JPH06164236A - アンテナ装置、および指向性変換装置 - Google Patents

アンテナ装置、および指向性変換装置

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JPH06164236A
JPH06164236A JP31537992A JP31537992A JPH06164236A JP H06164236 A JPH06164236 A JP H06164236A JP 31537992 A JP31537992 A JP 31537992A JP 31537992 A JP31537992 A JP 31537992A JP H06164236 A JPH06164236 A JP H06164236A
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JP
Japan
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antenna element
antenna
radio wave
directivity
radio
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JP31537992A
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English (en)
Inventor
Kazushige Ogino
和滋 荻野
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Denso Ten Ltd
Original Assignee
Denso Ten Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 MHz帯〜GHz帯の電波情報を受信するアンテ
ナ素子に関し、特別なコネクターが不必要で、しかも、
アンテナ素子の実質的な指向性を1方向に一定速度で高
速回転できるアンテナ装置を提供することを目的とす
る。 【構成】 特定の指向性を有して、電波を取り扱う機器
11側に位置関係を固定して取り付けたアンテナ素子1
2と、アンテナ素子12を横切る方向で厚みを変化させ
て、誘電体材料から成形した電波屈折素子13と、を相
対回転可能に重ねて配置し、アンテナ素子12に対して
電波屈折素子13を回転駆動してアンテナ素子12の実
質的な指向性を走査する駆動手段14、を設けた構成と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、MHz帯〜GHz帯の電波
情報を受信または送信するアンテナ装置、例えば、衛星
から発信されたナビゲーション情報を車輛側で受信する
アンテナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】MHz帯〜GHz帯の電波の伝播特性は、光
の性質に近くなり、直進性が高まって電波の飛来経路を
遮る建物の陰には到達し得なくなる。従って、MHz帯〜
GHz帯の電波を受信するアンテナ素子は、発信源を見通
せる位置に配置し、アンテナ素子が特定の指向性を備え
る場合には、指向性の方向が発信源の方向に一致するよ
うにアンテナ素子の向きを調整する必要がある。
【0003】また、このようなMHz帯〜GHz帯の電波の
性質を利用して、(a) 電波灯台や静止衛星を利用したナ
ビゲーションシステム、あるいは、(b) アンテナ素子の
自動方向調節装置が実用化されている。
【0004】前者(a) は、高所に設置した発信源からM
Hz帯〜GHz帯の特定波長の電波を間欠的に無指向性で放
射する一方、船舶や航空機に指向性を走査可能なアンテ
ナ素子を設けて、濃霧等の無視界状態や視認不可能な遠
距離でも発信源の方向を検知可能とする。一般的には、
複数の発信源の方向を検知して、地図上の現在航行位置
をそれぞれの方位の交点として識別する。
【0005】後者(b) は、指向性を有するアンテナ素子
