JPH06145183A - 新規置換ナジイミドフェノキシ基含有シクロホスファゼン誘導体、その製法およびその重合体の製法 - Google Patents
新規置換ナジイミドフェノキシ基含有シクロホスファゼン誘導体、その製法およびその重合体の製法Info
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- JPH06145183A JPH06145183A JP4299894A JP29989492A JPH06145183A JP H06145183 A JPH06145183 A JP H06145183A JP 4299894 A JP4299894 A JP 4299894A JP 29989492 A JP29989492 A JP 29989492A JP H06145183 A JPH06145183 A JP H06145183A
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Abstract
ルケニル置換ナジイミドフェノキシ基含有シクロホスフ
ァゼン誘導体、その製法およびその重合体の製法。 【化1】 【効果】 この化合物(1)は、硬化の際のボイドの生
成が少ないため、通常の硬化成形法が採用でき、種々の
溶媒に可溶なので、塗料、接着剤等として有用である。
また、この化合物(1)の製造方法は一工程であり、し
かも収率、選択率共に高いので経済的である。
Description
被覆材として有用なアルキルまたはアルケニル置換ナジ
イミドフェノキシ基含有シクロホスファゼン誘導体およ
びその製法、ならびに構造部材、電気、電子部品材料等
として有用な当該シクロホスファゼン誘導体の重合体の
製法に関する。
も、より高性能化、高機能化が求められ、それに応える
べく各種材料が開発されている。たとえばポリエーテル
ケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド等いわ
ゆるスーパーエンプラ(エンジニアリングプラスチッ
ク)と呼ばれている各種高性能ポリマーが相当量市場に
出回っている。これら有機ポリマーは強度、伸び、靱性
等に於いて優れた性質を有しているが、耐熱性の点では
無機ポリマーには及ばない。一方、無機ポリマーは耐熱
性が優れているものの堅くて脆い性質がある。
重合体の研究、特に環状、鎖状のホスファゼン重合体に
関する研究が古くからなされてきた。その中で、たとえ
ば、シクロホスファゼンにホルミルフェノキシ基を導入
し、芳香族ジアミンで架橋することによって耐熱性、難
燃性に優れ、熱分解時の重量残存率の高い重合体を得る
方法(特開平2−24325号公報)、マレイミドフェ
ノキシ基〔D.Kumarら,Macromolecu
les,16,1250(1983)〕またはナジイミ
ドフェノキシ基(特開昭63−77889号公報)を導
入し、熱重合によって同様な性質の重合体を得る方法等
が提案され、それらは、いわゆる先端複合材料用マトリ
ックス樹脂、耐熱性接着剤等として注目されている。
たはナジイミドフェノキシ基含有シクロホスファゼン誘
導体は、重合が付加反応で進むという利点がある反面、
該誘導体の合成方法が複雑であるという、次のような欠
点を有している。マレイミドフェノキシ基またはナジイ
ミドフェノキシ基含有シクロホスファゼン誘導体の合成
は、ホルミルフェノキシ基含有シクロホスファゼン誘導
体を合成すると同様な方法、すなわち(1)塩化シクロ
ホスファゼンとホルミル基置換フェノールのアルカリ金
属塩(フェノラート)とを反応させるフェノラート経由
法、および(2)触媒および不活性溶媒存在下、塩酸捕
捉剤と共に、塩化ホスファゼンとホルミル基置換フェノ
ールとを直接反応させる直接法、のいずれの方法も適用
できない。すなわち、フェノラートを得ようとして、イ
ミド基含有フェノール類とアルカリ金属を作用させる
と、アルカリ金属が水酸基の他に、イミド環の開裂反応
を引き起こし、目的とする塩を生成しない。また、直接
法では、原料であるマレイミドフェノール類、ナジイミ
ドフェノール類、または目的生成物であるホスファゼン
置換誘導体が炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテ
ル、ピリジン等不活性溶媒に不溶性であったり、最初溶
解していても触媒を加えるとただちに反応系が不均一に
なり、反応がそれ以上に進まなくなったり、また系を均
一にするため極性の強い溶媒を使用すると、今度はこれ
ら極性溶媒と塩化ホスファゼンが反応する等の問題があ
り、副反応を伴わずに置換反応をスムーズに行うことは
不可能であった。
またはナジイミドフェノキシ基含有シクロホスファゼン
誘導体は、いずれも下記の(イ)〜(ハ)のような工程
を経て合成されてきた。 (イ)塩酸捕捉剤存在下、塩化ホスファゼンとニトロフ
ェノールとの反応によるニトロフェノキシ基置換ホスフ
ァゼンの合成。 (ロ)該ニトロフェノキシ基置換ホスファゼンを酸化白
金触媒存在下、水素で還元することによるアミノフェノ
キシ基置換ホスファゼンの合成。 (ハ)触媒および脱水剤存在下、生成物が重合反応を起
こさないような温度で、該アミノフェノキシ基置換ホス
ファゼンと無水マレイン酸または無水ナジック酸との縮
合反応によるマレイミドフェノキシ基またはナジイミド
フェノキシ基置換ホスファゼンの合成。 このようにマレイミドフェノキシ基またはナジイミドフ
ェノキシ基含有シクロホスファゼン誘導体は、いずれも
上記のように複数の工程を経て合成しなければならない
という欠点があった。
欠点を有している。すなわち、マレイミドフェノキシ基
含有ホスファゼン誘導体は、他のビスマレイミド化合物
より溶解性が高いものの、DMF、DMSO、N−メチ
ルピロリドン、MEK、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ンのような限られた溶媒にしか溶解せず、該誘導体の融
