watanabe
高元 渡辺
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 デジタル制御可能な周波数可変発振装置を提
供する。 【構成】 CDI(15ビット)の下位4ビットCDLに対応
して、反転回路の連結個数を31〜61個の範囲で2個
単位で切換可能なリンク゛オシレータ4と、リンク゛オシレータ4からパル
ス信号の一周回毎に出力される周回信号RCK をカウント
し、カウント値がCDIの上位11ビットCDUが表す値にな
ると、次に周回信号RCK が入力されるまで制御パルスTC
P を発生する周回数カウンタ6と、制御パルスTCP でCD
U,CDLをラッチするラッチ回路2とを備え、リンク゛オシレータ
4を、反転回路の連結個数を制御パルスTCP の入力時に
のみ、CDL に応じて制御し、それ以外は最小31に制御
するよう構成し、更に、リンク゛オシレータ4内のパルス取出口か
ら連結個数の切換位置までの反転回路の個数を故意に多
く設定することにより、その反転回路による遅延時間内
にラッチ回路2,周回数カウンタ6及び連結個数切換手
段の動作を終了させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発振周波数をデジタル
制御可能なデジタル制御発振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、通信機器、モータ制御機器等
のPLL(Phase Locked Loop )では、周波数可変発振
器として、アナログ制御電圧によりその発振周波数を制
御可能な電圧制御発振器(所謂VCO)が使用されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしこうしたVCO
では、必要な中心発振周波数を得るために固有の抵抗や
コンデンサが必要となるため、中心発振周波数を変更す
るには抵抗やコンデンサを取り替えなければならず、し
かもその精度を確保するには、抵抗やコンデンサの微調
整が必要となるといった問題があった。
【0004】また従来より、高度な制御を実現するため
にマイクロコンピュータ等を用いたデジタル制御システ
ムが多く利用されているが、こうしたデジタル制御シス
テムにて上記従来のVCOを使用するには、マイクロコ
ンピュータ等から出力されるデジタルの制御信号をアナ
ログ信号に変換するA/D変換器が必要となり、その回
路構成が複雑で高価なものとなってしまうといった問題
があった。
【0005】一方、従来より、デジタル制御信号により
直接発振周波数を制御可能な周波数可変発振器として、
マイクロコンピュータ等の内部クロックを分周トリガリ
ングする発振器が実用化されつつある。しかしこうした
従来のデジタル制御可能な周波数可変発振器では、クロ
ック信号を分周することにより所望の発振信号を得るた
め、発振周波数が100kHz以下の低周波数となり、
数百k〜数十MHzの発振信号が必要な通信装置やモー
タ制御装置等では使用することができなかった。
【0006】本発明は、こうした問題に鑑みなされたも
ので、デジタル制御信号により直接発振周波数を制御で
き、しかもその発振周波数を低周波領域から高周波領域
の広範囲に制御可能なデジタル制御発振装置を提供する
ことを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた本発明のデジタル制御発振装置は、入力信
号を反転して出力する反転回路を奇数個リング状に連結
すると共に、該反転回路の一つを、反転動作を外部から
制御可能な起動用反転回路として構成し、該起動用反転
回路の反転動作開始に伴いパルス信号を周回させるパル
ス周回回路と、該パルス周回回路内でリング状に連結さ
れる反転回路の個数を偶数個単位で増減させる連結数切
換手段と、前記パルス周回回路内にて常時リングを形成
する所定の反転回路からの出力信号の反転タイミング
を、パルス信号の一周回終了タイミングとして検出する
反転タイミング検出手段と、該反転タイミング検出手段
からの検出信号に基づき前記パルス周回回路内でのパル
ス信号の周回回数をカウントし、該周回回数が所定の目
標周回回数に達すると、次に前記反転タイミング検出手
段から検出信号が出力されるまでの間、制御パルスを発
生するカウント手段と、該カウント手段から出力される
制御パルスで、外部から入力されるデジタルデータの内
の上位所定ビット及び下位所定ビットを各々ラッチする
データラッチ手段と、前記カウント手段から出力される
制御パルスで、前記データラッチ手段が今までラッチし
ていた上位ビットデータを前記目標周回回数として前記
カウント手段にセットする目標周回回数設定手段と、前
記カウント手段から前記制御パルスが出力されていると
き、前記連結数切換手段を介して、前記パルス周回回路
内での反転回路の連結個数を前記データラッチ手段がラ
ッチしている下位ビットデータに対応した連結個数に制
御し、それ以外は前記反転回路の連結個数を最小の連結
個数に制御する連結数制御手段と、を備え、前記カウン
ト手段のカウント動作,前記データラッチ手段のラッチ
動作,及び前記連結数制御手段の制御動作が、前記パル
ス周回回路における前記反転タイミング検出手段の接続
位置から前記連結数切換手段が反転回路の連結個数を増
減する分岐点までの反転回路によって生じる遅延時間内
に終了するよう、該接続位置から分岐点までの反転回路
の個数を設定すると共に、前記カウント手段からの制御
パルスを発振信号として外部に出力するよう構成してな
ることを特徴としている。
【0008】
【作用及び発明の効果】上記のように構成された本発明
のデジタル制御発振装置において、パルス周回回路は、
反転回路を奇数個リング状に連結したものであるため、
例えば起動用反転回路出力がLow レベルであれば、次段
の反転回路出力がHighレベルとなり、更にその次の反転
回路出力がLow レベルとなるというように、各反転回路
出力が順次反転し、起動用反転回路には出力信号と同じ
レベルの信号が入力される。
【0009】従って、パルス周回回路は、起動用反転回
路が反転動作を停止しているときには、起動用反転回路
の入・出力が同一レベルとなった状態で安定し、起動用
反転回路が反転動作を開始すると、その後、パルス周回
回路内にてリング状に連結された反転回路の個数と各反
転回路の反転動作時間とにより決定される時間経過した
時点で、起動用反転回路に出力信号と同様のレベルの信
号が入力され、起動用反転回路の出力信号レベルが反転
する、といった動作を繰り返すことにより、パルス信号
