JPH06144837A - コロンバイト型ニオブ酸塩の合成法及びそれを用いるペロブスカイト型化合物の合成法 - Google Patents

コロンバイト型ニオブ酸塩の合成法及びそれを用いるペロブスカイト型化合物の合成法

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JPH06144837A
JPH06144837A JP4323819A JP32381992A JPH06144837A JP H06144837 A JPH06144837 A JP H06144837A JP 4323819 A JP4323819 A JP 4323819A JP 32381992 A JP32381992 A JP 32381992A JP H06144837 A JPH06144837 A JP H06144837A
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悌治 佐藤
Hitoshi Nakada
斉 中田
Takayuki Ishizuki
隆之 石附
Shoichi Iwatani
昭一 岩谷
Koji Takahashi
幸治 高橋
Yuichi Mito
勇一 三戸
Hitoshi Tanaka
田中  均
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、コロンバイト型ニオブ酸塩の合成
法及びそれを用いるニオブ含有鉛系ペロブスカイト型化
合物の合成法に関する。 【構成】 新鮮な水酸化ニオブと酢酸金属塩とアンモニ
ア水とからなるコロンバイト化合物の前駆体スラリーを
スプレー乾燥し、次いで500℃以上で仮焼して粒径1
μm以下の結晶性コロンバイト型化合物とする。このも
のに鉛成分を混合し、仮焼、粉砕後に800乃至110
0℃の温度で焼結させて、ニオブ含有鉛系の複合ペロブ
スカイト型高誘電体を合成する。 【効果】 本コロンバイトの前駆体を用いることによ
り、500乃至1100℃の温度で1μm以下の微細な
コロンバイト型ニオブ酸塩の結晶が得られ、これを用い
る鉛系ペロブスカイト化合物は950℃以下の低温度焼
結が可能であり、且つその焼結体は従来の固相法では得
られない均一な微細組織を有し、誘電特性に優れてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コロンバイト型ニオブ
酸塩の合成法及びそれを用いるニオブ含有鉛系ペロブス
カイト型化合物の合成法に関するもので、より詳細には
コロンバイト型結晶への転移及びペロブスカイト型結晶
への転移が比較的低温で可能な合成法に関する。
【0002】
【従来の技術】ペロブスカイト型のセラミックは圧電材
料、焦電材料、強誘電体材料として広く使用されてお
り、このペロブスカイトは一般式
【0003】
【化2】 で表わされる化学組成を有し、種々のものが使用されて
いる。
【0004】ペロブスカイトの1種として、マグネシウ
ムニオブ酸鉛(PMN)のようなニオブ含有鉛系ペロブ
スカイトが知られており、このものは、上記「化2」で
AサイトがPbO、BサイトがMNb2 6 (Mは2価
及び3価の金属である)となった複合ペロブスカイトで
ある。
【0005】この種の複合ペロブスカイトの合成法とし
て、所謂固相法が知られており、この方法では、MgO
とNb2 5 をボールミル混合し、1000℃で固相反応し
てMgNb2 6 (コロンバイト)とした後、これをP
bOとボールミル混合し、850〜900℃で仮焼し
て、ペロブスカイト型マグネシウムニオブ酸鉛を製造す
る。
【0006】しかしながら、上記方法では、生成するコ
ロンバイトとPbOとがかなり高温でなければ固相反応
を生じなく、一方高温ではPbOが揮散するため、組成
が不均質となったり、組成が設定値通りに制御すること
が困難となるという問題がある。
【0007】この問題を改善するものとして、特公平2-
34890 号報には、五塩化ニオブまたはニオブアルコキシ
ドに有機溶媒およびアルカリ溶液を加えてニオブヒドロ
ゲルを形成させ、これに少なくとも1種以上の金属塩水
溶液を混合した後、乾燥、仮焼することから成る複合型
ペロブスカイト結晶粉体の製造法が記載されている。
【0008】また、特開昭61-83628号公報には、ニオブ
のシュウ酸酸性溶液と金属マグネシウム等とを混合して
得られる溶液を1000℃に保持された電気炉に噴霧し、得
られた粉末を900℃に3時間仮焼することにより、M
gNb2 6 単一相を得ること、及びこのものをPbO
とポットミル混合し、850℃に1時間仮焼することに
よりPMNペロブスカイトを製造することが記載されて
いる。
【0009】
【発明が解決しようとする問題点】前者の提案は、固相