(無線アンテナ、テレビジョンアンテナ等)の支柱に回
転駆動機構を設けて、アンテナ素子の指向性を走査可能
とするとともに、電波の受信強度の検出回路を設けて、
アンテナ素子を回転しながら受信希望局の特定波長電波
の受信強度を連続的に計測し、受信強度がピークとなる
回転位置を求めて、この回転位置にアンテナ素子を自動
的に位置決めする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の指向性を走査可
能なアンテナ素子は、受信機や受信者に対してアンテナ
素子を直接機械的に走査、回転させており、例えば、パ
ラボラアンテナの台座を回転可能としたり、反射器付き
の八木アンテナを支持する支柱に電動機と歯車減速器を
取り付けて構成された。
【0007】従って、受信機とアンテナ素子を接続する
配線は、アンテナ素子の直接機械的な走査、回転を許容
する構造である必要があり、(1) 回転を許す特別なコネ
クターを配線に挿入する、(2) アンテナ素子を1方向の
連続回転としないで、配線のねじりで吸収できる角度内
で回転を反転し、アンテナ素子を揺動回転させる、いず
れかの方法を採用する必要があった。
【0008】しかし、前者(1) では、特別なコネクター
の実装、保守管理上の都合から、アンテナ素子の設計の
自由度が拘束され、特別なコネクターの挿入による高周
波の減衰や反射(インピーダンスの段差形成による)の
損失も無視できない。
【0009】一方、後者(2) では、アンテナ素子が反転
する際に、1方向に一定回転速度で回転している場合の
遠心力に比較して、著しく大きな慣性力がアンテナ素子
に作用することになり、慣性によるアンテナ素子の変形
や破壊を避けるには、その揺動速度を大幅に減じる必要
がある。しかし、揺動速度を減じると、一定時間内に発
信源を検知できる回数が減少して、受信機側の運動(特
に回転や方向転換)を正確に検知できなくなる問題があ
る。
【0010】例えば、1回の揺動に2秒を要する場合、
2秒間は受信機側の運動状態を全く検知できず、障害物
等で1回の検知を遮断されたり、雑音等で誤検知を1回
発生すると、数秒間以上も正確な情報を入手できない状
態が続く。
【0011】また、アンテナ素子の揺動速度が小さい
と、アンテナ素子の揺動位置に応じた受信強度の変化も
緩慢になり、障害物による遮断や雑音による受信強度ピ
ークの誤検知の可能性が増す。
【0012】そして、アンテナ素子の揺動速度を増すに
は、アンテナ素子や揺動機構の高剛性化が不可欠で全体
が大型化する。そして、仮に同じ構造であっても、1方
向に一定速度で回転させる場合に比較して、揺動の場合
には消費動力が大きい訳であるから、揺動型させる形式
のアンテナ素子の大型化は、著しい消費動力の拡大をも
たらす。
【0013】さらに、いくつかの限定された用途では、
水平面上の360度の方位回転に加えて、垂直方向の迎
角を加減する揺動も可能なアンテナ構造が要求される。
このような場合、アンテナ素子と受信機の間の配線の連
絡構造はさらに複雑なものとなり、アンテナ素子の面積
に比較して回転機構や揺動機構や連絡構造が大きな体積
を占めて全体が大型化する問題がある。
【0014】本発明の第1の目的は、特別なコネクター
が不必要で、しかも、アンテナ素子の実質的な指向性を
1方向に一定速度で高速回転することも可能なアンテナ
装置を提供することを目的としている。
【0015】ところで、現在、衛星TV放送の受信等に
応用可能な種々の平面アンテナが実用化されている。衛
星TV放送受信用の平面アンテナは、多くの場合、容易
に向きを変更できない建物の壁面に張り付ける設置方法
を前提としており、平面アンテナ表面と厳密に垂直な方
向に衛星を捕らえられなくても、衛星放送を受信できる
ように、指向性をやや弱めて形成される。
【0016】しかし、指向性を弱めると平面アンテナの
ゲインが低下する。また、指向性が弱い平面アンテナで
あっても、通常は、その弱い指向性の方向に正確に衛星
を捕らえた場合に最大の出力が得られるから、電波の飛
来経路に反射器等を介在させて平面アンテナの実質的な
