JPH06163752A - 伝熱性樹脂、伝熱性樹脂を用いた半導体装置の構造および伝熱性樹脂を用いた半導体装置の製造方法 - Google Patents

伝熱性樹脂、伝熱性樹脂を用いた半導体装置の構造および伝熱性樹脂を用いた半導体装置の製造方法

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JPH06163752A
JPH06163752A JP31736892A JP31736892A JPH06163752A JP H06163752 A JPH06163752 A JP H06163752A JP 31736892 A JP31736892 A JP 31736892A JP 31736892 A JP31736892 A JP 31736892A JP H06163752 A JPH06163752 A JP H06163752A
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resin
heat
semiconductor element
conductive resin
heat conductive
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Nobuaki Hashimoto
伸晃 橋元
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Abstract

(57)【要約】 【目的】安価で熱伝導性の良い樹脂を提供し、かつその
樹脂を用いた安価で熱伝導性の良い半導体装置の構造、
半導体装置の製造方法を提供する。 【構成】造粒法、アトマイズ法、ディスク法なで作成さ
れた金属粒子にコーティング法、ドリップ法等の方法で
絶縁樹脂の皮膜を形成する。ベースとなる樹脂に、この
ように作成された絶縁樹脂に覆われた金属粒子を充填し
て伝熱性樹脂を作成する。さらに、この伝熱性樹脂で半
導体素子を含む半導体装置を覆い、半導体装置を形成す
る。その際、半導体素子と固定部材とを固定し、電気的
接続部材を電気的に接続した後、伝熱性樹脂をディスペ
ンサーまたはトランスファーモールド覆う工程を有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、伝熱性樹脂、伝熱性樹
脂を用いた半導体装置の構造および伝熱性樹脂を用いた
半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、樹脂の熱伝導性を向上させる手段
としては、樹脂に熱伝導性の良い物質の破砕物等の粉末
を充填し、樹脂の見かけの熱伝導性を向上させる方法が
知られていた。破砕物等の粉末の具体例としては、金
属、セラミクス等であったが、シリカと混合して用いら
れる場合も有り、さらに樹脂の流動特性、充填性を上げ
るために球形等に造粒した粉末を樹脂に充填する場合も
あった。
【0003】放熱性を要求される半導体装置では、この
ようにして作成された伝熱性樹脂を半導体素子に直接、
または間接に接触、包含させる事によって半導体素子か
らの放熱を行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の技術で
は、樹脂の熱伝導性を向上させようとした場合、金属、
セラミクスの破砕物の粉末、造粒した粉末を多量に樹脂
中に充填させねばならず、またセラミクスは高価である
ため、特に安価に熱伝導性を向上させるためには単に、
金属粉末を多量に樹脂中に充填させることが多かった。
この樹脂は、金属粉末が多量に充填しているので、熱伝
導性を向上するものの、電気的な絶縁性を得ることは困
難であるという問題点を有していた。
【0005】さらにこの樹脂を、放熱性を要求される半
導体装置に用いようとした場合、半導体装置を構成する
半導体素子、基板配線、リードフレーム等の導伝部材の
ショートの危険性を有する為、別の手段で電気的な絶縁
を取る必要があり、結局煩雑な製造工程を通るため樹脂
は安価でもトータルコストは上がってしまうという問題
点を有していた。
【0006】上記の問題点に鑑み、本発明は、安価で熱
伝導性の良い樹脂を提供し、かつその樹脂を用いた安価
で熱伝導性の良い半導体装置の構造、半導体装置の製造
方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の伝熱性樹脂で