法に比べてかなり低い温度でPMNの生成を行い得ると
しても、未だ800℃程度の温度が必要であると共に、
鉛成分を含めて全ての成分を溶液で取扱う必要がある点
で未だ満足しうるものではない。
【0010】後者の提案は、コロンバイトを湿式で製造
し、一方これからのPMNの合成を乾式で行うという着
想において優れたものであるが、コロンバイトの生成に
1000℃での分解と900℃での仮焼のように高温での処
理が必要であり、またPMNへの仮焼にも850℃もの
高温が必要である点で未だ改善の余地がある。
【0011】従って、本発明の目的は、比較的低温での
熱処理で高純度でしかも均質なコロンバイト型ニオブ酸
塩を合成できると共に、生成したコロンバイト型ニオブ
酸塩が酸化鉛と共に仮焼したとき従来の方法よりも低い
温度でペロブスカイト型結晶に転移し得るコロンバイト
型ニオブ酸鉛の合成法を提供するにある。
【0012】本発明の他の目的は、低温での仮焼が可能
であることから、組成の均一性及び純度に優れ且つ従来
よりさらに高誘電率の誘電体材料であるニオブ含有鉛系
ペロブスカイト型化合物の合成法を提供するにある。
【0013】
【問題点を解決するための手段】本発明によれば、生成
したばかりの新鮮な水酸化ニオブの水性スラリーと水酸
化ニオブに対して化学量論的量の酢酸金属塩とアンモニ
ア水とを混合し、この混合液をスプレー乾燥して粉末状
混合物とし、この粉末混合物を仮焼することを特徴とす
るコロンバイト型ニオブ酸塩の合成法が提供される。
【0014】本発明によればまた、上記の合成法で得ら
れるコロンバイト型ニオブ酸塩と酸化鉛とを化学量論的
量比で均密に混合し、この混合物を仮焼することを特徴
とするニオブ含有鉛系ペロブスカイト型化合物の合成法
が提供される。
【0015】新鮮な水酸化ニオブの水性スラリーとして
は、水酸化ニオブをシュウ酸に溶解し、次いでアンモニ
ア水を添加して沈澱を生成させることにより得られたも
のを用いることが好ましい。
【0016】
【作用】本発明のコロンバイト型ニオブ酸塩の合成法で
は、原料として生成したばかりの新鮮な水酸化ニオブの
水性スラリーと酢酸金属塩との組合せを用いることが重
要な特徴である。
【0017】即ち、生成したばかりの新鮮な水酸化ニオ
ブは、経時した水酸化ニオブに比して基本単位構造の重
合の程度が小さく、また一次粒子も微細であるという特
徴を有しており、この新鮮な水酸化ニオブを原料として
用いることにより、比較的低温、例えば500〜1100℃
の仮焼でコロンバイト型結晶に容易に転移し、しかも生
成したコロンバイト型結晶は酸化鉛と混合して焼成した
とき、比較的低温、例えば600〜700℃の仮焼でペ
ロブスカイト型結晶に容易に転移する。
【0018】原料に用いる水酸化ニオブでの新鮮さの程
度は、6規定硫酸への溶解性で評価し得る。普通の水酸
化ニオブは鉱酸類に難溶であり、経時した水酸化ニオブ
は、6N−H2 SO4 40mlに水酸化ニオブをNb
2 5 として0.5gの量で添加したとき殆んど溶解し
ないが、本発明に用いる新鮮な水酸化ニオブは、上記条
件で硫酸中に完全に溶解する。
【0019】表1は後述する実施例から本発明の特徴を
要約したものである。原料水酸化ニオブの6N−硫酸中
への溶解性とニオブ酸塩を900℃で仮焼した粉末のコ
ロンバイトと、PbOとの混合物を仮焼したときのペロ
ブスカイト型結晶単一相への転移開始温度及び焼結完了
温度との関係を示している。この表1から、本発明に用
いる新鮮な水酸化ニオブでは、コロンバイト型結晶の生
成率が100%というように高く、経時した水酸化ニオ
ブは五酸化ニオブを副生し、生成率が60乃至75%と
低い。、しかもペロブスカイト型結晶単一相への転移開
始温度も焼結完了温度も約200℃も低くなっていると
いう驚くべき事実が明かとなる。
【0020】
【表1】
【0021】本発明において、ニオブ原料として新鮮な
水酸化ニオブを用いることは、ニオブ化合物の溶液、例
えばニオブのシュウ酸酸性溶液やフッ化水素酸溶液を用
いる場合に比して夾雑イオンの影響がなく、またこれら
のイオンを除去するための高温処理が必要となくなると
いう点でも利点をもたらす。
【0022】本発明では、ニオブ酸塩として組込む金属
成分を酢酸塩の形で用いることも重要である。水溶性金
属塩を構成する酸根としては、勿論種々の無機酸及び有
機酸のものがあるが、酢酸以外の酸では、高温での分解
が必要となり、低温でのコロンバイトへの転移及び低温
でのペロブスカイトへの転移が不可能となる。
【0023】後述する表2は、金属塩として酢酸マグネ
シウムを使用した場合と、シュウ酸酸性マグネシウム溶
液を使用した場合とについて、前記と同様にコロンバイ
トの900℃仮焼での生成率を測定したものであるが、
酢酸塩を用いることにより、900℃の仮焼においてコ
