JPH0618357Y2 - シ−トフイルム装填回収装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明はＸ線写真フィルム等のシートフィルム装填回
収装置に関する。

（考案の背景） 従来、カセッテによるＸ線撮影にあっては、暗室でカセ
ッテにシートフィルムを人手で装填し、撮影が終えると
再び暗室に戻り、撮影済のシートフィルムをマガジンに
回収するか、自動現像機に通すかの処理を行い、撮影の
要求があれば再び人手でシートフィルムをカセッテに装
填していたため処理作業が非常に煩雑であった。

そこで、暗室作業から解放されるように提案されたの
が、明室操作作業ができるシートフィルムの自動供給装
置やシートフィルム回収装置であるが、別々の装置のた
め２回の操作が必要であり、煩雑さの大幅な改良は達成
できなかった。

従って、１回の操作でシートフィルムの回収と装填を可
能とする装置が作業効率面で望まれており、この出願人
は先に、この要望に応える装置として、例えば実開昭５
７−７９８４６号に示すようなシートフィルム装填回収
装置の提案を行なっている。

このものは装置本体にカセッテ挿入開口部のシャッタの
解錠より、カセッテが挿入されて奥へ搬送され、開蓋機
構でカセッテの蓋を吸着して開き、カセッテの蓋を開い
た後、シートフィルムを取り出して上段に配設されたレ
シーブマガジンに収納され、一方下方に設けられたサプ
ライマガジン内に収納されたシートフィルムをカセッテ
内に収納し、暗室での人手による作業をなくすことがで
きる。

（考案が解決しようとする問題点） ところで、カセッテをシートフィルム装填回収装置に搬
入するには、カセッテ挿入開口部に備えられたシャッタ
をカセッテで押して内方へ回転させて内部に挿入し、挿
入されるとシャッタが閉じて暗室にしているが、このカ
セッテを搬出するにはマイクロスイッチでカセッテの搬
出位置を検出して、搬出前にロータリーソレノイドでシ
ャッタを開け、ついでカセッテを搬出している。

このように、カセッテを搬出する際のシャッタの開作動
は電気的に行なっているため、電源を必要とし、その分
コストが高くなるとともに、マイクロスイッチの破損や
接触不良等、電気的なトラブル箇所が増加する。また、
カセッテを搬出する間中、ロータリーソレノイドに通電
してシャッタを開状態にする必要があり、長時間の使用
によってロータリーソレノイドが発熱するおそれがあ
る。さらに、ロータリーソレノイド、マイクロスイッチ
等と電気的な部品点数が多くなり、その分コストが高く
なるとともに、接触不良や破損等が生じ易く、メンテナ
ンス時に故障発見に時間を要する。

この考案はかかる実情に鑑みてなされたもので、シャッ
タを機械的な簡単な機構で開閉可能とし、電気的な構成
に伴なう不具合を解消するシートフィルム装填回収装置
を提供することを目的としている。

（問題点を解決するための手段） この考案は前記の問題点を解決するために、未撮影シー
トフィルムを収納するサプライマガジンを装着するシー
トフィルム供給部と、このシートフィルム供給部から搬
送された未撮影シートフィルムをカセッテ挿入開口部か
ら挿入されたカセッテに挿入するカセッテ装着部と、カ
セッテ内の撮影済シートフィルムを取り出し搬送する搬
送部とを備えるシートフィルム装填回収装置において、
前記カセッテ挿入開口部を開閉するシャッタを装置本体
の内方へ回転可能に軸支し、かつこのシャッタをリンク
機構で常にカセッテ挿入開口部を閉じる方向へ付勢し、
このリンク機構はカセッテの搬出方向の移動に伴ない押
動されてシャッタを内方へ回転させてカセッテ挿入開口
部を開くように構成されることを特徴としている。

（作用） この考案では、カセッテを装置本体内から搬出する際に
搬出方向へ移動させると、このカセッテによって、カセ
ッテ挿入開口部を閉塞するシャッタのリンク機構が押さ
れ、これによりカセッテの搬出に伴ない自動的にシャッ
タを開く。このようにシャッタが電気的に機構によらな
いで機械的な機構で開き、カセッテが取り出される。

（実施例） 以下、この考案の実施例を図面を参照しながら説明す
る。

第３図において符号１はシートフィルム装填回収装置の
装置本体で、この装置本体１のシートフィルム供給部に
はマガジン取付部２が設けられ、このマガジン取付部２
には新たな未撮影シートフィルムが収納されている任意
のサイズのサプライマガジン３は収納されており、従来
から行われている吸盤４による吸盤動作によってサプラ
イマガジン３から一枚のシートフィルムが吸引され、搬
送ローラ５に挿入し搬送される。

装置本体１のカセッテ装着部には第１図及び第２図に示
すようなカセッテ挿入開口部６が形成され、装置本体１
内には遮光布７を有するシャッタ８が支持軸９を介して
回動官能に軸支され、支持軸９に巻装されたバネ１０に
よって常にカセッテ挿入開口部６を閉塞状態にし、装置
本体１内が暗室化されている。このシャッタ８はリンク
機構によって開閉作動され、リンク機構を構成するシャ
ッタ８の裏側に設けられたシャッタ開閉ステー１１は連
結軸１２を介してシャッタ開閉レバー１３と連結され、
このシャッタ開閉レバー１３は装置本体１に固定された
取付板１４に、支持軸１５を介して回動可能に軸支され
ている。シャッタ開閉ステー１１の連結軸１２はシャッ
タ開閉レバー１３のガイド孔１６に挿通して連結され、
シャッタ８に開閉に応じて摺動する。

