JPH06177928A - 検波器 - Google Patents

検波器

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JPH06177928A
JPH06177928A JP4326989A JP32698992A JPH06177928A JP H06177928 A JPH06177928 A JP H06177928A JP 4326989 A JP4326989 A JP 4326989A JP 32698992 A JP32698992 A JP 32698992A JP H06177928 A JPH06177928 A JP H06177928A
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JP
Japan
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signal
circuit
detection
differential
circuits
Prior art date
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Pending
Application number
JP4326989A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Suzuki
博 鈴木
Kazuhiko Fukawa
和彦 府川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTT Docomo Inc
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
NTT Mobile Communications Networks Inc
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Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp, NTT Mobile Communications Networks Inc filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
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  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)
  • Dc Digital Transmission (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 遅延検波において変動している歪により特性
劣化を抑える。 【構成】 遅延検波されたレプリカ信号を生成してそれ
ぞれの差から誤差信号を生成し、この誤差信号をもとに
ビタビアルゴリズムにより信号判定する。 【効果】 フェージングによる伝送路変動の激しい移動
通信の無線伝送方式に適用すれば受信データの誤り率が
改善される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディジタル無線通信に
利用する。本発明は、多相位相変位変調における遅延検
波に利用する。特に、変動する歪伝送路における遅延検
波信号に対する適応等化技術に関する。本発明は、移動
通信に利用するに適する。
【0002】
【従来の技術】無線通信では、伝送路がマルチパス伝送
路となり、さらにその電波伝搬が不安定になることが多
い。そのマルチパス伝送路特性の変動のために、受信波
のキャリア成分のレベルや位相が大きく変化する。特
に、移動通信においては無線機の移動に伴うキャリア変
動が速いので、受信の信号処理が変化に追従できず信号
伝送特性が大きく劣化することがある。このような伝送
路で信頼性の高い信号伝送を行うために、復調器として
遅延検波方式がよく用いられている。
【0003】図9を参照して従来例を説明する。図9は
従来例回路のブロック構成図である。図9(a)に示す
ように、入力端子Iから入力されたキャリア位相変調波
はリミタ増幅器LIM−AMPで増幅され、遅延検波器
DDで検波される。検波された信号は出力端子Oから出
