JPH06145997A - 無電解金めっき液 - Google Patents

無電解金めっき液

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JPH06145997A
JPH06145997A JP34965392A JP34965392A JPH06145997A JP H06145997 A JPH06145997 A JP H06145997A JP 34965392 A JP34965392 A JP 34965392A JP 34965392 A JP34965392 A JP 34965392A JP H06145997 A JPH06145997 A JP H06145997A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (a)金源しての塩化金(III)酸又はそ
の塩もしくは亜硫酸又はチオ硫酸の金(I)錯塩、
(b)亜硫酸又はチオ硫酸のアルカリ金属塩又はアンモ
ニウム塩、(c)アスコルビン酸又はその塩及び(d)
pH緩衝剤を組成成分として含有する水溶液よりなる無
電解金めっき液において、(e)2−メルカプトベンゾ
チアゾール、6−エトキシ−2−メルカプトベンゾチア
ゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メル
カプトベンゾオキサゾールもしくはこれらの塩から選択
された化合物とあるいはこれにさらに(f)アルキルア
ミン化合物を含有せしめた無電解金めっき液。 【効果】 建浴後の保存状態及び使用状態において、浴
中の沈殿物生成を防止し、めっき浴を安定状態で長期間
にわたり使用することができ、また、めっき速度が著し
く速く、高浴負荷においてもめっき速度が低下しないと
いう特性を有し、短時間で大量の対象物に対しめっき処
理を行うことができ、また、短時間に厚めっきを行うこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金源として塩化金(I
II)酸又はその塩もしくは亜硫酸又はチオ硫酸の金
(I)錯塩を用いた無電解金めっき液に関する。
【0002】
【背景技術】無電解金めっき法は、その優れた機能特性
から複雑な微細回路やリードのとりにくい孤立した部分
等へのめっきが必要とされる電子工業分野において幅広
く利用されている。従来、一般に使用されている無電解
金めっき液としては、金(I)イオンの錯化剤として毒
性の強いシアン化合物を含んだものが用いられており、
これを、高温度、強アルカリ条件で使用するのが通例で
あった。そのため前述した如き用途に用いる場合におい
ては、回路のマスキングに用いたレジストが剥離すると
か、あるいは、アルカリによりセラミック基板素地が侵
蝕される等の問題がおこり、また、シアン化合物を含有
する無電解金めっき浴は非常に毒性が高く、取り扱いや
保管上及び管理上の問題があり、さらに実作業環境の安
全性や廃液処理の経済面についての問題が存在してい
た。
【0003】他方、シアン化合物を用いない金めっき液
としては、代表的なものとして金源に塩化金(III)
酸を用いた金めっき液が知られている(例えば、米国特
許4142902、英国特許2114159参照)。こ
の塩化金(III)酸塩を用いた金めっき液は、塩化金
(III)酸塩と組成成分の亜硫酸又はチオ硫酸の塩と
がそれらの金錯塩を形成するとされているもので、シア
ン化合物を用いないめっき液として実用化されている。
【0004】本発明者らは、先に、上記塩化金(II
I)酸を金源とする無電解金めっき液の改良として、還
元成分としてアスコルビン酸を用いた金めっき液を提供
した(特開平1−191782号公報参照)。この無電
解金めっき液は、塩化金(III)酸又はその塩、亜硫
酸又はチオ硫酸のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩、
アスコルビン酸又はその塩を組成成分とするもので、低
温度ならびに中性付近のpH条件で実用的なめっき速度
が得られ、また、セラミック基板を侵すことがなく、マ
スキングしたレジストを剥離することもなしにプリント
基板等の微細な回路やリードの金めっき液として使用し
得るという優れたものである。
【0005】しかしながら、この無電解金めっき液につ
いても使用中に微量の沈殿を生成したり、建浴後保存中
に金微粒子の沈殿を生ずるなど、安定性の面で解決すべ
き課題が存在しており、満足し得るものではない。この
場合に、亜硫酸金(I)錯塩又はチオ硫酸金(I)錯塩
を金源とする金めっき浴や塩化金(III)酸塩と亜硫
酸、チオ硫酸とから内部的に金錯体を形成せしめる金め
っき浴の安定性が保たれない原因は、実証的には明らか
にされていないが、以下のような理由が考えられる。
【0006】保存中あるいはめっき時の亜硫酸イオン、
チオ硫酸イオン等の酸化性成分の自然酸化、濃度減少に
より溶液内平衡が変化し金錯体が不安定化し、金活量が
増加し浴分解しやすくなること、またアスコルビン酸の