指向性を調整すれば出力を改善でき、雑音レベルも低く
抑え得る。
【0017】しかし、平面アンテナの上空に反射器等を
配置すると、反射器等の専用の支持機構が新たに必要に
なり、アンテナ全体の厚みも増す。従って、設置が目立
たず空間を有効利用できて、耐風構造を含む特別な支持
機構を必要としないという平面アンテナの利点の多くを
損なわせる結果となる。
【0018】本発明の第2の目的は、容易に向きを変更
できない構造物に固定された平面アンテナの実質的な指
向性を、このような平面アンテナの利点を損なうことな
く調整して、雑音/出力比を改善できるアンテナ装置を
提供することを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】図1は請求項1の発明の
基本的な構成の説明図である。図1において、請求項1
のアンテナ装置は、特定の指向性を有して、電波を取り
扱う機器11側に位置関係を固定して取り付けたアンテ
ナ素子12と、該アンテナ素子12を横切る方向で厚み
を変化させて、誘電体材料から成形した電波屈折素子1
3と、を相対回転可能に重ねて配置し、前記アンテナ素
子12に対して前記電波屈折素子13を回転駆動して前
記アンテナ素子12の実質的な指向性を走査する駆動手
段14、を設けたものである。
【0020】請求項2のアンテナ装置は、請求項1のア
ンテナ素子において、前記アンテナ素子は、その表面に
ほぼ垂直な方向の指向性を有する面状に形成されている
ものである。
【0021】図2は請求項3の発明の基本的な構成の説
明図である。図2において、請求項3のアンテナ装置
は、電波を取り扱う建物側21に固定して施設した面状
のアンテナ素子22と、該アンテナ素子22を横切る方
向で厚みを直線的に変化させて、誘電体材料から成形し
た電波屈折素子23と、を位置関係を固定して重ねて配
置するとともに、前記電波屈折素子23の少なくとも一
方の表面は、前記横切る方向に複数の段差24を配置し
た鋸切り状に成形されているものである。
【0022】請求項4の指向性変換装置は、電波の飛来
経路を曲げて、障害物の陰に位置するアンテナ素子に該
電波を到達させる指向性変換装置において、前記電波の
飛来経路に一方の表面を交差し、前記アンテナ素子の受
信方向に他方の表面を交差して配置される電波屈折素子
を有し、かつ、該電波屈折素子は、前記飛来経路と前記
受信方向の両方に直角な方向に厚みをほぼ一定にして、
前記両表面間の厚みを直線的に変化させて、誘電体材料
から成形されるものである。
【0023】
【作用】図1において、請求項1のアンテナ装置では、
電波屈折素子13の回転運動によってアンテナ素子の実
質的な指向性を走査するから、アンテナ素子12を直接
に回転または揺動させる必要がない。
【0024】屈折素子13は、例えば、ポリエチレンや
ポリプロピレン等、電波の透過における減衰率が低く
て、真空中に比較して電波の伝達速度が著しく低い材料
で形成され、電波が斜めに交差する界面(入射面と出射
面の少なくとも一方)で電波を屈折させて電波の侵入経
路を折り曲げる。
【0025】例えば、アンテナ素子12の上空の特定の
方向から斜めに入射する電波を受信する場合、駆動手段
14による回転駆動がアンテナ素子12に対する電波屈
折素子13の回転角度を調整して、電波の屈折後の出射
経路をアンテナ素子12の指向性の方向に一致させたと
き、アンテナ素子12を通じて最大量の電波が電気信号
に変換されて受信機に導かれる。
【0026】一方、アンテナ素子12の上空の所望の方
向に電波を送信する場合、駆動手段14による回転駆動
がアンテナ素子12に対する電波屈折素子13の回転角
度を調整して、電波の屈折後の出射経路を所望の方向に
一致させたとき、アンテナ素子12を通じて発信される
電波のうちで所望の方向に送出される割合が最大とな
る。
【0027】アンテナ素子12に対する電波屈折素子1
3の回転角度を計測するロータリーエンコーダを設けて
もよい。受信強度のピークが得られる電波屈折素子13
の回転角度をロータリーエンコーダで計測して、アンテ
