JPH0616471A - 耐熱導電性焼結体 - Google Patents

耐熱導電性焼結体

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JPH0616471A
JPH0616471A JP15823691A JP15823691A JPH0616471A JP H0616471 A JPH0616471 A JP H0616471A JP 15823691 A JP15823691 A JP 15823691A JP 15823691 A JP15823691 A JP 15823691A JP H0616471 A JPH0616471 A JP H0616471A
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JP
Japan
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sintered body
conductivity
atmosphere
temperature
bulk density
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Application number
JP15823691A
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English (en)
Inventor
Toshifumi Hirayama
俊史 平山
Masanori Nakatani
正則 中谷
Toshio Kawanami
利夫 河波
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Nikkato Corp
Original Assignee
Nikkato Corp
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Publication date
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 公知の材料に比して焼結性および導電性に優
れ、高温においても機械的特性および熱安定性に優れ、
且つ高温度での水蒸気の存在下にも耐久性に優れた緻密
な導電性材料を提供することを主な目的とする。 【構成】 (1)R1−xCr1−y (ただし、Rは、ランタニド元素の少なくとも一種;A
は、CaおよびSrの少なくとも一種;Mは、Co、M
nおよびNiの少なくとも一種;0.05≦x≦0.50; 0<
y≦0.30)なる組成を有するペロブスカイト型構造の焼
結体であり、(2)焼結体のかさ密度が6.0g/cm
以上であり、(3)大気中1000℃における導電率
が5S/cm以上であり、(4)焼結体の平均結晶粒径
が5〜80μmであり、(5)水蒸気5%を含む100
0℃の雰囲気下で100時間保持した後にも形状的にも
導電性においても安定であることを特徴とする耐熱導電
性焼結体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発熱体、電極、燃料電
池などの材料として有用な耐熱導電性焼結体に関する。
【0002】
【従来技術】式:RCrO(Rは、ランタニド;以下
同じ)で表される焼結体のRの一部をCaまたはSrで
固溶置換したR(Ca,Sr)CrO、特にLa(C
a,Sr)CrOは、ペロブスカイト型の結晶構造を
有する高融点の耐熱性導電性酸化物として知られてい
る。しかしながら、この材料は、難焼結材料であるた
め、緻密な焼結体が得られ難い。また、式:R(Ca,
Sr)MO(Mは、Co、MnおよびNiの少なくと
も一種;以下同じ)で表わされる焼結体も、ペロブスカ
イト型の結晶構造を有しており、R(Ca,Sr)Cr
よりも導電性が高く且つ焼結しやすい酸化物として
知られている。しかしながら、これらの材料には、特定
の雰囲気中、特に高温或いは低酸素雰囲気中では、解
離、蒸発、著しい導電性の低下などの現象を生じて、安
定性に劣るという欠点があり、使用できる条件が極めて
限られている。このため、R(Ca,Sr)CrO
Crの一部をMで置換固溶したR1−xCr1−y
が両者の利点を兼ね備えた材料として提案され