力される。このような構成にすると位相変調波が伝送路
の変動によりランダムに位相変調されても、信頼性の高
い信号検出を行うことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ディジ
タル信号の伝送速度が高速になると、マルチパス伝搬に
おける各パスの伝搬路差が大きくなり、直接波と遅延波
が重畳されるため受信波に波形歪が生ずる。このような
伝送路は周波数選択性フェージング伝送路として知られ
ている。このような歪のある伝送路において遅延検波方
式は同期検波方式に比べて伝送特性の劣化が大きいこと
が知られている。これは同期検波が歪を含まない基準信
号をもとに検波を行うのに対して、遅延検波では歪んだ
受信波を基準信号として用いることによる。また、図9
(a)のような遅延検波器出力に等化器を付加して波形
等化を行う方法も知られている。この方式は、リミタ増
幅器の前で線形に重畳されている歪が小さい場合には有
効である。
【0005】ところが、歪が大きくなると、リミタ増幅
器により定振幅化され、そのまま遅延検波器の出力とな
るので、遅延検波出力も定振幅化されており、歪の振幅
成分に関する情報が失われてしまう。そのため、等化性
能が充分でなくなる欠点がある。
【0006】したがって、歪のある伝送路においては従
来、図9(b)のような検波方式が用いられている。図
9(b)では、まず、入力端子Iからの信号を自動利得
調整(AGC)付増幅器AGC−AMPで増幅する。同
相直交準同期検波器IQDにより、周波数は同期してい
るが位相は同期していない基準信号を用いて検波し、そ
の出力の歪による劣化を抑えるために等化器EQを用い
る。等化出力は出力端子Oから出力される。このような
等化方式では、検波が同期検波を基本としており、変動
の速いフェージング条件においては、キャリア同期作用
が位相変動に追従できず、等化作用が不十分になる欠点
がある。
【0007】本発明は、このような背景に行われたもの
であり、速い周期で変動している歪に対しても特性劣化
の少ない検波器を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は検波器であり、
本発明の特徴とするところは、多相位相変位変調の無線
信号を入力して振幅成分を含む1からNシンボル遅延ま
でのN個の多重遅延検波信号をそれぞれ並列的に出力す
る遅延検波回路と、この遅延検波回路のN個の出力とN
個のレプリカ信号とのそれぞれの差から誤差信号を生成
する誤差信号検出回路と、この誤差信号検出回路のN個
の出力絶対値をそれぞれ2乗して合成し、1個のブラン
チメトリックを生成し、これを基にビタビアルゴリズム
推定を行い推定結果を検波信号として出力し、かつ差動
符号候補系列を出力するビタビアルゴリズム推定回路
と、このビタビアルゴリズム推定回路の差動符号候補系
列を分岐入力してN個の合成符号系列に変換する信号変
換回路と、この信号変換回路により変換されたこのN個
の合成符号系列のベクトルとN個の可変係数ベクトルと
を内積演算して前記レプリカ信号とする信号推定回路
と、前記誤差信号検出回路のN個の出力および前記信号
変換回路のN個の合成符号系列をそれぞれ分岐入力して
前記可変係数ベクトルの係数を制御する係数調整回路と
を備えたところにある。
【0009】
【作用】ビタビアルゴリズム推定回路から出力される差
動符号候補系列は信号推定回路により信号変換が施さ
れ、合成符号系列となる。この合成符号系列のベクトル
と可変係数ベクトルとの内積を演算すると、送信された
信号のレプリカといえる信号を生成することができる。
このレプリカ信号と検波回路から出力される多重遅延検
波信号との差分をとり誤差信号を生成する。この誤差信
号を基にブランチメトリックを生成し、ビタビアルゴリ
ズム推定を行い推定結果を検波信号として出力し、かつ
差動符号候補系列を出力する。レプリカ信号と多重遅延
検波信号との差分をとることにより、遅延検波における
変動している歪による特性劣化を抑えることができる。
【0010】レプリカ信号を生成するために必要な可変
係数ベクトルは、誤差信号と合成符号系列を入力として
係数調整回路が制御する。
【0011】本発明は、遅延検波であるが振幅成分を
考慮し、差動符号候補系列から合成符号系列を作り、