は、前記の課題を解決するため、金属粒子と前記金属粒
子全面を覆う薄い絶縁樹脂から成る第1の充填物を充填
する手段を取る。
【0008】金属粒子と前記金属粒子全面を覆う薄い絶
縁樹脂から成る第1の充填物と第2の充填物とを充填す
る手段を取る。
【0009】前記伝熱性樹脂はエポキシ樹脂を主体とす
る手段を取る。
【0010】前記伝熱性樹脂はシリコーン樹脂を主体と
する手段を取る。
【0011】前記伝熱性樹脂はポリイミド樹脂を主体と
する手段を取る。
【0012】更に、本発明の伝熱性樹脂を用いた半導体
装置の構造では、前記の課題を解決するため、半導体素
子と、前記半導体素子の固定部材と、前記半導体素子の
電気的接続部材とが前記伝熱性樹脂によって覆う手段を
取る。
【0013】リードフレーム上にダイアタッチされた前
記半導体素子と、前記半導体素子と電気的に接続された
リードフレームとを、前記伝熱性樹脂によって覆う手段
を取る。
【0014】基板と、前記基板上にダイアタッチされた
半導体素子と、前記基板上に形成され前記半導体素子と
電気的に接続されている配線パターンを、前記伝熱性樹
脂によって覆う手段を取る。
【0015】リードフレーム上にダイアタッチされた基
板と、前記基板上にダイアタッチされた半導体素子と、
前記基板上に形成され前記半導体素子と前記リードフレ
ームと電気的に接続されている配線パターンを、前記伝
熱性樹脂によって覆う手段を取る。
【0016】前記半導体装置の構造中には、複数の半導
体素子を、前記伝熱性樹脂によって覆う手段を取る。
【0017】前記半導体素子は、前記基板の両面に載置
する手段を取る。
【0018】前記半導体素子と、前記半導体素子の固定
部材と、前記半導体素子の電気的接続部材とが前記伝熱
性樹脂によって覆われている半導体装置において、前記
伝熱性樹脂に放熱器を具備する手段を取る。
【0019】前記放熱器は前記伝熱性樹脂自身を凹凸形
状とする手段を取る。
【0020】前記放熱器は前記伝熱性樹脂に前記放熱器
を後付けする手段を取る。
【0021】更に、本発明の伝熱性樹脂を用いた半導体
装置の製造方法では、前記半導体素子と、前記半導体素
子の固定部材とを固定し、さらに前記半導体素子の電気
的接続部材を電気的に接続した後、前記伝熱性樹脂をデ
ィスペンサーまたはトランスファーモールド覆う工程を
有する手段を取る。
【0022】
【作用】本発明によれば、金属粒子全面を覆う薄い絶縁
樹脂から成る充填物を樹脂中に充填する構造としたの
で、金属粒子を良熱伝導物質として用いることができ、
さらに樹脂の見かけの熱伝導率を上げるために、金属粒
子の充填量を上げても、表面は薄い絶縁樹脂で覆われて
いるので金属粒子同士の電気的なショートは起こらず、
樹脂に高い熱伝導性と高い電気的な絶縁性を同時に付与
することができるという作用を有する。
【0023】また、一般的に樹脂と充填物の熱膨張率は
一〜二桁異なり、それを混合する事によって目的とする
熱膨張率を得ることができるが、本発明では表面を薄い
絶縁樹脂で覆った金属粒子と他の充填物とを樹脂中に混
在させる構造としたので、樹脂と金属とさらに他の充填
物との大きく異なる熱膨張率差を利用して、樹脂と表面
を薄い絶縁樹脂で覆った金属粒子と他の充填物との混合
比を最適にすることで最適な樹脂の見かけの熱膨張率を
得られるという作用も有する。
【0024】さらに本発明によれば、半導体装置を構成
する半導体素子、基板配線、リードフレーム等の導伝部
材が前述の伝熱性樹脂によって覆われている構造とした
ので、これらの部材を直接前述の伝熱性樹脂が覆ったと
しても、高い熱伝導性と高い電気的な絶縁性を同時に得
られるという作用を有する。
【0025】次に、本発明によれば半導体素子を覆って
いる伝熱性樹脂の外表面を凹凸な構造としたので空気と
の接触面積が増え、また伝熱性樹脂の外表面に放熱器を
取り付ける構造としたのでので半導体装置の熱抵抗は下
がるという作用を有する。
【0026】なおかつ、本発明によれば、半導体素子と
基板またはリードフレーム等を接続してからディスペン
ス、またはトランスファーモールドによって伝熱性樹脂
によって包含する製造方法としたので、半導体素子を基
板またはリードフレーム等といっしょに工程間を搬送で
きるため、ディスペンス、またはトランスファーモール
ド工程を通すことができるという作用を有する。
【0027】
【実施例】以下に、本発明の実施例を図面に基づき、詳