ている。しかしながら、緻密で高導電性の焼結体が得ら
れたとしても、この材料は、高温において応力がかかっ
た場合の機械的特性に劣り、また経時的な熱安定性に欠
けるという欠点があり、特に水蒸気分圧がある雰囲気中
では導電性および機械的特性が著しく低下する点で、実
用的材料とはいい難い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、公知の材料
に比して、焼結性および導電性に優れ、高温においても
機械的特性および熱安定性に優れ、且つ高温度での水蒸
気の存在下にも耐久性に優れた緻密な導電性材料を提供
することを主な目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の如き
従来技術の問題点に留意しつつ研究を重ねた結果、高温
でのR(Ca,Sr)Cr(M)O焼結体の機械的特
性を改善するためには、単にその密度を高めるだけでは
なく焼結体の平均結晶粒径を特定範囲に制御する必要が
あることを見出した。また、上記焼結体の経時的な熱安
定性の低下、特に水蒸気存在下での導電性および機械的
特性の劣化原因は、主に、上記の密度と平均結晶粒径と
が特定範囲に制御されていないことに加えて、焼結体の
結晶粒界、気孔表面などの微小部分における元素の不均
一分布によることをも見出した。
【0005】本発明は、上記の様な新知見に基いて完成
されたものである。すなわち、本発明は、下記の耐熱導
電性焼結体を提供するものである: 「(1)R1−xCr1−y (ただし、Rは、ランタニド元素の少なくとも一種;A
は、CaおよびSrの少なくとも一種;Mは、Co、M
nおよびNiの少なくとも一種;0.05≦x≦0.50; 0<
y≦0.30) (2)焼結体のかさ密度が6.0g/cm以上であ
り、(3)大気中1000℃における導電率が5S/c
m以上であり、(4)焼結体の平均結晶粒径が5〜80
μmであり、(5)水蒸気5%を含む1000℃の雰囲
気下で100時間保持した後にも形状的にも導電性にお
いても安定であることを特徴とする耐熱導電性焼結体。
【0006】本発明による耐熱導電性焼結体は、下記の
(1)〜(5)の性質により特徴付けられる。
【0007】(1)R1−xCr1−y (ただし、Rは、ランタニド元素の少なくとも一種;A
は、CaおよびSrの少なくとも一種;Mは、Co、M
nおよびNiの少なくとも一種;0.05≦x≦0.50; 0<
y≦0.30)で表わされる。ランタニド元素とは、原子番
号57のランタンから71のルテチウムにいたる15の
元素を意味する。ランタニド元素は、単独で使用しても
良く、或いは2種以上を併用しても良い。ランタニド元
素としては、La、NdおよびPrがより好ましく、特
にLa単独使用またはLaと他のランタニド元素との混
合使用がさらに好ましい。ランタニド元素として、L
a、NdまたはPrを使用する場合には、特に焼結体の
導電性が改善され、且つ耐熱性も向上する。その反面、
これらの元素を使用する場合には、高密度の焼結体を得
るためには、高温度での焼成が必要となるので、焼成温
度の低下を目的とする場合には、その一部(10〜30
モル%程度)を他のランタニド元素で置換することが好
ましい。本発明耐熱導電性焼結体では、RCrO3 を
基本組成とするペロブスカイト型の酸化物において、R
の一部(0.05〜0.50モル)をCaおよびSr(以下この
両者を総括して単にAということがある)の少なくとも
一種により置換固溶するとともに、Crの一部をMの少
なくとも一種で置換固溶することを必須とする。
【0008】三価のRを二価のAで置換する場合には、
これによって生ずる陽イオンの電荷の不足を三価Crの
一部が四価Crへ変わることにより、補う構造となる。
その結果、Crの三価と四価のホッピング電導が寄与し
て、導電性が大幅に向上する。AによるRの置換量が5
モル%未満の場合には、導電性の改善が十分に行われ
ず、焼結性も低下して、焼結体のかさ密度が低くなり易
い。これに対し、AによるRの置換量が50モル%を上
回る場合には、導電性の一層の改善が認められないのみ
ならず、むしろ焼結体の熱安定性が低下する。Aによる
Rの置換量は、10〜40モル%とすることがより好ま
しい。Mに関しては、一般に、その置換量に比例して導