ロンバイトの生成が100%に達していることが明らか
となる。
【0024】本発明では、さらに上記の新鮮な水酸化ニ
オブスラリー及び酢酸塩と共にアンモニア水を混合する
ことも、コロンバイトの生成を低温で行わせるために重
要である。即ち混合液中にアンモニア水を添加すること
により、混合液のpHは弱アルカリ乃至アルカリ性とな
り、これによりコロンバイトへの転移開始温度を低くす
ることが可能となる。混合液のpHとコロンバイト型ニ
オブ酸の生成率と転移開始温度との関係は後述する表4
及び図1に明確に示されている。
【0025】本発明では、かくして形成される混合液を
スプレー乾燥等の乾燥手段で粉末状とする。本発明に使
用する新鮮な水酸化ニオブは、水性媒体への分散性に優
れているとはいえ、水酸化ニオブ粒子と水溶液との間に
は大きな比重差があるため、この混合液の乾燥に長時間
をかけたのでは、両者の分離による組成の不均質化を生
じる。本発明では、生成する混合液をスプレー乾燥また
は凍結乾燥することにより、組成が均質化した状態で粉
末化が可能となる。
【0026】本発明では、この粉末状混合物を仮焼する
ことにより、夾雑物がなく、組成が均質なコロンバイト
型ニオブ酸金属塩が得られ、得られたものの一次粒子は
著しく微細なサブミクロン粒子から成っており、しかも
仮焼温度が低いため粗大粒子への粒成長もなく、凝集の
程度も少ない。図2は本発明によるコロンバイト型ニオ
ブ酸金属塩の走査型電子顕微鏡写真(倍率15,000)であ
る。
【0027】本発明によるコロンバイト型ニオブ酸金属
塩は、比較的低温の仮焼で得られるのみならず、酸化鉛
と均密に混合し、仮焼したとき、従来法に比してかなり
低い温度で、パイロクロア等の副生なしにニオブ酸含有
鉛系ペロブスカイト型化合物に転移するという特徴を有
している。
【0028】
【発明の好適態様】
(新鮮な水酸化ニオブの調製)ニオブ塩としては、五塩
化ニオブ、フッ化ニオブ酸等が入手しやすいが、これら
の原料を使用すると、生成するコロンバイトに夾雑イオ
ンの影響があり、これを除去しようとすると高温の仮焼
が必要となるため、本発明では水酸化ニオブを使用す
る。
【0029】水酸化ニオブは勿論市販品を入手し得る
が、市販で入手し得るものは、既に指摘した通り、低温
でコロンバイトへ転移する性能に欠けているので、本発
明においては生成したばかりの新鮮な水酸化ニオブを使
用する。
【0030】この新鮮な水酸化ニオブNb(OH)5
は、市販の水酸化ニオブをシュウ酸に溶解させ、この溶
液にアンモニア水を添加して、沈澱を形成させ、沈澱を
濾過分離し、よく洗浄することにより得られる。水酸化
ニオブの新鮮さの程度は、前述した硫酸溶解性で評価で
きる。
【0031】本発明に用いる新鮮な水酸化ニオブを得る
調製条件のうち、特に反応方向、反応終了pH及び反応
温度に留意するのがよい。
【0032】シュウ酸ニオブの水酸化ニオブの沈澱はp
H5以上で生成するが、シュウ酸根を洗浄除去する点か
ら、pH7以上で沈澱させることが必要であり、好まし
くは7.5乃至9.0であって、より好ましくは8.0
乃至8.6であり、pH10以上では濾過、洗浄が困難
となる。
【0033】また反応温度は、20乃至50℃で、好ま
しくは30乃至40℃であり、60℃以上では詳細は不
明であるが水酸化ニオブの単位構造の重合度が大きくな
り、また一次粒子も粗大化して本発明における新鮮度か
らはずれる水酸化ニオブとなる。
【0034】シュウ酸としては、濃度が0.5乃至1規
定のシュウ酸溶液が使用され、このシュウ酸溶液中に、
水酸化ニオブの重量が50乃至100g/l、特に60
乃至70g/lとなるように市販の水酸化ニオブの溶解
を行えばよい。溶解は室温でよいが、所望によっては、
90℃程度迄加温して行ってもよい。
【0035】このニオブ溶液に、アンモニア水を添加し
て液のpHを上記したごとく好適には7以上とすること
により、新鮮な水酸化ニオブが沈澱として生成する。水
酸化ニオブの洗浄の程度は、シュウ酸根が可及的に少な
くなるようなものであり、一般にシュウ酸根の量が五酸
化ニオブ当り0.05重量%以下となるように洗浄を行
えば十分である。
【0036】以上の条件で調製される水酸化ニオブが本
発明で特定する新鮮さを保持するのは、濾過、洗浄あが
りの濾過ケーキが簡単な攪拌下に容易に再スラリー化す
る水和ニオブ酸或いは水和ニオブニウム酸なるものであ
るからといえる。
【0037】(コロンバイトの合成)新鮮な水酸化ニオ
ブは、五酸化ニオブとしての濃度が1乃至20重量%、
特に5乃至10重量%となる水性スラリーでコロンバイ
ト前駆体の調製に用いるのがよい。
【0038】一方、酢酸金属塩としては、水酸化ニオブ
との間でコロンバイト型ニオブ酸塩を形成し得る2価金