レプリカ信号を生成し、伝送路の変動に追従する機能
を有し、多重遅延検波を行い、多重遅延検波出力を
軟判定し、ブランチメトリックを算出してビタビアルゴ
リズム推定を行う、ことが従来技術との差異である。
【0012】
【実施例】本発明第一実施例の構成を図1を参照して説
明する。図1は本発明第一実施例回路のブロック構成図
である。ここでは、多重遅延検波のNを2とした。
【0013】本発明は検波器であり、本発明の特徴とす
るところは、多相位相変位変調の無線信号を入力して振
幅成分を含む1から2シンボル遅延までの2個の多重遅
延検波信号をそれぞれ並列的に出力する遅延検波回路D
D1およびDD2と、この遅延検波回路DD1およびD
D2の2個の出力と2個のレプリカ信号とのそれぞれの
差から誤差信号を生成する誤差信号検出回路ER1およ
びER2と、この誤差信号検出回路ER1およびER2
の2個の出力絶対値をそれぞれ2乗して合成し、1個の
ブランチメトリックを生成し、これを基にビタビアルゴ
リズム推定を行い推定結果を検波信号として出力し、か
つ差動符号候補系列を出力するビタビアルゴリズム推定
回路VAと、このビタビアルゴリズム推定回路VAの差
動符号候補系列を分岐入力して2個の合成符号系列に変
換する信号変換回路CNV1およびCNV2と、この信
号変換回路CNV1およびCNV2により変換されたこ
の2個の合成符号系列のベクトルと2個の可変係数ベク
トルとを内積演算して前記レプリカ信号とする信号推定
回路EST1およびEST2と、誤差信号検出回路ER
1およびER2の2個の出力および信号変換回路CNV
1およびCNV2の2個の合成符号系列をそれぞれ分岐
入力して前記可変係数ベクトルの係数を制御する係数調
整回路ADJ1およびADJ2とを備えたところにあ
る。
【0014】図2は本発明第一実施例回路の構成を2つ
の部分に分けたブロック構成図である。変調波と雑音が
重畳された受信波が入力端子Iに入力される。振幅成分
を保持した遅延検波信号が検波器DETから同期直交ベ
ースバンド端子IQ1とIQ2に出力される。IQ1に
は1シンボル遅延検波信号、IQ2には2シンボル遅延
検波信号が出力される。遅延検波出力は伝搬路歪により
歪成分を持つのでベースバンド等化器BEQで等化処理
が行われる。等化された検波信号は出力端子Oに出力さ
れる。伝搬路で加えられた遅延波による線形歪は、受信
信号において振幅歪と位相歪として現れる。この受信信
号をリミタ増幅などで、振幅成分を一定にするように増
幅すると、振幅歪は除去されるが、位相歪が残留する。
位相歪は一般に非線形歪であり、それを除去することは
難しい。一方、振幅成分と歪成分がともに維持されて増
幅されていれば、本発明第一実施例回路に含まれる等化
器で歪を除去することは容易である。
【0015】図3を参照して、等化動作の説明をする前
に振幅成分を維持して遅延検波を行う検波器DETにつ
いて説明する。図3は検波器の構成を示す図である。3
種類の具体的な構成例を説明する。図3(a)では受信
信号が自動利得調整付増幅器AGC−AMPにより線形
増幅されたものをrX (t)とする。中心角周波数がω
0 のr(t)を複素表示すると、
【0016】
【数1】 となる。ただし、Re〔〕は実数部を表す。また、R
(t)は複素包絡線である。増幅された信号r(t)は
アナログ形複素遅延検波器ADDに加えられる。アナロ
グ形複素遅延検波器ADDの出力である遅延検波信号
は、1シンボル遅延検波のときには、 z1 (t)=r(t)r* (t+T) で表され、同期直交ベースバンド端子IQ1に出力され
る。ここで、*は複素共役、Tはシンボル時間の遅延時
間である。z1 (t)は、 z1 (t)=R(t)R* (t+T) …(2) となる。ただし、ω0 Tは2πの整数倍となるようにT
を微調整しているものとする。z1 (t)は複素遅延検
波信号であり、その実数部は遅延検波同相成分、虚数部
は遅延検波直交成分を表している。2シンボル遅延検波
信号z2 (t)も同様である。ただし、この場合には上
式のTを2Tに置換する。
【0017】以下では、1シンボル遅延検波の検波方法
について他の方法を説明するが、2シンボル遅延におい
ても同様な方法が可能である。図3(b)では、図3
(a)と同様に増幅されたr(t)が、まず同相直交準
同期検波器IQDで検波され、複素包絡線R(t)が出
