JPH0618155A - 冷蔵庫の扉装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】第１の扉３と、第２の扉４をもって室内２の開
口部を閉塞するようにした所謂観音開き式冷蔵庫の一方
の扉３に他方扉４のマグネットガスケット６受面を形成
する回転仕切体７を備えた冷蔵庫に於いて、回動を調整
するコイルバネの両端部にそれぞれ保護部材を設け、バ
ネの折損災害防止とした。 【効果】コイルバネが異常反応等により破損しても、保
護部材を設けることにより使用者側に向かって飛散する
ことがないので、安全上の効果大である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は第１の扉と、第２の扉を
もって庫内の開口部を閉塞するようにした所謂観音開き
式冷蔵庫の上記一方の扉に、他方扉のガスケット受面を
形成する回転仕切体を備えた冷蔵庫に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来この種技術には実公昭６３−７８２
３号に示されたものがある。

【０００３】以下このものの構造を図８〜図１１を用い
て説明すると、４１は冷蔵庫本体、この本体４１は内部
に庫内４２を形成している。４３、４４は、その庫内４
２の前面開口部を閉塞する第１、第２の扉である。

【０００４】また、この扉４３、４４は図からも明らか
な如く観音開き式のものである。４５、４６は上ヒンジ
であり、４７、４８は下ヒンジである。しかして、上記
第１の扉４３は上ヒンジ４５、下ヒンジ４７により、回
動自在に枢軸されている。また、第２の扉４４は、上ヒ
ンジ４６、４８により回動自在に枢軸されている。

【０００５】４９、５０は第１、第２の扉内側周縁に取
付けられた永久磁石入りのガスケットである。５１は回
転仕切である。この回転仕切５１は図には示していない
が表面に先のガスケット４９の着磁面を形成する鉄板
（図示せず）を有している。また、この回転仕切５１は
第１の扉４３に仕切用ヒンジ５３をもって回動自在に枢
軸されている。

【０００６】５４、５５は先の回転仕切５１を案内する
第１、第２のガイドである。

【０００７】かくの如く取付けられた回転仕切５１は第
１、第２の扉閉時には、図９に示す如くなり第１の扉４
３の開時には、扉４３の開にならって回転仕切５１が第
１のガイド５４に案内され図１０の如くなるものであ
る。

【０００８】また、扉４３の閉時には扉４３の閉になら
って回転仕切５１が、第２のガイド５５に案内され、図
９の如く回転仕切が回動させられるものである。

【０００９】尚、上記仕切用ヒンジ４３にはコイルバネ
５６が装着されて、扉開時には回転仕切５１に回転力
を、扉閉時には回転仕切５１を第１のガイド５４に押圧
するようにバネ力が働くようになっている。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】上記構成を有する冷蔵
庫に於いては、次の点が未検討であった。

【００１１】１．コイルバネが異常応力等により破損し
た場合、激しく飛散して近くの人体等に当り、災害発生
の恐れがあり、安全上の配慮がされていない問題点があ
った。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明は、第１の扉と第
２の扉をもって庫内の開口部を閉塞するようにした所謂
観音開き式冷蔵庫の上記一方の扉に、他方のマグネット
ガスケット受面を形成する回転仕切体を備えた冷蔵庫に
於いて、上記回転仕切体を回動自在に係止するコイルバ
ネを設け、一端は下ヒンジ側、他端はピース下側の挿入
孔に回動自在に遊嵌する。しかしてバネ挿入孔の延長線
上に保護部材１および保護部材２によりストッパー部を
設け、コイルバネの遊嵌後の抜け、および破損時の飛散
を防止するようにしたものである。

【００１３】

【作用】本発明は、回転仕切の扉に伴う回動運動は、回
転仕切上下のピースとガイドの関係とバネの３者の組合
せによりスムーズに行うことが出来るものである。

【００１４】更にコイルバネが異常応力等により破損し
た場合、破損片は両端部の下ヒンジ側およびピース下側
の挿入孔より外れて飛散しようとする力が働く。

【００１５】しかし、保護部材１および２のストッパー
部が抜けようとするコイルバネ端部を拘束して挿入孔よ
り抜け出ることが出来ないようになっているものであ
る。

【００１６】

【実施例】以下、本発明の詳細を図に示す一実施例で説
明すると、１は冷蔵庫本体、２はこの冷蔵庫本体１が形
成する冷凍室を示す。この冷凍室２は、第１の扉３、第
２の扉４の所謂観音開き式扉により、前面開口部を閉塞
されている。５、６は先の扉３、４の裏側周縁に取り付
けられた永久磁石入りのガスケットである。７は、第１
の扉３に取付けられた回転仕切体、この回転仕切体７は
扉内板８に取付けられた上ヒンジ９と下ヒンジ１０によ
り回動自在に枢軸されている。