酸化活性を高める微量の金属イオンによる汚染により、
これらを核として金微粒子の生成が起こり、分解を促進
することになることなどである。
【0007】
【発明の開示】本発明の目的は、中性付近のpH条件と
比較的低い温度における穏やかな操作条件で高速度でめ
っきを行うことが可能であって、さらに安定性の点でも
優れている無電解金めっき液を提供することにある。
【0008】本発明者らは、無電解金めっき液の安定性
を確保しつつ、かつ、めっき速度を向上させることを目
的として鋭意研究を行った結果、(a)金源としての塩
化金(III)酸又はその塩もしくは亜硫酸又はチオ硫
酸の金(I)錯塩、(b)亜硫酸又はチオ硫酸のアルカ
リ金属塩又はアンモニウム塩、(c)アスコルビン酸又
はその塩及び(d)pH緩衝剤を組成成分として含有す
る水溶液よりなる無電解金めっき液において、(e)2
−メルカプトベンゾチアゾール、6−エトキシ−2−メ
ルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンズイミ
ダゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾールもしくは
これらの塩から選択された化合物と(f)アルキルアミ
ン化合物、それらの硫酸塩及び塩酸塩から選択された化
合物とを添加することにより、上記の目的が達成し得る
ことを見出した。本発明は、かかる知見に基づいてなさ
れたものである。
【0009】すなわち、本発明は、(a)金源としての
塩化金(III)酸又はその塩もしくは亜硫酸又はチオ
硫酸の金(I)錯塩、(b)亜硫酸又はチオ硫酸のアル
カリ金属塩又はアンモニウム塩、(c)アスコルビン酸
又はその塩及び(d)pH緩衝剤を組成成分として含有
する水溶液よりなる無電解金めっき液において、(e)
2−メルカプトベンゾチアゾール、6−エトキシ−2−
メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンズイ
ミダゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾールもしく
はこれらの塩から選択された化合物と(f)アルキルア
ミン化合物、それらの硫酸塩及び塩酸塩から選択された
化合物とを提供するものである。
【0010】以下に本発明を詳細に説明する。
【0011】上記のアルキルアミン化合物及びその塩の
具体的な化合物としては、エチレンジアミン、エチレン
ジアミン塩酸塩、エチレンジアミン硫酸塩、ジエチレン
トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレン
ヘキサミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロ
パンジアミン、エタノールアミン、トリエタノールアミ
ン、ヘキサメチレンテトラミン等を例示することができ
る。
【0012】本発明にかかる無電解金めっき液の好まし
い態様は以下のように説明される。
【0013】金塩として0.001〜0.10mol/
リットル、亜硫酸ナトリウム0.01〜1.0mol/
リットル、チオ硫酸ナトリウム0.01〜1.0mol
/リットル、りん酸ナトリウム0.01〜1.0mol
/リットル、アスコルビン酸又はそのナトリウム塩0.
001〜1.0mol/リットル及び又は2−メルカプ
トベンゾチアゾール、6−エトキシ−2−メルカプトベ
ンゾチアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール又
は2−メルカプトベンゾオキサゾールとして6×10
−7〜3×10−3mol/リットル、アルキルアミン
化合物0.0001〜0.05mol/リットルを含有
する。
【0014】本発明者らは、本発明にかかる無電解金め
っき液組成と、得られるめっき速度とめっき液安定性と
の関係について種々検討したところ、以下の如き知見を
得た。
【0015】(1) 金源とし用いられる塩化金(II
I)酸又はその塩もしくは亜硫酸又はチオ硫酸の金
(I)錯塩の使用量については、0.001〜0.1m
ol/リットルが好ましいが、特に好ましくは0.00
5〜0.05mol/リットルである。0.01mol
/リットル以下では実用的なめっき速度は得られず、ま
た0.1mol/リットル以上では金の沈殿が生じやす
くなり、また経済的にも不利である。
【0016】(2) 亜硫酸塩については例えばナトリ
ウム塩として、0.01〜1.0mol/リットルが好
ましいが、特に好ましくは0.04〜0.5mol/リ
ットルである。0.01mol/リットル以下では液が
不安定で分解しやすく、1.0mol/リットル以上で
はめっき速度が著しく低下し、実用的に好ましくない。
【0017】(3) チオ硫酸塩については、例えばナ
トリウム塩として、0.01〜1..0mol/リット
ルが好ましいが、特に好ましくは0.04〜0.5mo
l/リットルである。0.01mol/リットル以下で
はめっき液の安定性を欠き分解を生じ易く、また、1.