力される。R(t)を用いてベースバンド遅延検波器B
DDでは(2)式で示されている演算処理がベースバン
ドで行われる。図3(c)では、リミタ増幅器LIM−
AMPで受信信号r(t)を一定振幅まで増幅する。増
幅された信号の振幅を1、R(t)を R(t)=a(t)exp〔jθ(t)〕 で表すと、リミタ増幅器の出力は exp〔jω0 t+jθ(t)〕 となる。この信号を遅延検波器DDに入力すると、その
出力は、 expj〔θ(t)−θ(t+T)〕 となる。一方、通常のリミタ増幅器からは入力レベルを
対数変換した信号が出力されているので、それをさらに
逆対数処理した振幅信号a(t)が、リミタ増幅器LI
M−AMPから出力されているとする。振幅信号a
(t)を用いて遅延検波器DDの出力を振幅補償器AC
で補償すると a(t)a(t+T)expj〔θ(t)−θ(t+T)〕=R(t)R* ( t+T) となる。これは、図3(a)および(b)の場合と同じ
複素遅延検波信号Z1 (t)である。本発明第一実施例
回路は、このような方法で得られた受信波の振幅成分を
含む遅延検波信号Z1 (t)とZ2 (t)に対して等化
処理を行う。
【0018】次に、図1に戻り、詳細に本発明実施例に
ついて説明する。図1の遅延検波回路DD1およびDD
2は1シンボル遅延と2シンボル遅延の遅延検波器であ
り、図1の検波器DETを形成している。1シンボル遅
延検波器は図3に示すように形成される。出力信号をz
1 (t)とする。2シンボル遅延検波器も同様である
が、遅延時間は2Tであり、(2)式のTを2Tに変え
た出力となる。すなわち、出力信号をZ2 (t)とする
と Z2 (t)=R(t)R* (t+2T) である。誤差信号検出回路ER1およびER2は遅延検
波信号Z1,n とZ2,n とを軟判定したものから後述する
レプリカ信号を減算して得た誤差信号を出力とする誤差
信号検出手段である。誤差信号は2乗回路SQ1および
SQ2においてその絶対値が2乗されてから合成され1
個のブランチメトリックとなる。ブランチメトリックを
用いて、ビタビアルゴリズム推定回路VAで差動符号系
列の推定が行われ、推定結果が検波信号として出力端子
Oから出力される。このビタビアルゴリズム推定回路V
Aにおいて生成される差動符号候補系列は、信号変換回
路CNV1およびCNV2で変換され、合成符号系列が
得られる。この合成信号系列から得られた合成符号系列
ベクトルは、信号推定手段における信号推定回路EST
1とEST2で可変係数ベクトルと内積演算が行われ、
それぞれの演算により2つのレプリカ信号が生成され
る。
【0019】まず、同期直交ベースバンド端子IQ1か
ら遅延検波信号z1 (t)が入力される。ただし、z1
(t)はnTごとにサンプリングされている。nTのタ
イミング調整は別のタイミング回路で行っている。この
とき、サンプルされた値をZ1,n =Z1 (nT)で表す
と、 Z1,n =Rn * n-1 …(3) である。Rn =R(nT)には、歪のない伝送路におい
ては、送信符号系列{bn }のうち1つの送信符号bn
が含まれている。送信符号bn の絶対値は1とする。す
なわち、|bn 2 =1とする。遅延歪があるときに
は、bn 以外の符号がRn に含まれる。ここでは、問題
を簡単にするため、Rn には直接波で送られてきた送信
符号bn と、1シンボル遅延して受信された遅延波で送
られてきた送信符号bn-1 が重畳されているとする。こ
のとき、Rn-1 には同様にbn-1 とbn-2 が重畳されて
いる。したがって、Z1,n は(3)式の乗算により、 a1,n =bn * n-1 、a2,n =bn-1 * n-2 、a
3,n =bn * n-2 、a4,n =bn-1 * n-1 (=1) の各項の和になる。そこで、差動符号系列を mn =bn * n-1 とすると、 Z1,n =WH 1,n n +ε1,n …(4) WH 1,n =(α1,n α2,n α3,n α4,n ) …(5) AH n =(a* 1,n * 2,n * 3,n * 4,n ) …(6) a1,n =mn ,a2,n =mn-1 ,a3,n =mn n-1 ,a4,n =1…(7) となる。ただし、α1,n …α4,n は、それぞれa1,n
4,n の係数であり、伝搬路の伝送インパルスレスポン