電率、焼結性などが改善されるが、その反面,置換量が
過剰となると、焼結体の安定性、耐熱性、耐蝕性などを
低下させる傾向がある。例えば、Coは、焼結性を向上
させ、熱膨張係数と導電性とを増大させるが、還元雰囲
気中での導電性を低下させる。Mnは、焼結性を向上さ
せるが、還元雰囲気中での安定性、耐久性、導電性など
を低下させる。Niは、焼結性と導電性を向上させる
が、還元雰囲気中での導電性などを低下させる。したが
って、Mの合計量は、前記式(1)で表わされる焼結体
において、30モル%以下とすべきであり、より好まし
くは1〜20モル%程度、最も好ましくは2〜10モル
%程度とする。Mとしては、上記の各元素の性質を考慮
し、目的とする材料の用途に応じて適宜選択し、或いは
二種以上を組合わせて使用することが好ましい。
【0009】(2)本発明においては、焼結体のかさ密
度を6.0g/cm以上とする。かさ密度が6.0g
/cmを下回る場合には、焼結体の結晶粒子内および
粒界に存在する気孔が多くなり、導電面積の減少による
導電性の低下をもたらすとともに、気密性の低下、熱安
定性の低下および機械的特性の低下を伴う。かさ密度
は、6.1g/cm以上であることがより好ましく、
ガスに対する気密性を維持するためいには、6.2
g/cm以上であることがさらに好ましい。また、焼
結体の室温での曲げ強度は、8kgf/mm以上であ
ることが望ましい。
【0010】(3)本発明焼結体においては、大気中1
000℃での導電率が5S/cm以上であることを必要
とする。上記条件下での導電率が5S/cm未満である
場合には、本発明焼結体の利用分野である発熱体、電
極、燃料電池のセパレーターなどとしての導電性が不十
分となり、不適である。大気中1000℃での導電率
は、10S/cm以上であることがより好ましく、20
S/cm以上であることがさらに好ましい。導電性およ
び耐久性の向上の観点からは、アルカリ金属酸化物およ
びSiOの含有量は、それぞれ0.2%以下であるこ
とが好ましい。
【0011】(4)本発明焼結体における平均結晶粒径
は、5〜80μmとする。焼結体の平均結晶粒径が5μ
m未満である場合には、高温で応力がかかった際の機械
的特性、特に強度および耐クリープ性が低下して高温で
の使用時の耐久性が不十分となり、また高温で水蒸気が
存在する雰囲気下で使用する際の安定性および耐久性が
劣化する。さらに、本発明焼結体を固体電解質型燃料電
池のセパレーターとして使用する場合に、焼結体と接触
するランタンマンガネート系酸化物、ニッケルサーメッ
トなどとの反応が生じやすい。一方、焼結体の平均結晶
粒径が80μmを上回る場合には、耐クリープ性は良好
となるが機械的強度などが低下するため、好ましくな
い。さらに、結晶粒径が大きい場合には、結晶粒成長過
程において、粒界に空孔が生じて、水蒸気分圧のある雰
囲気中での耐久性に劣るようになり、好ましくない。本
発明焼結体における平均結晶粒径は、10〜70μm程
度とすることがより好ましい。
【0012】(5)水蒸気5%を含む1000℃の雰囲
気下で100時間保持した後にも形状的にも導電性にお
いても安定している。ここに、“安定性に優れている”
とは、本発明による焼結体を水蒸気5%を含む1000
℃の雰囲気下で100時間保持した後、80〜100℃
で相対湿度80%以上の雰囲気に10日間放置した後に
も、寸法変化と導電性の低下とが実質的に認められない
ことを意味する。この様な安定性は、焼結体を粉末にし
て200〜1000℃の示差熱分析においてシャープな
吸熱反応のないことから、判断される。前記式(1)で
示される焼結体を発熱体、電極、燃料電池セパレーター
などとして使用する場合には、長期間の耐久性が必要で
ある。「水蒸気5%を含む1000℃の雰囲気下で10
0時間保持した後にも形状的にも導電性においても安定
している」という条件を充足する場合には、この様な用
途に使用することができる。この様な安定性は、上記の
(2)および(4)の要件と併せて、特に焼結体の微小
部分で、特に焼結体の結晶粒界、気孔表面などの微小部
分で元素の分布が不均一となっていないことにより、達
成される。さらに、アルカリ金属酸化物およびSiO
の含有量をそれぞれ0.2%以下とすることなども、安
定性の向上に好都合である。