0mol/リットル以上ではめっき反応に格別効果を示
さない。
【0018】(4) pH緩衝剤としては、例えばりん
酸水素ナトリウムにより調製された緩衝液が好適であ
り、その含有量は、0.01〜1.0mol/リットル
が好ましいが、特に好ましくは0.05〜0.5mol
/リットルである。0.01mol/リットル以下では
めっき面の粗雑化が生じ易い。また、1.0mol/リ
ットル以上では、格別の効果は期待されない。
【0019】(5) アスコルビン酸については例えば
ナトリウム塩として、0.001〜1.0mol/リッ
トルが好ましいが、特に好ましくは0.01〜0.5m
ol/リットルである。0.001mol/リットル以
下ではめっき速度が遅く、また、1.0mol/リット
ル以上ではめっき液が不安定となり、分解を生じ易くな
る。
【0020】(6) 2−メルカプトベンゾチアゾー
ル、6−エトキシ−2−メルカプトベンゾチアゾール、
2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベ
ンゾオキサゾール、又はその誘導体もしくはその塩につ
いては、6×10−7〜3×10−3mol/リットル
が好ましいが、特に好ましくは6×10−6〜6×10
−5mol/リットルである。6×10−7mol/リ
ットル以下ではめっき液が不安定となり、分解を生じ易
いので好ましくない。また、3×10−3mol/リッ
トル以上ではめっき液の安定性は増大するが、めっき速
度が遅くなり好ましくない。
【0021】(7) エチレンジアミン、ジエチレント
リアミン等のアルキルアミン化合物及びその無機塩類に
ついては、0.0001〜0.05mol/リットルが
好ましいが、特に好ましくは0.0003mol/リッ
トル〜0.03mol/リットルである。0.0001
mol/リットルより少ないとめっき反応に特別の速度
増大効果はなく、0.05mol/リットルより多いと
めっき液中に金の沈殿が生成しやすくなり好ましくな
い。
【0022】(8) 使用時においてめっき液のpH
は、めっき液成分が分解しない範囲内において硫酸又は
カセイソーダ液により適時調整する。好ましいpH域は
5〜9、特にpH6〜8の範囲である。
【0023】(9) めっき液の操作温度は50〜80
℃の範囲で選択できるが、好ましくは50〜70℃、さ
らに好ましくは55〜65℃である。このような低温度
においてめっき可能であることは、被めっき対照物が温
度に抵抗を有しない物体の場合、特に好都合であり、こ
のことは、さらにエネルギーの節約、作業者の安全性の
点からも従来の無電解金めっき液にない優れた利点をも
たらす。
【0024】本発明に係る無電解金めっき液には、必要
に応じて析出金皮膜の物性を制御する目的で、微量の金
属イオン例えばタリウム、鉛、ビスマス等を添加するこ
とができる。その添加量は一般に金めっきの分野で従来
用いられている濃度範囲の量である。
【0025】
【実施例】以下に、本発明の実施例を掲げ、本発明を具
体的に説明する。
【0026】実施例1〜4 下記の組成の無電解金めっき液(A)を調製し、後掲表
1に示した各種濃度においてエチレンジアミンを含有せ
しめた各液を用い、めっき試片として、大きさ2cm×
2cm,厚さ0.1mmの圧延ニッケル板に厚さ3μm
のニッケル皮膜を、次に、厚さ3μmの金皮膜をそれぞ
れ通常の電気めっきにより施したものを試料として用
い、浴負荷0.8dm/L、温度60℃、撹拌条件で
6時間めっきを行った。比較例1としてエチレンジアミ
ンを添加しない場合について、更に比較例2としてA液
から2−メルカプトベンゾチアゾールを除いてエチレン
ジアミン300mg/Lを添加した場合について前記と
同じ条件の下でめっきを行った。