ス関数によって変化する未知の係数である。これらを要
素とするベクトルを未知係数ベクトルW1,n とする。A
n はa1,n …a4,n の合成符号系列を要素とする合成符
号系列ベクトルである。(4)式のε1,nはZ1,n にお
けるW1,n H n 以外の誤差成分である。ε1,n は無相
関なランダム系列となる。図1では、ビタビアルゴリズ
ム推定回路VAから出力される差動符号候補系列{m′
n }から(7)式の関係式を用いて信号変換回路CNV
1によりa′1,n …a′4,n を生成し、これらを(6)
式に代入して合成符号系列ベクトルA′n を生成してい
る。この合成符号系列ベクトルA′n と等化器において
用意された未知変数からなる可変係数ベクトルW′1,n
との内積によりレプリカ信号W′1,n H A′n を信号推
定回路EST1で算出する。W′1,n はW1,nに近い値
となるよう後述する適応アルゴリズムにより推定する。
遅延検波信号z1,n からレプリカ信号を差し引いた誤差
信号e1,n が誤差検出器ER1から出力される。
【0020】次に、2シンボル遅延検波では、Rn には
n とbn-1 が重畳され1シンボル遅延検波と同じであ
るが、Rn-2 ではbn-2 とbn-3 が重畳されている。そ
のため、Z2,n は、 C1,n =bn * n-2 、C2,n =bn-1 * n-3 、C
3,n =bn * n-3 、C4,n =bn-1 * n-2 の各項の和となる。そこで、 Z2,n =WH 2,n n +ε2,n …(8) WH 2,n =(β1,n β2,n β3,n β4,n ) …(9) Cn =(C* 1,n * 2,n * 3,n * 4,n ) …(10) C1,n =mn n-1 ,C2,n =mn-1 n-2 ,C3,n =mn n-1 n-2 ,C4,n =mn-1 …(11) となる。ただし、Cn は合成符号系列である。したがっ
て、1シンボル遅延検波と同様に、2シンボル遅延検波
出力のレプリカを生成することができる。
【0021】図4を参照して1シンボル遅延用と2シン
ボル遅延用の信号推定手段における信号推定回路EST
1とEST2の内部構成を説明する。図4は本発明第一
実施例回路の多重遅延検波レプリカ信号生成手段の構成
図である。これらは、それぞれ(7)式と(11)式を
具体的に示したものである。
【0022】ビタビアルゴリズム推定回路VAでは、ま
ず、誤差e1,n とe2,n はその絶対値の2乗|e1,n
2 と|e2,n 2 が2乗回路SQ1とSQ2で計算され
る。さらに、それらの値は合成されてブランチメトリッ
クとしてビタビアルゴリズム推定回路VAで用いられ
る。ビタビアルゴリズム推定回路VAでは、差動符号に
対応したいくつかの状態が定義され、時点nが進むごと
に、状態の遷移が起きる。この遷移の様子は状態トレリ
スといわれている。この遷移に対応してビタビアルゴリ
ズム推定回路VAからは状態トレリスに沿った差動符号
候補m′n ,m′n-1 とm′n-2 が信号変換回路CNV
1とCNV2に送られる。また、誤差の絶対値の2乗を
累積したものが最も小さい状態トレリスに対応した差動
符号候補が、検波信号として出力端子Oに出力されてい
る。
【0023】4相PSKを用いたときのビタビアルゴリ
ズムのトレリスダイヤグラムを図5に示す。図5は4相
PSKを用いたときのビタビアルゴリズムのトレリスダ
イヤグラムを示す図である。この図5の状態は
(mn-1 ,mn-2 )の組合せで生成される。mn-1 とm
n-2 はそれぞれ4通りの差動符号から成立するので、4
×4=16状態のトレリスが形成される。また、各ブラ
ンチにはmn が対応しているのでビタビアルゴリズムか
らは差動符号系列候補として(m′n ,m′n-1 ,m′
n-2 )の3シンボルの組合せが出力される。
【0024】このトレリスに沿って状態遷移が起きる
と、N=2の多重遅延検波を行う方式では、2つの遅延
検波結果がビタビアルゴリズム推定回路VAにおける観
測時間内で整合するように誤り訂正機能が作用する。そ
のため、レプリカ信号を減算することによる単なる符号
間干渉除去とビタビアルゴリズム回路VAにおける誤り
訂正の2つの作用により特性の改善が期待される。
【0025】4相PSKのトレリス遷移についてさらに
説明する。伝送路歪としては1シンボル遅延波が直接波