点と硬化温度が非常に接近しているため成形の作業性が
極めて悪く、実質的には注型成形、射出成形、圧縮成形
等の一般的な成形法は採用できない。また硬化物はビス
マレイミド硬化物と同様、機械的性質が極めて悪い。一
方、ナジイミドフェノキシ基含有シクロホスファゼン誘
導体は融点と硬化温度が離れているという面では、一見
成型の作業性は良好のように思われるが、マレイミドフ
ェノキシ基含有ホスファゼン誘導体と同様、上記のよう
な限られた溶媒にしか溶解しないという問題があり、更
に、硬化の際、一部で逆Diels−Alder反応が
起こりシクロペンタジエンを遊離し、それが成形体中に
ボイドを発生させ、機械的性能を低下させるという本質
的な欠点を有している。
来技術の欠点を克服するためのもので、その第一の目的
は、広範囲の汎用溶媒に可溶性であり、注型成形、射出
成形、圧縮成形等の通常の硬化成形法が採用でき、かつ
その硬化成形体は優れた接着性および耐熱性、難燃性を
示し、また熱分解時の重量残存率の高い重合体を得るた
めに、従来のナジイミドフェノキシ基含有シクロホスフ
ァゼン誘導体に代わる新規な置換ナジイミドフェノキシ
基含有シクロホスファゼン誘導体を提供することにあ
る。また第二の目的は、塩化ホスファゼンと置換ナジイ
ミドフェノールを直接反応させ、該置換ナジイミドフェ
ノキシ基含有シクロホスファゼン誘導体を一工程で製造
する方法であって、しかも収率、選択率共に高い経済的
で新規な方法を提供することにある。
的を達成するために鋭意検討したところ、ナジイミドフ
ェノールにアルキル基またはアルケニル基を導入する
と、汎用溶媒に可溶となり、塩化ホスファゼンとの反応
が直接的に進み、該反応一工程で煩雑な工程を要するこ
となく、新規なアルキルまたはアルケニル置換ナジイミ
ドフェノキシ基含有ホスファゼン誘導体が高収率、高選
択率で容易に得られ、また、該アルキルまたはアルケニ
ル置換ナジイミドフェノキシ基含有ホスファゼン誘導体
は、従来のナジイミドフェノキシ基含有ホスファゼン誘
導体の上記したような成形体中にボイドを発生させ、機
械的性能を低下させるといった欠点が改善され、接着性
および耐熱性、難燃性等の特徴を損なわない優れた重合
体を与えることを見出し、本発明を完成した。
びR2 の少なくとも1個は次の式(2)
基を示し、R4 は炭素数1〜6のアルキルまたはアルケ
ニル基を示す〕で示される置換ナジイミドフェノキシ基
を示し、残余は非反応性の置換基を有していてもよいフ
ェノキシ基を示す〕で表わされるアルキルまたはアルケ
ニル置換ナジイミドフェノキシ基含有シクロホスファゼ
ン誘導体に係るものである。
ルキルアミノ)ピリジンおよび塩酸捕捉剤の存在下、塩
化シクロホスファゼンに次の一般式(3)
示す〕で表わされる置換ナジイミドフェノールまたは当
該置換ナジイミドフェノールおよび非反応性の置換基を
有していてもよいフェノール(以下、フェノール類と略
す)を反応させることを特徴とする前記一般式(1)で
表わされるアルキルまたはアルケニル置換ナジイミドフ
ェノキシ基含有シクロホスファゼン誘導体の製法に係る
ものである。
れるアルキルまたはアルケニル置換ナジイミドフェノキ
シ基含有シクロホスファゼン誘導体をカチオン触媒の存
在下または不存在下に加熱することを特徴とするアルキ
ルまたはアルケニル置換ナジイミドフェノキシ基含有シ
クロホスファゼン誘導体の重合体の製法に係るものであ
る。
ジイミドフェノキシ基含有シクロホスファゼン誘導体
(1)〔以下、本発明化合物(1)という〕を示す一般
式(1)および式(2)において、R3 およびR4 で示
される置換基の位置、ならびにフェノキシ基における非
反応性の置換基の位置は特に限定されない。また、R3
で示される非反応性基およびフェノキシ基における非反
応性基としては、フェノキシ基とシクロホスファゼン上
の塩素との置換反応時および本発明化合物(1)の熱重
合またはカチオン重合反応時に反応に関与しない置換基
であれば特に制限されないが、たとえばアルキル基、ハ
ロゲン原子、シアノ基またはニトロ基等が挙げられる。
また、R4 で示される炭素数1〜6のアルキルまたはア
ルケニル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、
sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル
基、n−ヘキシル基、アリル基、イソプロペニル基、3
−ブテニル基、2−ペンテニル基等が挙げられる。
ては、4−(N′−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−5′−エン−2′,3′−ジカルボキシイミド)フ
ェノキシ基、3−(N′−メチルビシクロ[2.2.
1]ヘプト−5′−エン−2′,3′−ジカルボキシイ
ミド)フェノキシ基、2−(N′−メチルビシクロ
[2.2.1]ヘプト−5′−エン−2′,3′−ジカ
ルボキシイミド)フェノキシ基、4−(N′−エチルビ
シクロ[2.2.1]ヘプト−5′−エン−2′,3′
−ジカルボキシイミド)フェノキシ基、3−(N′−エ
チルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5′−エン−
2′,3′−ジカルボキシイミド)フェノキシ基、2−
(N′−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5′−
エン−2′,3′−ジカルボキシイミド)フェノキシ
基、4−(N′−プロピルビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−5′−エン−2′,3′−ジカルボキシイミド)フ
ェノキシ基、3−(N′−プロピルビシクロ[2.2.