【0027】また、これらの各種濃度でエチレンジアミ
ンを添加しためっき液と比較例1、2において得られた
ものについて室温の保存における安定性を調べた。
【0028】 無電解金めっき液(A) 塩化金(III)酸ナトリウム 金として 2g/L 亜硫酸ナトリウム 10g/L チオ硫酸ナトリウム 20g/L L−アスコルビン酸ナトリウム 40g/L りん酸水素二ナトリウム 9g/L りん酸二水素一ナトリウム 3g/L 2−メルカプトベンゾチアゾール 1ppm pH 7.0
【0029】上記の各例においてめっきを行った結果は
後掲図1に示されているが、エチレンジアミンを添加し
て行った実施例1〜4の場合は、いずれもエチレンジア
ミン無添加の場合の比較例1に比して著しく速度が増大
していることがわかる。また、速度の増大はエチレンジ
アミンの添加濃度に依存していること及び300mg以
上のエチレンジアミンの添加では速度の増大の程度は、
次第におとろえる傾向にあることが確認された。更に、
めっき速度が大になるほど金の消費にともない析出速度
が低下してくる傾向が認められるが、実施例3、4では
6時間で10μm以上の厚めっきが可能であった。な
お、析出物はいずれの実施例においても明黄色半光沢の
均一な外観を呈し、良好な析出状態が認められた。
【0030】更に、実施例1〜4では6時間のめっき中
に金沈殿物の生成を認めず安定性も良好であるのに対
し、2−メルカプトベンゾチアゾールを添加せずにエチ
レンジアミン300mg/Lを添加した比較例2では速
度の増大効果は実施例と同様に認められたが、めっき浴
は不安定であり約30分頃から金の沈殿物が生成し、1
時間以上のめっきを行うことは困難であった。
【0031】室温における保存について調べた結果は後
掲表1に示されているとおりである。エチレンジアミン
無添加の場合の比較例1と比べ、エチレンジアミンの添
加量が増加するに従い安定性は低下する傾向が認められ
たが、最低1週間は、安定であることが認められた。な
お、2−メルカプトベンゾチアゾールを添加しない比較
例2の場合は、わずか6時間で金沈殿が生成した。
【0032】これらの実施例からみて本発明に係る無電
解金めっき液が、めっき速度が増大する効果とともにめ
っき時及び保存時の安定性の点においても優れた効果を
示すことが認められる。
【0033】
【表1】
【0034】実施例5〜10 前記の実施例1〜4において記載した無電解金めっき液
(A)に表2に示したとおりの各種アルキルアミン類
0.01mol/リットルの添加によるめっき浴を用
い、めっき速度を調べた。めっきの方法は、めっき試片
として実施例1〜4と同様のものを用い、浴負荷0.8
dm/L、温度60℃、撹拌条件で1時間めっきを行
った。
【0035】結果は表2に示されるとおりであるが、各
アルキルアミンを添加した場合は、いずれもアルキルア
ミン無添加の比較例3の場合に比べめっき速度の増大が
認められた。また、析出物はいずれの実施例の場合にも
明黄色半光沢の均一な外観を呈し、良好な析出状態が示
された。更に、めっき操作中においていずれの実施例の
場合も浴中に金沈殿の生成は認められなかった。
【0036】これらの実施例の結果からみて、本発明の
めっき液は安定性に優れた、かつ、適切なめっき速度を
有する浴として有効に利用し得るものであることが認め
られる。
【0037】
【表2】
【0038】実施例11 下記に示す組成の無電解金めっき液(B)を調製し、こ
のめっき液を用い、めっき試片として大きさ4cm×4
cm、厚さ0.1mmの圧延ニッケル板に厚さ3μmの
ニッケル皮膜を、次に厚さ3μmの金皮膜をそれぞれ通
常の電気めっきにより施したものを用い、温度60℃、
撹拌条件で2時間めっきを行った。
【0039】めっき液の浴負荷を0.8、1.6、3.