を周回させる。
【0010】次に、本発明のデジタル制御発振装置にお
いては、反転タイミング検出手段が、パルス周回回路内
にて常時リングを形成する所定の反転回路からの出力信
号の反転タイミングを、パルス信号の一周回終了タイミ
ングとして検出し、カウント手段が、この反転タイミン
グ検出手段からの検出信号によりパルス周回回路内での
パルス信号の周回回数をカウントして、その周回回数が
所定の目標周回回数に達すると、次に反転タイミング検
出手段から検出信号が出力されるまでの間、発振信号と
して外部に出力される制御パルスを発生する。
【0011】そして、カウント手段が制御パルスを発生
すると、データラッチ手段が、外部から入力されるデジ
タルデータの内の上位所定ビット及び下位所定ビットを
各々ラッチし、目標周回回数設定手段が、データラッチ
手段が今までラッチしていた上位ビットデータを目標周
回回数としてカウント手段にセットする。
【0012】また更に、カウント手段が制御パルスを発
生すると、連結数制御手段が、その制御パルスの発生期
間中、パルス周回回路内の反転回路の連結個数を偶数個
単位で増減させる連結数切換手段を駆動することによ
り、反転回路の連結個数をデータラッチ手段がラッチし
ている下位ビットデータに対応した連結個数に制御し、
それ以外は反転回路の連結個数を最小の連結個数に制御
する。
【0013】すなわち、本発明のデジタル制御発振装置
においては、発振信号として外部に出力する制御パルス
の発生周期Tが、カウント手段がカウントするデジタル
データの内の上位所定ビットに対応したパルス信号の周
回回数xと、連結数制御手段が制御パルス発生時に制御
するデジタルデータの内の下位所定ビットに対応したパ
ルス周回回路内での連結個数yと、連結数制御手段が制
御パルス発生時以外に制御するパルス周回回路内での最
小の連結個数zと、パルス周回回路を構成する反転回路
の反転時間tとにより、次式(1)の如く制御される。
【0014】T=t{y+z・(x−1)} …(1) そして、上記(1) 式において、周回回数x,連結個数y
は、外部から入力されるデジタルデータの上位所定ビッ
ト、下位所定ビットに応じて設定される。このため、外
部から入力するデジタルデータを変更することにより、
制御パルスの発生周期Tを変更できる。
【0015】また、この発振周期Tは、連結数制御手段
によりパルス周回回路内で増減される反転回路1個当り
の反転動作時間tと、連結数制御手段が連結数切換手段
を介してパルス周回回路内で増減する反転回路の増減単
位とにより決定される。例えば、反転回路1個当りの反
転動作時間tが1nsec.で、反転回路の増減単位が2個
であれば、発振周期Tを2nsec.単位で制御できる。ま
た、この発振周期Tは、上記周回回数xを小さくすれば
する程短く、逆に周回回数xを大きくすればするほど長
くなる。
【0016】従って、本発明のデジタル制御発振装置に
よれば、デジタルデータにより発振周波数を制御できる
だけでなく、その発振周波数を、広範囲にしかも高分解
能で制御することができるようになる。また、本発明の
デジタル制御発振装置においては、カウント手段のカウ
ント動作,データラッチ手段のラッチ動作,及び連結数
制御手段の制御動作が、パルス周回回路における反転タ
イミング検出手段の接続位置から連結数切換手段が反転
回路の連結個数を増減する分岐点までの反転回路によっ
て生じる遅延時間内に終了するように、その接続位置か
ら分岐点までの反転回路の個数が設定されている。
【0017】このため、パルス周回回路内では、制御パ
ルスの発生・非発生に関係なく、パルス信号が連続的に
周回することとなり、制御パルスの発生の度にパルス周
回回路の周回動作を一旦停止して、再起動させる必要は
ない。つまり、本発明のようにパルス周回回路を用いて
発振周波数を制御する場合、制御パルス発生時にパルス
周回回路の周回動作を一旦停止して、デジタルデータを
読み込み、カウント手段のカウント値及び連結数制御手
段が制御する反転回路の連結個数を設定し、その後パル
ス周回回路の周回動作を起動するようにしてもよいが、
この場合、その周回動作の停止から起動までの時間が、
発振周期Tに対するオフセット時間となって、発振周波
数の上限がこのオフセット時間により制限されることと
なる。そこで、本発明では、上記のようにパルス周回回
路における反転タイミング検出手段の接続位置から連結
数切換手段が反転回路の連結個数を増減する分岐点まで
の反転回路の個数を調節することにより、パルス周回回
路のパルス信号の周回動作を連続的に実行できるように
し、こうした問題を解決しているのである。
【0018】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面と共に説明す
る。まず図1は、発振周期または遅延時間を表す15ビ
ットの制御データCDI及び当該装置を発振装置として
動作させるか遅延装置として動作させるかを表す選択信
号SEMDを受けて、制御データCDIに対応した発振
周期でパルス信号を出力する発振装置、或は外部から入
力される外部制御パルスPIを制御データCDIに対応
した時間だけ遅延させる遅延装置として動作する、実施
例のデジタル制御発振装置の全体構成を表すブロック図
である。
【0019】図1に示す如く、本実施例のデジタル制御
発振装置は、ラッチタイミング信号DRの立上がりで上
記制御データCDIの上位11ビット(以下、上位ビッ
トデータ)CDUをラッチし、ラッチタイミング信号D
Rの立下がりで上記制御データCDIの下位4ビット
(以下、下位ビットデータという。)CDLをラッチす
るデータラッチ回路2と、データラッチ回路2がラッチ
している下位ビットデータCDLを受けてパルス信号を
周回させる周波数可変リングオシレータ(以下、単にリ
ングオシレータという。)4と、リングオシレータ4か
ら出力される周回信号RCKによりリングオシレータ4
内でのパルス信号の周回回数をカウントし、そのカウン
ト値がデータラッチ回路2にラッチされた上位ビットデ
ータCDUと一致すると次にリングオシレータ4から周
回信号RCKが出力されるまでの間制御パルスTCPを
発生する周回数カウンタ6と、上記選択信号SEMDを
受けて、当該装置を発振器として動作させる場合には周
回数カウンタ6からの制御パルスTCPをそのまま出力
パルスPOとして外部に出力し、当該装置を遅延装置と
して動作させる場合には周回数カウンタ6からの制御パ
ルスTCPの立上がりから外部制御パルスPIが入力さ
れなくなるまでの間出力パルスPOを出力するモードセ