【００１７】またこの回転仕切体７は押出成形等にて作
られたケース１１と、その上下に取付けられた射出成形
品のピース上１２、ピース下１３を有し、表面には先の
永久磁石入ガスケットの着磁面を構成する鉄板１４等を
有し、更にケース１１、ピース１２、１３、鉄板１４で
囲まれる空間部には、断熱材１５が充填されている。１
６は、上記鉄板１４の裏面と、断熱材１５間に配設され
た電気ヒータ等の加熱体。この加熱体１６は先の鉄板１
４表面に結露しようとする湿気を、排除する目的で取付
けられている。

【００１８】更に、上記鉄板１４の左右フランジ部１４
ａ、１４ｂは、出来るだけ短く形成しておくのが良い。
これと反対に、鉄板１４の上下フランジ部１４ｃ、１４
ｄはピース１２、１３の面１２ａ、１３ａの大半を覆う
よう、比較的長く大きく形成されている。従って、加熱
体１６により加熱された熱は、フランジ部１４ｃ、１４
ｄを介してピース１２、１３の面１２ａ、１３ａ部を十
分に加熱することが出来る。

【００１９】次に、上記鉄板１４とケース１１との取付
関係を説明する。

【００２０】例えばケース１１の巾を５０mmとした時、
鉄板１４の巾は３０mmに形成されている。即ち、鉄板１
４は、ケース１１の両側に１０mmとった所に取り付けら
れている。

【００２１】永久磁石が内蔵されたガスケットの着磁部
５ａ、６ａはこの鉄板１４部に位置し、着磁部５ａ、６
ａの脇に形成された袋部５ｂ、６ｂは上記ケース１１の
１０mmの所に位置する。このことにより図４の如くガス
ケット５、６を通して冷凍室２内の熱が鉄板１４側に伝
えられるのを防止しているものである。

【００２２】１７は、冷凍室２上面に取り付けられたガ
イド、１８は、下面に取り付けられたガイドである。上
記ガイド１７、１８は図４にも示す如く略半月状に形成
されている。

【００２３】１９、２０は上記ガイド１７、１８のガイ
ド部１７ａ、１８ａの終端部に設けられた保持片、しか
して上記ピース１２、１３は上記ガイド１７、１８が形
成する半月状のガイド部１７ａ、１８ａにすっぽりと嵌
り込む形状に形成されている。そして、このガイド部１
７ａ、１８ａとピース１２、１３とは図１に示す如く上
下方向のラップ代で冷気シールが行えるよう構成されて
いる。

【００２４】保持片１９、２０はピース１２、１３がガ
イド部１７ａ、１８ａより抜け出て行くのを助けるもの
である。

【００２５】即ち、この保持片１９、２０がない場合に
は、後述するコイルバネにより回転仕切体７は第２の扉
側のガスケット受面を形成するよう開いている状態に維
持されている。

【００２６】従って、第１の扉３を開けようとすると回
転仕切体７は、その開いた状態のままでガイド部１７
ａ、１８ａより出てしまう。

【００２７】保持片１９、２０はこれを阻止するもの
で、第１の扉３が開き始めても回転仕切体７は、保持片
１９、２０により押えられているので、上下ヒンジ９、
１０を中心に回動する。ある程度回転すると、コイルバ
ネ２１により回転仕切体７は、図３の如く折りたたまれ
るものである。

【００２８】この保持片１９、２０より折りたたまれる
力がコイルバネ２１に移り変わる時点（コイルバネの力
で折りたたみが始まる所）は回転仕切体の回動動作が他
側の扉４を開放しない点である。

【００２９】２１は、上記回転仕切体７を開（他扉のガ
スケット受面を形成している状態）閉（扉内板８に近接
している状態）状態に保持するバネである。

【００３０】このコイルバネ２１は、図にも示す如く一
端が扉内板８に他端が回転仕切体７側に取付けられ、間
にコイルを有している。

【００３１】そして図３に示す如く、回転仕切７の軸７
ａと、扉内板８側の取付点Ｐとを結ぶ直線Ｙを境に回転
仕切体側のバネ取付点Ｑが扉内板８側にある時には、該
バネ２１は回転仕切体を扉内板８側に押し付けるように
働き、反対に反扉内板８側にある時には回転仕切体を開
側に保持するように働く。

