JPH0617252Y2 - 盤状記録体のクリーナ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はＣＤやＬＤなどの盤状記録体のクリーナに係
り、握り部側に軸着された清掃部を回転させることによ
り、使用位置と収納位置に選択的に位置させるようにし
たものである。

（従来の技術と考案が解決しようとする課題） ＣＤやＬＤなどの盤状記録体は、汚れがひどくなると、
読取りミス等を生じることから、適宜、その信号面の清
掃を行うことが望ましい。このためのクリーナとして、
柔らかい布のような信号面を傷つけにくく、また清拭力
の大きい清掃体をホルダーに装着したものが知られてい
る。このものは、ホルダーを保持して清掃体を信号面の
中心部に押し当て、外方（半径方向）へ摺動させること
により、汚れを拭い取るようになっている。

ところでこの種クリーナは、一般には頻繁に使用される
ものではなく、時折使用されるものであり、したがって
不使用時には、清掃体にごみが付着しないように、収納
保管しておくことが望ましい。

そこで本考案は、清掃と収納保管に有利な盤状記録体の
クリーナを提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段） このために本考案は、二股状取り付け部３を有する握り
部１と、この二股状取り付け部３の間に回転自在に軸着
された清掃部１０とからクリーナを構成している。そし
てこの清掃部１０を長尺端面ａと短尺端面ｂとを有する
長形のプレート状に形成し、この清掃部１０を回転させ
て長尺端面ａを下面にした状態で使用位置とし、また短
尺端面ｂを下面にした状態で収納位置とするようにした
ものである。

（作用） 上記構成において、清掃を行うときは、清掃部１０を回
転させて長尺端面ａを下面の使用位置にし、また収納保
管するときは、短尺端面ｂを下面にする。

（実施例） 次に、図面を参照しながら本考案の実施例を説明する。

第１図はクリーナの正面図、第２図は分解斜視図であっ
て、１は握り部であり、薄箱形の頭部２と、この頭部２
に装着される取り付け部３から成っている。この取り付
け部３は、同形同寸の２枚のＴ字状取り付け片３ａ，３
ｂをピン４ａとボス４ｂにより結合して二股状に組み立
てられる。５は取り付け片３ａ，３ｂの膨大部３１ａ，
３１ｂの外面に突設された係合用リブであり、頭部２の
内面の溝部６に係合される。７は取り付け片３ａ，３ｂ
の上端部内面に突設されたリブであり、組み立て状態で
両リブ７，７の先端面は接合し、取り付け片３ａ，３ｂ
の上端部の間隔を規定する（第４図も参照）。８は頭部
２の下縁部に装着される飾り用着色リングである。また
取り付け片３ａ，３ｂの先端部には軸部９が立設されて
おり、ねじ２０により結合される。

軸部９の周囲には台部２１が円板状に膨出形成されてお
り、この台部２１上には、清掃部１０（後述）の回転時
の節度用のリブ２２が、互いに９０°の角度で取り付け
部３の先端部側へ向って放射状に突設されている。また
軸部９の反対面には、この軸部９を中心とする指腹の当
て部としての同心円状のリブ２３が形成されている。こ
のリブ２３は清掃部１０を回転させるときの、指先での
把持部となるものであり、すりばち状などの指腹の当り
のよいものであればよい。２４はこのリブ２３の直上に
開口された窓部、２５は取り付け片３ａ，３ｂの補強用
突部である。

第１図において、１０は清掃部であって、ホルダー１１
に清掃体１２を保持させて形成されている。第２図にお
いて、ホルダー１１は、長板状の上片１１ａと下片１１
ｂから成っており、ボス１３にピン１４を差し込んで結
合される。上片１１ａと下片１１ｂの両端部には、ピン
１５が１本と２本それぞれ突設されており、また両端部
中央には断面コの字状のリブ１６が突設されている。組
み立て状態において、第５図に示すように、１本のピン
１５は２本のピン１５，１５の間に嵌入し、また第６図
に示すようにリブ１６とリブ１６は互いに係合し、上片
１１ａと下片１１ｂが水平方向に位置ずれするのを防止
する。

清掃体１２は、独立発泡型ポリウレタンシートのような
弾力性を有するやや厚いシート１７に、薄いシート１８
を重ね合わせたうえで、折り曲げて形成されている。シ
ート１８は、柔かい弾性を有し、かつクリーニング液の
含浸性を有する布やフェルトなどにより形成される。勿
論、清掃体１２は一枚のシートにより形成してもよい。
清掃体１２の上記ボス１３とピン１４に対応する位置に
は孔部２６が形成されている。また上記ホルダー１１の
中央には、上記軸部９に嵌入する孔部２８が形成されて
いる。この清掃部１０は、清掃体１２を上片１１ａと下
片１１ｂの間に挟んで組み立てられる（第３図参照）。
この場合、薄いシート１８は含浸性を有するため、クリ
ーニング液は広範囲に広がろうとするが、厚いシート１
７は含浸性が小さいため、必要以上にクリーニング液を
含浸することはなく、したがってクリーニング液を無駄
なく有効に使用できる。また組み立て状態で、清掃体１
０は長尺端面ａと短尺端面ｂを有する長形の略プレート
状であり、ホルダー１１から突出する清掃体１２の長尺
端面ａが清掃面となる。