レクタ部8と、外部からデータリセット信号DREST
が入力されている場合には、外部入力信号PSをデータ
ラッチ回路2のラッチタイミング信号DRとして選択
し、外部からデータリセット信号DRESTが入力され
ていない場合には、周回数カウンタ6からの制御パルス
TCPをデータラッチ回路2のラッチタイミング信号D
Rとして選択するセレクタ10と、から構成されてい
る。
【0020】ここでまず外部からデータラッチ回路2に
入力される制御データCDIは、図2(b)に示す如
く、ラッチタイミング信号DRの立下がりクロックに同
期して更新される。またデータラッチ回路2は、図2
(a)に示す如く、ラッチタイミング信号DRの立下が
りで制御データCDIの下位4ビット以下を各々ラッチ
する4個のD−フリップフロップ12と、ラッチタイミ
ング信号DRの立上がりで制御データCDIの下位5ビ
ット以上(つまり上位11ビット)を各々ラッチする1
1個のD−フリップフロップ14とから構成されてい
る。
【0021】このため、図2(b)に示す如く、データ
ラッチ回路2においては、ラッチタイミング信号DRが
前回立ち下がったときに更新された制御データD2の内
の上位11ビット(Upper)が、ラッチタイミング
信号DRの次の立上がりで上位ビットデータCDUとし
てラッチされ、更にラッチタイミング信号DRの次の立
下がりで制御データD2の内の下位4ビット(Lowe
r)が下位ビットデータとしてラッチされることとな
る。
【0022】次に、リングオシレータ4は、図3に示す
如く構成されている。図3(a)に示す如く、リングオ
シレータ4は、反転回路として、1個の否定論理積回路
NANDと60個のインバータINVとを備えている。
これら各回路は、前段の出力端が次段の入力端へと順次
リング状に接続されており、否定論理積回路NANDの
他方の入力端には、外部制御パルスPIが入力される。
【0023】また、否定論理積回路NANDを始点
(1)とする47段目(47)のインバータINVから
1段目(1)のインバータINVまでの各インバータ間
には、nチャネルのMOSトランジスタとpチャネルの
MOSトランジスタとからなるスイッチング回路SW1
が夫々設けられ、各スイッチング回路SW1の次段(4
8)〜(1)のインバータINV及び否定論理積回路N
ANDの入力端は、スイッチング回路SW2を介して、
夫々、45段目(45)から31段目(3)のインバー
タINVの出力端に接続されている。なお、スイッチン
グ回路SW2は、スイッチング回路SW1と同様、nチ
ャネルのMOSトランジスタとpチャネルのMOSトラ
ンジスタとにより構成されている。
【0024】このように48段目(48)から1段目
(1)の各インバータINV及び否定論理積回路NAN
Dの入力端に設けられた一対のスイッチング回路SW
1,SW2は、前述の連結数切換手段に相当し、当該リ
ングオシレータ4内での否定論理積回路NANDとイン
バータINVとの連結段数を、31,33,…,61と
いうように、インバータINVの2個単位で16段階に
切り換えるためのもので、連結数制御手段としてのデー
タ切替器20から出力される切換信号DC0〜DC14
によりON・OFFされる。
【0025】データ切替器20は、周回数カウンタ6か
ら制御パルスTCPが出力されている場合には、デコー
ダ22から出力されるデータラッチ回路2にラッチされ
た下位ビットデータCDLに対応した切換信号DC0〜
DC14を出力し、周回数カウンタ6から制御パルスT
CPが出力されていない場合には、下位ビットデータC
DLに対応しない全てLowレベルの切換信号DC0〜D
C14を出力する。
【0026】すなわち、デコーダ22は、例えば下位ビ
ットデータCDLが値「0」を表す「0000」であれ
ば切換信号DC0のみをLow レベルに、下位ビットデー
タCDLが値「1」を表す「0001」であれば切換信
号DC1のみをLow レベルに、下位ビットデータCDL
が値「14」を表す「1110」であれば切換信号DC
14のみをLow レベルに、下位ビットデータCDLが値
「15」を表す「1111」であれば図示しない切換信
号DC15のみをLow レベルすることにより切換信号D
C0〜DC14の全てをHighレベルに、というように、
入力データに対応した番号の切換信号のみがLow レベル
となり他の信号はHighレベルとなるように切換信号DC
0〜DC14を生成するように構成されており、データ
切替器20は、このように生成された切換信号DC0〜
DC14を、周回数カウンタ6から制御パルスTCPが
出力されている場合にのみ出力して、リングオシレータ
4内での反転回路の連結数を切り換える。
【0027】そして上記61個のインバータINV及び
否定論理積回路NANDの内、データ切替器20からの
切換信号DC0〜DC15に影響されず、常にリングを
形成する1段目(1)の否定論理積回路NANDの入力
端は、その前段に接続されたインバータINVからの出
力をパルス信号の一周回の完了を表す周回信号RCKと
して周回数カウンタ6に出力するための出力端子として
構成されている。
【0028】すなわち、本実施例では、この出力端子か
ら切換信号DC0〜DC15によってリングへの接続が
切換られるインバータINV(32)の手前の分岐点ま
での反転回路(NAND及びINV)の個数が最も多く
なるように、常にリングを形成する31個の反転回路
(NAND及びINV)の内の最も前段の反転回路(N
AND)の入力端を、周回信号RCKを取り出す出力端
子として設定している。
【0029】なお、データ切替器20から出力される各
切換信号DC0〜DC14は、その信号レベルがLow レ
ベルであるときに、スイッチング回路SW1をOFF状
態,スイッチング回路SW2をON状態に制御できるよ
うに、スイッチング回路SW1のnチャネルのMOSト
ランジスタとスイッチング回路SW2のpチャネルのM
OSトランジスタとには直接入力され、スイッチング回
路SW1のpチャネルのMOSトランジスタとスイッチ
ング回路SW2のnチャネルのMOSトランジスタとに
はインバータINVを介して間接的に入力される。
【0030】また上記各スイッチング回路SW1及びS
W2は、夫々、pチャネルのMOSトランジスタとnチ
ャネルのMOSトランジスタとにより構成されている
が、これは、スイッチング回路SW1とSW2を通過す
るパルス信号の立上がり時間と立下がり時間が等しくな
るようにするためである。
【0031】このように構成された本実施例のリングオ
