JPH06155050A - 連続熱延によるチタンクラッド鋼板の製造方法 - Google Patents

連続熱延によるチタンクラッド鋼板の製造方法

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JPH06155050A JP31910592A JP31910592A JPH06155050A JP H06155050 A JPH06155050 A JP H06155050A JP 31910592 A JP31910592 A JP 31910592A JP 31910592 A JP31910592 A JP 31910592A JP H06155050 A JPH06155050 A JP H06155050A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 接合強度の高いチタンクラッド鋼板の製造方
法。 【構成】 母材が鋼、合せ材がチタンまたはチタン合金
で、母材と合せ材の間に中間媒接材を挟んだチタンクラ
ッド組立スラブを、複数回の連続熱延によって熱間圧延
鋼板とする製造工程において、捲取り温度を450℃以
上750℃以下とする連続熱延によるチタンクラッド鋼
板の製造方法。さらに中間媒接材を銅または銅を30%
以上含有する銅合金とし、850℃超1000℃以下の
温度で、10%以上の圧下率で少なくとも1パス圧下し
て、溶融したチタンと銅の金属間化合物ないし合金層を
絞り出し、かつ捲取り温度を450℃以上750℃以下
とするチタンクラッド鋼板の連続熱延による製造方法。 【効果】 操業の容易な高温捲取りに比べて、界面の金
属間化合物の成長が抑制されているため、界面の接合強
度の高いチタンクラッド鋼板が製造可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、チタンクラッド鋼板の
連続熱延による製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鋼は、安価で良好な機械的、熱的、電気
的特性を有しているため、古くから非常に広い用途に使
用されてきた。しかし、鋼にはそのまま使用すると短時
間で錆びたり腐食したりするという致命的な欠点があ
る。一方チタンは、鋼に比べると著しく耐食性が優れて
いるので、腐食や防錆の問題は解決するが、他の特性、
例えば熱伝導性などは鋼とはかなり異なった特性を示す
ために、チタンで完全に代替することは必ずしも容易で
はないのである。さらに、チタンは鋼に比べると著しく
高価であるために、資源的、経済的にも困難といわざる
を得ないのが実情である。
【0003】これらの問題を解決する方法として、表面
をチタン、中心部を鋼としたクラッド鋼が使用されてい
る。クラッド鋼は、母材に目的とする特性に合致した炭
素鋼ないしステンレス鋼を利用し、表面に耐食性の優れ
たチタンを用いることで、優れた耐食性を有しかつ目的
とする特性を満足する材料が得られるために、熱交換機
などの化学装置では広く利用されている。
【0004】いわゆるクラッド鋼板の製造方法には大き
く分けて2種類がある。すなわち、溶鋼レベルで複合化
を行なういわゆる鋳包み法と固相レベルで接合させる方
法である。チタンクラッド鋼の場合、チタンと鋼の界面
に脆いFe−Ti金属間化合物やTiCなどの層が厚く
生成すると界面で剥離しやすくなる。従って、溶鋼レベ
ルで行なう鋳包み法は適用できず、固相レベルでの接合
が採用されている。中でも爆着による方法は、中間媒接
材を使用せずしかも接合強度に対して信頼性が高いこと
から、現在最も広く使用されている方法である。しか
し、爆着法は強力な爆発の力を利用するために、どこで
も実施が可能というわけにはいかず、通常人里離れた山
中などで行なわざるを得ない。しかも、大量生産には不
向きであることなどから非常に高価な材料である。ま
た、爆着法ではサイズも限定され特に薄板の製造は困難
である。
【0005】圧接による方法は、生産性が高く板厚が比
較的自由にとれることや従来の製造工程が適用できるこ
となどから爆着法に比べて有利な方法である。しかし、
圧接による方法では接合界面に金属間化合物などの脆い
層が生成する可能性が非常に高い上に、界面に酸化物な
どが存在すると接合が不可能になる。特に熱間圧接の場
合、拡散速度や酸化速度がはやいので、これらの危険性
