JPH06184229A - オレフィン重合用触媒及び該触媒を用いるエチレン共重合体の製造方法 - Google Patents

オレフィン重合用触媒及び該触媒を用いるエチレン共重合体の製造方法

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JPH06184229A
JPH06184229A JP33714692A JP33714692A JPH06184229A JP H06184229 A JPH06184229 A JP H06184229A JP 33714692 A JP33714692 A JP 33714692A JP 33714692 A JP33714692 A JP 33714692A JP H06184229 A JPH06184229 A JP H06184229A
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徳弘 三好
Hirobumi Jiyouhouji
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Abstract

(57)【要約】 【目的】新規の触媒系を提供するとともに、該触媒系を
用いることにより固体触媒当り及び遷移金属当りの触媒
活性が高く、また分子量分布が広く組成分布が狭い、か
つ粉体性状の良好なエチレン−α−オレフィン共重合体
の製造法を提供する。 【構成】シクロペンタジエニル基を有するジルコニウム
化合物(A1)、チタン化合物(A2)、Si−O結合
を有する有機ケイ素化合物(A3)の反応混合物と、有
機マグネシウム化合物(A4)との反応生成物を、有機
ハロゲン化アルミニウム化合物(A5)と接触させて得
られる固体触媒成分(A)、及び有機アルミニウム化合
物(B)とからなるオレフィン重合用触媒。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オレフィン重合用触媒
に関する。また該触媒を用いたエチレン−α−オレフィ
ン共重合体の製造方法に関する。更に詳しくは、種々の
重合プロセス(スラリー重合、気相重合等)において触
媒残渣の除去が不必要となる程、固体触媒当り及び遷移
金属当りの触媒活性が充分高い固体触媒成分を用い、分
子量分布が広く組成分布が狭い、かつ粉体性状の良好な
エチレン−α−オレフィン共重合体の製造法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、エチレンとα−オレフィンの共重
合体は、種々の重合法で製造され、直鎖状低密度ポリエ
チレン(以下「LLDPE」と称す場合もある。)、低
密度ポリエチレン(以下「LDPE」と称す場合もあ
る。)、軟質樹脂あるいはエラストマーとして広汎に利
用されている。これらのうち、直鎖状低密度ポリエチレ
ンや軟質樹脂は、主として三塩化チタンやTi/Mg複
合系に代表されるチーグラー系触媒を用いて、気相法、
スラリー法、溶液法および高圧イオン重合法などにより
製造されている。これらの組成分布は一般に広く、高結
晶性成分が存在するために透明性が劣ること、低結晶性
または非晶性成分のために成形品の粘着、べとつきがあ
ることなどの問題をかかえている。
【0003】一方、新しいチーグラー型オレフィン重合
触媒として、ジルコニウム化合物およびアルミノキサン
からなる触媒が最近提案されている。たとえば、ビスシ
クロペンタジエニルジルコニウム化合物とアルミノキサ
ンからなる触媒系(特公平4−12283号公報)、異
なる2種以上のIVb、Vb、VIb族の金属を含むメタロ
セン化合物とアルモキサンからなる触媒系(特開昭60
−35006号公報、特開昭60−35008号公
報)、置換基を有するシクロペンタジエンを配位子とす
るメタロセン化合物とアルモキサンからなる触媒系(特
開昭60−35007号公報)などがあげられる。これ
らの触媒系を用いると触媒活性が著しく高く、組成分布
の狭い共重合体が得られるものの、分子量分布も狭く、
加工性が悪い。またこれらの触媒系は重合系に可溶性で
あり、共重合体の嵩比重、粉体性状等、工業的見地から
みると未だ不十分である。
【0004】またメタロセン化合物および/またはアル
ミノキサンをシリカ、アルミナなどの多孔性化合物に担
持させた触媒を用い、上記問題点を改良する試みが数多
く提案されている。たとえば、メタロセン化合物と水を
含有する無機系物質にアルミニウムトリアルキルを反応
させたものからなる触媒系(特開昭61−31404号
公報)、メタロセン化合物とアルモキサンの反応物を無
機酸化物に担持した触媒系(特開昭61−108610
号公報、特開昭61−296008号公報)、トリアル
キルアルミニウムとアルモキサンの反応物に無機酸化物
を反応させた反応混合物とメタロセン化合物からなる触
媒系(特開昭61−276805号公報)、有機金属化
合物で処理されたメタロセン化合物を微粒子状担体に担
持した固体触媒成分とアルモキサンからなる触媒系(特
開昭63−22804号公報)、メタロセン化合物と金
属酸化物の反応物とアルモキサンからなる触媒系(特開
平1−101315号公報、特開平1−259004号
公報)等があげられる。これらの触媒系を用いると、組
成分布の狭い共重合体が得られるものの、前述の可溶性
触媒に比較して触媒活性が著しく低下し、また共重合体
の粉体性状、加工性に関しても未だ不十分である。
【0005】またメタロセン化合物と有機マグネシウム
化合物との反応生成物とアルモキサンからなる触媒系
(特開昭63−168409号公報、特開昭63−17
5004号公報)においても未だ触媒活性、分子量制御
性等に関して十分満足できる性能であるとはいいがた
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】かかる現状において、
本発明は触媒残渣の除去が不必要となる程、固体触媒当
り及び遷移金属当りの触媒活性が充分高い固体触媒成分