【0013】本発明による焼結体は、通常以下のように
して製造される。まず、焼結体製作時の各成分の割合が
所定範囲内となる様にR源、A源、Cr源およびM源と
なる各原料を配合し、混合粉砕して、均一な粉末混合物
を得る。R源、A源、Cr源およびM源となる原料とし
ては、酸化物、水酸化物、硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩、塩
化物、しゅう酸塩などの化合物の形態のものが使用され
る。粉末の粒度は、特に限定されるものではないが、5
μm以下程度とすることが好ましい。一般に、合成過程
などにおいて、Crが容器などに拡散しやすいので、C
r源を若干多く混合しておくことが好ましい。この点に
ついては、焼結温度および時間などを考慮して適宜定め
れば良いが、例えば、最終的な焼結体組成よりは、Cr
源およびM源を0.2 重量%程度(それぞれCr
よびMとして)多めに配合しておくことが好まし
い。混合は、粉末の湿式混合および乾式混合のいずれに
より行なっても良く、或いは各原料の水溶液を混合して
行なっても良い。
【0014】次いで、上記で得られた粉末混合物をその
主成分(好ましくは70%以上)がR(Ca,Sr)C
r(M)Oのペロブスカイト型構造となる温度以上で
熱処理し、合成粉末とする。この熱処理温度は、粉末混
合物を構成する各原料化合物の種類、粒度、混合方法な
どにより変わり得るが、通常700〜1400℃程度の
範囲内にあり、より好ましくは900〜1300℃の範
囲内にある。熱処理温度が低すぎる場合には、後述の焼
結時の収縮が大きくなって、焼成歪みを生じするので、
好ましくない。一方、熱処理温度が高すぎる場合には、
合成粉末の結晶粒径が大きくなり過ぎて、焼結性、組成
の微小部分の均一性などを低下させるので、やはり好ま
しくない。熱処理時間は、熱処理温度とも関係するが、
通常0.5〜3時間程度である。
【0015】次いで、上記で得られた合成粉末を分散乃
至微粉砕する。この分散乃至微粉砕は、水或いはアルコ
ールなどの有機溶媒の存在下に行なうことが好ましい。
分散乃至微粉砕は、得られる粉末の平均粒径が2μm以
下で且つ比表面積が2m/g以上、より好ましくは平
均粒径が1μm以下で且つ比表面積が4m/g以上と
なる程度まで行なうことが好ましい。この分散乃至微粉
砕により、焼結体中の組成の偏析が防止される。
【0016】次いで、所定の粒度に分散乃至粉砕された
粉末をセラミックスの成形における常法に従って、即
ち、CIP、機械プレス、鋳込み、射出、押出し、テー
プ成形などの方法により、所定の形状に成形する。この
際、アクリル系などの公知の成形助剤などの添加剤を併
用しても良いことは言うまでもない。次いで、得られた
成形体を焼成する。焼成時の雰囲気は、減圧、常圧およ
び加圧のいずれであっても良い。焼成温度は、通常13
00〜1900℃程度の範囲内にあり、1400〜17
50℃程度とすることがより好ましい。加圧焼結を行な
う場合には、より低温で焼結体を緻密化させることがで
きる。A成分およびM成分が少ない場合には、焼成温度
を高める必要がある。低酸素分圧条件下に焼成した焼結
体は、導電性が低下している。したがって、この場合に
は、酸化物焼結体を大気中1000℃以上の温度で熱処
理することにより、その導電性を向上させることが好ま
しい。この熱処理は、必ずしも前記焼結処理に引続いて
行なう必要はなく、上記の条件を充足する限り、焼結体
の使用過程において行なっても良い。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、下記の様な顕著な効果
が達成される。 (1)R(Ca,Sr)Cr(M)O焼結体の耐熱
性、導電性および密度を従来技術では達成できなかった
程度まで高めることができる。 (2)特に熱安定性に優れ、且つ水蒸気が存在する高温
雰囲気での長期間の耐久性にも優れたR(Ca,Sr)
Cr(M)O焼結体が得られる。 (3)本発明による焼結体は、高温でも機械的特性に優
れているので、例えば発熱体、固体電解質型燃料電池の
セパレーターやインターコネクターなどとして使用する
場合に、変形、破壊などを生じ難く、これらの信頼性を
高める。 (4)水蒸気が存在する酸化性或いは還元性雰囲気にお
いても、気密性を保持し且つ高導電性を長期間維持でき