2、6.4dm/リットルと変化させて、浴負荷を大
きくしたときの速度増大効果を調べた。
【0040】 無電解金めっき液(B) 塩化金(III)酸ナトリウム 金として2g/L 亜硫酸ナトリウム 12g/L チオ硫酸ナトリウム 24g/L L−アスコルビン酸ナトリウム 40g/L りん酸水素二ナトリウム 7g/L りん酸二水素一ナトリウム 3g/L 2−メルカプトベンゾチアゾールナトリウム 2ppm エチレンジアミン硫酸塩 800mg/L pH 7.0
【0041】各浴負荷の1時間時のめっき速度はそれぞ
れ0.8dm/リットルで2.7μm/hr、1.6
dm/リットルで2.1μm/hr、3.2dm
リットルで2.1μm/hr、6.4dm/リットル
で1.8μm/hrであった。なお、析出物はいずれの
実施例の場合においても明黄色半光沢の均一な外観を呈
し良好な析出状態であることが認められた。浴負荷の増
加にともないめっき速度が低下する傾向が認められた
が、6.4dm/リットルの浴負荷条件においても、
なお、エチレンジアミンのめっき速度増大効果が認めら
れ、短時間において、大量の対象物に対するめっき処理
を行うことが可能であった。
【0042】これらの実施例からみて本発明に係る無電
解金めっき液は高浴負荷条件でも高速めっきが可能であ
り、短時間における大量の対象物に対するめっき処理が
可能であり、作業効率の向上に著しい利点をもたらすも
のであることが判る。
【0043】実施例12 下記の組成の無電解金めっき液(C)を調製し、室温で
保存した場合の安定性とめっき速度、めっき時の安定性
を調べた。めっき方法は実施例1〜4に記載した条件と
同様である。比較例として下記組成(C)よりエチレン
ジアミンのみを除いた場合(比較例4)、2−メルカプ
トベンズイミダゾールのみを除いた場合(比較例5)、
両者を除いた場合(比較例6)についても上記と同様の
安定性及びめっき速度を調べた。その結果は表3に示さ
れている。
【0044】 無電解金めっき液(C) 塩化金(III)酸ナトリウム 金として 2g/L 亜硫酸ナトリウム 10g/L チオ硫酸ナトリウム 20g/L L−アスコルビン酸ナトリウム 40g/L りん酸水素二ナトリウム 9g/L りん酸二水素一ナトリウム 3g/L 2−メルカプトベンズイミダゾール 100ppm エチレンジアミン 0.3g/L pH 7.2
【0045】
【表3】
【0046】表3に見られるように、実施例浴組成
(C)を用いた場合では、比較例4〜6の場合に比べて
めっき速度が速く、まためっき時の安定性及び室温保存
時の安定性も良好であった。エチレンジアミンを添加し
ていない比較例4では安定性の点では実施例より優れて
いるがめっき速度は遅く、2−メルカプトベンズイミダ
ゾールを添加していない比較例5では、めっき速度は増
大するが、浴は不安定となり、めっき作業を持続するこ
とが困難であった。更にエチレンジアミンと2−メルカ
プトベンズイミダゾールの両方を添加しない比較例6の
場合ではめっき速度は遅く、安定性の点でも不充分な結
果が見られた。
【0047】実施例及び比較例4では明黄色半光沢の良
好な析出外観が得られたが、比較例5では、金分解物が
付着し表面状態は不良であり、比較例6では析出外観は
赤味を帯びた黄色無光沢であった。
【0048】かくして、本発明に係る無電解金めっき液
は、そのめっき速度は著しく大であり、かつ、めっき時
及び保存時の安定性の点でも極めて優れていることが認
められた。
【0049】実施例13 下記の組成の無電解金めっき液(D)を調製した。この
液を用いて、実施例1〜4に記載した条件下で、めっき
を行い、めっき速度及びめっき時の安定性を調べた。ま
た、比較例として下記組成(D)よりエチレンジアミン
を除いた場合(比較例7)、6−エトキシ−2−メルカ
プトベンゾチアゾールを除いた場合(比較例8)、両者
を除いた場合(比較例9)についても同様にめっき速度
と安定性を調べた。結果は表4に示されるとおりであ
る。
【0050】 無電解金めっき液(D) 亜硫酸金(I)ナトリウム 金として 2g/L 亜硫酸ナトリウム 15g/L チオ硫酸ナトリウム 30g/L L−アスコルビン酸ナトリウム 40g/L りん酸水素二ナトリウム 12g/L りん酸二水素ナトリウム 4g/L 6−エトキシ−2−メルカプトベンゾチアゾール 2.5 ppm ジエチレントリアミン 0.25g/L pH 7.2