細に説明する。
【0028】図1は、本発明の伝熱性樹脂を示す模式拡
大図で、1はベースとなる樹脂、2は金属粒子、3は2
の金属粒子を覆う絶縁樹脂である。1の樹脂はエポキシ
樹脂、シリコン樹脂などがよく用いられるが、ポリイミ
ド樹脂やアクリル系樹脂、ビニル系樹脂など用いる目的
によって選定すれば良く、どんな樹脂でもかまわない。
2の金属粒子はニッケル粉、半田粉、鉄粉など安価で熱
伝導率の高い、手に入りやすい材料を用いることができ
る。樹脂の使用目的が低熱抵抗化であれば、熱伝導率の
高い金属を用いれば良く、低コスト化であれば安価な金
属を用いれば良く、目的によってどんな金属でもかまわ
ない。金属粒子を形成する方法としては公知の破砕法や
造粒法、アトマイズ法、ディスク法などを用いれば良
い。このようにして作成された金属粒子にコーティング
法、ドリップ法等の方法で絶縁樹脂の皮膜を形成する。
例えば、金属粒子に、溶剤に溶かした絶縁樹脂をスプレ
ー等で照射し、溶剤を乾燥させて絶縁樹脂の皮膜を形成
する。絶縁樹脂は電気的絶縁物であればなんでもかまわ
ないが、スチレン系、アクリル系の樹脂であることが多
い。
【0029】ベースとなる樹脂を溶融して用いる場合等
は、絶縁樹脂の皮膜が溶融して伝熱性樹脂の電気的な絶
縁性が低下しないように、絶縁樹脂はベースとなる樹脂
以上の融点の方が望ましい。ベースとなる樹脂に、この
ように作成された絶縁樹脂に覆われた金属粒子を充填し
て伝熱性樹脂を作成する。ベースとなる樹脂に対して金
属粒子の充填率を上げれば上げるほど、ベースとなる樹
脂の見かけの熱伝導率は金属粒子の熱伝導率に近ずき熱
伝導率は上がる。
【0030】次に、樹脂の見かけの熱膨張率をコントロ
ールするためや、樹脂の使用量を低減させるために金属
粒子以外の充填物を樹脂に充填する場合について述べ
る。図2は、本発明の他の実施例を示す伝熱性樹脂の模
式拡大図である。図2において4はシリカ、炭酸カルシ
ウム、セラミクス、プラスチック等、金属粒子以外の充
填物を示す。一般的に樹脂と充填物の熱膨張率は一〜二
桁異なり、それを混合する事によって目的とする熱膨張
率を得ることができるが、本実施例では表面を薄い絶縁
樹脂で覆った金属粒子と他の充填物とを樹脂中に混在さ
せる構造としたので、樹脂と金属とさらに他の充填物と
の大きく異なる熱膨張率差を利用して、樹脂と表面を薄
い絶縁樹脂で覆った金属粒子と他の充填物との混合比を
最適にすることで目的とする、樹脂の見かけの熱膨張率
が得られる。また、充填物によって押しのけられた体積
分だけ樹脂の使用量を減らすことができる。
【0031】図3は、本発明の伝熱性樹脂を用いた半導
体装置の構造図である。図3において5は半導体素子で
あり基板10上にダイアタッチ剤等で固定した後、7の
ワイヤーによって半導体素子表面に形成されているボン
ディングパッド8と基板上に形成されている配線パター
ン9とを結線する。半導体素子とワイヤー、ボンディン
グパッド、配線パターンと基板の一部は前述した伝熱性
樹脂6によって覆われており、高い熱伝導性と高い電気
的な絶縁性を同時に得られる構造となっており、合わせ
て湿度環境から半導体素子を保護する構造となってい
る。ワイヤーは金またはアルミニウムがよく用いられ
る。基板はセラミクス、FR−4等のエポキシ樹脂、ポ
リイミド樹脂、アラミド樹脂、シリコン等がよく用いら
れる。配線パターンとしては、銅箔、導電ペースト、金
属薄膜等が用いられることが多い。近年、半導体素子の
動作速度は上昇し続けており、それに比例して消費電力
も上昇しているので、この放熱対策は非常に重要である
が、本発明によれば、一般的に用いられる熱伝導率の悪
いエポキシ系の樹脂に変えて、伝熱性樹脂を用いている
ので、伝熱性樹脂側から熱を逃がすことができるので、
このような簡単な構造で高い放熱性が得られることがわ
かる。もちろん、半導体素子の裏面側の基板も伝熱性樹
脂で覆えば、より高い放熱性が得られる。さらに、基板
に複数の半導体素子を載置しても、基板の両面に半導体
素子を載置してそれらの半導体素子を伝熱性樹脂で覆う
ような構造としてもよい。
【0032】図4は、本発明の他の実施例を示す伝熱性
樹脂を用いた半導体装置の構造図である。図4におい
て、5はリードフレーム11の上に載置された半導体素
子であり、リードフレームの上に半導体素子をダイアタ
ッチ剤等で固定した後、7のワイヤーによって半導体素