ナ12の上空の特定方向に対する受信機側の姿勢(角度
方向)が検知される。
【0028】電波屈折素子13の平面形状は円形である
必要はなく、厚みを直線的に変化させる必要もない。た
だし、平面形状が円形であれば、電波屈折素子13の回
転に伴うアンテナ素子12上の受信エリアが一定に保た
れ、厚みを直線的に変化させれば、製作が容易である。
厚みを直線的に変化させた場合、傾き面をアンテナ素子
12側に配置してもよく、アンテナ素子12の反対側
(外界側)に配置してもよい。ただし、傾き面を外界側
に配置すると、電波屈折素子13に対する電波の入射角
度が小さくなり、電波を垂直な方向に横断して定義され
る実質的な入射面積も小さくなる。電波屈折素子13の
厚みを曲線状に変化させて電波レンズの機能を付加して
もよい。
【0029】電波屈折素子13の入射面および出射面を
除いた他の外周面を電波吸収体で覆ってもよい。電波吸
収体は、外周面から電波屈折素子13内への不必要な入
射や内部の不必要な反射を抑制して、アンテナ装置の信
号/ノイズ比を改善する。
【0030】アンテナ素子12は、特定の指向性を付与
して、指向性の方向のゲインを高めた種々のアンテナ、
例えば、受信部の背後に反射器を固定して設けたパラボ
ラアンテナや、絶縁性のシートの表面に磁性薄膜のパタ
ーンと金属薄膜の配線構造とを組み合わせて配置した平
面アンテナとすることができる。
【0031】請求項2のアンテナ装置では、アンテナ素
子は、比較的に薄い面状に形成されており、その表面に
ほぼ垂直な方向に指向性を設けてある。
【0032】図2において、請求項3のアンテナ装置で
は、面状のアンテナ素子22の面積を拡大してアンテナ
素子22のゲインを改善する場合、アンテナ素子22の
支持構造が大型化して風の抵抗も増す問題の解決を図
る。すなわち、既設の建物の表面21にアンテナ素子2
2を固定して、支持構造と風の問題を解決し、そのため
に犠牲となったアンテナ素子22の指向性を電波屈折素
子23で補う。電波屈折素子23は、アンテナ素子22
の指向性を、受信の場合には特定の発信局の方向に一致
させ、発信の場合には特定の送出方向に一致させる。
【0033】電波屈折素子23の複数の段差24は、電
波屈折素子23による電波の屈折作用を比較的に薄い材
料の厚さで確保させる。材料の薄さは、電波屈折素子2
3内部での電波の減衰を少なくする。
【0034】段差24を図2のようにアンテナ素子22
の反対側の面に形成する場合、電波屈折素子の平坦面に
磁性薄膜形成等を行って、アンテナ素子を直接形成して
もよい。段差24は、アンテナ素子22側の面に形成し
てもよい。アンテナ素子22の薄い面状の外観は、電波
屈折素子23とアンテナ素子22を相対移動(特に回
転)する必要がない場合、(1) 電波屈折素子の一方の面
(例えば受信の場合の出射側)にアンテナ素子を直接に
貼付する、または、(2) 電波屈折素子自体を透明基板に
見立てて、一方の面に磁性薄膜形成等を行ってアンテナ
素子を直接形成する、ことを可能にする。
【0035】電波屈折素子23の段差面の直立した一方
を電波吸収体で覆ってもよい。電波吸収体は、外周面か
ら電波屈折素子23内への不必要な入射や内部の不必要
な反射を抑制して、アンテナ装置の信号/ノイズ比を改
善する。
【0036】請求項4の指向性変換装置では、電波の飛
来経路を曲げて、建物や壁面等の障害物の陰に位置する
アンテナ素子にまで電波を到達させ、電波の受信と再生
を可能にする。
【0037】
【実施例】図3は実施例の衛星通信用送受信アンテナの
説明図である。図中(a) は取り付け状態の説明図、(b)
は内部構造の説明図である。ここでは、上空の衛星を追
跡して送受信アンテナで捕捉し、衛星を中継して他の地
上局との間で無線連絡を行う。
【0038】図3(a) において、車輛30のルーフ31
上には、送受信アンテナ32が固定されている。えたタ
イミングで直下位置の検出を開始させる。
【0039】図3(b) において、ルーフ31に固定され
た基台41は、複数本の支柱44を支持する。支柱44