属は何れも使用でき、例えばFe,Co,Ni等の鉄族
金属、Mg,Zn等の周期律表第II族金属、Cr,M
n,In,Cu等を挙げることができる。これらの金属
の内でもマグシウムが本発明の目的に好適である。酢酸
金属塩は、コロンバイトを形成するに足る化学量論的量
で前駆体の調製に用いる。
【0039】前駆体の調製は、一般に新鮮な水酸化ニオ
ブのスラリー中に、酢酸金属塩の水溶液を攪拌下に滴下
し、更にアンモニア水を混合することにより行なう。酢
酸金属塩水溶液の濃度は、混合が均一に行われるような
ものであればよく、特に制限はないが、1乃至10重量
%の範囲が適当である。混合は、室温で十分であるが、
60℃程度迄の加熱下に混合を行ってもよい。
【0040】本発明では、上記酢酸金属塩に加えてアン
モニア水を前駆体スラリーに混合しておくことも、低温
の仮焼でコロンバイトの生成を容易にする上で必要であ
る。アンモニアの量は用いた酢酸金属塩中の酢酸分に対
して当量以上となる量であるが、アンモニアの量があま
りにも多くなると、仮焼時に副反応が生じるので、混合
液のpHが7乃至10.4、特に9乃至10となる量で
用いるのがよい。
【0041】得られた混合液は、必要により30乃至8
0℃の温度に加熱した後、スプレー乾燥して粉末状の前
駆体とする。即ち、上記手段で得られる混合液は、これ
を通常の手段で乾燥したのでは、低温仮焼の可能な粉末
は形成されないが、水分の除去を瞬間的に行なうことに
より、低温仮焼可能な前駆体となる。スプレー乾燥は、
混合液を熱気流中にスプレーすることにより行われる
が、熱気流の温度は、スプレー量によっても相違する
が、一般に150乃至400℃、特に180乃至300℃の範
囲が適当である。
【0042】本発明によれば、上記の方法で得られる粉
末状の混合物、即ち前駆体を仮焼してこれをコロンバイ
ト型ニオブ酸塩に転移させる。前駆体を仮焼すると、混
合物中の全ての揮発性成分が分解除去されると共に、ニ
オブ成分と金属成分とが反応し、コロンバイト型結晶と
なる。本発明の場合、金属の種類にもよるが、この転移
は500乃至900℃のような低い温度で開始され、結
晶への転移は800乃至900℃程度で飽和する。
【0043】一般に仮焼は500乃至1100℃、特に50
0乃至900℃で、0.5乃至4時間、特に2乃至3時
間程度行うのが好ましい。
【0044】本発明によれば、かくして、一般式「化
1」 式中Mは、2価及び3価の金属であり、mは金属Mの価
数である。のコロンバイトが生成する。図1は、本発明
によるコロンバイト型ニオブ酸塩の一例(MgNb2
6 )の結晶転移温度とそのX線回折像を示している。
【0045】本発明によるコロンバイト型ニオブ酸塩
は、組成が均質な前駆体の低温仮焼で合成されているこ
とにも関連して、一次粒子径が微細であり、電子顕微鏡
による平均一次粒子径は一般に0.05乃至0.5μ
m、特に0.1乃至0.2μmの範囲にある。
【0046】仮焼したままのコロンバイトは、一次粒子
がやや凝集して、平均粒径が0.8乃至3μmの2次粒
子となっているが、これを粉砕することにより容易にサ
ブミクロンの粒子となる。
【0047】図2は、本発明によるコロンバイト型ニオ
ブ酸塩の一例(MgNb2 6 )の900℃仮焼物粒子
構造を示す電子顕微鏡写真(倍率15,000)である。
【0048】図4は、上記本発明によるMgNb2 6
の900℃仮焼物のX線回折像である。
【0049】一方、図3、図5はそれぞれ従来の固相法
によるMgNb2 6 の1200℃仮焼物の粒子構造を示す
電子顕微鏡写真(倍率15,000)であり、及びそのX線回
折像である。
【0050】(ペロブスカイト型化合物の合成)本発明
によるコロンバイト型ニオブ酸塩は、酸化鉛と化学量論
的量比で均密に混合し、これを仮焼したとき、従来の合
成法に比してかなり低い温度でペロブスカイト型化合物
を与える。即ち、このニオブ酸塩と一酸化鉛との均密混
合物は、金属の種類にもよるが500乃至1100℃のよう
な低い温度でペロブスカイトに転移し、結晶への転移は
800乃至1000℃で飽和する傾向を示す。誘電体等の磁
器化に必要な焼結は一般的に言って、800乃至1100
℃、特に850乃至1000℃の温度で1乃至3時間、特に
1.5乃至2時間程度行うのがよい。
【0051】従来の固相法では、後述するごとくその焼
結温度は1000乃至1200℃を必要とする。
【0052】図6は、本発明によるコロンバイト型ニオ
ブ酸塩を用いるニオブ含有鉛系ペロブスカイト化合物の
合成及びその焼結体を得るまでの工程図である。
【0053】一方図7は、従来の固相法によるニオブ含
有鉛系ペロブスカイト化合物の合成及びその焼結体を得
ると同様の工程図である。
【0054】両者を比較すると従来法は始めから鉛成