子表面に形成されているボンディングパッド8とリード
フレーム11とを結線する。半導体素子とワイヤー、ボ
ンディングパッド、リードフレームの一部は前述した伝
熱性樹脂6によって覆われており、高い熱伝導性と高い
電気的な絶縁性を同時に得られる構造となっており、合
わせて湿度環境から半導体素子を保護する構造となって
いる。半導体素子に直接伝熱性樹脂がふれているので、
リードフレーム面以外の半導体素子の全面から放熱が行
われる。ワイヤーは金またはアルミニウムがよく用いら
れる。リードフレームとしては42アロイがよく用いら
れてきたが、近年の半導体素子の高発熱化に対応して銅
も用いられるようになってきた。
【0033】図5は、さらに本発明の他の実施例を示す
伝熱性樹脂を用いた半導体装置の構造図である。図5に
おいて、5は半導体素子であり基板10上にダイアタッ
チ剤等で固定した後、7のワイヤーによって半導体素子
表面に形成されているボンディングパッド8と基板10
上に形成されている配線パターン9とを結線する。基板
は、リードフレーム11の上に載置されており、さらに
ワイヤーによって配線パターンとリードフレームとが結
線されている。半導体素子とワイヤー、ボンディングパ
ッド、配線パターンと基板とリードフレームの一部は前
述した伝熱性樹脂6によって覆われており、高い熱伝導
性と高い電気的な絶縁性を同時に得られる構造となって
おり、合わせて湿度環境から半導体素子を保護する構造
となっている。半導体素子に直接伝熱性樹脂がふれてい
るので、基板面以外の半導体素子の全面から放熱が行わ
れる。もちろん、基板に複数の半導体素子を載置して
も、基板の両面に半導体素子を載置してそれらの半導体
素子を伝熱性樹脂で覆うような構造としてもよい。特
に、発熱部の構造が複雑な複数の半導体素子を載置した
場合や、基板の両面に半導体素子を載置した場合、一般
的に行われるように基板の片面を放熱構造に用いる事は
困難になるが、本発明の構造をとれば半導体素子を覆う
樹脂から直接放熱させることができる。
【0034】図6は、本発明による伝熱性樹脂を用いた
半導体装置の放熱構造の構造図である。図6において、
5はリードフレーム11の上に載置された半導体素子で
あり、7のワイヤーによって半導体素子表面に形成され
ているボンディングパッド8とリードフレーム11とが
結線されている。半導体素子とワイヤー、ボンディング
パッド、リードフレームの一部は前述した伝熱性樹脂6
によって覆われており、高い熱伝導性と高い電気的な絶
縁性を同時に得られる構造となっており、合わせて湿度
環境から半導体素子を保護する構造となっている。半導
体素子からの発熱は、半導体素子に直接触れている伝熱
性樹脂を通して、12の伝熱性樹脂の凹凸部から主に空
気中に放散される。半導体装置の外表面が平坦な場合に
比較して、半導体素子を覆っている伝熱性樹脂の外表面
が凹凸のため空気との接触面積が増えるので半導体装置
の熱抵抗は下がる。熱抵抗を下げる目的で、伝熱性樹脂
に凹凸部を設けずに、伝熱性樹脂の外表面に放熱器を取
り付けて半導体装置の熱抵抗を下げる構造としてもよ
い。もちろん、図5の構造で伝熱性樹脂に凹凸部を形成
してもよいし、伝熱性樹脂の外表面に放熱器を取り付け
て半導体装置の熱抵抗を下げる構造としてもよい。さら
に、今まで述べた半導体装置の構造のうち必要な部分の
みを伝熱性樹脂で覆う構造とすればよく、必要以外の部
分は、公知の樹脂で覆うようにしてもよい。
【0035】次に、図3から図6までの構造を得るため
の具体的製造方法について述べる。伝熱性樹脂は、調製
の方法によって液体状、固体状いずれにもすることがで
きるが、液体状の場合はデスペンサーで、固体状の場合
は、トランスファーモールドで所望の場所に載置する。
図3中の構造では、伝熱性樹脂6は7のワイヤーによっ
て半導体素子5表面に形成されているボンディングパッ
ド8と基板10上に形成されている配線パターン9とが
結線されている状態で、ディスペンスにより塗布される
ことが多い。図4の構造では、リードフレーム11の上
に載置された半導体素子5と、7のワイヤーによって半
導体素子表面に形成されているボンディングパッド8と
リードフレーム11とが結線された状態で、図5の構造
では、7のワイヤーによって半導体素子5表面に形成さ
れているボンディングパッド8と基板10上に形成され
ている配線パターン9とが結線され、基板は、リードフ