の頂部には転動部が設けられ、転動部は大歯車47を介
して電波透過材45を平面アンテナ46に対して回転可
能に支持する。電波透過材45の上面を露出させて電波
吸収壁43が配置され、電波透過材45を含む基台41
上の全体は保護カバー42で覆われる。
【0040】電波透過材45は、ポリプロピレン等か
ら、円柱の一方の面を斜めに切り落とした形状に形成さ
れ、ステップモータ37によって、小歯車48、大歯車
47を介して平面アンテナ46に対する回転を実施でき
る。
【0041】電波透過材45は、ほぼ垂直方向に設定さ
れた平面アンテナ46の指向性を実質的に斜め上空向き
に曲げており、ステップモータ37による回転によっ
て、平面アンテナ46の実質的な指向性を、360度の
全周に渡って回転して、走査できる。
【0042】ステップモータ37は、配線38で送受信
機35に接続され、車輛の進行方向を時々刻々と検知す
る方向検知機34の出力に応じて、車輛の方向転換量を
相殺する角度分だけ回転駆動される。これにより、電波
透過材47は、常に一定方向に位置決めされ、この一定
方向は、南方の静止軌道上の通信衛星を平面アンテナ4
6が捕捉できる方向である。
【0043】平面アンテナ46は、給電ケーブル36で
送受信機35に接続され、回転を許容するコネクタや冗
長なケーブルを含まない。
【0044】このように構成された衛星通信用送受信ア
ンテナによれば、給電ケーブル36によって送受信機3
5と平面アンテナ46とが直結されて、回転を許容する
コネクタや冗長なケーブルを含まないにもかかわらず、
例えば、車輛が円状のループ経路を1方向に際限なく走
行し続ける極端な場合でも、電波透過材45を1方向に
回転させて、切れ目なく平面アンテナ46に通信衛星を
捕捉できる。
【0045】また、万が一通信衛星を見失った場合で
も、車輛を停止させることなく、電波透過材45を比較
的に高速回転させながら、通信衛星から送出される電波
の強度を連続的に検知して、その強度のピークとして、
通信衛星の方向を容易に再発見できる。
【0046】ここでは、基台41をルーフ31に固定す
る構造としたが、基台41を車輛30の進行方向を含む
垂直面内で揺動可能な構造としてもよい。登り坂や下り
坂で車輛30が傾いた場合には、揺動構造が平面アンテ
ナ46の実質的な指向性を垂直な方向にも走査して、通
信衛星に対する迎角を調整する。この場合、従来のアン
テナ素子自体を回転する方式に比較して、揺動構造が大
幅に簡単化され、コネクタ等も不要なことから、平面ア
ンテナ46の開口面積に比較した全体の体積が大幅に縮
小される。
【0047】図4は実施例の衛星放送受信アンテナの説
明図である。図中(a) は取り付け状態の説明図、(b) は
構造の詳細の説明図である。ここでは、上空の静止衛星
から送出される放送電波を捕捉する大面積の平面アンテ
ナを、建物の屋上スペースに設置している。
【0048】図4(a) において、建物50の屋上51に
は、大型の平型アンテナ52が設置される。平型アンテ
ナ52は、屋上に背面を接して直接固定されており、風
圧を直接受けることがなく、風で飛ばされる心配もな
い。
【0049】図4(b) において、平型アンテナ52は、
アンテナ素子62を支持する丈夫で柔軟なシート61の
表面に、アンテナ素子62を貼付して、全体を屈折板6
3で覆って一体に固定して構成される。アンテナ素子6
2は、表面に対してほぼ垂直な方向に指向性が設定さ
れ、建物50側の設置スペースの都合を優先して、自由
な形状で自由な姿勢に配置される。しかし、このままで
は、斜め上空から入射する衛星放送電波に対してはゲイ
ンが低く、指向性の方向から飛来するノイズを高いゲイ
ンで捕捉するため、総合的な受信信号/ノイズ比も低
い。
【0050】電波透過材63は、アンテナ素子62に対
する電波の入射経路を屈折させて、アンテナ素子62の
実質的な指向性を上空の静止衛星の方向に位置決めす
る。電波透過材63は、ポリプロピレン等から、斜面と
垂直面とを交互に配置した階段状の面を有する板状に形
成され、斜面の傾き角度は、電波透過材63の屈折率と