は高くなる。
【0006】界面の脆い中間層の生成を抑制して接合さ
せる方法として、特開昭62−6783号公報には熱延
加熱条件の限定が、また例えば特開昭55−48468
号、特開昭57−109588号、特開昭57−112
985号や特開昭57−192256号の各公報には、
クラッド界面に純鉄やニッケル、銅などの板ないし箔を
中間媒接材として挟み込む方法が提案されている。
【0007】一方接合界面の酸化を防止するには、少な
くとも合せ面を真空にしたり不活性雰囲気にする以外に
適切な方法がない。例えば特開昭57−109588号
公報には環境を1Torr以下の真空にすることを必須条件
としている。このために、コストの低下をはかることが
できず、安価であるというクラッド鋼の特徴を生かすこ
とが必ずしも容易ではない状況にある。従って、通常チ
タンクラッド鋼板は厚板として、チタンの耐食性が不可
欠な化学反応装置などに利用されているに過ぎない。
【0008】ステンレス鋼などのクラッド鋼板の場合、
合せ面を溶接してから圧延などを行なう方法も提案され
ているが、チタンクラッド鋼板の場合はFe−Tiの金
属間化合物が生成して適用することはできない。
【0009】このほかに、接合界面の酸化を防止する方
法として、特開昭57−112985号公報ではフラッ
クスで界面を覆うことを提案している。しかし、特殊な
設備が必要であることからやはりコスト低下には到らな
い。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】これに対して本発明者
らは、チタンと銅の金属間化合物を積極的に利用し真空
を不要とするチタンクラッド薄鋼板の製造方法を発明し
た(特開平01−122677号公報参照)。この結
果、従来の厚板のチタンクラッド鋼板に比べて飛躍的に
コストの低いチタンクラッド薄鋼板の製造が可能になっ
たのである。しかし、以上の方法を適用し熱延によりチ
タンクラッド鋼の薄板を製造した場合、本発明者らが前
に発明した、チタンと銅の金属間化合物を積極的に利用
し真空を不要とするチタンクラッド薄鋼板の製造方法で
も、界面を真空にし中間媒接材を使用しない組立スラブ
を圧延する従来の考え方に基づく方法によっても、製造
したクラッド鋼板の接合面の剥離強度が劣り、例えばシ
ャーで切断した際に接合面が容易に剥離する場合があっ
た。
【0011】本発明は、以上の問題を解決すべく、安定
して剥離強度の高いチタンクラッド薄鋼板の連続熱延に
よる製造方法を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、チタンク
ラッド鋼板をシャー切断したところ破断面で剥離開孔す
るものとしないものがあることを見出した。そしてシャ
ー切断で剥離開孔するチタンクラッド鋼板の剥離状況を
詳細に観察した結果、剥離した合せ板のチタン板が剥が
れる方向に反っていることを発見した。すなわち、シャ
ーで剥離しやすいものは、接合面に剥離方向の応力が残
留していることを認めたのである。
【0013】この残留応力は、熱延工程で変形能の異な
るチタンと鋼を同量変形させたために生じた歪、および
熱膨張率の異なるチタンと鋼を高温から一体で冷却した
ために生じた熱歪であることは容易に推測される。しか
るに、残留応力に及ぼす熱延条件の影響を検討したとこ
ろ、最終圧延温度や圧下率などの熱延条件よりも、捲取
り温度の影響が強いことが判明した。この理由は、熱延
後の捲取り処理は材料に対してほぼその温度での保定を
行なったのと同じ影響があるので、捲取り後の徐冷が歪
とり焼鈍と同じこととなって、圧下時に生じた歪や高温
側で生じた熱歪が緩和されるためであると考えた。本発
明は、以上の知見に基づいてなされたものである。
【0014】接合界面の剥離強度を向上させるために
は、界面の残留応力を極力低減するとともに、できれば
応力の方向を剥離方向から接合方向に変えることが考え
られたのである。そこで、実験室的に製造したチタンク
ラッド鋼板を用いて、接合界面の残留応力の大きさおよ
び方向に及ぼす捲取り相当の熱処理温度の影響を検討し
た。実験は、実験室的に827℃で最終圧延後急冷して
切板状で製造したチタンクラッド鋼板(チタン厚0.5
mm、全厚2.5mm)を幅20mm×長さ120mmに切断
し、捲取り温度を想定した種々の温度に1h加熱保定し
