JPH0618465U - 建設機械のブランチホース取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］ 従来技術の油圧ショベルのブランチホース取
付構造では、ブランチホースの基端開通部を油圧ポンプ
のデリベリポート側に、また先端閉鎖部をエンジン取付
用ラバーマウント上部のブラケットなどに対して固定し
ていた。そのためにブランチホースが無理に屈曲された
状態で配管され、しかも油圧ショベルの振動により破損
して油漏れをおこすことがあった。この問題点を解決す
る。 ［構成］ 本考案のブランチホース取付構造では、剛性
を有するブランチホースを所定の寸法に設定し、そのブ
ランチホースの一端を油圧ポンプのデリベリポート側に
接続して固定するとともに、閉鎖した他端を固定しない
ようにした。あるいはまた、複数個のブランチホースの
それぞれ他端を、固定していないブロック部材を介し連
結せしめて構成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、主として油圧ショベルなど建設機械に装備されているポンプ騒音低 減用のブランチホース取付構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

図３は、従来技術のブランチホース取付構造をそなえている油圧ショベルの一 部切欠き後面図である。図において，１は油圧ショベルの下部走行体、２は上部 旋回体、３は上部旋回体２のフレーム，４はエンジン取付座、５はエンジン、６ はエンジン取付ブラケット、７はラバーマウント、８，９はそれぞれ油圧ポンプ である第１，第２ポンプ、１０はバルブブロック、１１，１２はそれぞれ第１ポ ンプ８，第２ポンプ９のデリベリポート（図示しない）に通じて設けられている デリベリポートブロック、１３，１４はそれぞれデリベリホース、１５，１６は それぞれブランチホースである。図４は、図３のＡ部詳細図である。

【０００３】 油圧ショベルのエンジン５を作動させると、第１ポンプ８及び第２ポンプ９は 回転し、圧油の吐出を行う。図３及び図４に示すように第１ポンプ８及び第２ポ ンプ９のそれぞれデリベリポートブロック１１及び１２に対してブランチホース １５，１６が取付けられているが、そのブランチホース１５，１６を取付けるこ とにより、ポンプ回転時の圧油脈動周波数に起因するポンプ騒音を低減するよう にしている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

従来技術のブランチホース（１５，１６）は、図４に示すようにエンジン取付 用ラバーマウント（７）上部のブラケットなどに対して、ブランチホース１５， １６の先端閉鎖部を固定していた。そのためにブランチホース１５，１６が無理 に屈曲された状態で配管され、しかも油圧ショベルの振動などにより破損して油 漏れをおこすことがあった。本考案は、上記の問題点を解決できるブランチホー ス取付構造を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案のブランチホース取付構造では、剛性を有するブランチホースを所定の 寸法に設定し、そのブランチホースの一端を油圧ポンプのデリベリポート側に接 続して固定するとともに、閉鎖した他端を固定しないように構成した。あるいは また、エンジンにより駆動される複数個の油圧ポンプの各デリベリポート側にそ れぞれブランチホースの一端を接続せしめ、かつその複数個のブランチホースの それぞれ他端を、固定していないブロック部材を介し連結せしめて構成した。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図１は、本考案請求 項１のブランチホース取付構造をそなえている油圧ショベルの一部切欠き要部後 面図である。図において、従来技術と同一構成要素を使用しているものに対して は同符号を付す。なお本考案請求項１におけるブランチホース１７，１８は、そ れぞれ第１ポンプ８，第２ポンプ９に対し配設されているが、そのそれぞれ取付 構造は同様であるので、ブランチホース１８の取付構造を代表例として説明する 。２’は油圧ショベルの上部旋回体、１９はブランチホース１８の基端開通部、 ２０は先端閉鎖部である。

【０００７】 次に、本考案請求項１のブランチホース取付構造を図１について述べる。剛性 を有するブランチホース１８を、ポンプ騒音低減効果の発揮できる所定の寸法Ｌ を設定し、そのブランチホース１８の基端開通部１９を第２ポンプ９のデリベリ ポートブロック１２に接続して固定するとともに、先端閉鎖部２０を固定しない でフリー状態に構成した。

【０００８】 次に、本考案請求項１のブランチホース取付構造の作用について述べる。ブラ ンチホース１８は剛性を有するので、基端開通部１９をデリベリポートブロック １２に接続したとき、ぶらぶらして湾曲状態に変形することなく、元の形状を略 保持することができる。上記取付操作は、基端開通部１９をデリベリポートブロ ック１２に接続するだけで、先端閉鎖部２０は固定しないでフリー状態とするの で、取付が非常に簡略化される。またポンプ回転時に先端閉鎖部２０が付近の他 の部品と接触しないし、ブランチホース１８が無理に曲げられて拘束されていな いので、破損，油漏れ事故なども防止できる。またブランチホース１８の長さを 所定の寸法Ｌに設定しているので、ポンプ騒音低減効果を発揮することができる 。したがってブランチホースの機能と耐久性を発揮するので、ブランチホースの 経済性とメンテナンス性を向上させることができる。