を用い、分子量分布が広く組成分布が狭い、かつ粉体性
状の良好なエチレン−α−オレフィン共重合体を製造す
る方法の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、 (A)(1) 一般式R1 m (C5 2 n )2ZrR3
4 (式中、(C5 2 n )はシクロペンタジエニル基もし
くは置換シクロペンタジエニル基であり、R2 は水素原
子もしくは炭素数1〜20の炭化水素基であって、R2
は相互に同一であっても相違してもよく、シクロペンタ
ジエニル基もしくは置換シクロペンタジエニル基を形成
している2つの隣接炭素原子がそれぞれに結合せるR2
とともに炭素数4〜6の環を形成してもよく、R1 は2
つの(C52 n )を結合する基であって、炭素数1〜
4のアルキレン基であり、R3 およびR4 はそれぞれ炭
素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子もしくは水素
原子であり、mは0または1であり、nはmが0の時に
は5であり、mが1のときには4である。)で示される
ジルコニウム化合物と(2)一般式Ti(OR5 l
4-l (式中、R5 は炭素原子1〜20個を含有する炭化
水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、lは0<l≦
4の数字を示す。)で表わされるチタン化合物と、
(3)Si−O結合を有する有機ケイ素化合物の反応混
合物(I)を、(4)有機マグネシウム化合物又は有機
マグネシウム化合物と有機金属化合物との反応生成物で
ある炭化水素可溶性錯体とを反応することによって得ら
れる反応生成物(II)を、(5)一般式R15 c AlX
3-c (式中、R15は炭素原子1〜20個を含有する炭化
水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、cは0<c<
3の数字を示す。)で表わされる有機ハロゲン化アルミ
ニウム化合物と接触させて得られる固体触媒成分及び (B)有機アルミニウム化合物とからなるオレフィン重
合用触媒を用いてエチレンと炭素数3以上のα−オレフ
ィンの1種又は2種以上とを共重合するエチレン共重合
体の製造方法である。
【0008】以下本発明について具体的に説明する。本
発明の固体触媒成分の合成に使用されるジルコニウム化
合物は、一般式R1 m (C5 2 n )2ZrR3 4 (式
中、(C5 2 n )はシクロペンタジエニル基もしくは
置換シクロペンタジエニル基であり、R2 は水素原子も
しくは炭素数1〜20の炭化水素基であって、R2 は相
互に同一であっても相違してもよく、シクロペンタジエ
ニル基もしくは置換シクロペンタジエニル基を形成して
いる2つの隣接炭素原子がそれぞれに結合せるR2 とと
もに炭素数4〜6の環を形成してもよく、R1 は2つの
(C5 2 n )を結合する基であって、炭素数1〜4の
アルキレン基であり、R3 およびR4 はそれぞれ炭素数
1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子もしくは水素原子
であり、mは0または1であり、nはmが0の時には5
であり、mが1のときには4である。)で示される。R
1 の具体例としてはメチレン、エチレン、プロピレン等
を挙げることができる。R2 、R3 及びR 4 の具体例と
しては、水素、メチル、エチル、プロピル、iso−プ
ロピル、ブチル、iso−ブチル、t−ブチル、アミ
ル、iso−アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、
2−エチルヘキシル、デシル等のアルキル基、フェニ
ル、クレジル、キシリル、ナフチル等のアリール基、シ
クロヘキシル、シクロペンチル等のシクロアルキル基、
プロペニル等のアリル基、ベンジル等のアラルキル基等
が例示される。またR3 、R4 は塩素、臭素、ヨウ素等
のハロゲン原子でもよい。R2 、R3 及びR4 は同一で
も異なっていてもよい。
【0009】ジルコニウム化合物の具体例としては、下
記のようなものを例示することができる。ビス(シクロ
ペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、ビス(メチル
シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、ビス
(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジメチルジルコ
ニウム、ビス(シクロペンタジエニル)メチルクロロジ
ルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロジ
ルコニウム、ビス(インデニル)ジメチルジルコニウ
ム、エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ジメチル
ジルコニウム、エチレンビス(テトラヒドロインデニ
ル)ジクロロジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムモノクロリドモノハイドライド、ビス
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムモノブロミドモ
ノハイドライド、ビス(シクロペンタジエニル)メチル
ジルコニウムハイドライド、ビス(シクロペンタジエニ
ル)エチルジルコニウムハイドライド、ビス(シクロペ
ンタジエニル)シクロヘキシルジルコニウムハイドライ
ド、ビス(シクロペンタジエニル)フェニルジルコニウ
ムハイドライド、ビス(シクロペンタジエニル)ベンジ
ルジルコニウムハイドライド、ビス(シクロペンタジエ
ニル)ネオペンチルジルコニウムハイドライド、ビス
(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムモノクロ
リドモノハイドライド、ビス(インデニル)ジルコニウ
ムモノクロリドモノハイドライド、ビス(シクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジブロミド、ビス(シクロペン
タジエニル)エチルジルコニウムモノクロリド、ビス
(シクロペンタジエニル)シクロヘキシルジルコニウム
モノクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)フェニル
ジルコニウムモノクロリド、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ベンジルジルコニウムモノクロリド、ビス(インデ
ニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(インデニル)ジ
ルコニウムジブロミド、ビス(シクロペンタジエニル)
ジルコニウムジフェニル、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジベンジル、エチレンビス(インデニ
ル)ジメチルジルコニウム、エチレンビス(インデニ
ル)ジエチルジルコニウム、エチレンビス(インデニ
ル)ジフェニルジルコニウム、エチレンビス(インデニ
ル)ジベンジルジルコニウム、エチレンビス(インデニ
ル)メチルジルコニウムモノブロミド、エチレンビス
(インデニル)エチルジルコニウムモノクロリド、エチ
レンビス(インデニル)ベンジルジルコニウムモノクロ
リド、エチレンビス(インデニル)メチルジルコニウム
モノクロリド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウ
ムジクロリド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウ
ムジブロミド、エチレンビス(4,5,6,7−テトラ
ヒドロ−1−インデニル)ジメチルジルコニウム、エチ
レンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデ
ニル)メチルジルコニウムモノクロリド、エチレンビス
(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、エチレンビス(4,5,6,7
−テトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウムジブロ
ミド、エチレンビス(4−メチル−1−インデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、エチレンビス(5−メチル−1
−インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス
(6−メチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、エチレンビス(7−メチル−1−インデニル)ジル
コニウムジクロリド、エチレンビス(2,3−ジメチル
−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン
ビス(4,7−ジメチル−1−インデニル)ジルコニウ
ムジクロリド。上記化合物の中でも特にビスシクロペン
タジエニルジメチルジルコニウム、ビスシクロペンタジ
エニルジクロロジルコニウムが好ましく用いられる。
【0010】本発明の固体触媒成分の合成に使用される
チタン化合物としては、一般式Ti(OR5 l 4-l
(式中、R5 は炭素原子1〜20個を含有する炭化水素
基を示し、Xはハロゲン原子を示し、lは0<l≦4の
数字を示す。)で表わされる化合物を使用することがで
きる。lは好ましくは2≦l≦4、特に好ましくはl=
4である化合物がよい。R5 は飽和でも不飽和でもよ
い。R5 は特にアルキル基、シクロアルキル基、アリー
ル基、アラルキル基、アルケニル基から選ぶのが好まし
い。チタン化合物の具体例としては、下記のようなもの
を例示することができる。Ti(OC2 5 4 、Ti
(OC3 7 4 、Ti(Oi−C3 7 4 、Ti
(OC4 9 4 、Ti(Osec −C4 9 4 、Ti
(Ot−C4 9 4、Ti(OC6 5 4 、Ti
(OC6 4 CH3 4 、Ti(OC6 4 Cl)4
Ti(OC2 3 3 Cl、Ti(OC2 5 2
l、Ti(OC2 5 )Cl3 、Ti(OC6 5 )C
3 などが挙げられる。これら化合物の中でも特にエト
キシチタン、ブトキシチタンが好ましい。
【0011】本発明の固体触媒成分の合成に使用される
Si−O結合を有するケイ素化合物としては、下記の一
般式で表わされるものである。 Si(OR6 p 7 4-p8 (R9 3SiO)q SiR10 3 又は(R11 2 SiO)r ここに、R6 は炭素数が1〜20の炭化水素基、R7
8 、R9 、R10及びR 11は炭素数が1〜20の炭化水
素基又は水素原子であり、mは0<p≦4の数字であ
り、qは1〜1,000の整数であり、rは2〜1,0
00の整数である。有機ケイ素化合物の具体例として
は、下記のようなものを例示することができる。テトラ
メトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、テトラエ
トキシシラン、トリエトキシエチルシラン、ジエトキシ
ジエチルシラン、エトキシトリエチルシラン、テトラ−
iso−プロポキシシラン、ジ−iso−プロポキシジ
−iso−プロピルシラン、テトラプロポキシシラン、
ジプロポキシジプロピルシラン、テトラブトキシシラ
ン、ジブトキシジブチルシラン、ジシクロペントキシジ
エチルシラン、ジエトキシジフェニルシラン、シクロヘ
キシロキシトリメチルシラン、フェノキシトリメチルシ
ラン、テトラフェノキシシラン、トリエトキシフェニル