静止衛星の迎角とに適合させて定めてある。
【0051】電波透過材63は、静止衛星の方向を確認
して定めた、階段状の部分の稜線を静止衛星の方向に直
交した形式で配置される。電波透過材63は、配置角度
に合わせて切断したユニットをモザイク状に敷き詰め
て、シート61、アンテナ素子62に対して固定され
る。電波透過材63の階段状の側の垂直面には、電波吸
収材64が貼付されて、実質的な指向性の方向以外から
入射する不必要な電波や内部の不必要な反射を抑制して
いる。
【0052】このように構成された衛星放送受信アンテ
ナによれば、指向性を共通に定めた汎用性の高いアンテ
ナ素子62を、建物50側の都合に合わせて柔軟に配置
することができる。しかも、アンテナ素子62の実質的
な指向性を静止衛星の方向に位置決めして、衛星放送を
高い受信信号/ノイズ比で受信できる。
【0053】図5は実施例の指向性変換装置の説明図で
ある。ここでは、指向性変換装置を設けて2つの建物の
陰に位置するアンテナに放送電波を到達させている。
【0054】図5において、電波を透過しない2つの大
型の建物71、72の奥に位置する一軒の家屋73で
は、矢印方向から飛来する電波76が建物71で遮断さ
れ、アンテナ74の姿勢をいかに調整しても、電波76
を捕捉できない問題がある。
【0055】そこで、指向性変換装置75を建物71、
72の間に設けて、電波76の経路を屈折させて、電波
76をアンテナ74に直接に到達させる。アンテナ74
は、屈折された後の電波の経路を前提として指向性を調
整される。
【0056】指向性変換装置75は、ポリプロピレン等
から、厚みを直線的に変化させた板状に形成され、両側
の建物71、72に固定される。指向性変換装置75の
斜面の傾き角度は、材料の屈折率と電波76の飛来方向
に適合させて定めてある。
【0057】このように構成された指向性変換装置75
によれば、建物71の陰になって電波76が到達できな
いアンテナ74に対しても電波76を到達させることが
できる。従って、2つの大型の建物71、72の奥に位
置する一軒の家屋73においても、テレビ放送を高い受
信信号/ノイズ比で受信できる。
【0058】
【発明の効果】請求項1のアンテナ装置によれば、受信
機に対してアンテナ素子を直接に回転(または揺動)さ
せる必要がなく、受信機とアンテナ素子とを同軸ケーブ
ル等を用いて直結できる。従って、回転を許容するコネ
クタや揺動を吸収する配線のゆとり部分が不要となり、
インピーダンスの段差による反射の心配も無く、受信機
とアンテナ素子の間の信号伝達が効率的になる。
【0059】また、屈折素子を回転させれば、アンテナ
素子の実質的な指向性を容易に走査でき、屈折素子自体
は、高速回転、急反転等が可能で、運動のための消費電
力も小さな構造を容易に設定できるから、アンテナ素子
の実質的な指向性の走査速度を上昇させて、正確、精
密、高応答性、高追従性、高信頼性、低消費電力の受信
が可能である。
【0060】アンテナ素子に対する電波屈折素子の回転
角度を計測するロータリーエンコーダを設ければ、電波
屈折素子を回転(または揺動)させて検知した強度のピ
ークから、電波送出側と受信機側の姿勢(角度方向)が
正確に検知される。
【0061】請求項2のアンテナ装置によれば、アンテ
ナ素子が面状に形成されるから、アンテナ装置全体の厚
さを薄くでき、車輛等に搭載した際の外観デザイン上の
不都合をいくぶん緩和できる。また、大面積のアンテナ
素子を比較的に容易に製作でき、面積によって受信電波
のゲインを向上できる。
【0062】請求項3のアンテナ装置によれば、大面積
のアンテナ素子を、その指向性を考慮することなく、建
物側の都合を優先して自由に向きや高さを選択でき、大
面積を設定して受信電波のゲインを向上させることも容
易で、風の影響を最小にすることも容易である。従っ
て、アンテナ素子の指向性を高く設定して、信号/ノイ
ズ比の高い受信を実施できる。また、アンテナ素子の単
位面積当たりのゲインが小さくても、面積の拡大によっ
て信号/ノイズ比の高い受信が確保され、アンテナ素子
