JPH06159983A

JPH06159983A - 熱交換器

Info

Publication number: JPH06159983A
Application number: JP31224492A
Authority: JP
Inventors: Nobuhiro Wakabayashi; 信弘若林
Original assignee: Showa Aluminum Corp
Current assignee: Showa Aluminum Can Corp
Priority date: 1992-11-20
Filing date: 1992-11-20
Publication date: 1994-06-07

Abstract

(57)【要約】【構成】周壁に複数個の冷媒分散用孔９…が設けられ
た冷媒分散用管体５が、ヘッダー２内にその長さ方向に
沿って配置され、該分散用管体５が冷媒入口管７と連通
されている。【効果】冷媒入口管７を通じてヘッダー２内に流入さ
れた液冷媒が、各チューブ１…に均等して分配され、効
率良く熱交換が行われる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、蒸発器、凝縮器等の
各種用途に用いられるアルミニウム等の金属製の熱交換
器に関する。

【０００２】

【従来の技術】近時、例えばカークーラー用ないしはル
ームエアコン用の蒸発器ないしは凝縮器として、マルチ
フローないしはパラレルフローと称される熱交換器が、
これまでにない高熱交換性能、超コンパクト化等を実現
しうるものとして、好んで使用される傾向にある。

【０００３】この熱交換器は、第７図に示されるよう
に、並列状態に配置された複数本のチューブ（51）…の
端部に中空ヘッダー（52）が連通状態に接続されている
ものでもので、熱交換中、ヘッダー（52）に連通接続さ
れている冷媒入口管（53）を通じてヘッダー（52）内に
流入された冷媒が、該ヘッダー（52）内から各チューブ
（51）…に分配分流されるものとなされている。

【０００４】そして、従来のこの種の熱交換器では、上
記冷媒入口管（53）は、その基端部が、同図（イ）に示
されるようにヘッダー（52）の端面に連通接続される
か、あるいは、同図（ロ）に示されるようにヘッダー
（52）の端部側面に、ヘッダー（52）内に若干突出した
態様において、連通状態に接続されたものとなされてい
た。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記第
７図（イ）に示されるように入口管（53）をヘッダー
（52）の端面に接続した熱交換器では、該入口管（53）
を通じてヘッダー（52）内に導入された冷媒、例えば蒸
発器の場合には液冷媒が、ヘッダー（52）の入口管（5
3）側におけるよりもヘッダー（52）の内方他端側にお
いて多く集中する傾向を示すことがあり、そのため、ヘ
ッダー（52）の内方他端側に接続されているチューブ
（51）…には冷媒が相対的に多く流入されていく一方、
ヘッダー（52）の入口管（53）側に接続されているチュ
ーブ（51）…には冷媒が相対的に少なく流入されること
があり、冷媒が各チューブ…に均等に分流されず、効率
良い熱交換が行われないことがあるという問題があっ
た。上記熱交換器を例えば蒸発器として用いたような場
合には、ドライアウト発生による性能の低下という事態
の発生もあった。

【０００６】また、上記第７図（ロ）に示されるように
入口管（53）をヘッダー（52）の端部側面に接続した熱
交換器では、該入口管（53）を通じてヘッダー（52）内
に導入された冷媒が、ヘッダー（52）の内方他端側にお
けるよりもヘッダー（52）の入口管（53）側において多
く集中する傾向を示し、そのため、ヘッダー（52）の入
口管（53）側に接続されているチューブ（51）…には冷
媒が相対的に多く流入されていく一方、ヘッダー（52）
の内方他端側に接続されているチューブ（51）…には冷
媒が相対的に少なく流入されるという事態を生じ、この
場合も、冷媒が各チューブ…に均等に分流されず、同様
に効率良い熱交換が行われないという問題があった。

【０００７】この発明は、上記のような従来の欠点を解
消し、複数本のチューブが中空ヘッダーに連通状態に接
続された熱交換器において、熱交換媒体入口部を通じて
ヘッダー内に流入された熱交換媒体を各チューブに均等
化して分配流入せしめることができ、もって、熱交換性
能の向上を図ることができる熱交換器を提供することを
目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的において、この
発明は、並列状態に配置された複数本のチューブの端部
が中空ヘッダーに連通状態に接続されると共に、該ヘッ
ダーに熱交換媒体入口部が設けられた熱交換器におい
て、周壁に複数個の分散用孔が設けられた熱交換媒体分
散用の所定長さの管体が、前記ヘッダー内にチューブの
並列方向に向けられて配置され、かつ、該分散用管体が
前記熱交換媒体入口部と連通状態に接続されてなること
を特徴とする熱交換器を要旨とする。

【０００９】

【作用】上記構成の熱交換器では、熱交換媒体は、入口
部を通じて分散用の管体内に流入し、そこから、各分散
用孔を通じてヘッダー内に流入される。このような熱交
換媒体の流れ作用によって、熱交換媒体がヘッダー内に
分散状態に流入され、そのため、各チューブへの熱交換
媒体の分散が均等化され、効率よく熱交換が行われるよ
うになる。