シラン、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサエチルジシ
ロキサン、ヘキサプロピルジシロキサン、オクタエチル
トリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、ジフェニル
ポリシロキサン、メチルヒドロポリシロキサン、フェニ
ルヒドロポリシロキサン等を例示することができる。こ
れらの有機ケイ素化合物のうち好ましいものは一般式S
i(OR6 p 7 4 -pで表わされるアルコキシシラン化
合物であり、好ましくは1≦p≦4であり、特にp=4
のテトラアルコキシシラン化合物が好ましい。上記化合
物の中でも特にテトラエトキシシラン、テトラブトキシ
シランが好ましい。
【0012】次に、本発明で用いる有機マグネシウムは
マグネシウム−炭素の結合を含有する任意の型の有機マ
グネシウム化合物を使用することができる。特に一般式
12MgX(式中、R12は炭素数1〜20の炭化水素基
を、Xはハロゲン原子を表わす。)で表わされるグリニ
ャール化合物及び一般式R1314Mg(式中、R13及び
14は炭素数1〜20の炭化水素基を表わす。)で表わ
されるジアルキルマグネシウム化合物又はジアリールマ
グネシウム化合物が好適に使用される。ここでR12、R
13、R14は同一でも異なっていてもよく、メチル、エチ
ル、n−プロピル、iso−プロピル、ブチル、sec
−ブチル、tert−ブチル、アミル、iso−アミ
ル、ヘキシル、オクチル、2−エチルヘキシル、フェニ
ル、ベンジル等の炭素数1〜20のアルキル基、アリー
ル基、アラルキル基、又はアルケニル基を示す。
【0013】具体的には、グリニャール化合物として、
メチルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムクロ
リド、エチルマグネシウムブロミド、エチルマグネシウ
ムアイオダイド、プロピルマグネシウムクロリド、プロ
ピルマグネシウムブロミド、ブチルマグネシウムクロリ
ド、ブチルマグネシウムブロミド、sec−ブチルマグ
ネシウムクロリド、sec−ブチルマグネシウムブロミ
ド、tert−ブチルマグネシウムクロリド、tert
−ブチルマグネシウムブロミド、アミルマグネシウムク
ロリド、iso−アミルマグネシウムクロリド、フェニ
ルマグネシウムクロリド、フェニルマグネシウムブロミ
ド等が、R1314Mgで表わされる化合物としてジエチ
ルマグネシウム、ジプロピルマグネシウム、ジ−iso
−プロピルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ジ−
sec−ブチルマグネシウム、ジ−tert−ブチルマ
グネシウム、ブチル−sec−ブチルマグネシウム、ジ
アミルマグネシウム、ジフェニルマグネシウム等が挙げ
られる。
【0014】上記の有機マグネシウム化合物の合成溶媒
としては、ジエチルエーチル、ジプロピルエーテル、ジ
−iso−プロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジ−
iso−ブチルエーテル、ジアミルエーテル、ジ−is
o−アミルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジオクチル
エーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、
フェネトール、アニソール、テトラヒドロフラン、テト
ラヒドロピラン等のエーテルを用いることができる。
又、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、
メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン
等の炭化水素、或はエーテルと炭化水素との混合溶媒を
用いてもよい。有機マグネシウム化合物はエーテル溶液
の状態で使用することが好ましい。この場合のエーテル
化合物としては、分子内に炭素数6個以上を含有するエ
ーテル化合物又は環状構造を有するエーテル化合物が用
いられる。又、上記の有機マグネシウム化合物と有機金
属化合物との炭化水素可溶性錯体も使用することもでき
る。有機金属化合物の例としては、Li、Be、B、A
l又はZn等の有機化合物が挙げられる。
【0015】本発明で使用される有機ハロゲン化アルミ
ニウム化合物は、一般式R15 c AlX3-c (式中、R15
は炭素原子1〜20個、好ましくは1〜6個を含有する
有機基、好ましくは炭化水素基を示し、Xはハロゲン原
子を示し、cは0<c<3の数を示す。)で表わされ
る。XとしてはClが特に好ましく、cは好ましくは1
≦c≦2、特に好ましくはc=1である。R15は好まし
くはアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキ
ル、アルケニル基から選ばれる。有機ハロゲン化アルミ
ニウム化合物としてはエチルアルミニウムジクロリド、
イソブチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウ
ムセスキクロリド、イソブチルアルミニウムセスキクロ
リド、ジエチルアルミニウムモノクロリド、イソブチル
アルミニウムモノクロリド等が挙げられる。これらのう
ちでもエチルアルミニウムジクロリド、イソブチルアル
ミニウムジクロリド等のアルキルアルミニウムジクロリ
ドが特に好ましく使用できる。有機ハロゲン化アルミニ
ウム化合物として複数の異なる有機ハロゲン化アルミニ
ウム化合物を使用することもでき、又この場合、ハロゲ
ン量を調整するために有機ハロゲン化アルミニウム化合
物と共にトリエチルアルミニウム、トリイソブチルアル
ミニウム等のトリアルキルアルミニウム、或はトリアル
ケニルアルミニウムを使用することもできる。
【0016】固体触媒成分の合成 本発明の固体触媒成分は、ジルコニウム化合物とチタン
化合物とケイ素化合物の混合物を有機マグネシウム化合
