JPH0615863Y2 - 容器連結用枠体 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ア．産業上の利用分野 本考案は小形容器に入った食品を２個、３個、４個ある
いは更に数多く連結して一つの単位として販売するため
の枠体に関するものである。本考案の枠体が対象とする
容器は、口部外周に延びたフランジを有するカップ状の
ものであり、容器胴体の大きさ、形状及びフランジの幅
に合わせて枠体を成形し、枠体に容器を挿入して固定す
ることにより、もって容器を一体に連結するためのもの
である。

イ．従来技術及びその問題点 本考案が対象とする小形容器として、プリン、ゼリー、
ヨーグルトその他の食品を収容したものが市場で見られ
るが、これらの商品は個々の販売価格が小さいことある
いは消費者のまとめ買いの便に供するため、２個、３
個、４個あるいは更に数多く連結して販売されている。
第１図−Ｉ〜IIIが現在市場で見られる容器連結の形態
である。

第１図−Ｉは小形プラスチック容器にプリン等の食品を
収容し厚地のあて紙の上に容器を数個置き、シュリンク
フイルムで一体に包装したものである。第１図−IIはＩ
と同様な容器を紙の箱体にいれ、一部を表出したもので
ある。第１図−IIIはＩ、IIと若干異なるが、フランジ
部を厚地のプラスチックで共通にし、個々の容器を切り
離すためのミシン目を入れたものである。

上記第１図−Ｉ〜IIIに示した従来技術は、いずれも欠
点を有する。シュリンクフイルムで包装したものは、フ
イルムの透明度に問題の有るもの、フイルムが光りを反
射して見ずらいもの、容器の隅や角でフイルムが破れた
り皺ができたりするもの、あるいは湿気でフイルムの表
面に曇りを生じる等により商品の外観が損なわれる。紙
箱に入れたものにあっては、商品容器の意匠や表示の一
部しか表出していないこと、紙箱は歪みへこみ等しやす
いこと、湿気に弱いこと等の欠点を有する。フランジ部
を共通にし連結したものにあっては、ミシン目の部分で
折り欠いて個々の容器に分離するが、折り欠いた部分が
鋭いエッジとなり指を怪我しやすいこと、また分離した
個々の容器の形状、外観があまりよくない等の欠点を有
する。

ウ．問題点を解決するための手段及び作用 本考案はこのような従来技術に見られる欠点のないもの
である。以下に本考案を図面に従い説明する。

本考案の枠体が対象とする容器Ａは、第２図−１〜IIに
示すとおり、小形のカップ状のものであり、口部には蓋
材をシールするためのフランジを有し、フランジは容器
の口部から外周に張り出した形状のものである。容器胴
体の形状は必ずしも円形である必要はなく、第２図−II
に見られる通り一部に鋭角をなす稜線を有するものであ
ってもよく、要は定形をなし容器の胴体外周の形状に合
わせて枠体を成形できるものであればよい。枠体の材質
はポリスチレン、ポリプロピレン等のやや硬質で弾性を
有する合成樹脂であって、連結する容器の数、重量、形
状等に合わせて材質の選択を適宜おこなう。

請求項１の考案 本考案は容器を横並びに連結するための枠体に関するも
のである。枠体の構成は、第３図−Ｉ〜IIに示すとおり
容器の外周の形状及びフランジ部の幅に合わせて成形さ
れたリング体１と、リング体とリング体とを連結する連
結板２があり、更に連結板の裏面中央にあって、短く垂
下した止め板３、及び連結板裏面のいずれかの端部にあ
って止め板３より同じ位かやや短く垂下したテープ止め
板４を設ける。テープ止め板４は第５図に示すように止
め板３の基部に末端を貼着した粘着テープＢを連結板の
端部から表面に回し、一巻きして止め板でテープの末端
を固く貼着するものであって、固定と位置決めの役割を
果たすものである。粘着テープＢの横幅は第６図に示す
とおり、枠体表面において容器の蓋外周部（シール部）
と連結板の両者を充分表面において貼着できる幅とす
る。リング体１の構造は第４図−IIに示すとおりであ
る。リング体頂面の幅は容器のフランジ部が外周に伸び
た長さに略等しく、深さは容器胴体の側壁に密接するご
とく垂下した内壁として成形される。

