JPH06173259A - アンカーケーブルの固定金具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、引っ張り材であるアンカーケーブ
ルをアンカー定着体に簡単にかつ確実に固着でき、アン
カー定着体の挿入作業が簡単であり、アンカー施工後の
大きな荷重にも耐え、アンカーケーブルの固定部が保護
されたアンカーケーブルの固定金具を提供することにあ
る。 【構成】 ＰＣ鋼より線を複数本よりあわせたアンカー
ケーブルが挿通される貫通孔３１が開孔され、一端がア
ンカー定着体１に固定される接続台座３０と、該アンカ
ーケーブルを解きほぐした各々のＰＣ鋼より線を長さ方
向に嵌め込み、固定するための周面に複数本の縦溝４１
を設けた、該接続台座の他端に接続される固定台座４
と、 該固定台座の一端に接続されキャップ５０とより
なることを特徴とするアンカーケーブルの固定金具２
０。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、アンカー定着体に引っ
張り材であるＰＣ鋼線又はＰＣ鋼撚り線を複数本撚り合
わせたアンカーケーブルを固着するために用いられるア
ンカーケーブルの固定金具に関する。

【０００２】

【従来の技術】図１〜４のように、アンカー定着体１に
ＰＣ鋼撚り線をさらに撚り合わせたアンカーケーブルを
固着するには、アンカーケーブルの先端部を解きほぐ
し、アンカーケーブルをアンカー定着体１、接続台座３
のアンカーケーブル挿通孔３１、及び固定台座４のアン
カーケーブル挿通孔４１に挿通し、そしてアンカーケー
ブルの先端部を解きほぐしたＰＣ鋼撚り線を固定台座４
のＰＣ鋼撚り線挿通孔４２に挿通し、ＰＣ鋼撚り線の先
端にオニオングリップを形成するか、楔型のスリーブ７
０を圧着しているが、このような作業を工事現場で行う
ことは人手と組立加工のための作業時間がかかるという
欠点がある。

【０００３】

【発明が解決しょうとする課題】本発明は、上記の欠点
を改善すべくなされたものであり、あらかじめ工場など
において、アンカーケーブの先端部を解きほぐし、その
ＰＣ鋼線又はＰＣ鋼撚り線の先端部にオニオングリップ
を形成するか、又は圧着グリップを取り付けるように、
アンカーケーブルの端末を加工しておき、アンカーケー
ブルの使用に際しては、引っ張り材であるアンカーケー
ブルをアンカー定着体１に簡単にかつ確実に固着でき、
アンカー定着体１の挿入作業が簡単であり、アンカー施
工後の大きな荷重にも耐え、アンカーケーブルの固定部
が保護されたアンカーケーブルの固定金具２０を提供す
ることにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明のアンカーケーブ
ルの固定金具２０は、ＰＣ鋼線又はＰＣ鋼撚り線を複数
本撚り合わせたアンカーケーブルが挿通される挿通孔３
１が開孔され、該挿通孔は一端から他端に向かって漸次
拡径していて、一端がアンカー定着体１に固定される接
続台座３０と、 該アンカーケーブルを解きほぐした各
々のＰＣ鋼撚り線を長さ方向に周面より嵌め込み、固定
するための周面に複数本の縦溝４１を設けた、該接続台
座の他端にその一端が接続される固定台座４０と、 該
固定台座の他端に接続されるキャップ５０とよりなるこ
とを特徴としている。

【０００５】本発明の固定金具２０を図５〜図７に示し
た一実施例にしたがって説明する。本発明で使用される
アンカーケーブルは、ＰＣ鋼線又はＰＣ鋼撚り線を複数
本撚り合わせたケーブルであって、あらかじめ工場など
でＰＣ鋼撚り線の先端にオニオングリップを形成してお
くか、又は楔型のスリーブを圧着したもの７、７０が特
に望ましい（図２及び図４参照）。

【０００６】アンカーケーブル固定金具２０の接続台座
３０は、この接続台座の軸芯にＰＣ鋼撚り線の複数本を
撚り合わせたアンカーケーブルを挿通するためのケーブ
ル挿通孔３１が漸次拡径した状態で貫通しており、その
一端がアンカー定着体に螺合、溶接などの手段によって
固着され、その他端は固定金具４０の一端に接続出来る
ようになっていて、例えば図５、図７では接続台座３０
に雌ねじ３０１が、そして固定台座４０に雄ねじ４０１
が刻設された状態が示されている。