【００１０】

【実施例】次に、本発明の熱交換器を、空気調和装置用
の蒸発器に適用した実施例について説明する。

【００１１】なお、本発明は、その他、凝縮器やラジエ
ーター等の各種熱交換器にも広く適用されうるものであ
ることはいうまでもない。要は、複数本のチューブが連
通状態に接続された中空ヘッダーを有する熱交換器であ
れば、本発明の適用は可能である。

【００１２】第６図に示される蒸発器において、（１）
…は熱交換用のチューブ、（２）（２）はヘッダー、
（３）は冷媒入口部、（４）は同出口部、（５）は冷媒
分散用管体、（６）はフィンである。

【００１３】チューブ（１）…は、第５図に示されるよ
うに、アルミニウム製の偏平な多孔押出型材によるもの
で、上下方向に向けられた状態で、左右方向に並列状態
をなして所定間隔おきに配置されている。

【００１４】ヘッダー（２）（２）は、第１図及び第６
図に示されるように、ヘッダーパイプ（2a）と、その両
端開口を塞ぐ蓋体（2b）（2b）とからなる。ヘッダーパ
イプ（2a）は、アルミニウムブレージングシートを円筒
状に成形してその側縁部同士を突き合わせた状態となし
たもので、該側縁部同士は一括ろう付けによりシール状
態に接合されている。蓋体（2b）（2b）は、アルミニウ
ム品でヘッダーパイプ（2a）の両端部に同じく一括ろう
付けによりシール状態に接合一体化されている。該ヘッ
ダー（２）は、上記チューブ（１）…群の上下両サイド
側に左右方向に向けられて配置され、その周側壁におい
て該チューブ（１）…群の端部に連通状態に接続されて
いる。

【００１５】冷媒入口部（３）は、下側ヘッダー（２）
の正面視左側の端面、即ち蓋体（2b）に設けられてお
り、該入口部（３）には、外部配管接続用のアルミニウ
ム製の冷媒入口管（７）が外方突出状態に連通接続され
ている。

【００１６】なお、冷媒出口部（４）は、上側ヘッダー
（２）の正面視右側の端面、即ち蓋体（2b）に設けられ
ており、該出口部（４）には、外部配管接続用の冷媒出
口管（８）が外方突出状態に連通接続されている。

【００１７】そして、冷媒分散用管体（５）は、第１図
に示されるように、上記入口管（７）の基端側を延長し
て形成されたもので、該ヘッダー（２）の内径よりも小
さい外径を有して、ヘッダー（２）内に、該ヘッダー
（２）と同一方向に延ばされてヘッダー（２）の他端部
近傍位置にまで達した状態に配されている。

【００１８】この管体（５）の内方先端部は閉塞され、
周側壁には、複数個の冷媒分散用孔（９）…が形成され
ている。従って、冷媒は、入口管（７）を通じて、該分
散用管体（５）内に流入され、各分散用孔（９）…を通
じて、ヘッダー（２）内に流入されることとなる。な
お、図示実施例では、該分散用孔（９）…は、分散用管
体（５）の長さ方向に均等に分布された状態に設けられ
ている。

【００１９】フィン（６）は、帯状のアルミニウムシー
トをその長さ方向に蛇行させると共に傾斜させるように
曲成して形成した特殊な傾斜タイプのコルゲートフィン
によるものである。そして、該フィン（６）は、上下方
向に蛇行していく態様の向きに向けられて各チューブ
（１）…間に配置され、一括ろう付けによりチューブ
（１）…に接合一体化されている。該配置状態におい
て、フィン（６）…は、第１図、第５図、第６図に示さ
れるように、その中間平面部（6a）が斜め方向に傾斜し
た状態となる。従って、蒸発器として作動させた場合に
チューブ（１）…間に発生した凝縮水は、フィン（６）
の傾斜平面部（6a）を傾斜方向下方に向かって流れてい
くことになる。そして、フィン（６）の傾斜方向下方側
に位置する各曲面部（6b）の幅方向の端部には、第５図
に示されるように、切込み（11）が形成され、上記のよ
うにして中間平面部（6a）を伝って流れていく凝縮水
を、該切込み部（11）を通じて、チューブ（１）の前縁
部又は後縁部に導き、効率良く凝縮水を排水しうるよう
になされている。

【００２０】そして、更に、フィン（６）の表面には、
図示しないが、フッ素系樹脂等による撥水性皮膜が形成
されており、フィン（６）…に付着している凝縮水がス
ムーズに流れうるようにされている。なお、この撥水性
皮膜の形成は、熱交換器組立体を一括ろう付けにより接
合一体化した後、これを処理槽内に浸漬する等の方法に
より行われうる。