本考案の枠体を使用するには、容器Ａをリング体の上方
より挿入し、容器のフランジ部と容器胴体の側壁をリン
グ体１と止め板３で支保し、それを粘着テープＢで容器
蓋外周部と連結板を貼着固定すればよい。リング体の内
壁と止め板が容器胴体に密着し、プラスチックのもつ摩
擦と弾性により容器を安定に支保し、粘着テープにより
更に容器が枠体から離脱しないよう固定するものであ
る。枠体から容器を個別に取り出すには、粘着テープを
はがし、枠体に指をかけ、容器を下から押し上げ枠体か
らはずせばよい。

請求項２の考案 請求項１の考案が容器を横並びに連結する枠体に関する
ものであるのに対し、本考案は第７図−Ｉ〜IIIに示す
とおり、一個の連結板２を中心にして周囲の３個、４
個、５個等と数個の容器を連結する枠体に関するもので
ある。

本考案が対象とする容器は請求項１の容器と同じであ
る。リング体１の構造は、第８図に示すとおりであっ
て、リング体頂面の幅は容器のフランジ部の外周に伸び
た長さに略等しく、深さは容器胴体の側壁に密接するご
とく短く垂下した内壁として成形される。請求項１と大
きく異なっているのは連結板２であり、第７図−Ｉ〜II
に示すとおり、一個の連結板で３個以上数個のリング体
と接することのできる位置、即ち枠体の中心になるよう
設ける。形状は上面から見ると円形ないし略円形であ
る。連結板の上面は、リング体に容器のフランジを載せ
たとき、フランジ部と略平面となる高さに成形する。こ
れにより粘着テープで貼着固定が容易となる。連結板
は、第８図に示すとおり、相対するリング体の側壁に密
接し、側壁より若干深く垂下した円柱形状をなし、連結
板を中心とした周囲の３個以上の容器の連結したとき、
重さと歪みに耐えて容器を支保するための構造として成
形される。枠体に容器を固定するには、第７図−III、
第９図に示すとおり、連結板２の上面で連結板及び容器
蓋外周部が充分に貼着される大きさの円形粘着テープで
貼着固定する。枠体から容器を取り出すには、請求項１
の場合と同様にテープをはがし枠体を指で押さえ、下か
ら容器を押し上げればよい。

エ．考案の効果 本考案の枠体によれば、テープ等で隠れる極一部を除け
ば、容器の外観はそのまま表出し、容器の形状、意匠、
デザイン、表示等そのまま見ることができる。また連結
した形状そのものが一個の意匠となり、単一の容器では
見ることのできない華やかな外観を表出するものであ
り、商業的には極めて利用価値の高い考案であった。

【図面の簡単な説明】

第１図−Ｉ、II、III……従来技術による連結容器の形
態 第２図−Ｉ、II……本考案の対象となる容器の形状 第３図−Ｉ……枠体の上面図 第３図−II……枠体の裏面図 第４図−Ｉ……第３図−ＩのＡ−Ａ′線断面図 第４図−II……第３図−ＩのＢ−Ｂ′線断面図 第５図……粘着テープの貼着状態を示す断面図 第６図……請求項１の枠体を用いて容器を連結した状態
を示す斜視図 第７図−Ｉ……本枠体の３連結の上面図 第７図−II……本枠体の４連結の上面図 第７図−III……粘着テープの貼着状態を示した本枠体
の４連結の上面図 第８図……第７図−IIのＡ−Ａ′線断面図 第９図……請求項２の枠体を用いて容器を連結した状態
を示す斜視図 １．……リング体 ２．……連結板 ３．……止め板 ４．……テープ止め板 Ａ．……容器 Ｂ．……粘着テープ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】連結する容器の胴体外周と同形で容器を挿
   入密着できる形状であって、頂面は容器口部の外周に延
   びたフランジの幅に略等しく、容器胴体の側壁に密接す
   るがごとく垂下した内壁をもって成形されたリング体１
   と、２個以上のリング体どうしを横に連結するための連
   結板２と、連結板裏面中央から短く垂下して容器側壁に
   密接する止め板３、及び連結板の裏面端部のいずれかよ
   り短く垂下したテープ止め板４よりなる合成樹脂製の容
   器連結用枠体。
2. 【請求項２】連結する容器の胴体外周と同形で容器を挿
   入密着できる形状であって、頂面は容器口部の外周に延
   びたフランジの幅と略等しく、容器胴体の側面に密接す
   るごとく垂下した内壁を持って成形されたリング体１
   と、枠体の中心にあって、周囲に３個以上のリング体を
   連結するための、円柱状の連結板２よりなる合成樹脂製
   の容器連結用枠体。