に重畳されている条件を考える。このとき、遅延検波信
号z1,n とZ2,n はmn ,mn-1 とmn-2 で規定される
ので、ビタビアルゴリズムは時点nにおいて、時点(n
−1)の差動符号mn-1 とmn-2 を状態として扱えばよ
い。各差動符号はQPSKでは4値をとるので状態数は
16である。これらの状態をSi ,ただし、i=1〜1
6で表す。時点が(n−1)からnへ移るときのトレリ
スダイヤグラムは図5のようになっている。時点nのS
0 には時点n−1のS0 ,S1 ,S2 ,S3 の各状態か
らの4つの遷移が生ずる。これらをブランチ〜とす
る。各ブランチには、時点(n−1)の状態に対応した
差動符号候補m′n-1 とm′n-2 および時点nにおける
0 に対応した差動符号候補m′n が対応するので、各
ブランチごとに異なる差動符号候補系列{m′n-2
m′n-1 ,m′n }が対応している。これらが、信号変
換回路CVN1とCVN2に送出されると、レプリカ信
号が生成され、さらに対応する誤差e1,n とe2,n が計
算され、各ブランチのブランチメトリック|e1,n 2
+|e2,n 2 が得られる。このブランチメトリックの
符号を反転したものをパスメトリックに加算(Accumulat
e:A)して、からのパスに対するパスメトリックが得
られる。パスメトリックを比較(Compare:C) して、最大
のブランチを生き残りパスとして選択(Select:S)する。
この選択により、時点nにおけるS0 への4つのブラン
チの候補が1つにしぼられる。上述したACS処理は時
点nにおける他の状態に対しても行われる。さらにこれ
らの動作を時点(n+1)においても同様に続ける。
【0026】図1のブロック構成図では、誤差信号e
1,n と合成符号系列a′1,n …a′4,n とを用いて係数
調整回路ADJ1は誤差|e1,n 2 が小さくなるよう
に可変係数ベクトルA′n を更新している。e2,n につ
いても同様である。調整用アルゴリズムとしては、LM
S(Least Mean Square) 、RLS(Recursive Least Squ
are)など、最小2乗法に基づく様々な適応アルゴリズム
が考えられる。たとえば、LMSにおいては、積信号e
1,n 1,n に基づいてα1,n を更新している。
【0027】以上述べたような多重遅延検波において
は、推定すべきパラメータの数、すなわち可変係数列は
可変係数ベクトルA′n とC′n の各要素となるので8
個になる。指定すべき変数が多いと処理量が多くなり、
高度なプロセッサが必要になる。
【0028】次に、図6を参照して本発明第二実施例を
説明する。図6は本発明第二実施例回路のブロック構成
図である。2つのベクトルの要素たとえば、α1,n とβ
1,nは、それぞれRn の先行波は、Rn-1 またはRn-2
の遅延波との積であり、そのサンプル時刻のみが異なっ
ている。これらの対応する要素は変動が緩やかであれ
ば、ほとんど同一である。したがって、Cn の代わりに
n を代用する方法が考えられる。図6では1つの係数
調整回路ADJにより信号推定回路EST1とEST2
の可変係数ベクトルを調整している。その他の部分は本
発明第一実施例回路と同じである。本発明第二実施例の
変形としては、An の代わりにCn で代用する方法、2
つの誤差の平均値によりAn を更新してAn でCn を代
用する方法などが考えられる。
【0029】次に、多重遅延検波では推定すべき状態数
が上述したようにN=2においても16となり、かなり
多くなっているので、その簡略法を本発明第三実施例と
して説明する。先に述べたように差動符号候補系列(m
n ,mn-1 ,mn-2 )の組を決めるために、過去の符号
の組(mn-1 ,mn-2 )を用いて状態を設定しているの
で16状態となっている。この状態を減らすために、m
n-1 の符号だけを用いて状態を設定し、4状態とする方
法が考えられる。このときのトレリスダイヤグラムを図
7に示す。図7は本発明第三実施例におけるビタビアル
ゴリズムのトレリスダイヤグラムである。図7の〜
のブランチは図5の場合と同様の意味を表す。この方法
では、mn-2 については各状態の過去の履歴がパスメモ
リに納められているので、その値を用いる。
【0030】本発明第二および第三実施例の効果を明ら