1]ヘプト−5′−エン−2′,3′−ジカルボキシイ
ミド)フェノキシ基、2−(N′−プロピルビシクロ
[2.2.1]ヘプト−5′−エン−2′,3′−ジカ
ルボキシイミド)フェノキシ基、3−メチル−4−
(N′−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5′−
エン−2′,3′−ジカルボキシイミド)フェノキシ
基、4−メチル−3−(N′−メチルビシクロ[2.
2.1]ヘプト−5′−エン−2′,3′−ジカルボキ
シイミド)フェノキシ基、3−メチル−4−(N′−エ
チルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5′−エン−
2′,3′−ジカルボキシイミド)フェノキシ基、4−
メチル−3−(N′−エチルビシクロ[2.2.1]ヘ
プト−5′−エン−2′,3′−ジカルボキシイミド)
フェノキシ基、3−クロロ−4−(N′−メチルビシク
ロ[2.2.1]ヘプト−5′−エン−2′,3′−ジ
カルボキシイミド)フェノキシ基、3−クロロ−4−
(N′−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5′−
エン−2′,3′−ジカルボキシイミド)フェノキシ
基、3−シアノ−4−(N′−メチルビシクロ[2.
2.1]ヘプト−5′−エン−2′,3′−ジカルボキ
シイミド)フェノキシ基、4−シアノ−3−(N′−エ
チルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5′−エン−
2′,3′−ジカルボキシイミド)フェノキシ基、3−
シアノ−4−(N′−エチルビシクロ[2.2.1]ヘ
プト−5′−エン−2′,3′−ジカルボキシイミド)
フェノキシ基、4−シアノ−3−(N′−プロピルビシ
クロ[2.2.1]ヘプト−5′−エン−2′,3′−
ジカルボキシイミド)フェノキシ基、4−シアノ−3−
(N′−プロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5′
−エン−2′,3′−ジカルボキシイミドフェノキシ
基、3−シアノ−4−(N′−エチルビシクロ[2.
2.1]ヘプト−5′−エン−2′,3′−ジカルボキ
シイミド)フェノキシ基、3−ニトロ−4−(N′−メ
チルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5′−エン−
2′,3′−ジカルボキシイミド)フェノキシ基、3−
ニトロ−4−(N′−エチルビシクロ[2.2.1]ヘ
プト−5′−エン−2′,3′−ジカルボキシイミド)
フェノキシ基、4−(N′−アリルビシクロ[2.2.
1]ヘプト−5′−エン−2′,3′−ジカルボキシイ
ミド)フェノキシ基、3−(N′−アリルビシクロ
[2.2.1]ヘプト−5′−エン−2′,3′−ジカ
ルボキシイミド)フェノキシ基、2−(N′−アリルビ
シクロ[2.2.1]ヘプト−5′−エン−2′,3′
−ジカルボキシイミド)フェノキシ基、4−(N′−メ
タリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5′−エン−
2′,3′−ジカルボキシイミド)フェノキシ基、3−
(N′−メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5′
−エン−2′,3′−ジカルボキシイミド)フェノキシ
基、3−メチル−4−(N′−アリルビシクロ[2.
2.1]ヘプト−5′−エン−2′,3′−ジカルボキ
シイミド)フェノキシ基、4−メチル−3−(N′−ア
リルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5′−エン−
2′,3′−ジカルボキシイミド)フェノキシ基、3−
クロロ−4−(N′−アリルビシクロ[2.2.1]ヘ
プト−5′−エン−2′,3′−ジカルボキシイミド)
フェノキシ基、3−シアノ−4−(N′−アリルビシク
ロ[2.2.1]ヘプト−5′−エン−2′,3′−ジ
カルボキシイミド)フェノキシ基、3−ニトロ−4−
(N′−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5′−
エン−2′,3′−ジカルボキシイミド)フェノキシ基
等が挙げられる。このうち、より好ましい式(2)の基
としては、4−(N′−メチルビシクロ[2.2.1]
ヘプト−5′−エン−2′,3′−ジカルボキシイミ
ド)フェノキシ基、3−(N′−メチルビシクロ[2.