空冷する方法で行なった。しかる後、先端の20mmをシ
ャー切断し、その際わずかに剥離開孔した接合界面にた
がねを打込み、合せ材のチタン板を完全に剥がし取っ
た。シャー切断で剥離開孔しないものは、コーナー部分
を曲げ戻しして強制的に剥離させ、同様に剥がし取っ
た。残留応力は、剥がし取りカールしているチタン板を
端部から30mmの長さまで平面に押え込み、残った70
mm長さの自由部分の反りが押え込んだ面からどの程度離
れているかを測定し評価した。
【0015】図1に、反り高さに及ぼす熱処理温度の影
響を示した。反りの方向は保定の有無にかかわらずいず
れも剥離方向であった。反りの高さは、高温保定ほど低
下し、約800℃ではほぼ0となった。逆に400℃以
下では、加熱保定しない場合と変わらず歪取り効果がな
かった。以上の結果から、捲取り温度は少なくとも40
0℃を超えるのが望ましいことが判明した。
【0016】一方、捲取り処理が高温になると、界面の
金属間化合物層が成長して接合強度そのものが低下する
危険性がある。図2は、捲取りを想定した熱処理後の金
属間化合物の厚さに及ぼす熱処理温度の影響を示した図
である。金属間化合物の厚さは、切断面を樹脂に埋め込
み、ナイタールによる腐食で変色した部分の最大厚さと
最少厚さを測定し、その平均とした。1hの保定をした
熱処理では、800℃以上で金属間化合物の大きな成長
が認められ、その程度は温度が高いほど大きかった。し
かし、750℃以下ではほとんど成長が認められなかっ
た。
【0017】本発明は、以上の知見に基づいてなされた
ものである。すなわち本発明は、(1)母材が鋼、合せ
材がチタンまたはチタン合金であるチタンクラッド組立
スラブを、複数回の連続熱延によって熱間圧延鋼板とす
る製造工程において、捲取り温度を450℃以上750
℃以下とするチタンクラッド鋼板の連続熱延による製造
方法である。上記本発明は、チタンと鋼の界面に純鉄や
ニッケルなどの中間媒接材を挟んだ方法でも、あるいは
本発明者らの発明し特願昭62−277826号公報に
示したチタンと銅の金属間化合物を積極的に利用して真
空を不要としたチタンクラッド薄鋼板の製造方法でも同
じ効果が得られる。すなわち、第2および第3の発明
は、(2)母材が鋼、合せ材がチタンまたはチタン合金
で、母材と合せ材の間に中間媒接材を挟んだチタンクラ
ッド組立スラブを、複数回の連続熱延によって熱間圧延
鋼板とする製造工程において、捲取り温度を450℃以
上750℃以下とするチタンクラッド鋼板の連続熱延に
よる製造方法であり、(3)母材が鋼、合せ材がチタン
またはチタン合金で、母材と合せ材の間に中間媒接材と
して銅または銅を30%以上含有する銅合金を挟んだチ
タンクラッド組立スラブを、複数回の連続熱延によって
熱間圧延鋼板とする製造工程において、850℃超10
00℃以下の温度で、10%以上の圧下率で少なくとも
1パス圧下して、溶融したチタンと銅の金属間化合物な
いし合金層を絞り出し、かつ捲取り温度を450℃以上
750℃以下とするチタンクラッド鋼板の連続熱延によ
る製造方法である。また、本発明を有効に実施するに
は、その装置は従来チタンクラッド鋼の製造に用いられ
ていたリバース型の熱延機より、炭素鋼などのコイルの
熱間圧延に利用されている連続熱間圧延機の方が適して
いる。すなわち、本発明は複数回の圧下を1台ないし複
数台の粗圧延機および複数台の仕上げ圧延機からなる連
続熱間圧延機で行なうことで最も効果が発揮される。す
なわち、第4の発明は、(4)前項(1),(2)およ
び(3)のそれぞれにおいて、複数回の圧下を1台ない
し複数台の粗圧延機および複数台の仕上げ圧延機からな
る連続熱間圧延機で行なうチタンクラッド鋼板の連続熱
延による製造方法である。上記第4の発明にかかる連続
熱間圧延機は、1台ないし複数台の粗圧延機および複数
台の仕上げ圧延機以外に、1台ないし複数台の中間圧延
機やデスケール用の軽圧下装置などが付属するものも含
むものである。
【0018】次に、本発明の限定条件を説明する。捲取
り温度は、図1の結果から歪の緩和効果のある450℃
を下限とした。また、図2から金属間化合物の成長がほ
とんど認められない750℃を上限とした。第3の発明
において、中間媒接材として使用する銅または銅合金
は、合せ材のチタンと相互拡散して固相反応を起こし金
属間化合物となる必要があるので、銅の含有率が30%