シレータ4においては、周回数カウンタ6から制御パル
スTCPが出力されている場合に、否定論理積回路NA
NDとインバータINVとの連結個数が、デコーダ22
からの切換信号DC0〜DC14により、31(=25
−1)個から61(=26−3)の範囲で、インバータ
INV2個単位で増減され、その連結個数は、31,3
3,…61というように必ず奇数となる。
【0032】また初段(1)の否定論理積回路NAND
は、外部制御パルスPTがLow レベルであれば、その前
段のインバータ出力に関係なく必ずHighレベルとなり、
制御パルスPTがHighレベルであれば、前段のインバー
タ出力を反転した出力レベルとなる。
【0033】従って、外部制御パルスPTがLow レベル
である場合には、2段目(2)のインバータINVの出
力はLow レベル,3段目(3)のインバータINVの出
力はHighレベルというように、偶数番目のインバータI
NVの出力がLow レベル,奇数番目のインバータINV
の出力がHighレベルとなって安定する。
【0034】またこの状態で、外部制御パルスPTがLo
w レベルからHighレベルに反転すると、否定論理積回路
NANDの出力が、所定の反転動作時間経過した後Low
レベルに反転し、2段目(2)のインバータINVの出
力が、所定の反転動作時間経過した後Highレベルに、3
段目(3)のインバータINVの出力が、所定の反転動
作時間経過した後Low レベルに、というように、各イン
バータINVの出力が順次反転して行き、否定論理積回
路NANDの前段のインバータ出力が否定論理積回路N
AND出力と同一レベルとなった後、再び否定論理積回
路NANDの出力が反転して、各インバータINVの出
力が順次反転する、といった動作を繰り返す。
【0035】また次に、本実施例のリングオシレータ4
において、始点(1)となる起動用の否定論理積回路N
AND、及び3段目(3)から最終段(61)のインバ
ータINVは、入力信号が反転してから出力信号が反転
するまでの反転動作時間が基本反転動作時間Tdに設定
されており、常にリングを形成する2段目(2)のイン
バータINVの反転動作時間のみがこの基本反転動作時
間Tdの2倍(2・Td)に設定されている。
【0036】このため外部制御パルスPTがHighレベル
である場合、リングを構成している否定論理積回路NA
ND及びインバータINVの出力は、夫々、これら各反
転回路の反転動作時間Tdと連結個数aとにより決定さ
れる時間{(a+1)・Td}毎に反転することとな
り、周回信号RCKは、その時間に応じて図2(b)に
示す如く反転することとなる。
【0037】また、反転回路の連結個数は、データ切替
器20から出力される切換信号DC0〜DC14によ
り、周回数カウンタ6から制御パルスTCPが出力され
ていない場合には、最小の31個に制御され、周回数カ
ウンタ6から制御パルスTCPが出力されている場合に
は、デコーダ22から出力される下位ビットデータCD
Lに対応した個数(31,33,…61)に制御される
ため、例えば、基本反転動作時間Tdが1nsec. である
場合、周回信号RCKは、通常、32nsec. 毎に反転
し、周回数カウンタ6から制御パルスTCPが出力され
ているときにだけ、通常の32nsec.に下位ビットデー
タCDLに対応した時間(CDL×2nsec.)を加えた
時間で反転することとなる。
【0038】次に、リングオシレータ4から出力される
周回信号RCKによりリングオシレータ4内でのパルス
信号の周回回数をカウントする周回数カウンタ6は、図
4(a)に示す如く、周回信号RCKが反転する度にパ
ルス信号CLKを発生する反転信号発生回路30と、ラ
ッチタイミング信号DRの立ち上がりに同期してカウン
ト値が上位ビットデータCDUにプリセットされ、反転
信号発生回路30からの出力パルスCLKによりカウン
ト値のカウントダウンを行ない、カウント値が1となっ
ているときに検出信号B0を出力するダウンカウンタ3
2と、ダウンカウンタ32からの検出信号B0を反転信
号発生回路30からの出力パルスCLKの立ち上がりで
ラッチして制御パルスTCPを発生するプリセット端子
付のD−フリップフロップ34とから構成されている。
なお、このD−フリップフロップ34には、外部制御パ
ルスPIの立上がりで制御パルスTCPの出力を開始で
きるように、外部制御パルスPI入力用のプリセット端
子が設けられている。
【0039】また反転信号発生回路30は、排他的論理
和回路EXORを備え、排他的論理和回路EXORの一
方の入力端に周回信号RCKを直接入力し、他方の入力
端に偶数段のインバータINVからなる遅延回路を介し
て周回信号RCKを入力するように構成されている。こ
のため反転信号発生回路30内では、排他的論理和回路
EXORの一方の入力端には、周回信号RCKがそのま
ま入力され、排他的論理和回路EXORの他方の入力端
には、周回信号RCKがインバータINVの連結数とそ
の反転動作時間とにより決定される遅延時間だけ遅れて
入力されることとなり、周回信号RCKの反転時には、
その遅延時間だけ排他的論理和回路EXORの各入力端
レベルが異なる値となって、排他的論理和回路EXOR
からHighレベルの信号、即ちパルス信号CLKが出
力されることとなる。
【0040】このように構成された周回数カウンタ6に
おいては、図4(b)に示す如く、例えば上位ビットデ
ータCDUが「50」であれば、ラッチタイミング信号
DRの立ち上がりに同期して、ダウンカウンタ32にそ
の値「50」が初期設定され、その後周回信号RCKの
反転に伴い反転信号発生回路30から出力されるパルス
信号CLKにより、ダウンカウンタ32のカウント値が
「49」,「48」…と低下して行き、そのカウント値
が「1」となった時点で検出信号B0が出力され、D−
フリップフロップ34により、次のパルス信号CLKの
立ち上がりに同期して制御パルスTCPが出力され、そ
の後、パルス信号CLKの次の立ち上がりまで制御パル
スTCPの出力が継続されることとなる。
【0041】なお、この周回数カウンタ6を構成するダ
ウンカウンタ32は、そのカウント動作を高速で行える
ように、図5に示す如く構成されている。すなわち、図
5に示す如く、ダウンカウンタ32は、上位ビットデー
タCDUの各ビットデータに対応した11個のフリップ
フロップ回路(1〜11)を備え、下位のフリップフロ
ップ回路の出力を次の上位のフリップフロップ回路の入
力とすることにより、カウント動作を高速に行なうこと
のできる非同期式のダウンカウンタとして構成されてい
る。