2.1]ヘプト−5′−エン−2′,3′−ジカルボキ
シイミド)フェノキシ基、2−(N′−メチルビシクロ
[2.2.1]ヘプト−5′−エン−2′,3′−ジカ
ルボキシイミド)フェノキシ基、4−(N′−アリルビ
シクロ[2.2.1]ヘプト−5′−エン−2′,3′
−ジカルボキシイミド)フェノキシ基、3−(N′−ア
リルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5′−エン−
2′,3′−ジカルボキシイミド)フェノキシ基、2−
(N′−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5′−
エン−2′,3′−ジカルボキシイミド)フェノキシ基
等が挙げられ、更に好ましくは4−(N′−メチルビシ
クロ[2.2.1]ヘプト−5′−エン−2′,3′−
ジカルボキシイミド)フェノキシ基、4−(N′−アリ
ルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5′−エン−2′,
3′−ジカルボキシイミド)フェノキシ基が挙げられ
る。
いフェノキシ基の代表例としては、フェノキシ基、o
−、m−もしくはp−メチルフェノキシ基、o−、m−
もしくはp−クロロフェノキシ基、o−、m−もしくは
p−シアノフェノキシ基、o−、m−もしくはp−ニト
ロフェノキシ基またはo−、m−もしくはp−メトキシ
フェノキシ基が挙げられ、このうち、フェノキシ基が特
に好ましい。
びR2 の少なくとも1個の式(2)の基であり、その残
余が上記フェノキシ基である。シクロホスファゼン中の
式(2)の基と当該フェノキシ基との割合は、硬化、成
形体に要求される物性によって、適当に選択できるが、
一般に式(2)の基の割合が大きくなるにつれて、硬化
物のガラス転移温度、熱変形温度等が上昇する。
−モノまたはジアルキルアミノ)ピリジンおよび塩酸捕
捉剤の存在下、塩化シクロホスファゼンに置換ナジイミ
ドフェノール(3)または当該置換ナジイミドフェノー
ルおよびフェノール類を反応させることにより製造され
るが、ここに用いられる4−(N−モノまたはジアルキ
ルアミノ)ピリジンとしては、炭素数1〜6のアルキル
基が1個または2個アミノ基に置換したものが好まし
い。当該4−(N−モノまたはジアルキルアミノ)ピリ
ジンの代表的なものとしては、4−メチルアミノピリジ
ン、4−エチルアミノピリジン、4−プロピルアミノピ
リジン、4−(N−メチル−N−エチルアミノ)ピリジ
ン、4−(N−メチル−N−ブチルアミノ)ピリジン、
4−(N−エチル−N−ブチルアミノ)ピリジン、4−
(N−ブチル−N−ヘキシルアミノ)ピリジン、4−ジ
メチルアミノピリジン、4−ジエチルアミノピリジン、
4−ジブチルアミノピリジン、4−ジペンチルアミノピ
リジン、4−ジヘキルアミノピリジン等が挙げられる。
ては、脂肪族第三アミンが好ましく、その代表的なもの
として、たとえばトリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキ
シルアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチルブチルア
ミン、ジエチルブチルアミン、ジベンジルエチルアミ
ン、ジエチルヘキシルアミン、ジシクロヘキシルエチル
アミン等が挙げられるが、これらに限定されない。
は、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン、オクタクロ
ロシクロテトラホスファゼン、およびそれらの混合物が
挙げられる。また、たとえば、五塩化燐および塩化アン
モニウムを原料としたヘキサクロロシクロトリホスファ
ゼンまたはオクタクロロシクロテトラホスファゼンであ
って製造時に副生する少量の他の環状塩化ホスファゼン
及び線状塩化ホスファゼンを除去しない粗塩化シクロホ
スファゼン等も使用できる。
ホスファゼン、置換ナジイミドフェノール(3)、フェ
ノール類は、それぞれ逐次反応させてもよいし、それら
を予め混合した後、反応を開始させてもよい。4−(N
−モノまたはジアルキルアミノ)ピリジンの使用量は塩
化ホスファゼン化合物の基本単位(PNCl2)に対
し、0.01〜1.0モル、特に0.05〜0.5モル
が好ましく、塩酸捕捉剤の使用量は、塩化ホスファゼン
化合物の基本単位(PNCl2)当たり、1.0〜4.
0モル、特に1.5〜3.0モルが好ましい。置換ナジ
イミドフェノール(3)およびフェノール類の使用量
は、塩化ホスファゼン化合物の基本単位(PNCl2)
当たり、これらの合計量として2.0〜10モル、特に
2.0〜5.0モルが好ましい。該置換ナジイミドフェ
ノール(3)とフェノール類との割合は、目的に応じて
任意に選択され得る。
(3)及びフェノール類は、いずれも塩酸捕捉剤に可溶
であり、塩酸捕捉剤を溶媒とすることもできるが、一般
的には汎用溶媒を用いる。汎用溶媒としては、塩化シク
ロホスファゼンと反応せず、かつ置換ナジイミドフェノ
ール(3)、フェノール類および生成物である本発明化
合物(1)が溶解するものであればよく、たとえば、ベ
ンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;塩化メチレ
ン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類;ジエチル
エーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテ
ル類;MEK、MIBK等のケトン類等が使用される。
溶媒の使用量は特に限定されないが、原料の塩化シクロ
ホスファゼン100重量部に対して、50〜2000重
量部が適当である。反応は、好ましくは−10〜200
℃、より好ましくは0〜150℃の温度で好ましくは1
分〜40時間、より好ましくは10分〜25時間行われ
る。
(1)は、通常、半固体または固体であり、そのまま、
またはカチオン触媒存在下で加熱すると重合、硬化し
て、金属、セラミックス等の無機物と優れた接着性を示
し、またその硬化物は難燃性、耐熱性等に優れた積層
板、構造材、電気、電子部材、接着剤、充填剤、被覆
材、結合材等として有用である。
好ましくは130〜300℃、より好ましくは150〜
280℃の温度で、好ましくは10分〜30時間、より
好ましくは30分〜20時間加熱することによって行わ
れる。また、カチオン触媒存在下では、好ましくは10
0〜280℃、より好ましくは120〜250℃の温度
で、好ましくは5分〜30時間、より好ましくは10分
〜20時間加熱する。更に必要に応じて、200〜35
0℃で1〜20時間後硬化してもよい。用いられるカチ
オン触媒としては、たとえばp−トルエンスルホン酸、
ナフタレンスルホン酸等の有機スルホン酸類;p−トル
エンスルホン酸メチル、ナフタレンスルホン酸エチル等
の有機スルホン酸エステル類;リン酸ジフェニル、亜リ