分、ニオブ成分、M成分からなる単独成分を混合させて
固相反応によりペロブスカイト化合物(PMN等)とす
る。
【0055】本発明は、ニオブ成分とM成分からなるM
Nの前駆体を調製し、一旦コロンバイト型ニオブ酸塩
(MN)を合成し、次いで鉛成分を混合させて固相反応
させPMNにすることを特徴とする多段湿式合成法であ
る。
【0056】図8は、本発明によるコロンバイト型マグ
ネシウム・ニオブ酸塩を用いるマグネシウム・ニオブ含
有鉛系ペロブスカイト(PMN)の焼結体表面及び断面
の粒界構造を示す電子顕微鏡写真(倍率2,000)であ
る。
【0057】一方図9は、従来の固相法によって得られ
たマグネシウム・ニオブ含有鉛系ペロブスカイトの焼結
体表面及び断面の粒界構造を示す電子顕微鏡写真(倍率
2,000)である。
【0058】酸化鉛としては、所謂リサージ型或いはマ
シコット型の一酸化鉛が使用できるが、その粒径は一般
に0.1乃至10μmの範囲にあるものを使用するのが
よい。
【0059】本発明によると、図8,図9から明らかな
ように低温仮焼が可能となるため、仮焼に際して一酸化
鉛の揮散がなく、全体の組成が設定配合比どおりに均質
でしかも粒度も1μmよりも微細なペロブスカイト型化
合物が得られ、その焼結体は結晶粒子の成長が抑制され
微細組織が均一で、緻密な焼結体が得られることがよく
理解される。
【0060】
【実施例】
〔実施例1〕新鮮な水酸化ニオブを用いるコロンバイト
型ニオブ酸塩(MNb2 6 ;MはMgの周期律表第II
族金属、Fe,Co,Ni等の鉄族金属)の合成につい
て説明する。本発明のMNb2 6 の合成は、新鮮な水
酸化ニオブの調製工程-1、M,Nb成分の混合工程-
2、スプレー乾燥工程−3、仮焼工程−4からなる。
【0061】[工程−1]新鮮な水酸化ニオブ調製 Nb2 5 として132.91gとなるように市販のNb(O
H)5 ケーキ(原料No.NH−2と記す)を秤量した
後、脱イオン水および332.28gのシュウ酸[(COO
H)2 ・2H2 O]を加え、Nb2 5 として濃度5重
量%のシュウ酸酸性水溶液2658.2gを調製する。これに
液温が、40℃以上にならないように冷却しながら、6
モル/lのアンモニア水をpH8になるまで加え、水酸
化ニオブを沈澱させる。得られたスラリーを濾過後、ア
ンモニア水でpH8に調製した1%酢酸水溶液で洗浄
し、Nb2 5 濃度5.00重量%、五酸化ニオブ当りのシ
ュウ酸根濃度が0.05%以下の本発明に用いる新鮮な水
酸化ニオブ[Nb(OH)5 ]のスラリーを調製する。
【0062】
【表2】
【0063】表2に示す新鮮な水酸化ニオブの調製条件
のうち、特に反応終了pH及び反応温度が重要である。
表2に示すように、水酸化ニオブの沈澱は、pH4以上
で生成するが、シュウ酸根の洗浄除去の点から、pH7
以上で、好ましくは8以上である。また反応温度は、好
ましくは20乃至40℃であり、特に70℃以上では、
詳細は不明であるが水酸化ニオブの単位構造の重合度が
大きくなり、本発明における新鮮度からはずれ、反応性
が悪くなる。
【0064】以上の条件で調製された表3に示す原料N
o.N−1,N−3,N−4,N-5の水酸化ニオブが本
発明で特定する6N−硫酸に完全溶解する新鮮な水酸化
ニオブであり、このものは濾過・洗浄上がりの濾過ケー
キが簡単な攪拌下に容易に再スラリー化する水和型ニオ
ブ酸といえる。
【0065】なお例えば、原料No.N-1なる水酸化ニ
オブを室温下に風乾させた原料No.NH−1は本発明の
新鮮度からはずれ、6N−硫酸に不完全溶解の水酸化ニ
オブとなる。また市販の水酸化ニオブであるNH−2
は、ほとんど溶解しないものである。
【0066】
【表3】
【0067】表3中の原料の良否とは、下記する工程4
によって得られるコロンバイト型ニオブ酸塩のコロンバ
イトの生成率、コロンバイト以外の酸化ニオブ混在の有
無等から評価したものである。例えば、原料No.N−
1を用いたマグネシウム・ニオブ系は900℃焼成で1
00%のコロンバイト[MgNb2 6 ]を生成する
が、N−2,N−5及びNH−1では900℃焼成のコ
ロンバイト[MgNb2 6 ]生成率は60乃至78%
であり、しかもN−5では酸化ニオブが混在する。
【0068】[工程−2]M、Nb成分の混合 工程1で得られたNb(OH)5 スラリー2658.2g
[Nb2 5 として0.5モル]に攪拌しながら、例え
ばM成分としてMgO濃度として5重量%となるように
調製した、酢酸マグネシウム[Mg(CH3 CO
O)2 ]水溶液403.1g を加え、さらにpH10になる
まで6モル/lアンモニア水を加え、Mg、Nb成分か
らなるコロンバイト型ニオブ酸塩の前駆体である混合ス
ラリーを調製する。※上記のpH領域は、7乃至10.