【0042】そして、各フリップフロップ回路が、プリ
セット端子PRにラッチタイミング信号DRを受けるこ
とにより、対応するビットデータをラッチし、その後、
反転信号発生回路30から出力されるパルス信号CLK
により、最下位のフリップフロップ回路(1)から順に
反転動作を開始し、最下位のフリップフロップ回路
(1)の出力QのみがHighレベルとなりそれ以外のフリ
ップフロップ回路の出力QがHighレベルとなった時点
(すなわち、カウント値が1になった時点)で、検出信
号B0を出力する。
【0043】また、この検出信号B0を出力するため
に、従来のダウンカウンタのように否定論理和回路NO
RとインバータINVとにより構成される論理和回路O
Rを使用するのではなく、図5に示す如く、否定論理積
回路NANDと否定論理和回路NORを組み合わせてい
る。
【0044】この結果、本実施例のダウンカウンタ32
によれば、従来の非同期式のダウンカウンタに比べて、
検出信号B0の出力のための論理回路の個数が少なくな
り、カウント値が所定値(この場合、値1)になって検
出信号B0を出力するまでの時間をより短くすることが
できる。
【0045】つまり、本実施例では、ダウンカウンタ3
2のカウント動作を高速にすることにより、リングオシ
レータ4から周回数信号RCKが出力された後、周回数
信号RCKとなったパルス信号が32段目のインバータ
INVに入力されるまでの間に、周回数カウンタ6のカ
ウント動作が終了するようにしているのである。
【0046】次に、モードセレクタ部8は、図6(b)
に示す如く、外部制御パルスPIの立上がりで出力Qが
Low レベルとなるように初期設定され、制御パルスTC
Pの立上がりで外部制御パルスPIに対応して出力Qが
Highレベルとなるクリア端子付D−フリップフロップ4
0と、外部から入力される選択信号SEMDが当該装置
を発振装置として動作させることを表すHighレベルであ
れば、制御パルスTCPをそのまま出力パルスPOとし
て外部に出力し、選択信号SEMDが当該装置を遅延装
置として動作させることを表すLow レベルであれば、ク
リア端子付D−フリップフロップ40からの出力を出力
パルスPOとして外部に出力するマルチプレクサ42と
から構成されている。
【0047】このため、図6(b)に示す如く、このモ
ードセレクタ部8により、選択信号SEMDがHighレベ
ルである場合には、当該装置を、発振周期が制御パルス
TCPの立上がりから次の立ち下がりとなる発振装置と
して動作させることが可能となり、また選択信号SEM
DがLow レベルである場合には、外部制御パルスPIの
立ち上がりから制御パルスTCPの立上がりまでの時間
遅れて立ち上がる信号POが出力されることから、当該
装置を、外部制御パルスPI入力後出力パルスPOを発
生するまでの時間(遅延時間)を制御可能な遅延装置と
して動作させることが可能となる。
【0048】また次に、セレクタ10は、既述したよう
に、外部から入力されるデータリセット信号DREST
に応じて、外部入力信号PS及び制御パルスTCPの何
れか一方をラッチタイミング信号DRとして選択し、デ
ータラッチ回路2及び周回数カウンタ6に入力する。
【0049】従って、本実施例のデジタル制御発振装置
においては、外部制御パルスPIの入力前に、データリ
セット信号DRESTをセレクタ10に入力して、外部
入力信号PSとしてクロックパルスを与えることによ
り、データラッチ回路2に制御データCDIの初期値D
0をラッチさせることができる。そして、その後セレク
ト信号SEMD及び外部制御パルスPIを順に入力する
ことにより、制御データCDIに対応した発振周期また
は遅延時間で出力パルスPOを発生する発振装置または
遅延装置として動作させることができる。
【0050】すなわち、本実施例のデジタル制御発振装
置を発振装置として動作させる場合、上記のように外部
入力信号PSによりデータラッチ回路2に制御データC
DIの初期値D0をラッチさせた後、データリセット信
号DRESTをLow レベルに切り換えて、セレクタ10
が制御パルスTCPをラッチタイミング信号DRとして
選択するようにし、その後、図7に示す如く、セレクト
信号SEMD及び外部制御パルスPIを順次Low レベル
からHighレベルに切り換える。
【0051】すると、この外部制御パルスPIの立上が
りに同期して、リングオシレータ4が周回動作を開始す
ると共に、外部制御パルスPIの立上がり後、リングオ
シレータ4内をパルス信号が一周回するまでの間、周回
数カウンタ6が制御パルスTCPを出力する。
【0052】周回数カウンタ6が制御パルスTCPを出
力しているときには、リングオシレータ4内の反転回路
の連結個数が、データラッチ回路2にラッチされた制御
データCDIの下位4ビット(下位ビットデータ)CD
Lに対応した個数(31+2・CDL)に制御されるた
め、外部制御パルスPI入力後のリングオシレータ4内
の一周回時間は、下位ビットデータCDLに対応した所
定時間(32・Td+CDL・2・Td)となる。
【0053】例えば、制御データCDIの初期値D0と
して、値27756を表すデジタルデータ「11011
0001101100」が入力された場合には、その下
位ビットデータCDLが値12を表す「1100」とな
るため、この場合には、リングオシレータ4内での反転
回路の連結個数が55(=31+24)個となり、パル
ス信号の一周回時間は56・Td(=32・Td+24
Td)となる。
【0054】そして、リングオシレータ4内でパルス信
号が一周回すると、周回数カウンタ6から制御パルスT
CPが出力されなくなるので、その後は、リングオシレ
ータ4内の反転回路の連結個数が最小の31個となり、
パルス信号は最小の周回時間32・Tdで一周回するこ
ととなる。
【0055】一方、上記のように外部制御パルスPIの
立上がりに同期して周回数カウンタ6から制御パルスT
CPが出力されると、この制御パルスTCPがセレクタ
10からラッチタイミング信号DRとして出力されるこ
とから、このラッチタイミング信号DRにより、周回数
カウンタ6内のダウンカウンタ32に、制御データCD
Iの初期値D0の上位11ビット(上位ビットデータ)
CDUがプリセットされる。
【0056】例えば、上記のように制御データCDIの
初期値D0が値27756を表すデジタルデータ「11
0110001101100」であれば、周回数カウン
タ6のダウンカウンタ32には、値1734を表す上位
ビットデータCDU「11011000110」がプリ
セットされる。