以上とした。
【0019】圧下によって溶融した中間層を端部より絞
り出すためには、中間層が溶融している必要があるの
で、チタンと銅の合金の溶融している温度域すなわち8
50℃を超える温度で圧下を加えることを限定した。し
かし、接合の温度が高すぎるとチタンと銅の固相反応が
進行しすぎてチタンの厚さが低下するのみならず、溶融
層の粘度が低下して接合せずに滑りを生ずるために、上
限温度を1000℃とした。この圧下は、1パスでも十
分に目的に達せられるし、2パス以上となっても障害が
ないが、加えないと接合しなかったり例え接合してもク
ラッド鋼としての十分な品質が得られないので、1パス
以上の圧下を加えることと限定した。また、850℃超
1000℃以下の温度での圧下の圧下率は、10%未満
では溶融した中間媒接材の絞り出しが不十分なため、1
0%以上で圧下することに限定した。
【0020】
【作用】以上示したとおり、熱延鋼板の捲取り温度を適
切に限定することで界面の残留応力を低下させ、その結
果接合界面の剥離強度を向上させることに成功した。こ
の結果、安定した品質のチタンクラッド鋼の薄鋼板を通
常の鋼と同じ設備工程で製造することが可能となった。
さらに、連続熱間圧延機を用いて安定した品質のチタン
クラッド鋼の薄鋼板を製造することも可能となった。本
発明によるチタンクラッド鋼は、界面の金属間化合物層
も急冷した場合と大差なく、しかも界面の残留応力が低
いレベルに緩和されているために、クラッド薄鋼板とし
ての品質の劣化は認められなかった。また、薄鋼板とし
ての加工性(曲げ性)は、ほぼ溶融亜鉛めっき材並みの
特性を有していた。
【0021】
【実施例】
〔実施例1〕合せ材としての6.0mm厚のJIS 2種
の純チタン板を、母材として0.12%のCおよび0.
05%のTiを含有する50mm厚の炭素鋼鋳片とサンド
イッチ状に重ね、さらにチタンの上からAl2 3 +Z
rO2 系分離材を介して同じ組合せのチタンおよび炭素
鋼を上下対称に重ね、端面および側面に12mm厚の母材
と同じ成分組成の鋼板を挟み、かつ内部を真空にして端
面および側面を溶接し固定した。次いで、この組立スラ
ブを950℃に加熱し、14パスで板厚6mmまで圧下
し、最終圧下後のホットランテーブル上で冷却水を制御
し、380〜786℃の間の4水準の温度域で捲取っ
た。その後、Al2 3 +ZrO2 系分離材の部分で上
下に分離し3mmの熱延コイルとした。この熱延板をシャ
ー切断した際、接合界面の剥離の有無を表1(No.1〜
4)に示した。捲取り温度が450℃以上750℃以下
のコイルは、シャー切断したところ破断面には剥離開孔
が見られなかった。しかし、777〜786℃の捲取り
材では、界面の金属間化合物層が厚くなって剥離開孔し
た。380〜395℃捲取り材では、界面の金属間化合
物層の肥厚化は認められなかったが、合せ材のチタン板
が反り返るような形で剥離開孔した。
【0022】〔実施例2〕合せ材としての6.0mm厚の
JIS 2種の純チタン板と、中間媒接材として99.
9%以上の純度を持つ0.2mm厚の純鉄板を介在させ、
母材として0.07%のCを含有する55mm厚の炭素鋼
鋳片とをサンドイッチ状に重ね、さらにチタンの上から
Al2 3 +ZrO2 系分離材を介して同じ組合せのチ
タンおよび炭素鋼を上下対称に重ね、端面および側面に
12mm厚の母材と同じ成分組成の鋼板を挟み、かつ内部
を真空にして端面および側面を溶接し固定した。次い
で、この組立スラブを950℃に加熱し、12パスで板
厚7mmまで圧下し、最終圧下後のホットランテーブル上
で冷却水を制御し、415〜808℃の間の4水準の温
度域で捲取った。その後、Al2 3 +ZrO2 系分離
材の部分で上下に分離し3.5mmの熱延コイルとした。
この熱延板をシャー切断した際、接合界面の剥離の有無
を表1(No.5〜8)に示した。捲取り温度が450℃
以上750℃以下のコイルは、シャー切断したところ破
断面には剥離開孔が見られなかった。しかし、797〜
808℃の捲取り材では、界面の金属間化合物層が厚く
なって剥離開孔した。415〜427℃捲取り材では、
界面の金属間化合物層の肥厚化は認められなかったが、
合せ材のチタン板が反り返るような形で剥離開孔した。
【0023】〔実施例3〕合せ材としての7.0mm厚の
JIS 1種の純チタン板と、中間媒接材として99.