5で、好ましくは9.5乃至10である。
【0069】[工程−3]スプレー乾燥 工程2で得られた例えばMg、Nb成分からなる前駆体ス
ラリーを入口温度 260℃、出口温度90℃の条件下でス
プレー乾燥することによりコロンバイト型のMgNb2
6 組成のアモルファス粉末が得られる。
【0070】[工程−4]仮焼 工程3で得られた例えばMgNb2 6 なるアモルファ
ス粉末を500乃至900℃で2時間仮焼することによ
り表4に示す本発明による試料No.MN−1乃至MN
−6,MN−8なるコロンバイト型結晶性MgNb2
6 を製造した。また表4に示す試料No.MN−7,M
N−9,MN−10は本発明の比較例である。
【0071】なお本発明における水酸化ニオブの新鮮
度、コロンバイトの生成率は以下の試験方法による。 試験方法 1 水酸化ニオブの新鮮度 6規定硫酸40mlに五酸化ニオブ[Nb2 5 ]とし
て0.5gの水酸化ニオブスラリーを加え、良く攪拌し
た後、目視により完全溶解するものを新鮮度が良好とし
て○印を付し、不完全溶解のものを新鮮度が不良として
×印を付し、新鮮度を判定する。
【0072】2 コロンバイト生成率 コロンバイトの生成率は粉末X線回折法により、五酸化
ニオブの面指数(040)の最強度回折線ピークとコロン
バイト[MgNb2 6 ]の面指数(131)の最強度回
折線ピークを用い下記式により算出した。
【数1】 ( M N ) :コロンバイト[MgNb2 6 ]の面指数
(131) の回折線ピーク強度 I( N ) :五酸化ニオブの面指数(040)の回折線ピ
ーク強度
【0073】比較例1 実施例1の試料No.MN−1の工程−2において、酢
酸マグネシウムのかわりにシュウ酸マグネシウムを使用
した以外は、実施例1と同様にしてマグネシウム・ニオ
ブ酸塩を合成し、次いで900℃で焼成したがそのコロ
ンバイト[MgNb2 6 ]生成率は60%であった。
【0074】[実施例2]実施例1の工程−2におい
て、酢酸マグネシウムのかわりにFeOとして濃度5重
量%となるように非酸化雰囲気で調製した酢酸第一鉄水
溶液718.5g を加えた他は実施例1と同様の操作を行い
試料No.FM−1なるコロンバイト型結晶性FeNb
2 6 を製造した。
【0075】[実施例3]実施例1の工程−2におい
て、酢酸マグネシウムのかわりにCoO濃度として5重
量%となるように調製した酢酸コバルト水溶液749.4gを
加えた他は実施例1と同様の操作を行い試料No.CM
−1なるコロンバイト型結晶性CoNb2 6 を製造し
た。
【0076】
【表4】
【0077】[実施例4]実施例1乃至3で得られたコ
ロンバイト型マグネシウム・ニオブ酸塩、コロンバイト
型鉄・ニオブ酸塩、コロンバイト型コバルト・ニオブ酸
塩をそれぞれ用いて、複合ペロブスカイト型化合物とし
てPb(Mg1 / 3 Nb2 / 3 )O3 ,Pb(Fe
1 / 3 Nb2 / 3 )O3 ,Pb(Co1 / 3
2 / 3 )O3 で示される組成式からなるペロブスカイ
ト型誘電体磁器素体を以下に示す手順により作成し、従
来の固相法と比較してその電気特性を調べた。 (1) 本発明による新鮮な水酸化ニオブを用いて調製
したコロンバイト化合物の前駆体をスプレー乾燥し、そ
の後500〜1100℃において2時間仮焼し、粉体粒
径が1μm以下の微細に結晶化したコロンバイト型化合
物を得た。 (2) 得られたコロンバイト型結晶物を粉砕し、それ
ぞれ酸化鉛粉末(PbO)を所定量秤量する。 (3) 上記(2)での秤量物はジルコニア製ボールを
用い純粋を溶媒として15〜20時間湿式混合する。 (4) 脱水乾燥し、600〜750℃の温度において
2時間仮焼成し、固相反応を行わせることにより、ペロ
ブスカイト型誘電体材料を調製する。 (5) 調製されたペロブスカイト型誘電体材料仮焼成
物をアルミナ製乳鉢で粗砕後ジルコニア製ボールを用い
純水を溶媒として、湿式粉砕し乾燥する。 (6) 13重量%ポリビニルアルコール溶液を10重
量%加えて均質に混合し、12mmφの金型を用いて、
300Mpaの成形圧で成形し、500〜600℃で2
時間加熱して脱バインダー処理し、高温での鉛成分の蒸
発を小さくするためにマグネシウム磁器容器に入れて密
閉し、850〜1100℃で2時間焼結を行う。 最後に、このようにして形成されたペロブスカイト型誘