【0051】
【表4】
【0052】表4に見られるように、浴組成(D)を用
いた場合(実施例)では比較例7〜9の場合に比べてめ
っき速度が速く、まためっき時の安定性も良好であっ
た。ジエチレントリアミンを添加していない比較例7で
は安定性は実施例と同様に良好であるがめっき速度は著
しく遅くなり、6−エトキシ−2−メルカプトベンゾチ
アゾールを添加していない比較例8では、めっき速度は
増大するが浴は不安定となりめっき作業を持続すること
は困難であった。ジエチレントリアミンと6−エトキシ
−2−メルカプトベンゾチアゾールの両方を添加しない
比較例9の場合ではめっき速度は遅く、浴の安定性も不
十分であった。なお、析出物外観は比較例7では赤味を
帯びた黄色無光沢であり、比較例8、9では金分解物が
付着し表面状態は不良であったのに対し、実施例は明黄
色の半光沢で、析出外観は最も良好であった。
【0053】このように本発明に係る無電解金めっき液
は、めっき速度が大きくかつその安定性も極めて良好で
あることが判る。
【0054】実施例14〜16 表5に示されている各種の組成のめっき液を調製しめっ
きを行った。比較例としてこれらの組成からアルキルア
ミン化合物を除いた各組成の液を調製し、同じめっきを
行った。めっき方法は、めっき試料としては、実施例1
〜4に記載した試料を用い、温度60℃、撹拌条件で3
時間浸漬処理により行った。
【0055】表5に見られるように、各実施例ともアル
キルアミン化合物の添加によりめっき速度が著しく増大
することが認められ、実施例14と16においては、金
めっき析出物の結晶粒調整剤として知られているタリウ
ム塩及び鉛塩をそれぞれ併用したが、アルキルアミンの
添加によるめっき速度増大効果及びメルカプト化合物の
添加による浴安定化効果に対する影響は認められなかっ
た。
【0056】
【発明の効果】本発明にかかる無電解金めっき液は、従
来用いられている無電解金めっき液で問題とされていた
めっき速度の点を改良し、めっき速度が著しく速く、か
つ高浴負荷においてもめっき速度が低下しないという特
性を有している。そのため、短時間で大量の対象物に対
しめっき処理を行うことが可能であるという優れた利点
を有する。また、めっき速度の持続性があることにより
比較的短時間で厚めっきを行うことが可能である。
【0057】更に、建浴後の保存状態及び使用状態につ
いても、浴中の沈殿物生成は見られず、安定状態で長期
間の使用が可能であり、繰り返し使用することができ、
従来の金めっき浴のように建浴後直ちに使用しなければ
ならないという作業時間についての制約が解消されると
いう優れた利点を有する。
【0058】
【表5】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜4と比較例1、2により得られた結
果を対比して示した図であり、縦軸に得られためっき膜
厚(μm)を、横軸にめっき時間(hr)が示されてい
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)金源としての塩化金(III)酸
    又はその塩もしくは亜硫酸又はチオ硫酸の金(I)錯
    塩、(b)亜硫酸又はチオ硫酸のアルカリ金属塩又はア
    ンモニウム塩、(c)アスコルビン酸又はその塩及び
    (d)pH緩衝剤を組成成分として含有する水溶液より
    なる無電解金めっき液において、(e)2−メルカプト
    ベンゾチアゾール、6−エトキシ−2−メルカプトベン
    ゾチアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2
    −メルカプトベンゾオキサゾールもしくはこれらの塩か
    ら選択された化合物と(f)アルキルアミン化合物、そ
    れらの硫酸塩及び塩酸塩から選択された化合物とを含有
    せしめることを特徴とする無電解金めっき液。
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