物と反応させ、更に有機ハロゲン化アルミニウム化合物
と接触させることにより得られる。固体触媒成分の合成
はすべて窒素、アルゴン等の不活性気体雰囲気下で行な
われる。ジルコニウム化合物、チタン化合物とケイ素化
合物との反応はそれぞれそのまま、もしくは希釈して、
通常−50〜150℃の温度で数分ないし数時間行なわ
れる。ジルコニウム化合物とチタン化合物の反応割合は
モル比で1:100〜100:1、好ましくは1:50
〜50:1、さらに好ましくは1:20〜20:1の範
囲で行なわれる。またケイ素化合物の反応割合はジルコ
ニウム化合物とチタン化合物のモル数の和とケイ素化合
物とのモル比で1:100〜100:1、好ましくは
1:50〜50:1、さらに好ましくは1:20〜2
0:1の範囲で行なわれる。
【0017】この反応に使用される溶媒としては、例え
ばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族
炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベン
ゼン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン、シクロペン
タン等の脂環式炭化水素、およびジエチルエーテル、ジ
ブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル化合
物等が挙げられる。これらの溶媒は単独もしくは混合し
て使用される。このようにして得られる反応混合物
(I)は通常均一溶液の状態であることが多いが溶媒に
不溶な成分を含んでいることもある。
【0018】次に反応混合物(I)を有機マグネシウム
化合物成分と反応させて反応生成物(II)を得る。こ
の反応は反応混合物(I)と有機マグネシウム化合物を
そのまま、もしくは適当な溶媒に溶解もしくは希釈して
通常−70〜150℃、好ましくは−30〜50℃の温
度で数分ないし数時間、好ましくは30分〜5時間の間
行なわれる。反応混合物(I)と有機マグネシウム化合
物の添加方法は任意であり、反応混合物(I)に有機マ
グネシウム化合物を添加する方法、有機マグネシウム化
合物に反応混合物(I)を添加する方法、反応混合物
(I)と有機マグネシウム化合物を同時に添加する方法
のいずれも用いることができる。反応混合物(I)と有
機マグネシウム化合物の反応割合は、反応混合物(I)
中のケイ素原子と遷移金属原子の和と有機マグネシウム
化合物中のマグネシウム原子の原子比で1:10〜1
0:1、好ましくは1:5〜5:1、さらに好ましくは
1:2〜2:1の範囲で行なわれる。この反応に使用さ
れる溶媒としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン、シ
クロペンタン等の脂環式炭化水素およびジエチルエーテ
ル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン等のエーテル化合物が挙げられる。これらの溶媒は単
独もしくは混合して使用される。このようにして得られ
る反応生成物(II)は通常溶媒に不溶な固体の状態で
あることが多いが、使用する化合物、溶媒の種類によっ
ては溶媒に溶解した状態であることもあり、この場合に
は遊離化剤あるいは温度変化による析出、溶媒の留去、
再沈等の方法であらかじめ固体として分離してもよい。
【0019】反応生成物(II)はそのまま、あるいは
乾固、あるいは濾別後乾燥、あるいは濾別後溶媒で充分
洗浄し、有機ハロゲン化アルミニウム化合物と接触させ
る。このようにして得られた固体反応生成物(II)は
特に狭い粒度分布を持ち、優れた粒子性状を有する。ま
た上記固体反応生成物(II)は、マグネシウムとチタ
ン、ジルコニウムを含有する。
【0020】反応生成物(II)とハロゲン化有機アル
ミニウム化合物の接触は、反応生成物(II)とハロゲ
ン化有機アルミニウム化合物をそのまま、もしくは適当
な溶媒に溶解もしくは希釈して通常−70〜200℃、
好ましくは−30〜150℃、さらに好ましくは30〜
100℃の温度で数分ないし数時間の間行なわれる。反
応生成物(II)とハロゲン化有機アルミニウム化合物
の添加方法は任意であり、反応生成物(II)にハロゲ
ン化有機アルミニウム化合物を添加する方法、ハロゲン
化有機アルミニウム化合物に反応生成物(II)を添加
する方法、反応生成物(II)とハロゲン化有機アルミ
ニウム化合物を同時に添加する方法のいすれも用いるこ
とができる。反応生成物(II)とハロゲン化有機アル
ミニウム化合物の反応割合は広い範囲で選ぶことができ
る。反応生成物(II)とハロゲン化有機アルミニウム
化合物の反応割合を変化させることによって重合体の分
子量分布を調整することができる。通常、反応生成物
(II)1g当りハロゲン化有機アルミニウム化合物の
量をハロゲン化有機アルミニウム化合物中に含有される
ハロゲン原子を基準にして0.001〜0.1g当量の
範囲に選ぶのが好ましい。
【0021】この反応に使用される溶媒としては、例え
ばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族
炭化水素、四塩化炭素、ジクロルエタン等のハロゲン化
炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベン
ゼン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン、シクロペン
タン等の脂環式炭化水素等が挙げられる。これらの溶媒
は単独もしくは混合して使用される。
【0022】このようにして得られた固体触媒成分はほ
ぼ球形もしくは長球形の粒度分布が狭い流動性の良好に
粉末である。また、上記固体触媒成分はマグネシウム、
チタン、ジルコニウムおよびハロゲンを含有し、一般に
非晶性もしくは極めて弱い結晶性を示し、X線回折ピー
クはほとんど見られないかもしくは面間隔d=5.9、