【0057】こうしてダウンカウンタ32に上位ビット
データCDUがプリセットされると、ダウンカウンタ3
2は、リングオシレータ4から出力される周回信号RC
Kの立上がり及び立下がりにより生成されるパルス信号
CLKによりリングオシレータ4内でのパルス信号の周
回回数をダウンカウントし、そのカウント値が1である
ときに検出信号B0を出力することにより、周回数カウ
ンタ6から、カウント値が0となると同時に制御パルス
TCPを出力させる。
【0058】このため、外部制御パルスPIの入力直後
に周回数カウンタ6から制御パルスTCPが出力された
後、次に制御パルスTCPが出力されるまでの時間は、
上記のように、制御データCDIの初期値D0が、値
「27756」を表すデジタルデータ「1101100
01101100」である場合には、リングオシレータ
3内でのパルス信号の周回回数がその上位ビットデータ
CDU「11011000110」が表す「1734」
に達するまでの時間△Tとなる。
【0059】 △T=(32・Td+24・Td)+(32・Td)×1733 =27756×2・Td また次に、データラッチ回路2は、制御パルスTCPの
立上がりで制御データCDIの上位11ビット(上位ビ
ットデータ)CDUをラッチし、制御パルスTCPの立
下がりで制御データCDIの下位4ビット(下位ビット
データ)CDLをラッチするため、上記のように外部制
御パルスPIの立上がりに同期して周回数カウンタ6か
ら制御パルスTCPが出力されると、データラッチ回路
2は次のパルス信号の周回制御のために、その時入力さ
れている制御データCDI(D1)の上位ビットデータ
CDU及び下位ビットデータCDLを順次ラッチする。
【0060】従って、上記のように外部制御パルスPI
の入力直後に制御パルスTCPを出力してから次に制御
パルスTCPを出力するまでの時間を、制御データCD
Iの初期値D0に応じて制御した後は、次に制御パルス
TCPを出力するまでの時間が、外部制御パルスPIの
入力直後の制御パルスTCPによってデータラッチ回路
2がラッチした制御データCDI(D1)に応じて制御
されることとなる。
【0061】そして、その後は、上記制御動作を繰り返
すことにより、制御パルスTCPの出力周期が、制御デ
ータCDI(D2,D3,D4…)に対応した周期に制
御されることとなる。以上説明したように、本実施例の
デジタル制御発振装置においては、選択信号SEMD及
び外部制御パルスPIを順次立ち上げれば、制御データ
CDIに対応した発振周期で、制御パルスTCP、延い
ては出力パルスPOを出力する発振装置として動作す
る。また、選択信号SEMDをLow レベルにしたまま、
外部制御パルスPIを立ち上げれば、その後、制御デー
タCDIに対応した遅延時間経過後出力パルスPOを発
生する遅延装置として動作する。
【0062】そして、出力パルスPOの発振周期(また
は遅延時間)は、制御データCDIの下位ビットデータ
CDLに応じて、リングオシレータ4内での反転回路の
基本反転動作時間の2倍の時間(2・Td)を1単位と
して制御され、制御データCDIの上位ビットデータC
DUにより制御されるリングオシレータ4内でのパルス
信号の周回回数に応じて広範囲に制御される。
【0063】従って、本実施例のデジタル制御発振装置
によれば、発振周波数(または遅延時間)を、高分解能
でしかも広範囲にデジタル制御することができる。ま
た、本実施例のデジタル制御発振装置においては、リン
グオシレータ4に制御データCDIの下位ビットデータ
CDLを、周回数カウンタ6に制御データCDIの上位
ビットデータCDUを、それぞれそのまま入力すること
により、発振周波数(または遅延時間)をデジタル制御
できるため、回路構成を複雑にすることなく実現でき
る。
【0064】つまり、リングオシレータ4内でパルス信
号を周回させるには、奇数個の反転回路をリング状に連
結する必要があるが、この場合、反転回路の反転動作時
間を全て同じに設定すると、リングオシレータ4内での
パルス信号の周回回数と周回時間とを制御データCDI
にそのまま対応させることができないため、リングオシ
レータ4内でのパルス信号の周回回数と連結個数とから
遅延時間をデジタル制御するには、制御データCDI
を、遅延時間を制御可能なデータに変換する必要があ
る。
【0065】しかし、本実施例では、リングオシレータ
4内の2段目(2)のインバータINVの反転動作時間
を基本反転動作時間Tdの2倍に設定することにより、
リングオシレータ4内でのパルス信号の周回回数と上位
ビットデータCDU、リングオシレータ4内での反転回
路の連結個数と制御データCDIの下位ビットデータC
DL、をそれぞれ対応させているため、こうした信号処
理回路を設ける必要がないのである。また更に、本実施
例のデジタル制御発振装置においては、制御パルスTC
Pの立上がりで制御データCDIの上位ビットデータC
DUをラッチし、そのラッチした上位ビットデータCD
Uを次の制御パルスTCPの立上がりで周回数カウンタ
6にセットするようにし、更に制御パルスTCPの立下
がりで制御データCDIの下位ビットデータCDLをラ
ッチし、そのラッチした下位ビットデータCDLを次の
制御パルスTCP発生時の連結個数制御に使用するよう
にされているため、リングオシレータ4内では、制御パ
ルスTCPの発生・非発生に関係なく、パルス信号が連
続的に周回することとなり、制御パルスTCPの発生の
度にパルス信号の周回動作を一旦停止して、再起動させ
る必要はない。
【0066】つまり、本実施例のようにリングオシレー
タ4を用いて発振周波数を制御する場合、制御パルスT
CPの発生時にリングオシレータ4の周回動作を一旦停
止して、制御データCDIを読み込み、周回数カウンタ
6のカウント値及び反転回路の連結個数を設定し、その
後リングオシレータ4の周回動作を起動するようにして
もよいが、この場合、リングオシレータ4の周回動作の
停止から起動までの時間が、発振周期に対するオフセッ
ト時間となって、発振周波数の上限がこのオフセット時
間により制限されることとなる。
【0067】しかし、本実施例では、上記のようにリン
グオシレータ4内でパルス信号を周回させながら制御デ
ータ等の切換を行なうことができるように、リングオシ
レータ4における周回信号RCKの出力端子位置,切換
信号DC0〜DC14により連結個数が切り換えられる
インバータINVの配置,及び反転回路の総数を設定し
ているため、リングオシレータ4内でのパルス信号の周
回動作を連続的に実行できるようになり、上記問題を解