第３図において、上記孔部２８の周囲には、上記リブ２
２に対応する節度用の溝部３１が９０°の角度で４条放
射状に形成されており、またこの孔部２８の近傍には、
上記窓部２４から露呈する“ＷＥＴ”と“ＤＲＹ”の文
字が形成されており、またその両端部には指先の当て部
としての凹入部２９が形成されている。この清掃部１０
は、孔部２８に軸部９を嵌入させて、二股状の取り付け
部３の間に軸着される。その状態で、清掃部１０は軸部
９を中心に回転自在であり、節度用のリブ２２が溝部２
８に嵌合することにより、９０°毎に位置決めされる。
また第３図において、清掃体１２はホルダー１１の両側
部に突出しているが、一方の清掃体１２ａは乾式用、も
う一方の清掃体１２ｂにはクリーニング液が含浸される
湿式用であり、清掃部１０を回転させて両者１２ａ，１
２ｂを使い分ける。この場合、清掃体１２は上片１１
ａ，下片１１ｂ間に挟着されており、しかも厚いシート
１７は含浸度が低いため、一方の清掃体１２ｂにクリー
ニング液を誤って過剰に供給しても他方の乾式用清掃体
１２ａが湿ることを防止できる。第１図において、３０
はクリーナの収納ケースである。

上記構成において、ＣＤなどの清掃を行うときは、第４
図に示すように左手の両指先で取り付け部３を把持し、
また右手の指先でホルダー１１の凹入部２９を把持し、
清掃部１０を回転させてこの清掃部１０を取り付け部３
に直交させ、清掃体１２の長尺端面ａを下面側にする
（第１図鎖線参照）。この場合、清掃体１２ａを下面側
にすると、“ＤＲＹ”が窓部２４から露呈し、また清掃
体１２ｂを下面側にすると、“ＷＥＴ”が露呈する。こ
のように指先にて把持して回転させれば、指先が清掃体
１２に接触してこれを汚すのを防止できる。また節度用
リブ２２は、軸部９から取り付け部３の先端側に延出し
ているので、清掃部１０を水平回転させる際にこのリブ
２２が上記台部２１に乗り上げる際には、取り付け片３
ａ，３ｂの先端部は上下に弾性的にやや拡開することと
なり（第４図参照）、適度の節度が得られるとともに、
このように拡開することにより、取り付け片３ａ，３ｂ
の先端部の縁部がホルダー１１の表面を擦って、擦りく
ずが発生し、清掃体１２を汚すのを防止できる。

このようにして清掃部１０を回転させたならば、清掃体
１２をＣＤの信号面の中心部に押当し、外方に摺動させ
て清掃する。このように長尺端面ａを清掃面とすれば、
清掃範囲が広くなり、清掃能率があがる。また不使用時
には、上記と同様にして清掃部１０を９０°回転させ、
長尺端面ａを取り付け部３の長さ方向に合わせ、短尺端
面ｂを下面にする。（第１図実線参照）。すると全体を
コンパクト化でき、清掃体１２にごみ等が付着して汚れ
にくく、またケース３０に収納しやすくなる。

なお、上記実施例では、乾，湿両方式を備えるよう清掃
部１０はその両側に清掃体１２を配したが、乾，湿各専
用方式とする場合等は片側だけに清掃部１０を設けるこ
とも可能であり、また清掃部１０の長，短尺端面側に清
掃体１２を配し、盤状記録体の形状、例えば８cmＣＤシ
ングル盤の場合には、短尺端面側を１２インチ、光ディ
スクの場合には、長尺端面側を使用する等で、サイズに
会わせて使い分けするように構成することもできる。さ
らに、両側面の清掃体素材は含浸性，起毛性を考慮して
異ならせることも可能である。

（考案の効果） 以上説明したように本考案は、二股状取り付け部３を有
する握り部１と、この二股状取り付け部３の間に回転自
在に軸着された清掃部１０とから成り、この清掃部１０
を長尺端面ａと短尺端面ｂとを有する長形のプレート状
に形成し、この清掃部１０を回転させて長尺端面ａを下
面にした状態で使用位置とし、また短尺端面ｂを下面に
した状態で収納位置とするようにしているので、清掃部
１０を回転させることにより、長尺端面ａにより作業性
よく信号面を清掃でき、またコンパクトに収納して、清
掃部１２にごみ等が付着するのを防止できる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示すものであって、第１図はクリ
ーナの正面図、第２図は同分解斜視図、第３図は清掃部
の斜視図、第４図は断面図、第５図及び第６図は部分断
面図である。 １……握り部 ３……取り付け部 １０……清掃部 ａ……長尺端面 ｂ……短尺端面

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】二股状取り付け部３を有する握り部１と、
   この二股状取り付け部３の間に回転自在に軸着された清
   掃部１０とから成り、この清掃部１０を長尺端面ａと短
   尺端面ｂとを有する長形のプレート状に形成し、この清
   掃部１０を回転させて長尺端面ａを下面にした状態で使
   用位置とし、また短尺端面ｂを下面にした状態で収納位
   置とするようにしたことを特徴とする盤状記録体のクリ
   ーナ。