2.8、1.8Å付近に極めてブロードもしくは弱い回
折ピークを与えるにすぎないものが多い。反応生成物
(II)とハロゲン化有機アルミニウム化合物の接触さ
せて得られる固体触媒成分は通常、濾過後炭化水素希釈
剤で充分洗浄し、そのまま、あるいは乾燥してオレフィ
ン重合触媒成分として使用する。
【0023】本発明の実施に際し、ジルコニウム化合物
と有機マグネシウム化合物の反応時にシリカゲル等の多
孔質担体を共存させ、その細孔内に触媒成分を固定化し
てもよい。またオレフィン共重合を行なうに先立って、
公知の方法によって固体触媒成分を有機アルミニウム化
合物の存在化、少量のオレフィン(たとえばエチレン、
プロピレン等)の予備重合を行なうこともできる。
【0024】本発明において、上述した固体触媒成分と
組合せて使用する有機アルミニウム化合物としては、ト
リエチルアルミニウム、トリn−プロピルアルミニウ
ム、トリn−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアル
ミニウム、トリn−ヘキシルアルミニウム等のトリアル
キルアルミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロリ
ド、ジn−プロピルアルミニウムモノクロリド、ジn−
ブチルアルミニウムモノクロリド、ジイソブチルアルミ
ニウムモノクロリド、ジn−ヘキシルアルミニウムモノ
クロリド等のジアルキルアルミニウムモノハライド、エ
チルアルミニウムジクロリド、n−プロピルアルミニウ
ムジクロリド、n−ブチルアルミニウムジクロリド、イ
ソブチルアルミニウムジクロリド、n−ヘキシルアルミ
ニウムジクロリド等のアルキルアルミニウムジハライ
ド、エチルアルミニウムセスキクロリド、n−プロピル
アルミニウムセスキクロリド、n−ブチルアルミニウム
セスキクロリド、イソブチルアルミニウムセスキクロリ
ド、n−ヘキシルアルミニウムセスキクロリド等のアル
キルアルミニウムセスキハライド、トリイソプレニルア
ルミニウム等のトリアルケニルアルミニウム、ジエチル
アルミニウム、エトキシド、ジブチルアルミニウムブト
キシド、エチルアルミニウムセスキエトキシド、ブチル
アルミニウムセスキブトキシド等のアルコキシアルミニ
ウム、エチルアルミニウムエトキシクロリド、ブチルア
ルミニウムブトキシクロリド等のアルコキシアルミニウ
ムハライド、ジエチルアルミニウムヒドリド、ジブチル
アルミニウムヒドリド、エチルアルミニウムジヒドリ
ド、ブチルメアルミニウムジヒドリド等のアルキルアル
ミニウムヒドリド等の有機アルミニウム化合物、テトラ
メチルジアルミノキサン、テトラエチルジアルミノキサ
ン、テトラブチルジアルミノキサン、テトラヘキシルジ
アルミノキサン、メチルアルミノキサン、エチルアルミ
ノキサン、ブチルアルミノキサン、ヘキシルアルミノキ
サン等のアルモキサンが例示できる。これらの中でも特
にアルモキサンまたはアルキルアルミニウムとアルモキ
サンの混合物を用いるのが好ましい。
【0025】アルキルアルミニウムとアルモキサンの混
合物を用いる場合、そのモル比は広い範囲で選択でき
る。好ましくは、1:100〜100:1、特に好まし
くは1:10〜10:1の範囲で用いられる。有機アル
ミニウム化合物の使用量は固体触媒中のジルコニウム原
子1モル当り1〜50,000モルのごとく広範囲に選
ぶことができるが、特に5〜20,000モルの範囲が
好ましい。
【0026】エチレン−α−オレフィン共重合法 各触媒成分を重合槽に供給する方法としては、窒素、ア
ルゴン等の不活性ガス中で水分のない状態で供給する以
外は特に制限すべき条件はない。固体触媒成分、有機ア
ルミニウム化合物成分は個別に供給してもいいし、予め
接触させて供給してもよい。重合は−30〜200℃迄
にわたって実施することができる。重合圧力に関しては
特に制限はないが、工業的かつ経済的であるという点
で、3〜100気圧程度の圧力が望ましい。重合法は連
続式でもバッチ式でもいずれも可能である。又、プロパ
ン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン
の如き不活性炭化水素溶媒を用いたスラリー重合、無溶
媒での液相重合又は気相重合も可能である。
【0027】本発明に用いるオレフィンとしては、炭素
数2〜20個、好ましくは2〜10個で末端が不飽和で
あるオレフィン類例えばエチレン、プロピレン、ブテン
−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテ
ン−1、デセン−1等が挙げられる。又これらのオレフ
ィン複数種の共重合、及びこれらのオレフィン類と好ま
しくは4〜20個の炭素原子を有するジオレフィン類と
の共重合を行なうこともできる。ジオレフィン類として
は1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、ビニ
ルシクロヘキセン、1,3−ジビニルシクロヘキセン、
シクロペンタジエン、1,5−シクロオクタジエン、ジ
シクロペンタジエン、ノルボルナジエン、5−ビニルノ
ルボルネン、エチリデンノルボルネン、ブタジエン、イ
ソプレン等が例示できる。
【0028】本発明は、特に少なくとも90モル%のエ
チレンを含有するエチレンと他のオレフィン(特にプロ
ピレン、ブテン−1,4−メチルペンテン−1、ヘキセ
ン−1、オクテン−1)との共重合体の製造に有効に適
用できる。又、重合を2段以上にして行うヘテロブロッ
ク共重合も容易に行なうことができる。重合体の分子量
を調節するために、水素等の連鎖移動剤を添加すること
も可能である。
【0029】
【実施例】以下、実施例及び比較例によって本発明を更
に詳細に説明する。溶融流動性の尺度として流出量比
(MFR)を採用した。MFRはASTM1238−5
7Tにおけるメルトインデックス(MI)の測定法にお
いて、21.60kgの荷重をかけた時の流出量と2.