ン酸ジブチル等のリン酸または亜リン酸のエステル類;
塩酸、硫酸等の鉱酸類;硫酸メチル、硫酸エチル等の鉱
酸エステル類;塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素等の
ルイス酸類;または、ベンジルトリエチルアンモニウ
ム、テトラブチルアンモニウムブロミド等のアンモニウ
ム化合物;メチルトリフェニルホスホニウムブロミド、
ベンジルトリフェニルホスホニウムクロリド等のホスホ
ニウム化合物;ベンジルトリフェニルスチボニウムクロ
リド等のスチボニウム化合物;トリフェニルスルホニウ
ムテトラフルオロボレート、トリフェニルホスホニウム
ヘキサフルオロアルシネート等のスルホニウム化合物;
トリフェニルセレノニウムテトラフルオロボレート等の
セレノニウム化合物;ジフェニルヨードニウムヘキサフ
ルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムパークロ
レート等のヨードニウム化合物等の通称オニウム化合物
と呼ばれているものが挙げられる。触媒の使用量は特に
限定されないが、一般には置換ナジイミドフェノキシ基
含有シクロホスファゼン誘導体(1)に対して、0.0
1〜5重量%の範囲で使用するのが好ましい。
シクロホスファゼン誘導体重合物には、必要に応じて、
各種充填材、顔料、カップリング剤、離型剤などを配合
することができる。たとえば、充填材としては、ガラス
繊維、炭素繊維、金属繊維、セラミック繊維、炭酸カル
シウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸
化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化モリブデン、石
膏、シリカ、アルミナ、クレー、タルク、石英粉末、鉄
粉、カーボンブラック、黒鉛などが挙げられるが、これ
らに限定されるものではない。またその使用量は、用途
に応じて選択されるが、一般に該ホスファゼン誘導体
(1)100重量部に対して、10〜1000重量部で
ある。
するが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。
mol)の4−(N′−アリルビシクロ[2.2.1]ヘ
プト−5′−エン−2′,3′−ジカルボキシイミド)
フェノール(以下4−アリルナジイミドフェノールと略
す)を入れ、90mlの1,4−ジオキサンを加えて溶解
させた。そのフラスコに、更に39.46g(0.39
mol)のトリエチルアミンおよび2.2g(0.018m
ol)の4−ジメチルアミノピリジンを加えて均一にし
た。次にフラスコを水浴に浸し、攪拌しながら、90ml
の1,4−ジオキサンおよび20.86g(0.06mo
l)の塩化シクロトリホスファゼンからなる溶液を30
分かかって滴下した。その後、50℃に保ちながら更に
20時間攪拌を続けて反応させた。生成した塩を濾別し
て得られた濾液を濃縮した後、それを2lの水に注ぎ、
目的物を沈澱させた。沈澱物を濾過し、それを水および
メタノールで洗浄した。次にそれを少量のアセトンに溶
解させ(不溶物を濾別)し、その溶液を大量の水に注い
で、沈澱、濾過、洗浄の操作を施し、最後に減圧乾燥し
たところ、109.20g(塩化シクロホスファゼン基
準の収率95.7%)の目的物であるヘキサアリルナジ
イミドフェノキシ置換シクロホスファゼン(構造式
(4)、以下3PNC/ANI−1と略す)が得られ
た。
よびNMRスペクトルは、それぞれ図1および図2に示
した。元素分析の結果は、C:67.7wt%、H:4.
9wt%、N:6.7wt%、P:4.9wt%(理論値は、
それぞれ68.24wt%、5.09wt%、6.63wt
%、4.89wt%)であった。なお、該3PNC/AN
I−1は、次のような性質を有している。 1)微量融点測定装置による融点:約140℃ 2)テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アセト
ン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、アセトニトリ
ル、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、N−メチル−
2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、N,N′−ジ
メチルホルムアミド等に容易に溶解し、キシレンに一部
可溶である。 3)DSC分析(10℃/minで昇温)では、220〜
340℃で熱重合に伴う発熱反応が観察された。 4)TG分析(10℃/minで昇温)では、413℃ま
で殆ど重量減少が見られず、この温度で熱分解に伴う明
瞭な重量減少屈曲点が観察された。なお、窒素気流中、
800℃に於ける重量残存率は58%であった。
代わりに、105.0g(0.39mol)の4−(N′
−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5′−エン−
2′,3′−ジカルボキシイミド)フェノールを使用す
る以外は、実施例1と全く同様な実験操作を実施したと
ころ、73.1g(塩化シクロホスファゼン基準の収率
70.3%)の目的物であるヘキサメチルナジイミドフ
ェノキシ置換シクロホスファゼン(構造式(5)、以下
3PNC/MNIと略す)が得られた。
NMRスペクトルは、それぞれ図3および図4に示し
た。元素分析の結果は、C:65.7wt%、H:5.3
wt%、N:7.2wt%、P:5.3wt%(理論値は、そ
れぞれ65.86wt%、5.18wt%、7.20wt%、
5.31wt%)であった。なお、該3PNC/MNI
は、次のような性質を有している。 1)微量融点測定装置による融点:約202℃ 2)テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アセト
ン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、クロロホル
ム、ベンゼン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチル
スルホキシド、N,N′−ジメチルホルムアミド等に容
易に溶解し、酢酸エチル、トルエンに一部可溶である。
72mol)およびフェノール33.88g(0.36mo
l)を含む内容量500mlのフラスコに90mlの1,4
−ジオキサンを加え、それを溶解させた。そのフラスコ
に、更に39.46g(0.39mol)のトリエチルア
ミンおよび2.2g(0.018mol)の4−ジメチル
アミノピリジンを加えて均一にした。次にフラスコを水
浴に浸し、攪拌しながら90mlの1,4−ジオキサンお
よび20.86g(0.06mol)の塩化シクロトリホ
スファゼンからなる溶液を30分かかって滴下した。そ
の後、50℃に保ちながら更に20時間攪拌を続けて反