の支持構造や耐風構造が簡略化され、施工や調整も簡単
になる。
【0063】また、段差を形成して、必要な電波の屈折
作用を比較的に薄い材料の厚さで確保しているから、電
波屈折素子の減衰率が比較的に高くても、受信電波のゲ
インを十分に確保できる。
【0064】請求項4の指向性変換装置によれば、建物
や壁面等の障害物の陰に位置するアンテナ素子において
も、電波の受信と電気信号の再生が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明の基本的な構成の説明図であ
る。
【図2】請求項3の発明の基本的な構成の説明図であ
る。
【図3】実施例の衛星通信用送受信アンテナの説明図で
ある。
【図4】実施例の衛星放送受信アンテナの説明図であ
る。
【図5】実施例の指向性変換装置の説明図である。
【符号の説明】
11 送信機または受信機 12 アンテナ素子 13 電波屈折素子 14 駆動手段 21 建物 22 アンテナ素子 23 電波屈折素子 24 段差

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 特定の指向性を有して、電波を取り扱う
    機器(11)側に位置関係を固定して取り付けたアンテ
    ナ素子(12)と、 該アンテナ素子(12)を横切る方向で厚みを変化させ
    て、誘電体材料から成形した電波屈折素子(13)と、
    を相対回転可能に重ねて配置し、 前記アンテナ素子(12)に対して前記電波屈折素子
    (13)を回転駆動して前記アンテナ素子(12)の実
    質的な指向性を走査する駆動手段(14)、を設けたこ
    とを特徴とするアンテナ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1のアンテナ装置において、前記
    アンテナ素子は、その表面にほぼ垂直な方向の指向性を
    有する面状に形成されていることを特徴とするアンテナ
    素子。
  3. 【請求項3】 電波を取り扱う建物(21)側に固定し
    て施設した面状のアンテナ素子(22)と、 該アンテナ素子(22)を横切る方向で厚みを直線的に
    変化させて、誘電体材料から成形した電波屈折素子(2
    3)と、を位置関係を固定して重ねて配置するととも
    に、 前記電波屈折素子(23)の少なくとも一方の表面は、
    前記横切る方向に複数の段差(24)を配置した鋸切り
    状に成形されていることを特徴とするアンテナ装置。
  4. 【請求項4】 電波の飛来経路を曲げて、障害物の陰に
    位置するアンテナ素子に該電波を到達させる指向性変換
    装置において、 前記電波の飛来経路に一方の表面を交差し、前記アンテ
    ナ素子の受信方向に他方の表面を交差して配置される電
    波屈折素子を有し、かつ、 該電波屈折素子は、前記飛来経路と前記受信方向の両方
    に直角な方向に厚みをほぼ一定にして、前記両表面間の
    厚みを直線的に変化させて、誘電体材料から成形される
    ことを特徴とする指向性変換装置。
JP31537992A 1992-11-25 1992-11-25 アンテナ装置、および指向性変換装置 Withdrawn JPH06164236A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10284930A (ja) * 1997-04-04 1998-10-23 Murata Mfg Co Ltd アンテナ装置および送受信装置
JP2008252803A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 National Institute Of Information & Communication Technology 機能アンテナ装置およびこれを用いた無線システム

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