【００３２】従って、先に記述した保持片１９、２０は
回転仕切体７のバネ取付点Ｑが直線Ｙを通り越す所まで
回転仕切体７をガイド部１７ａ、１８ａ内で回動させる
働きをするものである。

【００３３】図６に於いて２３は上記半月状ガイド１７
（１８）に設けた凸部である。この凸部２３はピース下
１３が半月状ガイド１８のガイド部１７ａ、１８ａ内を
図６にも示す如く摺動しながら入って行くとき、ピース
下１３の摺動部１３ｃがガイド部１７ａ、１８ａに当り
ロックするのを防止する。

【００３４】またこの凸部２３はピース下１３の摺動部
１３ｃとの接触面は小さい程良い。換言すると、凸部２
３は、半月状ガイド部１７ａ、１８ａの直線ガイド面１
７ａ´１８ａ´とピース下１３の摺動部１３ｃの直線部
１３ｃ´とが面接触し、ピース下１３が摺動しにくくな
るのを防止するものである。

【００３５】更に上記コイルバネが異常応力等により破
損した場合、バネ力により激しく飛散しようとする。

【００３６】しかし図７の如く、コイルバネ２１の両端
２９、３０は保護部材２４および保護部材２５のそれぞ
れコイルバネの軸芯２８と平行なバネ挿入孔３１、３２
に深く挿入されており、前記挿入孔より抜け出そうとし
ても、前記保護部材のストッパー部２６、２７に当接し
て外れることが出来ないようになっている。

【００３７】しかして、近くに使用者がいても、バネの
破損による災害は防止出来るようになっているものであ
る。

【００３８】尚、コイルバネ２１を組立てる場合は、保
護部材１（２４）、及び２（２５）を分解した状態でそ
れぞれのバネ挿入孔３１及び３２にバネ端部２９及び３
０を挿入した後、保護部材１（２４）及び２（２５）を
組み立てれば良い。また分解する場合は上記の逆の手順
で行えば良い。

【００３９】かかる構成を有する冷凍室用回転仕切体を
備えた冷凍室であった場合、冷凍室に固定仕切がある訳
でないので、使い勝手は良くまた、回転仕切部の熱シー
ルは良く回転仕切体を備えた第１の扉の開閉動作はスム
ーズに行えるものである。

【００４０】次にこのことについて説明する。

【００４１】まず第１の扉３を「開」状態から「閉」状
態に移行する時には図３に示す如く扉内板８側に保持さ
れていた回転仕切体７の上下ピース１２、１３がガイド
１７、１８のガイド部１７ａ、１８ａそしてその途中に
ある凸部２３に当り、その上下ピース１２、１３がガイ
ド部１７ａ、１８ａに導かれ、回転仕切体７が開状態に
向かって動きだす。この時上記回転仕切体７には回転仕
切体７を扉内板８側に押し付けておこうとする力を付与
しているが、コイルバネ２１の取付点Ｑが直線Ｙを一端
通過すると今度は、コイルバネ２１が回転仕切体７をガ
イド部１７ａ、１８ａの終端側に向かって回動させよう
とする。この力は、従来扉の閉まる寸前に自動的に扉を
閉めようとして取付けられていたドアクローザーの役目
をも、なしているものである。この扉３を閉めようとす
る力と、扉３を人意的に閉めようとしている力が相まっ
て回転仕切体７の上下ピース１２、１３はガイド部１７
ａ、１８ａの終端にまで至り扉３は閉状態となるもので
ある。

【００４２】一方第１の扉３を「閉」状態から「開」状
態に移行させようとする時には、図３に示す如く扉３が
ある程度開する迄、回転仕切体７は図５に示す如く、保
持片１９、２０に前に出ることを押圧され、ヒンジ９、
１０を中心に回転する。