レーム11の上に載置され、さらにワイヤーによって配
線パターンとリードフレームとが結線されている状態で
標準的な外形形状を持つ、例えば、EIAJ準拠のモー
ルド型の中に設置し、伝熱性樹脂6をトランスファーモ
ールドで形成することが多い。そのとき、もちろん図6
に示したような凹凸を伝熱性樹脂に同時に形成してもよ
いし、伝熱性樹脂の外表面に放熱器を取り付けて半導体
装置の熱抵抗を下げる構造としてもよい。さらに、特に
放熱性を要求される所のみに伝熱性樹脂6をディスペン
サーで塗布しておき、その他の部分を、公知の樹脂を用
いてトランスファーモールドで形成してもよい。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、金属粒子全面を覆う薄
い絶縁樹脂から成る充填物を樹脂中に充填したので、良
熱伝導物質として安価な金属粒子を用いることができ、
さらにその金属粒子の表面を薄い絶縁樹脂で覆う構造と
したので、樹脂の見かけの熱伝導率を上げるために、表
面を薄い絶縁樹脂で覆った金属粒子の充填量を上げて
も、金属粒子同士の電気的なショートは起こらず、樹脂
に高い熱伝導性と高い電気的な絶縁性を同時に、かつ高
価な低熱抵抗のセラミクス等の充填物を用いずに、安価
に付与することができるという効果を有する。
【0037】また、本発明によれば表面を薄い絶縁樹脂
で覆った金属粒子と他の充填物とを混在させることもで
きるので、樹脂の見かけの熱膨張率を変化させたい時に
は、樹脂と表面を薄い絶縁樹脂で覆った金属粒子と他の
充填物との混合比を最適にすることで最適な樹脂の見か
けの熱膨張率を得られ、樹脂の使用量も減らせるので伝
熱性樹脂としてのコストも下げられるという効果も有す
る。
【0038】さらに本発明によれば、半導体装置を構成
する半導体素子、基板配線、リードフレーム等の導伝部
材が前述の伝熱性樹脂によって覆われている構造とした
ので、高い熱伝導性と高い電気的な絶縁性を同時に持っ
た前述の伝熱性樹脂が、半導体素子からの発熱を効率良
く、しかも電気的な特性の劣化無しに外部環境との絶縁
がなされるという効果を有する。
【0039】本発明の構造をとれば半導体素子を覆う伝
熱性樹脂から直接放熱させることができるので、発熱部
の構造が複雑な複数の半導体素子を載置した半導体装置
や、基板の両面に半導体素子を載置した半導体装置で
も、複雑な放熱構造をとらなくとも、簡単にしかも、安
価に半導体装置の放熱構造形成することができるという
効果も有する。
【0040】さらに、本発明によれば半導体素子を覆う
伝熱性樹脂の外表面に凹凸部を設け、または伝熱性樹脂
に凹凸部を設けずに、伝熱性樹脂の外表面に放熱器を取
り付けるという放熱構造をとったため、更なる熱抵抗低
減を行うことが、容易におこなうことができるという効
果も有する。
【0041】なおかつ、本発明の伝熱性樹脂を用いた半
導体装置の製造方法によればディスペンサーもしくは既
存のトランスファーモールド型を用いることができるの
で、高価な専用型を必要とせず、安価にしかも、単納期
で高性能な放熱性を有する半導体装置を製造することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の伝熱性樹脂を示す模式拡大図。
【図2】本発明の伝熱性樹脂を示す模式拡大図。
【図3】本発明の伝熱性樹脂を用いた半導体装置の構造
図。
【図4】本発明の他の実施例を示す伝熱性樹脂を用いた
半導体装置の構造図。
【図5】本発明の他の実施例を示す伝熱性樹脂を用いた
半導体装置の構造図。
【図6】本発明の伝熱性樹脂を用いた半導体装置の放熱
構造の構造図。
【符号の説明】
1 ベースとなる樹脂 2 金属粒子 3 絶縁樹脂 4 充填物 5 半導体素子 6 伝熱性樹脂 7 ワイヤー 8 ボンディングパッド 9 配線パターン 10 基板 11 リードフレーム 12 伝熱性樹脂の凹凸部

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属粒子と前記金属粒子全面を覆う薄い
    絶縁樹脂から成る第1の充填物を充填したことを特徴と
    する伝熱性樹脂。
  2. 【請求項2】 金属粒子と前記金属粒子全面を覆う薄い
    絶縁樹脂から成る第1の充填物と第2の充填物とを充填
    したことを特徴とする伝熱性樹脂。
  3. 【請求項3】 前記伝熱性樹脂はエポキシ樹脂を主体と