このシャッタ開閉レバー１３の上部にはガイドローラ１
７が支持軸１８を介して設けられている。シャッタ８の
前方に配置されたカセッテ搬送台１９にはカセッテ２０
が載置され、このカセッテ２０は図示しない駆動ローラ
の逆転によって搬出方向へ送られる。このカセッテ２０
の移動によって後端部がシャッタ開閉レバー１３のガイ
ドローラ１７を下方へ押圧し、これによりシャッタ開閉
レバー１３が支持軸１５を支点として下方へ回転し、シ
ャッタ開閉ステー１１が連結軸１２を介して引かれるた
め、シャッタ８が装置本体１内方へ回転し、第１図に想
像線で示すようにカセッテ挿入開口部６を開放し、カセ
ッテ２０を送り出す。

カセッテ２０の搬送路の上方にはカセッテ押えローラ２
１が設けられるとともに、カセッテ誤挿入検出センサ２
２が設けられている。

従って、撮影済フィルムを収納したカセッテ２０をカセ
ッテ挿入開口部６から挿入して、その先端部でシャッタ
８を押すと、バネ１０に抗してシャッタ８が押されて支
持軸９を支点とし装置本体１の内側へ回動し、これによ
りシャッタ開閉レバー１３が支持軸１５を支点として下
方へ回動して、第１図の想像線で示す状態になる。この
ため、カセッテ２０がカセッテ押えローラ２１で押され
て挿入され、このときカセッテ誤挿入検出センサ２２で
カセッテ２０の表裏方向等の誤挿入を検出する。誤挿入
の場合には図示しない駆動ローラが逆転して挿入側へ押
し出され、所定の方向でカセッテ２０が挿入された場合
のみ、装置本体１内に挿入される。そして、カセッテ２
０の後端部がガイドローラ１７から外れると、バネ１０
によりシャッタ８が自動的にカセッテ挿入開口部６を閉
塞するため、装置本体１内は暗室となる。

カセッテ２０が所定の位置に挿入されると、カセッテ２
０の直上に配置された開蓋機構２３がカセッテ２０の蓋
を開き、従来行われている方法で吸盤２４が働き、カセ
ッテ２０内の撮影を終えたシートフィルムを送りローラ
２５に挿入する。これにより、シートフィルムが搬送部
を介して上方へ搬送され、上方にはカセッテ２０から搬
出したシートフィルムに撮影機構２６で患者のネーム等
を撮影する。

そして、このカセッテ２０にはそのサイズに応じて、サ
プライマガジン３内のサイズの合致したシートフィルム
が前記のように自動的に選出されてカセッテ２０内に装
填される。

この装填が終了すると、図示しない駆動ローラを逆転さ
せ、カセッテ２０はカセッテ挿入側に搬送する。このと
き、カセッテ２０の後端部がガイドローラ１７に当接し
て、カセッテ２０の搬出に伴ない下方へ自動的に押すた
め、シャッタ開閉レバー１３は支持軸１５を支点として
回転し、下方へ押し下げられる。このシャッタ開閉レバ
ー１３は連結軸１２を介してシャッタ開閉ステー１１と
連結されているため、シャッタ８が支持軸９を支点とし
て内側へ回転し、第１図に想像線で示す位置になり、カ
セッテ挿入開口部６が開放され、カセッテ２０が装置本
体１の外へ取り出される。

このとき、カセッテ２０が装置本体１外へ出す寸法は予
め設定されており、カセッテ搬出停止後に手で引き抜
く。シャッタ８が引き抜かれた後は、シャッタ８を押さ
えるものがなくなるため、バネ１０によって、元の位置
に復帰してカセッテ挿入開口部６を閉塞する。

（考案の効果） 以上説明したように、この考案ではカセッテ挿入開口部
を開閉するシャッタを装置本体の内方へ回転可能に軸支
し、かつこのシャッタをリンク機構で常にカセッテ挿入
開口部を閉じる方向へ付勢し、このリンク機構はカセッ
テの搬出方向の移動に伴ない押動されてシャッタを内方
へ回転させてカセッテ挿入開口部を開くようになしたか
ら、シャッタの開閉が機械的な構成で、カセッテの搬送
によって自動的に行なうことができる。従って、電気的
な機構によらないため、電源が不要でその分コストが低
減されるとともに、電気的制御を行なう部品点数が削減
され、さらにこれらの破損や接触不良等の電気的なトラ
ブルがなく、メンテナンスが容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案のシートフィルム装填回収装置の要部
の断面図、第２図はその平面図、第３図はシートフィル
ム装填回収装置の構成図である。 図中符号１は装置本体、６はカセッテ挿入開口部、８は
シャッタ、１０はバネ、１１はシャッタ開閉ステー、１
３はシャッタ開閉レバー、２０はカセッテである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−62520（ＪＰ，Ａ) 実開 昭57−79846（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭57−175149（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】未撮影シートフィルムを収納するサプライ
   マガジンを装着するシートフィルム供給部と、このシー
   トフィルム供給部から搬送された未撮影シートフィルム
   をカセッテ挿入開口部から挿入されたカセッテに挿入す
   るカセッテ装着部と、カセッテ内の撮影済シートフィル
   ムを取り出し搬送する搬送部とを備えるシートフィルム
   装填回収装置において、前記カセッテ挿入開口部を開閉
   するシャッタを装置本体の内方へ回転可能に軸支し、か
   つこのシャッタをリンク機構で常にカセッテ挿入開口部
   を閉じる方向へ付勢し、このリンク機構はカセッテの搬
   出方向の移動に伴ない押動されてシャッタを内方へ回転
   させてカセッテ挿入開口部を開くように構成されるシー
   トフィルム装填回収装置。