【０００７】固定台座４０は、その両端が接続台座３０
とキャップ５０に接続できるようになっていて、図７で
は両端に雄ねじ４０１、４０２が刻設されており、そし
て長さ方向にその周面に所定の間隔で縦溝４１が設けら
れている。図示されてはいないが、各々の縦溝４１にア
ンカーケーブルを解きほぐしてアンカーケーブルを構成
しているＰＣ鋼線又はＰＣ鋼撚り線の複数本を一本づつ
それぞれ長さ方向でかつ周面方向より嵌め込み、端末加
工したＰＣ鋼撚り線の先端部７、７０を固定台座４０の
端面より突出させて固定するようになっている。固定台
座の先端には、キャップ５０が接続され、キャップの接
続部には雌ねじ５０１が形成されている。キャップの内
壁頂面はＰＣ鋼線又はＰＣ撚り線の先端部７、７０を押
圧するとともに防水できるようになっていて、アンカー
ケーブルが移動したりしないようになっている。そして
キャップ５０の先端部が円みを帯びた円錐状をしている
場合にはアンカー定着体１をアンカー孔に挿入するとき
アンカー定着体１がアンカー孔にひっかからないように
なっている。

【０００８】

【作用】アンカーケーブルの固定金具２０の使用方法に
ついて述べる。あらかじめ工場又は作業場などでＰＣ鋼
線又はＰＣ鋼撚り線を撚り合わせたアンカーケーブルの
先端部を解きほぐしてＰＣ鋼線又はＰＣ鋼撚り線の先端
部にオニオングリップを形成するか（７）又は楔型のス
リーブを圧着（７０）してアンカーケーブルの端末を加
工しておく。一方、アンカー定着体１には接続台座３０
を固着しておく。アンカーケーブルの使用に際しては、
端末加工した部分よりアンカーケーブルをアンカー定着
体１に挿入し、アンカー定着体に固着した接続台座３０
のアンカーケーブル挿通孔３１にアンカー定着体側の縮
径部より拡径部へと挿入する。この拡径部において、あ
らかじめ解きほぐしたＰＣ鋼線又はＰＣ鋼撚り線を末広
がりの状態に広げる。次いでＰＣ鋼線又はＰＣ鋼撚り線
の部分を固定台座の縦溝４１内に周面方向より押して保
持し、ＰＣ鋼線又はＰＣ鋼撚り線の先端部のオニオング
リップ７又は圧着グリップ７０を圧着した部分を固定台
座４０の端面より突出させてキャップ５０内に収めるよ
うに、固定台座４０にキャップ５０を螺合して固定す
る。このようにして固定金具２０を用いてアンカーケー
ブルをアンカー定着体１に固定する。

【０００９】

【発明の効果】本発明によれば、固定台座にはアンカー
ケーブルを解きほぐした各々のＰＣ鋼線又はＰＣ鋼線の
撚り線を長さ方向に周面方向より嵌め込み、固定するた
めに周面に複数本の縦溝が設けられているので、端末加
工されたＰＣ鋼線又はＰＣ鋼線の撚り線を複数本撚り合
わせたアンカーケーブルを端末加工されたＰＣ鋼撚り線
側よりアンカー定着体及び接続台座に挿通したのち、Ｐ
Ｃ鋼撚り線を解きほぐしたＰＣ鋼線又はＰＣ鋼線の撚り
線を固定台座に長さ方向でかつ周面方向から押し込み、
嵌め込むだけで簡単に固定することができ、アンカー体
の組み立て作業を簡略化することができる。また固定金
具の先端にはキャップが設けられているので、ケーブル
が移動しないし、アンカーケーブルの端末加工部が保護
される。このように、本発明は優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 アンカーの施工状態の説明図

【図２】 従来技術における端末加工した（オニオング
リップを形成した）ＰＣ鋼より線を固定台座に挿通する
状態の説明図

【図３】 従来のアンカーケーブルの固定金具

【図４】 従来技術における端末加工した（スリーブを
圧着した）ＰＣ鋼より線

【図５】 本発明のアンカーケーブルの固定金具を組み
立てた状態図であって、正面からみた断面図

【図６】 本発明のアンカーケーブルの固定金具の分解
図であって、それらの側面図

【図７】 本発明のアンカーケーブルの固定金具の分解
図であって、それらの正面図及び断面図

【符号の説明】

１・・アンカー定着体 ２、２０・・アンカーケーブル
固定金具 ３、３０・・接続台座 ４１・・アンカーケーブル挿通
孔 ４、４０・・固定台座 ５、５０・・キャップ
６・・ＰＣ鋼より線挿通孔 ６０・・ＰＣ鋼より線を固
定するための縦溝 ７、７０・・端末加工されたＰＣ
鋼より線

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ＰＣ銅線又はＰＣ鋼撚り線を複数本撚り
   合わせたアンカーケーブルが挿通される貫通孔（３１）
   が開孔され、該貫通孔は一端から他端へ向かって、漸次
   拡径しており、そして一端がアンカー定着体に固定され
   る接続台座（３０）と、 該アンカーケーブルを解きほ
   ぐした各々のＰＣ鋼線又はＰＣ鋼撚り線を長さ方向に嵌
   め込み、固定するための周面に複数本の縦溝（４１）を
   設けた、該接続台座の他端にその一端が接続される固定
   台座（４０）と、 該固定台座の他端に接続されるキャ
   ップ（５０）とよりなることを特徴とするアンカーケー
   ブルの固定金具（２０）。