かにするため、計算機シミュレーションを行った。具体
的に計算機シミュレーションで得られた特性を図8に示
す。図8は本発明第二および第三実施例の効果を示す図
である。直接波と遅延波が1シンボル遅延している2波
モデルで各成分が最大ドップラ周波数fD =0Hz、4
0Hz、80Hzのレイリー変動をしているときの平均
ビット誤り率(BER)のEb /N0 特性である。ここ
ではEb はビット当たりのエネルギー、N0 は雑音パワ
ースペクトル密度である。図8には等化器がないときの
特性を破線で示した。ここに示すように、fD ≦80H
zにおいて、本発明第三実施例回路による等化器の効果
が顕著であることがわかる。このシミュレーションでは
計算量の比較的少ない本発明第二実施例と本発明第三実
施例について行った。図8では、係数の簡略化法をRC
(Recluced Coefficients) で示し、さらに状態数を削減
した方法をPF(Path Feedback) として示した。
【0031】本発明第一ないし第三実施例では多重遅延
検波のNを2として説明したが、Nが3以上である構成
とすることもできる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば遅
延検波における変動する歪による特性劣化を大幅に抑え
ることができるので、フェージングによる伝送路変動の
激しい移動通信などの無線伝送方式に応用すれば受信信
号の誤り率が改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第一実施例回路のブロック構成図。
【図2】本発明第一実施例回路の構成を2つの部分に分
けたブロック構成図。
【図3】検波器の構成を示す図。
【図4】本発明第一実施例回路の多重遅延波レプリカ信
号生成手段の構成図。
【図5】4相PSKを用いたときのビタビアルゴリズム
のトレリスダイヤグラムを示す図。
【図6】本発明第二実施例回路のブロック構成図。
【図7】本発明第三実施例におけるビタビアルゴリズム
のトレリスダイヤグラムを示す図。
【図8】本発明第二および第三実施例の効果を示す図。
【図9】従来例回路のブロック構成図。
【符号の説明】
AC 振幅補償器 ADD アナログ形複素遅延検波器 ADJ、ADJ1、ADJ2 係数調整回路 AGC−AMP 自動利得調整付増幅器 BDD ベースバンド遅延検波器 BEQ ベースバンド等化器 CNV1、CNV2 信号変換回路 DET 検波器 DD 遅延検波器 DD1、DD2 遅延検波回路 EQ 等化器 ER1、ER2 誤差信号検出回路 EST1、EST2 信号推定回路 I 入力端子 IQ1、IQ2 同期直交ベースバンド端子 IQD 同相直交準同期検波器 LIM−AMP リミタ増幅器 O 出力端子 SQ1、SQ2 2乗回路 VA ビタビアルゴリズム推定回路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多相位相変位変調の無線信号を入力して
    振幅成分を含む1からNシンボル遅延までのN個の多重
    遅延検波信号をそれぞれ並列的に出力する遅延検波回路
    と、 この遅延検波回路のN個の出力とN個のレプリカ信号と
    のそれぞれの差から誤差信号を生成する誤差信号検出回
    路と、 この誤差信号検出回路のN個の出力絶対値をそれぞれ2
    乗して合成し、1個のブランチメトリックを生成し、こ
    れを基にビタビアルゴリズム推定を行い推定結果を検波
    信号として出力し、かつ差動符号候補系列を出力するビ
    タビアルゴリズム推定回路と、 このビタビアルゴリズム推定回路の差動符号候補系列を
    分岐入力してN個の合成符号系列に変換する信号変換回
    路と、 この信号変換回路により変換されたこのN個の合成符号
    系列のベクトルとN個の可変係数ベクトルとを内積演算
    して前記レプリカ信号とする信号推定回路と、 前記誤差信号検出回路のN個の出力および前記信号変換
    回路のN個の合成符号系列をそれぞれ分岐入力して前記
    可変係数ベクトルの係数を制御する係数調整回路とを備
    えたことを特徴とする検波器。
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