    することを特徴とする請求項1記載の伝熱性樹脂。
  4. 【請求項4】 前記伝熱性樹脂はシリコーン樹脂を主体
    とすることを特徴とする請求項1記載の伝熱性樹脂。
  5. 【請求項5】 前記伝熱性樹脂はポリイミド樹脂を主体
    とすることを特徴とする請求項1記載の伝熱性樹脂。
  6. 【請求項6】 半導体素子と、前記半導体素子の固定部
    材と、前記半導体素子の電気的接続部材とが前記伝熱性
    樹脂によって覆われていることを特徴とする伝熱性樹脂
    を用いた半導体装置の構造。
  7. 【請求項7】 リードフレーム上にダイアタッチされた
    前記半導体素子と、前記半導体素子と電気的に接続され
    たリードフレームとが、前記伝熱性樹脂によって覆われ
    ていることを特徴とする請求項6記載の伝熱性樹脂を用
    いた半導体装置の構造。
  8. 【請求項8】 基板と、前記基板上にダイアタッチされ
    た半導体素子と、前記基板上に形成され前記半導体素子
    と電気的に接続されている配線パターンが、前記伝熱性
    樹脂によって覆われていることを特徴とする請求項6記
    載の伝熱性樹脂を用いた半導体装置の構造。
  9. 【請求項9】 リードフレーム上にダイアタッチされた
    基板と、前記基板上にダイアタッチされた半導体素子
    と、前記基板上に形成され前記半導体素子と前記リード
    フレームと電気的に接続されている配線パターンが、前
    記伝熱性樹脂によって覆われていることを特徴とする請
    求項6記載の伝熱性樹脂を用いた半導体装置の構造。
  10. 【請求項10】 前記半導体装置の構造中には、複数の
    半導体素子が、前記伝熱性樹脂によって覆われているこ
    とを特徴とする請求項6記載の伝熱性樹脂を用いた半導
    体装置の構造。
  11. 【請求項11】 前記半導体素子は、前記基板の両面に
    載置されていることを特徴とする請求項6記載の伝熱性
    樹脂を用いた半導体装置の構造。
  12. 【請求項12】 前記半導体素子と、前記半導体素子の
    固定部材と、前記半導体素子の電気的接続部材とが前記
    伝熱性樹脂によって覆われている半導体装置において、
    前記伝熱性樹脂に放熱器を具備したことを特徴とする伝
    熱性樹脂を用いた半導体装置の構造。
  13. 【請求項13】 前記放熱器は前記伝熱性樹脂自身を凹
    凸形状としたことを特徴とする請求項12記載の伝熱性
    樹脂を用いた半導体装置の構造。
  14. 【請求項14】 前記放熱器は前記伝熱性樹脂に前記放
    熱器を後付けしたことを特徴とする請求項12記載の伝
    熱性樹脂を用いた半導体装置の構造。
  15. 【請求項15】 前記半導体素子と、前記半導体素子の
    固定部材とを固定し、さらに前記半導体素子の電気的接
    続部材を電気的に接続した後、前記伝熱性樹脂をディス
    ペンサーまたはトランスファーモールドで覆う工程有す
    ることを特徴とする伝熱性樹脂を用いた半導体装置の製
    造方法。
JP31736892A 1992-11-26 1992-11-26 伝熱性樹脂、伝熱性樹脂を用いた半導体装置の構造および伝熱性樹脂を用いた半導体装置の製造方法 Pending JPH06163752A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2000072967A (ja) * 1998-08-26 2000-03-07 Matsushita Electric Works Ltd 熱伝導性シリコーンゴム組成物の製造方法及び熱伝導性シリコーンゴム組成物
US6040362A (en) * 1997-06-20 2000-03-21 Dow Corning Toray Silicone Co., Ltd. Heat-conducting polymer composition
JP2017152417A (ja) * 2016-02-22 2017-08-31 パナソニックIpマネジメント株式会社 チップ抵抗器
JP2017157767A (ja) * 2016-03-04 2017-09-07 パナソニックIpマネジメント株式会社 チップ抵抗器

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