るので、発熱体、固体電解質型燃料電池のセパレーター
やインターコネクターなどの実用材料として有用であ
る。
【0018】
【実施例】以下に実施例および比較例を示し、本発明の
特徴とするところをより一層明確にする。
【0019】実施例1 La、Cr,SrCOおよびNiOの各
原料粉末をLa0.8 Sr0.2 Cr0.95Ni0.053 の組
成となる様に配合し、水の存在下に湿式で混合・分散を
行なった後乾燥し、1200℃で2時間熱処理を行なっ
て、95%以上がペロブスカイト型構造に合成された粉
末を得た。得られた合成粉末を媒体攪拌ミルによりアル
ミナ製のメディアを用いてアルコールの存在下に12時
間湿式粉砕し、平均粒径0.7μmの粉末を得た。次い
で、これにアクリル系成形助剤を加えた後、スプレード
ライヤーにて成形用の顆粒粉体(平均粒径60μm)を
調製した。この顆粒粉体を成形圧力2ton/cm2 でCIP
成形して、50mm×50mm×5mmの成形体を得た
後、大気中1700℃で3時間焼成した。得られた焼結
体をダイアモンド砥石により研削加工して表面を仕上げ
たものは、下記の特性を有していた。 かさ密度=6.4g/cm 平均結晶粒径=15μm 導電率=42s/cm(1000℃、大気中) 導電率=5s/cm(1000℃、H中) JIS3点曲げ強度=11kgf/mm(室温) JIS3点曲げ強度=9kgf/mm(1000℃) さらに、上記の焼結体を水蒸気5%を含む1000℃の
雰囲気中で100時間保持し、相対湿度90%、温度8
5℃の条件下に10日間放置した後、放冷し、室温での
寸法変化と1000℃での導電率とを測定した結果、両
者とも熱処理前の値と変わらなかった。また、焼結体を
化学分析に供したところ、粉砕用のアルミナ製メディア
から混入したAlが0.13%含まれていたが、
SiOおよびNaOはそれぞれ0.1%以下であっ
た。
【0020】実施例2 La1−xCr1−yで示される組成の焼
結体のAおよびMの種類、xおよびyの値ならびに焼成
温度を第1表に示す様に種々変えた以外は実施例1と同
様にして、焼結体を製造した。使用した各試料2−a乃
至2−dの組成は、下記の通りである。 2−a…La0.8 Sr0.2 Cr0.9 Ni0.1 3 2−b…La0.8 Sr0.2 Cr0.8 Ni0.2 3 2−c…La0.8 Sr0.2 Cr0.7 Ni0.3 3 2−d…La0.95Ca0.05Cr0.6 Ni0.4 得られた焼結体の特性を第1表に併せて示す。 第 1 表 試料 焼成温度 かさ密度(g/cm) 粒径 導電率 ( μm) (1000 ℃S/cm) 2-a 1650℃ 6.1 10 43 2-b 1700℃ 6.4 20 50 2-c 1650℃ 6.4 25 65 2-d 1750℃ 6.0 60 7 第1表に示す結果から明らかな様に、本発明による焼結
体は、密度が高く、機械的特性に優れ、高導電性を具備
している。次に、上記の焼結体を水蒸気5%を含む10
00℃の雰囲気中で100時間保持し、相対湿度90
%、温度85℃の条件下に10日間放置した後、放冷
し、室温での寸法変化と1000℃での導電率とを測定
した。本発明焼結体(2−a〜2−c)では、熱処理前
の値と変わらなかった。これに対し、比較焼結体2−d
は、同様の処理後に崩壊しており、導電率の測定は不可
能であった。
【0021】実施例3 La、Cr、SrCO、CoOおよびN
iOの各原料粉末をLa1−xSrCr0.9 Co0.05
Ni0.053 組成となる様に配合し(但しxの値ならび
に焼成条件は第2表に示す通り)、それ以外は実施例1
と同様にして焼結体を製造した。第3表に焼結体の特性
を示す。 第 2 表 試 料 x 焼 成 条 件 温 度 圧 力 3−a 0.03 1700℃ 大気中 3−b 0.10 1650℃ 大気中 3−c 0.30 1600℃ 大気中 3−d 0.40 1600℃ 大気中 3−e 0.55 1600℃ 大気中 第 3 表 試 料 かさ密度(g/cm3 ) 粒 径 導電率 (μm) (1000 ℃S/cm) 3−a 5.8 4 26 3−b 6.3 25 30 3−c 6.4 18 50 3−d 6.3 20 65 3−e 6.0 15 35 第2表および第3表に示す結果から明らかな様に、0.