【００４３】そしてコイルバネ取付点Ｑが直線Ｙを通り
越す時点まで扉３が開かれた時回転仕切体７はコイルバ
ネ２１の力により扉内板８側に回動される。

【００４４】この状態で扉３は扉４に何等影響なく開け
られるものである。

【００４５】このような開閉動作を行う一方、本回転仕
切体７は、熱の移動を次のような手段で防止しているも
のである。即ち、回転仕切体７表面に温度差により露が
付くのを防止する為に設けた露付防止用の加熱体で暖め
られた鉄板の熱が冷凍室２内に入ろうとするのに対して
は、回転仕切体７の巾に比し、鉄板１４巾を小さく、し
かもその鉄板側面フランジ１４ａ、１４ｂを小さくして
おくことにより防止される。

【００４６】一方回転仕切体７の上下ピース１２、１３
とガイド１７、１８間に出来る空間部２２（回動の為の
隙間）は加熱体１６で暖められた鉄板１４の上下フラン
ジ部１４ｃ、１４ｄを通して上下ピース１２、１３を加
熱することにより、冷気の出入りを防止するものであ
る。

【００４７】また、冷凍室内と庫外との熱の出入りは、
磁石内臓ガスケットの脇に形成された袋部と回転仕切体
表面（鉄板のない所）との接触により、従来に対し、良
好に阻止されるものである。

【００４８】更にまた、ガイド１７、１８と上下ピース
１２、１３のラップ代が十分にとられ、且つそのラップ
部を狭い空間としていることによりこのラップ部よりの
熱洩漏を最少にすることが出来る。

【００４９】更にまた、ガイド１７、１８と上下ピース
１２、１３との摺動時においても、ガイド部に凸部２３
があることにより、面接触が最少となり特に回転仕切の
ガイド１７、１８への進入時、回転仕切の摺動部１３と
がガイド１７、１８に面当りして、ロックすることがな
いものである。

【００５０】

【発明の効果】本発明は以上説明した如き構造を有する
扉装置であるので、回転仕切体の回動操作に必要なコイ
ルバネが、異常応力等により破損した場合、コイルバネ
が飛散して近くの人間等に当り災害が発生しないような
安全構造となっているものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を備えた冷蔵庫の要部説明図である。

【図２】本発明を備えた冷蔵庫の縦断面図である。

【図３】本発明を備えた冷蔵庫の横断面図である。

【図４】本発明のガイド形状を示す要部平面図である。

【図５】回転仕切の動作説明図である。

【図６】回転仕切体の動作説明図で図５と異なる状態を
示す図である。

【図７】コイルバネ部分の拡大斜視図である。

【図８】従来冷蔵庫の扉除去状態を示す正面図である。

【図９】従来冷蔵庫の動作説明図で扉閉状態を示す図で
ある。

【図１０】従来冷蔵庫の動作説明図で扉開状態を示す図
である。

【図１１】従来冷蔵庫の第１支持アーム部分の拡大図で
ある。

【符号の説明】

１…冷蔵庫本体、 ２…冷凍室、 ３、４…第１及び第２の扉、 ５、６…ガスケット、 ５ａ、６ａ…着磁部、 ５ｂ、６ｂ…袋部、 ７…回転仕切体、 ７ａ…軸、 ８…扉内板、 ９、１０…上、下ヒンジ、 １１…ケース、 １２…ピース上、 １２ａ…ピース１２の面、 １３…ピース下、 １３ａ…ピース１３の面、 １４…鉄板、 １４ａ、１４ｂ…左右フランジ、 １４ｃ、１４ｄ…上下フランジ、 １５…断熱材、 １６…加熱体、 １７…上面ガイド、 １８…下面ガイド、 １７ａ、１８ａ…ガイド部、 １９、２０…保持片、 ２１…バネ、 ２２…空間部、 ２３…凸部、 ２４…保護部材１、 ２５…保護部材２、 ２６…ストッパー部、 ２７…ストッパー部、 ２８…コイル軸芯、 ２９…バネ端部、 ３０…バネ端部、 ３１…バネ挿入孔、 ３２…バネ挿入孔。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】第１の扉と第２の扉をもって、庫内の開口
   部を閉塞するようにした所謂観音開き式冷蔵庫の上記第
   １の扉に他方扉のマグネットガスケット受面を形成する
   回転仕切体を備えた冷蔵庫に於いて、上記回転仕切体を
   回動自在に係止するコイルバネを設け、一端は下ヒンジ
   側、他端はピース下側の挿入孔に回動自在に遊嵌すると
   共に、バネ挿入孔の延長線上に保護部材１及び保護部材
   ２によりストッパー部を設けたことを特徴とする冷蔵庫
   の扉装置。