【００２１】上記構成の蒸発器では、第１図に示される
ように、その作動中、入口管（７）に流入した液冷媒
は、まず、分散用管体（５）内に流入され、そして、該
管体（５）周壁の分散用孔（９）…を通じてヘッダー
（２）内に流入される。このような流れを経ることによ
って、液冷媒は、ヘッダー（２）内に偏りなく広く分散
され、各チューブ（１）…への液冷媒の分配が均等化さ
れて、ドライアウト等の発生なく効率良く熱交換が行わ
れる。

【００２２】また、上記蒸発器では、フィンとして傾斜
状にされたコルゲートフィン（６）…が用いられると共
に、上記のような態様に切込み（11）が形成され、か
つ、表面に撥水性の皮膜が形成されたものとなされてい
るから、熱交換中に発生した凝縮水が効率良く下方に排
出され、一層効率的に熱交換が行われる。

【００２３】第２図に示される実施例蒸発器は、冷媒分
散用の管体（５）の分散用孔（９）…が、冷媒入口部
（３）側において多数個密に、先端側において相対的に
少数個粗に分布形成されたものである。このような構成
により、分散用管体（５）内における液冷媒の分散の偏
りも修正されて、液冷媒が、管体（５）からその長さ方
向においてより一層均等化されてヘッダー（５）内に流
入されるようになり、その結果、各チューブ（１）…へ
の液冷媒の分配がより一層均等化されて、熱交換がより
一層効率的に行われうる。

【００２４】第３図に示される実施例蒸発器は、分散用
管体（５）の長さが短く形成されて、その先端がヘッダ
ー（２）内の長さ方向中央部ないし中間部に位置するも
のとなされている。また、分散用孔（９）…は、第１図
図示実施例の場合と同様に、長さ方向に均等分散分布状
態に設けられたものとなされている。この場合も、液冷
媒の流れが分散用管体（５）を経由したものとなること
によって、冷媒が、ヘッダー（２）内に長さ方向におい
て偏り少なく分散され、各チューブ（１）…への液冷媒
の分配が均等化されたものとなりうる。

【００２５】第４図に示される実施例蒸発器は、第３図
図示実施例の場合と同様に分散用管体（５）の長さが短
く形成されて、その先端がヘッダー（２）内の長さ方向
中央部ないし中間部に位置するものとなされている。そ
して、分散用孔（９）…が、第２図図示実施例の場合と
同様に、冷媒入口部（３）側において多数個密に、先端
側において相対的に少数個粗に分布形成されたものとな
されている。この場合も、同様に各チューブ（１）…へ
の液冷媒の分配が均等化して行われうる。

【００２６】以上に、この発明の実施例を説明したが、
ヘッダー（２）内における冷媒の流れ状態は、外部から
の冷媒の流入角度や、ヘッダー（２）内へのチューブ
（１）…の端部の突出長さ等のヘッダー（２）内の空間
形状等にも依存して種々の態様の偏りを示すことがある
ものである。従って、分散用管体（５）及び分散用孔
（９）…の設計は、これらの諸要素を考慮して各チュー
ブ（１）…への冷媒の分配が最も均等化しうるように、
なされるべきものであることはいうまでもない。従っ
て、例えば分散用孔（９）…の分布状態についていえ
ば、場合によっては、上記第２図及び第４図図示の実施
例とは逆の分布状態に設計される場合もありうるもので
ある。

【００２７】

【発明の効果】上述の次第で、この発明の熱交換器は、
周壁に複数個の分散用孔が設けられた熱交換媒体分散用
の所定長さの管体が、ヘッダー内にチューブの並列方向
に向けられて配置され、かつ、該分散用管体がヘッダー
の熱交換媒体入口部と連通状態に接続されたものである
から、熱交換媒体は分散用管体を経由してヘッダー内に
流入され、そのため、熱交換媒体がヘッダー内に偏り少
なく分散して流入され、その結果、各チューブへの熱交
換媒体の分配が均等化されて、熱交換性能を向上するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】一実施例にかかる蒸発器の一部を示す断面図で
ある。

【図２】他の実施例にかかる蒸発器の一部を示す断面図
である。

【図３】更に他の実施例にかかる蒸発器の一部を示す断
面図である。

【図４】更に他の実施例にかかる蒸発器の一部を示す断
面図である。

【図５】チューブ間に配置されたコルゲートフィンを示
す斜視図である。

【図６】図１に示す蒸発器の全体構成を示すもので、図
（イ）は正面図、図（ロ）は側面図である。

【図７】図（イ）（ロ）はそれぞれ従来例にかかる蒸発
器の一部を示す断面図である。

【符号の説明】

１…チューブ２…ヘッダー３…冷媒入口部５…分散用管体９…分散用孔

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】並列状態に配置された複数本のチューブ
の端部が中空ヘッダーに連通状態に接続されると共に、
該ヘッダーに熱交換媒体入口部が設けられた熱交換器に
おいて、周壁に複数個の分散用孔が設けられた熱交換媒体分散用
の所定長さの管体が、前記ヘッダー内にチューブの並列
方向に向けられて配置され、かつ、該分散用管体が前記
熱交換媒体入口部と連通状態に接続されてなることを特
徴とする熱交換器。