05≦x≦0.50の範囲内にある本発明焼結体(3−
b〜3−d)は、かさ密度が高く、高導電性を具備して
いる。次に、上記の焼結体を水蒸気5%を含む1000
℃の雰囲気中で100時間保持し、相対湿度90%、温
度85℃の条件下に10日間放置した後、放冷し、室温
で寸法変化と1000℃での導電率とを測定したとこ
ろ、本発明焼結体(3−b〜3−d)は、熱処理前の値
と変わらなかった。これに対し、xの量、かさ密度およ
び平均結晶粒径が規定範囲外である比較試料3−aで
は、同様の処理後において、寸法が3%増大しており、
強度が著しく低下していた。また、xの量が0.55で
ある比較試料3−eでは、同様の処理後の1000℃で
の導電率が15S/cmにまで大幅に低下していた。
【0022】実施例4 La1−xCr1−yで示される組成の焼
結体のAおよびMの種類ならびにxおよびyの値を変
え、且つ焼成温度を第4表に示す様に変えた以外は実施
例1と同様にして、焼結体を製造した。使用した各試料
4−aおよび4−bの組成は、下記の通りである。 4−a…La0.9 Ca0.1 Cr0.9 Ni0.1 3 4−b…La0.8 Ca0.1 Sr0.1 Cr0.95Ni0.05
得られた焼結体の特性を第4表に併せて示す。 第 4 表 試料 焼成温度 かさ密度(g/cm) 粒径 導電率 ( μm) (1000 ℃S/cm) 4-a 1750℃ 6.2 13 15 4-b 1750℃ 6.3 10 25 第4表に示す結果から明らかな様に、本発明焼結体(4
−aおよび4−b)は、かさ密度が高く、高導電性を具
備している。次に、上記の2種の焼結体を水蒸気5%を
含む1000℃の雰囲気中で100時間保持し、相対湿
度90%、温度85℃の条件下に10日間放置した後、
放冷し、室温で寸法変化と1000℃での導電率とを測
定したところ、両者とも熱処理前の値と変わらなかっ
た。
【0023】比較例1 前記の式で示される焼結体の組成を変え、且つ焼成条件
を第5表に示す様に種々変えた以外は実施例1と同様に
して、焼結体を製造した。使用した各試料a、bおよび
cの組成は、下記の通りである。 a…La0.9 Sr0.1 Cr0.8 Co0.2 3 b…La0.7 Sr0.3 Cr0.8 Ni0.2 3 c…La0.95Ca0.05Cr0.99Ni0.013 得られた焼結体の特性を第6表に示す。 第 5 表 試 料 焼 成 条 件 温 度 圧 力 時間(hr) a 1500℃ 150kg/cm 2 b 1650℃ 150kg/cm 12 c 1800℃ 大気中 2 第 6 表 試 料 かさ密度(g/cm3 ) 粒 径 導電率 (μm) (1000 ℃S/cm) a 6.1 3 44 b 6.1 90 68 c 4.9 12 6 これら焼結体の1000℃におけるJIS三点曲げ強度
は、それぞれ試料a=4.2kgf/mm、試料b=
3.5kgf/mmおよび試料c=2.0kgf/m
であった。これらの値は、実施例1焼結体の9.0
kgf/mmに比して、著しく劣っている。また、試
料cは、かさ密度が低いため、通気性があり、実用的材
料として不適であった。次に、上記の焼結体を水蒸気5
%を含む1000℃の雰囲気中で100時間保持し、相
対湿度90%、温度85℃の条件下に10日間放置した
後、放冷したところ、試料cは崩壊しており、導電率の
測定は不可能であった。また、試料bは、熱処理前に比
して、1.5%膨脹しており、導電率も16S/cmに
まで低下していた。 比較例2 媒体攪拌ミルの媒体としてガラスビーズを使用して、1
2時間湿式粉砕し、合成粉末の平均粒径を1.0μmと
する以外は実施例1と同様にして焼結体を作成し、その
特性を測定した。得られた焼結体のかさ密度は6.4g
/cm、平均結晶粒径は20μm、1000℃の大気
中における導電率は3S/cmであった。さらに、この
焼結体を水蒸気5%を含む1000℃の雰囲気中で10
0時間保持し、相対湿度90%、温度85℃の条件下に
10日間放置した後、放冷したところ、焼結体は崩壊し
ており、導電率の測定は不可能であった。また、焼結体
を化学分析に供したところ、SiOおよびNaOが
それぞれ0.3%および0.1%含まれていた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01B 1/08 7244−5G

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)R1−xCr1−y (ただし、Rは、ランタニド元素の少なくとも一種;A
    は、CaおよびSrの少なくとも一種;Mは、Co、M
    nおよびNiの少なくとも一種;0.05≦x≦0.50;0 <
    y≦0.30)なる組成を有するペロブスカイト型構造の焼
    結体であり、(2)焼結体のかさ密度が6.0g/cm
    以上であり、(3)大気中1000℃における導電率
    が5S/cm以上であり、(4)焼結体の平均結晶粒径
    が5〜80μmであり、(5)水蒸気5%を含む100
    0℃の雰囲気下で100時間保持した後にも形状的にも
    導電性においても安定であることを特徴とする耐熱導電
    性焼結体。
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