応させた。生成した塩を濾別して得られた濾液を濃縮し
た後、それを2lの水に注ぎ、目的物を沈澱させた。沈
澱物を濾過し、それを水およびメタノールで洗浄した。
次にそれを少量のアセトンに溶解させ(不溶物を濾
別)、それを大量の水に注いで、沈澱、濾過、洗浄の操
作を施し、最後に減圧乾燥したところ、35.7g{塩
化シクロホスファゼン基準の収率93.5%(4−アリ
ルナジイミドフェノキシ基/フェノキシ基=1mol/5m
olの割合で導入されたと仮定して計算)}の目的物であ
るヘキサ(アリルナジイミドフェノキシ・フェノキシ)
置換シクロホスファゼン(構造式(6)、以下3PNC
/ANI−2と略す)が得られた。
クトルおよびNMRスペクトルの分析により平均組成と
して決定した。IRスペクトルおよびNMRスペクトル
はそれぞれ図5および図6に示した。元素分析の結果
は、C:64.7wt%、H:4.5wt%、N:6.3wt
%、P:9.6wt%(理論値は、それぞれ64.97wt
%、4.69wt%、6.31wt%、9.61wt%)であ
り、これも上記構造式を支持する。なお、該3PNC/
ANI−2は次のような性質を有している。 1)微量融点測定装置による融点:約58℃ 2)テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アセト
ン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、クロロホル
ム、ベンゼン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチル
スルホキシド、N,N′−ジメチルホルムアミド、酢酸
エチル、ベンゼン、トルエン等に容易に溶解する。
44mol)およびフェノール27.10g(0.288m
ol)を含む内容量500mlのフラスコに90mlの1,4
−ジオキサンを加え、それを溶解させた。そのフラスコ
に、更に39.46g(0.39mol)のトリエチルア
ミンおよび2.2g(0.018mol)の4−ジメチル
アミノピリジンを加えて均一にした。次にフラスコに水
浴し浸し、攪拌しながら90mlの1,4−ジオキサンお
よび20.86g(0.06mol)の塩化シクロトリホ
スファゼンからなる溶液を30分かかって滴下した。そ
の後、50℃に保ちながら更に20時間攪拌を続けて反
応させた。生成した塩を濾別して得られた濾液を濃縮し
た後、それを2lの水に注ぎ、目的物を沈澱させた。沈
澱物を濾過、それを水およびメタノールで洗浄した。次
にそれを少量のアセトンに溶解させ(不溶物を濾別)、
それを大量の水に注いで、沈澱、濾過、洗浄の操作を施
し、最後に減圧乾燥したところ、62.5g(塩化シク
ロホスファゼン基準の収率95.0%(4−アリルナジ
イミドフェノキシ基/フェノキシ基=2mol/4molの割
合で導入されたと仮定して計算)}の目的物であるヘキ
サ(アリルナジイミドフェノキシ・フェノキシ)置換シ
クロホスファゼン(構造式(7)、以下3PNC/AN
I−3と略す)が得られた。
クトルおよびNMRスペクトルの分析により平均組成と
して決定した。IRスペクトルおよびNMRスペクトル
はそれぞれ図7および図8に示した。元素分析の結果
は、C:65.7wt%、H:4.6wt%、N:6.5wt
%、P:8.1wt%(理論値は、それぞれ65.97wt
%、4.81wt%、6.41wt%、8.16wt%)であ
り、これも上記構造式を支持する。なお、該3PNC/
ANI−3は次のような性質を有している。 1)微量融点測定装置による融点:約96℃ 2)テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アセト
ン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、クロロホル
ム、ベンゼン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチル
スルホキシド、N,N′−ジメチルホルムアミド、酢酸
エチル、ベンゼン、トルエン等に容易に溶解する。
ン27.81g(0.08mol)を仕込み、それを10
0mlの1,4−ジオキサンで溶解させ、それにフェノー
ル22.59g(0.24mol)、トリエチルアミン2
4.29g(0.24mol)および4−ジメチルアミノ
ピリジン1.466g(0.012mol)を1,4−ジ
オキサン60mlに溶解させた溶液を滴下した後、50℃
で20時間反応させた。次に、4−アリルナジイミドフ
ェノール82.70g(0.28mol)、トリエチルア
ミン28.33g(0.28mol)および4−ジメチル
アミノピリジン1.71g(0.014mol)を1,4
−ジオキサン60mlに溶解した溶液を滴下し、更に50
℃で20時間反応させた。生成した塩を濾別して得られ
た濾液を濃縮した後、それを2lの水に注ぎ、目的物を
沈澱させた。沈澱物を濾過し、それを水およびメタノー
ルで洗浄した。次にそれを少量のアセトンに溶解させ
(不溶物を濾別)、それを大量の水に注いで、沈澱、濾
過、洗浄の操作を施し、最後に減圧乾燥したところ、9
0.02g{塩化シクロホスファゼン基準の収率86.
7%(4−アリルナジイミドフェノキシ基/フェノキシ
基=3mol/3molの割合で導入されたと仮定して計
算)}の目的物であるヘキサ(アリルナジイミドフェノ
キシ・フェノキシ)置換シクロホスファゼン(構造式
(8)、以下3PNC/ANI−4と略す)が得られ
た。
クトルおよびNMRスペクトルの分析により平均組成と
して決定した。IRスペクトルおよびNMRスペクトル
は、それぞれ図9および図10に示した。元素分析の結
果は、C:66.1wt%、H:4.9wt%、N:6.5
wt%、P:7.1wt%(理論値は、それぞれ66.66
wt%、4.90wt%、6.48wt%、7.16wt%)で
あり、これも上記構造式を支持する。なお、該3PNC
/ANI−4は次のような性質を有している。 1)微量融点測定装置による融点:約125℃ 2)テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アセト
ン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、クロロホル
ム、ベンゼン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチル
スルホキシド、N,N′−ジメチルホルムアミド、酢酸
エチル、ベンゼン、トルエン等に容易に溶解する。 3)DSC分析(10℃/minで昇温)では、220〜
340℃に熱重合に伴う発熱反応が観察された。 4)TG分析(10℃/minで昇温)では、398℃ま
で殆ど重量減少が見られず、この温度で熱分解に伴う明
瞭な重量減少屈曲点が観察された。なお、窒素気流中、
800℃に於ける重量残存率は54%であった。
びフェノールの使用量を、それぞれ85.05g(0.