電体磁器素体に、銀電極を塗布形成し焼き付けを行っ
た。調製されたコロンバイト型塩の生成物を確認するた
めに、多段湿式法で得たMgNb2 6 前駆体を900℃
で仮焼した焼成物について粉末X線回折装置によりその
確認を行うとともに、得られた仮焼粉体をSEM装置
(走査型電子顕微鏡)により観察した。
【0078】本発明によるコロンバイト型マグネシウム
・ニオブ酸塩は、図2に示す電子顕微鏡写真(倍率、1
5,000)から観察されるように、粉体一次粒径は0.2
pm以下と極めて微細であり、しかも図4に示すX線回
折像から明らかなようにコロンバイト相の母相ピークが
完成されている。
【0079】一方比較例として、使用原料としてMgO
粉末とNb2 5 粉末を用い、ボールミルミル混合した
後1200℃の温度で仮焼し固相反応により従来の固相法に
よるMgNb2 6 塩を合成した。図5に示すのは粉末X
線回折装置による解析結果であり、ピークはコロンバイ
ト相の母相ピークである。また、図3に示すのはそのS
EM観察写真(倍率15,000倍)であり粉体一次粒径は1
〜2.0μm程度の大きさである。なお、従来の固相法
でMgNb2 6 のコロンバイト型塩を得るためには10
00℃以上望ましくは1200℃の仮焼温度が必要である。
【0080】本発明の多段湿式法でMgNb2 6 のコ
ロンバイト型塩を得るためには500℃以上望ましくは
500〜1100℃の仮焼温度が必要である。
【0081】本発明の多段湿式法で得たMgNb2 6
粉体を用いてPb(Mg1 / 3 Nb2 / 3 )O3 なる組
成調合を行いこのPMN焼結体の結晶粒径(粒界構造)
を観察したSEM写真を図8に示す。この写真に示す結
晶粒径(グレンサイズ)は1.0μmと微細であり、組
織は均一であった。
【0082】固相法粉体を用いてPb(Mg1 / 3 Nb
2 / 3 )O3 なる組成調合を行いこのPMN焼結体の結
晶粒径(粒界構造)を観察したSEM写真を図9に示
す。この写真に示す結晶粒径(グレンサイズ)は平均で
4.8μm程度であり、粒径分布は1.5μm〜8.0
μm程のばらつきがある。
【0083】表5に本発明により得た複合ペロブスカイ
ト型誘電体材料の非誘電率と焼結体結晶粒径、焼結温度
を示す。ここで比誘電率はLCRメータを用い、測定周
波数1KHz、測定電圧1Vrmsにおいて、静電容量を測定
し、静電容量から比誘電率を算出した。また、結晶粒径
はSEM装置により観察し測定を行った。
【0084】ここで表5に基づいて各試料の焼結体を評
価すると試料No.4,5,6,8,10は良好と評価
され、試料No.1,2,3,7,9は良好ではないか
と評価される。
【0085】
【表5】
【0086】
【発明の効果】本発明によれば、生成したばかりの新鮮
な水酸化ニオブの水性スラリーと酢酸金属塩とアンモニ
ア水とを混合し、コロンバイトの前駆体であるこの混合
物をスプレー乾燥後仮焼することにより、比較的低温で
の仮焼で高純度で均質なコロンバイト型ニオブ酸塩を合
成でき、このコロンバイト型ニオブ酸塩は酸化鉛と混合
し仮焼した低温仮焼で組成の均一さ、純度及び粒度の微
細さに優れているニオブ含有鉛系ペロブスカイトを得る
ことができる。
【0087】さらにこのペロブスカイト化合物は、従来
の固相法では得られない誘電特性及び微細組織の均一な
焼結体を与える。
【0088】このような特性に基づき、本発明の鉛成分
を含む合成ペロブスカイト型化合物を誘電体材料として
用いることにより、従来よりさらに高誘電率化及び組織
の均一化ができる誘電体材料を供給できることが可能で
ある。また、950℃以下の低温焼結化が可能であるた
め、エネルギーコストの低減を図ることばかりではな
く、焼成過程における鉛成分の蒸発を抑制することによ
り組成ずれを防ぐことができ、均一な組成の誘電体等の
磁器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるコロンバイト型マグネシウム・
ニオブ酸塩(MgNb2 6 )の仮焼温度とその仮焼物
のX線回折像である。
【図2】 本発明によるコロンバイト型マグネシウム・
ニオブ酸塩の900℃仮焼物の粒子構造を示す電子顕微
鏡写真(倍率15,000)である。
【図3】 従来の固相法によるMgNb2 6 の1200℃