160kgの荷重をかけた時の流出量(MI)との比と
して表わされる。 一般に重合体の分子量分布が広いほどMFRの値が大き
くなることが知られている。α−オレフィン含量は赤外
分光光度計(日本分光工業社製)JASCO−302を
用いてエチレンとα−オレフィンの特性吸収により求め
た。組成分布を表わす尺度としては示差走査型熱量計
(DSC)を用いて共重合体の融点(Tm)を求めた。
同一α−オレフィン含量の共重合体はTmの値が小さい
程、組成分布が狭いことを示す。
【0030】実施例1 (A)有機マグネシウム化合物の合成 攪拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計を備えた内容
積1lのフラスコをアルゴンで置換したのち、グリニャ
ール用削状マグネシウム32.0gを投入した。滴下ロ
ートにn−ブチルクロリド120gとジ−n−ブチルエ
ーテル500mlを仕込み、フラスコ中のマグネシウム
に約30ml滴下し、反応を開始させた。反応開始後、
50℃で4時間かけて滴下を続け、滴下終了後、60℃
でさらに1時間反応を続けた。その後、反応溶液を室温
に冷却し、固形分を濾別した。ジ−n−ブチルエーテル
中のn−ブチルマグネシウムクロリドを1規定硫酸で加
水分解し、1規定水酸化ナトリウム水溶液で逆滴定して
濃度を決定したところ(指示薬としてフェノールフタレ
インを使用)、濃度は2.1モル/lであった。
【0031】(B)反応生成物の合成 攪拌機、滴下ロートを備えた内容積300mlのフラス
コをアルゴンで置換したのち、トルエン120ml、ジ
シクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド2.7g
(9.1ミリモル)、テトラブトキシチタン0.38g
(0.91ミリモル)およびテトラエトキシシラン1
8.0g(81.5ミリモル)を投入し、均一溶液とし
た。次に、(A)で合成した有機マグネシウム化合物の
ジ−n−ブチルエーテル溶液43.1mlを、フラスコ
内の温度を55℃に保ちながら、滴下ロートから2時間
かけて徐々に滴下した。滴下終了後、65℃でさらに2
時間攪拌したのち室温で固液分離し、ヘキサン200m
lで3回洗浄を繰り返したのち減圧乾燥して、薄茶の固
体生成物11.6gを得た。
【0032】(C)固体触媒成分の合成 攪拌機、滴下ロートを備えた内容積100mlのフラス
コをアルゴンで置換したのち、ヘプタン30ml、上記
(B)で得られた反応生成物5.2gを投入した。フラ
スコ内の温度を60℃に保ちながら、エチルアルミニウ
ムジクロライド/ヘキサン溶液を7.5ml(26ミリ
モル)を滴下した。滴下終了後、65℃でさらに1時間
攪拌したのち、室温で固液分離し、ヘキサン50mlで
3回洗浄を繰り返した。その後減圧乾燥して、固体生成
物5.0gを得た。固体生成物中にはジルコニウム原子
が1.1重量%、チタン原子が0.39重量%、マグネ
シウム原子が17.9重量%含有されていた。
【0033】(D)エチレン−ブテン−1の共重合 0.4lの攪拌機付オートクレーブを真空にした後、ブ
テン−1 18g、ブタン83gを加えた。70℃まで
昇温した後、水素を分圧で0.8kg/cm2、エチレ
ンを分圧で6kg/cm2 になるまで加えた。上記
(C)で合成した固体触媒成分3.1mg、メチルアル
モキサン(シェーリング社製1.7mol/l)3.0
mmol及びトリエチルアルミニウム0.5mmolを
加えて、重合を開始した。その後、エチレンを連続して
供給しつつ、全圧を一定に保ちながら70℃で1時間重
合を行なった。重合終了後、生成した重合体は60℃で
減圧乾燥した。重合体の収量は21.2gであった。こ
の場合の触媒活性は6830g重合体/g固体触媒・h
rであり、34ton重合体/mol・Zr・hrであ
った。この重合体のMIは3.2g/10分、MFRは
61、エチル分岐数は22.7コ/1000Cであっ
た。また融点は105℃と119℃の2種類を有してい
た。
【0034】比較例1 実施例1の固体触媒成分の代わりにビスシクロペンタジ
エニルジルコニウムジクロリド3.56×10-4mmo
lを用いた以外は、実施例1(D)と同様に重合を行な
った。重合体の収量は31gであり、触媒活性は61t
on−重合体/mol・Zr・hrであった。しかし、
MIは30g/10分以上で測定できなかった。触媒活
性は非常に高いが、実用上有用な分子量の共重合体は得
られなかった。
【0035】比較例2 (A)反応生成物の合成 攪拌機、滴下ロートを備えた内容積300mlのフラス
コをアルゴンで置換したのち、トルエン180ml、ビ
スシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド1.9
5g(6.6ミリモル)およびテトラエトキシシラン4
2g(202ミリモル)を投入し、均一溶液とした。次
に実施例1(A)で合成した有機マグネシウム化合物9
9.3mlを、フラスコ内の温度を45℃に保ちなが
ら、滴下ロートから2時間かけて徐々に滴下した。滴下
終了後、60℃でさらに1時間攪拌したのち室温で固液
分離し、ヘキサン200mlで3回洗浄を繰り返したの
ち減圧乾燥して、薄茶の固体生成物30.2gを得た。
【0036】(B)固体触媒成分の合成 攪拌機、滴下ロートを備えた内容積100mlのフラス
コをアルゴンで置換したのち、ヘプタン50ml、上記
(A)で得られた反応生成物8.6gを投入した。フラ
スコ内の温度を60℃に保ちながら、エチルアルミニウ
ムジクロライド/ヘキサン溶液を12.4ml(43ミ
リモル)を滴下した。滴下終了後、65℃でさらに1時