288mol)および13.55g(0.144mol)にす
る以外は実施例4と全く同様な実験操作を実施したとこ
ろ、84.5g(塩化シクロホスファゼン基準の収率9
4.0%)のヘキサ(アリルナジイミドフェノキシ・フ
ェノキシ)置換シクロホスファゼン(構造式(9)、以
下3PNC/ANI−5と略す)が得られた。
クトルおよびNMRスペクトルの分析により平均組成と
して決定した。IRスペクトルおよびNMRスペクトル
は、ぞれぞれ図11および図12に示した。元素分析の
結果は、C:67.5wt%、H:4.9wt%、N:6.
6wt%、P:5.6wt%(理論値は、それぞれ67.7
1wt%、5.02wt%、6.58wt%、5.65wt%)
であり、これも上記構造式を支持する。なお、該3PN
C/ANI−5は次のような性質を有している。 1)微量融点測定装置による融点:約174℃ 2)テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アセト
ン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、クロロホル
ム、ベンゼン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチル
スルホキシド、N,N′−ジメチルホルムアミド、酢酸
エチル、ベンゼン、トルエン等に容易に溶解する
PNC/ANI−1を5gとり200℃で5分間減圧脱
気した後、大気圧下、200℃で1時間、引き続いて2
50℃で24時間加熱したところ、気泡のない、濃褐色
でつやがあり、かつ非常に硬度のある硬化物が得られ
た。そのIRスペクトルを図13に示す。
C/ANI−3、3PNC/ANI−4および3PNC
/ANI−5をそれぞれ2gずつ小型シャーレにとり2
00℃で5分間減圧脱気した後、大気圧下、200℃で
1時間、引き続いて250℃で24時間加熱したとこ
ろ、表1のような褐色ないし濃褐色のシート状硬化物が
得られた。IRスペクトルはそれぞれ図14〜図17に
示す。
PNC/MNIを5gとり200℃で5分間減圧脱気し
た後、大気圧下、200℃で1時間、引き続いて280
℃で24時間加熱したところ、気泡のほとんどない、濃
褐色で光沢があり、かつ非常に硬度のある硬化物が得ら
れた。そのIRスペクトルを図18に示す。
ニルヨードニウムパークロレートをそれぞれ3gおよび
0.03g小型シャーレにとり、150℃で溶融混合、
150℃で5分間減圧脱気した後、大気圧下、200℃
で25時間加熱したところ、実施例10と全く同様のI
Rスペクトルおよび性状を示す硬化物が得られた。
のような接着性試験を行った。3PNC/ANI−1を
MEKに溶解して50wt%溶液とし、それを軟鋼板試験
片(2.0mm×25mm×100mmの軟鋼板を、♯240
の研磨紙でみがいた後、トリクレン洗浄したもの)の片
隅に塗布(25mm×約15mm)し、80℃で10分間、
更に140℃で20分間加熱して溶媒を乾燥、除去し
た。このように調製した2枚の板を、接着面積が25mm
×12.5mmになるように塗布面どうしを重ね合わせ、
目玉クリップで固定し、大気圧下、220℃で1時間硬
化した後クリップをはずし、更に280℃で10時間保
持して後硬化を行った。試験片を室温下、1.0mm/分
の速度で引っ張り、引っ張り剪断強度を求めたところ、
100.2kg/cm2であった。
のような接着性試験を行った。3PNC/ANI−1を
MEKに溶解して50wt%溶液とし、それをアルミニウ
ム板試験片(2.0mm×25mm×100mmの軟鋼板を、
♯240の研磨紙でみがいた後、トリクレン洗浄したも
の)の片隅に塗布(25mm×約15mm)し、80℃で1
0分間、更に160℃で20分間加熱して溶媒を乾燥、
除去した。このように調製した2枚の板を、接着面積が
25mm×12.5mmになるように塗布面どうしを重ね合
わせ、目玉クリップで固定し、大気圧下、230℃で1
時間硬化した後クリップをはずし、更に295℃で10
時間保持して後硬化を行った。試験片を室温下および2
40℃、1.0mm/分の速度で引っ張り、引っ張り剪断
強度を求めたところ、それらの値はそれぞれ87.3kg
/cm2および70.4kg/cm2であった。
のような接着性試験を行った。3PNC/ANI−1を
MEKに溶解して30wt%溶液とし、それを軟鋼板試験
片(2.0mm×25mm×100mmの軟鋼板を、♯240
の研磨紙でみがいた後、トリクレン洗浄したもの)の片
隅に塗布(25mm×約15mm)し、120℃で10分
間、更に160℃で10分間加熱して溶媒を乾燥、除去
した。このように調製した2枚の板を、接着面積が25
mm×12.5mmになるように塗布面どうしを重ね合わ
せ、目玉クリップで固定し、大気圧下、260℃で10
時間保持して硬化させた。試験片を大気圧下、280℃
で0〜30日間オーブン中で熱処理した後、試験片を取
りだし、剪断接着強度(室温下、1.0mm/分の引っ張
り速度)の経時変化を求めたところ、図19に示す結果
が得られた。
て合成したヘキサナジイミドフェノキシ置換シクロトリ
ホスファゼンについて、実施例14と全く同様な方法で
試験片を調製し、接着試験を行ったところ、室温下およ
び240℃での引っ張り剪断強度(1.0mm/分の引っ
張り速度)は、それぞれ60.6kg/cm 2および36.