仮焼物の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(倍率15,000)
である。
【図4】 図2に示す900℃仮焼物のX線回折像であ
る。
【図5】 図3に示す1200℃仮焼物のX線回折像であ
る。
【図6】 本発明による合成コロンバイト型ニオブ酸塩
を用いるニオブ含有鉛系ペロブスカイト化合物の合成及
びその焼結体を得る工程図である。
【図7】 従来の固相法によるニオブ含有鉛系ペロブス
カイト化合物の合成及びその焼結体を得る工程図であ
る。
【図8】 本発明によるマグネシウム・ニオブ含有鉛系
ペロブスカイト(PMN)の焼結体表面及びその断面の
粒界構造を示す電子顕微鏡写真(倍率2,000)である。
【図9】 従来の固相法によるマグネシウム・ニオブ含
有鉛系ペロブスカイトの焼結体表面及びその断面の粒界
構造を示す電子顕微鏡写真(倍率2,000)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石附 隆之 東京都中央区日本橋室町四丁目1番21号水 澤化学工業株式会社内 (72)発明者 岩谷 昭一 東京都中央区日本橋一丁目13番1号ティー ディーケイ株式会社内 (72)発明者 高橋 幸治 東京都中央区日本橋一丁目13番1号ティー ディーケイ株式会社内 (72)発明者 三戸 勇一 東京都中央区日本橋一丁目13番1号ティー ディーケイ株式会社内 (72)発明者 田中 均 東京都中央区日本橋一丁目13番1号ティー ディーケイ株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生成したばかりの新鮮な水酸化ニオブの
    水性スラリーと水酸化ニオブに対して化学量論的量の酢
    酸金属塩とアンモニア水とを混合し、この混合液を乾燥
    して粉末状混合物とし、この粉末混合物を仮焼すること
    を特徴とするコロンバイト型ニオブ酸塩の合成法。
  2. 【請求項2】 粉末混合物を500℃以上の温度で仮焼
    することを特徴とする請求項1記載の合成法。
  3. 【請求項3】 新鮮な水酸化ニオブの水性スラリーが、
    水酸化ニオブをシュウ酸に溶解し、次いでアンモニア水
    を添加して沈澱を生成させることにより得られたもので
    あることを特徴とする請求項1記載の合成法。
  4. 【請求項4】 アンモニア水を混合液のpHが7乃至1
    0.4となる量で混合する請求項1記載の合成法。
  5. 【請求項5】 上記混合液の乾燥がスプレー乾燥または
    凍結乾燥であることを特徴とする請求項1記載の合成
    法。
  6. 【請求項6】 下記式 【化1】 式中、Mは2価及び3価の金属であって、Mg,Ca,
    Zn,Ni,Co,Fe,Mn,Cr,CuまたはIn
    であり、mは金属Mの価数である。で表わされるコロン
    バイト型ニオブ酸塩であることを特徴とする請求項1記
    載の合成法。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかに記載の合成
    法で得られるコロンバイト型ニオブ酸塩と酸化鉛とを化
    学量論的量比で均密に混合し、この混合物を仮焼するこ
    とを特徴とするニオブ含有鉛系ペロブスカイト型化合物
    の合成法。
  8. 【請求項8】 ニオブ含有鉛系ペロブスカイト型化合物
    がPb(Mg・Nb)O3 系化合物であることを特徴と
    する請求項7記載の該ペロブスカイト型化合物の合成
    法。
  9. 【請求項9】 ニオブ含有鉛系ペロブスカイト型化合物
    がPb(Fe・Nb)O3 系化合物であることを特徴と
    する請求項7記載の該ペロブスカイト型化合物の合成
    法。
  10. 【請求項10】 ニオブ含有鉛系ペロブスカイト型化合
    物がPb(Co・Nb)O3 系化合物であることを特徴と
    する請求項7記載の該ペロブスカイト型化合物の合成
    法。
  11. 【請求項11】 請求項7記載の混合物を600℃以上
    の温度で仮焼することを特徴とする請求項8乃至10記
    載の該ペロブスカイト型化合物の合成法。
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