9%以上の純度を持つ1.0mm厚の銅板を介在させ、母
材として0.12%のCを含有する55mm厚の炭素鋼鋳
片とをサンドイッチ状に重ね、さらにチタンの上からA
2 3 +ZrO2 系分離材を介して同じ組合せのチタ
ン、銅および炭素鋼を上下対称に重ね、端面および側面
に16mm厚の母材と同じ成分組成の鋼板を挟み、大気中
で端面および側面を溶接し固定した。この際、端面溶接
の一部に空気抜きの穴を設けた。次いで、この組立スラ
ブを900℃に加熱し、粗圧延機が1台、仕上げ圧延機
が6台の連続熱延機を用いて、850℃までに20〜2
5%の圧下を3パス加えて溶融したチタンと銅の金属間
化合物ないし合金層を絞り出し、合計16パスで板厚5
mmまで圧下した。さらに、最終圧下後のホットランテー
ブル上で冷却水を制御し、407〜775℃の間の4水
準の温度域で捲取った。その後、Al2 3 +ZrO2
系分離材の部分で上下に分離し2.5mmの熱延コイルと
した。この熱延板をシャー切断した際、接合界面の剥離
の有無を表1(No.9〜12)に示した。捲取り温度が
450℃以上750℃以下のコイルは、シャー切断した
ところ破断面には剥離開孔が見られなかった。しかし、
769〜775℃の捲取り材では、界面の金属間化合物
層が厚くなって剥離開孔した。407〜420℃捲取り
材では、界面の金属間化合物層の肥厚化は認められなか
ったが、合せ材のチタン板が反り返るような形で剥離開
孔した。
【0024】
【表1】
【0025】
【発明の効果】本発明により、特殊な工程や設備を必要
とせず、通常の鋼製造設備や工程をそのまま利用してチ
タンクラッド鋼薄板を量産することが可能となった。こ
の結果、チタンクラッド鋼薄板が工業的に実用可能とな
り、しかもコスト的には従来の厚板から予想される価格
よりもはるかに安価になるので、チタンの優れた耐食性
を低コストで享受することができ、資源的、経済的な利
益は大きいものである。また、本発明により量産される
チタンクラッド鋼薄板は、従来の厚板と異なりチタン層
の厚さが薄いために、使用時の注意や取扱要領がクラッ
ド材と認識するよりめっき材料と考えた方が適切となる
ため、従来の特殊な用途や苛酷な腐食環境以外にも多く
の分野で使用可能となる。この結果、種々の工業設計に
おいて、材料選択の幅を拡大せしめることで設計が容易
になるなど、工業的、社会的利益は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実験室製造のチタンクラッド鋼板のチタン板を
剥離した際の長さ70mmにおける反り高さに及ぼす捲取
り想定温度の影響を示した図である。
【図2】捲取りを想定した熱処理の前後での金属間化合
物の厚さの変化に及ぼす熱処理温度の影響を示した図で
ある。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 母材が鋼、合せ材がチタンまたはチタン
    合金であるチタンクラッド組立スラブを、複数回の連続
    熱延によって熱間圧延鋼板とする製造工程において、捲
    取り温度を450℃以上750℃以下とすることを特徴
    とする連続熱延によるチタンクラッド鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 母材が鋼、合せ材がチタンまたはチタン
    合金で、母材と合せ材の間に中間媒接材を挟んだチタン
    クラッド組立スラブを、複数回の連続熱延によって熱間
    圧延鋼板とする製造工程において、捲取り温度を450
    ℃以上750℃以下とすることを特徴とする連続熱延に
    よるチタンクラッド鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】 母材が鋼、合せ材がチタンまたはチタン
    合金で、母材と合せ材の間に中間媒接材として銅または
    銅を30%以上含有する銅合金を挟んだチタンクラッド
    組立スラブを、複数回の連続熱延によって熱間圧延鋼板
    とする製造工程において、850℃超1000℃以下の
    温度で、10%以上の圧下率で少なくとも1パス圧下し
    て、溶融したチタンと銅の金属間化合物ないし合金層を
    絞り出し、かつ捲取り温度を450℃以上750℃以下
    とすることを特徴とするチタンクラッド鋼板の連続熱延
    による製造方法。
  4. 【請求項4】 複数回の圧下を1台ないし複数台の粗圧
    延機および複数台の仕上げ圧延機からなる連続熱間圧延
    機で行なうことを特徴とする請求項1,2あるいは3の
    それぞれに記載のチタンクラッド鋼板の連続熱延による
    製造方法。
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