2kg/cm2であった。
ナジイミドフェノキシ基含有シクロホスファゼン誘導体
(1)は、従来の無置換のナジイミドフェノキシ基含有
シクロホスファゼン誘導体に比べ、硬化の際のボイドの
生成が少ないため、注型成形、射出成形、圧縮成形等の
通常の硬化成形法が採用でき、また広範囲の有機溶媒に
可溶性であるため、耐熱、難燃性で、かつ硬度の高い被
膜を成形する塗料、接着剤等として有用であり、また、
金属との接着強度も従来の無置換のナジイミドフェノキ
シ基含有シクロホスファゼン誘導体に比べ格段に高いの
で、無機物を結合する結合材としても有用である。更
に、従来の無置換のナジイミドフェノキシ基含有シクロ
ホスファゼン誘導体の製造方法は複数の工程を必要とす
るのに対し、本発明の置換ナジイミドフェノキシ基含有
シクロホスファゼン誘導体の製造方法は一工程で済み、
しかも収率、選択率共に高いので経済的である。
Rスペクトルである。
MRスペクトルである。
ペクトルである。
スペクトルである。
Rスペクトルである。
MRスペクトルである。
Rスペクトルである。
MRスペクトルである。
Rスペクトルである。
NMRスペクトルである。
IRスペクトルである。
NMRスペクトルである。
重合体のIRスペクトルである。
重合体のIRスペクトルである。
重合体のIRスペクトルである。
の重合体のIRスペクトルである。
の重合体のIRスペクトルである。
合体のIRスペクトルである。
の重合体の剪断接着強度の経時変化を示すグラフであ
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 次の一般式(1) 【化1】 〔式中、nは3または4であり、R1 およびR2 の少な
くとも1個は次の式(2) 【化2】 〔ここでR3 は水素原子または非反応性基を示し、R4
は炭素数1〜6のアルキルまたはアルケニル基を示す〕
で示される置換ナジイミドフェノキシ基を示し、残余は
非反応性の置換基を有していてもよいフェノキシ基を示
す〕で表わされるアルキルまたはアルケニル置換ナジイ
ミドフェノキシ基含有シクロホスファゼン誘導体。 - 【請求項2】 4−(N−モノまたはジアルキルアミ
ノ)ピリジンおよび塩酸捕捉剤の存在下、塩化シクロホ
スファゼンに次の一般式(3) 【化3】 〔式中、R3 は水素原子または非反応性基を示し、R4
は炭素数1〜6のアルキルまたはアルケニル基を示す〕
で表わされる置換ナジイミドフェノールまたは当該置換
ナジイミドフェノールおよび非反応性の置換基を有して
いてもよいフェノールを反応させることを特徴とする請
求項1記載のアルキルまたはアルケニル置換ナジイミド
フェノキシ基含有シクロホスファゼン誘導体の製法。 - 【請求項3】 請求項1記載のアルキルまたはアルケニ
ル置換ナジイミドフェノキシ基含有シクロホスファゼン
誘導体をカチオン触媒の存在下または不存在下に加熱す
ることを特徴とするアルキルまたはアルケニル置換ナジ
イミドフェノキシ基含有シクロホスファゼン誘導体の重
合体の製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4299894A JPH06145183A (ja) | 1992-11-10 | 1992-11-10 | 新規置換ナジイミドフェノキシ基含有シクロホスファゼン誘導体、その製法およびその重合体の製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4299894A JPH06145183A (ja) | 1992-11-10 | 1992-11-10 | 新規置換ナジイミドフェノキシ基含有シクロホスファゼン誘導体、その製法およびその重合体の製法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06145183A true JPH06145183A (ja) | 1994-05-24 |
Family
ID=17878222
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4299894A Pending JPH06145183A (ja) | 1992-11-10 | 1992-11-10 | 新規置換ナジイミドフェノキシ基含有シクロホスファゼン誘導体、その製法およびその重合体の製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06145183A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006036736A (ja) * | 2004-07-30 | 2006-02-09 | Kaneka Corp | ホスファゼン骨格を有する酸無水物およびそれを用いた難燃性樹脂組成物ならびに難燃性樹脂成形品。 |
JP2008536978A (ja) * | 2005-04-15 | 2008-09-11 | パラレル ソリューションズ,インク. | ピロリドン側基を含む生分解性ポリホスファゼン |
JP2009029777A (ja) * | 2007-06-27 | 2009-02-12 | Chisso Corp | アリル置換ナジイミド化合物、液晶配向剤、液晶配向膜および液晶表示素子 |
JP2014037478A (ja) * | 2012-08-15 | 2014-02-27 | Fushimi Pharm Co Ltd | 分子認識ポリマーの製造方法 |
-
1992
- 1992-11-10 JP JP4299894A patent/JPH06145183A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006036736A (ja) * | 2004-07-30 | 2006-02-09 | Kaneka Corp | ホスファゼン骨格を有する酸無水物およびそれを用いた難燃性樹脂組成物ならびに難燃性樹脂成形品。 |
JP2008536978A (ja) * | 2005-04-15 | 2008-09-11 | パラレル ソリューションズ,インク. | ピロリドン側基を含む生分解性ポリホスファゼン |
JP2009029777A (ja) * | 2007-06-27 | 2009-02-12 | Chisso Corp | アリル置換ナジイミド化合物、液晶配向剤、液晶配向膜および液晶表示素子 |
JP2014037478A (ja) * | 2012-08-15 | 2014-02-27 | Fushimi Pharm Co Ltd | 分子認識ポリマーの製造方法 |
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EP0318868A1 (en) | Maleimide-based thermosettable resin compositions |
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