間攪拌したのち、室温で固液分離し、ヘキサン50ml
で3回洗浄を繰り返した。その後、減圧乾燥して、固体
生成物8.2gを得た。固体生成物中にはジルコニウム
原子が0.30重量%、マグネシウム原子が19.3重
量%含有されていた。
【0037】(C)重合 実施例1の固体触媒成分の代わりに上記(B)で得られ
た固体触媒成分41.1mgを用いた以外は実施例1
(D)と同様に重合を行なった。重合体の収量は21g
であり、触媒活性は15.2ton重合体/mol・Z
r・hrであった。しかし、MIは30g/10分以上
で測定できなかった。触媒活性は非常に高いが、実用上
有用な分子量の共重合体は得られなかった。
【0038】比較例3 (A)固体触媒成分の合成 攪拌機、滴下ロートを備えた内容積200mlのフラス
コをアルゴンで置換したのち、ヘプタン40ml、テト
ラブトキシチタン2.0g(6.0mmol)、テトラ
エトキシシラン25.0g(120mmol)を投入
し、均一溶液とした。次に実施例1(A)で合成した有
機マグネシウム化合物62mlをフラスコ内の温度を5
5℃に保ちながら、滴下ロートから2時間かけて徐々に
滴下した。滴下終了後、65℃でさらに2時間攪拌した
のち室温で固液分離し、ヘキサン100mlで3回洗浄
を繰り返した。次にヘプタン50mlを加え60℃に昇
温し、エチルアルミニウムジクロリド/ヘプタン溶液を
14.4ml(50mmol)を滴下した。滴下終了
後、65℃でさらに1時間攪拌したのち、室温で固液分
離し、ヘキサン50mlで洗浄を繰り返した。その後、
減圧乾燥して、固体生成物9.1gを得た。
【0039】(B)重合 実施例1の固体触媒成分の代わりに上記固体生成物2.
1mgを用いた以外は実施例1(D)と同様に重合を行
なった。重合体の収量は16.7gであり、触媒活性は
7950g重合体/g固体触媒・hrであった。この重
合体のMIは0.38g/10分、MFRは27、エチ
ル分岐数は14.3コ/1000Cであった。また融点
は124℃であった。
【0040】比較例4 実施例1の固体触媒成分の代わりに実施例1(B)で得
られた反応生成物16.3mgを用いた以外は実施例1
(D)と同様に重合を行なった。重合体の収量は12.
2gであり、触媒活性は750g重合体/g固体触媒・
hrであり、低かった。
【0041】
【発明の効果】触媒残渣の除去が不必要となる程、固体
触媒当り及び遷移金属当りの触媒活性が充分高い固体触
媒成分を用い、分子量分布が広く、組成分布が狭く、か
つ粉体性状の良好なエチレン−α−オレフィン共重合体
を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の理解を助けるためのフローチャート図
である。このフローチャート図は本発明の実施態様の代
表例であり、本発明は何らこれに限定されるものではな
い。
【図2】実施例1で得られたポリマーのDSCサーモグ
ラムである。
【図3】比較例3で得られたポリマーのDSCサーモグ
ラムである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)(1) 一般式R1 m (C
    5 2 n )2ZrR3 4 (式中、(C5 2 n )はシクロペンタジエニル基もし
    くは置換シクロペンタジエニル基であり、R2 は水素原
    子もしくは炭素数1〜20の炭化水素基であって、R2
    は相互に同一であっても相違してもよく、シクロペンタ
    ジエニル基もしくは置換シクロペンタジエニル基を形成
    している2つの隣接炭素原子がそれぞれに結合せるR2
    とともに炭素数4〜6の環を形成してもよく、R1 は2
    つの(C52 n )を結合する基であって、炭素数1〜
    4のアルキレン基であり、R3 およびR4 はそれぞれ炭
    素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子もしくは水素
    原子であり、mは0または1であり、nはmが0の時に
    は5であり、mが1のときには4である。)で示される
    ジルコニウム化合物と(2)一般式Ti(OR5 l
    4-l (式中、R5 は炭素原子1〜20個を含有する炭化
    水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、lは0<l≦
    4の数字を示す。)で表わされるチタン化合物と、
    (3)Si−O結合を有する有機ケイ素化合物の反応混
    合物(I)を、(4)有機マグネシウム化合物又は有機
    マグネシウム化合物と有機金属化合物との反応生成物で
    ある炭化水素可溶性錯体とを反応することによって得ら
    れる反応生成物(II)を、(5)一般式R15 c AlX
    3-c (式中、R15は炭素原子1〜20個を含有する炭化
    水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、cは0<c<
    3の数字を示す。)で表わされる有機ハロゲン化アルミ
    ニウム化合物と接触させて得られる固体触媒成分及び (B)有機アルミニウム化合物とからなることを特徴と
    するオレフィン重合用触媒。
  2. 【請求項2】請求項1記載のオレフィン重合用触媒を用
    いるエチレンと炭素数3以上のα−オレフィンの1種又
    は2種以上とを共重合するエチレン共重合体の製造方
    法。
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