決することができるのである。
【0068】以上説明したように本実施例のデジタル制
御発振装置によれば、発振周波数(または遅延時間)
を、広範囲かつ高分解能でデジタル制御することができ
るようになるのであるが、発振周波数(または遅延時
間)は、リングオシレータ4内でのパルス信号の周回動
作によって決定されるため、リングオシレータ4を構成
している反転回路の反転動作時間が変化すると、制御デ
ータCDIに対応して発振周波数(または遅延時間)を
正確に制御できなくなってしまう。
【0069】しかし本実施例のデジタル制御発振装置
は、発振周波数をデジタル制御可能であるため、デジタ
ル制御発振装置からの出力パルスPOの出力周期と、水
晶発振器等の基準発振器からの出力パルスの基準周期と
を比較して、その割合に応じた補正データを予め設定し
ておき、この補正データにより外部から入力される制御
データCDIを補正して入力するようにすれば、発振周
波数の補正を簡単、且つ確実に行なうことができるよう
になる。
【0070】以下、この補正データを求めるための補正
データ演算装置の一例について、図8および図9を用い
て説明する。図8に示す如く、この補正データ演算装置
は、入力パルスの位相差を符号化するパルス位相差符号
化回路81,82と、パルス位相差符号化回路81,8
2からの符号化データに基づき補正データDoを算出す
る補正値演算回路83とから構成されており、一方のパ
ルス位相差符号化回路81には、水晶発振器等の基準発
振器からの基準パルスPAと上記実施例のデジタル制御
発振装置からの出力パルスPOとを入力し、他方のパル
ス位相差符号化回路82には、水晶発振器等の基準発振
器からの基準パルスPAとこの基準パルスPAを一定時
間遅延させた基準パルスPBとを入力するようにされて
いる。なお、パルス位相差符号化回路81に入力する出
力パルスPOは、デジタル制御発振装置を、出力パルス
POの出力周期が基準パルスPAと同じ周期となるよう
に制御データCDIを入力して動作させたときの信号で
ある。
【0071】また上記各パルス位相差符号化回路81,
82は、図9に示す如く、論理和回路OR,否定論理積
回路NAND,及び偶数個のインバータINVをリング
状に連結したリング遅延パルス発生回路84と、カウン
タ86と、パルスセレクタ88と、エンコーダ90とか
ら構成されている。このパルス位相差符号化回路81,
82は、本願出願人が特願平2−15865号等にて先
に提案した回路であり、次のように動作する。
【0072】すなわち、上記各パルス位相差符号化回路
81,82においては、リング遅延パルス発生回路84
の論理和回路ORの入力端に基準パルスPAが与えられ
る。するとリング遅延パルス発生回路84の途中からそ
の基準パルスPAが通過したインバータINVの個数に
よって遅延時間が決まるところの複数の遅延パルスが出
力され、パルスセレクタ88に入力される。またパルス
セレクタ88には、もう一方のパルス信号、すなわち出
力パルスPO又は基準パルスPBが入力され、出力パル
スPO又は基準パルスPBが入力されると、基準パルス
PAが達している段のリング遅延パルス発生回路84か
らの入力だけをパルスセレクタ88が選択し、この選択
された入力に対応する信号をエンコーダ90に出力す
る。するとエンコーダ90からはその入力に対応する2
進数デジタル信号が出力される。またリング遅延パルス
発生回路84の最終段のインバータINV出力は論理和
回路ORに接続されているため、リングを構成している
全回路による遅延時間を伴って、基準パルスPAが論理
和回路ORに戻り、この結果、基準パルスPAはリング
遅延パルス発生回路84内を周回する。カウンタ86
は、この周回回数をカウントするために最終段のインバ
ータINV出力に接続されており、そのカウント結果を
エンコーダ90の出力の上位ビットとして出力する。
【0073】この結果、図8(b)に示す如く、上記各
パルス位相差符号化回路81,82からの出力により、
基準パルスPAと出力パルスPO,又は基準パルスPA
と基準パルスPBの時間差が、デジタル値DAO又はDAB
として得られることとなる。なお、上記パルス位相差符
号化回路81,82の構成等については、特願平2−1
5865号等に詳述されているため、これ以上の説明は
省略する。
【0074】このようにパルス位相差符号化回路81に
より、デジタル制御発振装置からの出力パルスPOと水
晶発振器等の基準発振器からの基準パルスPAとの時間
差を表すデジタル値DAOが得られ、パルス位相差符号化
回路82により、基準パルスPAと基準パルスPBとの
時間差を表すデジタル値DABが得られる。そしてこうし
て得られたデジタル値DAB,DAOの内、デジタル値DAB
は同じ周期の基準パルスPA,PBの入力時間差を表す
ものであり、その時間差も既知であるため、得られたデ
ジタル値DABは基準時間データとして使用できることが
できる。一方デジタル値DAOは、単に基準パルスPAの
立上がりと出力パルスPOの立上がりの時間差を表すも
のであるため、このデジタル値DAOから基準パルスPA
と出力パルスPOとの周期のずれを直接求めることがで
きない。
【0075】そこで補正値演算回路83では、まずパル
ス位相差符号化回路81により連続して2回得られたデ
ジタル値DAO1 及びDAO2 の差をとることにより、基準
パルスPAに対する出力パルスPOの周期の時間差に対
応したデジタル値△DAO(=DAO2 −DAO1 )を求め
る。なお、このデジタル値△DAOは、正であれば出力パ
ルスPOの周期が基準パルスPAより長く、逆に△DAO
が負であれば出力パルスPOの周期が基準パルスPAよ
り短いことを表している。
【0076】そして次に、このデジタル値△DAOを、上
記デジタル値DABとそのデジタル値DABが表す既知の時
間TABとを用いて、出力パルスPOと基準パルスPAと
の時間差を正確に表す時間差データTAO(=TAB・△D
AO/DAB)を求め、この時間差データTAOを、基準パル
スPAの基準発振周期TAに加えて、出力パルスPOの
実際の発振周期TO(=TA+TAO)を求め、この発振
周期TOにより基準発振周期TAを除算することによ
り、補正データDo(=TA/TO)を求める。
【0077】この結果、例えば発振周波数1MHz(発
振周期1000nsec. )の基準発振器を使って補正デー
タを求めるために、制御データCDIによりデジタル制
御発振装置を1000nsec. の発振周期で動作させたと
き、実際の発振周期が800nsec. である場合には、時