【０００９】 次に図２は、本考案請求項２のブランチホース取付構造をそなえている油圧シ ョベルの一部切欠き要部後面図である。図において、従来技術と同一構成要素を 使用しているものに対しては同符号を付す。２’ａは油圧ショベルの上部旋回体 、２１，２２はそれぞれブランチホース２３用の接続パイプ、２４，２５はそれ ぞれブランチ２６用の接続パイプ、２７はブロック部材である。このブロック部 材２７は、一般的には接続パイプ２２と２５を遮断状態で連結しているが、必要 な場合には内部通路を形成して、連通対応を行ってもよい。

【００１０】 次に、本考案請求項２のブランチホース取付構造を図２について述べる。エン ジン５により駆動される２個の第１ポンプ８及び第２ポンプ９の各デリベリポー トブロック１１，１２に対して、ブランチホース２３側の接続パイプ２１，ブラ ンチホース２６側の接続パイプ２４をそれぞれ接続した。そして上記ブランチホ ース２３側の接続パイプ２２の先端部と、ブランチホース２６側の接続パイプ２ ５の先端部とを、固定していないブロック部材２７を介し連結せしめて構成した 。

【００１１】 次に、本考案請求項２のブランチホース取付構造の作用について述べる。この 請求項２のブランチホース取付構造では、ブランチホース２３側の先端部とブラ ンチホース２６側の先端部とをブロック部材２７を介して連結するようにしたの で、ポンプ回転時の圧油脈動周波数の波長に対応して、ブランチホースの全長を かなり長く設定できる。しかも上記ブロック部材２７の介設により、ブランチホ ース２３及び２６の剛性をたかめることができる。その他の機能及び作用に関し ては、請求項１のブランチホース取付構造の場合と同様である。

【００１２】

【考案の効果】

従来技術の油圧ショベルのブランチホース取付構造では、ブランチホースの基 端開通部を油圧ポンプのデリベリポート側に、また先端閉鎖部をエンジン取付用 ラバーマウント上部のブラケットなどに対して固定していた。そのためにブラン チホースが無理に屈曲された状態で配管され、しかも油圧ショベルの振動により 破損して油漏れをおこすことがあった。しかし本考案のブランチホース取付構造 では、剛性を有するブランチホースを所定の寸法に設定し、そのブランチホース の一端を油圧ポンプのデリベリポート側に接続して固定するとともに、閉鎖した 他端を固定しないように構成した。それによりブランチホースの取付操作は、上 記一端をデリベリポート側に接続するだけで、閉鎖された他端は固定しないでフ リー状態とするので、取付が非常に簡略化される。またブランチホースがぶらぶ らして湾曲状態に変形することなく、元の形状を略保持することができる。ポン プ回転時にブランチホースが付近の他の部品と接触しないし、ブランチホースが 無理に曲げられて拘束されていないので、破損，油漏れ事故なども防止できる。 またブランチホースの長さを所定の寸法に設定しているので、ポンプ騒音低減効 果を発揮することができる。したがってブランチホースの機能と耐久性を発揮す るので、ブランチホースの経済性とメンテナンス性を向上させることができる。

【００１３】 あるいはまた本考案では、エンジンにより駆動される複数個の油圧ポンプの各 デリベリポート側にそれぞれブランチホースの一端を接続せしめ、かつその複数 個のブランチホースのそれぞれ他端を、固定していないブロック部材を介し連結 せしめて構成した。このブランチホース取付構造では、ポンプ回転時の圧油脈動 周波数の波長に対応して、ブランチホースの全長をかなり長く設定できる。しか も上記ブロック部材の介設により、ブランチホースの剛性をたかめることができ る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案請求項１のブランチホース取付構造をそ
なえている油圧ショベルの一部切欠き要部後面図であ
る。

【図２】本考案請求項２のブランチホース取付構造をそ
なえている油圧ショベルの一部切欠き要部後面図であ
る。

【図３】従来技術のブランチホース取付構造をそなえて
いる油圧ショベルの一部切欠き後面図である。

【図４】図３のＡ部詳細図である。

【符号の説明】

２，２’，２’ａ 上部旋回体 ５ エンジン ８，９ 第１，第２ポンプ １１，１２ デリベリポートブロック １３，１４，２３，２６ デリベリホース １５，１６，１７，１８ ブランチホース １９ 基端開通部 ２０ 先端閉鎖部 ２１，２２，２４，２５ 接続パイプ ２７ ブロック部材

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 建設機械に搭載されたエンジンにより駆
   動される油圧ポンプのデリベリポートに通じており、ポ
   ンプ回転時の圧油脈動周波数に起因するポンプ騒音を低
   減するために設けているブランチホースの取付構造であ
   って、剛性を有するブランチホースを所定の寸法に設定
   し、そのブランチホースの一端を油圧ポンプのデリベリ
   ポート側に接続して固定するとともに、閉鎖した他端を
   固定しないように構成したことを特徴とする建設機械の
   ブランチホース取付構造。
2. 【請求項２】 建設機械に搭載されたエンジンにより駆
   動される油圧ポンプのデリベリポートに通じており、ポ
   ンプ回転時の圧油脈動周波数に起因するポンプ騒音を低
   減するために設けているブランチホースの取付構造であ
   って、エンジンにより駆動される複数個の油圧ポンプの
   各デリベリポート側にそれぞれブランチホースの一端を
   接続せしめ、かつその複数個のブランチホースのそれぞ
   れ他端を、固定していないブロック部材を介し連結せし
   めて構成したことを特徴とする建設機械のブランチホー
   ス取付構造。