間差データTAOとして−200nsec. が求められ、発振
周期TOがこの値TAOと基準発振周期TA(=1000
nsec. )とから800nsec. となり、補正データDoと
して、1.25(=1000/800)が求められる。
【0078】従ってその後デジタル制御発振装置を動作
させる際には、制御データCDIをこの補正データDo
により補正した値CCDI(=Do・CDI)を入力す
ることにより、制御データCDIに対応した発振周期で
出力パルスPOを発生させることができる。
【0079】また次に上記実施例のデジタル制御発振装
置は、デジタルデータDCIにより発振周波数を数十M
Hzの高周波領域までデジタル制御可能であるため、通
信装置やモータ制御装置等で使用される高周波用のPL
Lにも適用することができ、例えば図10(a)に示す
如く、周波数可変発振器92に上記実施例のデジタル制
御発振装置を、位相比較器94に上記図10に示したパ
ルス位相差符号化回路を、ループフィルタ96に周知の
デジタルフィルタを用いて、PLLを構成すれば、A/
D変換器等を必要としない、高周波のデジタルPLLを
構成することができる。
【0080】なお、図10(b)はこのデジタルPLL
の動作を表すタイムチャートであり、周波数可変発振器
92からの出力パルスPOと外部から入力される基準パ
ルスPCとの位相差が、位相比較器94によりのデジタ
ル値DAとして求められ、そのデジタル値DAがループ
フィルタ96にてデジタル値DBに変換されて、周波数
可変発振器92に入力され、この結果、出力パルスPO
が基準パルスPCに制御されることを表している。そし
てこのようなPLLでは、上述のデジタル制御発振装置
のリングオシレータのインバータ反転時間変動は自動的
に補正されるため(フィードバックがかかっているた
め)、発振周波数制御データの補正を行なう必要はな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のデジタル制御発振装置の構成を表すブ
ロック図である。
【図2】実施例のデータラッチ回路2の構成及びその動
作を表す説明図である。
【図3】実施例のリングオシレータ4の構成及びその動
作を表す説明図である。
【図4】実施例の周回数カウンタ6の構成及びその動作
を表す説明図である。
【図5】実施例の周回数カウンタ6内のダウンカウンタ
32の構成を表す構成図である。
【図6】実施例のモードセレクタ部8の構成及びその動
作を表す説明図である。
【図7】実施例のデジタル制御発振装置全体の動作を表
すタイムチャートである。
【図8】実施例のデジタル制御発振装置の発振周期を補
正するための補正データを求める補正データ演算装置の
構成及びその動作を表す説明図である。
【図9】補正データ演算装置のパルス位相差符号化回路
81,82の構成を表す回路図である。
【図10】実施例のデジタル制御発振装置を用いたデジ
タルPLLの構成を及びその動作を表す説明図である。
【符号の説明】
2…データラッチ回路 4…リングオシレータ 6
…周回数カウンタ 8…モードセレクタ部 10…セレクタ 20…デ
ータ切替器 22…デコーダ 30…反転信号発生回路 32…
ダウンカウンタ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力信号を反転して出力する反転回路を
    奇数個リング状に連結すると共に、該反転回路の一つ
    を、反転動作を外部から制御可能な起動用反転回路とし
    て構成し、該起動用反転回路の反転動作開始に伴いパル
    ス信号を周回させるパルス周回回路と、 該パルス周回回路内でリング状に連結される反転回路の
    個数を偶数個単位で増減させる連結数切換手段と、 前記パルス周回回路内にて常時リングを形成する所定の
    反転回路からの出力信号の反転タイミングを、パルス信
    号の一周回終了タイミングとして検出する反転タイミン
    グ検出手段と、 該反転タイミング検出手段からの検出信号に基づき前記
    パルス周回回路内でのパルス信号の周回回数をカウント
    し、該周回回数が所定の目標周回回数に達すると、次に
    前記反転タイミング検出手段から検出信号が出力される
    までの間、制御パルスを発生するカウント手段と、 該カウント手段から出力される制御パルスで、外部から
    入力されるデジタルデータの内の上位所定ビット及び下
    位所定ビットを各々ラッチするデータラッチ手段と、 前記カウント手段から出力される制御パルスで、前記デ
    ータラッチ手段が今までラッチしていた上位ビットデー
    タを前記目標周回回数として前記カウント手段にセット
    する目標周回回数設定手段と、 前記カウント手段から前記制御パルスが出力されている
    とき、前記連結数切換手段を介して、前記パルス周回回
    路内での反転回路の連結個数を前記データラッチ手段が
    ラッチしている下位ビットデータに対応した連結個数に
    制御し、それ以外は前記反転回路の連結個数を最小の連
    結個数に制御する連結数制御手段と、 を備え、前記カウント手段のカウント動作,前記データ
    ラッチ手段のラッチ動作,及び前記連結数制御手段の制
    御動作が、前記パルス周回回路における前記反転タイミ
    ング検出手段の接続位置から前記連結数切換手段が反転
    回路の連結個数を増減する分岐点までの反転回路によっ
    て生じる遅延時間内に終了するよう、該接続位置から分
    岐点までの反転回路の個数を設定すると共に、前記カウ
    ント手段からの制御パルスを発振信号として外部に出力
    するよう構成してなることを特徴とするデジタル制御発
    振装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6157267A (en) * 1998-01-20 2000-12-05 Fujitsu Limited Variable frequency multiple loop ring oscillator
KR100886199B1 (ko) * 2007-04-10 2009-02-27 한국전기연구원 디지털 제어가 용이한 클럭 발생기
JP2010192976A (ja) * 2009-02-16 2010-09-02 Nec Corp リングオシレータ及びそれを用いたpll回路

Cited By (3)

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